そう、彼女と出会ったのは5年目のオフ。
横浜で6年ぶりのAクラス入り、最優秀防御率、最多奪三振の2冠に輝くなど
一躍名をはぜた俺にテレビ出演の話が降りてきた。
スポンサーのテレビ会社だから断るに断れない。
横浜で6年ぶりのAクラス入り、最優秀防御率、最多奪三振の2冠に輝くなど
一躍名をはぜた俺にテレビ出演の話が降りてきた。
スポンサーのテレビ会社だから断るに断れない。
プロデューサーに待機を指示され俺は控室にいた。
すると一人の20代らしき白髪の若い女性が入ってきた。
すると一人の20代らしき白髪の若い女性が入ってきた。
「ねえ、あんたってもしかして小波?」
初対面でいきなり呼び捨てとはごあいさつなもんだと思いながら会釈を交わした。
「へえ、体おっきーい。あ、そうだ。あたし雨宮ジュリ。歌手として活躍中♪
えっと、出身どこ? ・・・あ、神奈川なんだ。あたしと一緒だ!
あと誕生日いつ? あ、私より年下~?へえー、意外。
あたし?24だよ。あなたより2つ年上~。」
えっと、出身どこ? ・・・あ、神奈川なんだ。あたしと一緒だ!
あと誕生日いつ? あ、私より年下~?へえー、意外。
あたし?24だよ。あなたより2つ年上~。」
話しやすい人だ。そう思っていたらプロデューサーがやってきた。
「はい、小波選手、ジュリちゃん。本番リハーサル行きます!」
「よし小波、さてテレビ出演だよ!」
そう言われ俺は部屋を後にした。
「よし小波、さてテレビ出演だよ!」
そう言われ俺は部屋を後にした。
収録は和やかに行われた。
終わった後ジュリに声をかけられた。
終わった後ジュリに声をかけられた。
「ねえ、アドレス交換しない?」
特に問題はないと思いアドレスを互いに交換した。
「あ、たまにはご飯とかに誘ってね♪横浜にいるから。あ、もちろん奢りで。」
やれやれ、ずうずうしい人だ。
特に問題はないと思いアドレスを互いに交換した。
「あ、たまにはご飯とかに誘ってね♪横浜にいるから。あ、もちろん奢りで。」
やれやれ、ずうずうしい人だ。
そう思いながら6年目のシーズンは始まった。
開幕戦バースデー完投勝利という華々しいスタートで飾る幸先がよかった。
オフの日に2週間に一度のペースでデートに誘った。
先輩方に教えてもらったデートスポットなどを駆使してデートを楽しんだ。
開幕戦バースデー完投勝利という華々しいスタートで飾る幸先がよかった。
オフの日に2週間に一度のペースでデートに誘った。
先輩方に教えてもらったデートスポットなどを駆使してデートを楽しんだ。
そしてある日、ジュリがこんなことを口にした。
「ねえ、次の登板日見に行くよ。」
観覧試合ってレベルじゃねえな、これ。
4日後にあると言って前日にチケットを渡した。
そして試合当日。
バックネット裏のチケットのためジュリの声が聞こえる。
「ねえ、次の登板日見に行くよ。」
観覧試合ってレベルじゃねえな、これ。
4日後にあると言って前日にチケットを渡した。
そして試合当日。
バックネット裏のチケットのためジュリの声が聞こえる。
試合は両者譲らず7回まで無失点。
8回に味方がようやく先制してくれるが、安打とフォアボールで
無死1,2塁のピンチを招く。
バッターは左の3番。
ここは外角のシュートで詰まらせ3塁フォースアウトでアウトカウントを一個増やすが、
ホームランダービーぶっちぎりの1位の4番と当たる。
ここまでの球数は110球。
内野全員と投手コーチがマウンドに集まる。
交代が妥当かもしれないが、このイニングを投げ切るということにした。
初球外角へ逃げるスライダー。ボール
2球目内角低めへ146kmストレート、ストライク
3球目外角低めへ142kmのボール。それを一塁線に流した。
しかし1塁真正面。ゲッツーで締める。
直球に軌道が似たツーシームである。
小波はグラブをポンと叩き、ベンチへ去った。
その後更に得点が重なったが8回までで降板だったので
最後のピッチャーにセーブがついた。
8回に味方がようやく先制してくれるが、安打とフォアボールで
無死1,2塁のピンチを招く。
バッターは左の3番。
ここは外角のシュートで詰まらせ3塁フォースアウトでアウトカウントを一個増やすが、
ホームランダービーぶっちぎりの1位の4番と当たる。
ここまでの球数は110球。
内野全員と投手コーチがマウンドに集まる。
交代が妥当かもしれないが、このイニングを投げ切るということにした。
初球外角へ逃げるスライダー。ボール
2球目内角低めへ146kmストレート、ストライク
3球目外角低めへ142kmのボール。それを一塁線に流した。
しかし1塁真正面。ゲッツーで締める。
直球に軌道が似たツーシームである。
小波はグラブをポンと叩き、ベンチへ去った。
その後更に得点が重なったが8回までで降板だったので
最後のピッチャーにセーブがついた。
試合後、ジュリに話しかけると笑顔でこう言ってきた。
「小波すごい!あんなピンチ切り抜けちゃうもん。」
「あざっす。俺もあのときは一点は仕方ないって思いました。」
「へへへ。」
そんな感じでジュリはご満悦だった。
「あざっす。俺もあのときは一点は仕方ないって思いました。」
「へへへ。」
そんな感じでジュリはご満悦だった。
そのあともデートを重ね、とうとう告白した。
しかし、帰ってきた言葉が意外なものだった。
しかし、帰ってきた言葉が意外なものだった。
「あれ、あたし達って付き合っていなかったっけ?」
人の人生初の告白までも受け流すとはなんてやつだ。
まあそんな感じで俺とジュリは付き合うことになった。
人の人生初の告白までも受け流すとはなんてやつだ。
まあそんな感じで俺とジュリは付き合うことになった。
それからも順調に交際を続けるとある日突然ジュリがこう言った。
「ちょっと相談に乗ってほしいの。」
普段比較的明るいジュリが相談とは何事かと思った。
「ちょっと相談に乗ってほしいの。」
普段比較的明るいジュリが相談とは何事かと思った。
ジュリは悩んでいた。
どんどん成長していく小波に対し、着うたランクもCDの売り上げも
どんどん下がっていく自分がだめに思えてきた。
ここ数日、実はあまり眠れていない。
小波が自分をどう思っているのか知りたい。
どんどん成長していく小波に対し、着うたランクもCDの売り上げも
どんどん下がっていく自分がだめに思えてきた。
ここ数日、実はあまり眠れていない。
小波が自分をどう思っているのか知りたい。
待ち合わせ場所は海のすぐそばだった。
待ち合わせの時間は6:30分
しかしジュリは1時間前に既にそこにいた。
もうどうしてもそのことが知りたくて。
しかし、空はいつ雨が降ってもおかしくないくらい曇っていた。
(・・・これ、あたしの心の中を映しているのかな。)
待ち合わせの時間は6:30分
しかしジュリは1時間前に既にそこにいた。
もうどうしてもそのことが知りたくて。
しかし、空はいつ雨が降ってもおかしくないくらい曇っていた。
(・・・これ、あたしの心の中を映しているのかな。)
そんな風に思っていたら、雨が降ってきた。
(え、どうしよう。周りに建物なんてろくにないし、折りたたみ傘
持ってきてないし・・・)
ジュリはあわてて自ら羽織っていたふくを頭にかぶせていた。
ただいま5:40分
約束の時間まで50分。
持ってきてないし・・・)
ジュリはあわてて自ら羽織っていたふくを頭にかぶせていた。
ただいま5:40分
約束の時間まで50分。
(まだかな・・・)
しかし小波は来ない。
ただいま5:55分
約束の時間まで35分
しかし小波は来ない。
ただいま5:55分
約束の時間まで35分
(うう、寒くて凍えそうだよ小波・・・)
そう思ったが小波は来ない。
(早く来なきゃよかったなあ。)
だが思いも空しく灰色の空に消えていった。
ただいま6:05分
約束の時間まで25分
そう思ったが小波は来ない。
(早く来なきゃよかったなあ。)
だが思いも空しく灰色の空に消えていった。
ただいま6:05分
約束の時間まで25分
それから10分後、小波はやってきた。
するとそこには凍えているジュリの姿があった。
「しっかりしてください、ジュリさん!」
小波が叫ぶ。
「へへ・・早く来すぎちゃったな・・」
ジュリが今にも潰えそうな声で言う。
「とにかく早く車の中に入って!」
車の後部座席にジュリを寝かせるとありったけのタオルを使いジュリを暖めた。
するとそこには凍えているジュリの姿があった。
「しっかりしてください、ジュリさん!」
小波が叫ぶ。
「へへ・・早く来すぎちゃったな・・」
ジュリが今にも潰えそうな声で言う。
「とにかく早く車の中に入って!」
車の後部座席にジュリを寝かせるとありったけのタオルを使いジュリを暖めた。
10分後、小波のマンションに着いた。
ジュリを自分の部屋まで運ぶとソファに寝かせ、毛布をかけた。
「あの雨の中ずっと傘もささずに待っていたんですか?」
「……うん。」
「風邪ひいたらどうするんですか!俺だけじゃなくファンも悲しみますよ。」
「そっか…ごめんね。」
ジュリにいつもの元気がなかった。
ジュリを自分の部屋まで運ぶとソファに寝かせ、毛布をかけた。
「あの雨の中ずっと傘もささずに待っていたんですか?」
「……うん。」
「風邪ひいたらどうするんですか!俺だけじゃなくファンも悲しみますよ。」
「そっか…ごめんね。」
ジュリにいつもの元気がなかった。
沸騰の合図を知らせる音が鳴ったのでヤカンの火を消し
ティーポットの中に注いだ。
紅茶ができるまで時間がかかるのでその間にありあわせのもので
料理を作った。
ティーポットの中に注いだ。
紅茶ができるまで時間がかかるのでその間にありあわせのもので
料理を作った。
ソファに目をやるとジュリはすやすやと寝息を立てていた。
しかし、次第に顔が徐々に歪んでいった。
俺はあわててソファに近づくとジュリは何か呟いていた。
しかし、あまりにも小さかったので聞き取れなかった。
しかし、次第に顔が徐々に歪んでいった。
俺はあわててソファに近づくとジュリは何か呟いていた。
しかし、あまりにも小さかったので聞き取れなかった。
「ジュリさん!だいじょうぶですか!?」
「・・・ん・・うーん・・・あ・こなみ・・・」
「よかった。目が覚めたみたい。紅茶淹れたんで飲みます?」
「うん、いただきます。」
紅茶をティーカップに注ぐとジュリに渡した。
「・・・おいしい」
「よかったです。あ、これ作ったんですけどよかったらどうぞ。」
そう言ってソファのそばのテーブルに皿と箸を置いた。
「わざわざ作ってくれたんだ。ありがとう」
そう言って皿を手に取りおいしそうに食べ始めた。
「・・・ん・・うーん・・・あ・こなみ・・・」
「よかった。目が覚めたみたい。紅茶淹れたんで飲みます?」
「うん、いただきます。」
紅茶をティーカップに注ぐとジュリに渡した。
「・・・おいしい」
「よかったです。あ、これ作ったんですけどよかったらどうぞ。」
そう言ってソファのそばのテーブルに皿と箸を置いた。
「わざわざ作ってくれたんだ。ありがとう」
そう言って皿を手に取りおいしそうに食べ始めた。
ジュリが小波の料理を食べ終わったので小波はジュリが何を相談しに来たのか尋ねてみた。
「・・・ねえ、ジュリさん。」
「ん、どうしたの?」
「相談ってなんですか?」
「ああ・・・あれね。聞きたい?」
「そりゃ彼氏なんですから。聞きたいに決まっているじゃないですか。」
「そっか・・・」
テーブルに箸と皿を置くとどこか悲しそうな表情で話し始めた。
「あたしね、最近スランプなんだ。
あんまり着うたもCDも売れないの。
でも、小波君はいくら調子が悪くても先発で大崩れなんかしない。
悪くても自分の力を100%発揮してる。
だから小波君とあたしを比べると何だかあたしが
小波君の彼女として釣り合っていないのかなって思っちゃって。」
「・・・ねえ、ジュリさん。」
「ん、どうしたの?」
「相談ってなんですか?」
「ああ・・・あれね。聞きたい?」
「そりゃ彼氏なんですから。聞きたいに決まっているじゃないですか。」
「そっか・・・」
テーブルに箸と皿を置くとどこか悲しそうな表情で話し始めた。
「あたしね、最近スランプなんだ。
あんまり着うたもCDも売れないの。
でも、小波君はいくら調子が悪くても先発で大崩れなんかしない。
悪くても自分の力を100%発揮してる。
だから小波君とあたしを比べると何だかあたしが
小波君の彼女として釣り合っていないのかなって思っちゃって。」
「そんなことはないですよジュリさん。」
小波は即答した。
「確かに一昨年から俺は大崩れとかはしていないけれど
2年目のスランプにはまりました。
それに比べてジュリさんはデビューから
ずっとトップアーティストとして頑張っているじゃないですか。
だから、少し立ち止まって休むのも大切だと思うんです。
少し休んでもバチは当たりませんよ。」
ジュリは感激した。小波がまさかここまで自分のことを
見ていてくれただなんて思っていなかったからだ。
そして安心したのか糸が切れたように小波のほうへ倒れてきた。
「わわ、どうしたんですかジュリさん!?何か俺悪いことしましたか?」
「ううん、小波がすごくあたしのことを見ていてくれるとわかって
つい甘えたくなっちゃった。」
「そ、そうですか。とりあえずお皿下げてきますね。」
そう言って小波がキッチンに向かおうとしたらジュリに服の裾を掴まれた。
「いっちゃやだ。」
「え?」
小波は何が何だかわからなかった。
「一人になるとそのまま小波がどっか言っちゃいそうでやだ。
だから一人にしないで。」
小波は即答した。
「確かに一昨年から俺は大崩れとかはしていないけれど
2年目のスランプにはまりました。
それに比べてジュリさんはデビューから
ずっとトップアーティストとして頑張っているじゃないですか。
だから、少し立ち止まって休むのも大切だと思うんです。
少し休んでもバチは当たりませんよ。」
ジュリは感激した。小波がまさかここまで自分のことを
見ていてくれただなんて思っていなかったからだ。
そして安心したのか糸が切れたように小波のほうへ倒れてきた。
「わわ、どうしたんですかジュリさん!?何か俺悪いことしましたか?」
「ううん、小波がすごくあたしのことを見ていてくれるとわかって
つい甘えたくなっちゃった。」
「そ、そうですか。とりあえずお皿下げてきますね。」
そう言って小波がキッチンに向かおうとしたらジュリに服の裾を掴まれた。
「いっちゃやだ。」
「え?」
小波は何が何だかわからなかった。
「一人になるとそのまま小波がどっか言っちゃいそうでやだ。
だから一人にしないで。」
「大丈夫ですよジュリさん。僕はいつでもそばにいます。」
「・・・ほんと?」
「ええ。」
「じゃ一緒に寝て」
「・・・え?」
「いつでもそばにいるんでしょ?ならそばで一緒に寝てよ。」
小悪魔みたいな笑みを浮かべながらジュリはそう言った。
小波は困惑したがすべてを悟った。
ずっとトップを走り続けて来たジュリは甘えるおろか
誰かに頼ることができなかった。
だけど小波という甘えられる対象ができた。
ならジュリが思う存分甘えさせてやりたい。そう思った。
「・・・わかりました。」
小波は少しはにかんだ表情をすると
ジュリはヒマワリのような笑顔を浮かべた。
「・・・ほんと?」
「ええ。」
「じゃ一緒に寝て」
「・・・え?」
「いつでもそばにいるんでしょ?ならそばで一緒に寝てよ。」
小悪魔みたいな笑みを浮かべながらジュリはそう言った。
小波は困惑したがすべてを悟った。
ずっとトップを走り続けて来たジュリは甘えるおろか
誰かに頼ることができなかった。
だけど小波という甘えられる対象ができた。
ならジュリが思う存分甘えさせてやりたい。そう思った。
「・・・わかりました。」
小波は少しはにかんだ表情をすると
ジュリはヒマワリのような笑顔を浮かべた。
「じゃあだっこしてベッドまで運んでほしいな。」
またジュリは小悪魔のような笑みを浮かべていった。
「えっと・・その・・いわゆるお嬢様だっこですか?」
「うん、やってよ。」
「甘えん坊なんですね、ジュリさん。」
「うん。だから、お嬢様だっこして。」
小波は少し苦笑を浮かべながらジュリを抱きかかえた。
その体があまりにも軽かったことにびっくりした。
「ジュリさん、軽いですね。」
「あら、重いと思っていたの小波君?ショックかな。」
「そんなことあるわけないじゃないですかジュリさん!」
ジュリはまた小悪魔のような笑みを浮かべて、
小波は真っ赤な顔をしていった。
またジュリは小悪魔のような笑みを浮かべていった。
「えっと・・その・・いわゆるお嬢様だっこですか?」
「うん、やってよ。」
「甘えん坊なんですね、ジュリさん。」
「うん。だから、お嬢様だっこして。」
小波は少し苦笑を浮かべながらジュリを抱きかかえた。
その体があまりにも軽かったことにびっくりした。
「ジュリさん、軽いですね。」
「あら、重いと思っていたの小波君?ショックかな。」
「そんなことあるわけないじゃないですかジュリさん!」
ジュリはまた小悪魔のような笑みを浮かべて、
小波は真っ赤な顔をしていった。
小波の寝室に着くとジュリをベッドに寝かせた。
そして小波も隣に寝た。
しかし、眠れるわけがない。
(やばい、ジュリさんが隣に寝ていると思うとドキドキして寝れない)
小波の心拍数がどんどん上がっていくことはもはや必然的だった。
すると、ジュリがこっちを向いて言ってきた。
「ねえ、ぎゅって抱きしめて頭なでてよ。」
なんなんだこの人は。俺の理性を壊すことを楽しんでいるのか?
当然小波は困惑した。
「そ、それはさすがに・・・」
「ふうん、小波そんなこと言っていいんだ。
ぎゅって抱きしめて頭なでてくれないと私を泣かせたって
テレビで言っちゃうよ。」
小波の顔から血の気が引いて行った。
まずい。ただでさえデートを目撃されているのに
そんなことを言われると球団が自分を雇ってくれるか危うくなる。
「わ、わかりました。ぎゅって抱きしめて頭撫でればいいんですよね!?」
「うん。ぎゅってしてなでなでしてくれればいいの♪」
もうどうにでもなれ。そう思いながら小波はジュリを抱き寄せ頭をなでた。
「えへへ、小波にぎゅってしてなでなでしてもらえてあたし幸せだな♪」
「そ、それはよかったです。」
やばい。かなり心臓がバクバクしている。
「あ、そうだ。」
「ま、まだあるんですか?」
「このまま一晩一緒に寝てもらおうかな。」
「それはさすがに・・・」
「おねがい・・・」
潤んだ瞳で小波を見上げてきた。
おい、なんだこれ。核兵器より威力があるじゃないか。
「甘えん坊ってレベルじゃないですね、ジュリさん。」
「えへへ、でもこれって小波だけなんだよ。」
KO。小波ノックアウト。
「全く、ずっと僕が甘えさせなきゃならないじゃないですか。」
「・・・嫌なの?」
「僕に一生を任せてくれなきゃ嫌です。」
その時、小波はやってしまったと思った。
もうおしまいだ。
「・・・あたしでいいの?」
Thank you god.
「ジュリさん以外にだれが務まるんですか。」
「こんな不束者のあたしでよかったら喜んでお嫁さんになるよ。」
「うん。よろしくね、ジュリさん。」
「うん!」
二人の甘い時間はまだまだ続きそうだ。
そして小波も隣に寝た。
しかし、眠れるわけがない。
(やばい、ジュリさんが隣に寝ていると思うとドキドキして寝れない)
小波の心拍数がどんどん上がっていくことはもはや必然的だった。
すると、ジュリがこっちを向いて言ってきた。
「ねえ、ぎゅって抱きしめて頭なでてよ。」
なんなんだこの人は。俺の理性を壊すことを楽しんでいるのか?
当然小波は困惑した。
「そ、それはさすがに・・・」
「ふうん、小波そんなこと言っていいんだ。
ぎゅって抱きしめて頭なでてくれないと私を泣かせたって
テレビで言っちゃうよ。」
小波の顔から血の気が引いて行った。
まずい。ただでさえデートを目撃されているのに
そんなことを言われると球団が自分を雇ってくれるか危うくなる。
「わ、わかりました。ぎゅって抱きしめて頭撫でればいいんですよね!?」
「うん。ぎゅってしてなでなでしてくれればいいの♪」
もうどうにでもなれ。そう思いながら小波はジュリを抱き寄せ頭をなでた。
「えへへ、小波にぎゅってしてなでなでしてもらえてあたし幸せだな♪」
「そ、それはよかったです。」
やばい。かなり心臓がバクバクしている。
「あ、そうだ。」
「ま、まだあるんですか?」
「このまま一晩一緒に寝てもらおうかな。」
「それはさすがに・・・」
「おねがい・・・」
潤んだ瞳で小波を見上げてきた。
おい、なんだこれ。核兵器より威力があるじゃないか。
「甘えん坊ってレベルじゃないですね、ジュリさん。」
「えへへ、でもこれって小波だけなんだよ。」
KO。小波ノックアウト。
「全く、ずっと僕が甘えさせなきゃならないじゃないですか。」
「・・・嫌なの?」
「僕に一生を任せてくれなきゃ嫌です。」
その時、小波はやってしまったと思った。
もうおしまいだ。
「・・・あたしでいいの?」
Thank you god.
「ジュリさん以外にだれが務まるんですか。」
「こんな不束者のあたしでよかったら喜んでお嫁さんになるよ。」
「うん。よろしくね、ジュリさん。」
「うん!」
二人の甘い時間はまだまだ続きそうだ。