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skinship World2-1

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匿名ユーザー

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 秋風。 徐々に寒くなっていく秋の風。
 爽やかに感じる人もいれば、肌寒く感じる人もいる。
 沖縄で行うキャットハンズ秋季キャンプ。 キャットハンズの選手達は、大半参加していた。
 最下位だったチームに強化が必要となる。
 ドラフト会議も直前となり、(この作品では11月中旬がドラフト会議……ただし希望枠は撤廃。 高卒、大卒、社会人合同ドラフト完全ウェーバー順と現実と異なる。ただし、一巡目のみ競合するとくじ引き)各チームの補強が着々と進んでいる。
 そんな中、キャットハンズでは、監督の意向で昨年獲得した育成選手を含む現有戦力のレベルアップを目指している。
 恐らく猫の手がドラフト会議で獲得する選手は、高校生であろう。 ――そんな噂をあおいは耳ににしていた。

 投手なら自分の知識を教える。 捕手なら自分が引っ張りながらスキンシップを交わさないといけない。
 様々な噂。 昨年はみずきが加入。 即戦力セットアッパーとして大ブレイクを果たした。
 加えて、二人目の女性選手としてメディアが喰い付き、一気に人気選手にのし上がった。

 猫の手の戦力は悪くは無い。 昨年オフ、ファイターズからトレードでやってきた矢部が一軍定着。
 投手も十勝投手が一人、八勝投手が二人、みずきあおいの黄金リレーで勝利をもぎ取る。打者も三割前後の打者が三人もいる。
 最下位はと言っても、ここ五年の中で最も良い成績を残していた。

「………」

 だがあおいは悔しかった。
 最後のファンへの挨拶の後、笑っていた選手がいた。
 奇しくも、その選手は秋季キャンプに参加していない。
 あの笑みを思いだすと、激しい怒りと何処にもやれない悔しさがこみ上げてくる。
 自分は怠けない。 この秋季キャンプでレベルアップして、来年を迎える。
 意気込むそんなあおいに、一つの声。

「セーンパイ♪」
「みっ、みずき……」

 そして一つ、パシフィックリーグ最終戦の終了後、みずきの家にお邪魔した。
 その際、あおいはみずきと人には言えない事を行った。 今でも思い出すと頬が真っ赤に染まる。
 二ヶ月経った今でも、みずきを見ると下半身が熱くなってしまう。
 もじもじと足を動かすが、その疼きが簡単に消える事はない。
 更に、たまにみずきの顔が直視できなくなる。 あの出来事はあおいにとって衝撃的な出来事になった。
 ただ、あの出来事以来、みずきは普通の後輩になっているが……。
 いつあの顔になるか分からない。 あの意地悪になってエッチになるみずきを。


「見てくださいよー、今日のクレッセントムーンの切れ凄すぎて捕手が捕れないんですよー」

 頬をポリポリ掻くみずき。 完全に今の彼女の姿は後輩そのものだ。

「そうなんだー。 後で見せてねっ、みずきっ」
「はいっ♪」

 ふわっと、みずきは笑みを見せた。 笑顔を見せられると、少し小恥ずかしくなる。
 変な感じ。 今までに無い感じ。 恐らく野球だけ関わってきていたからだ。 あんな事をされた衝撃が大きいだけ。
 その内慣れる。 慣れて今まで通りの「早川あおい」に戻る。
 そう信じていた。

「あおいちゃーん、バッティングピッチャーやってくれない?」
「うん? 分かったよー、今行くね~。 じゃあみずき、後でね」
「はいっ」


 緑色の三つ編みが特徴的な女の子がマウンドに登っている。 只者ではない。 これでもチームのクローザー。
 通称「マリンボール」。 あおいの代名詞と言っても良いシンカー。
 唯でさえ、アンダースローはあおいとマリーンズの渡辺しか居ない。 稀有な存在なのだ。
 その上にこのマリンボール。 女性特有の柔らかい身体から放たれる、切れのあるシンカー。
 このマリンボールで並み居るチームを抑えてきた。
 バッティングピッチャーと言っても手加減はしない。 キャットハンズのクローザーはそう思いながら投げていた。

 続く相手打者には矢部明雄。 今季キャットハンズ一番打者に定着し、三割近く打ち活躍した眼鏡が特徴的な男である。
 パワフル高校をベスト4に進出させた力を買ったのか、ファイターズが五順目指名をした。
 昨年オフ、トレードでキャットハンズに移籍し、持ち味の足を活かし活躍した。
 所謂あおい、猪狩と同じ世代……猪狩世代と呼ばれている。 勿論来期も首脳陣から期待されている。
 矢部はバットをぶんぶん回して、最後にバットをあおいに向けた。 矢部は気合十分だ。

「あおいちゃんのマリンボールは、このオイラが打ち砕くでやんす!」
「やれるものならやってみなさいよ、この眼鏡!」
「眼鏡って言わないでくれでやんす!」

 秋季キャンプが始まってから、あおいはみずきと首脳陣以外の選手に短気になっていた。
 元から優しい中で、愛敬のある短気な性格だったが、それは高校時代から。
 だが今のあおいの短気具合は、高校時代のそれ以上だ。
 恐らく来期にかける思いが比例して、あおいに気合を入れかけているからだ。
 そしてあのシーズン終了後に笑った選手の姿を、みずきを除く選手に照らし合わせているのだろうか。
 あおいは来期から選手会長だ。 自覚はある。 その自覚があるから、年始からやる気の無い選手を出さないため。
 今の内、各選手達に気合を入れさせるために短気になっているのか。 真相は彼女しか分からない。
 ……最も

「あおいセンパイが投げているんだから、手を抜いたら許さないですよ、眼鏡センパイ」
「眼鏡眼鏡五月蠅いでやんす!」
「へぇ……私に口答えすんですか? 精神注入棒の餌食になりたいんですか?」
「ひ、ヒイイィィ!!」

 このみずきの気合注入(脅し?)により気合を入れる選手が多々。
 ……勿論、あの精神注入棒による被害も少なくは無い。

「いくよっ」

 ゆっくりとあおいがマウンドで動き出す。
 球種は浮き上がるようなストレート。 130キロ前後の球に、矢部は空振りする。
 アンダースロー。 浮き上がるような感覚を覚える直球。 今季も、この直球とマリンボールとのコンビネーションで抑えてきたのも当然だ。
 女性ゆえか、球に球威は無い。 スピードも無い。
 だが、相手のバットに当たらなければ良い。 正しくこの事を実行していた。
 マリンボールを完成させてから、投球内容は一気に良くなった。 まさにマリンボール様様である。

「……あおいちゃん! マリンボールを投げて来いでやんす!」
「良い度胸だねっ、矢部君。 良いよ……お望みどおり投げてあげるよっ!」

 何か決意したのかは分からないが、矢部はマリンボールを要求。
 ならば投げ惜しみする必要は無い。 あおいは頷き、二球目を投げる。
 地を這う白球。 アンダースロー特有の軌道ゆえ、矢部に向かうにつれ少しずつ上昇。

 そして沈んでいく。 ――だが

「マリンボール対策のため、オイラはこの打法を試しているでやんす!」
「えっ……?」
「必殺!! 振り子打法と見せかけ、ガンダー打法!!」

 見た目そのものは、ただの振り子打法。 ただ矢部がカッコつけて命名しただけ。
 マリンボールにあわせて、矢部のガンダー打法が火を噴く………

 ボールが音をたてて、ミットに収まった。

「ストライクツー」
「……矢部君」
「…矢部センパイ、格好悪っ……」
「た、タイミングが合わなかっただけでやんすッ! タイミング!!」
「………」

 慌てて弁解する矢部。 あおいとみずきはジト眼で矢部を見た。
 矢部は、「痛々しい視線を投げないでやんすー!」とほざいていた。
 ……が、あおいは良く考える。 先ほどのマリンボールの変化とガンダー打法のスイング位置を思い出す。
 確かに、コースに関しては、真芯だった。

(一球でコースに合わせるなんて……)

 ガンダー打法。 来期シーズン、意外と脅威になりそう……かも。

「次来いでやんす!マリンボールでかかって来いでやんす!」
「分かったよっ、行くよ矢部君!」

 三球目、再びマリンボール。 今度は球速を少し速めて投げた。
 しかし、今度は矢部の勝ち。 タイミングピッタリ。 木のバットの真芯。

「――ッ!」
「もらったでやんす!」

 あおいの低目のマリンボールは、矢部の木のバットの真芯により弾き返された。

「……えっ」

 何か、嫌な音がした。
 自分の身体に、変な痛みが起きた。
 力が入らない。 ……どうして?
 矢部君、みずき、皆がこっちに向かってきている。 何で?
 ボクに……ボクに……何が起きたの?

 どさりと音を立てて、あおいはマウンドに倒れた。


 ぼんやりとした瞳。 ゆっくりと開ける。
 蛍光灯が眩しい。 少し目を細めた。
 数秒後、少し眼が慣れて目を確りと開けた。
 あれ? 確かボクはマウンドで投げていた筈。

「あおいちゃん! よかったでやんすぅ!」
「あおいセンパイ……良かった、目を覚ましてくれたんですね……ひっく…」
「…みずき……矢部君?」

 あおいの目に飛び込んできたのは、ボコボコに殴られた傷跡が目立つ矢部と、泣きじゃくっていたみずきの姿があった。

「ボクは……どうしたの?」
「この眼鏡があおいセンパイに打球を当てたんですよぉ……。この糞眼鏡!早く引退して!!」
「スマンでやんす……オイラ、詫びても詫びても詫びきれないでやんす………」

 怒るみずきと落ち込む矢部。 それぞれの表情があおいの瞳の中で動く。
 話によると、あおいの身体に打球が命中した。
 場は騒然としたが、チームドクターである加藤先生が颯爽と現れ、ここに運んでくれたらしい。
 その際、何か飲まされたらしい。 加藤先生曰く、痛み止めらしい。

「……痛み止めの御蔭かな。 痛みは無いよ」
「診察の結果、奇跡的に異常無しって言ってました……本当に良かったです」
「……そう。 ……看病してくれて、ありがとう」
「ハイ……。 ほら!あんたは謝るの!!」
「……本当に御免なさいでやんす」
「良いよ。 この通り、ボクは無事だし、許してあげるよ」

 矢部が多少明るくなった。 罪悪感から、ほんの少しだけ解放された気分だろうか。
 みずきは不服そうだったが、あおいが言っているのでそれ以上何も言わなかった。
 あおいはみずきと話をしたいと言う理由で、先に矢部を帰らせた。

 時刻はもう午後11時になる。漆黒の夜に外は包まれていた。
 ベットから起き上がったあおいは、窓の外から空を眺めていた。

「静かだね。 あっ、誰も居ないからかっ」
「……そう…ですね」
「………」
「………」

 無言が続く。 今日の出来事に、お互い疲れているのか。
 特にみずきは、今日一日中泣きっ放しに違いない。 あおいはみずきの頭を撫でた。

「…センパァイ……」
「……本当に、ボクは大丈夫だから」
「はいっ……」
「うん……みずき……」

 みずきの表情が、安堵に変わった。
 間違いなく、彼女に甘えたいという表情。

「センパイ……、一つ、良いですか……?」
「えっ……? うんっ、みずきなら良いよっ」
「では……キス、して良いですか?」

「………!」

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