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みずき×友沢

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匿名ユーザー

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 静かな夜。
 テレビから流れる音楽の向こうから、時折、随分小さく車の走る音が聞こえる。
 窓のすぐ外の信号機の光が、窓に一枚引かれた薄いレースを透かして壁や天井に淡く色を映す。
 青……、黄色、赤。
 さっとカーテンが引かれる。
 乱暴に引かれ、ゆったりとはためくカーテンの陰には、恨めしそうに信号機を睨み付けるみずきの顔があった。
春先だというのにじんわりと蒸し暑い。
 みずきは寮の自室で一人テレビを見ていた。
パジャマの袖をまくり、背もたれを抱えるようにして椅子に座って、それからお菓子を食べながら。
 スナック菓子は残り半分ほど。
夜中に間食なんて本当はよしたほうがいいのだけれど。
選手としても、女の子としても。
ついついコンビニに寄っちゃうのも、欲しくなって買っちゃうのも、まだまだメンタルが弱いからかもしれない。
 袋の中身を眺めながら、ため息を一つ。
今日はここまで、と袋に輪ゴムを掛ける。
 すぐに片付ければいいのに、袋をじっと眺めて、うーん、と考え込んでしまう。
なごりおしんでちゃいけない、もうしまっちゃったからだめよ、と自分に言い聞かす。
……
やっぱり中身を一つだけ出して、ようやく片付ける。
テレビはおもしろくない。
チャンネルを変えようとリモコンをいじるが、どうも反応が無い。
ぐっと左腕を前に出し、気持ち身を乗り出して……やっと変わった。
ふふん、と、何だか得意気。
 その体勢のまま、ちょこちょことチャンネルを変えながら、テレビを見た。
際限無く番組が飛ばされていく。
どれもいまひとつ。
そのうちに、だらんと下がり気味に伸びた左腕で、テレビに向けていたリモコンを器用に回してみたり、不安定に端っこを持って変化球の握りの練習をしてみたりと一人遊びを始めた。
 夜中にテレビを見るかお菓子を食べる以外にすることのない女の子なんて……。
 さみしいことはさみしいけれど、野球が恋人、という都合のいい建前があったので、あまり気にならなかった。
 うまくごまかしていた、とも言える。
──チームのみんなの持ち球は何だったっけ……。
あいつの昔の決め球は……、そうそう、スライダー。

スライダーってどうやって投げるんだったかな。
……そういえば最近よくあいつに見られてる気がする。
 練習中ちらちらと視線を感じる。
 未だに女性選手が物珍しいのだろうか。
 私のピッチングが気になりでもするのだろうか。
 それとも……
いや、あのすかした男が女の子をじろじろ見たりはしないだろう。
じゃあただの私の被害妄想?
それとも、何か、期待してる?
腕を伸ばしたまま、うーん、と唸る。
スライダーの投げ方を思い出そうとする。
なんだか疲れたので、お菓子を食べながら練習。
あいつのマネをして、腕をまっすぐ伸ばして格好をつけてみる。
いや、そんな格好するか知らないけど。
持ってるのはリモコンなので格好ついてないけど。
とにかく満足げにポーズ。
その時、コンコン、とドアをノックする音がした。
突然の事にリモコンを落としそうになる。
 夜中に客など来たことがない。
何より驚いたし、していた事を見られたようで何だか恥ずかしくなる。
一体誰だろうと様子を窺う。
ワンルームなのでドアは短い廊下のすぐ向うに見える。
「俺だ」
友沢の声。
──え?何で?
あいつが夜中に自分の部屋に何の用があるのか。
「起きてるか?」
「は、はい!」
何だか妙な応対になってしまった。
「入るぞ」
──ど、どうしよう、どうしよう。
とりあえずパジャマの袖を急いで下ろす。
椅子の向きを変え、かしこまった感じで座る。
……お菓子!
とっさに背中に隠す。
ドアが開き、友沢が入ってくる。
 って、なんでこんなにうろたえてるんだ、私。
「おう」
「こ、こんばんは」
友沢は入ってくると、みずきのパジャマ姿なのを見て、視線を逸らした。

「ほら、忘れ物だ」
と言って、タオルを差し出した。
 友沢は忘れ物を届けに来たのだった。
 柄物を好んで使うのは自分だけ、とはいえ、友沢も少々めざとい。
 やはり意識して見ていたのか、目に付いたのを覚えていただけか……。
「あ、うん……」
みずきは、友沢の手の中のタオルを見ながら、どぎまぎしている。
二人の間に何とも言えない沈黙が流れる。
テレビから笑い声が聞こえる。
「……ここに置くからな」
と、友沢はタオルを靴箱の上に置く。
みずきは落ち着きなく、応対に困っている様子。
友沢は何かに気付いた様で、みずきを見た。
「何か食ってたな、もう夜だぞ」
そこまで悪いことではないけれど、怪しむ様に言った。
みずきはびくっと反応する。
 いつもなら、何匂い嗅いでんのよ!とでも言うところだが、その時はそんな余裕は無かった。
何だか急に恥ずかしくなる。
それだけ言うと、友沢は帰ろうと振り返った。
「食べる?」
つい、友沢を引き止めるように、みずきはお菓子の袋を見せた。
妙に声が大きくなってしまった。
友沢が振り向く。
みずきは自分で言っておいて、とっさに作ったぎこちない笑顔のまま硬直している。
「俺はそういうの食わないよ」
「これ、面白いよ」
すぐに話題を変え、友沢からは見えない所にあるテレビを指差した。
「え?」
「これ……」
さっきからテレビからは笑い声がしている。
みずきが繰り返しに勧めるので、友沢もよく分からないまま部屋に上がった。
みずきは緊張しながら、友沢が靴を脱ぎ、部屋に上がるのを見守った。
自分でもわけがわからないまま、部屋に入れてしまった。
一体どんな意識が働いたのか、突発的にそうしてしまった。
自分は一体どんな顔で彼を引き止めたのか。
変な奴だと思われてはいないか。
実に気まずい。
加えて、「面白いよ」とか言ったテレビはそんなに面白くなかった。
このこともまた気まずくさせた。
二人並んで、みずきは椅子に座って、友沢は立って、黙りこくったまま、大して面白くもないテレビを見ている。
沈黙に耐えかねて、みずきが口を開く。
「……あんまり面白くなかったね」

 友沢はちらりとみずきを見ると、彼女の大きく開いた襟元に目が行き、慌ててテレビに視線を戻す。
「……そうだな。まあ、さっきまでは面白かったんだろ」
友沢は律義だ。
気を遣ってフォローまでされてしまった。
みずきは、テレビの事はつい思い付きで言ってしまっただけだったので返事に困ったが、気を遣ってくれたことには、それは大したフォローではないけれど、少し安心した。
とはいえ、場の空気が大きく動いたわけではなかった。
結局それきり二人とも喋らないし、テレビはつまらないし。
 ただ時間だけが……、いや、長く感じるが、本当は何分も経っていない。
みずきは少なくとも三十分は経ったと思っていた。
そうでなくてもこのままの状態でいることには耐えられなかった。
何とかできないか、と考える。
友沢はどうしているだろうか、と横目に見ると、友沢は自分の方を見ていた。
そしてこちらの視線に気付くと、目を背けられた。
みずきも弾かれたようにテレビに向き直る。
友沢はみずきの胸元が気になって仕方がないようだった。
みずきの胸はあまり自己主張が強くない方なので、ちょっと覗き込めば簡単に服の中身が見えてしまう。
みずきは自分でもあまり恥ずかしがりではないと思っていたが、今は本当に恥ずかしかった。
友沢が見れない。
顔が熱くなってきた。
友沢はどうなっているだろうか。
こんなことになって、はじめに嫌悪感がわかなかったのは、自分でもどうかしていたと思う。
しかし、これでいくらか空気が変わった気がする。
これなら何とかなりそうな、例えば自分が怒って見せて、あるいは友沢をからかって、今日のところは場を納められそうな気がした。
ただ、少し引っ掛かるところはあった。
何かよく分からないけど、自分をエサに使うところか、自分から友沢を入れておいて、からかって帰すのが悪い気がするのか。
とにかくこの場を何とかしたい焦りがあったので、悩むまでもなく実行に移すことにした。
体勢を変えずに友沢の様子を窺う。

はっきりとは分からないけど、どうも落ち着きがない。 部屋中を見回している。 それでもやはり自分の胸元が気になっているよう。
みずきはこころもち体を友沢の方に傾けた。
パジャマの襟元が僅かにたゆむ。
友沢はそれに露骨に反応した。
完全に目が釘付けになっている。
──かかった!
作戦は成功したが、友沢は見過ぎだった。
 あまりに思い切り見るものだから、見られた瞬間に、この後どうすればいいか分からなくなってしまった。
自分からはどこまで見えているのかは分からない。
それでも気付いてないふりをしながらその恥ずかしい体勢を保たなければならないのだから、仕掛けた自分が参ってしまいそうだった。
胸のあたりに、心臓の音が痛いくらいに響いていた。
それでも恥ずかしくてたまらなかったし、どうにかしないと、という意識がなんとか働こうとしていた。
 ここで怒るか、からかうかすれば、この場はお開きにもっていける。
やっとの思いで胸元を押さえ、友沢の方を見る。
顔を赤くしている友沢を見ると、目が回りそうだった。
しかし、言わなければ……。
「あ……」
──あれ?あれ?何て言えば……
「……あの……、胸、無いから、あんまり、見ないで……」
──はい?
せっかく頑張ったのに、出てきたのは全く計画と違う言葉だった。
「あ、ああ……ごめん」
「ああ……違うの、違くて……」
お互いにうろたえてしまう。
このままでは、また二人とも黙ってしまう、それはもうたまらない。
 それだけは、何とかそれだけは避けたい。
 何か……
「服、欲しいかなー……、なんて……」
友沢の目の色が変わった。
みずきも一気に血の気が引いた。
心臓が止まったかと思った。
前から男を無理矢理買い物に誘ったり、服を買わせたりしたことはあった。
けれど彼の窮状は自分もよく知っている。
本当なら嘘でも言える言葉ではない。
それを、勢いとはいえ、言ってしまった。
しかもこのシチュエーションでは、無理に部屋に招き入れた上、いい思いをさせてやったんだから何か買って、なんて、あまりにも下品なたかり方じゃないか。
あんな言葉がとっさに出るような意地汚い自分を憎く思った。
さっきまでのものとは質の違う沈黙が、二人の間に流れた。
友沢はどう思っただろうか。

落胆する自分を見て、申し訳ない気持ちが伝わってはくれないだろうか。
とても今の友沢に、軽はずみな言い訳をすることはできなかった。
友沢は、しばらく黙っていたが、みずきを見、短い溜め息をついた。
「分かったよ、買ってやるよ」
 みずきはその態度に、押し殺した怒りと開き直りを感じた。
だめだ、やってしまった。
怒らせた。
軽蔑された。
嫌われちゃった……。
そう思った途端、涙が出てきた。
それはあっという間にしずくを作り、流れ落ちた。
「……ごめん、なさい……」
弱々しく震える声で、友沢に謝った。
友沢は、泣き出したみずきに驚いていた。
「違うの、あれは、違うの。言いたくて、言ったんじゃないの。」
友沢の袖にしがみつくようにして、しゃくりあげながら続けた。
「友沢、くんに、意地悪しよう、とか、そんなこと、私、少しも、思ってないから……、だから、お願いだから、私のこと、嫌い……っ、嫌いに、ならないで……」
そこまで言うともう喋れずに、涙を一生懸命手の甲で拭きながら、しゃくりあげるばかりになってしまった。
友沢は、何もできずに聞いていたが、恐る恐るみずきの肩に手を掛けた。
「……いや……嫌いなんかじゃないから、大丈夫だよ。俺は、お前のこと、嫌いじゃないよ」
 それを聞くとみずきは、友沢に抱き付き、繰り返し謝りながら、本格的に泣き出してしまった。
実のところ、友沢は怒ってはいなかったし、自由に使える金は僅かだけどあったし、単純に、買い物に行けばお互いの関係に進展があるかもしれないという期待さえあった。
そういうことを踏まえての「買ってやる」であって、決して頭に来て開き直ったわけではなかった。
結局みずきの空回りでしかなかったのだった。
友沢は、みずきが泣きやむまで背中をさすってやった。
 なかなか泣きやまない彼女の背中を、いつまでもさすり続けた。
 抱き付かれていたので、他にできることなど無かったかもしれないが、他のことなど思い付きもしなかった。
みずきが泣きやむと、友沢も安心して立ち上がった。
「とにかく今日はもう寝ろよ、明日一日休んでもいいしな」
友沢を見上げるみずきの肩を叩きながらそう言うと、「じゃあな」と帰ろうとした。
それをみずきは、腕を掴んで引き止めた。

「帰らないで……」
みずきの少し疲れたような声に友沢はどきっとした。
 泣き疲れた目で、訴えるような表情で、そんなことを言われては、友沢もたまらない。
みずきは、嫌いじゃないと言われてもまだ不安で、行って欲しくなかったのでそういう行動を取ったのだったが、友沢は完全に別の解釈をした。
 真剣な顔で向き直る。
「……わかった、今日はずっと一緒にいてやる」
みずきには始めからそのつもりは無かったが、友沢の言葉の意味はすぐに理解した。
その時の勢いもあったので、ためらいながらも心を決めた。
「……うん……」
結局、それは、まるでお互い誘われたような、何とも不思議な形で始まった。
みずきはベッドに寝かせられる。
友沢はその上に覆いかぶさるようにしている。
ボタンに手が伸び、一つ一つ外されていく。
みずきは服と素肌がこすれるのに緊張する。
顔を赤くしたまま大人しくしている。
黙っていれば色っぽいものだ。
やがて全てのボタンが外され、服が開かれる。
胸は……そんなにはない。
けれど肌が白いのは美しかった。
首もとがうっすらと日に焼けている。
それが少しもったいないような、そそるような。
みずきは、自分が服を脱がされるのをじっと眺めていた。
 友沢の顔を見る、手許を見る。
不安と、緊張と、それと、嬉しさを感じていた。
どうして、今、嬉しいのか。
やはり、彼に対してそういう感情を持っていたのか。
そうなのだろう、気付いていなかったかもしれないが、確かに彼は特別だったと思う。
ただ、ずっと、彼のことを深く知ってから、その感情は同情であるふりをしていた。
その気持ちを、思わぬ形ではあったが、しっかりと認められた、そして伝えられた、そのことは本当によかったと思う。
友沢は、反応を確かめるように、ゆっくりと、丁寧に、みずきの胸に触れた。
「あ……」

みずきは小さく震える。
尚も愛撫を続けるが、みずきは目を細め、されるがままになっている。
こんなに大人しいのは、泣き疲れた後だからか。
やりたい放題できるとすれば今夜だけだろう。
とはいえ、さすがに弱ったみずきにそんなことをしようとは友沢も思わなかったが。
胸の先端に触れる。
 「あぅっ……」
 みずきはびくんと反応し、反射的に体を丸くした。
友沢もそれでつい手を引っ込めてしまう。
友沢もなかなか強気になれない。
結局、胸を触るのをやめてしまった。
今度は、口をみずきの首の辺りにもっていく。
それにみずきは少し上を向いて、許容体勢を取った。
首筋をそっと舐める。
みずきは少しだけ逃げるようにしたが、そのまま舌を押し当てるようにして首筋を這わせると、その動きに合わせて甘いため息を漏らした。
しばらくそうしていたが、友沢も舌が疲れてきた。
顔を上げ、みずきの下半身に手を伸ばす。
パジャマの上から秘部をこするように刺激する。
「んぁっ!」
突然のことにみずきは激しく反応し、足の間に手を入れて、また丸くなってしまった。
「あ……、ごめん、大丈夫か?」
「ん、大丈夫……、だけど……、服、汚れちゃうから……」
「ああ、そうか、そうだな」
そうして友沢はみずきのパジャマに手を伸ばした。
「あ!待って!ちょっと!」
みずきが友沢の手を止める。
「じ、自分でやるよ……」
恥ずかしそうに、そう言った。
するすると、パジャマと下着が下ろされていく。
やがて秘部があらわになる。
毛は薄く、その場所はよく見える。
が、あまり見るとみずきも嫌がるだろう。
 パジャマと下着が膝まで下ろされると、みずきは足を投げ出した。
 「……いいよ……、あんまり、見ないでね」
 「……わかった」
 それを聞いて友沢は、もう一度手を伸ばした。
指で入り口をほぐしてやる。
指を浅く差し込み、広げるようにする。
「ふ、ぁ、あっ……」
みずきは足をもじもじさせたが、頑張って嫌がるのを我慢した。
友沢は、いじらしいみずきを見て、はやる気持ちがあったが、その場所はなかなか濡れないので困っていた。
お互いに経験は無いし緊張していた。
友沢はみずきの足の方に回り、秘部がよく見えるよう足を起こした。

 その体勢は、みずきも何をされるかすぐに分かった。
「や、やだ、待ってっ……んはぁっ!」
みずきは友沢を止めようと手を伸ばしたが、その前に秘部に舌が入ってきた。
あまりの刺激と恥ずかしさに、体を大きくのけぞらせた。
「あ!あっっ!」
友沢も舌がつりそうだったが、その中を丹念に探った。
 やがて唾液が絡み、水音を立てる。
 その音はみずきの羞恥心をさらに刺激した。
やっと蜜が、それでも少しずつだが、溢れ出した。
そうなる頃には、二人とも随分疲れていた。
「もう……いいかな」
「……うん」
友沢のそれは、その時をずっと待っていた。
ズボンを下ろし、それを取り出すと、みずきの足の間に押し当てる。
みずきは、目をつむっている。
腰を突き出し、それをゆっくりと深く差し込む。
 その感覚に、友沢も腰の力が抜けるようだった。
「あ!いっ……」
みずきは、苦しそうにしている。
「だ、大丈夫か?」
その友沢の言葉に返事もできない。
友沢は抜くことも動くこともできず、みずきを見守っている。
しばらくして、やっとみずきが口を開いた。
 目には、涙がたまっている。
「……はぁ、っ……、大丈夫、友沢くん……」
「大丈夫じゃなさそうだよ。痛いだろ?」
「ん……、動いて、いいよ……」
「だめだって。痛いだけだぞ」
「無理矢理、して、いいんだよ」
「できるわけないだろ、お前がそんななのに」
「いや……、ちゃんと、して……、してくれないと、やだ……」
「……」
みずきのその言葉に、友沢もその気になった。
ゆっくりと、腰を動かす。
「っ!……うくっ……」
みずきはやはりまだ痛そうにしている。
それでもその中は友沢を迎え入れ、強く締めつけている。
 その感覚は、嫌でも気持ちを高める。
友沢は、みずきの様子を見ながら、快感に耐えながら、ゆっくりと腰を動かしている。
そのゆっくりとした動きに合わせて、ベッドが音を立てながら、繰り返しきしんでいた。
「大丈夫か?」
友沢がもう一度聞く。
「……平気だよ……、思ってたほど、痛くなかったから、大丈夫だよ……」
「嘘だろ、あんなに痛そうにしてたのに」
「ん、でも、今はもう、少し……」

その時、どこからか物音がした。
壁を叩くような音。
二人は繋がったまま硬直した。
音は床からしていた。
下の部屋は矢部だ。
ベッドのきしむ音が、下の部屋まで聞こえていたのだった。
あまりに気に障るので、部屋の天井を叩いて文句を言うくらいに大きな音がしていたのだろう。
みずきは不安でたまらない、というような顔で友沢を見た。
その間も矢部は天井を叩き続けている。
しかしその時友沢は、この状態でみずきの中の締めつけが強まったために、それどころではなかった。
音に反応して、表向きはうろたえていながらも、劣情を刺激されていたのだろうか。
それなら、と思い、友沢は再び腰を動かした。
「あぁんっ!ま、待って、や、あぁっ!」
その声は、確かに色を含んだ声に変わっていた。
それが分かると、友沢は張り切って腰を動かした。
 「もう、大丈夫か?」
「だめ、やだっ!音、聞こえちゃ……んぁっ!」
ベッドは友沢の腰の動きに合わせて、ギシギシと大きな音を立てている。
 「気持ち良く、なっただろ?」
 「やらぁ!あぁ!あぁっ!」
矢部の抗議の音が止んだ。
と思ったら、下の部屋のドアを乱暴に閉める音が聞こえた。
階段を登る足音が聞こえてくる。
「!こっち来ちゃう!」
「静かにしとこう、声出したらバレるぞ」
「!」
みずきはけなげに両手で口をふさいだ。
 しかし友沢はみずきを大人しくさせておいて、わざと激しく突いた。
 「はぅっ!?友沢く……やんっ!」
足音が部屋の前まで来る。
矢部が乱暴にドアをノックする。
「開けるでやんす!いい加減にするでやんす!さっきから何やってるでやんすか!」
ドアの鍵は開いている。
入ろうとすれば、すぐに入ってこれる。
 みずきは嫌がってはいるが抵抗はせず、されるがままで、ただただ声を上げていた。
 快感と羞恥心で、どうにかなりそうだった。
「ん!んぁっ!や、声、でちゃ……あぁっ!」
いくらみずきが首を振って訴えても、友沢は責め続けた。
 友沢はみずきの腰を持ち上げ、さらに深く挿入した。
 「あ!あ!だ……っ!あああ!」
 それでも、みずきの中の締まりは強くなっていった。
みずきの声はほとんど裏返っている。
 友沢の激しい動きに、みずきの体は跳ねるように揺さぶられている。

絶頂が近い。
「……っ、俺も、もう……!」
「あ!友……あっ!んんっ!」
 みずきは、涙を浮かべながら、必死に口を押さえる。
 「ーーーーーーっ!」
そして、小さな悲鳴を上げながら絶頂に達した。
 体を大きく震わせ、意識が吹き飛びそうなくらいの快感に溺れた。
友沢も、その締めつけに耐え切れず果てた。
 みずきの中に友沢の想いが流し込まれる。
 それはゆっくりと抜かれ、行為が遂げられたことを告げた。
 二人ともベッドにへたりこんだ。
 部屋には、二人の荒い息遣いと、ドアを叩く音が響いている。
 友沢には、みずきの胸が呼吸に合わせてゆっくりと上下しているのが見えた。
 「友沢く……」
 みずきは、か細い声で、友沢の胸に手を伸ばす。
「観念するでやんす!入るでやんすよ!」
余韻に浸る暇も無く、友沢は急いでベッドの脇に投げ出されていた布団を引っ張り上げた。
しかしさすがにこの薄い布団一枚では、隠れようが無い。
友沢は裸同然のみずきが見られないよう布団をかぶせ、抱き寄せた。
ドアノブを回す音がする。
「矢部君何やってんの?うるさくて眠れないよ」
「うるさいのはおいらじゃなくてみずきちゃんでやんす!」
「……うるさくないじゃん。もう遅いんだから寝たら?」
 何やらドアの向こうで口論になっているようだ。
「だめでやんす!おいら怒ってるでやんす!ちゃんと言ってやらないと気がすまないでやんす!邪魔すると許さないでやんすよ!」
「お前だうるさいのは!」
何やらドアの向こうで激しい物音が聞こえたが、やがて静かになった。
これには友沢もほっと胸を撫で下ろした。
 「何とか大丈夫だったな……」
みずきを見ると、みずきは友沢に抱き付くようにして眠っていた。
 疲れていたのだろう。
「はぁ……、俺も、もう、寝るか」
 友沢は胸に乗ったみずきの頭を撫でると、目をつむった。

その朝みずきは、いつもより少し早く目覚めた。
いつものように気持ちのいい目覚めではなく、少し頭がぼうっとしている。
「ん……」
目をのろのろとこすり、横になったまま体を反らし、伸びをする。
ふと横を見ると、誰かの手があった。
一体誰だろうとその先を見ると、友沢の寝顔があった。
どうして自分のベッドに友沢が寝ているのか寝ぼけた頭で考えたが、よく分からなかった。
それでもなんとなく、ぼうっとしたまま、その大きい手に指を絡め、彼に覆いかぶさるようにする。
「んー」
そのままキスをする。
しゅんしゅんと何とも言えない気持ちがわき起こる。
そのうちにいくらか頭も覚醒してきた。
しかし最初に気になったのは、どうも下半身が布団にこすれてむずむずする、ということだった。
そういえばパジャマのボタンが全部開いていて寒い。
布団を持ち上げてその中を見る。
「……」
もう一度友沢を見る。
少し今の状況について考える。
「んがっ!」
みずきは布団をひっつかむと、くるくると巻き取り、そのままベッドから落下した。
「いた」
ベッドの脇で、ゆうべのことを思い出していた。
あれはみんな本当だ。
体を起こし、ベッドを見ると、その上には確かにゆうべしたことの証拠があった。
友沢の寝顔をもう一度見る。
確かに、ゆうべのことは、事故みたいなところがあったと思う。
そんなことに、自分達がなるなんて想像もしなかった。
けど、今の、この、友沢を見ている時の熱っぽい気持ちだけは、認めてもいいと思う。
やがて、友沢が目を覚ます。
辺りを見回し、みずきを見つける。
「……おはよう」
「おう……お前、寝相はあんまりよくないんだな」

「ち、違うわよ!これは起きてからなったの」
「何でだよ」
もうじき、出掛ける支度をしなければならない時間だった。
友沢は立ち上がり、服を正す。
みずきも布団から出てくるがまだ眠たく、前を隠しながらベッドに腰掛ける。
「橘、今日は休んだ方がいいよ」
「え……、だ、大丈夫だよ……」
ゆうべしたことのせいか、それは体調は万全とはとても言えない状態だったが、そのために練習を休むのはどうか、という気持ちがあった。
「目が真っ赤だけど」
「え」
そういえば、ゆうべは散々泣きはらしたのだった。
それで練習は……ちょっぴり恥ずかしいかもしれない。
でも、それだったら……
「……じゃあ、休む」
「そうだな、その方がいいよ」
「それならさ」
と、みずきは身を乗り出す。
「友沢くんも一緒に休も」
思えば、これが初めての意識的なアプローチだった。
妙に気恥ずかしい。
「……そうだな、今日くらいは、そうするか」
友沢は、さして悩みもせずに、快く答えた。
みずきは、何だかすごく嬉しかった。
「うん!」
「なら、後で買い物行くか」
「買い物?」
「約束しただろ、服」
「え……、だめだよ、あれは……」
 少し困ってしまう。
 やっぱりだめだ。
「少しは大丈夫だって。プレゼントくらいさせろよ」
「……いいの?」
「いいって。決まりな」
「……うん」
とても幸せな気分だった。
けれど、話すことがなくなってしまった。
何だか二人とも黙ってしまう。
「あ、そうだ、パンツ」
みずきは、場を繕うように、ゆうべどこかにやってしまった下着を探し始めた。
それはベッドの下にあった。
横から手を伸ばせば取れそうだ。
「んー……」
友沢は、あられもない格好のみずきを後ろから眺めていた。
つい、いたずらしたくなり、手を伸ばす。
「ふあ!?ちょ、ちょっと!友沢くん、やめ、あ……」
買い物に行くのは、いつになることやら。


おわり

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