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ロッサムがまだ幼く、ナゾノクサだった頃。
ロッサムは自分の能力が自分の歌で皆を自分の思い通りに踊らせることができることに気づいた。
その能力を知ったロッサムは嬉々としてその能力を使った。
自分のおかげでみんなを楽しませることができる。
仲間はずれなんてなくみんなで仲良くダンスができる。
誰かがケンカをしているのを見つけたとき、自分の能力で仲良く踊れば仲直り。

でもあるとき気づいてしまった。
自分が曲を奏でることをやめれば、みんな元通りになってしまう。
そして気がつけばその能力を不気味がられ、ロッサムは周囲から避けられるようになってしまった。
友達を作るべくピカチュウのぬいぐるみを渡してみても、そのたびにぬいぐるみは捨てられていた。
中には故意にボロボロにされた状態で。

ロッサムのキュールは短かった。
本来ランスランドではキュールは短ければ短いほど能力が高く敬われる象徴となる。
しかしロッサムにとっては違った。
ロッサムのキュールはいたずらに周囲を怯えさせてしまい更なる周囲との壁となってしまっていた。

ロッサムは部屋で一人考えた。
「みんなが僕のこと嫌いになるんだったら、僕もみんなのこと嫌いになる。
 みんなが僕をいらないっていうなら僕もみんなのことなんて……」
気がつけばロッサムの目から涙が零れ落ちていた。
「……違う。
 いらないのは僕の能力。こんなのいらない。これがなければ僕はみんなと仲良くなれた。
 短いキュールなんていらない! 友達がほしい! ひとりぼっちなんてやだよ!」


ロッサムの部屋から嗚咽が聞こえてくる。
部屋の前に佇む少女は呟いた。
「反吐が出る」

彼女の名前はユテナ
彼女はこの国の考え方に疑問を抱いていた。能力ばかりで全てが評価される傾向にある風潮を。

彼女はそれ以降何も言わずに去っていった。




あるときロッサムは能力を使っていた。
やけになっているのだろうか。
もしかしたら曲を奏でている間は寂しさが和らぐのかもしれない。

そして曲が終わり、先程まで踊っていた人々はロッサムを不気味がるように去っていく。
一人を除いては。

おかしい、いつもは全員残らず退散するのに。

残っていたのはサーナイトの少年だった。
少年はロッサムの方を見た。
「驚いた。ひょっとして今のお前の能力か?」
「そうだよ。悪い?」
「別に」
「お前、僕のこと怖くないの?」
「全然。似たような能力持った奴が知り合いにいるんだ」
「へぇー」

自分に対してまったく動じていない少年に今度はロッサムが興味を示した。
少年のことをじろじろと眺める。

「なんだよ。初対面の相手をあんまりじろじろ見るなよ」
少年はちょっと後ろにたじろぐ。

「お前名前なんていうの? 教えてもらうけどいいよね。反論は認めないけどっ」
「え、オレの名前? キルト。キルト・エリアルだ。反論ってお前どう反論しろと」
「ふぅん。変な名前」

ロッサムの言葉に少年の顔色が変わった。
「お、お前! 自分で聞いておいて失礼にもほどがあるだろう! それにこの名前はオレの両親がつけてくれた名前なんだぞ!
 名前を馬鹿にすることは両親のことを馬鹿にするってことなんだ! わかるか!」

キルトはロッサムに正座をさせ、くどくどとお説教を始めた。そのお説教は30分くらい続いた。
「ご、ごめんなさい」
散々お説教されたロッサムは疲れた声で謝罪した。足もしびれてうまく立てなくなっていた。
「わかればよし。お前の名前は?」
「僕ロッサム。ロッサム・アストラ」
「普通にかっこいい名前じゃないか」
「えへへーん」
「お世辞だ」
「ええーっ」

「さてと、オレはもう遅いし帰る。じゃ、またな」

キルトはロッサムに手を振って去っていった。

「キルトか。変な奴っ」

残されたロッサムはくすりと笑った。



って感じの過去漫画描きたいけど気力がないお。

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最終更新:2011年09月07日 21:36