とある高級マンションの自室にあるリビング。
インテリアな雰囲気を漂わせる広めの部屋には、大きなモニターが搭載され、画面上では青白い球体が様々な数値を出しながら浮かんでいた。
それを見ていた
爾乃美家累は、親指の爪を噛みながら苛立った表情を見せていた。
『申し訳ございません、ルイ。』
モニターから音声が発信される。
それは紛れもなく、累の相棒たるAI「総裁X」の声である。
彼がGALAXを立ち上げた時から行動を共にし、共に数々の困難を乗り越え成長し合った仲。
謂わば相棒のような存在だ。
「いや、良いんだX。あれは君のせいじゃない。」
累は顔を上げ、疲れたような笑顔を見せた後、また俯き出し、頭を抱える。
熱心な思想家である彼は、この様に頭を抱える時が非常に多い人間である。
GALAXを作り、CROWDSを広め、更にガッチャマンの一員ともなれば、尚更だ。
そして今また、彼の頭痛の種と成り得る事が起きてしまったのだ。
先程、Xが謎のウイルスプログラムに感染するという未曾有の事態に陥った。
これが未曾有だと言えるのは、Xがそんじょそこらの悪質プログラムで壊せるはずのない代物だからだ。
Xと言うのはネットワークを漂い、GALAXのサーバーを管理する役割を与えられ作られたAI。
謂わばインターネットのスペシャリストに近い存在だ。
幾ら上手な入り方を考えようとも、Xは直ぐにファイアウォールを作成し跳ね返してしまう。
そして同時に検出されたプログラムはデリートされ、例え念入りにログを削除しようとも直ぐにサルベージして対象を特定してしまうだろう。
PCの事を知らない者が聞いても明らかに都合の良すぎる力だ、例え腕利きののハッカーであろうと侵入は困難である。
GALAXのサーバーに侵入者が来られないのは、恐らくこれが理由であろう。
だが今回は話は別だ。
どういう訳か、Xは先程ウィルスに感染してしまったのだった。
まるで瓢箪から駒が出て来るのと対して変わらない程の有り得なさだが、確かに起きたのだ。
Xは「
ミゼル」と言う意味不明な言葉を続けて唱えるばかりで、ロクに会話すら出来なかった。
累はこの手の事には専門家も舌を巻くほどには詳しいが、尚も進化し続けているXがウィルス感染してしまうことは想定外にあった。
かのベルク・カッツェは累に化ける事でXを制圧できていたが、コンピュータを使ってXを乗っ取るなど難しすぎる芸当だ。
GALAXの制作に携わったハッカーの面々や鈴木理詰夢、そして勿論累にも。
だがそんな凶悪なウィルスであろうとも、Xのログには手を付けていなかった。
ログには、Xが「GALAX」のXボタンに位置する経路を通じてハッキングされたと言う事が記されていた。
わざとなのか、うっかりしていたからなのかまでは分からないのだが。
対策として累が取ったのは、「X」の全面停止。
皮肉にも、それは嘗てベルク・カッツェが行ったそれと同じであったが。
Xと言う指揮官を失った大衆―GALAXの利用者には、本当に申し訳ないと思う。
Xが失われていないとは言え、何れCROWDSの時以上に危険な事が待ち受けている可能性は十分にある。
これであのウィルスは止めることは出来たが、何時迄もこうしている訳には行かない。
翌日にはXを回復させることも考えているし、有事にはCROWDSの配布もするつもりだ。
オマケに其の犯人は、今急速に業績を伸ばしている携帯電話専門企業のCEOと来た。
無論其の名は、月に来て間もない累にも良く響いていた。
間明蔵人。
近頃、「イケメン社長」と言う肩書で広告に載っている人間だ。
弱冠30で起業し、此処にまで大きな業績を立てるとなれば、社会が注目しだすのは当然の帰結であろう。
累もGALAXのアドミンストレーターであることが暴露され、ガッチャマンというヒーローの一員となったため、それなりには持て囃されてはいた。
と言っても、それはCROWDSを手に入れた頃よりもずっと後の話では有るが。
只、間明という存在に関しては累も詳しくは知らない。
このロール上では「LORD GALAX」という名を未だに騙っていた累だが、それでもIT関連の情報にはある程度、ではあるが知っている。
しかし間明という男は、その業界ですら謎に包まれた人物である。
そもそも、間明が出勤するのが見かけられたのはは殆ど無い。
一社の舵取りであるのなら、出勤するのは当然のことであるはずだ。
だが彼は姿を全く見せていないのであるという。
それこそ、広告の人間は偽物で、実は間明蔵人と言う人間は存在すらしていないのでは、と言う噂ですら広がっている程にはある。
最も、そんな噂話が浸透しているのはほんの一部ではあるのだが。
また、嘗ては携帯電話会社「ANCHOR」に所属していたとも聞く。
入社して間もなくクビになったとの話だが、その時の噂もまた酷いもので、「勤務中にゲームをしていた」「隠しカメラを仕込んだ」と言った多種多様な説が広がっている。
その間明蔵人が、累の前に顔を見せたのだ。
見せたと言っても、ディスプレイ越しではあったが、Xを掌握した彼は、確かにこう言った。
―もし、君のGALAXが崩壊したら、世界はどうなると思う?―
その言葉は、未だ累の脳内に張り付いている。
爾乃美家累という人間が干渉した影響でSE.RA.PHに浸透したGALAXは、ネットワーク社会に多大なる貢献をしたに違いない。
それは事実だ、だが世界は未だ変わっちゃいない。
間明が見せた、Xを失って混乱している人々が、その証拠だ。
Xという道標を失って迷う人々達。
それは、まるで神を失っているようにすら見えた。
思えばゲルサドラも首相になった時に姿を消したら、こんな事になっていたのだろうか。
とにかく、この世界もまた累に言わせてみれば発展途上だ。
人類の内発性は未だ目覚めてはいない。
個々が自律し合った群は未だ生まれていない。
世界のアップデートは出来ていない。
今己が願う世界の実現の為にも、累は此処から脱出しなければならない。
ならばどうすれば良いのか。
それを累はずっと考えていた。
だが、今聖杯戦争が抜け出そうとしても、出口は全くと言っていいほど見つからない。
無理もない、累が放り込まれたのは月の中のCPU。
簡潔に言うなら魂をデータ化されて宇宙空間に投げられたと言った所だ。
だが今の所聖杯戦争の根幹に至る情報は見つかってはいない。
現状で判明していることで唯一分かることは、「裁定者(ルーラー)」と呼ばれたエクストラクラスのサーヴァントが目を光らせていること、それぐらいであろう。
全部で四体程いる、ということは分かる。
だがルーラーは決して表に姿を表さない。
出てくるのは参加者がルール違反をした時ぐらいだ。
それは嘗て正体を隠してギャラクター達を動かしていた自分のように思えた。
累の手札は、現状ではあまりにも少なすぎる。
別に武器がないわけではない。
寧ろ、GALAXと言う幾重にも張り巡らされている情報網を持ち、「G-NOTE」と言う戦う武器を持っている。
互いの武器が秘匿されている聖杯戦争において重要な情報。
サーヴァントが武器とも言えるマスターには重要な護身用の装備。
この2つの武器を持った累は、寧ろ持ち道具に恵まれているとも言っていい。
これにライダーが加われば、彼らに死角はほぼないと言っていい。
だが、それは累が戦いに「乗った」時の話だ。
まず累は、戦わずして抜け出すことを諦めてはいない。
ライダーの言う通り、己の思想が甘いと言われているのは分かる。
世界のアップデート。
英雄が世界を動かすのではなく、この世に生きる大衆が世の中を動かす。
GALAXを作り、CROWDSを手にした累はこれまで、そんな世界を夢見て戦ってきた。
ライダーの言う事も分かる。
契約を交わした昨夜、彼の過去を見たのが、そんな事を胸を張って言える何よりの証拠だ。
彼の原点、或いは先代とも言える男の戦いを。
彼は憎しみに駆られた。
その憎しみの対象は母を殺した一族から始まり、果ては地球人その物へと変わった。
そして全てを悟った彼は虹色の光を発して消えた。
その男の名を、憎しみを受け継いだのがライダー。
大衆の願いを、そして己を形作った男の憎悪を全て受け止めた器たるライダー。
しかしその男を知る姫君は、ライダーを偽物だと断じた。
それでも彼は止まることを知らずにカラクリのごとく動き続け、儚くも散っていった。
その末路は、ボロボロになったその機械人形でとある少年に立ち向かったとも―巨大な要塞で少年に立ち向かい3つの鳥に魂を救われて消えたとも言えたが。
確かに、ライダーが辿った憎しみの連鎖は肯定せざるを得ない。
だが、それを割り切ってどうする?
世界はこのままで良いのか?
一人の英雄が旗を立てては栄え、その英雄の死と共に退廃していく事を重ねていくと言った連鎖を続けて、本当に良いのか?
―いや、そんなはずはない。
世界は変わっていくべきだ。
氷の粒が雲になるように、星々が銀河を形作るように。
一人が一人と手を繋いでいく事で、人類は、世界は、初めて本当の進歩を遂げるのだ。
その甘い理想論とやらのために累が今迄頑張ってきたのも、また揺るぎない事実なのである。
累が聖杯戦争の記憶を取り戻して早一日が立ち、後3時間で二日目になろうとしている頃だ。
情報操作はXに任せっきり―なのだが、先程の間明の一件で今はワクチンづくりに専念している。
曰く、とても人の産物とは言えない程洗練されたプログラムだったそうで、作成には苦労しているらしい。
今でもこうして、Xはワクチン作りに専念しているのだ。
累が明日には学校に行って、自身も情報を集めようかと考えていた―その時である。
『ルイ君、サーヴァントの気配を感知した。』
偵察を任せていたライダーから、サーヴァントを見つけたと言う声が届いたのだった。
直ぐにライダーとの感覚を共有する。
モニター越しでは有るが、確かにライダーの視覚は共有できた。
モニターに映るは、キラキラと目障りな程に輝く夜の街。
其処の道路で、紺色のジャケットを着た青年と学生服を着た累ぐらいの少年が原付に乗って走っているのが見当たった。
恐らく、その何れかがサーヴァントとなるだろう。
『直感能力が有るとは言え、気配探知は初めてやることだ。
此処まで広範囲だと判別が分からないが、恐らくそのどちらかがサーヴァントであることは明白だな……む?』
「どうしましたか、ライダーさん。」
『……感知したサーヴァントの数が更に増えた。1体……2体程はいるだろうな。』
流石にサーヴァントが誰なのかは距離を縮めなければ分からないが、ライダーの気配探知能力は比較的有る方では有る。
霊的存在を感知したことは「有る時間軸」において一度しか経験しなかったライダー。
だがそれでも、強化人間として得られた直感能力が気配探知能力を後押ししており、ソコソコ気配は感じ取れるのである。
そしてその直感能力で感知できたサーヴァントは―大凡3体。
『さて、君ならどうする?』
「そのまま追跡をお願いします、もしかしたら、現状打破に繋がるのかもしれない。」
『相変わらず理想論ばかりを追いかけているな、君は。
まあ良い、了解した、もしそれが間違いだと気づいた時には、それを認め次の糧とすればいいだけの話だ。』
◆ ◆ ◆
累とライダーに目をつけられている主従、
網島ケイタと
剣崎一真は、原付に乗って、GALAXのサーバーを探している最中だ。
昼間に発生した、GALAXサーバーのウィルス感染。
主な被害は、GALAXの最たる特徴であるAI「X」の機能の停止。
Xの存在はアンダーアンカーですら把握はしきれていない。
水戸博士曰く「フォンブレイバーに負けず劣らずのお利口さん」という所ではあるらしい。
しかし今回の件は、IT技術が其処まで高くはない高校生であるケイタにしてみても驚くべき話だ。
そのウィルスの排除を行おうとした所、それらが全て失敗。
水戸博士が一目置くほどのAIがやられるほどだ、その緻密さは相当な物だろう。
美作本部長のバディであるセカンドが、ソリッドを介してアナライザーとメディックをデュアルブースト。
瞬時にワクチンを作成できるメディックに、マニピュレーターとネットワーク機能強化を持ったアナライザー。
以前ゼロワンも使用した経験のある組み合わせだが、相手はフォンブレイバーに匹敵するほどのAIの眼を回させるほどの逸材だ。
奮闘も虚しくセカンドはソリッドから弾かれ、支援AIとしての役割を帯びていた他のフォンブレイバーも同様に目を回す。
そしてケイタとセブンが貧乏くじを引いたというか、白羽の矢が立ったのかGALAXのサーバーに直接乗り込むと言う司令が出された。
GALAXとは、企業が運営しているような組織ではない。
「LORD GALAX」と呼ばれるマスターアカウントとXが共同で運営しているという形で体裁が保たれているのである。
企業ビルにサーバーが置かれているわけもなく、何とかセブンが他のブレイバーと共に位置情報を特定したのが、此処らへんだ。
原付を家出の際に巻き込まれた事件でオシャカにしてしまったケイタ。
そして溜めた給料で買った原付をガスタンクの故障で喪ったケイタ。
そんなケイタは、このロールにおいてはスクーターを手にすることが出来ていた。
それも、ケイタがアンカーに所属する前に愛用していた型に。
これで自転車出動ともおさらばだ、少し寂しいという気持ちもあるが。
だがハンドルを握っているのはケイタのサーヴァント、セイバーだ。
ケイタは後ろで彼の背中にしがみついている様な状態だ。
アンカーのエージェントは皆自動車免許を取得している大人達ばかりなため、ケイタがバイクの運転を任せて二人乗りする機会は全く無かった。
と言っても、その時友人と言える友人はタツローだけで、アンカーにいた頃はそのタツローともあまり顔を合わせる機会は無かったが。
「俺さ。」
ふと、セイバーが声を上げる。
「何だよ。」
「俺さ、こうしてバイクに乗るの、久しぶりなんだ。」
「だから何だよ。」
会話のキャッチボールが、バイクの駆動音と共に流れていく。
しかしその時のセイバーの声は、何処か懐かしさを帯びていた。
まるで、子供の頃に遊んだ玩具を掘り出した時の様な。
「俺さ、昔はバイクに跨って、世界中を旅していたんだ。
ブルースペイダーって言う名前なんだけど、本当に良い相棒だったよ。」
「へー、どれ位?」
ケイタも二度バイクで旅をしようとした経験があったためか、それはとても気になった。
「さあ、10年か20年か、長い間、乗っていた気がするよ。」
―ブルースペイダー。
ライダーシステム2号機「ブレイド」の専用バイクとして、BOARDが開発した高性能マシン。
既にBOARDが完成させているラウズカード専用リーダーも搭載されており、ラウズカードの力を纏った戦い方が可能となった。
セイバーが仮面ライダーとなった頃は、常にこのバイクに乗って現場に駆けつけ、時には武器として使うこともあった。
ジョーカーとなった時にもこのバイクは回収し、常にこのバイクとともに世界中を駆け回っていた。
騙し騙しに手入れを行い、10年経っても跨り続けていた。
―気がついた時には、セイバーの元には無くなっていたが。
地球環境が急激に悪化したときだっただろうか、その時に、ブルースペイダーとは別れ、セイバーは気がついた時には歩いて旅をしていた、と言う事になる。
まあそもそも、気がつけば石油も使い物にならなくなった時代だし、必要は無かったろうが。
きれいな夜の街でバイクを走らせるなど、セイバーに言わせれば久しぶりだ。
だがその時、不意にセイバーから魔力のような何かが感覚を通して伝わってくる。
始や、他の上級アンデッド達も、この様な感覚を常日頃感じながらバトルファイトを繰り広げていたのだろうか。
「ケイタ、サーヴァントの気配だ。」
「え!?うそだろ…!」
セイバーのまずの方針は、マスターの守護だ。
警戒を怠ってはならない。
バイクを止めた剣崎は警戒する。
恐らく、近くにサーヴァントが……
◆ ◆ ◆
百夜ミカエラとバーサーカーが、老人のアサシンと少女のアヴェンジャーと戦って数分も立っていなかった。
あの戦いの後街を彷徨っていたミカは、やや強い苛立ちに苛まれていた。
自分に、魔力回復の術がないこと。
己のバーサーカーは―正体こそ分からないものの―実力は本物だ。
あのままアサシンとアヴェンジャーとの戦いを続けていても、そう苦戦することは無いはずだ。
今のミカは、魔力を回復する術はあまりにも少ないが、魔力の貯蓄は十分すぎるほどにある。
言ってしまえば十分な備蓄を有していながらも補給を絶たれている様な物だ。
百夜ミカエラは吸血鬼である。
それも、第三位始祖の血を受け継ぐ者によって吸血鬼化された存在。
そうともなれば、彼の中に張り巡らされている魔術回路は、極めて膨大な量を誇るであろう。
だが聖杯の知識に曰く、魔術回路という代物は魔力の代償として体力を啜っていくと言う。
つまり―今のミカには魔力回復の術がない。
血さえ有ればどうにかなっただろうが、生憎クルルの血はストック切れ。
聡明なミカにとっては愚かしい話だが、予選の時点で全て血は飲み干してしまった。
代償としてミカの魔力は強固な存在となったが、それを使い果たしてしまっては元も子もない。
無論、一級武装の剣にも血は捧げない。
血を吸わせればサーヴァント相手にも対処できるだろうが、だからといって贅沢はできない。
それにそもそもある程度の神秘はあるだろうから、血がなくとも護身用としては十分な代物だ。
「終わりのセラフ」さえ有れば、もしかしたらとは考えたことも有るが、そんなことは出来ない。
と言うより、今のミカにはそれを使う術が見つからない。
されど、その力の片鱗こそは目撃したことが有る。
再会したばかりの優が、黒い翼のような闇を身に纏い暴れ出した姿は、今も目に焼き付いている。
もしその力に近づけば―ミカの魔力回復の術は埋まるはず。
しかしその力は、曰く日本帝鬼軍が「終わりのセラフ」を何らかの手段で強制的に活性化させた物だとされている。
生憎ミカは、血を奢っては貰っているがそんな処置を受けた覚えはない。
そもそもそんな虫のいい代物が無かったらこんな所で燻っているはずもない。
本戦においてミカが遭遇したサーヴァントは、これまでで2体。
一体は、左手首を引き抜いて刀とする老人のアサシン。
敏捷はバーサーカーよりも上に至る可能性が有るが、パワーは格下、宝具は不明。
そしてエクストラクラス、アヴェンジャーの少女。
黒い大鎌を手に取り、優やフェリドにも負けないほどの明るい笑顔を持った少女、宝具はアサシンと同様不明。
パラメータ自体は至って平凡だが、アサシンよりはバランスが取れている。
(あの二体は火力は至って目立たない様子だけど、宝具がわからない以上用心はしておこう)
そしてビル街を彷徨っていたミカは、第3の獲物を見つけた。
獲物はバイクを歩道に止めてウロチョロしている青年だ。
派手な装備は見当たらないが、クラスはセイバー、そしてパラメータは、最優のクラスには似つかわしくないほどに低かった。
身振り手振りから察するに、気配を感知して警戒をしている可能性もあるが、物陰に隠れているミカは死角に写っている、問題はない。
これならバーサーカーで一捻りだ。
「やれ。」
ミカの命令に応じ、畜生とも人ともとれる姿格好をした赤黒のバーサーカーが実体化する。
「ウォアアアアアアアアアア!!」
バーサーカーの咆哮に応じ、0と1で構成された壁に線状の穴が開く。
穴からは無数の刃が蛇の如き形を作り、ミカが隠れているビルを曲がりくねってセイバー目掛けて疾走る。
セイバー、剣崎はそれに感づいた。
アンデッドとしての本能と、長い戦いで培った直感が、そう察知しているのだ。
「ケイタ、伏せろ!」
「え!?」
ケイタに向かって飛び込んだセイバーが、ケイタを抱えてビルの壁目掛けてゴロゴロと転がって立ち上がったのが一瞬の間。
そのおかげで、バーサーカーの刃の群れはスレスレでセイバーを仕留め切れず、そのままポリゴンの様な何かと変わり消滅した。
「サーヴァントか!其処にいるんだろ!」
そう叫び姿をさらけ出したセイバーの左手にはブレイバックルが、右手にはカテゴリーAのカードが、それぞれ握りしめられている。
自身の宝具の起動の準備が、彼には既に出来ているのだ。
即ち―戦いの準備は出来ていると―セイバーはそう言い表しているのだ。
それに応え物陰からバーサーカーが出現した。
その容貌は実に恐ろしくて、醜かった。
かのヤマタノオロチを思わせる複数の尻尾。
正気を全く感じさせぬ白い目。
人の様な姿をしていながら、畜生の如く手を地面に付かせていると言った格好。
あまりにも刺々しい黒い鎧に、炎を思わせるそのオーラ。
剣崎が何時か見たジョーカー以上に、その凶暴さと畏怖は、セイバーにもひしひしと伝わってきた。
そしてそれを見たセイバーは、表情を引き締め、構える。
「ケイタ、お前は隠れていろ。」
ビルの壁でそれを見つめていたケイタは、コクリと頷き目立たない所まで逃げる。
『頼りないぞ、ケイタ。』
「ほっとけよ、あんなのに俺が太刀打ちできるか?」
セブンに対してそう愚痴を吐きながらもケイタは逃げ、姿を隠した。
それを一瞥したセイバーは、慣れた動作で銀の箱のようなバックルを腰に当て、スロットにトランプのカードを模した札を差し込む。
同時にバックルから出現したオリハルコンエレメントで構成されたカードの如き物質が、セイバーの腰に巻き付く。
待機音が鳴り響き、セイバーがポーズを構える。
「……変身!!」
『Turn Up』
バックルのグリップを引き、スロットが仕舞われスペードのような紋章が露となる。
紋章からは蒼いカードのようなオーラがセイバーの目の前に出現し、じりじりと彼に近づいてくる。
「ウェェェェェェイ!!」
セイバーは長方形のオーラに向かってダッシュし、そこを通り抜ける。
通り抜けたセイバーの姿は銀と紺を併せた鎧戦士へと変わった。
―仮面ライダーブレイド。
BOARDの烏丸所長の提唱から始まり、アンデッドを倒すヒーロー職となり、果てはとある伝記を基にしたテレビ番組ともなった英雄の代名詞。
それが今、300年の時を経て、聖杯の手で蘇ったのだ。
ブレイドとなったセイバーは、そのままバーサーカーに向かって走り出す。
100mを僅か6秒で走破するほどの脚力で、セイバーはバーサーカーの元へと向かう。
しかしバーサーカーとて待ち惚けている訳には行かない。
「ウルァァァァァァァ!!」
バーサーカーもまた、背中から巨大な鎌を取り出し応戦の構えを取る。
―大鎌・首削。
「The World R:2」において新装されたジョブ「錬装士(マルチウェポン)」が「2ndフォーム」へとジョブエクステンドすることにより入手できる大鎌。
それまで双剣での戦いしか許されなかったマルチウェポンが、初めて他の武器を手にとって戦うことが許された証の一つ。
まるで魔物の牙の様な不気味さを催すそれは殊更、死神の如きイメージを与えていた。
最も、「The World R:2」においてPK狩りをしていたバーサーカーにとって、死神程相応しい名はないであろうが。
しかし、セイバーとて負けてはいられない。
セイバーは走りながらも腰にあるラウザーホルスターから、銀色の剣を引き抜く。
そしてそれを、バーサーカーの鎌にぶつける。
「ウェア!」
―醒剣ブレイラウザー。
「運命を絶ち斬る閃光の蒼(ライダーシステム・ブレイド)」の要となるアイテムの一つ。
ブレイドの唯一の武器であり、ラウズカードの力を引き出す機能も搭載されている便利な装備である。
「ウェェェェァァァァァ!」
「ウォァァァァァァァァ!」
数多のアンデッドを斬ったセイバーの剣と、幾多ものPKを狩ったバーサーカーの鎌がぶつかる。
その中でセイバーは、バーサーカーの狂気と憎悪に塗れたその表情、オーラにやや戦慄していた。
それはまるで、本能に飲み込まれた嘗ての親友のそれに良く似ていた。
だがそんな些細な事でセイバーの意志は揺るがない。
バーサーカーの狂気を弾き倒さんと、ブレイラウザーに更に力を入れる。
「ウェイッ!」
力押しの勝負は、セイバーがバーサーカーを弾き飛ばして決まった。
セイバーのスキル「融合係数」。
セイバーの意志に比例してパラメータに補正を掛け、ライダーシステムに更なるパワーを与えるスキル。
特にセイバーの融合係数は、ジョーカーにすら成り得た程の値であり、ジョーカーとなった今となれば融合係数は規格外の数値を叩き出しているはずだ。
「ウゥゥァァァッ……」
セイバーに弾き飛ばされたバーサーカーは、鎌のない左手を地面に置きながら身体を後ろに滑らせる。
「ウガァ……」
そして鎌を消滅させた後、今度は背中から、赤い光とともに大剣を召喚する。
―大剣・大百足。
チェーンソーの様な形状をした特殊な大剣。
バーサーカーがまだハセヲと言う名だった頃から愛用していた代物であり、非常に高い強度を誇る。
キュィィィィィィィィンと、耳をつんざく様な金属音が鳴り響く。
バーサーカーは、スキル「魔力放出」により大百足に炎のようなオーラを加える。
そして危険を察知したセイバーも、ブレイラウザーを逆手持ちにして、武器のない左手の方でラウザーの柄を引っ張る。
出てきたのは、何枚ものカードが入ったホルダー。
それが、宛らカードゲームの手札の様に並べられている。
セイバーはそれを、慣れた手つきで二枚のカードを取り出し、すかさずラウザーのスリット―カードリーダーに読み込ませる。
『SLASH』
『THUNDER』
トカゲの始祖を封じた斬撃のカテゴリー2。
鹿の始祖を封じた電撃のカテゴリー6。
それぞれの力が、ブレイラウザーのパワーで覚醒させられる。
スキャンされたカードからは紋章のエネルギーがそれぞれ出現し、ブレイドの胸に吸収される。
『LIGHTING SLASH』
コンボ技の名が、ラウザーから電子音声に乗って流れ出す。
ラウズカードの力の相互作用によって発せられる「コンボ技」。
今まさにそれが、セイバーによって発動されようとしているのだ。
「SLASH」の斬撃強化能力と、「THUNDER」の電撃能力の複合技、それが「ライトニングスラッシュ」だ。
セイバーが構えたブレイラウザーに、電撃エネルギーが纏わりつく。
丁度その時である。
「ヒヤアアアアアアアアア!!」
セイバーよりも、一先ず先にチャージを完了したバーサーカーが、セイバーに向かって再び走り出す。
炎の竜巻を、そのまま小さくしたかのようなその得物を、セイバー目掛けて振り下ろそうとする。
だがセイバーも、また、雷電の刃と化したブレイラウザーを、バーサーカーに向けて構える。
「ウェェェェェイ!!」
只でさえ全ての物質を輪切りにすると言われたブレイラウザーに、不死生命体の力を加えたセイバーの雷刃。
「The World R:2」にて語り継がれたPKKの武器を、アウラの眷属の力と憎悪で増強させたバーサーカーの炎刃。
雷と炎。
今まさに両者が激突し、広範囲に渡って衝撃波が発生する―
はずだった。
バーサーカーの炎が、セイバーの雷にぶつかろうとした瞬間。
突如、上空から彗星のような光弾が、セイバー、そしてバーサーカーの剣を弾いたのだった。
「うわっ!」
「ウラッ!」
セイバー、バーサーカーの両者は、逆の方向にそれぞれ仰け反り、倒れる。
「うぅっ……。」
「ウルッ……。」
両者が立ち上がった時二人は、サーヴァントの気配を更に感じた。
その気配を追って上空を見上げた両者は、上に、何やら大きな人らしい物を発見した。
しかし幾ら目が良かろうと、両者にはその姿はあまり良く見えなかった。
分かるとすれば、その巨人の全身が赤一色であることぐらいのものだ。
◆ ◆ ◆
「しかし、随分と酷い命令だな……」
ライダーのサーヴァント、
フル・フロンタルは上空に浮かぶ己の宝具「可能性を喰らう者(シナンジュ)」のコックピットでそう呟いた。
先程までセイバーとバーサーカーの戦闘を監視していたライダー。
その時に、マスターである累から命令を受けたのだ。
『むざむざ目の前の人が争うのを放っておく訳には行かない、戦いを中止させて下さい』と。
その命令を受け、ライダーはシールドに隠されていたロケットバズーカを取り出し、それをセイバーとバーサーカー双方に向けて発砲した、と言うことだ。
それは聖杯を求めんと画策するライダーにとってはあまりにも不都合な行動であった。
聖杯戦争とは情報が鍵となる。
モビルスーツのカタログスペックが把握しやすく、作戦と士気が戦況を左右する戦争とは大違いだ。
乱暴に言えばユニコーンの様な試作機や専用機が秘匿されている形で四方八方にひそんでいるような物。
ましてやライダーの宝具は、攻撃というよりも技能に特化されている。
自身の宝具「可能性を喰らう者(シナンジュ)」は、あのアクシズ・ショックを発したガンダムが雛形になっていることもあり、その性能は必然的に従来のモビルスーツを凌駕する。
そして、操縦者の思考を感受することが出来る高い追尾性と、デブリの中を通常の3倍の速度で駆け抜けられるほどの機動力をも有している。
成る程、少なくともライダーが生きたU.C.0090年代においては最高レベルと言って過言ではないだろう。
だがそれだけだ、シナンジュには、あまりにも火力が足りなさすぎる。
ネオ・ジオングを駆った世界の己が喚ばれていたのなら、その限りではないだろうが。
そして自身のもう一つの宝具「赤き墜星、再臨の英雄(ローター・ヘルト)」の特徴は、自身にシャア・アズナブルの能力を付与させると言った物。
しかし純粋なスペックが上がろうとも、仮にあのシャア・アズナブルであろうとも勝てると言い切れない者がいたとしたらどうする?
シャアの代役たる自身が、それに勝ちうることは有るのだろうか?
ならば如何にすれば良いのだろうか。
それは相手の手の内を知ることにこそある。
本来、ライダーが聖杯を獲ることを許されているのなら、まずセイバーとバーサーカーの戦いを傍観し、その能力を知ることが大切だ。
火力と奥の手に乏しい自身が序盤から攻撃を仕掛けるなど、愚策極まりない話だ。
まず敵の手の内を知り、それを糧にして勝利への活路を見出していくことこそが、最善の道のはずだ。
おまけに敵が同士討ちしてくれる可能性だってある、むざむざ序盤から突っ込んでいく必要など無いだろう。
「やはり似ているな、彼に」
自身の方針を否定したマスターに、嘗て己に忌まわしき光を見せた少年の姿を思い浮かべながら、ライダーはもう一度呟きかけた。
◆ ◆ ◆
ビルの陰から上空にあるサーヴァントを発見したミカは、内心舌打ちをした。
ステータスは確認できる、クラスはライダー、パラメータは大半がEランクだ。
だがあの宝具がそのパラメータと言う概念を完全に埋めている。
とてもバーサーカーの敵う相手ではない。
撤退を考えようとした、その時である。
「ヴゥォァァァァァァァァァ!!」
立ち上がったバーサーカーが再び動き出し、空間に穴を開けたのだ。
SE.RA.PHに空いた長方形の穴から出たのは、順序よく降り固まった無数の刃。
「またあの攻撃かよ……。」
ケイタはビルの陰から、恐怖で怯えたような甲高い声と唖然とした表情でそれを見つめていた。
幾ら都市伝説と二人歩きしていようが、所詮はネットワーク回線からの逃亡劇ですら怯えるような少年だ。
殺し合いを見て怯えないはずがない。
「ケイタ!お前は下がっていろ!」
直後、ケイタの危機に感づいたセイバーが、再びカードホルダーを展開しカードを引き抜く。
引き抜いたのはカテゴリー7「METAL TRILOBITE」。
硬い甲羅を持った三葉虫の始祖を封じたカードだ。
その能力は「硬質化」。
セイバーも使ったことは無いカードだが、マスターの盾には十分相応しい代物だ。
しかし、セイバーとケイタの感じた危険はすぐに去った。
バーサーカーが召喚した剣の群れは、そのままセイバーに直進するのかと思えば上空に向かって90度旋回。
まるでロケットのように天高く飛んでいった。
「何だよ、あれ……。」
だが、ケイタとセイバーが、ボーゼンとした表情でそれを眺めていた、その時である。
「よう、随分と楽しくやってるじゃねぇか、俺もちょいと混ぜてくれや。」
不意に、軽そうな口調の声が響いた。
「誰だ!」
セイバーが声の主を探そうと辺りを見回した時。
そのサーヴァントは確かにいた。
セイバーとバーサーカーの間の位置にそびえ立つビルの屋上に。
全身を蒼いタイツで纏い、紫色の布で巻かれた槍を持った一人の男が、確かにいたのだ。
其の姿に、セイバーは仮面越しで不安気な表情を浮かべる。
「これで三体目か……。」
『『ケイタ、あのサーヴァントのクラスは?』』
「……ランサーって奴だけど、多分セイバーより強いかも。
ていうか、二人同時に言うなって……」
セイバーとセブンが同時に問うた質問に答えながらも、ケイタは曇った表情を見せる。
多少なりともゲームの心得のあるケイタからしても、あのランサーの戦闘力は一級だ。
今のセイバーとでは数値的に、大きく差が開いている。
+補正が有るだけセイバーには勝つ可能性が無きしもあらずだが。
「どうすりゃ良いんだよ……。」
◆ ◆ ◆
バーサーカーが召喚した刃が、上空へと向かう。
狙うは、上空にいるライダー。
「む!?来たか!」
スキル「強化人間」による卓越した直感が、ライダーに危機を知らせる。
シナンジュの向きを上空へと定め、移動しながら右手に固定されているロケットバズーカを前上へと投げ飛ばす。
そして直ぐにビームシールドでそれをキャッチし、推進力を上昇させる。
シナンジュのスピードは増し、刃の嵐から遠ざかっていく。
だがバーサーカーの刃はシナンジュの下へと方向を変え、其処からライダーの眼の前に向かう様に方向を定めた。
これがまともに当たれば、確実にモビルスーツであろうとも鉄屑へと変えられてしまうであろう。
しかし、ライダーの直感能力と、シナンジュの感応機能がそれを許さなかった。
刃が方向を自身の真上へと変えようとした瞬間。
それにライダーの強化人間としての直感が働いた。
幾ら強化人間であろうが、その力はニュータイプとは大差ない。
類稀なニュータイプとしての力を見せつけた赤い彗星の挿げ替えたるライダーとなれば、尚更だ。
何時も通りに避けようと思えば避けられる。
だが、このまま追いかけっこを続けていれば、何時迄も埒が明かない。
そう考えたライダーは、ビームシールドを構える。
刹那、刃の嵐はビームシールドにぶつかり、ビームシールドに大きな衝撃が働く。
確かにビームシールドの強度でなら、シナンジュにダメージが与えられること自体は防げるであろう。
しかし、衝撃を吸収しきれなかったビームシールドはその場で砕け散り、光の粒子となって消滅する。
だがその御蔭でライダーの組んだ戦術は功をなした。
ビームシールドで弾かれた衝撃で群れを作っていた武器はアチコチに分散した。
剣、槍、鎌、大剣―蛇のような鉄の塊を形作っていた数々の武器が、飛ぶ力を失い上空から落下していく。
地面にすらまだ遠い位置で武器は、形を作っていたポリゴンへと変わり消滅していった。
そうして消滅していった武器を、ライダーは虚しい眼差しで見つめていた。
◆ ◆ ◆
セイバーとバーサーカーの間に現れたランサーは、軽い表情を浮かべながらも、ビルの屋上からスタッと飛び降りる。
それはまるで、雌雄の決闘を邪魔する壁のように見えた。
それに対し、第三の脅威に成りかねんと認識したセイバーは剣を向ける。
バーサーカーも言わずもがな、グルルと吠えながらもランサーを威嚇する。
しかしランサーは、槍のない左手をパッと開き、飄々とした態度で口を開く。
「ほう、二人共殺る気満々ってか。良いねぇ、俺もちったぁ楽しめそうだ……と言いたい所なんだがその前に一つ質問だ。」
「質問?」
「銀色の剣士、そして其処の朱いバーサーカーのマスターにも言っておく。
お前と、お前さんの相棒には、聖杯を以って叶えたい願いは有るか?」
「ッ!?」
セイバーは、それを聞き一瞬戸惑う。
確かにケイタには、聖杯に叶えたいと言うほど願いたいものは無い。
と言うより、叶ってしまったと言った方が妥当だろうが。
(願い、か……)
セイバー、剣崎一真にも、叶えたい願いがないわけではない。
寧ろ自身と、
相川始を人間に変えて、あの頃のような日々を送れると言ったら、どんなに幸せなのかと思う。
あの地獄のような300年を、過ごさなくて良い人生が送れるとしたら、どんな―
だが、それは叶えては行けない。
剣崎には、それが一番良く分かっていた。
己がアンデッドになった事で、皆は平和に過ごせた。
それを他者の生命を糧に叶えることは、剣崎には到底出来っこない。
故に―
「いや、無い、でも俺のマスターは、なるべく元の世界に返してやりたい。」
己には願いがあると、セイバー…剣崎一真は言い切れなかった。
そしてランサーは、セイバーと其のマスターには願いが無いと理解した。
「そうか、だったら話が早ぇ。
おい、バーサーカーのマスター、攻撃はしねぇから返事を―」
とその時、バーサーカーの身体が徐々に光の粒子へと変わっていく。
赤黒いバーサーカーの身体は、徐々に光へと変わり、バーサーカーは霊体化した。
「話には乗らねぇ、ってか。」
つまんなさそうな表情で、ランサーはバーサーカーが立っていた地面を一瞥した。
そしてセイバーへと再び視線を向け、会話を再開する。
「それで、話ってなんだよ。」
まず先に話を切ったのは、セイバー。
「話ってのは、同盟だよ、同盟。」
「同盟?」
「そうさ、俺のマスターは、どうやらこの聖杯戦争の打倒を目論んでいるらしい。
其処で、仲間を集めているって言う訳さ。」
◆ ◆ ◆
人っ子一人いないビル街を、ミカは素早い速度で疾走る。
常人以上の身体能力を持つ吸血鬼とならば、その足の速さは相当な物となるであろう。
あのライダーと戦い続けることは、ミカにしてみれば愚策中の愚策だ。
如何なる宝具であるかは確認できたが、それでも序盤で戦うのは余りにも危険すぎる。
攻撃を止めるよう命令を出しておいて正解だった。
そしてオマケに、同盟を組めなどと抜かすサーヴァントが出たとなれば、ミカが留まる理由など最早無いに等しい。
そう考え、ミカはバーサーカーを霊体化させ離脱したのだ。
だが今の所、ミカの魔力はそう枯渇はしていない。
だが、これ以上戦闘を続ければその限りでは無くなる。
あのセイバーのパラメータはバーサーカーと比べれば下だが、それでも+補正がアチコチについている。
詰まる所バーサーカーを上回る可能性の有るサーヴァントなのである。
これでミカが対峙したサーヴァントは―己のバーサーカーを除けば3体目。
しかし情報は足りない。
おまけにミカの魔力は膨大でこそあれど有限だ。
序盤で湯水の如く使ってしまっては確実にバテてしまう。
(無闇矢鱈と首を突っ込むのは愚策か……!)
先程のアヴェンジャーとアサシンにしてもそうだった。
あの時のアヴェンジャーのパラメータが低かったことに目をつけ不意打ちを食らわしたは良い物の、それは突如現れたアサシンに防がれてしまった。
それにパラメータが殆どEランクだったセイバーですら、パラメータを増強させる宝具を所持していた。
イレギュラーにも程がある、このまま弱そうなサーヴァントに不意打ちを食らわせては、確実に同じ轍を踏んでしまうであろう。
(当分、バーサーカーは出させないようにしよう……)
ミカはそう考えながらも、街を走り続けた。
見つけたサーヴァントは3体、聖杯戦争は始まって間もない。
ならば、こうして身を隠して傍観するのが―やはり得策だ。
【百夜ミカエラ@終わりのセラフ】
[状態] 健康、膨大な魔力
[装備] 「剣」
[道具] 無い
[令呪] 残り三画
[所持金] 学生だが孤児院住まいなのでそんなには無いだろう
[思考・状況]
基本行動方針:優勝狙い。まずはある程度情報を入手してから、
バーサーカーの火力で他の敵を潰していく
消耗は避ける
1.『家族』を巻き込まない様にする
2.慎重に行動する
3.不意打ちは止めておく、当分は偵察のみで。
4.このままSE.RA.PH全域を回っていく。
[備考]
1.輿水幸子&アヴェンジャー(輿水幸子)を認識。ステータスを確認しました。
2.
瀬田宗次郎&アサシン(
シルベストリ)を確認。ステータスを把握しました。
3.
網島ケイタ&セイバー(剣崎一真)を確認、ステータスを確認しました。
4.ライダー(フル・フロンタル)を認識、ステータスを把握しました。
5.ランサー(
クー・フーリン)を認識、ステータスを把握しました。
6.予選時点でクルル・ツェペシから貰った血を幾らか持ってきていましたが、決戦時点で既に飲み干しています。
クルルの血と吸血鬼が持つ魔術回路のお陰で魔力は大量に有りますが、回復が出来ないので慎重に。
【バーサーカー(
黙示録の獣)@.hack//G.U.TRILOGY】
[状態] 健康
[装備] 無し
[道具] 無い
[所持金] マスターに依存
[思考・状況]
基本行動方針:??????
[備考]
1.輿水幸子&アヴェンジャー(輿水幸子)を認識。ステータスを確認しました。
2.瀬田宗次郎&アサシン(シルベストリ)を確認。ステータスを把握しました
3.網島ケイタ&セイバー(剣崎一真)、ライダー(フル・フロンタル)を確認。
4.ライダー(フル・フロンタル)に刃の嵐を投げつけました。
5.ランサー(クー・フーリン)を認識、ステータスを把握しました。
◆ ◆ ◆
「同盟、か……。」
物陰からセイバーとランサーの会話を聞いていたケイタは、どうしようか迷っていた。
確かに、今のケイタには聖杯で叶えたい願いはない。
だが、その御蔭で今のケイタは、嘗ての仲間や組織と出会えたのだ。
それが例え偽りの物だとしても、失った物が贋物であろうと、それは確かに嬉しいことではあった。
だが、何時迄もこのままでいようとは思わない。
ケイタには、帰るべき場所が有る。
元の世界という帰るべき場所が。
ケイタがこの世界に来て、概ね一ヶ月は過ぎているであろう。
過去との奇跡的なすれ違いにしては、十分すぎるほどの期間だ。
それに、他者が死んでいくのを放っておく訳には行かない。
それに元の世界にタダで帰られるとなれば、ケイタが取るべき道は決まった。
―とその時である。
ふと、ズボンのケースにぶら下がったセブンから、ピロロロロと聞き慣れた着信音が鳴ったのだ。
ケイタは直ぐにセブンを取り出し、着信相手を確認する。
「え?えーと、何て読むのこれ。」
『学業は相変わらずか。これはにのみや……ウッ……ウォォォォォォ!!』
異変は起こった。
ケイタの掌に収まっていたはずのセブンは、突如彼の手から落ちる。
アクティブフォーム……手足を展開し、フォンブレイバーの機能を最大限活用する形態に変形したセブンは、まるで脳が痺れた様にディスプレイを押さえ込む。
並列分散リンクや宇宙ウイルスを経験したケイタとセブンからすれば、確かに見慣れた光景では有るものの、明らかに異常事態であることは分かりきっていた。
「おい!大丈夫か!セブン!おい!」
ケイタが、慌ててセブンを手で拾い上げる。
セブンが手足をバタバタさせているのは、昔手に取ったハムスターに暴れられている感覚に、良く似ていた。
「ぬあああああああ……やはり、並列分散リンクと同じような感覚だ……容量は圧倒的に小さいが、それでも……このデータには異常が……
ぬぅあああああああああああああ!」
セブンの叫びとともに、ディスプレイから光が発せられる。
「うわっ!」
あまりの眩しさに、ケイタは思わず眼を覆いセブンを落としてしまう。
それは光というよりは、青色の電光と言った表現の方が正しかった。
ディスプレイから電撃が出てくるのもやはり慣れているが―何かが違う。
その電光の様な何かは、突然上空に上がったかと思えば、突然ピカッと更に光を増し、一瞬ケイタの視界は真っ白になった。
その一瞬が終わり、光は収まった。
覆い隠した眼をケイタが開けば其処には、全身が青色の人型の「何か」が、其処にいた。
そしてその何かが、口を開く。
「君が、あのセイバーのマスター、網島ケイタ君だね。」
「へ?何で俺の名前知ってんの……。」
ボーゼンとした表情で見つめるケイタを見て角をカキカキと掻いた様な手つきを見せた累は、ハァっと溜息を付いた。
「……すまない、君を驚かせるつもりはなかったんだ……バードアウト。」
直後、累の上下にそれぞれ、光のリングが出現する。
それは累の身体をすり抜け、光が発した瞬間累は元通りの女装姿を取り戻した。
眼の前にいるケイタは、開いた口が塞がらなさそうな表情のまま頷いた。
「え、アンタセイバーみたいに姿変えられんの?」
「まあ、そんな所かな。」
―ガッチャマン。
正義と平和を護る、テレビのヒーローを具現化させたかのような存在。
累は、そのガッチャマンの資格を持つ人間の一人である。
身体から引き抜いた「G-NOTE」を使用して、ヒーローに変身する力を持つ資格を。
そんな彼の持つ力とは「ネットワーク移動」。
自身の身体をネットワークに移し、端末やアンテナを媒介にして移動行為を行う力。
累はそれを利用して、此処に移動してきたのだ。
本来ならGALAXカーがあれば、それで直ぐに移動できるのだが、生憎時間がなかった。
「ケイタ!大丈夫か!」
眩い光に気づいたセイバーとランサーが駆け寄ってくる。
それに気づいたケイタと累も、直ぐに駆け寄る。
「ありがとなセイバー、大丈夫。」
「ああ、良かったよ、無事で。所で、さっきの光は…」
其処で、累が答える。
「それはボクの仕業です。」
「あ、そういや名前聞いていなかった。」
ケイタが口をはさむ。
「そういや確かにな、まあ聖杯戦争のマスターであることには間違いないと思うけど、君の名前は?」
セイバーの問いに、累が答える。
「爾乃美家累と言います。先程、上空に浮かんでいたライダーのマスターです。」
「ほう、あのデカブツのマスターが嬢ちゃんって訳かい?」
と、ランサーが問いを更に投げつける。
「そういうことに成ります、ライダーさんも、直ぐに此方に来てもらえませんか?」
其の呼びかけに答え、突如強い暴風が周囲に襲い掛かる。
セイバー、ケイタ、累が皆手でその身を覆う中、その男は現れた。
降り立ったのは、一体の紅い巨人だった。
不気味さを漂わせる額の角と、特徴的な一つ目。
背中にはやや大きめの翼が背負われ、胸と袖には華やかな装飾が施してある。
軍服のような装飾の付いた胸が、パカリと開く。
中から出てきたのは、赤い軍服にその身を包んだ、仮面の男。
冷たい表情を浮かべながらもその男は、操縦桿を握りしめ、下にいる4人を見下ろしていた。
「成る程、君もその同盟に入るつもりなのかい?ルイ君。」
「オイオイ嬢ちゃん、もしかしてアンタも俺達と組むつもりなのか?」
ライダーの冷たい口と、ランサーの軽い口が同時に累にかかってくる。
しかし累は落ち着いた顔と強い口で、それに答える。
「はい、そのつもりでいます。
ランサーさん、貴方と出会えたことは、僕にとっては嬉しい話です。
実は僕も、聖杯戦争を脱出する手段について探していた所なんです。
仲間が増えるとなれば心強い話です、手を貸していただけませんでしょうか。」
累はそう言うと、ランサーに手を差し伸べる。
ランサーはそれを見て、一瞬驚いた表情を見せるが、直ぐにフゥっと息をつく。
「あいよ、ま、俺はあくまでもマスターの代理人だから手を握れる立場かどうかは知らねぇがな。」
そう言った後、ランサーは累の手を握る。
ライダーが相変わらず冷めた表情で見つめる中、ケイタとセイバーは、それを心なしか穏やかな表情で眺めていた。
握手を終えたランサーは、今度はケイタとセイバ―の向きへと振り返る。
「んで、お前さんがそのセイバーのマスターなんだよな、坊主。」
ランサーの軽い顔に思わず緊張がほぐされたケイタは、微笑んで答える。
「まあ、そうだけど。」
「お前さん、聖杯にかける願いとかはねぇんだよな。」
「まあ、無いといえば無い……かな。」
「そうかい、じゃあ、明日にはマスターの居場所を俺が案内しておくから此処にまた集まってくれ、集合時間はどうする。」
「僕は残念ながら学校が有るからね、放課後にしておくよ。」
「俺もそんなもん。」
ケイタと累は仮にも学生だ。
例え仮初の生活とは言え、学業ぐらいには専念しておくべきであろう。
ランサーはそれを聞くと、ウンと頷いた。
「んじゃ、俺は他の主従を探しに行って来るわ。続きは明日だ、来るのを楽しみにしているぜ。」
ランサーはそう言うと、ビルというビルを飛び回りながら姿を消して行った。
彼が姿を消した後、累はケイタに顔を向ける。
ケイタは、それを不思議そうに見つめる。
「これからも宜しくね、ケイタ君。」
「ん、まあ、宜しく。」
「所でケイタ君……」
ふと、累が非常に興味深そうな表情で辺りを見回す。
「その、先程の携帯は何処へ行ったのかな?」
「げ、バレた!」
フォンブレイバーの存在は最機密事項だ。
一部の知り合いには普通に見せていたとは言え、これをどう見せるか。
しかし、セブンは何処へ行ってしまったのだろうか。
と、ケイタが考えていた、その時である。
『バディ、携帯は落とすものでもない。』
其の言葉に反応し、ケイタが下に顔を向ける。
見てみれば、イライラとした表情を浮かべながらも、セブンが歩いてきている。
「やべッ……御免な、落としちまって。」
『ケイタ、私はこう見えても人類の科学力の結晶にして限りなく人間に近い思考を持ったメカなのだ。
もう少し気遣いと言うものを覚えてくれ……。』
「分かったよセブン、リトラクトフォーム。」
『ぬぉっ!』
ケイタの命令に反応し、セブンがジャンプ。
空中で回転しながらも素早く両手両足を背中に折りたたみ、セブンの右掌の中に。
その様に、累が驚きを見せていたことは、言うまでもない。
こうして携帯の姿を再び取り戻したセブンをケースに仕舞い、ケイタは累に手を振る。
「んじゃ、また明日……」
『待てバディ。』
「今度は何。」
『任務のことを忘れていたか、我々は此処らにあるGALAXサーバーを探していたはずなのだが。』
忘れていた。
自分は確か、GALAXが置いてあるサーバーを捜索しようとしていて……
と思った所で、累が声を挙げる。
「あ、GALAXのサーバーのことかい?それなら僕が案内するよ。」
「へ?何でアンタGALAXのある場所知ってんすか?」
「何でって……GALAXの運営者、僕だから。」
累がにっこりと微笑む。
昔の自分なら確実に秘匿していたことだろう。
カッツェの一見があったからこそ、こんな事は躊躇なく出来たことだとも思う。
『はああああああああああああああああああああああ!?』
「ええええええええええええええええええええええええええええ!!」
ケイタとセブンの絶叫が、街中にこだます。
こんな子供がアプリケーションを管理していたなど、聞いたこともない話だ。
ワクチン企業の令嬢が会社のサーバーを使っていたと言う前例はあったのだが。
「マジかよ……。」
『ラ、ラッキーじゃないか、ケイタ、ほら、ターゲットが、見、見つかったぞ。』
明らかにセブンまでもが動揺している。
ケイタも、開いた口を塞げることを知らずに答える。
「うん、そうだね。」
「ま、まあ気持ちは……分かる……分かる…んだけどね…。」
一人と一機の動揺には、流石に累も「仕方ない」と苦笑いを浮かべる。
【D-6/ビル街/1日目 夜(21:30)】
【網島ケイタ@ケータイ捜査官7】
[状態] 健康
[令呪]残り3画
[装備]
[道具] フォンブレイバー7
[所持金] 貧乏(一応エージェントなのでそれなりに貯金は有るはずだが、普段はセブンが口座をハッキングして勝手に使えないようにしている。
[思考・状況]
基本行動方針:SE.RA.PH生活を謳歌する。
1.アンカーのミッションの為、爾乃美家累に同行する。
2. ランサー(クー・フーリン)の同盟話に乗る。
3. 人を殺したり殺すのを見逃したりするのは真っ平御免。
[備考]
- ライダー(フル・フロンタル)を確認、ステータスを把握しました。
- バーサーカー(黙示録の獣)を確認、ステータスを把握しました。
- ランサー(クー・フーリン)を確認、ステータスを把握しました。
【セイバー(剣崎一真)@仮面ライダー剣】
[状態] 健康、ブレイド変身中
[装備] ブレイラウザー
[道具] ブレイバックル、ラウズアブゾーバー、ラウズカード
[所持金] 無し
[思考・状況]
基本行動方針:マスターを護る。
1. 願いを叶えることについては悩んでいる。
2. ランサー(クー・フーリン)の誘いに乗る。
[備考]
- ライダー(フル・フロンタル)を確認、ステータスを把握しました。
- バーサーカー(黙示録の獣)を確認、ステータスを把握しました。
- ランサー(クー・フーリン)を確認、ステータスを把握しました。
- 霊体化は出来ません。
【爾乃美家累@ガッチャマンクラウズ】
[状態]
[令呪]残り3画
[装備] NOTE
[道具]
[所持金] 裕福
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争からの脱出。
1.網島ケイタ君をGALAXサーバーに案内する。
2. Xには申し訳ない。
3. 間明蔵人…一体何者なんだ……
4.ランサー(クー・フーリン)の誘いに乗る。
5.明日朝にはXを解放したい、状況次第ではCROWDSも配布する予定に有る。
[備考]
- バーサーカー(黙示録の獣)を確認、ステータスを把握しました。
- ランサー(クー・フーリン)を確認、ステータスを把握しました。
- セイバー(剣崎一真)を確認、ステータスを把握しました。
- 間明蔵人対策の為、現在Xはワクチン制作に励んでいます、それが出来次第GALAXのX機能は解放される予定です。
【ライダー(フル・フロンタル)@機動戦士ガンダムUC】
[状態] 健康
[装備] 「可能性を喰らう者(シナンジュ)」
[道具]
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を獲得する。
1. 当分は累の方針に従う。
2. 代わりのマスターを探すことも考えておく。
3.累が自滅することを信じて疑わない。
[備考]
- バーサーカー(黙示録の獣)を確認、ステータスを把握しました。
- ランサー(クー・フーリン)を確認、ステータスを把握しました。
- セイバー(剣崎一真)を確認、ステータスを把握しました。
【ランサー(クー・フーリン)@Fate/stay night 】
[状態] 健康
[装備] 刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)、現在はケイネスが用意した宝具の正体を隠すための呪符が巻かれておりそれを外さなければ真名解放は不可能である。
[道具] 無し
[所持金] マスターに依存
[思考・状況]
基本行動方針:マスターに従う。強者と死力を尽くして戦う。
1. 他の主従を捜す
[備考]
1.同盟の申し出を受けた組には、二日目の(21:30)頃に【D-6/ビル街】に集まる様に伝える。
2.セイバー(剣崎一真)、ライダー(フル・フロンタル)、バーサーカー(黙示録の獣)のステータスを把握しました。
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最終更新:2017年01月29日 05:26