あるところに神様がおりました。
神様は自分が願う世界を作り、維持し、管理することができる存在です。
ですが、その神様は自分の世界を持っていませんでした。
神様は自分が願う世界を作り、維持し、管理することができる存在です。
ですが、その神様は自分の世界を持っていませんでした。
ともだちの神様は問います。
「どうして世界を造らないのか」と。
「どうして世界を造らないのか」と。
神様は答えます。
「僕には世界を持つ理由がわからないよ」と。
「僕には世界を持つ理由がわからないよ」と。
ともだちの神様は困りました。そのような考えを持ったことがないからです。自分の世界を持つことは他の神様にとって当たり前だったからです。
悩んだともだちの神様は言いました。
「私の造った世界を見てみないかい」と。
「私の造った世界を見てみないかい」と。
ともだちの神様の世界には人と呼ばれる生物が穏やかに暮らしている世界でした。
球体状の惑星。海がほとんどであり、所々に島が見えます。
それぞれの島では異なる文化が形成されており、また同じ島の中でも違う文化が生まれていることに神様は興味を持ちました。
球体状の惑星。海がほとんどであり、所々に島が見えます。
それぞれの島では異なる文化が形成されており、また同じ島の中でも違う文化が生まれていることに神様は興味を持ちました。
ともだちの神様は聞きます。
「なにか興味をそそられるものでも見つかるといいんだけど」と。
「なにか興味をそそられるものでも見つかるといいんだけど」と。
神様は問います。
「人という生物は何も与えていないのに、どうしてここまで文化を育てられるのだ」と。
「人という生物は何も与えていないのに、どうしてここまで文化を育てられるのだ」と。
ともだちの神様は答えます。
「それは人同士が争うからだよ。異なる文化を人は受け入れ難いんだ」と。
「それは人同士が争うからだよ。異なる文化を人は受け入れ難いんだ」と。
神様が疑問を問います。
「では人がいない世界はどうなるんだ」と。
「では人がいない世界はどうなるんだ」と。
ともだちの神様は答えます。
「文化を作るのが人の特徴さ。人がいないなら…自然に囲まれた世界になるんじゃないかな」と。
「文化を作るのが人の特徴さ。人がいないなら…自然に囲まれた世界になるんじゃないかな」と。
神様が疑問を重ねて問います。
「あの人々は私たち神を知っているのか」と。
「あの人々は私たち神を知っているのか」と。
ともだちの神様は答えます。
「私の世界からは願い、思い、拝む様子が見られるね。でもその対象は私じゃない。彼らが勝手に創り上げた想像上の神様さ」と。
「私の世界からは願い、思い、拝む様子が見られるね。でもその対象は私じゃない。彼らが勝手に創り上げた想像上の神様さ」と。
神様が真を導くための一つを問います。
「では神がいると、人が管理されていると気付いたら、彼らは争いを私に向けてくるのかな」と。
「では神がいると、人が管理されていると気付いたら、彼らは争いを私に向けてくるのかな」と。
ともだちの神様は焦ります。
「待て、何を考えているんだ」と。
「待て、何を考えているんだ」と。
神様は辿り着いた解を告げます。
「私は人が好きなんだろう。私の知らない物を作り上げる人が好きだ。争いのために文化を発展させる人々が好きだ。だがそれを同じ人同士で壊しあうなんて悲しいじゃないか」
「私は人が好きなんだろう。私の知らない物を作り上げる人が好きだ。争いのために文化を発展させる人々が好きだ。だがそれを同じ人同士で壊しあうなんて悲しいじゃないか」
「だから人同士が争わなくて良いように、私に矛先を向けるようにするのさ」と。
すぐに神様は自分の世界を造りました。人同士が争わないようにするため、神に管理されていると情報を与え争いの矛先を神へと向けた特殊な世界を。
ですが、一つだけの世界では飽きてしまう。どうせならたくさんの世界を作ろうと。
ですが、一つだけの世界では飽きてしまう。どうせならたくさんの世界を作ろうと。
神様が作ることができる世界は1つだけしか許されていません。ですが神様はその掟を破り、世界をたくさん創りました。
掟を破るとどうなるか、それはともだちの神様も誰も知りませんでした。
掟を破るとどうなるか、それはともだちの神様も誰も知りませんでした。
世界を一つ創るごとに身体に不調が現れていきます。
あるときは身体の痺れが、またあるときは頭痛が。大きいものでは数刻気を失うこともありました。
ですが神様は世界を創るごとに異なる文化で神へと向かっていく人を見るのが楽しく、創ることを止めませんでした。
あるときは身体の痺れが、またあるときは頭痛が。大きいものでは数刻気を失うこともありました。
ですが神様は世界を創るごとに異なる文化で神へと向かっていく人を見るのが楽しく、創ることを止めませんでした。
そして創った世界が数え切れなくなった時、それは起きました。
神様は世界を新たに創り出せなくなってしまいました。創る権限を失ってしまったのかと神様は疑いました。
いいえ、権限は残っています。神様は命を使いすぎてしまったのです。
命とは本来、長く生きる間に少しずつ減っていくもの。
世界を創るときに命を減らすから、掟はあったのです。
神様に残された命では世界を創ることはできなくなりました。
神様は世界を新たに創り出せなくなってしまいました。創る権限を失ってしまったのかと神様は疑いました。
いいえ、権限は残っています。神様は命を使いすぎてしまったのです。
命とは本来、長く生きる間に少しずつ減っていくもの。
世界を創るときに命を減らすから、掟はあったのです。
神様に残された命では世界を創ることはできなくなりました。
その真実に気付いたころには神様に残された力は殆どありませんでした。
身体は動かず、喋ることも数言伝えるのがやっとの状態。
そんな状態なのに、もし創った世界の中で人が神へと辿り着いたのならば。
突然神様は恐ろしくなりました。ですが世界を壊すことは考えつかず、神様がいなくなっても管理できる存在を創ろうと。
命を削って世界を創ることはできませんでしたが、残った命と引き換えにならば世界を創れるだろうと。
身体は動かず、喋ることも数言伝えるのがやっとの状態。
そんな状態なのに、もし創った世界の中で人が神へと辿り着いたのならば。
突然神様は恐ろしくなりました。ですが世界を壊すことは考えつかず、神様がいなくなっても管理できる存在を創ろうと。
命を削って世界を創ることはできませんでしたが、残った命と引き換えにならば世界を創れるだろうと。
神様は残されたもので最後に三つの物を作りました。
残された命で世界を管理する住人が住まう箱庭のような小さい世界を。命の失くなった神様の身体で世界を管理できる人を。
神様は創り上げた二つを残し、消えてしましました。
残された二つは神様の最後の願いを覚えていました。
残された命で世界を管理する住人が住まう箱庭のような小さい世界を。命の失くなった神様の身体で世界を管理できる人を。
神様は創り上げた二つを残し、消えてしましました。
残された二つは神様の最後の願いを覚えていました。
「神へと至る世界を管理してほしい。そしてもし君たちが管理に疲れ果て、終わりたいと思うのならば。救いたいと思った存在に全てを使って助け、この世界を終わらせてほしい」と。
こうして掟を破り、千の世界を創り、自らの身体を依り代に人を創った神様は亡くなってしまいました。
神様の最後に創られた世界の名前は「ノヴェルタ」。神様の命を以て作られた小さき箱庭の世界。
神様の身体で造られた観測者の名前は「ギルティア」。神様の身体によって創られた、世界を管理する人です。
神様の身体で造られた観測者の名前は「ギルティア」。神様の身体によって創られた、世界を管理する人です。