【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫 @ Wiki内検索 / 「67-846「二人きりでって訳じゃないんだろ?」」で検索した結果

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  • 67-846「二人きりでって訳じゃないんだろ?」
    『くく、それは二人きりでって訳じゃないんだろ? なら構わないよ』  俺と佐々木とは中学と塾通いだけが接点で、放課後一緒に遊びまわるような仲ではなかった。  今思えばあいつの家に行った事もないし、あいつが俺の家に来るのも、それは俺の自転車に乗る「ついで」みたいなものだったしな。  けど、別に放課後まったく一緒に遊ばなかったって訳じゃない。  そこまでいったら逆に不自然だ。  当たり前だろ?  けど、結局たった一度だけだった。  俺と佐々木が、たった一度だけ放課後一緒に遊んだ時の事。それはそう、月めくりカレンダーの十枚目をめくった頃だったろうか。  ………………………  …………… 「佐々木、たまにはお前も一緒に来ないか?」 「くく、それは二人きりでって訳じゃないんだろ? なら構わないよ」  残暑がしつこく居座る十月、俺が冬服の上着をずだ袋か何かのよう...
  • Part67
    ...さんの心のちゃぶ台 67-846「二人きりでって訳じゃないんだろ?」 67-826「キョン、口の端に五目飯がくっついているよ?」 67-814 キョン「残念ながら俺はコーヒー派でな」 67-805 ひっそりと暗闇で眠る佐々木さん 67-799 佐々木さんはお盆休みをどう過ごす? 67-783「この、佐々木という子なんですが」 67-759「相変わらずお前は小難しい喋りをするんだな」 67-732「結果がここにあるのにかい?」 67-665「セミがうるせえな」「それは重畳だね」 67-642「そこに意味なんて求める必要はないんだよ」 67-613「やれやれ、ひどい雨だ」 67-599 キョン「そんな涙目で見つめても何も出ないぞ」 67-592 佐々木「唐突だがぼくは歯医者が嫌いでね」 67-586「喧嘩売ってるなら三割引で買ってやるぞ佐々木」 67-555「ホント、素直じゃないんだから...
  • 67-708『だって、あたしだってそうだったし?』
    ...り  関連?67-846「二人きりでって訳じゃないんだろ?」
  • 67-555「ホント、素直じゃないんだから」
     初めて彼の胸に沈み込んだ時の事を今でも鮮明に思い起こせるのは、我ながら記憶の妙、不思議なものだとしみじみと思う。  ああそうだ、僕がぼろぼろと涙をこぼしたものだから、キョンは柄にもなく大慌てになったものだった。  その様子があまりにも心地良く、悪甘いと。ロクでもない僕の心はそんな思いを感じたものさ。  ぎゅっと抱きしめた感触、温かさ、匂い、どれもたまらなくてね。  これが僕のものなのだと思うとぞくぞくとした。  ただ隣にいるだけで、語り合うだけで、頬が緩み、笑顔が止まらない程度には幸せになれる自分は知っていた。  けれどやっぱりその一歩先は、もっともっと心地良かったのだ。  ああそうだ、ここだ、ずっとずっとここが良かった、ここに来たかったのだって。  ようやくたどり着けたのだと、とてもとても嬉しかった。  日々を重ねた甲斐があったなって思うと  笑顔も涙も...
  • 67-369 あじさいの季節のふたり
     高校二年の六月、カレンダーには特にイベントらしいものはない。  高校生活にも今のクラスにもそれなりに慣れきり、大学進学にはもう少し間が要り、黄金週間もなければ夏休みも無い。  強いて言うなら梅雨があるくらいだが、これは高校生に限らず訪れるものだと思っている。  むしろ、もし高校以外には梅雨が来ないというのならさっさと卒業し 「しっかし殺風景ね」 「何がだ」  俺の思考を遮った傍若無人なるSOS団団長閣下は、こう台詞をお続けになられた。 「この通学路よ」  いつものようにSOS団4人でツルみ、ぼんやりと下っていく高校帰りの風景。  何か不満でもあるってのかハルヒよ。まあ確かに下り坂は登りよりある意味辛いとは聞くが。 「アリよアリよ大アリよ!」  思えばそれが今回の騒動の皮切りだった。  この何もない通学路に飽き飽きしたから、どうだ花でも植えてみないか。 ...
  • 67-9xx 「構わないよ、親友」
    67-9xx「そう謝らニャいでくれ、キョン」と、67-9xx「いや謝らせてくれ、佐々木」の続き。 「キョン、キミは涼宮さんのせいだと言いたいのかい?」 「違うぞ佐々木。謝っているのはあくまで「俺」だ。猫化が進行してるんじゃないのか?」 「くく、これは手厳しいニャ」  ベッドに横になったまま、視線をこちらに見せて笑う。  口の端を釣り上げるように笑いながら。  今回の一件、ハルヒは無自覚に能力を行使してお前に猫化の呪いをかけた。  けどそれはあいつが悪いんじゃない。自分の日常を守る為に、異分子の存在を警戒するなんて当たり前の発想だ。  あいつの根っこが変人でも神様でもなくて、ただの普通の女子高生だから起こる警戒心なんだ。  mikuruフォルダをヤスミが気にかけなかった一件とは違う。  ああそうとも。あの春の事件で古泉が言っていたように、身内じゃない、ロ...
  • 長編
    ssトップページ > SS > 長編 74-16「SOS団との決別」 74-16「キョンの退団宣言」(エロ物 注意) 71-874「俺の後ろに佐々木がいる」 74-16「佐々木からのプロポーズ(驚愕If Bad End) 74-16「佐々木からのプロポーズ(驚愕If) 70-483『バッテリー』 70-432「恋愛苦手な君と僕~放課後恋愛サークルSOS」 68-866『Wanderin Destiny』 68-111「佐々木さんのキョンな日常」 67-9xx 失言と猫ヒゲ 67-9xx どこか足りないフラグメント 橘京子「それが佐々木さんの役割だって言うんですか?」 67-708『だって、あたしだってそうだったし?』 67-116 Rainy Day …… What? 67-30「じゃあ、僕はこれから塾に行かなきゃいけないんでね」 66-358 Rainy Day by? 65-...
  • 67-175 切り取られた空の下で
     塾を終え、電車から降り立つと既に夜中だ。  夏服に替えたばかりで夜は少し肌寒い。そんな季節。  なんとはなしに夜空を見上げて、僕は少しばかり見入ってしまった。  夜空が小さくなっていたのに気付いたから。  駅前、中学時代に彼と一緒に歩いた道。  けれど夜空は二年前よりも小さい。古い住宅、古い商店、古いビルが取り壊され、新しい大きなマンションが立ち並んでいたからだ。  ビルは空を阻むようにそびえ、いつかはそこから見えていたはずの星空は、ずっと小さくなっていた。  同じ場所でも同じ景色なんてもう見れない。  変わらないものなんて、ない。 『話が出来て、嬉しかったよ』  あの春の事件から、あの別れからしばらく。  適当な理由で同窓会を、携帯電話をやりすごして、そうやってまた歩いていく。  キミとはこれでお別れだよってイメージだけを投げかけて、僕は一人、夜空の...
  • 66-905「解らないからこそさ」
    「なあ佐々木」 「なんだい親友」 「お前さ、正直、国木田みたいな奴の方が付き合いやすいんじゃないのか?」  すると佐々木は「わかってないなあ」という顔で言った。 「なんでそう思うのだい?」 「いやな」  俺からみれば正直お前の言葉は難解だ。  ああ別に面白くないとかそういう事じゃないぞ、文字通り難解なんだよ。  お前が判じ物、そう、言葉のパズルが好きなのは解ってるし、普段からそうやってるのもなんとなく解る。  けどな、俺はあくまで「なんとなく」なんだ。  ほれ前にも言ったろ? 『判じ物なら間に合ってるぜ』ってな。  そうやってお前に本音を聞こうとしたろ。 「僕の喋りは嫌いかい?」 「嫌いなら一年も一緒にいねえし、親友だなんて呼ばねえよ」  当たり前の事を聞くな。 「泣かせる事をいうね。けれど、なら何であの時はああ言ったのかな?」 「俺は頭が...
  • 15-842「塾に二人で行く途中お囃子の音が聞こえてきて… 」
    塾に二人で行く途中お囃子の音が聞こえてきて… 佐々木「そういえば今日は夏祭りだったね。      どうだい?まだ時間も結構あるしちょっと寄っていかないか?」 キョン「意外だな。佐々木がこういう行事に興味があるなんて。」 佐々木「くっくっ、これでも昔は家族でよく行ってたんだよ。      なんていうかあの雰囲気が好きなんだ。久しぶりに行ってみたくなってね。」     (祭なんか興味もないし的屋なんかに高い金払うのは気が進まないが仕方ないだろう      実質デートじゃないか。「夏」「二人きり」「夕暮れ」さらに祭の雰囲気もあいまって…      くっくっ、流石のキョンとはいえこのシチュでフラグを折れるわけがない。) キョン「そうか。じゃあ時間もあるしちょっと寄ってくか。     出店もいっぱい出てるみたいだが。佐々木、何かやりたいのある...
  • 20-397「中3の8/31にどうせ宿題やってないんだろう」
    猫型ロボットに居候されているメガネ君や、魚介類勢揃い一家の長男の例を見るに及ばず、我が国における8月31日という日は学徒たちの戦いの日であると相場が決まっている。 この戦いを免れる者は計画性という天賦の才能を有する一部のエリートと、速やかに敵前逃亡を決意した剛の者しかいない。 そのどちらにも与しない平均的中学三年生であるこの俺は、世間の九割の例に漏れることなくこうして手つかずの紙の束を前に絶望的な戦いを繰り広げているのであった。 いやそれにしても絶望的だ。 度胸などという言葉とは無縁であると自認している俺でも、いっそのこと逃亡してしまいたくなるね。 これでもまったく努力していないわけではないのだ。 何しろ今日は朝の五時に起きて戦闘開始しているのである。 つまり必然的結果として、昼食直後のこのひととき、俺は目の前の倒すべき紙の束ではなく、人類普遍の宿敵たる睡魔との格闘にあけくれ...
  • 67-527 「キョン、そんなの決まっているじゃないか」
     それは小学校六年の頃の話だ。  父が浮気し、結果、両親が離婚した。  事実だけを列記するなら、ただそれだけの話であり、そしてわたしは教訓と責任を得た。  人は、一時の感情によってたやすく判断を誤る生き物なのだ。けれど、わたしはああはなるまい、と。  母の心痛を、これ以上増やすような事はさせまい。母一人子一人であっても、わたしは立派なわたしになってみせよう、と。  丁度、その頃憧れていた少女がとある含蓄のある言葉を発したのを聞いた。わたしがそれに感化されたのはさて運命だったのか。  中学一年のわたしは、両親の離婚に合わせて苗字が変わった。  そして『わたし』も変わった。  それが『佐々木』の始まりだ。  わたしは中立にして難解な存在になろう。  女子に対しては普通で良い。けれど男子にとっては難解、不可思議、遠巻きにしたくなるような存在が良いだろう。何故ならば...
  • 67-407 ひきずれ橘さん
    「どうも最近、うまく閉鎖空間を操れないのよね」 「へ?」  な、何言ってるんです佐々木さん?  放課後の公園で、こともなげな様子で佐々木さんが発した電波話。  あたしの脳が自慢のツインテールごと静止するのを感じます。いやいや、あなたにそんな能力はないはずでしょう? 「ほら橘さん、少し前まではちょくちょくあったじゃない」 「いやいやいや」  あたしは思わずふるふると首を振るものの、佐々木さんはあごに指をあてて笑っている。  いやそのお姿は大変可愛らしいと思うのだけれど。  そうこうしていると滔々と語り始めた。 「例えば中で茜色の巨人が歌っていたり、キョンと一緒に閉じ込められてみたり、逆に彼を閉じ込めて私の今の高校生活について懇々と語ったり、或いは夢だと思い込んで彼と本心を明かしあって思わず泣かせちゃったり、中学時代に空間を介して彼に一夏の経験をお願いに行ったり...
  • 67-9xx「いや謝らせてくれ、佐々木」
    67-9xx「そう謝らニャいでくれ、キョン」の続き。 「涼宮さんの能力が、僕に影響を及ぼした事は理解しているつもりニャよ」 「そうだ。その事が問題なんだ」  小鼻の傍に生えた左右計六本のひげをしきりに撫でながら佐々木は苦笑する。  大丈夫だ、心配なんかしていない、と。  だが俺はそうではないんだ。  心はあの春の騒動に立ち返る。   あの騒動の時、騒動の発起人である橘が危惧したのは「ハルヒが力を暴走させ、世界を危機に陥れる」事だった。  その為に「精神が落ち着いた神候補、佐々木」に力を移し、世界を安定させようとしたのだ。  だが俺は提案を一蹴した。  ハルヒの奴はそこまで精神をボーダーの向うまでやっていない。  せいぜいがストレスで神人を発生させ、古泉の小遣い稼ぎを手伝ってやる程度でしかない。だから心配は要らないのだと。だが…… 「……キョン...
  • 5-804「二人三脚」
    「――じゃあ、二人三脚の組はこれで決まりですね」 学級委員が黒板へ書き出したその一覧を見て、クラス中で嘆息と忍び笑いが巻き起こっていた。 まったく、飽きもせずに他人の関係をよくよく観察したがる連中だぜ。 思春期だとかそんなもん知ったことか。迷惑を被る俺達の立場にもなって欲しいというものだ。 「まあ、決まってしまったものはしょうがない。お互いベストを尽くそうじゃないか、キョン」 忌々しげに顔を歪める俺に、隣の席の佐々木がくつくつと笑いながら、そう声を掛けてきた。 ――そう、俺の相棒は誰あろう、こいつなのである。 放課後の体育祭の練習などかったるいにも程があるが、本番で醜態を曝す嗜好なんぞもさらさら無く、 またペアの佐々木の事もあるしで、渋々ながらも参加せざるを得ない。一体全体、何故に二人三脚 などという競技が三年の全員参加競技なのか理解に苦しむ。うちの学校はアホか? な...
  • 67-642「そこに意味なんて求める必要はないんだよ」
    「お、今日の給食は貝のバターソテーか」 「キミも割と渋い趣味だね。中学生男子としてどうなんだい?」 「ほっとけ」  おいおいそんなに呆れることはないだろ佐々木よ。  むしろこの乾いた日々に少しでも潤いを見出そうとする俺のフレッシュな感性を讃えて欲しいね。 「ふ、くく、そういう事にしておこう……ほたて貝か。旬だからね」 「ほほう。そうなのか」 「ところでキョン。ほたてといえば帆立のコキールだが、店によってはコキーユというね。あれはどちらが正しいのだろう」 「知らんわ」 「コキールは英語、コキーユはフランス語なんだ。料理としての出自を鑑みれば……」  そろそろ聞き流すぞ佐々木。 「くく、それは残念」  なんてやりつつカレンダーを見れば、もう十月も半ばを過ぎている。  その割にはまだ暑い日もたまにあるが、そんな事よりも今年はそろそろ高校受験という言葉の方が気になる...
  • 15-866「編集者佐々木外伝」
    下書きというかプロットみたいなものを佐々木に送ったら、何の返事もなく本人がうちにやってきた。 文字通り、跳んでくる勢いで。 「・・・キョン」 俺をさして広くもないリビングに正座させ、佐々木の奴は苦虫を噛み潰したような表情でうろうろ している。 「なあ、佐々木、座ったらどうだ?」 「・・・キョン、君ってやつは・・・」 何度か俺がが声をかけても、独り言のようにつぶやいて、リビングの徘徊を続けている。 だからといって、俺が正座を解いたり立ち上がろうとすると、あまり見たこと無いような険しい表情で にらみつけられ、しぶしぶと沈黙の正座へと戻るのをもう何度繰り返しただろうか・ やっぱり、更なる人気のためにどうだろう?と官能路線の下書きを送ったのはまずかったろうか? ふと思いついた冗談だったために、出てくる女性は佐々木の名前と外見だったのは、さすがにまずかっ ...
  • 66-100 ルームシェア佐々木さんが止まらない
    「キョン、ロマンチックが止まらないんだが」  佐々木、言動が意味不明瞭だ。 「だからね、キョン。ロマンチックが止まらないんだよ」 「だからな、佐々木。お前やっぱり酔ってるって」 「酔ってないよ!」  酔ってるよ! 紛うことなく酔ってるよ! 『ところでキョン』  スーパーにて。ビールと輸入物ワインを籠に入れてきたのは佐々木だった。  曰く、近くゼミの新歓コンパがあるので、その「対策」として自分のアルコール耐性を見ておきたいとのこと。  まあこいつらしいと言えばこいつらしい慎重さと言うべきだろう。  だが俺達はまだ18歳だぞ? 日本国の法律を鑑みろ親友。 『だからと言って免除されるかな? 僕は半々、いや七割の確率で飲まされると思っている』  ま、かくいう俺も、15の頃に某孤島の館で飲まされ……というか飲んでしまい  泥酔した挙句もう酒は飲むまいと誓った記憶...
  • 59-891「今年のバレンタイン」
    さて、今年のバレンタインも終わった 結論から言うと去年より多くの義理チョコをもらった 以上 なに? もっと詳しく教えろ? 分かったよ くれたのはハルヒ、朝比奈さん、長門、鶴屋さん、朝倉、喜緑さん、森さん、橘、九曜、ミヨキチ それぞれホワイトチョコで色んな事が書かれていた 順に 「超義理チョコ」「友愛」「贈呈」「本命?」「愛護」「萌え」「St.Valentine」「友チョコ」 「歳暮」「love」 朝比奈さんはまたハルヒに書かされたらしい 鶴屋さんや森さん、橘は彼女ららしい言葉だ ミヨキチはちょっと背伸びして英語を使いたかったんだろうな ……長門以外の宇宙人は何か勘違いしてるっぽいな 皆義理なんだろうがでっかいハート型の手作りで味もなかなかのものだったな 「僕にハート型は一つもなかったですがね ミヨキチさんに貰ってないのは当然としても…… 朝倉さん、喜緑さん、橘さん、九曜さんに至っては市販品...
  • 8-621「湯煙@佐々木(翌日)」
    毎日の朝は我が無邪気な妹によるフライングボディプレスという荒業によって 目を覚まさざるを得なかったという不健康な生活をしていた俺なのだが、 今日はどうしたことだろう。朝日が顔に当たるのを感じて目が覚めた。 おお、かなり健康的じゃないか。 早朝のひんやりした空気が肺を満たすことで気分はナイアガラクラスの滝から 放出されるマイナスイオンを十分に含んだかのように晴れ晴れとし、窓の外から 聞こえてくる鳥の囀りが美しい日本の四季の移り変わりを如実に示しているでは ないか―――― なんてことを考えつつ、さて、俺の体が動かないのは何故だろうね。 ちょいと視界を下げてみる。 うん、佐々木だ。 どうやら俺と佐々木は抱き合っている状態にあるらしく、つまり、アレだ。 今ようやっと昨晩の出来事を思い出したって訳だ。 少しばかり顔が火照るのは、まぁ仕方ないだろう。 しかし、こうして見ると本当に年相応の女の子といった...
  • 67-509β「そこが小鍋立ての良いところなのだよβ」
     67-509「そこが小鍋立ての良いところなのだよ」のルームシェア佐々木さんシリーズ番外編バージョン。 「成るほど」  ざくりと音を立ててささがきごぼうを噛み締め、佐々木はくるりと人差し指を回した。 「察するにだ。涼宮さんにとってもキミは『魔法使い』だったのかもね」 「魔法使い?」  オウム返した俺へ向かい、意味ありげに喉を鳴らす。 「いや、この場合、願いを叶えてくれる彦星さまだった、と言うべきなのかもしれないね」  魔法使いねえ、何時かもそんな呼ばれ方をした気がするな。  さて、なんだったか? と雑然たる記憶の倉庫をまさぐりつつ、俺は小鍋に豚肉を足した。  今晩の我が家のメニューは小鍋立て、具はシンプルに新ごぼうと豚肉。  それに各々の茶碗飯と小皿だ。  ………………  ……… 『小鍋立てというのは具は二、三品で良いんだ。代わりに出し汁は予...
  • 67-613「やれやれ、ひどい雨だ」
    「やれやれ、ひどい雨だ」 「まったくだな」  突然の大降りの雨に、閉店した店舗のアーケード下に二人で逃げ込む。  俺と同様、服をびしょぬれにされた佐々木はそれだけ言うと、いつかそうしたように上を向いて黙りこくった。   俺も、なんとなく、なんとなく視線を外す。フラッシュバックする光景があったからだ。  ……………………… 『キョン、こっちを見ないでくれないか』 『何でだ』 『キョン、キミは時々忘れるようだが、僕は遺伝子的に紛れもなく女なんだよ。さすがの僕でも、こんな姿……解りやすく言うと  下着の下すら露になりかけているような、破廉恥な格好を人目にさらして平気な顔ができるほど無神経じゃないんだ』  ああそうとも、こいつはどうにもこうにもデジャヴすぎるな。  いつかの雨の日のメモリーズ………………  ………… 「……くく、僕らの雨の日に苦い思い出がある...
  • 59-874「二人の仲」
    「いいかい、キョン。バレンタインデーなんてチョコレート屋さんの陰謀なんだよ?」 「ああ、そうらしいな。まぁ、そう言ってしまうと少し夢のない話だがな。」 「夢のない話か・・・でも僕はね、こういったイベントもわかった上で楽しむのはいいことだと思うのだよ」 「ほう・・・」 「陰謀とかどうこう言うのではなく、とりあえず、楽しんでしまえということは、ある意味幸せだろう?」 「まぁ、堅苦しいことは、考えない方がいいってことだろ?」 「・・・・少し違うが、まぁ、それもあってるかもね」 「で?」 「ん?」 「結局何が言いたいんだ?」 「うん・・・・」 「僕もね、一応。女の子だからね。こういうイベントを楽しむのもいいかなと思うのだよ」 「へぇ、佐々木が?」 「うん、で、どうだろう?キョン、僕がチョコレートを渡したら、受け取ってくれるかい?」 「え?お、俺にくれるのか?」 「うん。僕と君の仲だからね!」 「お...
  • 67-9xx「お前軽いな、ちゃんと飯食べてるか?」
    「なあキョン」 「なんだ、強引に話を中断したのはお前だったはずだが。佐々木」  それは二人して向かい合い、額をつき合わせて夏休みの宿題をやっていた時の事だ。 「そりゃキミが……ああ、いや、言うまい。むしろそれがキミの望みである気がしてならないからね」 「なるほど。つまり俺は『続きを言え』とお前に促せばいいんだな?」 「あのね……いやそれより火急の問題としてだが」 「おう。下級の問題とは限定的だな」 「もうツッコまないよキョン」 「当たり前だ。ツッコむのは俺の方だからな。無論」 「続きを言ったら友誼を切るよ?」 「続きを言うなら友誼が切られても構わないレベルの暴挙に及べ、という前振りだな」 「……キョン」 「なんだ」 「……………テーブルの下でだね。僕の、その、下半身を足先で触れ回るのは止めてくれないか」 「…………手で触れろとは積極的だな...
  • 67-9xx「僕は満たされているから」
    「くく、礼を言うよキョン。おかげさまでまた一つ昔の夢想が叶ってしまったようだ」 「俺なんぞの膝枕で礼を言われても困るぜ」  するとくつくつと喉奥で笑い、佐々木は手を伸ばす。  中空へ、電灯の光でも掴もうとするように。 「そう言うなよ。キミだって、そうだな、グラビアアイドルや女優を見て触れ合いたいという願望を抱いた事くらいあるだろう?」 「おいおい話がまったくもって摩り替わっちまってるじゃないか」 「さあて、どうだろう」  そんなご大層なもんじゃねえだろ。  家だって同じ市内、同じ学区、遠く離れてた訳ですらねえ。 「くく、願っても叶わない、触れ合えない、という点では変わらないさ」  俺なんかにそんなに触れたかったってか? 「お前はそんなタイプじゃなかったろ」 「そうかもしれない」 「そしてキミもそういうタイプだ。  キョン、キミは割と優しい人だ。...
  • 11
    67-9xx「いや謝らせてくれ、佐々木」の続き。 「キョン、キミは涼宮さんのせいだと言いたいのかい?」 「違うぞ佐々木。謝っているのはあくまで「俺」だ。猫化が進行してるんじゃないのか?」 「くく、これは手厳しいニャ」  ベッドに横になったまま、視線をこちらに見せて笑う。  口の端を釣り上げるように笑いながら。  今回の一件、ハルヒは無自覚に能力を行使してお前に猫化の呪いをかけた。  けどそれはあいつが悪いんじゃない。自分の日常を守る為に、異分子の存在を警戒するなんて当たり前の発想だ。  あいつの根っこが変人でも神様でもなくて、ただの普通の女子高生だから起こる警戒心なんだ。  mikuruフォルダをヤスミが気にかけなかった一件とは違う。  図らずも古泉が言っていたように、身内じゃない、ロクに見も知らぬ人間が「自分の身内」と仲良くしているのを見れば  普...
  • Part24
    トップページ >SS > 短編 Part24 24-948「食事中」 24-940「模試の結果」 24-937「健康診断」 24-923「朝の襲撃」 24-913「二人乗り失敗の巻」 24-901「極太サラミ」 24-865「佐々木勉強みてくれ」 24-845「佐々木の調教」 24-843「佐々木の寝姿」 24-842「三人の嫁候補」 24-836「佐々木のパンツは何色?」 24-813「死神」 24-796「佐々木さん、スイーツとは甘味類のことだろうか果物の複数形だろうか、の巻 」 24-795「スイーツ(笑)」 24-770「戦わなければフラグが立たない!」 24-739「佐々木さんの雪山大作戦」 24-714「アーチャー佐々木」 24-694「キョンの奇妙な日常」 24-687「 中学時代 」 24-679「 熱く語るキョン 」 24-662「キョンの中学生活」 24-627「...
  • 67-30「じゃあ、僕はこれから塾に行かなきゃいけないんでね」
    『じゃあ、僕はこれから塾に行かなきゃいけないんでね。話が出来て、嬉しかったよ、キョン』 『じゃあな、親友! また同窓会で会おうぜ』  全ての選択が終わった後。呼びかけを背に受け、彼女は正反対に歩く。すいすいと綺麗な姿勢で。  さよならも言わず、想い人と正反対に。 「佐々木さん」 「通して橘さん」  十分に離れた場所で彼女を呼び止めた。  笑顔のまま返事を返してくれたけど、いつもとちっとも変わらない綺麗な微笑みが、何故だか胸に痛かった。  だからあたしは意を決するのだ。 「泣いてもいいんですよ」 「何のことかしら」  ほんの少しだけ裏返った声。自分でも気付いたのか、それっきり沈黙した。沈黙が痛い。  肩を貸し、なんとか喫茶店へと連れ込むので精一杯だった。 「ホットを二つ」  奥まった席に座らせる。  佐々木さんはただ黙って座っている。これ以上何...
  • 67-665「セミがうるせえな」「それは重畳だね」
     高くそびえるひまわり、あの大量の花弁が全て小さくしぼんで、すっかり別の植物のように変わり果てたあじさい、耳喧しいせみ時雨。  どれも夏の頭の風物詩だ。そんでもっていよいよ太陽の奴も猛威を振るい始める頃な訳で。  いよいよ、夏だね。 「ああ夏だ」 「そうだな佐々木」  帰りの通学路。いつものように並んで塾に、いや正確には塾に向かう為に自転車が置いてある我が家に一旦向かう為に歩きつつ  学校で栽培したらしい朝顔の鉢植えを抱えてよたよたと歩いていく小学生の姿を見送る俺である。  ああそうだったな、あんな風に終業式頃に鉢植えを持って帰らされたんだったか。  中学生にもなるとあの手の行事は激減したな……。  そりゃ、やりたいって訳じゃない。  が、懐かしさはある。  「結果、玄関に置いたまま、ほうっておいて朽ち果てさせてしまったのかい?」 「なんだ佐々木、お前と...
  • 7-446「Happy Strings」
    「どうでもいいと思って出た同窓会ではあったが、意外と面白かったじゃないか、キョン」 何を言ってやがる。お前はけらけら笑いっぱなしだったから良かろうが、俺はといえば、テーブルの真ん中 でお前の隣に座らされて、最初はお前とのことをあれこれ聞かれ、そのあとはハルヒがどうしたSOS団がどう したとか、最初っから最後までずっと話題の標的にされてたんだぞ。須藤と岡本は俺を肴にすっかり二人で 盛り上がってるし。中河と国木田はテーブルの端っこからコッチを見ながらぼそぼそ陰口たたいてるし。そ れにしても何だってこんなに有名になっちまったんだか。ハルヒのみならず朝比奈さんまでいまや町中で知 らん奴はいないときてやがる。このうえ校庭落書き事件の真犯人が俺だという真相が明らかになった日には 俺は首をくくらなきゃならんな。そういえば、家が同じ方向の奴も結構いたはずだが、いつのまにか佐々木 と二人にな...
  • 67-8xx レポート用紙と伝えたい言葉
    「キョン、伝えたい言葉が伝えられないって、もどかしい事だとは思わないかい?」 「なんだ佐々木。こりゃまた唐突だな」  同意はしてやらん事もないが。 「くく、いや何て事はない。ただ自分の語彙不足に悩んでしまっただけの話さ」 「うん? ああ、そういう話か」  佐々木はレポート用紙に向かったまま、上半身を捻り横顔だけをこちらに見せて笑った。  つまりそういう事だな。なら俺にも解るぞ。 「そういう経験なら俺もあるぞ。むしろお前で語彙不足なら俺なんかどうなるんだ」 「ふ、くく、そう卑下することもないとは思うのだがね」  いつもの事だがそうおだててくれるな。  俺を木にでも登らせる気か? 「僕の為に登ってくれるのかい?」 「言ってろ」  この場合は書いてろというべきか。 「むしろお前はだな、語彙が足りんというより表現が過多で迂遠なのが問題なんじゃない...
  • 67-9xx「キミこそ余裕がないようだが?」
     67-9xx「お前軽いな、ちゃんと飯食べてるか?」の関連。 「なあ佐々木」 「なんだい親友」  それは二人して向かい合い、額をつき合わせて夏休みの宿題をやっていた時の事だ。  そのはずだった。なのにどうしてこうなった。 「いい加減、俺の背中から離れろ」 「くく、つれないじゃないか」 「計算式がわからないとヘルプを求めたのはキミだよ? なのに何故今になってそんな事を言うんだい?」 「そこは感謝感激五体投地で礼を言うさ。だが何故いつまでも俺の背中に引っ付いているんだ?」 「くく、他に計算間違いがないかチェックしてあげているのさ、親友」 「何か問題でもあったかい? 大体キミの背中なんて中学時代に張り付きなれたものじゃないか。何を今更」 「こんなに密着してた覚えはねえよ」 「まだ足りないという事かな?」 「何がだ。第一、お前の頭脳ならとっくにチェ...
  • 52-653「佐々木さんの心情」
    天気のいい日曜日、特に用事も無くぶらついてて気がつけば例の駅前公園(現実世界ではなくなったらしいが それからどうなったんだろうか)に来ていた。 そこには見覚えのある奴が携帯を覗き込んでる。 よう、何やってんだ佐々木。 「きゃっ、…ああ、キョンか。 驚かせないでくれ。」 今、お前きゃって言ったな…なんか妙に新鮮だったぞ。 「う、ぼ、僕だって生物学上は女性の部類に入るんだからそういう反応もあるさ。 と、ところでキョンは何  してるんだい?」 おーおー、慌ててる慌ててる、顔赤いぞ。 あー、分かったから怒るな。 俺は散歩だ、天気いいしな。 「全く君は…まぁいい、僕も散歩でここにたまたま立ち寄っただけだ。 今はちょっと休んでたところさ。」 それにしても随分熱心に携帯見てたな。 何見てたんだ? 「ああ、これかい? 大型掲示板、所謂2chというやつだ。 橘さんに僕の事を書いてる掲示板...
  • 65-884 ささきと!-4
    65-863 ささきと!-3の続き。 翌朝 キョン「」ンー キョン「あー……いい天気だ」 佐々木「キョンおきたかい?きょうはどこにいこうか?」 キョン「おう。まず朝ごはん……って」 佐々木「?」カオマッカ キョン「おまえ……」 ……………………………… キョン「38度5分」 佐々木「はー まあもんだいないよ」 キョン「問題あるだろ」 キョン「外出禁止。今日は一日寝てろ」 佐々木「やだー!」 佐々木「だいじょーぶ!だいじょーぶですから!ね!」 キョン「大丈夫じゃない」 キョン「昨日寝れなかったか?」 佐々木「……うん」 佐々木「でもつぎから! こんどはすぐねるから!」 キョン「佐々木、布団にもどれ。な?」 佐々木「やだ! いやだ!」 佐々木「あー! あー!」 ……………………………… ...
  • 67-116 Rainy Day …… What?
    「佐々木さん、それってどのくらいの確率なのですか?」 「どのくらいの確率って」  それはある日、喫茶店で二人で昔話をした時の事。  一通り語り終えた僕へ、橘さんがよくわからない事を言い出した。  あの春先の事件から結構して、僕はそれなりに橘さんと打ち解けあい、それなりに昔話などをするようになっていた。  彼女は「組織」や「機関」の興味深い逸話の代価に、僕の今昔の話などを所望したからね。  四年前からずっと監視していたというから珍しい話でもないだろうと思ったが  僕の視点というものに興味があったのかもしれない。  その日に語ったのは 『岡本さんのならまだしもさ』  我ながら、ホントにみっともない事を言ったあの事件。  しとどふる雨を眺め、あの雨の日に、今にして思えば分水嶺だった日に、そう、僕が進路を確定した日に思いを馳せた。  すると橘さんは「佐々木さんら...
  • 67-308「なんで人の部屋にいるんだ佐々木」
    「やあキョン」 「なんで人の部屋にいるんだお前は」  例によって妹に上げてもらったらしい。 「まったく、で? わざわざ来るとは何か緊急の要件なのか佐々木?」 「いや? 単に近くに寄ったものだからね」  そんな理由か。まったく、あの春先、あんな去り際したからこっちはそれなりに心配してたってのに。  まあSOS団に巻き込んでやるぜと息巻いた手前、そっちから来てくれるなら楽でいいがね。  意外に元気で良かったのか悪かったのか。 「せっかくだから押し倒そうかと」 「は?」  素っ頓狂な返事を返したのもつかの間、カバンを置こうと背中を見せていた俺に佐々木が寄り添ってきた。  背中いっぱいに温かく柔らかな感触が伝わり、腰には細い腕が回ってくる。  おいこら止せなんの冗談だ。 「酷いなキョン。あの二週間で僕の気持ちは理解してくれたんだろう?」 「……ならお前も俺の...
  • 67-9xx「そう謝らニャいでくれ、キョン」
     一度成功した事に味を占めるというのは、決して珍しいことじゃない。  例えばだが、猿の檻に「ボタンを押せばエサが出る装置」を置いておけば、猿だってその装置を「扱う」ようになるという。経験は力なのだ。  しかし柳の下に泥鰌がいつも居ると思っちゃいかんし、ましてや切り株にウサギがぶつかってきてコロリと逝くなんて  発生する方が稀な珍例でしかない。そんなものをアテにしちゃいかんのである。  まあ要するにだな……。 「俺はやらん。もう二度とシャミセンの事を団活を休む理由には使わんぞ……」 「キョン、決意を固めるのも誠に結構な事ではあるが、そろそろ現実に戻ってきてはくれニャいか」 「おい?」 「ふむ」  佐々木は小鼻の脇から左右それぞれ三本ずつ生えた「ひげ」を興味深げにさすりつつ首を傾げた。  うん、まあ、そういう事だ。そういう事なんだ。 「すまん佐々木」 「そう...
  • 67-869 佐々木さんの心のちゃぶ台
     世に言う「ちゃぶだい返し」という奴を一度やってみたいと思ったことがある。  むしろ、今まさにそう思っている。  そんな気分だった。 「うーん」  クーラーの効いた自室の椅子で大きく伸びをし、考える、考える。  今日、また告白されてしまったことについて、だ。 『佐々木さん』 「伝えた側も、今頃重荷に悩んでいてくれればいいのだけれど」  我ながら不誠実な独り言。きっと相手は、自分よりずっとずっと悲しんでいるだろうから。  けれど告白する側には覚悟が……きっと長い葛藤の末だろう……あるのだろうが、される側というのは、基本的に不意打ちなのだ。  そして「不意打ち」の心の重荷を度々放り込まれるのは辛いものなのだ。  重いのだ。私のちっぽけな心には。 『じゃあな親友、また同窓会で会おうぜ!』  春先に告白され、それを葛藤と騒動と……色々と乗り越...
  • 8-878「流星に何を願う-4」
            6  焼け付くような日差しはいまだ衰えを見せず、それでも吹く風には段々と冷たい空気が 混じり始め、そろそろ秋の訪れを感じ始める季節のこと。  五限の数学は担当教師が不在なので自習になった。  自習とは言っても、一応課題は出されてるものの大半の生徒の認識としては延長された 昼休み以外の何物でもなく、惰眠を貪る者、席を移動して談笑する者など様々だ。  俺は課題として出された教科書の問題の教えを乞うために佐々木の机に椅子を横付けし ていて、佐々木が何の苦も無くあっさりと全問を解いてしまうと、その後はとりとめも無 い雑談をしていたのが、どういう話の流れだかこうなった。 「僕が思うに、恋愛感情などというものは精神病の一種なのだと思うな」  佐々木は言い放った。 「恋の病、なんていう言葉だって昔からあるのだよ。恋をしている人間の精神状...
  • 20-526「佐々木vs.乳」
    「佐々木団全員しゅ~ごう~!!」 私はその日橘さんから貰った『佐々木団呼び出しマイク』というものに叫んだ。 使ったのは初めてだ。それほどまでに私は切羽詰っていたんだろう。 ちなみに橘さんは来るのに一分もかからなかった・・・ちょうど近くにいただけだよね? 九曜さんはいつの間にかいた。まぁ、これもいつものことだ。 ポンジーも来たから驚くばかりだ。すごいな・・・このマイクは・・・ 「佐々木さん、今日は何をするんですか?」 「今日は皆に取りくんで欲しいことがある。私がどうやったらキョンと二人きりになれるか 真剣に考えて欲しい。考え付いたら遠慮なく発言してくれ。紙はないかな。」エート・・・ 「佐々木さん、ホワイトボードがここにあるのです。」 「ありがとう、橘さん。あなたがどうして私の部屋に関して私より詳しいのかは 今度二人きりで話し合おう。」 もしかして私が中学の頃国木田に貰...
  • 67-241 やさしい雨
    おさんぽシリーズその4.  ざざぁ。と学校が終わって放課後。  お疲れさまでした、また明日。  さて、帰りましょう。そうしましょう。の一歩手前。  私は恨めしげに空を睨みつけていた。  今日は、午後から雨だった。  雨はあまり得意では無かった。  いい事もあったがわるい事もあって、正直に言うと私にはまだ割り切れない。  朝……ちゃんと晴れていたのに。  今朝は学校に行く前に新聞で今日の天気を確認した記憶がある。  降水確率は30%未満だったはずだ。  いつもは傘を忘れたりもしないし、置き傘だってちゃんとおいてある。  だがいつもの傘は天気予報が、置き傘のビニール傘は何者かによって連れ去られてしまった。  むぅ。と眉根を寄せて傘入れを睨みつけた。  まだまだ沢山の傘達は出立を待っていたが、出番を待ち続けている筈の相棒の姿は無い。 ...
  • 26-796「相合傘」
    792 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○●○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○●●●○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○●○●○●○○○○○○○○○ ○○○○○○○●○○●○○●○○○○○○○○ ○○○○○○●○○○●○○○●○○○○○○○ ○○○○○●○○○○●○○○○●○○○○○○ ○○○○●○○○○○●○○○○○●○○○○○ ○○○●○○○○○○●○○○○○○●○○○○ ○○●○○○○○○○●○○○○○○○●○○○ ○●○○○○○○○○●○○○○○○○○●○○ ●○○○○○○○○○●○○○○○○○○○●○ ○○○○○○○○○○●○○○○○○○○○○○ ○○●○○○●○○○●○○○○○●○○○○○ ○●●●●●●●○○●○○●●●●●●●○○ ○○●○○○●○○○●○○○○○●○○○○○ ○○○○○○●○○○●...
  • 67-273「……そんなに妙な顔をしていたかい?」
    「キョン、どうだい一口?」 「丁重に遠慮させてもらおう」  塾帰り。珍しく俺の前を歩きながら、佐々木が飲みかけの缶コーヒーを差し出してきた。  気遣いありがたいが、そいつはちょっと遠慮させてもらいたい。 「おや? 何か問題でもあったかな?」 「強いて言うならお前の顔だな」 「……キミは随分失礼だな」  言って佐々木は片手で自分自身の頬を撫でる。  ん? ああいや別にそんな意味じゃないぞ。すまんな、失言だ。 「造作がどうのじゃねえよ。むしろお前はハンサムな方だろ? そうじゃなくて表情の話だ」 「キョン、今日のキミからは次から次へと聞き質したい言葉が飛び出すね」  佐々木は怪訝そうに眉をひそめ、くるくると細い指を回す。 「しかし佐々木よ。残念だが俺の口は一つしかないぞ」 「くく、流石の僕も増やしてくれとは言わないよ」 「むしろ俺としてはもう少し減ら...
  • 27-849「お酒は二十歳になってから」
    薄暗い部屋の中、通話の切れた携帯電話を握り締しめたまま、壁にもたれてため息をつく。 「はぁ、キョンったら…こんなときに限って他の女と約束があるだなんて……」 私だって参っちゃうことくらいあるのに………慰めて欲しいときくらい傍にいてよ。 仕方ない、今日はお酒を飲もう。飲んで少し気分転換しよう。 それが逃避以外の何者でもないことは重々承知の上だ。 でも、私だって何もかもから逃げたくなることくらいはある。 お酒はいい。人間は余計な時間があるとついつい余計なことを考えがちな生き物だ。 お酒はそんな時間を潰してくれる。 そしていつの間にか朝日が昇り、しなくてはならないことがやって来る。 そうすれば、自分自身に潰されることなく、退屈で平凡な日々を送ることができるのだ。 のろのろとした動作で冷蔵庫を開けてみると、購入した覚えのない缶ビールが3本あった。 「缶ビールか……まぁ、いいや...
  • 17-39「縁」
    16-884「確約」の続き 『縁』 「さて、聞かせてもらおうかしら?」 塾の初登校が終わった次の日。 昨夜は久方ぶりに脳みそをフル回転させたせいか倦怠感から心地よい眠りをすごした。 本日は塾が無い日なのでSOS団に参加できる。 部室での第一声ははハルヒの不機嫌な声だった。 聞かせるって何をだよ。 「塾の話しに決まってんでしょうが!あんたねぇ、いくら休暇を許したからってSOS団の本分は忘れちゃダメよ!  集まりに参加できない分、塾で不思議を探してきたんでしょうね?」 探すかそんなもん。俺は勉強しに行ったんだぞ。 強いて言うならあんなところに押し込まれて必死こいて勉強している奴らの心情が不思議だね。 まぁ俺も昨日その仲間入りをしたんだがな。 「なによ、まさか何にもないんじゃないでしょうねぇ……なかったら罰ゲー...
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  • 29-212「黒木田のラブラブズキューン大作戦」
    「ねぇキョン、そういえば最近佐々木さんと会った?」 そんなことをふいに国木田に聞かれた。 お前この前もそれ聞いてなかったか? 「そうだったかもね。ところで今週の日曜日に中学の頃のクラスメイトみんなで遊びに行こうってことになってるのは知ってる?」 「初耳だな。そんな企画が進行してたのか」 「うん。急に決まったんだ。同窓会の前にワンステップ踏もうって話になってね」 発案者は? 「もちろん須藤」 ああやっぱり…… 「で、このチケットを預かっていて欲しいんだよ」 なぜそれを俺に? 「これも須藤の案なんだけど、男子が一人二枚ずつ持って女子に残りの一枚を渡そう、ということになってるんだ。まぁたぶん岡本さんを誘う練習がしたいだけなんだと思うけど。 だから須藤以外はみんなカモフラージュのために相手に渡すだけだから、恥ずかしがることはないよ」 全く面倒なことをしてくれるな。正に須藤必死。愛しの岡本が振り向い...
  • 66-607「どうもキミと話している時は何だか笑っているような顔で固定されているようでね」
     あれは、塾の夏期講習が終わろうかって頃だったと思う。  採点結果がボロボロで、この先大丈夫なのかとぐったりしていた俺に佐々木が言ったんだったろうか。 「キョン、気に病むことはないよ。そうだね、色即是空と言う言葉を知っているかい?」 「しきそくぜくう?」  夜の闇、行き交う車のライトを照り返すように佐々木の目が光る。  自転車を押す俺にあいつは言った。 「色即是空。まあこの場合は『全ての存在は単体ではなく、互いに依存しあって存在している』とでも考えてくれ」  顔を上げた俺に滔々と語る。どっかで聞いた覚えはあるんだが。 「仏教の言葉だよ。聞いた事くらいあるだろう?」 「そういやあるかもしれん」  俺はどこか違和感を感じたが、佐々木はいつもの調子で続けた。  塾帰りの夜の闇、どこか感覚が狂っているのか。 「例えば豊かな大地が植物を慈しみ、やがて朽ちた植物が大...
  • 23-952「パンプキン・パイ」
    ハロウィンの数日前、佐々木はいつになく真剣な顔で言ってきた。 「キョン、ハロウィンの夜は僕に付き合ってくれないか。いっしょにパンプキン・パイを食べよう」 「いや、残念ながら、SOS団で仮装して町を練り歩く予定なのだが」 「涼宮さんとは毎日会ってるじゃないか。最近、僕の申し出を断ってばかりだし。君は親友の僕を一年もほったらかした上に、」シクシク 「キョンさん酷いですよ。折角の佐々木さんの申し出を」 「―――泣かした―――」 「相変わらず酷い奴だな」 佐々木は泣きそうになっていた。気丈な佐々木が泣くなんて滅多に無い。 男としてこれは駄目だろう。佐々木も一応女なんだから。って俺、完全に悪者になっているな。 それに、いつも勉強をみてもらっている恩もあるしな。 「わかった、ハルヒ達には断っておく。ハロウィンの夜は付き合うよ」 「ありがとう。恩にきるよ」 その程度で恩にきられな...
  • 41-883「身動きが取れない」
    「ウギャー!!!」 両腕を力強く引っ張られているせいで身動きが取れない。 そして、痛い。 ハルヒ、佐々木、頼むから放してくれないか? いつもはホラー映画くらいでそんなに大騒ぎするお前らじゃないだろ? うちのテレビから貞子が出てきたりはしないからさ。 「僕だって怖いんだよ、キョン」 「あんた、雑用係のくせして団長を見捨てる気!?」 団長様なら団員を助けるべきだ。 見捨ててないだろ?ずっとここにいるだろ?お前ら二人がしがみついて動けないんだから。 「そ、それにしても涼宮さん、少しキョンを引っ張り過ぎではないかい?キョンが痛がっているよ」 「あ、あぁ~ら、佐々木さんこそちょっとキョンにしがみつき過ぎじゃない?」 良いから二人とも放してくれ。 佐々木(ここは逃す事の出来ない最大のアピールポイント!ホラーに怖がるフ...
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