【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫 @ Wiki内検索 / 「67-9xx「キョンの望みであるなら」」で検索した結果

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  • 67-9xx「キョンの望みであるなら」
     何度でも言うよ。  キョン、キミはキミ自身を信じていない節がある。けどね、キミは凄い奴なんだぜ?  たとえば僕だ。僕はキミにたくさんのものをもらったからね。  キミとこうして一見詮無いような話をしているだけでもついつい顔がほころんでしまうように、僕はいつだって沢山のものをもらってきたんだ。  場を繕う為に作られた「私」や「僕」の作り笑いなんかじゃない、心から笑わせてくれたキミだから。  そんなキミがつまらない奴なはずはない。だからキミを信じて欲しい。  ほら、また困ったような顔をする。  けどね、こうしてキミと過ごす時間はけっして迷惑なんかじゃないよ。  誰に対してもでも、あからさまに「私」や「僕」を演じてみせる僕が言うと信用できないかもしれないけれど、こればかりは掛け値なしだと保障できるホントの話さ。  ねえ、キミは僕なんかを持ち上げてくれた事もあっ...
  • Part67
    ...由々しき問題だね」 67-9xx「キョンの望みであるなら」 67-8xx レポート用紙と伝えたい言葉 67-869 佐々木さんの心のちゃぶ台 67-846「二人きりでって訳じゃないんだろ?」 67-826「キョン、口の端に五目飯がくっついているよ?」 67-814 キョン「残念ながら俺はコーヒー派でな」 67-805 ひっそりと暗闇で眠る佐々木さん 67-799 佐々木さんはお盆休みをどう過ごす? 67-783「この、佐々木という子なんですが」 67-759「相変わらずお前は小難しい喋りをするんだな」 67-732「結果がここにあるのにかい?」 67-665「セミがうるせえな」「それは重畳だね」 67-642「そこに意味なんて求める必要はないんだよ」 67-613「やれやれ、ひどい雨だ」 67-599 キョン「そんな涙目で見つめても何も出ないぞ」 67-592 佐々木「唐突だがぼくは...
  • 67-9xx 失言と猫ヒゲ
    トップページ >SS >長編> 67-9xx 失言と猫ヒゲ 前編 67-9xx「そう謝らニャいでくれ、キョン」 中編 67-9xx「いや謝らせてくれ、佐々木」 後編 67-9xx 「構わないよ、親友」
  • 67-9xx「お前軽いな、ちゃんと飯食べてるか?」
    「なあキョン」 「なんだ、強引に話を中断したのはお前だったはずだが。佐々木」  それは二人して向かい合い、額をつき合わせて夏休みの宿題をやっていた時の事だ。 「そりゃキミが……ああ、いや、言うまい。むしろそれがキミの望みである気がしてならないからね」 「なるほど。つまり俺は『続きを言え』とお前に促せばいいんだな?」 「あのね……いやそれより火急の問題としてだが」 「おう。下級の問題とは限定的だな」 「もうツッコまないよキョン」 「当たり前だ。ツッコむのは俺の方だからな。無論」 「続きを言ったら友誼を切るよ?」 「続きを言うなら友誼が切られても構わないレベルの暴挙に及べ、という前振りだな」 「……キョン」 「なんだ」 「……………テーブルの下でだね。僕の、その、下半身を足先で触れ回るのは止めてくれないか」 「…………手で触れろとは積極的だな...
  • 67-9xx「そう謝らニャいでくれ、キョン」
     一度成功した事に味を占めるというのは、決して珍しいことじゃない。  例えばだが、猿の檻に「ボタンを押せばエサが出る装置」を置いておけば、猿だってその装置を「扱う」ようになるという。経験は力なのだ。  しかし柳の下に泥鰌がいつも居ると思っちゃいかんし、ましてや切り株にウサギがぶつかってきてコロリと逝くなんて  発生する方が稀な珍例でしかない。そんなものをアテにしちゃいかんのである。  まあ要するにだな……。 「俺はやらん。もう二度とシャミセンの事を団活を休む理由には使わんぞ……」 「キョン、決意を固めるのも誠に結構な事ではあるが、そろそろ現実に戻ってきてはくれニャいか」 「おい?」 「ふむ」  佐々木は小鼻の脇から左右それぞれ三本ずつ生えた「ひげ」を興味深げにさすりつつ首を傾げた。  うん、まあ、そういう事だ。そういう事なんだ。 「すまん佐々木」 「そう...
  • 67-9xx 「構わないよ、親友」
    67-9xx「そう謝らニャいでくれ、キョン」と、67-9xx「いや謝らせてくれ、佐々木」の続き。 「キョン、キミは涼宮さんのせいだと言いたいのかい?」 「違うぞ佐々木。謝っているのはあくまで「俺」だ。猫化が進行してるんじゃないのか?」 「くく、これは手厳しいニャ」  ベッドに横になったまま、視線をこちらに見せて笑う。  口の端を釣り上げるように笑いながら。  今回の一件、ハルヒは無自覚に能力を行使してお前に猫化の呪いをかけた。  けどそれはあいつが悪いんじゃない。自分の日常を守る為に、異分子の存在を警戒するなんて当たり前の発想だ。  あいつの根っこが変人でも神様でもなくて、ただの普通の女子高生だから起こる警戒心なんだ。  mikuruフォルダをヤスミが気にかけなかった一件とは違う。  ああそうとも。あの春の事件で古泉が言っていたように、身内じゃない、ロ...
  • 67-9xx「いや謝らせてくれ、佐々木」
    67-9xx「そう謝らニャいでくれ、キョン」の続き。 「涼宮さんの能力が、僕に影響を及ぼした事は理解しているつもりニャよ」 「そうだ。その事が問題なんだ」  小鼻の傍に生えた左右計六本のひげをしきりに撫でながら佐々木は苦笑する。  大丈夫だ、心配なんかしていない、と。  だが俺はそうではないんだ。  心はあの春の騒動に立ち返る。   あの騒動の時、騒動の発起人である橘が危惧したのは「ハルヒが力を暴走させ、世界を危機に陥れる」事だった。  その為に「精神が落ち着いた神候補、佐々木」に力を移し、世界を安定させようとしたのだ。  だが俺は提案を一蹴した。  ハルヒの奴はそこまで精神をボーダーの向うまでやっていない。  せいぜいがストレスで神人を発生させ、古泉の小遣い稼ぎを手伝ってやる程度でしかない。だから心配は要らないのだと。だが…… 「……キョン...
  • 67-9xx「キミこそ余裕がないようだが?」
     67-9xx「お前軽いな、ちゃんと飯食べてるか?」の関連。 「なあ佐々木」 「なんだい親友」  それは二人して向かい合い、額をつき合わせて夏休みの宿題をやっていた時の事だ。  そのはずだった。なのにどうしてこうなった。 「いい加減、俺の背中から離れろ」 「くく、つれないじゃないか」 「計算式がわからないとヘルプを求めたのはキミだよ? なのに何故今になってそんな事を言うんだい?」 「そこは感謝感激五体投地で礼を言うさ。だが何故いつまでも俺の背中に引っ付いているんだ?」 「くく、他に計算間違いがないかチェックしてあげているのさ、親友」 「何か問題でもあったかい? 大体キミの背中なんて中学時代に張り付きなれたものじゃないか。何を今更」 「こんなに密着してた覚えはねえよ」 「まだ足りないという事かな?」 「何がだ。第一、お前の頭脳ならとっくにチェ...
  • メニュー
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  • 67-9xx 佐々木さんと「じゃあね、親友」
     66-236 佐々木さんの踏ん切り続編。  僕は、あの雨の日に素直になれなかった自分を後悔した。  だから僕の答えはこれだ。  キミには後悔なんてして欲しくない。  だから僕は素直にならない。  だって私はキミが欲しい。  それを告げれば、キミの選択のノイズになる。  僕は、キミが今抱いている素直な気持ちを、そのまま形にして欲しいんだ。  僕は、自分の気持ちの為に、キミの気持ちを犠牲になんかしない。させるつもりはない。 『どうもキミと話しているときは何だか笑っているような顔に固定されているようでね』  僕は役者になれない。そう結論した。  四年前、僕は涼宮さんに憧れて「演技」を始めた。  性別を超越した変人を演じ、注目され、「浮いた」自分を楽しむ。  そうやって自分の枠を作って、僕は誰にも自分を見せないようになっていた。  けれど...
  • 67-9xx「僕は満たされているから」
    「くく、礼を言うよキョン。おかげさまでまた一つ昔の夢想が叶ってしまったようだ」 「俺なんぞの膝枕で礼を言われても困るぜ」  するとくつくつと喉奥で笑い、佐々木は手を伸ばす。  中空へ、電灯の光でも掴もうとするように。 「そう言うなよ。キミだって、そうだな、グラビアアイドルや女優を見て触れ合いたいという願望を抱いた事くらいあるだろう?」 「おいおい話がまったくもって摩り替わっちまってるじゃないか」 「さあて、どうだろう」  そんなご大層なもんじゃねえだろ。  家だって同じ市内、同じ学区、遠く離れてた訳ですらねえ。 「くく、願っても叶わない、触れ合えない、という点では変わらないさ」  俺なんかにそんなに触れたかったってか? 「お前はそんなタイプじゃなかったろ」 「そうかもしれない」 「そしてキミもそういうタイプだ。  キョン、キミは割と優しい人だ。...
  • 11
    67-9xx「いや謝らせてくれ、佐々木」の続き。 「キョン、キミは涼宮さんのせいだと言いたいのかい?」 「違うぞ佐々木。謝っているのはあくまで「俺」だ。猫化が進行してるんじゃないのか?」 「くく、これは手厳しいニャ」  ベッドに横になったまま、視線をこちらに見せて笑う。  口の端を釣り上げるように笑いながら。  今回の一件、ハルヒは無自覚に能力を行使してお前に猫化の呪いをかけた。  けどそれはあいつが悪いんじゃない。自分の日常を守る為に、異分子の存在を警戒するなんて当たり前の発想だ。  あいつの根っこが変人でも神様でもなくて、ただの普通の女子高生だから起こる警戒心なんだ。  mikuruフォルダをヤスミが気にかけなかった一件とは違う。  図らずも古泉が言っていたように、身内じゃない、ロクに見も知らぬ人間が「自分の身内」と仲良くしているのを見れば  普...
  • 67-9xx 佐々木さんと「やあ、親友」「そして」
     67-9xx 佐々木さんと「じゃあね、親友」続編。  北高からの帰り道に僕は思う。  日常の側に残ってしまった、キミに何もしてあげられない僕自身を。 「・・・・・それとも僕は」  僕も、非日常に入ろうとすべきだったのか?  僕の「非日常」の属性とやらを、たとえ彼を舌先三寸で騙してでも、たとえ「神様」になってでも・・・  そうすれば彼を救えるはずなのだから・・・・・・。  くく、矛盾しているね。  涼宮さんから力を取り上げなければ、僕は「非日常」の側には行けない。けれどそれが彼の一番望まないことなんだ。  僕は「非日常」の側に立てない。立つ事はできないんだ。  僕には彼を救えない。  キョンを助けたければ彼を裏切るしかない。  実に、実に、矛盾している。  悲しくなんか無い。辛くなんか無い。  けど、羨ましい、くらいは思ってもいいだ...
  • 長編
    ssトップページ > SS > 長編 74-16「SOS団との決別」 74-16「キョンの退団宣言」(エロ物 注意) 71-874「俺の後ろに佐々木がいる」 74-16「佐々木からのプロポーズ(驚愕If Bad End) 74-16「佐々木からのプロポーズ(驚愕If) 70-483『バッテリー』 70-432「恋愛苦手な君と僕~放課後恋愛サークルSOS」 68-866『Wanderin Destiny』 68-111「佐々木さんのキョンな日常」 67-9xx 失言と猫ヒゲ 67-9xx どこか足りないフラグメント 橘京子「それが佐々木さんの役割だって言うんですか?」 67-708『だって、あたしだってそうだったし?』 67-116 Rainy Day …… What? 67-30「じゃあ、僕はこれから塾に行かなきゃいけないんでね」 66-358 Rainy Day by? 65-...
  • 67-9xx「大事なのは評価基準さ」
    「キョン、先日テレビCMで見たのだが」  それは佐々木にしては珍しい切り口から始まった。 「ボールドという洗剤は柔軟剤入りで、洗濯物がふわふわに柔らかく仕上がるらしいね」 「CMらしい誇張表現ではあるだろうがな」 「キョン」 「なんだ」  ああなんだ。着地点が見えた気がするぞ。 「キミの膝まくらも、柔軟剤を使えば柔らかくなるのだろうか」 「いやなら降りろ佐々木」  人ごみに酔ったなんて言い出したのはお前だろうが、なんで俺が辱めを受けにゃならんのだ。  俺は冗談めかして降ろそうとしたが、佐々木の奴はしっかり捕まえて離さない。 「キョン、キミは弱りきった親友を一人で放り出すような奴だったのかい?」 「弱りきった奴はそんな皮肉は言わん」 「すまないね。気が休まるとどうも気が大きくなっていけない」  確かにそんなもんかもしれん。 「くっくっく、そうかな?」...
  • 67-9xx 言えなかった、言わなかった
     足元で、さく、さく、と砂が鳴る。  白い砂浜が広がっていた。 「海はいいなあ」  返事がない事を期待して呟いた。いわゆる独り言だ。  もちろん返事は無い。  あったら怖い。  辺りを見回し、息を吐き、それから定番の叫びを海に向かって放ってやった。バカヤローってね。  春の海辺、一人で気を吐く女子高生。どうみたってお察しだ。  だから一人である事を確認する。  さすがに恥ずかしいからね。 『じゃあな親友、また同窓会で会おうぜ!』  頭の中で最後の言葉がリフレイン。その足で電車を乗り継いで、気付いたらここに立っていた。我ながら情動的だと思う。  けれどね、他人に知られなければ僕は理性的で冷静だという評判を守れるだろう。  理性的だという自分を守れるだろう。  だから、一人でここに居る。 「くくっ」  そうでもないかな?  あの時は一応...
  • 67-9xx「次はわたしの番なのだから」
    「まるで空が切り取られていくようだね」 「また今日は詩的だな佐々木」  自転車越しにくつくつと笑いを放る。  自転車越しに笑いあい、僕らはビルだらけの夜空の下をゆっくりと並走する。 『ん、ああ佐々木か』 『やあ親友』  七限目を終えた学校帰り、駅前に降り立ったところで偶然に出会った。  偶然? いやまあそれは偶然なのだろう。  彼にだって駅前に用事くらいあろう。 『ここもビルになったんだな』 『そうだね。確かその隣と三軒隣はあの頃にビルになった。ここ数年で再開発が進んでいるのだろう』 『よく覚えてるな』  あの頃と違うのは風景だけではない。自転車の後ろではなく、彼と自転車で並走していること。  それはまるで、キョンとの距離感そのものの変化のようだった。  そんな事を考えていたからかもしれない。  だから口をついたのかもしれない。 「まるで空...
  • 67-9xx 矛盾しない幸福論
    「なに言ってんだいキョン。僕は幸せだったよ?」  僕の言葉にキョンはキョトンとした顔をした。なんだい語呂合わせのつもりかい?  キョン、キミはあの時、僕を選ばなかった。  そうだね。僕はキミに選んでと言わなかった。あの時の僕はとっくにキミに救われていたからね。僕は緊急事態じゃなかった。  一方、キミは涼宮さんに惹かれ、そして涼宮さんはキミに惹かれていた。  キミ達はまさに加熱状態にあっただろう?  それに何事につけ直截的な涼宮さんのことだ、互いに意識しているだけの関係なんて、とっくに堪忍袋の緒が切れかけていたことだろう。  だからキミはそのまま彼女に向かってくれれば良かったのさ。  キミはキミの当選券を早く「換金」すべきだった。  でなけりゃ大噴火していただろう……。 「ならお前はどうなんだ」 「僕かい? 言ったろ、僕はそれで良かった。いや、それが良...
  • 67-9xx ひらめきのミュータンス菌
    「やあキョン」 「やっぱり佐々木か」  まとわりつくシャミセンを振り切ったある日の事。  俺の背後から声をかけてきたのは、いつもの笑顔を浮かべ、いや、珍しく笑顔を浮かべきっていない佐々木だった。 「やれやれ、やっぱり、とは失礼な奴だなキミも」 「そう思うなら常に人の意表を突こうとするその登場パターンをなんとかするんだな」 「くく、そうか。パターン化はマンネリ化というものだ。考慮しておくよ」  言って喉奥で笑ったものの、音響になんというか張りが無い。  なんだ、どうかしたのか佐々木? 「おやおや、キミは鈍重な感性がウリだと思っていのだが」 「人の特性を妙な方向性で固定するな。なんとなくだよ、なんとなく」 「ふ、くく、そうか、い」  笑顔を広げようとして失敗する。  おい、なんか本格的におかしいぞ。どうした? 「キョン、キミが余計な事を言うから余計...
  • 67-9xx どこか足りないフラグメント
    『ねえ、キョン』  言いかけ、足りなくなってしまった風景に気付く。  視線の先に彼は居ない。この四月から、また、彼が居ない風景が当たり前になっていた。  たった一年足らずの関係に慣れきって、ふとした瞬間、ついつい反応が遅れてしまう自分が嫌だった。  ばかみたいだ。  男性を遠ざける為に演じていたはずの難解な「僕」。演じていたはずの口調と思考。  誕生の経緯上、本来は「誰かに話しかけられたとき」に演じて、応対する為に生まれたはずの思考が、今、能動的に僕を支配していた。  ふとした瞬間に生まれた発想を、彼と共有したいと思ってしまっていた。  無意識に、彼に語りかけようとしていたんだ。  ほんと、ばかみたいだと思う。  男性に語りかけられた時、「僕」として迂遠に難解に受け答える。  すると相手は「変な女」として以後遠ざかってくれる。  それが本義の...
  • 67-9xx 佐々木「実に由々しき問題だね」
    「ところでキョン」 「なんだ佐々木」  ふと、思い出したように持論に対する解説を止め、ぱたんと手元の文庫本を閉じると佐々木が言った。 「キミも知っての通り、僕はキミとの会話を非常に楽しんでいる。これを娯楽と規定するなら僕にとって最高級の娯楽だと評して良いくらいにね」 「また随分と過大評価をしてくれやがるな」 「くく、まあ本題ではないがね」 「じゃあ何が本題だ?」 「ん、」 「んぉわ!?」  な、何しやがる佐々木! 「うん。キミの手の甲を唾液をたっぷりと含ませた舌で軽く舐め上げただけだが」 「淡々と何を言いやがりますかね」 「くっくっく」 「なんだよ」  横顔が笑っていた。  俺の腿の上、人の事を座椅子代わりにしながら笑っている。 「キョン」 「おいこら」  佐々木は不意に腕を伸ばし、俺の頭を小脇に抱えるように抱き込むと、秘密めかし...
  • 67-9xx なんて当たり前なパーソナライズ
    「ねえ、キョン」  あの春先の事件、僕は言おうとした事があった。  それはただ「大丈夫、僕はキミの味方だよ」って一言。  橘さん、藤原くん、九曜さん。三人の異邦人、ここは敵中だと不安げなキミへ言いたかった。  でも言う必要なんてなかったんだ。だってそんなの当たり前だもの。  僕がキミの味方だなんて、当たり前の事じゃないか。  けれど事件が進むにつれ、理解が進むにつれ、僕は言えなくなっていった。  だから僕は、そう、僕は本当は叫びたかったんだろうね。  僕はキミの味方なんだよって………  ………………  ……… 「……僕に出来る事は、ない」  佇み、そっと呟いて踵を返した。  あの春先の事件の最終局面、北高でキミ達が消えてしまった時の事だ。  けれど本当は叫びだしたかった。キミ達は僕の中に、僕の閉鎖空間の中に消えていったと解っているのに何も出来な...
  • 37-310「キョンの箪笥」
    「キョンの箪笥の中は実に乱雑だね」 「どこに何があるかは何となく分かるから別にそれで構わん」 「くっくっ、それでは僕が整理してみるとしよう」 「お、おい!」 「気にしないでくれたまえ。服を折り目良く畳むのは得意なんだ」 「いや!大丈夫だ!」 「無頓着な割には意外と服があるね」 「箪笥は大丈夫だから」 「では、机の整理整頓といこうではないか。おや?何故、ここだけ鍵が掛かっているんだい?」 「いや、別に…鍵を無くしちまって開かないんだ」 「問題は無い。僕も一応、女なのでね。ヘアピンくらいは持ち合わせている。これで…」 「いや、駄目だ!」 ガチャ 「この程度の鍵ならば開ける事に雑作は無い………」 「………」 「………」 「………すまなかった、キョン」 「いや、いいんだ……」 「一応、君も思春期の男性だという事を失念していたよ…」
  • 67-9xx 何事も一長一短だよ、キョン
     昔の奴はズルい、だって?  なるほど。キミは面白い発想をするね。  今のように学問が整理されていなかった時代であれば、こんなに苦労することなんかなかったろうに、か。  おやおや、キミは国民学校時代くらいがお望みかな? けれど当時の質実剛健な暮らしぶりにキミが従事している姿など想像もつかないな。  昼寝でもしてみたまえ、竹刀で一喝が日常だったと聞いているよ?  ん、なに? もっと昔の時代?  ああ、学校なんかなかった時代がお好みなのかい?  そうだね、確かにもっともっと昔の子供の大半は、学問というものに縁がなかったかもしれない。  けれどそんな時代の子供は、肉体労働を強いられていたというよ?  子供が、子供だから、とのびのび暮らせるという意味ではむしろ現代っ子の方が恵まれているのではないかな?  少なくとも、現代における学問は強制というには弱すぎるから...
  • 67-9xx ある日の橘京子さん
     67-708『だって、あたしだってそうだったし?』の派生のお話。 「あたし、佐々木さんの事が解ってないんだなって」 「そりゃそうよ、きょーこちゃん」  いや、あたしは解らないとダメなんですけどね。という言葉を橘京子は飲み込んだ。  この子をわざわざ不思議な非日常に巻き込むことはない。既に橘自身がドロップアウト組ではあるのだが、それでも無駄に巻き込むことはない。  そのつもりはない。  佐々木の元同級生岡本、佐々木の元信奉者橘。  二人は佐々木と言う縁でいつしかタッグを組んでいたのが現状であり、岡本の部屋でクッキーを前にくつろいでいるのが現況であった。 「まあでもアレよ、あたしはササッキーが大事なものの為なら我慢しちゃう娘だってことくらい解るわ」 「あたしだって、佐々木さんが大事な人の為なら、我慢する事が、自分にとって幸せなんだって思えちゃう人だって事く...
  • 67-9xx そんなデイ・バイ・デイ
    「キョン、もしかしてキミは、自分は必要とされていない、なんて思っているんじゃないのかい?」 「おいおい、何を漫画やアニメみたいな事言ってんだ佐々木」  いつものように隣の席から俺の顔を覗き込みながら、ふと、思いついたように佐々木が聞いてきた。  だがな。それこそお前が否定したフィクションみたいな質問だと思うぜ。 『キョン、それはエンターテイメント症候群というものだよ』  ほんの一週間くらい前、なんか不思議に面白い事件でも起こらない物かと思っていた俺にこいつは言ったものだ。  リアリストかつ論理的思考を持つ佐々木の前では、俺の幻想願望など実に儚い。そう思い知らされた、数多い一件の一つであり印象深い事件でもある。  いやむしろ、そんな佐々木の存在こそちょっとしたエンターテイメントなのではないかと後に俺は言ってみたが  やっぱり完膚なきまでに言葉の嵐に叩きのめされたり...
  • 67-9xx 旧交の日
    『国木田くん、どこかで見かけたら遠慮なく声をかけてくれていい。共通の思い出話に興じたり、旧交を温めたりする事は人生の楽しみのひとつだからね』 『それは佐々木さんらしいね』……………  …………………  ………  けれど『偶然の賜物』なんて『私らしくない』だなんてね。  くく、やはり国木田くんのような人は少々やりにくい相手だと言わざるを得ないよ。  まるで私の全てを、いや違うな、私が意識していないような「傍に漏れている私の真意」まで見抜かれているような気分になる。  それともむしろ与しやすい相手なのかな?  彼は、私を理解している、と解りやすく表現してくれる。つまり自分の手持ちカードを敢えて私に晒してくれているんだ。  他人に誤解させ、そしらぬ振りして他人を誘導するようなタイプよりもよほど誠実と言える。  そうだね。少なくとも、彼は私よりも誠実と言えるだろう。...
  • 22-175「キョンのバナナ」
    「もしもし、佐々木さん。あたしすごく怒っているのだけど。何故だかわかる?」 「おい、ハルヒ、廊下で大きな声で電話するな。皆聞いてるぞ」 「うるさいわね。元はと言えばあんたが悪いのでしょう。この女たらし。」 「せめて部室で電話できないのか」 「部室は電波が悪いのはあんたも知ってるでしょうが。」 相変わらず声がでかい。騒音妨害で訴えられるぞ。 (おい、涼宮が電話してる佐々木って誰だ) (キョン君の元彼女) 「もしもし、聞いてる?佐々木さん?」 『聞いてますよ』 「佐々木さん、キョンのバナナ、昨日もまた食べたでしょう」 『キョンが良いと言ったからね。今度もすごく美味しかったですよ。』 「キョンが良いと言ったからって、人の物を勝手に食べる?あなたどういう根性しているの?おかげであたしは昨日もキョンのバナナ食べれなかったのよ。」 いつの間にかギャラリー増えているな。恥...
  • 19-151「キョンの敗北」
    【キョンの敗北】 俺たちはSOS団+佐々木団+谷口・国木田と海水浴に来ている。 ちなみにパンジーは来ていない。 ン~今日の天気は例えるなら『空は青色、絶好のスカイフォーク日和ずら』と 秘打をよく使うどっかの二番打者がそう言いそうなぐらい晴れた天気だ。 谷口「やっぱさ、胸は大きい方がいいよな?!」 キョン「あぁ、そうなんじゃないか。」 古泉「そうですね…(キョンたん……)」 俺は谷口の戯言に相づちをうつ。 今日こそ(フラクラとしての)敗北を知ることができるだろうか。 国木田「ちょ、ちょっとヤバい事言わないで………………ハッ!刺殺気ー!」 …ん?刺殺気ー?国木田、漢字がヤバい。 佐々木「キョン、ちょっといいかな♪大切な話があるんだ♪」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ 国木田「??!な、なんだ!佐々木さん以外に新た...
  • 67-9xx やっぱ大事なプレミアシート
    「ああ、まったく。僕は何て語彙が足りないんだろうな。この気持ちを全部伝えたいのにさ」 「そうか?」  ぐっと抱き寄せて、包み込んで、言葉を重ねる。 「伝わってないと思うのか?」 「……そうかな?」  珍しくぽかんとした佐々木がこちらを見上げて、そんで一瞬だけ、みっともないくらい「にへら」と擬音付きで笑み崩れて。  佐々木はいつものシニカルな笑顔でこちらを覗きこむと、ぐっと俺の胸に顔を沈めて  ぐりぐりと額を押し付けてくる。 「く、く、く。そうか。そうかな」 「どうだか知らんが、そういうことにしとけ」 「くく、キョン。キミはまったく昔からいい加減だな。ホントにいい加減だ。良い加減だよ」  顔なんか見えない。けど声のトーンでどんな顔してるかくらいは解るぞ。  いつも「僕が思うには……」なんて言う時と同じ、ちょっと得意げな顔をしてるに違いない。  自覚してるのかし...
  • 67-527 「キョン、そんなの決まっているじゃないか」
     それは小学校六年の頃の話だ。  父が浮気し、結果、両親が離婚した。  事実だけを列記するなら、ただそれだけの話であり、そしてわたしは教訓と責任を得た。  人は、一時の感情によってたやすく判断を誤る生き物なのだ。けれど、わたしはああはなるまい、と。  母の心痛を、これ以上増やすような事はさせまい。母一人子一人であっても、わたしは立派なわたしになってみせよう、と。  丁度、その頃憧れていた少女がとある含蓄のある言葉を発したのを聞いた。わたしがそれに感化されたのはさて運命だったのか。  中学一年のわたしは、両親の離婚に合わせて苗字が変わった。  そして『わたし』も変わった。  それが『佐々木』の始まりだ。  わたしは中立にして難解な存在になろう。  女子に対しては普通で良い。けれど男子にとっては難解、不可思議、遠巻きにしたくなるような存在が良いだろう。何故ならば...
  • 67-9xx 解らないから知りたいのさ
    「よう親友」 「やあ親友」  夏休みに入ってしばらく、図書館で見覚えるのある姿を見かけた。  まあ、要するに俺の自称親友、そして今は俺から見ても親友と呼べるちょっと変わった思考形態の女子高生、佐々木だ。  こんなところでお前と会うとはな。 「くく、そうかな? むしろ僕こそ何故キミがこんなところに居るのかと失礼な感想を抱いているくらいなのだが」 「そりゃそうだ」  とはいえ俺だってこんなところに顔を出すことくらいあるさ。  むしろその物言いなら、これまでここでお前と顔を合わさなかったのが不思議なくらいだ。 「ふ、くく、そうか。そうなのかな」  この辺で図書館に行こうってんならここしかないだろ。 「くく、そりゃそうだね」 「ときに佐々木、お前はここで勉強か?」 「うん? ああ、まあ勉強と言えば勉強かな。実は少し気になる分野が出来たものだから他の資料探...
  • 67-9xx「……笑わないでくれよ?」
    「……なあ、やっぱり止めないかキョン。ホントに痛いんだよ。色んな意味でだ」 「そう聞いちゃなおさらだ。観念しろ佐々木」  着替えが終わったよ、と俺が部屋に入ることを許しつつも、あいつはカーテンから顔だけを出していた。  佐々木よ、言っちゃなんだが白カーテンだから光でちょっと透けて見えてるぞ。 「え」 「まあ身体のラインくらいだが」 「うう……」 「まあ観念しろ。それにな、そもそも最初に話を飲んだ時点でお前の選択は既に終わっているんだ」 「……キミに言葉責めの趣味があったなんて知らなかったよ」  俺はいつもお前に言葉責めされている気がするがな。 「……笑わないでくれよ?」 「保障はしない」 「うう」  それでも姿を見せたのは、常に筋を通すあいつらしい頑固さの賜物か、或いはその頑固さを利用した俺の勝利か。  ピチピチに張った服を着た佐々木がカーテンから現...
  • 66-655「キョン、思考は自由であるべきだ」
    「ところでキョン」  佐々木はいつものシニカルな笑顔を浮かべて言った。 「いつか僕の笑みをシニカルと評した事があったね。さてシニカルとはどういう意味だったかな?」 「お前は俺の思考を読んでるのか?」 「何のことかな」  くつくつと喉奥で笑う。  俺にとっては高校帰りの、あいつにとっては塾休みの。  夕暮れの宵闇が夜の闇へと変わりきる、ほんの小さな間隙の時間。俺とこいつは喫茶店で語り合う。 「あー、皮肉屋っぽいとか否定的な、とか、そんな感じだろ」 「そうだね。ただそうなると僕は悲しむべきなのかな? キミにそんな目で見られている事に対してさ」  佐々木は大げさに、それこそシニカルな笑顔と仕草で微笑んでくる。 「今まさに皮肉っぽく言ってるじゃないか」 「くくく、そうかもね」  言ってクリームソーダをかき混ぜた。 「ところでシニカルの語源を知っているか...
  • 佐々木さんの仮面と驚愕シリーズ
    トップページ >SS >シリーズもの>佐々木さんの仮面と驚愕シリーズ  66-178 佐々木さんのRainy Noise     (驚愕(前)、Rainy day、中学時代)。  66-209 佐々木さんの戸惑い         (分裂)  66-236 佐々木さんの踏ん切り        (分裂~驚愕(前))。  67-9xx 佐々木さんと「じゃあね、親友」    (驚愕(後)時間軸)。  67-9xx 佐々木さんと「やあ、親友」「そして」 (驚愕(後)時間軸)、完結。 ■別解釈  66-10 佐々木さんのごまかし(分裂)  66-36 佐々木さんの仮面と驚愕(分裂~驚愕(前))。  66-36β 佐々木さんと「やあ、親友」(驚愕(後)時間軸)、完結。  66-164 火曜日と自転車の荷台(ifルート短編)。
  • 31-719「キョンの遺忘」
     「今机に並べられていた7つものをすべて答えて下さい」 つい数秒前まで、目の前に並べられていたものがなんだったか。 「……ボールペン…と、あとは…」 おかしい。確かにボールペンはあった。あとは何だった?はさみだったか?思い出せない。 医者は悲しそうな目で俺を見て、机の引き出しにしまっていた7つのものを取り出した。 定規、鉛筆、文庫本、はさみ、テニスボール、ペン、消しゴム。そこにボールペンはなかった。 「違う、こんな筈じゃない…今日はたまたま調子が悪いんです」 「そうですか。では次のテストです。あなたの年齢を答えて下さい」 良かった、これならわかる。安心感と、こんな子供に対するような質問をしてくる医者に少しだけ怒りを覚えながら自信満々に答えた。 「28歳です」 「わかりました、ありがとうございます。これでテストは終わりです」 そう言って溜め息を尽きながら医者が取り出した俺のカルテにはこう書か...
  • 67-9xx カラダにピース、マスターピースさ
    「ふむ。確かカルピスが世に生まれたのは今から遡ることおよそ90年ほど前、大正8年の7月7日だったと聞いている」 「なるほど。だからか」  奮発したのか、若干濃い目のカルピスを口に含みながら隣の佐々木に相槌を打つ。  今日は七月七日、いわゆる七夕……の前日。  つまり七月六日である。 「しかしアレだな、学生服っつーか、教室でこんなん飲んでると特別って感じがするよな」 「くく、いつかのエンターテイメント症候群かい?」 「まだそんなの覚えてるのかお前は」  しかし、七月七日だから、なんて言って教師が振舞ってくれたのはそんな理由があったのか。  まあ面倒ごとの代価としちゃあ、ちょっと安っぽい気もするがな。 「くく、キョン、笹飾りの手伝いがそんなに重労働と感じたかい?」 「時給換算してみろよ。最低賃金をぶっちぎりで下回るぜ」 「そもそも居眠りしたキミが悪い」 「...
  • 25-854「キョンの告白」
    俺は佐々木と同じ大学に進学した。 1ヶ月もすると俺と佐々木は中学3年の時のように付き合っていると思われるようになった。 中学の時のクラスメイトもだが何で俺と佐々木が付き合ってるように思うのかね。 しかし、ふと疑問に思ったことがある。 佐々木は俺なんかと付き合っていると思われて困らないのだろうか。 そんな疑問を佐々木にぶつけてみた。 「佐々木、ちょっと聞きたいことがあるんだが……、 その……、お前は俺と付き合っていると思われて困らないのか? お前なら俺とそんな噂さえなければ彼氏候補はいくらでもいるじゃないか。」 「別に困らないよ。中学3年の時にキミに言ったはずだ。 僕と噂になっていたらキミは困るのかい……?」 「現状は特に困ってはいないんだが、俺にもたまには彼女くらい欲しいと思うことがある。 しかしだな、お前と付き合っていると思われているとそうもいかない。二股野郎と思われてしまうからな。...
  • 12-674「キョン、逃げるんだ。キョンだけでも逃げるんだ」
     佐々木曰く、エンターテイメント症候群。  つまりは日々を過ごす日常の世界と、あるはずのない架空の物語の境目がわからなくなる、そんな定義だったと記憶しているが、実際は定かではない。  なんせ佐々木の創った造語であって実際には広辞苑などには乗っていない。試験に出るわけでもないし軽く聞き流した程度の発言だったからだ。  そんな造語を作り出す佐々木と、架空の物語について話していたときの話をしようと思う。 「いわゆる架空の物語が現実に起こることはないというのは理解した」  満足そうな微笑みを見せる佐々木。 「僕の作り出した新しい言葉をすんなりと受け入れてもらえたようだ。キョンの聞き手としての素質はその柔らかい頭からきているのかな」  俺の聞き手としての資質なんぞどうでもいい。俺としては虚空の世界に興味がないわけでもない。 「それはともかくとしてだ。キョ...
  • 5-687「キョンの告白」
    キョン「ハルヒ…すまん!やっぱり俺は佐々木のことが好きなんだ!」 ハルヒ「あんたがそう言うんじゃ…仕方ないわね。いいキョン!?佐々木さんを幸せにしなかったら死刑だからね!」 キョン「ハルヒ…ありがとな」 佐々木「キョン…悪いけどキミとは友達でいたいんだ…      それは僕もいつかは恋人と結婚して家庭を持つかもしれないよ。でもキョン、その相手に恐らく君はなりえないよ…」 キョン「………」 キョン「もう…長門でいいや……」
  • 67-509β「そこが小鍋立ての良いところなのだよβ」
     67-509「そこが小鍋立ての良いところなのだよ」のルームシェア佐々木さんシリーズ番外編バージョン。 「成るほど」  ざくりと音を立ててささがきごぼうを噛み締め、佐々木はくるりと人差し指を回した。 「察するにだ。涼宮さんにとってもキミは『魔法使い』だったのかもね」 「魔法使い?」  オウム返した俺へ向かい、意味ありげに喉を鳴らす。 「いや、この場合、願いを叶えてくれる彦星さまだった、と言うべきなのかもしれないね」  魔法使いねえ、何時かもそんな呼ばれ方をした気がするな。  さて、なんだったか? と雑然たる記憶の倉庫をまさぐりつつ、俺は小鍋に豚肉を足した。  今晩の我が家のメニューは小鍋立て、具はシンプルに新ごぼうと豚肉。  それに各々の茶碗飯と小皿だ。  ………………  ……… 『小鍋立てというのは具は二、三品で良いんだ。代わりに出し汁は予...
  • 66-209 佐々木さんの戸惑い
     66-178 佐々木さんのRainy Noise続編。  見られている。  高校に入ってから、ぶしつけな視線を感じることが増えた。  それはそうだ。僕の通う進学校は元は男子校だから、女子が今も少ない。なので珍しいのだろう。  注目を買うのは本意ではない。だから、僕は前よりもひっそりと過ごすようになった。  やがて「視線慣れ」してくると、他人の視線の意味が察せられるようになる。  これは「女」を見る視線。 『やれやれ』  だから「僕」という仮面を使う。  中学時代に大活躍した「僕」の仮面。男性に対し、男性的な言動と思考で語りかける。  同様に女性には「私」。女性には女性として語りかける。  性別を超越した風で、変人を装う僕の仮面さ。 『くくっ』  ふと彼の顔を思い出して笑みがこぼれ、すかさず形を修正する。  なんてことだ。いわば、彼から逃...
  • 27-373「キョン、誰を選ぶの?」
    「君の飼っているネコ。シャミセンといったね。そろそろお嫁さんをもらう時期じゃないのかな? 僕もネコを飼いたくなったから、それをお嫁さんにするのはどうかな?くつくつ」ついでに僕をお嫁さんにしてくれると嬉しいな 「まあな。しかし、ハルヒが『団長のあたしの飼い猫を嫁にしなさい。今から飼う予定だから』と言って聞かないんだ。今度いっしょにペットショップ行く予定なんだ」 「へー、僕も行ってよいかなな?」二人きりにはさせないよ、くつくつ 「そうか、佐々木も来るか」 ハルヒと佐々木はペットショップでネコを買った。しかし、嫁候補が沢山いるのは嬉しいがシャミセンは一匹だぞ。 「キョン、団長のネコが一番よね。ほら、すごく可愛いでしょ」キョンにはあたしがお似合いなのよ 「親友のネコが一番だよ。健康的だし」負けないよ涼宮さん。嫁ネコを口実にキョンの家に毎日上がりこむつもりだろ ...
  • 7-194「キョンデレ」
    「キョンデレ」 中学の卒業式から数日が過ぎた。 俺は学業から解放された他のクラスメイト達と連日遊びに出かけている。 だがそこには佐々木はいない。 「キョン、勘違いしているのであれば忠告しておこう。 確かに僕たちは中学の学業は修了した。だがそれはつまり高校の学業の始まりでもあるのだよ。 ということはこの間に中学時代の復習かこれからの予習をするべきだと僕は思うのだが。」 とは佐々木の弁だ。 そんなわけで俺は今に至る。 一緒に勉強しないか、という佐々木の誘いを断った俺を誰が責められようか? 確かに罪悪感はある。が、しかしせっかく勉強の義務を解かれた身であるにもかかわらず 勉強をせねばならんのだ?どちらにせよモチベーションは10分も持たないだろう。 などと理論武装した俺は今日もチャリで友人達が待つ場所へ向かっていたのだが、 俺はここ数日、何故かチャリに違和感を感じていた。故障でもした...
  • 67-599 キョン「そんな涙目で見つめても何も出ないぞ」
    67-592 佐々木「唐突だがぼくは歯医者が嫌いでね」 ガチャ キョン「よう、どうだった」 佐々木「……」 キョン「そんな涙目で見つめても何も出ないぞ」 佐々木「……」 キョン「先に外で待ってるからな」 佐々木「う゛ん゛」 ――――――――――――――――――――――――――――――― 佐々木「……いだがった」 キョン「そりゃそうだろ」 佐々木「とてもとても痛かった」 キョン「今度からは気合を入れてから行くんだな」 佐々木「君はいい人ではあるんだが、大事な時に冷たいことがあると思うんだ」 キョン「気のせいだ、それにお前には弱点なんてないんじゃなかったか?」 佐々木「いつものぼくは閉店しました(プイ」 キョン「おれとしてはいつものお前に戻ってくれるとありがたいんだがな」 佐々木「ふむいいだろう、それが君の望みとあ...
  • 66-236 佐々木さんの踏ん切り
     66-209 佐々木さんの戸惑い続編。  月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。  少年老い易く学成り難し。  僕は勉強の為に勉強に励む。  これは学生の本分だし、そも打ち込む何かがあるのは幸せな事なのだと僕は思う。  無為に時間を過ごすよりも、何かに打ち込み、成長すべきなのだ、とね。  ただ、勉強の為の勉強が日常を単純化し、思考にまどろみを起こさせ、ノイズを発生させ易くしているのも事実だ。  まあぶっちゃけると、僕は「中学三年の頃くらいが、僕には一番丁度よかったな」と思えていたのだ。  そうやって時にセピアの想い出に浸る。  さて、想い出に浸る僕に、つい最近だが多分に学生的な事件が起きた。  勉強漬けで疲れた思考に、それは些か不意打ちだったし、僕はその事件に対する価値観の揺らぎを感じていた。  僕はあの中学三年の雨の日、その「揺らぎ」...
  • 31-838「キョンの本名何だっけ?」
    ある日のこと ハルヒ「そういやキョンの本名何だっけ?」 谷口「おいおい、あれだけ親しくしていてそれかよ。俺なんかクラスメートに関してはフルネームと誕生日と血液形を全て覚えているぞ」 国木田「Aランク以上の美人さんもね」 ハルヒ「あんたのことはどうでも良いのよ」 阪中「確か佐々木宿六だったはずなのね。国木田くん達が時々その名前で呼んでいるのね」 谷口「阪中それは…」 ハルヒ「サンクス。これで書類が書けるわ」 谷口「おい、涼宮…行っちゃったよ」 国木田「涼宮さん随分急いでいたわね」 谷口「しかし、キョンのもう一つのあだ名は涼宮宿六に変えた方が良くないか?」 国木田「佐々木のままの方が良いよ。今日も団を休んで佐々木さんとデート」 谷口「納得した。これ以上は何も言いたくないな」 阪中「キョンくん酷い。でも涼宮さん今から何するつもりなのね」 その頃のハルヒ 「これから総理に手紙を書くわ。 『あたしと...
  • 「キョン、どうだい喫茶店でも?」シリーズ
    トップページ >SS >シリーズもの>「キョン、どうだい喫茶店でも?」シリーズ 66-299 「ちょっとセンチメンタルな別れを演じた風で騙されるかよ」 66-286「ときにキョン、僕はそろそろお茶が怖いな」 66-377 「だから人のコーヒーを飲むな佐々木」 66-418 「ところでキョン。紅茶かコーヒーかと言えばだ」 66-461「解ったから舌なめずりはやめろ佐々木」 66-655「キョン、思考は自由であるべきだ」 66-922「フリーダムとリバティは違うぞ佐々木」 66-947『―――違い―が―解らない』 66-259 佐々木とキョンと藤原とフロイト先生のお話 「キョン、どうだい喫茶店でも?」シリーズ
  • 4-36「キョンはこの1レス中に何本フラグを折ったでしょう」
    「キョンの家はいい所に建ってるよね」 「まあ静かな割には交通の便もいいな」 「羨ましい限りだよ。できることなら僕も住みたいくらいだ」 「先週駅前の不動産屋で似たような物件を見たぞ」 「いや、遠慮しておくよ。家族と離れてまで一人で暮らす意味を見出せないから」 「一人が嫌ならペットを飼うとかどうだ。猫なんていいんじゃないのか」 「もっと聞き手上手なほうがいいね」 「ということは耳のいい奴だな。フクロウなんてどうだ」 「君がフクロウ役を買って出てくれるなら前向きに検討しよう」 「ああ、そのくらいなら力になれると思うぞ」 「……おやおや、予想外の解答を得られたね」 「そのフクロウ薬ってのが飼うのに必要なんだな?」 「薬が必要なのは君の頭だと今痛感しているよ」 「失礼な、俺はまだハゲてないぞ」 「キョン、好きだ」 「梳くほど伸びてもいないぞ」 問題、キョンは...
  • 17-681「キョンと佐々木とハルヒの生活 7日目」
    ×月○日 「名前はどうしようか?」 「そうだね。春生まれだから春を感じさせる名前がいいな。」 「春っぽい名前ねえ。そうだ、ハルヒなんてのはどうだ?」 「いいんじゃないかい。響きも綺麗だし、どこか壮大で温かみを感じさせる名前で僕は気に入ったよ。」 「じゃあ、字はどうするかだな。春日・・・、だめだ、カスガって読まれそうだ。春陽。ん~、これもなんか違うな…」 「そうだ、キョン。いっそのことこうしたらどうだい?」 そしてあいつは手元にあったメモ用紙にこう書いた。 『ハルヒ』 「ぐげぇ!」 腹に感じた衝撃で俺は目を覚ました。 今日もまたいつものアレか・・・ 「お前、もうちょっとマシな起こし方はできないのか。ハルヒ」 「今日はせっかくの私のお誕生日なんだから、はやく起きなきゃだめなの。誕生日は特別な一日だから一分一秒も無駄に出来ないの!」 「わかった、わかったよ。」 ...
  • @wiki全体から「67-9xx「キョンの望みであるなら」」で調べる

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