王様鬼

「さぁ勝負だ勝負!まとめてかかってこい!」

【名前】 王様鬼
【読み方】 おうさまき
【声】 榊原卓士
【登場作品】 暴太郎戦隊ドンブラザーズ
【登場話】 ドン49話「さいごのおもいで」
【分類】 ヒトツ鬼
【憑依された人間】 大野稔
【欲望】 「宿敵の桃井タロウを倒したい」
【素体】 シソツ鬼
【モデル】 王様モデル
【スキン】 オオノオウカン
【蟾ィ螟ァ蛹】 巨大化せず
【ドロップ】 キングオージャーギア
【文字化け】 邇区ァ俶姶髫(王様戦隊)
【むかしむかし…】 稔は手裏剣鬼魔法鬼轟轟鬼になったことがあったそうな…
【モチーフ】 王冠、昆虫、大野稔?、鬼
【名前の由来】 王様戦隊キングオージャー+ヒトツ鬼

【詳細】

「宿敵の桃井タロウを倒したい」という欲望を叶えようとする大野稔から生まれた王様モデルのヒトツ鬼

大ぶりの王冠を被った王様のような、王冠に擬態した黄金の昆虫が人間の頭に居座っているかのような「オオノオウカン」スキンで実体化したシソツ鬼

大野稔のまさかまさかまさかまさかの4度目の怪人化。

同じ人物が異なる怪人になった例は珍しいが、大野稔のようにゲストにすぎない登場人物がこれだけの数の怪人化をこなした例は他に類を見ない。
もう準レギュラーでいいだろ…とか言ってたら、「最強のヒトツ鬼」と化してドンブラザーズはもとより、脳人三人衆脳人監視隊にも牙を剥くことになってしまった。
星獣鬼を含めると自力で4体のヒトツ鬼を引き寄せることになっている。

最早ドンブラ中毒者なら御存知の通り、大野稔はもともと忍者道を極めようとしていい年こいて忍術の修行に明け暮れていた中年男性。
自分のプライドを傷つけた桃井タロウを「宿敵」認定し、ほぼほぼストーカーのような執念深さで彼を打ち負かす事を願い、手裏剣鬼魔法鬼轟轟鬼と次々にヒトツ鬼を宿してモンスター化。
さらに轟轟鬼となった際に復活した強化ソノイに斬られたことで消滅するが、何故か普通に生きていた上、初心に戻ったのか忍者修行を行っていた彼は星獣鬼に目をつけられ実体化のチャンスを狙われていた。
その場はソノシ抹殺のためソノザに実体化前のヒトツ鬼を引き剥がされたことで事なきを得た(?)が、その熱も冷めたのか実家の牧場の手伝いをしながら落ち着いた生活を送っていた…

と思われていた。

ソノシ脳人監視隊は9人となったドンブラザーズを驚異に思うもののプライドが影響してかコレ以上負けることを認められない彼らは自分達が戦うこと無く、最強のヒトツ鬼を誕生させドンブラザーズを倒させようと考えた。
そしてその素体として目をつけられたのが大野稔である。

ソノシにくっつけられた星獣鬼を加えれば実に4度のヒトツ鬼を引き寄せており、その欲望の強さは折り紙付き。
電撃鬼世界鬼を暴走させた吹き矢を何発も何発も何発も打ち込まれたことで制御不能となった欲望は「オオノオウカン」スキンで王様鬼として実体化。

しかしあまりにも大量の吹き矢を打ち込んだ影響によりソノシらの命令は全く聞かずむしろ返り討ちにあってしまい、這々の体で逃げ出した彼らはおでん屋台にドンブラザーズを招き、おでんで彼らの協力を取り付けようと試みる。
そんな情けない監視隊を追いかけてきたのか、はてまたタロウを追い求めたのか人間の姿に戻った状態で彼らの目の前に現れると、忍者装束に加え王様のような王冠とマント、杖を身に着けた意味不明、というかシュールすぎる状態の姿をさらす。
そしてその姿のままはんぺんだけを5枚という冒険的な注文をした大野稔は、それを手裏剣のように投げると吸い込むことで自分へと引き寄せ平らげるという魔法のような所業を見せる。

エネルギーを補給した彼は上記のセリフを吠えながら王様鬼へとモンスター化。
新生ドンブラザーズに加えどの面案件の脳人監視隊を含めた12人を相手取り、王族分身の術なる能力で色の異なる5体に分裂。

しかしザングラソードを使った力で瞬く間の動きで5体まとめてドンモモタロウに斬り捨てられ爆散。

強制的にモンスター化した影響か、ヒトツ鬼ングにならず、実家にいた母親の元へ戻った大野稔は、母親から「今度という今度という今度という今度こそは大丈夫なんだろうね?」と問われ、まだ身につけていた王冠にマントを脱ぎ捨て謝罪するのだった。

これで彼もやっと落ち着いた生活に戻れる、とおもいきや…

【余談】

モチーフは「王様戦隊キングオージャー」。
まさかの次回作モチーフの怪人である。
ライダー版ヒトツ鬼、というかヒトツ鬼そのものの先輩であるアナザーライダーもジオウの次回作、仮面ライダーゼロワンをモチーフとした怪人を登場させているが、あちらは流石に本編中に登場させずにジオウ完結後の扱いである冬映画に登場させる形を取っている。

オオノオウカン」という名前のスキンだが、明らかに変身者である大野稔を意識したもので、予め彼がこのヒトツ鬼になることを念頭にデザインされたものである可能性が高い。
腹に毛深い男性の顔、上半身が王冠を模しているが、人体的に見た場合の頭部は黄金の昆虫のようなもので、俯瞰的に見ると昆虫の足が無数に伸び、王冠に擬態した昆虫をかぶっている王様ような、それも含めた姿に擬態した昆虫のようなデザインになっている。
そもそも顔に見える部分もよく見ると甲虫の鞘翅(しょうし、さやばねと読み、甲虫の背面を覆う前翅がキチン質化し固くなったもの)でジンメンカメムシのような擬態昆虫を思わせる。
虫が擬態しているとも知らず王冠だと信じて被った道化の王…
ヒトツ鬼の王様に仕立て上げられた誕生経緯も考えると、そういった物語上の都合をすべて踏まえた上でのデザインだったのだろう。

だまし絵のようなこの王様鬼と似たような方向性でデザインされているのはヒトツ鬼の中でもいくつか登場し、特命鬼爆竜鬼がいる。

このヒトツ鬼を実体化させた大野稔がいつもの忍者装束に王冠、マント、杖というテンプレ的な王様コスチュームで登場したのは、彼本人が望んだわけではなく強制的に戴冠する羽目になったハリボテの王様という経緯が関わっているか。
一応大野稔役の榊原卓士氏はオールアップ宣言が公式サイトにて出されているため、もう登場はしないだろう。
…流石にVシネクストに登場予定の機界鬼になる、あるいはなっていた扱いにされるとは…思いたくはない。

逆に言えば榊原氏は今までオールアップ宣言が行われていなかったことになるが、単なるゲストキャラと思いきや度々、度々々再登場を重ね、最強のヒトツ鬼として登場することになるとは誰が思ったことだろう。
――――え?割りと予想されてた?

なお上記のセリフだが、初期のタロウは予告などで「さぁ楽しもうぜ!勝負勝負!」と言っていたりする。
その事を考えるとひたすら宿敵に勝つことを望んだ大野稔は最後の最後、望まずとも得た力でタロウに親しい段階まで到達は出来たのかもしれない。
しかしそれはハリボテの姿、裸の王様。言動だけを真似たところで本物に届くはずもない
そのことに気づいた彼が、今後ちゃんと落ち着いた生活をおくることを願いたい。まずは精神的にも落ち着いてほしい。
落ち着いた生活を送っていたところを襲われたわけだけど。

ちなみにキャラモチーフとして「邪悪の王」を名乗るとされていたクワガタオージャーことギラが含まれていると思われていた。
事前発表されていた情報では、彼のみが本来の王様ではないことが明かされていたこともあり、素体が赤いベニツ鬼ではなく追加戦士をイメージしたと思われるシソツ鬼だったことから一人だけ境遇が違う異端児としてのシソツ鬼素体ではないかと見る流れもあった。
が、キングオージャー第1話放送後、ギラではなく本来クワガタオージャーになるべき本物の王、ラクレスの人間性が下劣でむしろそっちが「王様鬼」ではないかと一部で話題となった。
それとともにキャラ性等が仮面ライダーセイバーに登場するイザクに似ていると言われていたりもしている。

最終更新:2023年04月20日 03:19