悪役幻想奇譚第八話
『吉良吉影は鏡を見る』
「『愛しいお客様』がお待ちです」
そのにやけ笑いはなんとかならないのか?
そもそも『愛しい』だと?このわたしにそんな交友関係はない。一体誰のことを言っているのだ。
ギィィ
そしてドアはゆっくりと開かれた
「お前は・・・映姫じゃあないか?」
そこには椅子にちょこんと座った映姫の姿があった。
どうして紅魔館まで?そう聞こうとしたとたん、突如映姫の姿が消えた
いや
ヒシィッ!!
「吉影!一体いつまで来ないつもりですかっ!!」
正確にはいきなり目の前に来て姿を見失っただけのことなのだが
「貴方が来ないせいで小町がどれだけ苦労していることか・・・貴方はもう少し自分の立場というものを理解しなさい!(ふふふ。でも説教ついでにすごく大好きなこの人に抱きついて胸の中で自然に説教を続けるのですっ!)」(注:十分不自然です)スリスリ
一方いきなり抱きつかれた吉良は冷や汗をかいていた
「第一貴方はもう少し自分の罪というのを知って(あ、ネクタイがいつもと違う種類を)・・・」スリスリ
殺人衝動を抑えるために
「そんなんじゃいつまで経っても成仏できませんよ(もう少し!もう少しだけ!)!!」スリスリ
ではなく
「貴方の積める善行は(マーキングマーキング!!)!!」スリスリ
あ、こればれたらほんとに『修☆羅☆場』だ
「もっと足しげく彼岸に通うことです(このままつれて帰りましょうか)!!」スリスリ
と思って
ひとまず冷静になって映姫を引っぺがそう。そう思っていると『音』が聞こえた
パシャ
パシャ?・・・だと
今確かに『パシャ』という音が聞こえたぞ
何の音だ!?
これはどこかで聞いたことのある音だ
幼い頃から知っている『音』だ
これは・・・
まさか親父!!
とにかくッ!どこから音が聞こえてきたか探すんだ。
何故だかいやな予感しかしない
吉良が周りを見渡すと、音の正体はあっさりと見つかった
「美鈴・・・それは親父のカメラじゃあないか?一体なんのつもりだ、写真なんか撮って?え?」
そこにはいかにも『してやったり』といった顔をした美鈴が笑いながら二人を見つめていた。
その頃の親父
「ないッ!!ないッ!!ないッ!!わしの『カメラ』がないッ!!」
そして場面は戻る(「ないッ!!ないッ!!ないッ!!わしの『出番』もないッ!!」)
マズいッ!写真を撮られたぞ!しかもこいつのこの『目』は、今までのうっぷんを全て晴らしてやろうという思いを秘めた『目』をしている。キノコ頭の男とウサギのガキをぶっ飛ばしたあの時永遠停に居た鈴仙と同じ『目』をしている!!こいつは間違いなくッ!この吉良吉影を脅す気でいる!今撮った『写真』をネタにして、間違いなくこの吉良吉影をゆする気だ!!
取り上げるのだ吉良吉影
「『肖像権』の侵害だぞ美鈴。それに親父のカメラを盗ったということは『窃盗罪』にもあたるな。ん?閻魔の前で堂々と罪を犯すとは・・・なかなかいい度胸じゃあないか?え?」
考える時間を稼ぐのだ吉良吉影。いや・・・まずいぞ。もう『夕方』だ!ひょっとしたらそろそろ『目を覚ます』かもしれない。時間がない。早ければあと10分もしないうちに『目を覚ます』
そう考えると吉良は、無意識の内に己の爪を噛み始めていた。
吉良が爪を噛み始めるのを見て、美鈴はその笑みをさらに深めた。
ふふふ。知ってますよ吉良吉影。貴方は絶望した時に『爪を噛む』癖があるっ!
よくもわたしを散々爆破してくれましたね!これは『復讐』です。赦すことが大切だとか、能天気なことを言う人もいますが、これは私の権利を取り戻すための『復讐』です!『復讐』とは!自分の運命に決着をつけるためにあるのですッ!覚悟しなさい吉良吉影!
「どうした映姫?目の前の犯罪をほったらかしておいていいのか?」
吉良が映姫を引っぺがし言うが、
ふっふっふ。閻魔様に何か言って私を止めてもらおうと考えているのならば無駄ですよ。
この『写真』が欲しいでしょうからね。ほら、「もっと撮りなさい」と目で訴えていますよ。ここにはもう貴方の味方はいません。貴方の助かる道は私に尻尾を振って従うだけです。
美鈴が首からさげたカメラに目をやり、再び写真を撮ろうと顔をあげた
しかし
「なッ!」
すでにそこには吉良吉影はいなかった。
いや、吉良吉影だけではない、映姫の姿もなかった。
「一体何が・・・ってここは!!」
時は数秒前に遡る
映姫に抱きしめられ、すこし間違えれば『修☆羅☆場』が訪れそうなこの状況。『殺人鬼』吉良吉影がこの状況を打破するために使った方法はごくシンプルなものだった。
「映姫」
彼女の名を呼び
「はい?」
美鈴から注意をそらし
カチリ
と
起爆スイッチを押した
ただそれだけのことだった
そして時は現在に戻り
あの世では
「わ、私を殺しましたね!!絶対に生き返ってやりますからッ!!」
吉良に爆破されたと理解した美鈴が憤っていた。
「今度こそ『復讐』をッ!!って、おや?あの特徴的な髪型は・・・」
紅魔館では
美鈴がいないことに気付いた映姫が焦っていた。
「か、カメラがありませんッ!」
もとい、カメラが無くなったことに気付いて焦っていた。
「吉影!貴方今『起爆』させましたね!?」
映姫が吉良に詰め寄るが
「うーむ、どうだったかな?実を言うと君を見ていたからよく覚えていないんだ。一瞬の出来事だったからね。おそらく咲夜の仕業だろう。門番をサボっていたから時間を止めて連れて行かれたに違いない」すっとぼけて誤魔化していた。
『君を見ていたからよく覚えていない』ってことはつまり・・・
『私にこころを奪われた』
ピシィッ!!!
極論に達してしまった映姫は
ビシィッ!!!
と、照れ隠しで吉良を叩いた
悔悟の棒で
「ぐぼあああッ!!」
しかし大罪人である吉良にとって、それは少しばかり重すぎた。
「い、いきなり何をする!?血が出てしまったではないか!」
「あ、すいません。つい嬉しくて」
悔悟の棒にも血がついてしまっている
映姫はそれを拭き取りもせずに懐にしまった
「っと、そんなこと今は関係のない話です!どうして最近こちらへ来ないのですか?理由を言いなさい理由を。それとも外の世界では学校や仕事を休むのになんの理由もいらないのですか?」
映姫にそう詰め寄られ吉良は理由を話し始めた
「フー・・・端的に言うぞ。あのクソ神父のせいだ。プッチがわたしの自動操縦型のスタンドに知性を与えた。そのせいで今わたしのスタンドが行方不明になっているんだ。幸いまだ『謎の爆死事件』といった類のものは起きていないが、何か起きる前に見つけなければならないだろう?だから君のところへ行けなかったのだよ。シアーハートアタック、スタンドの名前だよ、が見つからないかぎり安心して熟睡もできない。そういった理由があったのだ。わかってくれるかい?」
もっとも、ただ単に『行きたくなかっただけ』というのもあるがな。
吉良は心の中でそう付け足した。
「なるほどそうだったのですか。それは困ったことになりましたね」
どうやらうまい具合に表の理由だけで納得してくれたようだ。ふん、信じたいものを信じるのはどこの世界でも変わらないな。お前のところへ行けば何をされるかわかったものじゃあない。この前も食事に何かを混ぜていただろう。君は今のところわたしにとって『平穏な生活』と対極の存在だ。
「そうなんだよ。明日になればリゾット達も協力してくれる予定なんだがね。何かいいアイディアでも持っていたら教えて欲しいね」なかったら帰ってほしいね。
残念ながら私には『探し物を探し当てる程度の能力』なんて便利な力はありませんしね・・・
「あ」
「どうした?何かいい方法でも思いついたのか?」
「浄瑠璃の鏡で過去を見れば、ひょっとしたら何か手がかりが掴めるかもしれませんね」
そういって今度は手鏡を取り出し、それに吉良の左手を写した
「どうです?何か見えますか?」
吉良少し屈み、自分の左手が移っている鏡を見た。
はじめは単なる左手を写していただけだったが、すぐに映像が変わり、そこにはおそらくシアーハートアタックの目で見ているのであろう景色が映し出されていた。
男(プッチ)の後姿が見えるな。なるほど知性を得たところからか。
そして場面は主に紅魔館が映し出され
これは・・・美鈴を爆破したところか。やはり妖怪は頑丈だな。身体そのものを爆弾に変えないかぎりは致命傷を与えることは難しいようだ。美鈴を一発で爆破できたのは幸いだったな。
次に美鈴が爆破され(アーッ!!)
またか。こいつは睡眠障害なんじゃあないのかって疑いたくなるな。確か・・・ナルコレプシーだったか?まぁどうでもいいことだ。生き返ってきたらあの医者に診てもらうように勧めてやるか。いや、強制的に医者のところへ行かざるを得ないようにしてやろう。このわたしを・・・脅迫しようなどと・・・
また美鈴が爆破され(ひえーッ!!)
フー・・・何故寝るのだ?それとも気絶しているのか?ああそうか、シアーハートアタックが一切の眠りを妨げているから疲労が溜まっているのだろう
そしてまた美鈴が爆破された(寝てませんよーッ!!)
待て・・・今こいつは寝ていなかったぞ。
わたしは『眠ったら爆破しろ』と命じたはずだ。
つまり・・・
「知性によって『自我』が成長したということか?」
まったく余計なことをしてくれる神父だ。
おや?あれはわたしの後姿か。む・・・少し背筋が曲がっているな。こうして見ると疲れが溜まっているのがわかるな。やれやれこの件が片付いたらゆっくり休もう。
今はそんなことは重要ではない。確かレミリアは『わたしが居なくなった直後』に爆破が止んだと言っていた。ならば重要なのはここから先か・・・
その後はしばらく吉良の後姿が映し出されていた。
なるほどな。わたしの後をつけていたのか。しかし何のためだ?わたしの下に戻りたかったのか?それとも自分のルーツでも知りたくなったか?
「ん?」
鏡を見ていた吉良は違和感を感じた
「どうかしたのですか?」
「いや、さっきより画質、と言っていいのか?が悪くなった気がするのだが・・・ひょっとしてこれは・・・『独立』していっているということか?」
「そうですね。もうこのスタンドの魂が貴方なしでも存在できるくらいに成長しているのでしょう」
そこからは瞬く間に鏡は曇り始め
「おい」
それから数秒もしないうちに鏡は砂嵐に覆われ、次に綺麗になったときにはそこにはもう吉良本人の左手しか写していなかった。
これ以上はもう見ることはできないというわけか
映像を見終わると、吉良はスッと立ち上がり、映姫に鏡を返した
最後の場面では『森』が写っていたな。
それに何故だかわからないが今はシアーハートアタックの『存在』を感じることができる。
これなら今日中にでも見つけることができるだろう。
そう思い、吉良は部屋を出て、紅魔館の外にでた
さっさと外に出なければいつ彼女が『目を覚まして』来るかわからなかったからだ。
「さてと。わたしはシアーハートアタックがどこに行ったのか大体の見当がついた」
少し伸びをしながらそう言うと吉良は自分の感じている『存在』に近づくため、森へと向かうことにした。するとさもそうすることが当然というかのように映姫が吉良の後ろについてきた。
「そこでだ。一つ質問があるのだが?」
吉良が振り返り、
「はい?なんでしょうか?」
「どうして付いて来るのかね?」
『今日の夕食は何がいい?』とでも聞くかのような軽さで聞いた
「え?」
「は?」
「・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・?」
「い、いえ。一人で探すよりも人数がいたほうが効率がいいでしょう?それに!ああもう何ですかこんな時に!」
どうやら話の途中で携帯(のようなもの)が鳴ったようだった。
ずいぶんとハイテクになっているのだな。こっちの世界に来てからは昔話のイメージが崩されっぱなしだな。
映姫が携帯(のようなもの)を操っているのを見て、吉良は一人そう思っていた。
「なんですか?今取り込み中ですよ?」
映姫は普段より少し声を荒げ応対した
「なんですって!地獄で暴動が起きているのですかっ!!今そちらにエンリコ・プッチがいるでしょう。彼に頼みなさい。彼なら大抵のことは解決できるでしょう。えッ!?彼が元凶ですか!!・・・やはり彼は『天国』へ行ってはならないのですか・・・」
やれやれ、どうやらあの神父はあの世でも厄介ごとを引き起こしているのか。本当に懲りない男だ。ずいぶんと切羽詰った様子だがなんだ?あの神父はそこまで面倒なことをやらかしているのか?外から来たスタンド使い同士ということでそこそこの付き合いはあったが、あまりに面倒ごとを起こすようならこれからの付き合いというのを今一度考えねばならないな。騒動を起こすようなやつと同類と思われたら困る。何より目立ってしまう。
おや会話が終わったようだな。
「で?どうするんだ?まさかまだついてくる気ではないだろう?何か面倒なことを起こされたのだろう?わたしは一人で十分だ」
映姫はしばらくなごりおしそうに吉良のほうを見ていたが
「わかりました。なかなか大変なことになっているようなので今日は帰ります」
そう言って映姫は大急ぎで帰っていった。
「帰ったか。しかしよほどのことのようだな。まぁわたしには関係のないことだろう。さて・・・どうやらシアーハートアタックは森の中にいるようだな。なんとなくあっちの方角にいるような気がする。この吉良吉影の『勘』がそう告げている」
日が暮れる前に終わらせてしまおう
幸いまだ明るい
森へ向かい歩いていると、途中でふしぎな歌が聞こえてきた
せめて天寿をまっとうさせよう~♪
直は早いぜ、素早いぜ~♪
「なんだこの歌は?」
気になって声のするほうに向かってみると、そこには歌を歌っているミスティアがいた
解除をしてもそのまんま~♪
もともとお前の年齢だぁ~♪
「(一体誰に需要があるのだ?こんな歌)」
しばらく見つめていたら、むこうもこちらに気付いたのか話しかけてきた
「『言葉』じゃなくって『心』で理解い~♪
・・・ってあれ?あんた吉良ナントカ。どしたのあんたもどっかに行くの~?」
「ああ、ちょっと森のほうに行こうと思ってね(そういえば『ダチョウ』は首が切れてもしばらく生存できるそうだが・・・鳥の妖怪だったらもっと平気なんだろうな)」
「ふーん。兄貴に会ったらよろしく言っといて(なんだか恐ろしいことを考えている気が・・・)」
「ん?プロシュートもどこかに行ったのかい?(あのキノコ頭の医者ならよろこんで解剖するのだろうな。脳の構造とか、気になるだろうな)」
「さっきパッショーネの人たちと魔法の森のほうへ行ってたよ(何?人の頭見つめて・・・?)」
「そうかい。ありがとう。それじゃあキノコ(頭の医者)に気をつけて」
「あんたもね(キノコ?食中毒?)」
ミスティアと別れ、しばらく歩いていると、吉良は自分が『何かに』確実に近づいていることを感じていた。
吉良が森のほうへ歩いていったのを見て、ミスティアはポケットから無線機を取り出した。
「プロント。兄貴?今行ったよ。え?発音良かった?やった」
森の中を歩きながら、吉良は一人で考えていた
『スタンド使いは引かれあう』らしいからな。きっと自分の『勘』を信じていけばスタンドであるシアーハートアタックにもすぐに出会えるだろう。しかし・・・
吉良はふと、あることが気になった
パッショーネのやつらは何をしているんだ?『明日には終わる』『ヤベー任務』と言っていたな。『任務』が終わって帰るのならば、方向が違う。わざわざ森の中に行くってことは・・・
ここで吉良はひとつの結論に達した
『今から』任務、もしくはまだ任務の『途中』というわけか。その『ヤベー任務』とやらに巻き込まれないうちにさっさと探すか。
「ふぅ・・・こっちの方角であっているだろう」
しかし魔法の森か・・・
「ん?」
そういえば最近だれかが何か言っていたような気がするな
吉良は少し地面に目をむけ、思い出そうとした
「はて?誰だったか?」
まぁいい。今はそんなことよりもシアーハートアタックを探さねば
再び歩き出そうとした時、吉良はあるものを見つけた
「こんなところに・・・『鏡』だと」
木の幹に鏡が取り付けられていた
少し気をとられていると、鏡の中から声が聞こえた
「吉良吉影が入ることを『許可』する」
「なッ!こいつはッ!!」
この状況を何も知らない者が見たら、『神隠し』が起こっただと思っただろう
男が鏡を見た途端に消失してしまったのだから
「ッ!!」
くそッ!!完全に油断していたッ!イルーゾォだな!一体目的はなんだ!?
鏡の中には、リゾットを除く万屋パッショーネのメンバーが揃っていた。
「ペッシ!押さえろ!」兄貴が叫ぶ
「スデに押さえましたッ!!」
「よくやった!成長したな!ペッシ」
吉良はビーチボーイをくらい、あっという間に身動きが取れなくなってしまった。
自由を奪われた吉良は彼らを睨みつけて言った
「ずいぶんなご挨拶じゃあないか?いきなり人を襲うっていうのはイタリアの習慣か何かかい?」
「しょーがねぇだろ。これも『任「離せ―――――っ!!帰せ――――――ッ!!」ったく、人が話しているときに、うるせぇなぁ魔理沙のやつ」
「どうやら先客がいたようだな」
吉良と少し離れたところにはメローネに押さえられている魔理沙の姿があった。
「だから落ち着きなって。オレだって君がいやがることはしたくないんだよ。なぁ、頼むからオレを怒らせないでくれよ。君も『母親』にはなりたくないだろう?」
「おいメローネ!あんまり脅すなって」
みんながメローネと魔理沙に気をとられている間、
吉良は今の己の状況を考えていた
戦うとしてもこいつら全員ではさすがに分が悪すぎるな。ここは様子を見るべきだ。
「そうかたいこと言うなよイルーゾォ。人の1人や2人居なくなったて誰も気付きはしねーよ」
「いや、さすがにそいつが居なくなったら気付くだろう」
「そういうもんか?」
「そーゆーもんだ。だから許可しねー」
「別にリーダーじゃあないんだからおまえの許可はいらないんだけどな」
「ん?なんか言ったか?」
「なんにも」
待てよ?そもそもこいつらの『任務』は一体なんなんだ?
まさかシアーハートアタックが誰かを殺したのかッ!?
「いきなり襲いやがって!!覚えてろよ!特にメローネ!」
「ふー・・・いいねぇその活きの良さ」
いや、違う。それならば魔理沙をわざわざ襲う必要はないわけだ。
わたしと魔理沙を襲っただと・・・共通点はなんだ?
「おい吉良!こいつら爆破してくれ!最悪メローネ一人爆破させればそれでいいぜ!」
いや・・・・・・・・・そもそも『依頼主』は誰なんだ!?私たちを襲って利益のある人物だと・・・くそッ!
「おーい聞こえてるか?」
吉良がイラついていると、ホルマジオが話しだした
「ったくしょうがねーなぁ。おめーらに動かれたらちと厄介だし埒が明かねーから・・・オレらが受けた任務についてちょ―――っとだけ話してやるよ。オレらがなんでおめーらを捕まえたかもよぉ。だから落ち着いて聞ぃてくれよなぁ」
次回予告
シアーハートアタックの存在を感じ、魔法の森へと入っていった吉良吉影だが、その直後何故かリゾット達に襲われてしまった!
彼らの『任務』とは一体!?
そして吉良と魔理沙を襲わせた彼らの『依頼主』の目的とは!?
果たしてシアーハートアタックは吉良の下に戻ることはできるのか!?
次回 悪役幻想奇譚第九話
『吉良吉影は手を汚さない』
お見逃しなく!
『吉良吉影は鏡を見る』
「『愛しいお客様』がお待ちです」
そのにやけ笑いはなんとかならないのか?
そもそも『愛しい』だと?このわたしにそんな交友関係はない。一体誰のことを言っているのだ。
ギィィ
そしてドアはゆっくりと開かれた
「お前は・・・映姫じゃあないか?」
そこには椅子にちょこんと座った映姫の姿があった。
どうして紅魔館まで?そう聞こうとしたとたん、突如映姫の姿が消えた
いや
ヒシィッ!!
「吉影!一体いつまで来ないつもりですかっ!!」
正確にはいきなり目の前に来て姿を見失っただけのことなのだが
「貴方が来ないせいで小町がどれだけ苦労していることか・・・貴方はもう少し自分の立場というものを理解しなさい!(ふふふ。でも説教ついでにすごく大好きなこの人に抱きついて胸の中で自然に説教を続けるのですっ!)」(注:十分不自然です)スリスリ
一方いきなり抱きつかれた吉良は冷や汗をかいていた
「第一貴方はもう少し自分の罪というのを知って(あ、ネクタイがいつもと違う種類を)・・・」スリスリ
殺人衝動を抑えるために
「そんなんじゃいつまで経っても成仏できませんよ(もう少し!もう少しだけ!)!!」スリスリ
ではなく
「貴方の積める善行は(マーキングマーキング!!)!!」スリスリ
あ、こればれたらほんとに『修☆羅☆場』だ
「もっと足しげく彼岸に通うことです(このままつれて帰りましょうか)!!」スリスリ
と思って
ひとまず冷静になって映姫を引っぺがそう。そう思っていると『音』が聞こえた
パシャ
パシャ?・・・だと
今確かに『パシャ』という音が聞こえたぞ
何の音だ!?
これはどこかで聞いたことのある音だ
幼い頃から知っている『音』だ
これは・・・
まさか親父!!
とにかくッ!どこから音が聞こえてきたか探すんだ。
何故だかいやな予感しかしない
吉良が周りを見渡すと、音の正体はあっさりと見つかった
「美鈴・・・それは親父のカメラじゃあないか?一体なんのつもりだ、写真なんか撮って?え?」
そこにはいかにも『してやったり』といった顔をした美鈴が笑いながら二人を見つめていた。
その頃の親父
「ないッ!!ないッ!!ないッ!!わしの『カメラ』がないッ!!」
そして場面は戻る(「ないッ!!ないッ!!ないッ!!わしの『出番』もないッ!!」)
マズいッ!写真を撮られたぞ!しかもこいつのこの『目』は、今までのうっぷんを全て晴らしてやろうという思いを秘めた『目』をしている。キノコ頭の男とウサギのガキをぶっ飛ばしたあの時永遠停に居た鈴仙と同じ『目』をしている!!こいつは間違いなくッ!この吉良吉影を脅す気でいる!今撮った『写真』をネタにして、間違いなくこの吉良吉影をゆする気だ!!
取り上げるのだ吉良吉影
「『肖像権』の侵害だぞ美鈴。それに親父のカメラを盗ったということは『窃盗罪』にもあたるな。ん?閻魔の前で堂々と罪を犯すとは・・・なかなかいい度胸じゃあないか?え?」
考える時間を稼ぐのだ吉良吉影。いや・・・まずいぞ。もう『夕方』だ!ひょっとしたらそろそろ『目を覚ます』かもしれない。時間がない。早ければあと10分もしないうちに『目を覚ます』
そう考えると吉良は、無意識の内に己の爪を噛み始めていた。
吉良が爪を噛み始めるのを見て、美鈴はその笑みをさらに深めた。
ふふふ。知ってますよ吉良吉影。貴方は絶望した時に『爪を噛む』癖があるっ!
よくもわたしを散々爆破してくれましたね!これは『復讐』です。赦すことが大切だとか、能天気なことを言う人もいますが、これは私の権利を取り戻すための『復讐』です!『復讐』とは!自分の運命に決着をつけるためにあるのですッ!覚悟しなさい吉良吉影!
「どうした映姫?目の前の犯罪をほったらかしておいていいのか?」
吉良が映姫を引っぺがし言うが、
ふっふっふ。閻魔様に何か言って私を止めてもらおうと考えているのならば無駄ですよ。
この『写真』が欲しいでしょうからね。ほら、「もっと撮りなさい」と目で訴えていますよ。ここにはもう貴方の味方はいません。貴方の助かる道は私に尻尾を振って従うだけです。
美鈴が首からさげたカメラに目をやり、再び写真を撮ろうと顔をあげた
しかし
「なッ!」
すでにそこには吉良吉影はいなかった。
いや、吉良吉影だけではない、映姫の姿もなかった。
「一体何が・・・ってここは!!」
時は数秒前に遡る
映姫に抱きしめられ、すこし間違えれば『修☆羅☆場』が訪れそうなこの状況。『殺人鬼』吉良吉影がこの状況を打破するために使った方法はごくシンプルなものだった。
「映姫」
彼女の名を呼び
「はい?」
美鈴から注意をそらし
カチリ
と
起爆スイッチを押した
ただそれだけのことだった
そして時は現在に戻り
あの世では
「わ、私を殺しましたね!!絶対に生き返ってやりますからッ!!」
吉良に爆破されたと理解した美鈴が憤っていた。
「今度こそ『復讐』をッ!!って、おや?あの特徴的な髪型は・・・」
紅魔館では
美鈴がいないことに気付いた映姫が焦っていた。
「か、カメラがありませんッ!」
もとい、カメラが無くなったことに気付いて焦っていた。
「吉影!貴方今『起爆』させましたね!?」
映姫が吉良に詰め寄るが
「うーむ、どうだったかな?実を言うと君を見ていたからよく覚えていないんだ。一瞬の出来事だったからね。おそらく咲夜の仕業だろう。門番をサボっていたから時間を止めて連れて行かれたに違いない」すっとぼけて誤魔化していた。
『君を見ていたからよく覚えていない』ってことはつまり・・・
『私にこころを奪われた』
ピシィッ!!!
極論に達してしまった映姫は
ビシィッ!!!
と、照れ隠しで吉良を叩いた
悔悟の棒で
「ぐぼあああッ!!」
しかし大罪人である吉良にとって、それは少しばかり重すぎた。
「い、いきなり何をする!?血が出てしまったではないか!」
「あ、すいません。つい嬉しくて」
悔悟の棒にも血がついてしまっている
映姫はそれを拭き取りもせずに懐にしまった
「っと、そんなこと今は関係のない話です!どうして最近こちらへ来ないのですか?理由を言いなさい理由を。それとも外の世界では学校や仕事を休むのになんの理由もいらないのですか?」
映姫にそう詰め寄られ吉良は理由を話し始めた
「フー・・・端的に言うぞ。あのクソ神父のせいだ。プッチがわたしの自動操縦型のスタンドに知性を与えた。そのせいで今わたしのスタンドが行方不明になっているんだ。幸いまだ『謎の爆死事件』といった類のものは起きていないが、何か起きる前に見つけなければならないだろう?だから君のところへ行けなかったのだよ。シアーハートアタック、スタンドの名前だよ、が見つからないかぎり安心して熟睡もできない。そういった理由があったのだ。わかってくれるかい?」
もっとも、ただ単に『行きたくなかっただけ』というのもあるがな。
吉良は心の中でそう付け足した。
「なるほどそうだったのですか。それは困ったことになりましたね」
どうやらうまい具合に表の理由だけで納得してくれたようだ。ふん、信じたいものを信じるのはどこの世界でも変わらないな。お前のところへ行けば何をされるかわかったものじゃあない。この前も食事に何かを混ぜていただろう。君は今のところわたしにとって『平穏な生活』と対極の存在だ。
「そうなんだよ。明日になればリゾット達も協力してくれる予定なんだがね。何かいいアイディアでも持っていたら教えて欲しいね」なかったら帰ってほしいね。
残念ながら私には『探し物を探し当てる程度の能力』なんて便利な力はありませんしね・・・
「あ」
「どうした?何かいい方法でも思いついたのか?」
「浄瑠璃の鏡で過去を見れば、ひょっとしたら何か手がかりが掴めるかもしれませんね」
そういって今度は手鏡を取り出し、それに吉良の左手を写した
「どうです?何か見えますか?」
吉良少し屈み、自分の左手が移っている鏡を見た。
はじめは単なる左手を写していただけだったが、すぐに映像が変わり、そこにはおそらくシアーハートアタックの目で見ているのであろう景色が映し出されていた。
男(プッチ)の後姿が見えるな。なるほど知性を得たところからか。
そして場面は主に紅魔館が映し出され
これは・・・美鈴を爆破したところか。やはり妖怪は頑丈だな。身体そのものを爆弾に変えないかぎりは致命傷を与えることは難しいようだ。美鈴を一発で爆破できたのは幸いだったな。
次に美鈴が爆破され(アーッ!!)
またか。こいつは睡眠障害なんじゃあないのかって疑いたくなるな。確か・・・ナルコレプシーだったか?まぁどうでもいいことだ。生き返ってきたらあの医者に診てもらうように勧めてやるか。いや、強制的に医者のところへ行かざるを得ないようにしてやろう。このわたしを・・・脅迫しようなどと・・・
また美鈴が爆破され(ひえーッ!!)
フー・・・何故寝るのだ?それとも気絶しているのか?ああそうか、シアーハートアタックが一切の眠りを妨げているから疲労が溜まっているのだろう
そしてまた美鈴が爆破された(寝てませんよーッ!!)
待て・・・今こいつは寝ていなかったぞ。
わたしは『眠ったら爆破しろ』と命じたはずだ。
つまり・・・
「知性によって『自我』が成長したということか?」
まったく余計なことをしてくれる神父だ。
おや?あれはわたしの後姿か。む・・・少し背筋が曲がっているな。こうして見ると疲れが溜まっているのがわかるな。やれやれこの件が片付いたらゆっくり休もう。
今はそんなことは重要ではない。確かレミリアは『わたしが居なくなった直後』に爆破が止んだと言っていた。ならば重要なのはここから先か・・・
その後はしばらく吉良の後姿が映し出されていた。
なるほどな。わたしの後をつけていたのか。しかし何のためだ?わたしの下に戻りたかったのか?それとも自分のルーツでも知りたくなったか?
「ん?」
鏡を見ていた吉良は違和感を感じた
「どうかしたのですか?」
「いや、さっきより画質、と言っていいのか?が悪くなった気がするのだが・・・ひょっとしてこれは・・・『独立』していっているということか?」
「そうですね。もうこのスタンドの魂が貴方なしでも存在できるくらいに成長しているのでしょう」
そこからは瞬く間に鏡は曇り始め
「おい」
それから数秒もしないうちに鏡は砂嵐に覆われ、次に綺麗になったときにはそこにはもう吉良本人の左手しか写していなかった。
これ以上はもう見ることはできないというわけか
映像を見終わると、吉良はスッと立ち上がり、映姫に鏡を返した
最後の場面では『森』が写っていたな。
それに何故だかわからないが今はシアーハートアタックの『存在』を感じることができる。
これなら今日中にでも見つけることができるだろう。
そう思い、吉良は部屋を出て、紅魔館の外にでた
さっさと外に出なければいつ彼女が『目を覚まして』来るかわからなかったからだ。
「さてと。わたしはシアーハートアタックがどこに行ったのか大体の見当がついた」
少し伸びをしながらそう言うと吉良は自分の感じている『存在』に近づくため、森へと向かうことにした。するとさもそうすることが当然というかのように映姫が吉良の後ろについてきた。
「そこでだ。一つ質問があるのだが?」
吉良が振り返り、
「はい?なんでしょうか?」
「どうして付いて来るのかね?」
『今日の夕食は何がいい?』とでも聞くかのような軽さで聞いた
「え?」
「は?」
「・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・?」
「い、いえ。一人で探すよりも人数がいたほうが効率がいいでしょう?それに!ああもう何ですかこんな時に!」
どうやら話の途中で携帯(のようなもの)が鳴ったようだった。
ずいぶんとハイテクになっているのだな。こっちの世界に来てからは昔話のイメージが崩されっぱなしだな。
映姫が携帯(のようなもの)を操っているのを見て、吉良は一人そう思っていた。
「なんですか?今取り込み中ですよ?」
映姫は普段より少し声を荒げ応対した
「なんですって!地獄で暴動が起きているのですかっ!!今そちらにエンリコ・プッチがいるでしょう。彼に頼みなさい。彼なら大抵のことは解決できるでしょう。えッ!?彼が元凶ですか!!・・・やはり彼は『天国』へ行ってはならないのですか・・・」
やれやれ、どうやらあの神父はあの世でも厄介ごとを引き起こしているのか。本当に懲りない男だ。ずいぶんと切羽詰った様子だがなんだ?あの神父はそこまで面倒なことをやらかしているのか?外から来たスタンド使い同士ということでそこそこの付き合いはあったが、あまりに面倒ごとを起こすようならこれからの付き合いというのを今一度考えねばならないな。騒動を起こすようなやつと同類と思われたら困る。何より目立ってしまう。
おや会話が終わったようだな。
「で?どうするんだ?まさかまだついてくる気ではないだろう?何か面倒なことを起こされたのだろう?わたしは一人で十分だ」
映姫はしばらくなごりおしそうに吉良のほうを見ていたが
「わかりました。なかなか大変なことになっているようなので今日は帰ります」
そう言って映姫は大急ぎで帰っていった。
「帰ったか。しかしよほどのことのようだな。まぁわたしには関係のないことだろう。さて・・・どうやらシアーハートアタックは森の中にいるようだな。なんとなくあっちの方角にいるような気がする。この吉良吉影の『勘』がそう告げている」
日が暮れる前に終わらせてしまおう
幸いまだ明るい
森へ向かい歩いていると、途中でふしぎな歌が聞こえてきた
せめて天寿をまっとうさせよう~♪
直は早いぜ、素早いぜ~♪
「なんだこの歌は?」
気になって声のするほうに向かってみると、そこには歌を歌っているミスティアがいた
解除をしてもそのまんま~♪
もともとお前の年齢だぁ~♪
「(一体誰に需要があるのだ?こんな歌)」
しばらく見つめていたら、むこうもこちらに気付いたのか話しかけてきた
「『言葉』じゃなくって『心』で理解い~♪
・・・ってあれ?あんた吉良ナントカ。どしたのあんたもどっかに行くの~?」
「ああ、ちょっと森のほうに行こうと思ってね(そういえば『ダチョウ』は首が切れてもしばらく生存できるそうだが・・・鳥の妖怪だったらもっと平気なんだろうな)」
「ふーん。兄貴に会ったらよろしく言っといて(なんだか恐ろしいことを考えている気が・・・)」
「ん?プロシュートもどこかに行ったのかい?(あのキノコ頭の医者ならよろこんで解剖するのだろうな。脳の構造とか、気になるだろうな)」
「さっきパッショーネの人たちと魔法の森のほうへ行ってたよ(何?人の頭見つめて・・・?)」
「そうかい。ありがとう。それじゃあキノコ(頭の医者)に気をつけて」
「あんたもね(キノコ?食中毒?)」
ミスティアと別れ、しばらく歩いていると、吉良は自分が『何かに』確実に近づいていることを感じていた。
吉良が森のほうへ歩いていったのを見て、ミスティアはポケットから無線機を取り出した。
「プロント。兄貴?今行ったよ。え?発音良かった?やった」
森の中を歩きながら、吉良は一人で考えていた
『スタンド使いは引かれあう』らしいからな。きっと自分の『勘』を信じていけばスタンドであるシアーハートアタックにもすぐに出会えるだろう。しかし・・・
吉良はふと、あることが気になった
パッショーネのやつらは何をしているんだ?『明日には終わる』『ヤベー任務』と言っていたな。『任務』が終わって帰るのならば、方向が違う。わざわざ森の中に行くってことは・・・
ここで吉良はひとつの結論に達した
『今から』任務、もしくはまだ任務の『途中』というわけか。その『ヤベー任務』とやらに巻き込まれないうちにさっさと探すか。
「ふぅ・・・こっちの方角であっているだろう」
しかし魔法の森か・・・
「ん?」
そういえば最近だれかが何か言っていたような気がするな
吉良は少し地面に目をむけ、思い出そうとした
「はて?誰だったか?」
まぁいい。今はそんなことよりもシアーハートアタックを探さねば
再び歩き出そうとした時、吉良はあるものを見つけた
「こんなところに・・・『鏡』だと」
木の幹に鏡が取り付けられていた
少し気をとられていると、鏡の中から声が聞こえた
「吉良吉影が入ることを『許可』する」
「なッ!こいつはッ!!」
この状況を何も知らない者が見たら、『神隠し』が起こっただと思っただろう
男が鏡を見た途端に消失してしまったのだから
「ッ!!」
くそッ!!完全に油断していたッ!イルーゾォだな!一体目的はなんだ!?
鏡の中には、リゾットを除く万屋パッショーネのメンバーが揃っていた。
「ペッシ!押さえろ!」兄貴が叫ぶ
「スデに押さえましたッ!!」
「よくやった!成長したな!ペッシ」
吉良はビーチボーイをくらい、あっという間に身動きが取れなくなってしまった。
自由を奪われた吉良は彼らを睨みつけて言った
「ずいぶんなご挨拶じゃあないか?いきなり人を襲うっていうのはイタリアの習慣か何かかい?」
「しょーがねぇだろ。これも『任「離せ―――――っ!!帰せ――――――ッ!!」ったく、人が話しているときに、うるせぇなぁ魔理沙のやつ」
「どうやら先客がいたようだな」
吉良と少し離れたところにはメローネに押さえられている魔理沙の姿があった。
「だから落ち着きなって。オレだって君がいやがることはしたくないんだよ。なぁ、頼むからオレを怒らせないでくれよ。君も『母親』にはなりたくないだろう?」
「おいメローネ!あんまり脅すなって」
みんながメローネと魔理沙に気をとられている間、
吉良は今の己の状況を考えていた
戦うとしてもこいつら全員ではさすがに分が悪すぎるな。ここは様子を見るべきだ。
「そうかたいこと言うなよイルーゾォ。人の1人や2人居なくなったて誰も気付きはしねーよ」
「いや、さすがにそいつが居なくなったら気付くだろう」
「そういうもんか?」
「そーゆーもんだ。だから許可しねー」
「別にリーダーじゃあないんだからおまえの許可はいらないんだけどな」
「ん?なんか言ったか?」
「なんにも」
待てよ?そもそもこいつらの『任務』は一体なんなんだ?
まさかシアーハートアタックが誰かを殺したのかッ!?
「いきなり襲いやがって!!覚えてろよ!特にメローネ!」
「ふー・・・いいねぇその活きの良さ」
いや、違う。それならば魔理沙をわざわざ襲う必要はないわけだ。
わたしと魔理沙を襲っただと・・・共通点はなんだ?
「おい吉良!こいつら爆破してくれ!最悪メローネ一人爆破させればそれでいいぜ!」
いや・・・・・・・・・そもそも『依頼主』は誰なんだ!?私たちを襲って利益のある人物だと・・・くそッ!
「おーい聞こえてるか?」
吉良がイラついていると、ホルマジオが話しだした
「ったくしょうがねーなぁ。おめーらに動かれたらちと厄介だし埒が明かねーから・・・オレらが受けた任務についてちょ―――っとだけ話してやるよ。オレらがなんでおめーらを捕まえたかもよぉ。だから落ち着いて聞ぃてくれよなぁ」
次回予告
シアーハートアタックの存在を感じ、魔法の森へと入っていった吉良吉影だが、その直後何故かリゾット達に襲われてしまった!
彼らの『任務』とは一体!?
そして吉良と魔理沙を襲わせた彼らの『依頼主』の目的とは!?
果たしてシアーハートアタックは吉良の下に戻ることはできるのか!?
次回 悪役幻想奇譚第九話
『吉良吉影は手を汚さない』
お見逃しなく!