『まずったよなぁ…色々とやばいよなぁ…ま、なんとかなるか』
『期待してるよ、皆』
『期待してるよ、皆』
「…なんてあの時言ったけど、流石にこれはちょっと予想外すぎるんだよなぁ…」
顔付きのまやかしの月が照らす会場内の一角、そこに銀髪で小柄、ともすれば小学生くらいに見える…上は軍服、下がパンツのような物だけの少女がそう零す。
この少女の肉体に放り込まれた男の名は…五条悟。特級呪術師の内1人にして、最強と言っても過言ではない存在。
(確かに僕は封印されてた筈、なんだけど…まさかアイツ絡みか…?)
この殺し合いに巻き込まれる前彼は、ハロウィンに勃発した渋谷事変にて、親友夏油傑の身体を使っていた何者かの策により、呪具である獄門疆内へと封じ込まれ出られなくなっていた。
…袂を分かち呪詛師へと堕ちて、呪いの言葉を吐かず喉の奥につっかえさせたまま、自分の手で引導を渡したとはいえ…それでも、五条悟という男にとって夏油傑はたった一人の親友だ。
その親友が、亡骸を掘り起こされどこの誰とも知れぬ者に使われ尊厳を壊されている現状を思い出し…自然と表情が険しくなる。
…袂を分かち呪詛師へと堕ちて、呪いの言葉を吐かず喉の奥につっかえさせたまま、自分の手で引導を渡したとはいえ…それでも、五条悟という男にとって夏油傑はたった一人の親友だ。
その親友が、亡骸を掘り起こされどこの誰とも知れぬ者に使われ尊厳を壊されている現状を思い出し…自然と表情が険しくなる。
(…この殺し合いってのがアイツ絡みの案件なら、獄門疆の中に僕を入れたまま精神だけをこの娘に入れるくらいならしてそうだけど…そんな事出来るのかな?
獄門疆から取り出して…ってのも考えれるけど、封印するって形で無力化を図ったアイツが、わざわざ僕が行動可能になる瞬間を作った結果、全部ひっくり返される可能性を考えないってのは…まあしないでしょ。
獄門疆から取り出して…ってのも考えれるけど、封印するって形で無力化を図ったアイツが、わざわざ僕が行動可能になる瞬間を作った結果、全部ひっくり返される可能性を考えないってのは…まあしないでしょ。
……それならそれで、アイツが気付かない内に獄門疆から僕が引っ張り出されてこうなったか、或いは獄門疆ごと僕が魘夢達に拉致られた事になるけどね。
もしくは…この身体と精神の入れ替えが、何らかの術式を使って行われてるってのもあり得るな。それなら魘夢達側にいそうなその術者を叩ければどうにか出来る可能性はある。
もしくは…この身体と精神の入れ替えが、何らかの術式を使って行われてるってのもあり得るな。それなら魘夢達側にいそうなその術者を叩ければどうにか出来る可能性はある。
後は…僕の本来の身体が、主催側か他の参加者か、誰かしらに奪われてるかも…ってのも頭には入れとこう)
「…うーん、やっぱりかなり不味いな、これ」
「…うーん、やっぱりかなり不味いな、これ」
思考を取り纏め現状への危機感を持ちながら、とりあえず悟は支給品を確認した後にタブレット内にある肉体側のプロフィールを見る事とする。
「……聞き覚えが全くない単語だらけで構成された、僕の知らない過去の時代の…第二次世界大戦の話なんだけど」
少女の…エディータ・ロスマンのプロフィールを一通り読み込んだ悟はそう、率直な感想を呟いた。
(まず『ウィッチ』とか、『ネウロイ』とか、『ストライカーユニット』とか『シールド』とか『固有魔法』とか…全く聞き覚えのない単語ばっかりが載ってる。そして色々とギスギスしてるらしいけど、人間同士の戦争をやらずにネウロイ相手に手を組んで戦ってると来た。
本当に過去に起こった事なら…表向きなら隠蔽もあり得るけど、流石に呪術界にも何かしら痕跡が残ってる筈なのにねえ。僕が知らないのはおかしな話だ)
「…と言うか、どう見てもパンツでしょ。これは」
本当に過去に起こった事なら…表向きなら隠蔽もあり得るけど、流石に呪術界にも何かしら痕跡が残ってる筈なのにねえ。僕が知らないのはおかしな話だ)
「…と言うか、どう見てもパンツでしょ。これは」
またプロフィールの末文にはパンツのような物はズボンと呼称されており、パンツという概念は存在しないと書かれていた。
解せないという表情を浮かべつつ、悟は再び思考をする。
解せないという表情を浮かべつつ、悟は再び思考をする。
(僕の知ってる歴史との齟齬…ひょっとしてあれか?この支給品の説明に書いてた『ミラーワールド』とか、後デジモンで云うところの『デジタルワールド』とかそんな感じの…別世界って奴。そもそも僕らと別の世界なら…だいたい全部に説明付くんじゃないかって思うんだよね)
自分達の世界とこの身体の少女の世界は別の異世界なのでは?と考えた悟は、先程確認した支給品…仮面ライダータイガのデッキを手に取る。
(ミラーワールドは勿論、『ミラーモンスター』や『仮面ライダー』、『ライダーバトル』って単語にも聞き覚えは無いしね。鏡の中に入り込む術式や呪霊はありそうではあるけど…)
「術式ではない、僕が知らない未知の何かで入れ替えを行ったかも知れないなぁ…まあとりあえず、別の世界の話って考えた方が良さそうだ」
「術式ではない、僕が知らない未知の何かで入れ替えを行ったかも知れないなぁ…まあとりあえず、別の世界の話って考えた方が良さそうだ」
暫定的な結論を出した悟は、次に身体を動かそうと試みる。元の身体で使えていた体術が、この小さな少女の身体でも使えるかを試す為に。
「うーん、軍人なだけはあって、動かす事自体は可能…だけど、書いてた通り、体力は少なめっぽいからあまり無理出来ないな…それに元の僕の身体と比べると身長差があるから、慣れる必要がある」
大病により身長が伸びず体力も不足気味と書かれていた事を思い出しつつ、そう悟は体力の消耗を感じ呟く。身長差については悟の元の身体の身長は190~191cm程なのに対して、今の身体であるロスマンの身長は150~151cmとかなりの差がある。その為に多少動かしづらさを感じているのであった。
とはいえ多少で済む辺り、悟の適応力の高さが伺える。
とはいえ多少で済む辺り、悟の適応力の高さが伺える。
「…さてと。ざっとだけど確認もした事だし、教え子達が巻き込まれてないか探しに……っと、ひとつ忘れてた」
殺し合いに反抗すると決め、自分が後を託した教え子達を探しに行動しようとした悟であったが、なにか思い出した様子で……タブレットの中にあったルールをもう一度読み直した後に、手鏡を取り出す。
(…思った通り写ってるね。こっちの様子は見えてるだろうけど…一応自己紹介くらいはしとこうか)
意思のある類の支給品も、参加者同様に精神を入れ替えられてるというルールを思い返した悟は、手鏡に写り込んだ白虎の怪物に呼びかける。
「聞こえてるなら手でも挙げてねー…お、大丈夫みたいだ。じゃ自己紹介するよ…僕は五条悟。こんなちっちゃい女の子の身体に入れられちゃったけど、特級の呪術師だ。先生もやらせて貰ってる。
早速で悪いけど…君は殺し合いに抗うつもりはあるかい?あるなら…是非力を貸して貰いたいんだ。この子の身体は…体力が無いからねぇ」
早速で悪いけど…君は殺し合いに抗うつもりはあるかい?あるなら…是非力を貸して貰いたいんだ。この子の身体は…体力が無いからねぇ」
手を挙げてる怪物を見て、とりあえず話は聞こえてて、通じる可能性があると判断した悟は単刀直入に話し、ダメ元で頼む。
(元は一般人とかだったら…まあ断るだろうけど、それも仕方ないか)
怪物は即断し、頷こう…としたのか、首を少し動かした。
「いいの?じゃ…よろしく。不安もあるだろうけど安心してよ…僕、最強だからさ」
(戦意があるのは有り難いけど…さて、危険人物じゃなきゃいいなぁ)
(戦意があるのは有り難いけど…さて、危険人物じゃなきゃいいなぁ)
そう声をかけた後、今度こそ悟は散策へと向かった。
【五条悟@呪術廻戦】
[身体]:エディータ・ロスマン@ブレイブウィッチーズ
[状態]:健康、疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、タイガのカードデッキ@仮面ライダー龍騎、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:殺し合い?乗るわけないでしょ。
1:とりあえず周りを探してみる。教え子達が巻き込まれてないか心配だ。
2:へぇ、この子(ロスマン)も先生なんだ。この子の教え子や仲間が居たら探すのもありかもね。
3:飛べないのは不便だしストライカーユニットっての、あったら探そうか。
4:あの怪物に入れられたのが危険人物じゃないといいんだけど…。
5:主催側が使ったのは精神と肉体を入れ替える術式か、或いは未知の何かか…。
6:最悪の場合は僕の身体が奪われ使われてるかもとも考えとく。
[備考]
※参戦時期は91話の「渋谷事変⑨」にて、完全に獄門疆に封印された後からです。
[身体]:エディータ・ロスマン@ブレイブウィッチーズ
[状態]:健康、疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、タイガのカードデッキ@仮面ライダー龍騎、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:殺し合い?乗るわけないでしょ。
1:とりあえず周りを探してみる。教え子達が巻き込まれてないか心配だ。
2:へぇ、この子(ロスマン)も先生なんだ。この子の教え子や仲間が居たら探すのもありかもね。
3:飛べないのは不便だしストライカーユニットっての、あったら探そうか。
4:あの怪物に入れられたのが危険人物じゃないといいんだけど…。
5:主催側が使ったのは精神と肉体を入れ替える術式か、或いは未知の何かか…。
6:最悪の場合は僕の身体が奪われ使われてるかもとも考えとく。
[備考]
※参戦時期は91話の「渋谷事変⑨」にて、完全に獄門疆に封印された後からです。
【タイガのカードデッキ@仮面ライダー龍騎】
仮面ライダータイガに変身可能なカードデッキ。
カードデッキの内訳はアドベント、ストライクベント、フリーズベント、リターンベント、ファイナルベントの5枚から。
仮面ライダータイガに変身可能なカードデッキ。
カードデッキの内訳はアドベント、ストライクベント、フリーズベント、リターンベント、ファイナルベントの5枚から。
(…特級の、呪術師?とか言われてもな…身体のせいでどうしても小学生くらいの女の子にしか見えない…大丈夫か?)
そう思考する怪物、デストワイルダーの精神に入れられた男の名は城戸真司。
紆余曲折の末、ライダーバトルを止めたいと自らの叶えたい願いを見つけたものの、直後に命を落した筈の青年。
今自らの身体になっているミラーモンスター…の元の契約者であり、タイガに変身していた東條悟とはそれなりに因縁があった。
紆余曲折の末、ライダーバトルを止めたいと自らの叶えたい願いを見つけたものの、直後に命を落した筈の青年。
今自らの身体になっているミラーモンスター…の元の契約者であり、タイガに変身していた東條悟とはそれなりに因縁があった。
(…なんで死んだ筈の俺が、こいつの身体に入ってるか…さっぱりだけど。とりあえず、こんな殺し合いに乗る気はなさそうだから…俺もこいつに、五条に協力したい。
やっぱり、こんな馬鹿げた戦いは…止めないと)
やっぱり、こんな馬鹿げた戦いは…止めないと)
そう思いつつも真司は、この殺し合いに招かれる前の事を思い返す。
『だったら生きてその願いを叶えろ!死んだら…終わりだぞ!』
『お前こそ生きろ!城戸…死ぬな!死ぬな!』
『お前こそ生きろ!城戸…死ぬな!死ぬな!』
(…本当、お前が俺にそんな事、言ってくれるなんてな…蓮)
秋山蓮、目覚めない恋人の為にライダーバトルに参加した青年。
城戸真司が最後に、なるべく生きて欲しいと願った男。
城戸真司が最後に、なるべく生きて欲しいと願った男。
(…これはライダーバトルとは違うけど、俺の願いは変わらない。
…あの魘夢達は神崎士郎みたいに、浅倉や東條みたいな危険な奴も参加させてると思う。そんな奴らを…倒して止めなくちゃな)
…あの魘夢達は神崎士郎みたいに、浅倉や東條みたいな危険な奴も参加させてると思う。そんな奴らを…倒して止めなくちゃな)
蓮が巻き込まれてない事を願いつつ、懸念を考えながら真司はそう決めた。
[意思持ち支給品状態表]
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
[身体]:デストワイルダー@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康
[思考・状況]基本方針:五条に協力して、このこの殺し合いを止める。
1:こんな馬鹿げた殺し合い、止めなくちゃな。
2:蓮…巻き込まれてないといいけど。
3:浅倉や東條みたいな危険な奴が居たら、五条と一緒に戦って倒して止める。
[備考]
※参戦時期は死亡後からです。
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
[身体]:デストワイルダー@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康
[思考・状況]基本方針:五条に協力して、このこの殺し合いを止める。
1:こんな馬鹿げた殺し合い、止めなくちゃな。
2:蓮…巻き込まれてないといいけど。
3:浅倉や東條みたいな危険な奴が居たら、五条と一緒に戦って倒して止める。
[備考]
※参戦時期は死亡後からです。
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