「あちゃー……とうとう『茅森月歌』でさえなくなっちゃったか」
支給された手鏡に移る自分の姿を見ながら、茅森月歌は呟いた。
「ユッキーとふざけて君の〇はごっこしたことはあるけど、まさかこんなことになるとはねぇ」
肉体の入れ替わりとは関係なく、この茅森月歌は茅森月歌であって彼女本人ではない。
外宇宙生命体ナービィが本当の茅森月歌の死体をコピーして生まれたヒト・ナービィである。
ヒト・ナービィ故に同じく外宇宙生命体……こちらは侵略者であるキャンサーと戦う唯一の手段、セラフを使うことができる少女を集めたセラフ部隊。
その切り込み隊「31A」の部隊長……それがこの茅森月歌だ。
その切り込み隊「31A」の部隊長……それがこの茅森月歌だ。
「ま、あたしはあたしだ。どんな姿でも、な」
ヒト・ナービィの特徴として、一種の環境適応能力がある。
それは簡単に言えば「不自然な状況でも気にしない」という特性。
それは簡単に言えば「不自然な状況でも気にしない」という特性。
いきなりキャンサーとの戦場に放り込まれても多少の困惑こそあれど戦えるし、自分の正体に気づきかねない違和感……たとえば西暦のズレや滅びかけの世界のはずなのに数ヶ月前まで普通にライブ開催していた記憶があるなどといった矛盾に気づけない。
「あんまり混乱してないのもヒト・ナービィだからかもしれないけど……それを含めてあたしだから」
自分の体……ピンクの髪、体格は小柄でふわふわした感じの、自分とは似ても似つかない体。それでも心は、魂はここにある。
ユキが、月歌の歌に籠もっていると言ってくれた魂が。
ユキが、月歌の歌に籠もっていると言ってくれた魂が。
「とりあえず、この体について調べてみるか」
なにはともあれ、月歌はタブレットで自分の肉体の情報を確認する。
「なんかよく分からん謎の外敵に世界滅ぼされかけてて、通常兵器がほぼ効かないから、選ばれた女の子にしか使えない武器で戦ってて、色んな部隊があって、そのうちの一つのリーダー……ってウチらのパクリじゃん!!」
彼女の親友がいれば「いやいやそんくらいよくある設定だよ!?箇条書きマジックだよ冤罪だよ!つーかなんなら多分アタシらの方が後輩だし後追いだよ!似たようなくだり31AB!の時も言ったわ!それとほぼほぼ確定とはいえ一応まだアタシらのセラフは女性にしか使えないと決まったわけじゃないからな!」などとキレがありつつも癖のあるツッコミをしてくれたことだろう。
閑話休題。
「一柳梨璃……じゃあリーリーか」
一柳梨璃。ヒュージという謎の生命体に滅ぼされかけた世界で戦う少女……リリィ。月歌の言うように、彼女と月歌の世界は同じような境遇にあるようだ。
「ここでえっ、異世界?どういうこと?とか言わなくていいのがヒト・ナービィの良いところだよな、流石ベテランは設定段階から手の抜きどころが分かってる、うんうん」
そう頷きながら歩いていると……
「梨璃すぅわぁああああんん!!」
「その声は……蔵っち!?」
死んだはずの戦友の声がした方向を向くと、見覚えのある紫色の髪の大人っぽい少女……蔵里見がいた。
「って、中身は蔵っちじゃないんだっけ……いやにしてもなんでその体が無事なの!?」
「な、なんですのそのサバサバ感のある喋り方!?梨璃さんはもっと愛らしい、鈴の音の転がるようなお声の方のはず!?」
「いやー、それはお互いさまでしょ。あたしからしたら蔵っちがお嬢様喋りしてる方が不自然だし。でも蔵っちがわざと高い声出したらそんな風な声なんだろうな、ってなぜか謎の納得があるなぁ」
奇しくも、蔵里見の中にある魂……楓・J・ヌーベルは、月歌の肉体、一柳梨璃の仲間であった。
◆ ◆ ◆
「つまり、月歌さんは31Aというレギオンのリーダーだったのですわね」
「レギオンとは呼ばれてなかったけど……まぁそんな感じ」
「ヒュージとは別の脅威が現れた異世界……何回かそういった方ともお会いしましたが、やはり困惑してしまいますわね」
「へぇ、そんなソシャゲのコラボみたいに異世界の人がポンポン遊びに来てたんだ」
あの後、「きぃいいい!!梨璃さんの体を乗っ取るなんて羨まし……ゲフンゲフン!!納得いきませんわーー!!いえ、でも普段と違う梨璃さんもこれはこれで……グヘヘヘ」と騒ぐ楓を落ち着かせてから、二人は簡単な情報交換をした。
流石に月歌が人間ではないこと、蔵里見が既に死んでいることまでは言わなかったが。
ナービィの性質……他の誰かの死体からその人物をコピーするというのはひょっとしたらこの殺し合いとも何か関係があるかもしれない、とは思ったが、それをいきなり話しても困惑するだけだろうし、何より悪い相手じゃなさそうとはいえ月歌自身が話したくなかった。
「そして月歌さん、貴女はこの体の持ち主……蔵里見さんともお知り合いなのですわね」
「うん、蔵っちはめっちゃ強かったし、体も動かしやすいでしょ?」
「ええ、軽い運動しかしていませんが、元の私に勝るとも劣らない反応です……そしてなにより!!」
「わっ!?」
急に大事で叫ぶ楓に驚く月歌。なんか心なしかデ!デデデ!!とクラシックバレエ風のBGMが聞こえてきた気がする。
「お慕いしている女性に振り向いてもらえない悲恋!」
「あ、もなにゃんのこともタブレットに書いてあったんだ」
「私も梨璃さんが夢結様のことばかり見ていて、毎夜枕を涙で濡らしているので、その気持ちが痛いほど分かります!きっと私がこの体に入ったのは運命ですわ!」
「ま、まぁ蔵っちならノリの良いツッコミこそすれど嫌がりはしなさそう」
本人がいれば「いやいや普通に嫌だよ別にその子が嫌とかじゃなくて他人が自分になるのは一般論として嫌だよ!お前はあたいをなんだと思ってるんだい!?」とノリが良くも癖のあるツッコミをしてくれたことだろう。
「しかし、貴女は気にならないんですの?」
「え、なにが?」
「ご友人の体を私が、別人が動かしていることについてです。正直、私は梨璃さんの愛らしい体に他の方の精神が入っているなどと考えたら腸が煮えくり返りそう……ああっ、梨璃さんの体でそんな脚を開いた座り方しないでくださいまし!!」
「うーん、そう言われてもなぁ、仕方ないんじゃない?」
(ヒト・ナービィ自体がそんな感じだしなぁ)
勝手に人の体を使って、その人自身かのように振る舞う。ヒト・ナービィ自身がそういう存在だ。だからそこに文句を言う資格は自分にはないと思うし、そもそも言う気もなかった。
そもそも論として、楓の入っている蔵里見の体が月歌の知っているセラフ部隊の蔵里見なのか本当の蔵里見なのかだって分からないのだ。体の反応が良いとかタブレットに最中のことが書いてあった、ということはセラフ部隊の方だとは思うが。
そもそも論として、楓の入っている蔵里見の体が月歌の知っているセラフ部隊の蔵里見なのか本当の蔵里見なのかだって分からないのだ。体の反応が良いとかタブレットに最中のことが書いてあった、ということはセラフ部隊の方だとは思うが。
「私だってこれで貴女を責めるのが筋違いだというのは分かっておりますけど、気持ちの問題ですわ気持ちの」
しばらく「ほら梨璃さんの御御足をお閉じなさいな!と、抑えつけるフリをして合法的に梨璃さんの下着を……グヘヘヘ」「ぎゃーー!!蔵っちの体でセクハラされるとアソコなぞられたトラウマが蘇るーー!!」などと騒いだ後、楓は座り方の矯正とセクハラを諦めたようにため息をついた。
「とにかく、私はこんな悪趣味な催しに手を貸すつもりはありませんわ」
「あたしだってそんなことしないよ。ロックじゃないからね」
「ロック、ですか……そういえば、貴女はミュージシャンとも名乗っておりましたね」
「そう、SHE IS LEGEND……って、異世界じゃ知らないか」
戯けた口調で言う月歌だが、楓はふっ、と真剣な眼差しになる。
「月歌さん、貴女は何か隠していますわね?」
「え?そりゃまぁ話してないことはあるけど、じゃあまずあたしのスリーサイズとかから……」
「会ったばかりの相手に言えないことがあるのは分かりますわ。しかし月歌さん、同行するにあたって一つだけ確認させてください」
楓は自分たちの頭上に浮かぶ月……自分たちに殺し合いを強要させる『力』を見上げてから、月歌の方に向き直った。
「魘夢という少女の言っていたこと……どんな願いでも叶える、ということについて」
「あー、ありがちだよね、玉を7つ集めるとか貯金箱を一杯にするとか……」
「私は真剣な話をしてるんですの」
まっすぐな瞳で月歌を見据える楓。ちゃらんぽらんな性格の月歌だが、ふざけているような雰囲気ではないことを感じて真面目な顔つきになる。
「もしも、この殺し合いに優勝したら、貴女の世界……察するに私たちよりもっと追い詰められている世界を救えるとしたら……貴女は、その誘惑に打ち勝てますか?」
「願いが叶う……世界を救う、か」
目を閉じる。深く息を吐きながら思い出す。死んだ仲間たちのことや……平和だった頃の、自分じゃない自分……本当の茅森月歌の記憶。母親と海へ行った日のこと。
「こんなこと言うと、怒る人もいるかもしれないけど……私は世界を救いたいんじゃない……そう、救世主になりたいわけじゃないんだ」
救世主になることことが自らのアイデンティティであった仲間のことを思い出す。それから、他の仲間のことも。
「ただ、大切な人たちと一緒にいたいだけ」
『月歌!』『月歌さん!』『茅森!』
滅びかけの世界。本当は自分は茅森月歌なんかじゃなくて、ただ戦うだけの道具だった。そんな自分が戦う意味なんかないのかもしれない。でも、それでも戦えるのは仲間がいたからだ。悪夢でもいい。仲間と過ごした記憶は、素晴らしいから。
そう思うと、自然とかつて作詞した曲のフレーズが浮かんできた。
「どうかそばにいて。こんな悪夢も、狂おしいほど愛してた」
「え?」
突然歌い出した月歌に面食らったような顔をする楓。
「そんな方法で世界を救っても、私は、私が一緒に生きていたい人たちと一緒にいられなくなる……だから、いいんだ」
「そう、ですか」
月歌の目をまっすぐ見ていた楓だが、その目以上に……魂の籠もった歌声で、月歌の言葉が本心であることが分かった。
「ふざけただけの方かと思っておりましたが、評価を改めますわ、月歌さん。梨璃さんの体も預けておきます」
「やった!カエーデの好感度が上がった!」
「カエーデ……ってひょっとしてそれ私のことですの!?」
【茅森月歌@ヘブンバーンズレッド】
[身体]:一柳梨璃@アサルトリリィ
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:こんな馬鹿げた殺し合いなんてさっさと止めてみんなの所へ帰る
1:カエーデと一緒に行動する。
2:31Aのみんなも来てたりするのかなぁ
3:魂と肉体の入れ替わり、あたしたちヒト・ナービィ、死んだはずの蔵っちの体……うーん、ユッキーか覚醒つかさっちがいたら考えてもらおう!
[備考]
※4章前編からの参戦です。後編?微課金なんでまだストーリー読めてねぇんだよ!!
[身体]:一柳梨璃@アサルトリリィ
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:こんな馬鹿げた殺し合いなんてさっさと止めてみんなの所へ帰る
1:カエーデと一緒に行動する。
2:31Aのみんなも来てたりするのかなぁ
3:魂と肉体の入れ替わり、あたしたちヒト・ナービィ、死んだはずの蔵っちの体……うーん、ユッキーか覚醒つかさっちがいたら考えてもらおう!
[備考]
※4章前編からの参戦です。後編?微課金なんでまだストーリー読めてねぇんだよ!!
【楓・J・ヌーベル@アサルトリリィ】
[身体]:蔵里見@ヘブンバーンズレッド
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:こんな悪趣味な催し、私が止めてみせますわ!
1:月歌さんと同行しますわ。
2:まずは協力者を集めたいですわね、一柳隊の皆さんはこんなことに巻きこまれて欲しくはありませんが。
3:サバサバした感じの梨璃さん……ああっ、これがギャップというやつですのね!!
[備考]
※アニメ本編終了後からの参戦です。ラスバレのコラボシナリオは経験済なのを匂わせましたが、流石に高町なのはや立花響などと知り合いかまでは後続に任せます。
[身体]:蔵里見@ヘブンバーンズレッド
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:こんな悪趣味な催し、私が止めてみせますわ!
1:月歌さんと同行しますわ。
2:まずは協力者を集めたいですわね、一柳隊の皆さんはこんなことに巻きこまれて欲しくはありませんが。
3:サバサバした感じの梨璃さん……ああっ、これがギャップというやつですのね!!
[備考]
※アニメ本編終了後からの参戦です。ラスバレのコラボシナリオは経験済なのを匂わせましたが、流石に高町なのはや立花響などと知り合いかまでは後続に任せます。
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