『ガシャアン』
「……………は?」
『夏油傑』
その名前を見た瞬間に、五条悟の脳内に再び3年間の青い春が溢れ出す。
その名前を見た瞬間に、五条悟の脳内に再び3年間の青い春が溢れ出す。
彼は今、初回放送でデータが配布された精神側の参加者名簿の内容を確認していた。
放送は散策していた途中で突如として始まったため、そちらの確認の方を優先した。
そこで彼は見つけてしまった。
ここに来るほぼ直前にも肉体だけは目撃した、かつて自分自身が手にかけた「親友」の名前を。
その名前を見た後、五条悟は少しの間放心していた。
それが誰のものかをはっきり理解した次に五条悟の中には、大いなる怒りも駆け巡った。
それは前述したような肉体を…別の誰かがその死体を乗っ取って活動している姿を見た時と同じようなものだった。
自分を獄門疆に封印した奴と同じように、この殺し合いの主催陣営も夏油傑の尊厳を踏みにじっているように感じた。
放送は散策していた途中で突如として始まったため、そちらの確認の方を優先した。
そこで彼は見つけてしまった。
ここに来るほぼ直前にも肉体だけは目撃した、かつて自分自身が手にかけた「親友」の名前を。
その名前を見た後、五条悟は少しの間放心していた。
それが誰のものかをはっきり理解した次に五条悟の中には、大いなる怒りも駆け巡った。
それは前述したような肉体を…別の誰かがその死体を乗っ取って活動している姿を見た時と同じようなものだった。
自分を獄門疆に封印した奴と同じように、この殺し合いの主催陣営も夏油傑の尊厳を踏みにじっているように感じた。
(………いや、それこそやはり、あの時のアイツも関わっている可能性がより考えられるんじゃないか?)
時間が経って五条は少し冷静さを取り戻す。
そして死者であるはずの夏油傑がこの殺し合いに巻き込まれている理由を考え始める。
そして死者であるはずの夏油傑がこの殺し合いに巻き込まれている理由を考え始める。
前に夏油の死体が乗っ取っている何者か(今の五条は知らぬ名だが、羂索という)と出会った時、五条悟の呼び掛けに対し夏油の肉体が反応したかのような現象が見れた。
※以下、一々夏油傑の肉体を乗っ取っている者と呼ぶのもくどいので、地の文では羂索と表記する。
その時の夏油の体は、その体を動かしている羂索の意思に反して自分で首を強く絞めた。
まるで夏油傑の意思が、その体にまだ残っているかのようだった。
羂索本人も、こんなことは始めてだと言っていた。
だからもしかしたら、羂索がその肉体を完全にモノとするために、残っていた夏油の精神を何らかの方法で引きずり出してこの殺し合いに参加させたのではないか。
そんな考えが、五条の脳裏に浮かんでいた。
※以下、一々夏油傑の肉体を乗っ取っている者と呼ぶのもくどいので、地の文では羂索と表記する。
その時の夏油の体は、その体を動かしている羂索の意思に反して自分で首を強く絞めた。
まるで夏油傑の意思が、その体にまだ残っているかのようだった。
羂索本人も、こんなことは始めてだと言っていた。
だからもしかしたら、羂索がその肉体を完全にモノとするために、残っていた夏油の精神を何らかの方法で引きずり出してこの殺し合いに参加させたのではないか。
そんな考えが、五条の脳裏に浮かんでいた。
なお、本当のところは羂索が乗っ取っている夏油の体には夏油の精神が残っていた訳ではないようであった。
あの時夏油の体が勝手に動いたのは、首のもげたトンボが動いたようなものらしい。
つまり、前述のような考察の意味は全く無い。
それでもやはり、死んだはずの親友が生きてこの舞台の上にいるかのような情報を見たことによる動揺は、まだ彼の中には残っていた。
あの時夏油の体が勝手に動いたのは、首のもげたトンボが動いたようなものらしい。
つまり、前述のような考察の意味は全く無い。
それでもやはり、死んだはずの親友が生きてこの舞台の上にいるかのような情報を見たことによる動揺は、まだ彼の中には残っていた。
(……何にしても、この傑には直接会って確かめるしかないか)
結局のところ、夏油傑本人に出会わなければ何故死んだはずの彼がここにいるかの真実は分からないままだ。
しかし、その彼もまたこの殺し合いにおいてはその姿を変えられており、捜索は困難だ。
先の放送では顔写真付きの組み合わせ名簿を次の放送までに誰かを殺害できたらデータを配布すると発表されたが、それを狙うことを簡単に決める訳にもいかない。
もし、自分が殺害しても問題無さそうな者に遭遇できたなら、話は変わりそうだが。
例えば、余程の危険人物とか。
しかし、その彼もまたこの殺し合いにおいてはその姿を変えられており、捜索は困難だ。
先の放送では顔写真付きの組み合わせ名簿を次の放送までに誰かを殺害できたらデータを配布すると発表されたが、それを狙うことを簡単に決める訳にもいかない。
もし、自分が殺害しても問題無さそうな者に遭遇できたなら、話は変わりそうだが。
例えば、余程の危険人物とか。
「………傑、できるならお前とは…」
五条悟の中には、夏油傑とは戦いたくない気持ちがあった。
こんなろくでもない殺し合いを始めるような奴らの言いなりになってほしくないと思っていた。
できることなら、あの頃のように共に並び立ちたいと感じていた。
今の別人の身体を使っている状態の自分と彼で、かつてのような"最強"になれるかは怪しくてもだ。
……自分1人だけで"最強"になってしまい、あんな別れ方をした後でこんな考え方をするのは虫のいい話かもしれない。
それでも、五条悟はあの頃の青い春を忘れられなかった。
こんなろくでもない殺し合いを始めるような奴らの言いなりになってほしくないと思っていた。
できることなら、あの頃のように共に並び立ちたいと感じていた。
今の別人の身体を使っている状態の自分と彼で、かつてのような"最強"になれるかは怪しくてもだ。
……自分1人だけで"最強"になってしまい、あんな別れ方をした後でこんな考え方をするのは虫のいい話かもしれない。
それでも、五条悟はあの頃の青い春を忘れられなかった。
◇
「まさか、真希もいるとはね」
夏油の名を見たことによる動揺はまだ残っていながらも、五条は名簿の中から他の知り合いがあるかどうかを確認する。
そこで、彼は自分の生徒の名を1つ見つけた。
そこで、彼は自分の生徒の名を1つ見つけた。
「……って、うっわ、他にも禪院家がいるのかよ。流石に全員集合じゃないけどさあ」
名簿には自分の生徒である禪院真希の他にも、同じ禪院家の呪術師の名前が3つ存在していた。
なお、その内1人は先の初回放送までの間に死亡してしまったようだったが。
なお、その内1人は先の初回放送までの間に死亡してしまったようだったが。
「あちゃあ…こりゃあ、真希への嫌がらせつもりか?確かクソ親父とか言っていた奴までいるし」
禪院真希と彼女が生まれた禪院家は、はっきり言ってその関係性は最悪と言える。
禪院家は呪術界において、五条悟が当主を務める五条家とも並んで御三家と称される程の呪術の名門だ。
そんな家に禪院真希は、呪術を全く扱えない身体で生まれ、落ちこぼれと扱われて酷く冷遇された。
禪院家野中では呪術師では無いものは人として扱われない、そう言えば彼女が生まれた家でどれほど酷い扱いを受けて来たかは想像に難くないだろう。
ここでの名簿には確か彼女の父親である禪院扇の名も記されているが、その親子関係もまた最悪のもののだったはずだ。
禪院家は呪術界において、五条悟が当主を務める五条家とも並んで御三家と称される程の呪術の名門だ。
そんな家に禪院真希は、呪術を全く扱えない身体で生まれ、落ちこぼれと扱われて酷く冷遇された。
禪院家野中では呪術師では無いものは人として扱われない、そう言えば彼女が生まれた家でどれほど酷い扱いを受けて来たかは想像に難くないだろう。
ここでの名簿には確か彼女の父親である禪院扇の名も記されているが、その親子関係もまた最悪のもののだったはずだ。
それに禪院家は他に、五条家と仲が非常に悪いという問題もある。
これは今の世代よりもずっと前から存在する問題だ。
五条悟自身も前述のような立場の真希を呪術師として教え育てようとしているから尚更だ。
この殺し合いにおいて、彼らと真っ当に協力できるかどうかも正直怪しいところだ。
(五条悟視点では)現当主である直毘人だったらまだ話はできるかもしれないが、いない者のことを考えても仕方ない。
これは今の世代よりもずっと前から存在する問題だ。
五条悟自身も前述のような立場の真希を呪術師として教え育てようとしているから尚更だ。
この殺し合いにおいて、彼らと真っ当に協力できるかどうかも正直怪しいところだ。
(五条悟視点では)現当主である直毘人だったらまだ話はできるかもしれないが、いない者のことを考えても仕方ない。
「とりあえず真希とは合流を目指そう。向こうの現状も気になる所だしね」
禪院家の他2人はともかくとして、自分の生徒のことは一応心配していた。
本来の真希だったらこんなところでも自分でどうにかできるだろうと信頼できるが、誰の身体かも分からない状態ではちょっと怪しいところが出てくるかもしれない。
彼女を導くためにも、ここは合流を目指した方が良いだろう。
他の生存している2人については…まあ、話が通じることを祈るしかないだろう。
本来の真希だったらこんなところでも自分でどうにかできるだろうと信頼できるが、誰の身体かも分からない状態ではちょっと怪しいところが出てくるかもしれない。
彼女を導くためにも、ここは合流を目指した方が良いだろう。
他の生存している2人については…まあ、話が通じることを祈るしかないだろう。
◇
『……チラッ チラッ』『ウズ ウズ』
「あっ、そうか。君も確認したいか」
「あっ、そうか。君も確認したいか」
五条が近くに置いていた手鏡…そこに映し出される鏡の世界、ミラーワールドから1体のミラーモンスターが顔を覗かせる。
そのミラーモンスター、デストワイルダーに精神を宿らさせられた城戸真司が、その場所から自分もタブレット内の画面を見たいかの様子を見せる。
また、他にも何か言いたそうでもあった。
今の真司は声を出せないため、身振り手振りだけで自分がしたいことを表すしかない。
最初に夏油傑の名前を見つけた時、五条はその精神的衝撃の大きさにより少し真司の方にまで気をかける余裕がなかった。
だから、今からようやく名簿を真司の方にも見せることになる。
そのミラーモンスター、デストワイルダーに精神を宿らさせられた城戸真司が、その場所から自分もタブレット内の画面を見たいかの様子を見せる。
また、他にも何か言いたそうでもあった。
今の真司は声を出せないため、身振り手振りだけで自分がしたいことを表すしかない。
最初に夏油傑の名前を見つけた時、五条はその精神的衝撃の大きさにより少し真司の方にまで気をかける余裕がなかった。
だから、今からようやく名簿を真司の方にも見せることになる。
五条はタブレットの画面を鏡像の先にいる真司に見えるように向ける。
なおタブレットを持つのと、名簿上の名前への指差しで両手を使うため、先ほどのような手鏡を持ってのやり方は使えない。
そのため五条は近くにあった建物の側まで移動し、そこにあったガラスに映る鏡像にデストワイルダー姿の真司がいることを確認する。
そしてそこでタブレット画面を真司に見せることにした。
五条悟はまず名簿の中から自分の知っている名を教え、信頼できる者、ちょっと微妙な者、……出来ることなら協力したい者だと教えた。
なおタブレットを持つのと、名簿上の名前への指差しで両手を使うため、先ほどのような手鏡を持ってのやり方は使えない。
そのため五条は近くにあった建物の側まで移動し、そこにあったガラスに映る鏡像にデストワイルダー姿の真司がいることを確認する。
そしてそこでタブレット画面を真司に見せることにした。
五条悟はまず名簿の中から自分の知っている名を教え、信頼できる者、ちょっと微妙な者、……出来ることなら協力したい者だと教えた。
「こいつと…傑と一緒なら、僕らはきっと本当の意味での最強になれるんだろうけどね…」
自分が知る者の説明が終わった時、五条はポツリとそんな言葉も漏らした。
「………何てね。辛気臭く話すことじゃないよな」
五条はそう言って自分の話を一旦切り上げた。
「それじゃあ次は僕がこうやって1人1人指差すから、知っている奴なら首を縦に、知らないなら横に振ってみてくれ」
五条は次に精神側名簿に書かれた名前を1人ずつ見せながら真司の知り合いがいるかどうかを確認させる。
(……くっ。蓮はいないけど、よりにもよって浅倉はいるのか…)
確かにその名簿には真司が知る者の名も1つあった。
それも名簿の中では上から数えてかなり早めの方で。
だが、真司がその名前を見た時、体を少し硬直させてしまった。
言われた通り首を縦に振るのも少し遅れた。
何故ならそいつ…浅倉威は、凶悪殺人鬼だからだ。
真司が生前参戦していたミラーワールドのライダーバトルの参加者でもあり、その時も戦いには積極的であった。
自分が先に脱落してしまったため、浅倉がライダーバトルの果てにどうなったかといったこと等は分からない。
しかしあの男ならば、例えこんな環境でも殺し合いには確実に乗ることになるだろう。
だから、止めなくてはならない。
それも名簿の中では上から数えてかなり早めの方で。
だが、真司がその名前を見た時、体を少し硬直させてしまった。
言われた通り首を縦に振るのも少し遅れた。
何故ならそいつ…浅倉威は、凶悪殺人鬼だからだ。
真司が生前参戦していたミラーワールドのライダーバトルの参加者でもあり、その時も戦いには積極的であった。
自分が先に脱落してしまったため、浅倉がライダーバトルの果てにどうなったかといったこと等は分からない。
しかしあの男ならば、例えこんな環境でも殺し合いには確実に乗ることになるだろう。
だから、止めなくてはならない。
「なるほど、1人だけか。で、こいつは僕らと協力できそうな奴?」
『フルフル』
「そうか…じゃあ、逆にとっても危ない奴だったりする?」
『コクコク』
「なるほどね…」
『フルフル』
「そうか…じゃあ、逆にとっても危ない奴だったりする?」
『コクコク』
「なるほどね…」
五条からの質問に真司は首振りで答える。
詳しいことは伝えられずとも、浅倉威は危険人物だということは五条にも分かったようだった。
この殺し合いの環境ではたとえ真司が話せたとしても正確な脅威度は分からないが、とりあえずとして五条の中でも警戒対象には入った。
詳しいことは伝えられずとも、浅倉威は危険人物だということは五条にも分かったようだった。
この殺し合いの環境ではたとえ真司が話せたとしても正確な脅威度は分からないが、とりあえずとして五条の中でも警戒対象には入った。
◇
「それじゃあ次はこっちの名簿を見ようか」
五条は次に身体側の名簿ファイルを開く。
そして真司と一緒にそっちのファイルの内容も確認していく。
そして真司と一緒にそっちのファイルの内容も確認していく。
「ふむ、こっちでも浅倉威ってのはいるのか。なあ、もしこいつの身体が他のヤバい奴に渡ったら危ない?」
『……ウーン…』
『……ウーン…』
こちらにおいても、早い内に浅倉威の名前を見つけた。
浅倉の身体だけに関しては、仮面ライダーのことを除けば一応普通の人間であるので、それだけでは脅威としてはそこまで高いとは言えないかもしれない。
でも曲がりなりにも凶悪犯の肉体であるため、通常の人間よりは生身でも身体能力は高めかもしれない。
それに今ミラーモンスターとなった自分と共にカードデッキが五条悟に支給されたのと同じように、浅倉威の肉体の元にも同じように仮面ライダーになるためのカードデッキが支給されている可能性ももしかしたらあるかもしれない。
この場合は脅威度をまた一から考え直さなくてはならない。
そのため真司は、YesともNoとも言い難いかのような反応を見せる。
浅倉の身体だけに関しては、仮面ライダーのことを除けば一応普通の人間であるので、それだけでは脅威としてはそこまで高いとは言えないかもしれない。
でも曲がりなりにも凶悪犯の肉体であるため、通常の人間よりは生身でも身体能力は高めかもしれない。
それに今ミラーモンスターとなった自分と共にカードデッキが五条悟に支給されたのと同じように、浅倉威の肉体の元にも同じように仮面ライダーになるためのカードデッキが支給されている可能性ももしかしたらあるかもしれない。
この場合は脅威度をまた一から考え直さなくてはならない。
そのため真司は、YesともNoとも言い難いかのような反応を見せる。
「……まあいいや。先に他の奴を…」
浅倉威の身体側の脅威度のことは一旦置いといて、五条は他の名前を見ていく。
「……うげっ!マジかよ…」
やがて見つけたある名前を見て、五条悟はすごく嫌そうな顔をした。
それは「伏黒甚爾」の名前であった。
それは「伏黒甚爾」の名前であった。
「あー、何つーかさ、この伏黒甚爾って奴の体、けっこう強いんだよね。前に僕も殺されかけたことがあるくらい」
五条悟は伏黒甚爾がどんな奴なのかを説明する。
伏黒甚爾とは、呪力が全く無い代わりに身体能力が凄まじく高くなっているフィジカルギフテッドの天与呪縛の持ち主だ。
それに加えて様々な呪具も扱ってくるため、学生時代の五条は最初に戦った時にはものの見事に敗北した。
だけどもそれで一度死にかけたおかげで、当時の五条は呪術の核心を掴んだ。
その後伏黒甚爾へのリベンジも果たし、五条悟は現代最強の呪術師と呼ばれる程になった。
しかしそれは、本来の五条悟の肉体にある六眼と無下限呪術の術式あってのものだ。
伏黒甚爾とは、呪力が全く無い代わりに身体能力が凄まじく高くなっているフィジカルギフテッドの天与呪縛の持ち主だ。
それに加えて様々な呪具も扱ってくるため、学生時代の五条は最初に戦った時にはものの見事に敗北した。
だけどもそれで一度死にかけたおかげで、当時の五条は呪術の核心を掴んだ。
その後伏黒甚爾へのリベンジも果たし、五条悟は現代最強の呪術師と呼ばれる程になった。
しかしそれは、本来の五条悟の肉体にある六眼と無下限呪術の術式あってのものだ。
「……はっきり言うと、もしこいつの肉体が敵になったとしたら、僕らだけで何とかできるかは難しいと思うんだよね」
少し前に言ったこととは逆になるが、本当のことを言うと今の五条悟は「最強」とは言い難いだろう。
肉体のエディータ・ロスマンの力は、そもそも十全に発揮するために必要な道具が無い。
真司…デストワイルダーが付いてきている仮面ライダータイガのカードデッキは、本来ロスマンの物ではない。
本来ロスマンの肉体で使うべきストライカーユニット等は支給品の中になかった。
そういったこともあり、今の五条ではロスマンのウィッチとしての魔法の力を上手い事使いこなすことはほとんどできないだろう。
ロスマンの体力が低いこともあり、支給品の力を借りても五条は戦いにくいだろう。
肉体のエディータ・ロスマンの力は、そもそも十全に発揮するために必要な道具が無い。
真司…デストワイルダーが付いてきている仮面ライダータイガのカードデッキは、本来ロスマンの物ではない。
本来ロスマンの肉体で使うべきストライカーユニット等は支給品の中になかった。
そういったこともあり、今の五条ではロスマンのウィッチとしての魔法の力を上手い事使いこなすことはほとんどできないだろう。
ロスマンの体力が低いこともあり、支給品の力を借りても五条は戦いにくいだろう。
カードデッキ以外の支給品としては、1つはサッカーボールを膨らませて射出するベルトがあった。
このボールは膨らまし続ければアドバルーン大までにも膨らむという、とんでもない伸縮性のゴムを使っているらしい。
そしてそのボールは、スイッチの切り替えによって打ち上げ花火にもすることができるということだ。
しかし、花火程度では伏黒甚爾の肉体相手には少し心許ないかもしれない。
しかもボールは1回しか出せない使い切りのものだ。
このボールは膨らまし続ければアドバルーン大までにも膨らむという、とんでもない伸縮性のゴムを使っているらしい。
そしてそのボールは、スイッチの切り替えによって打ち上げ花火にもすることができるということだ。
しかし、花火程度では伏黒甚爾の肉体相手には少し心許ないかもしれない。
しかもボールは1回しか出せない使い切りのものだ。
そして最後の3つ目の支給品は、特殊なベルトに取り付けるための装置だ。
このアイテムの名は、「ブーストマークⅢバックル」という。
ただし、これを使用するためには「デザイアドライバー」というベルトが必要とのことだ。
そんなベルトは、ここには無かった。
つまり、今のところは全くの役立たずなアイテムだ。
しかも、例えデザイアドライバーがあったとしても、「創世の力」というものを宿した肉体でないと力を十全に発揮することができない…というか、使えないかもしれないらしい。
つまりこの場において、このアイテムは完全に宝の持ち腐れということになる。
本来なら自分が持つべきじゃない、別の所に支給されるべき品なのだ。
まあ、もし使えたとしてもこれで伏黒甚爾を何とかできるかどうかは分からないが。
このアイテムの名は、「ブーストマークⅢバックル」という。
ただし、これを使用するためには「デザイアドライバー」というベルトが必要とのことだ。
そんなベルトは、ここには無かった。
つまり、今のところは全くの役立たずなアイテムだ。
しかも、例えデザイアドライバーがあったとしても、「創世の力」というものを宿した肉体でないと力を十全に発揮することができない…というか、使えないかもしれないらしい。
つまりこの場において、このアイテムは完全に宝の持ち腐れということになる。
本来なら自分が持つべきじゃない、別の所に支給されるべき品なのだ。
まあ、もし使えたとしてもこれで伏黒甚爾を何とかできるかどうかは分からないが。
「だからまあ、今のところはこいつの肉体が敵に回らないことを祈るしかないね」
伏黒甚爾の肉体を持つ者が味方になってくれるのであれば、逆に心強いことになる。
それこそ、元は同じ天与呪縛を持っていた禪院真希であれば、彼女にとっても扱いやすい身体となっていることだろう。
真希の天与呪縛が少し中途半端だったことを考えると、むしろ元に戻った時のための良い経験となるかもしれない。
これこそまさに、希望的観測なことであるが。
それこそ、元は同じ天与呪縛を持っていた禪院真希であれば、彼女にとっても扱いやすい身体となっていることだろう。
真希の天与呪縛が少し中途半端だったことを考えると、むしろ元に戻った時のための良い経験となるかもしれない。
これこそまさに、希望的観測なことであるが。
◆
「それじゃあ、次はこっち…」
『ガシャアン』
「……ん?」
『!』
『ガシャアン』
「……ん?」
『!』
身体側名簿を確認した後、五条は次にその他の精神側名簿ファイルを開こうとした。
しかしそうする前に、その手を一旦止めることになった。
どこからともなく、ガラスが割れたかのような音が聞こえてきたからだ。
だがその音は、そこそこ小さく聞こえた。
その音は少し遠いところから来たようであった。
しかしそうする前に、その手を一旦止めることになった。
どこからともなく、ガラスが割れたかのような音が聞こえてきたからだ。
だがその音は、そこそこ小さく聞こえた。
その音は少し遠いところから来たようであった。
真司もその音には気付いた。
ただし、真司がその音を聞いたのはこれが始めてではなかった。
実は、五条が最初に精神側名簿を確認し始めた時に、真司は同じようなガラスが割れる音を聞いていた。
けれどもその時の五条は、夏油傑の名前を見たことにより動揺していた。
そのため五条は気付かなかったのだ。
そのことと、そもそも今の自分が話せないこともあり、最初の音のことは真司は五条に伝えることが出来なかった。
最初も本当に小さな音だったこともあり、気のせいだった可能性も考えられてしまい、真司も名簿確認の方を優先する動きをしてしまった。
しかしここで五条も反応したことにより、気のせいではなかったことが証明されてしまった。
ただし、真司がその音を聞いたのはこれが始めてではなかった。
実は、五条が最初に精神側名簿を確認し始めた時に、真司は同じようなガラスが割れる音を聞いていた。
けれどもその時の五条は、夏油傑の名前を見たことにより動揺していた。
そのため五条は気付かなかったのだ。
そのことと、そもそも今の自分が話せないこともあり、最初の音のことは真司は五条に伝えることが出来なかった。
最初も本当に小さな音だったこともあり、気のせいだった可能性も考えられてしまい、真司も名簿確認の方を優先する動きをしてしまった。
しかしここで五条も反応したことにより、気のせいではなかったことが証明されてしまった。
「今のは…向こうに誰かいるのか?」
五条は小さな音が聞こえてきた方角を向く。
音がしてきたことからそっちの方には人がいることが考えられる。
そしてガラスが割れるという破壊の音が聞こえてきたことから、もしかしたら戦闘が行われている可能性も考えられた。
音がしてきたことからそっちの方には人がいることが考えられる。
そしてガラスが割れるという破壊の音が聞こえてきたことから、もしかしたら戦闘が行われている可能性も考えられた。
「……ごめん、中途半端な所だけど、先に向こうの方を確認しに行こう」
五条はミラーワールドの中の真司にそう話しかける。
人がいるのならそれは自分の知り合いである可能性もある、戦闘が行われているのなら自分の味方になり得る人物がピンチに陥っている可能性も考えられる。
そのため、名簿確認の途中だが音が聞こえてきた方に先に向かおうとのことだ。
人がいるのならそれは自分の知り合いである可能性もある、戦闘が行われているのなら自分の味方になり得る人物がピンチに陥っている可能性も考えられる。
そのため、名簿確認の途中だが音が聞こえてきた方に先に向かおうとのことだ。
『コクコク』
真司もその考えには賛成だった。
もし遅れてしまったことで後悔するようなことが起きたら大問題だ。
最初の音には気付いていたのに五条を無理矢理引っ張ってでもすぐ向かおうとしなかったから尚更だ。
もし遅れてしまったことで後悔するようなことが起きたら大問題だ。
最初の音には気付いていたのに五条を無理矢理引っ張ってでもすぐ向かおうとしなかったから尚更だ。
◇
「でもその前に、最後に1つだけ確認しておこう。今更になるけど、君の名前を教えてくれないかな?」
五条は移動を開始する前に、先にストップしていたその他の精神側名簿ファイルの確認を行おうとした。
デストワイルダーに宿った真司は今、この殺し合いにおいては意思持ち支給品と扱われている。
意思持ち支給品にされた者の精神はこのその他名簿に記される。
五条はこれまで、真司の名前を聞きそびれて知らないままに話をしていた。
デストワイルダーに宿った真司は今、この殺し合いにおいては意思持ち支給品と扱われている。
意思持ち支給品にされた者の精神はこのその他名簿に記される。
五条はこれまで、真司の名前を聞きそびれて知らないままに話をしていた。
そして今、2人は推定戦闘が行われている場所に向かおうとしている。
その場所へと、共闘相手の本当の名前を知らないまま行くのは少し問題有りと判断した。
少しでも信頼関係を築くため、五条は先に名前を聞いた。
その場所へと、共闘相手の本当の名前を知らないまま行くのは少し問題有りと判断した。
少しでも信頼関係を築くため、五条は先に名前を聞いた。
「なるほど、城戸真司と言うのか…。遅れちゃったけど、これからよろしくね、真司」
その他に記された8つの名前の内、自分のものが指さされた時に真司は頷いた。
こうして、五条悟はようやくその名を知る。
その後、この中にも他に知っている名前が無いか聞かれたが、特に無かったためこの話はそこで終わった。
他に五条の知っている名前も特になかった。
こうして、五条悟はようやくその名を知る。
その後、この中にも他に知っている名前が無いか聞かれたが、特に無かったためこの話はそこで終わった。
他に五条の知っている名前も特になかった。
「よし!それじゃあ向こうの方に行こうか」
話を切り上げ、五条は真司を連れて今度こそ音の聞こえてきた方へと移動を始めた。
「……なあに、きっと何とかなるさ。今はどこにいるか分からないけど…この舞台には傑だっているんだからね」
移動を開始した辺りで、五条は最後にそんな言葉を呟いた。
それは言葉だけだと楽観的なところはあったが、その顔にはどこか陰りもあった。
それは言葉だけだと楽観的なところはあったが、その顔にはどこか陰りもあった。
(……五条、あんたはその傑って奴と何があったんだ?)
夏油傑の名前を見て空の五条悟は、どこか様子がおかしいところがあった。
そのことに真司も気付いてきていた。
しかしそう思っても、それを五条悟に指摘することはできない。
鏡の中のモンスターは、人に寄り添うことはできない。
そのことに真司も気付いてきていた。
しかしそう思っても、それを五条悟に指摘することはできない。
鏡の中のモンスターは、人に寄り添うことはできない。
【一日目/G-6とG-7の境目付近/深夜】
【五条悟@呪術廻戦】
[身体]:エディータ・ロスマン@ブレイブウィッチーズ
[状態]:健康、疲労(小)、夏油傑が巻き込まれていることによる動揺・怒り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、タイガのカードデッキ@仮面ライダー龍騎、どこでもボール射出ベルト(花火機能付き)@名探偵コナン、ブーストマークⅢバックル@仮面ライダーギーツ
[思考・状況]基本方針:殺し合い?乗るわけないでしょ。
1:とりあえず音が聞こえてきた方に行ってみる。
2:傑を探す。出来ることなら、あの頃のように共に戦いたい。
3:真希のことも探す。今はどんな状態か分からないけど、先生としてしっかりと導いてあげないとね。
4:他の禪院家(直哉、扇)については…ちゃんと協力できるか少し怪しいところがあるな。
5:伏黒甚爾の肉体の参加者を一応警戒。協力できるような奴ならいいけど…最悪の場合、恵には悪いけどもう一度殺すことになるかも。
6:へぇ、この子(ロスマン)も先生なんだ。この子の教え子や仲間が居たら探すのもありかもね。
7:飛べないのは不便だしストライカーユニットっての、あったら探そうか。
8:あの怪物に入れられた城戸真司は、とりあえず話は通じるようだし危険人物っぽさは無いかな…?
9:浅倉威という人物は一応警戒。
10:主催側が使ったのは精神と肉体を入れ替える術式か、或いは未知の何かか…。
11:最悪の場合は僕の身体が奪われ使われてるかもとも考えとく。一先ず参加者の中にはいないようだ。
12:やはりあの時の奴(羂索)も関わっているのか…?
[備考]
※参戦時期は91話の「渋谷事変⑨」にて、完全に獄門疆に封印された後からです。
[身体]:エディータ・ロスマン@ブレイブウィッチーズ
[状態]:健康、疲労(小)、夏油傑が巻き込まれていることによる動揺・怒り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、タイガのカードデッキ@仮面ライダー龍騎、どこでもボール射出ベルト(花火機能付き)@名探偵コナン、ブーストマークⅢバックル@仮面ライダーギーツ
[思考・状況]基本方針:殺し合い?乗るわけないでしょ。
1:とりあえず音が聞こえてきた方に行ってみる。
2:傑を探す。出来ることなら、あの頃のように共に戦いたい。
3:真希のことも探す。今はどんな状態か分からないけど、先生としてしっかりと導いてあげないとね。
4:他の禪院家(直哉、扇)については…ちゃんと協力できるか少し怪しいところがあるな。
5:伏黒甚爾の肉体の参加者を一応警戒。協力できるような奴ならいいけど…最悪の場合、恵には悪いけどもう一度殺すことになるかも。
6:へぇ、この子(ロスマン)も先生なんだ。この子の教え子や仲間が居たら探すのもありかもね。
7:飛べないのは不便だしストライカーユニットっての、あったら探そうか。
8:あの怪物に入れられた城戸真司は、とりあえず話は通じるようだし危険人物っぽさは無いかな…?
9:浅倉威という人物は一応警戒。
10:主催側が使ったのは精神と肉体を入れ替える術式か、或いは未知の何かか…。
11:最悪の場合は僕の身体が奪われ使われてるかもとも考えとく。一先ず参加者の中にはいないようだ。
12:やはりあの時の奴(羂索)も関わっているのか…?
[備考]
※参戦時期は91話の「渋谷事変⑨」にて、完全に獄門疆に封印された後からです。
[意思持ち支給品状態表]
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
[身体]:デストワイルダー@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康、五条悟に対し少し心配な気持ち
[思考・状況]基本方針:五条に協力して、このこの殺し合いを止める。
1:こんな馬鹿げた殺し合い、止めなくちゃな。
2:浅倉や他に危険な奴が居たら、五条と一緒に戦って止める。
3:五条は傑って奴と昔何があったんだ?本当に会って大丈夫なのか?
4:蓮は巻き込まれてなくてよかった。
[備考]
※参戦時期は死亡後からです。
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
[身体]:デストワイルダー@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康、五条悟に対し少し心配な気持ち
[思考・状況]基本方針:五条に協力して、このこの殺し合いを止める。
1:こんな馬鹿げた殺し合い、止めなくちゃな。
2:浅倉や他に危険な奴が居たら、五条と一緒に戦って止める。
3:五条は傑って奴と昔何があったんだ?本当に会って大丈夫なのか?
4:蓮は巻き込まれてなくてよかった。
[備考]
※参戦時期は死亡後からです。
※二人が聞いたのはG-7の方でポプ子がガラスを割った音です。
【どこでもボール射出ベルト(花火機能付き)@名探偵コナン】
サッカーボールをどこでも射出できるベルト。
バックル部分に付いているスイッチを押すと、バックル中央からサッカーボールが膨らまされて出てくる。
ボールは膨らまし続ければアドバルーン大にまで膨らむ。
また、ここにあるものは劇場版で使われる花火機能付きのものである。
花火ボールは水中でも爆発させることができる。
花火にする場合、ダイヤル操作で爆発するまでの時間を調整することも可能。
なお、ボールを射出できるのはどの場合でも1回までとする。
サッカーボールをどこでも射出できるベルト。
バックル部分に付いているスイッチを押すと、バックル中央からサッカーボールが膨らまされて出てくる。
ボールは膨らまし続ければアドバルーン大にまで膨らむ。
また、ここにあるものは劇場版で使われる花火機能付きのものである。
花火ボールは水中でも爆発させることができる。
花火にする場合、ダイヤル操作で爆発するまでの時間を調整することも可能。
なお、ボールを射出できるのはどの場合でも1回までとする。
【ブーストマークⅢバックル@仮面ライダーギーツ】
仮面ライダーの変身ベルト:デザイアドライバーにセットして使うレイズバックルというアイテムの一種。
『仮面ライダーギーツ』の第37話で浮世英寿が母であるミツメから継承した「創世の力」で生み出した特殊なレイズバックル。
本来の持ち主である浮世英寿/仮面ライダーギーツがそのまま使用した時はブーストフォームマークⅢとなり、創世の力により空間を創り変える能力を得た。
しかし、マークⅢのままでは創世の力を制御しきれなかった。
展開して二分割すると「ブーストマークⅨバックル」へと変化し、使用者に超常的な戦闘力やスピードを与えられるようになる。
仮面ライダーギーツがマークⅨで変身してギーツⅨとなった時は、創世の力を自在に操り、破壊と創造や事象の改変等といった神のごとき力を発揮した。
なお、「創世の力」を宿している状態の浮世英寿以外の者がこのレイズバックルを使っても力を発揮できるかどうかは不明。
仮面ライダーの変身ベルト:デザイアドライバーにセットして使うレイズバックルというアイテムの一種。
『仮面ライダーギーツ』の第37話で浮世英寿が母であるミツメから継承した「創世の力」で生み出した特殊なレイズバックル。
本来の持ち主である浮世英寿/仮面ライダーギーツがそのまま使用した時はブーストフォームマークⅢとなり、創世の力により空間を創り変える能力を得た。
しかし、マークⅢのままでは創世の力を制御しきれなかった。
展開して二分割すると「ブーストマークⅨバックル」へと変化し、使用者に超常的な戦闘力やスピードを与えられるようになる。
仮面ライダーギーツがマークⅨで変身してギーツⅨとなった時は、創世の力を自在に操り、破壊と創造や事象の改変等といった神のごとき力を発揮した。
なお、「創世の力」を宿している状態の浮世英寿以外の者がこのレイズバックルを使っても力を発揮できるかどうかは不明。
本ロワにおいては、これを使用する場合の本ロワ独自の時間制限等は無いものとする。
33:「また会えるよね」って、声にならない声 | 投下順に読む | 35:永遠なんてないけれど、それでも |
時系列順に読む | 36:君は完璧で究極のフィジカル | |
登場話186:今でも青が棲んでいる | 五条悟 | 37:命(きぼう)の果てに |
城戸真司 |