「あたしはさよならを言った。そして死んだ。
だったら、此処にいるのはあたしじゃあなくねえかぁ?」
だったら、此処にいるのはあたしじゃあなくねえかぁ?」
恐ろしい形相をした月下の世界。
近くに川のせせらぎが聞こえる草原にて、二人の参加者が言葉を交わす。
互いに学生服の青年ではあるが、中身については学生とは余り縁がない存在だ。
一人称が女性のような喋り方の方は、緑色の学生服で前髪が独特な赤い髪を持つ男性。
もう片方の顎に手を当てる方は黒い学生服で、整った金髪の髪型が特徴的な男性だ。
近くに川のせせらぎが聞こえる草原にて、二人の参加者が言葉を交わす。
互いに学生服の青年ではあるが、中身については学生とは余り縁がない存在だ。
一人称が女性のような喋り方の方は、緑色の学生服で前髪が独特な赤い髪を持つ男性。
もう片方の顎に手を当てる方は黒い学生服で、整った金髪の髪型が特徴的な男性だ。
「……全く同じ記憶を植え付けられた、どっかの誰か。
とでもいうのが正しいのかね。俺も死んじまった身だしな。」
とでもいうのが正しいのかね。俺も死んじまった身だしな。」
肩を竦めながら男もそう答える。
お互いに死んだ。死んだ人間は蘇らない。
どんな能力を、どんな道具を以てしても不可能だ。
お互いにそれをよく知っている。だからそういう考えに至る。
お互いに死んだ。死んだ人間は蘇らない。
どんな能力を、どんな道具を以てしても不可能だ。
お互いにそれをよく知っている。だからそういう考えに至る。
「ま、確かにそっちの方がありえるか?
だとしても胸糞悪い話だな。この記憶はあたしのもんだ。
誰かに植え付けられた? そんな紛い物がい物なんて御免だね。」
だとしても胸糞悪い話だな。この記憶はあたしのもんだ。
誰かに植え付けられた? そんな紛い物がい物なんて御免だね。」
精神は彼女……と呼ぶべきかは怪しい存在だ。
名をF・F(フー・ファイターズ)。スタンドが本体であり、
その正体はプランクトン。性別はあるにはあるが定かではない。
嘗て肉体を借りたエートロは女性なので女性、と言うべきかもしれないが。
その辺も実際の所はよくわからないものの、便宜上彼女と呼ぶこととする。
名をF・F(フー・ファイターズ)。スタンドが本体であり、
その正体はプランクトン。性別はあるにはあるが定かではない。
嘗て肉体を借りたエートロは女性なので女性、と言うべきかもしれないが。
その辺も実際の所はよくわからないものの、便宜上彼女と呼ぶこととする。
フー・ファイターズは仲間である徐倫にさよならを告げた。
DISCを取り戻してもそれは別のフー・ファイターズ。
これがあたしだと、さよならを言うあたしなのだと。
この記憶は誰のものでもない。『あたし』しか持ちえない。
───であれば。此処にいるフー・ファイターズは誰なのだ?
全く同じ記憶を持ったフー・ファイターズのような『何か』なのか。
思い出を作ることが知性、それが生きることとした彼女にとって、
人の記憶を勝手に誰かに上書きされた可能性ともなれば、憤るのも無理からぬことだ。
DISCを取り戻してもそれは別のフー・ファイターズ。
これがあたしだと、さよならを言うあたしなのだと。
この記憶は誰のものでもない。『あたし』しか持ちえない。
───であれば。此処にいるフー・ファイターズは誰なのだ?
全く同じ記憶を持ったフー・ファイターズのような『何か』なのか。
思い出を作ることが知性、それが生きることとした彼女にとって、
人の記憶を勝手に誰かに上書きされた可能性ともなれば、憤るのも無理からぬことだ。
「むかつくのがよぉ~~~……記憶を形にして他人に与えるっつー、
そんな能力を持つ奴に心当たりがあるからありえちまうのが腹立つんだよッ!」
そんな能力を持つ奴に心当たりがあるからありえちまうのが腹立つんだよッ!」
近くに転がる石ころを蹴り飛ばす。
傍にある川へとポチャリと音を立てながら沈んでいく。
プッチ神父は他人の記憶をDISCとして保存できるうえに、
特定の効果を発揮するDISCを作ることだってできる。
だからあり得てしまう。死んでいった自分からどうやったかは知らないが、
人の記憶を抜き取ってそれを改造して上書きする……なんてこと可能性を。
傍にある川へとポチャリと音を立てながら沈んでいく。
プッチ神父は他人の記憶をDISCとして保存できるうえに、
特定の効果を発揮するDISCを作ることだってできる。
だからあり得てしまう。死んでいった自分からどうやったかは知らないが、
人の記憶を抜き取ってそれを改造して上書きする……なんてこと可能性を。
「だとしたらそいつが噛んでいるのか?」
「どーだかねぇ。あいつは別の目的にご執心だ。
歯磨きを終えて寝る前に磨き忘れを見つけて放置する、
あたしらなんてそんな歯のカス程度の存在としかみてねーだろーしな。」
歯磨きを終えて寝る前に磨き忘れを見つけて放置する、
あたしらなんてそんな歯のカス程度の存在としかみてねーだろーしな。」
プッチは徐倫たちを捨て置いた。
こんなまどろっこしいものに興味もないだろう。
なので正直ありえない、と言うのが彼女の答えではある。
あくまで可能性の一つ。最悪ホワイトスネイクだけが奪われた、
なんてことも可能性の一つといて視野に入れておくのもあるだろう。
こんな事態に巻き込んだ連中のできる能力はよくわからないわけだ。
こんなまどろっこしいものに興味もないだろう。
なので正直ありえない、と言うのが彼女の答えではある。
あくまで可能性の一つ。最悪ホワイトスネイクだけが奪われた、
なんてことも可能性の一つといて視野に入れておくのもあるだろう。
こんな事態に巻き込んだ連中のできる能力はよくわからないわけだ。
「ま、どっちにせよだ。えーっとなんだっけ、お前。ケーチョーだっけ?」
「ブラートだ。そいつは肉体の方の名前だ。」
「ブラートね。アンタはどうする?」
「俺は生憎と、死んでも民の味方だぜ?」
ブラートは殺し屋だ。
いつだって報いを受ける覚悟はしていたし、
事実、その報いを受けるように死んでいった男だ。
けれど、こうして他人の身体を得て、最悪記憶を植え付けられただけの虚構の存在。
そんな可能性であっても、自分を本物のブラートとして、民の安寧の為悪を斬り捨てる。
肉体の方については、お世辞にも善人とは呼べない人物であるのは確かだが。
いつだって報いを受ける覚悟はしていたし、
事実、その報いを受けるように死んでいった男だ。
けれど、こうして他人の身体を得て、最悪記憶を植え付けられただけの虚構の存在。
そんな可能性であっても、自分を本物のブラートとして、民の安寧の為悪を斬り捨てる。
肉体の方については、お世辞にも善人とは呼べない人物であるのは確かだが。
「そっちはどうだ? 偽物の可能性があっても、
お前はお前らしく生きてみる……って言う方がいいと思うぜ。」
お前はお前らしく生きてみる……って言う方がいいと思うぜ。」
「ま、そっちの方が楽しいし前向きでいいよなぁ~~~。
それに、可能性であって本当かどうかもわかんねえしな。
んで、あたしはとりあえずこの身体を当人に返さないとまずいんだわ。」
それに、可能性であって本当かどうかもわかんねえしな。
んで、あたしはとりあえずこの身体を当人に返さないとまずいんだわ。」
「そりゃそうだが、態々言うってことはなんかあるのか?」
「こいつの身体さぁ、知り合いの親父の知り合いみたいなんだけど。」
「随分遠いなおい。」
遠い親戚にもほどがあるような発言だが、実際にその通りではある。
花京院典明。それが今彼女が身体としている人物の名前だ。
花京院典明。それが今彼女が身体としている人物の名前だ。
「えーっとなんだっけ? タイムパラドックスだっけ?」
「悪い、わからねぇ。」
「例えるなら、アンタ一度死んだんだよな?
死んだ原因となる奴を過去で殺したとする。
そしたら未来で戦うことはないじゃん? そういうこと。」
死んだ原因となる奴を過去で殺したとする。
そしたら未来で戦うことはないじゃん? そういうこと。」
「なるほどな。納得はともかくとして、それなら俺は死なないか。」
「過去の人間が死んじまったら、未来変わるとかそんな感じだ。
もしこいつが此処で死んで、仲間の未来が変わっちまったらまずいだろ?」
もしこいつが此処で死んで、仲間の未来が変わっちまったらまずいだろ?」
五十日間の旅路の果てに、DIOを倒すきっかけを与えた人物。
……とまでは分からないが、DIOの秘密を仲間に託したことまでは書いてある。
もしそれが、空条承太郎の戦いにとって極めて重要な情報であったのなら。
此処で死なせてはならない。元の精神の彼には生きてもらわねばならない。
ただ、此処で死ななかったとしても、託した……つまり彼は死んでいるのだろう。
死地へやるために生かさねばならないと言うのは、あまり気分のいいものではない。
だからと言って、徐倫が生まれなくなる可能性を考えてしまうと、それはできない相談だ。
……とまでは分からないが、DIOの秘密を仲間に託したことまでは書いてある。
もしそれが、空条承太郎の戦いにとって極めて重要な情報であったのなら。
此処で死なせてはならない。元の精神の彼には生きてもらわねばならない。
ただ、此処で死ななかったとしても、託した……つまり彼は死んでいるのだろう。
死地へやるために生かさねばならないと言うのは、あまり気分のいいものではない。
だからと言って、徐倫が生まれなくなる可能性を考えてしまうと、それはできない相談だ。
「そういう意味でも、死なせたくないって言うか……後はシンパシーかねぇ。」
承太郎によって助けられ、彼と共に旅をし続けた青年。
何処かが自分と重なる。徐倫によって助けられ、共に生活した自分と。
この親子は誰かを助けて、空いた隙間を埋めてくれる人物なのだろうか。
だからたとえ死ぬとしても、彼に納得の行く未来を、後悔なき道を進んでほしい。
そう願いたいのもある。できれば、死んでほしくないとも思ってはいるが。
何処かが自分と重なる。徐倫によって助けられ、共に生活した自分と。
この親子は誰かを助けて、空いた隙間を埋めてくれる人物なのだろうか。
だからたとえ死ぬとしても、彼に納得の行く未来を、後悔なき道を進んでほしい。
そう願いたいのもある。できれば、死んでほしくないとも思ってはいるが。
「俺もその方針には賛成だな。けど、百人斬りの名とは裏腹に活躍は難しそうだが。」
ブラートは嘗て仕えた帝都では、
特殊工作員含む百二十八人を一人で屠ったと言う化物じみた逸話を持つ。
しかし、今の身体は虹村形兆と言うスタンド使い。スタンドも出せるか定かではない。
帝具は第一印象で大体決まるので、今こうして自分の精神であるのならば、
仮にインクルシオを見つけても扱えるだろうが、現状ないのでは青年の腕っぷしだけ。
何とも残念な状態になってしまう。
特殊工作員含む百二十八人を一人で屠ったと言う化物じみた逸話を持つ。
しかし、今の身体は虹村形兆と言うスタンド使い。スタンドも出せるか定かではない。
帝具は第一印象で大体決まるので、今こうして自分の精神であるのならば、
仮にインクルシオを見つけても扱えるだろうが、現状ないのでは青年の腕っぷしだけ。
何とも残念な状態になってしまう。
「そこはお互い様で。あたしのスタンドってプランクトンありきだから、
この身体は撃つこともできやしねえのが残念っつーか。ついでに水もおいそれと飲めねえ。」
この身体は撃つこともできやしねえのが残念っつーか。ついでに水もおいそれと飲めねえ。」
吐瀉物だろうと平気で飲めていたF・Fでも、
流石にこの身体では人間らしい食事をしなければならない。
可能ならばすぐそこの川に飛び込んでがぶ飲みしたさすらあるのに。
流石にこの身体では人間らしい食事をしなければならない。
可能ならばすぐそこの川に飛び込んでがぶ飲みしたさすらあるのに。
「マイナスからのスタートか……となると二手に別れるのは難しいか?」
戦いの経験があるのであれば、
互いに別れて行動してもある程度は問題ないだろう。
とは言え、お互いスタンドと言う自衛手段すら満足に出せない。
そも、精神に宿るそれが果たして今も肉体にあるのか定かではないが。
これでは殺し合いに叛逆しようにもうまく行くとは言い難い状態だ。
互いに別れて行動してもある程度は問題ないだろう。
とは言え、お互いスタンドと言う自衛手段すら満足に出せない。
そも、精神に宿るそれが果たして今も肉体にあるのか定かではないが。
これでは殺し合いに叛逆しようにもうまく行くとは言い難い状態だ。
「いや、お互いスタンドが使える身体を寄越したんだ。
スタンドも使えず死ぬ、なんてお粗末な負け方は向こうも望んじゃいない。
地図とか配られる前に、スタンドを使いこなす練習でもしておけばいいだろ?」
スタンドも使えず死ぬ、なんてお粗末な負け方は向こうも望んじゃいない。
地図とか配られる前に、スタンドを使いこなす練習でもしておけばいいだろ?」
「確かに、地図もなしに動けば厄介なことになるのは間違いないな。
よし、フー・ファイターズ! スタンド使いなら俺にスタンドを教えてくれないか!」
よし、フー・ファイターズ! スタンド使いなら俺にスタンドを教えてくれないか!」
「熱いのは結構だけどよ~~~あたしは元はプランクトンなんだぜ?
通常のスタンドとは違うから、正直こいつの奴も使い方全くわかんねえよ。」
通常のスタンドとは違うから、正直こいつの奴も使い方全くわかんねえよ。」
「……そうか。」
彼等の闘志は消えることはない。
ただし、立ち向かう(Stand Up)にはまだまだである。
ただし、立ち向かう(Stand Up)にはまだまだである。
【ブラート@アカメが斬る!】
[身体]:虹村形兆@ジョジョの奇妙な冒険Part4 ダイヤモンドは砕けない
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3(インクルシオはない)
[思考・状況]基本方針:死んでも民の味方らしくやろうじゃねえの
1:一先ずスタンドっつーのを出せるのを練習してから動く。
2:兄貴……か。
3:インクルシオは探しておきたい。
[備考]
※参戦時期は死亡後
※参加者はプッチの記憶のDISCを利用して、
上書きされてるだけではないか、と言うのを考えています。
但し確信はなく、一つの説として受け止めている程度です。
[身体]:虹村形兆@ジョジョの奇妙な冒険Part4 ダイヤモンドは砕けない
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3(インクルシオはない)
[思考・状況]基本方針:死んでも民の味方らしくやろうじゃねえの
1:一先ずスタンドっつーのを出せるのを練習してから動く。
2:兄貴……か。
3:インクルシオは探しておきたい。
[備考]
※参戦時期は死亡後
※参加者はプッチの記憶のDISCを利用して、
上書きされてるだけではないか、と言うのを考えています。
但し確信はなく、一つの説として受け止めている程度です。
【F・F@ジョジョの奇妙な冒険Part6 ストーンオーシャン】
[身体]:花京院典明@ジョジョの奇妙な冒険Part3 スターダストクルセイダース
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]基本方針:徐倫を守るってんなら、こいつを死なせるのはよくねえのは分かる。
1:スタンドの練習してみっかぁ~~~! やり方わかんねーけどッ!
2:にしても糸? 弾丸も発射できる? あたしと徐倫のハイブリットみてーで楽しいねぇ! まだ出ねーけど!
3:プッチの野郎が関わってたら絶対ぶっ殺す。
[身体]:花京院典明@ジョジョの奇妙な冒険Part3 スターダストクルセイダース
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]基本方針:徐倫を守るってんなら、こいつを死なせるのはよくねえのは分かる。
1:スタンドの練習してみっかぁ~~~! やり方わかんねーけどッ!
2:にしても糸? 弾丸も発射できる? あたしと徐倫のハイブリットみてーで楽しいねぇ! まだ出ねーけど!
3:プッチの野郎が関わってたら絶対ぶっ殺す。
[備考]
※参戦時期は死亡後
※参加者はプッチの記憶のDISCを利用して、
上書きされてるだけではないか、と言うのを考えています。
但し確信はなく、一つの説として受け止めている程度です。
※肉体そのものが関係してるためフー・ファイターズのスタンドはどれだけやっても使えません。
※参戦時期は死亡後
※参加者はプッチの記憶のDISCを利用して、
上書きされてるだけではないか、と言うのを考えています。
但し確信はなく、一つの説として受け止めている程度です。
※肉体そのものが関係してるためフー・ファイターズのスタンドはどれだけやっても使えません。
15:鏡と魔の幻では最早ない | 投下順に読む | 17:殺し合いでマジ狂い!投稿者:ビルダーホワイト拓也 |