『で、どうします?』
「どうって言われても……」
「どうって言われても……」
相棒の質問に、現役女子小学生兼魔法少女(カレイドライナー)のイリヤスフィール・フォン・アインツベルンは返答に詰まった。
悩んでいるのは殺し合いでのスタンスについてではない。
平行世界に飛ばされ、お次は頭部を開閉する少女に殺し合えと言われた。
大いに困惑したものの、残虐極まる催しを肯定する気は皆無。
羂索なる者の企みを放置は出来ないと意思を固めるも、最初の一歩を挫かれた気分だった。
平行世界に飛ばされ、お次は頭部を開閉する少女に殺し合えと言われた。
大いに困惑したものの、残虐極まる催しを肯定する気は皆無。
羂索なる者の企みを放置は出来ないと意思を固めるも、最初の一歩を挫かれた気分だった。
自分の知っている皆まで巻き込まれていないかとか。
もしやエインズワースが裏で操っているんじゃないかとか。
色々考えなければいけないものは多いのだが、それすら暫し頭の隅へ追いやられるくらいには困っている。
ステッキ片手に取り敢えず他の参加者を探すこと数分、まさかこんな者と遭遇する羽目になるのは完全に予想外。
殺し合いには一応乗っていない、危険も多分無い。
なのに何故こうも頭を抱えているのか、
もしやエインズワースが裏で操っているんじゃないかとか。
色々考えなければいけないものは多いのだが、それすら暫し頭の隅へ追いやられるくらいには困っている。
ステッキ片手に取り敢えず他の参加者を探すこと数分、まさかこんな者と遭遇する羽目になるのは完全に予想外。
殺し合いには一応乗っていない、危険も多分無い。
なのに何故こうも頭を抱えているのか、
何せ出会った参加者は、その男は――
「もう駄目だ…お終いだぁ……」
とんでもないヘタレだったからだ。
『いやはや、まさか第一村人がこんなにヘタレ…じゃなくて情けない御仁とはこのルビーちゃんでも読めませんでしたねー』
「村人ってなに?というか言い直す意味あるの…?」
「村人ってなに?というか言い直す意味あるの…?」
普段と変わらぬおちゃらけた言動だが、心なしか相棒も男には引いている。
青い全身タイツに逆立った髪、背は低めだが筋肉質なこの男。
見付けた時から膝を付いてご覧の有様であり、イリヤもルビーもどうしたものかと頭を抱える真っ最中だ。
青い全身タイツに逆立った髪、背は低めだが筋肉質なこの男。
見付けた時から膝を付いてご覧の有様であり、イリヤもルビーもどうしたものかと頭を抱える真っ最中だ。
「ダニィ!?おいそこの棒切れ!サイヤ人の王子ベジータ様にふざけた口を叩きやがって…!命が惜しくば訂正しやがれ!」
『うーん、今更凄んでも迫力に欠けますね。髪の毛M字に後退してますし』
「ちょ、そんなハッキリ言っちゃ駄目だって…」
『うーん、今更凄んでも迫力に欠けますね。髪の毛M字に後退してますし』
「ちょ、そんなハッキリ言っちゃ駄目だって…」
窘めつつも、実際怯える姿を見た後では大の男に怒鳴られた所で恐怖は無かった。
サイヤ人だの王子だの言われてもどこの国だよとしか言えない。
とはいえ会話は可能になった為、取り敢えず自己紹介からと口を開きかけ、
サイヤ人だの王子だの言われてもどこの国だよとしか言えない。
とはいえ会話は可能になった為、取り敢えず自己紹介からと口を開きかけ、
「ほう、早速丁度良いメスがいるではないか」
すぐにそれどころではなくなった。
○
「ガハハハハハ!なんだなんだ、それで撃ってるつもりか!」
「くっ……」
「くっ……」
現れるや否や襲って来た男に、イリヤは苦戦していた。
敵は人間離れした巨体だが、特に目を引くのは右手の剣。
魔力弾を悉く弾き、イリヤの華奢な体を絡め取らんと迫る。
敵は人間離れした巨体だが、特に目を引くのは右手の剣。
魔力弾を悉く弾き、イリヤの華奢な体を絡め取らんと迫る。
「妙な力を持ってはいるが所詮は小娘!大人しく俺のモノになるのが似合いよ!」
既に勝った気で叫ぶこの参加者の名はもう一人の金剛様、通称エロ金剛。
吸血鬼の王雅に使えるアマルガムの一体が、脱皮を繰り返した際に煩悩と共に分裂し生まれた存在である。
元の金剛が雅への忠誠心に溢れた武人肌なのに対し、エロ金剛は正に真逆の存在。
人間の女を捕えてはホテルの一室で強姦、勝っちゃんの母ちゃんこと山本ゆり子(旧姓吉川ゆり子)も被害を受けた性欲の塊。
殺し合いを命じられたエロ金剛がどう動くかは見ての通り、女を求めて好きにヤる気満々であった。
吸血鬼の王雅に使えるアマルガムの一体が、脱皮を繰り返した際に煩悩と共に分裂し生まれた存在である。
元の金剛が雅への忠誠心に溢れた武人肌なのに対し、エロ金剛は正に真逆の存在。
人間の女を捕えてはホテルの一室で強姦、勝っちゃんの母ちゃんこと山本ゆり子(旧姓吉川ゆり子)も被害を受けた性欲の塊。
殺し合いを命じられたエロ金剛がどう動くかは見ての通り、女を求めて好きにヤる気満々であった。
おまけに支給されたのは嘗て冬木の聖杯戦争で使用されたサーヴァントカード。
セイバーのカードで夢幻召喚を行ったエロ金剛は、下手なアマルガムや邪鬼以上に厄介。
クラスカードを支給されていないイリヤが苦戦するのは必然だった。
セイバーのカードで夢幻召喚を行ったエロ金剛は、下手なアマルガムや邪鬼以上に厄介。
クラスカードを支給されていないイリヤが苦戦するのは必然だった。
「ガキとヤるのは初めてだが、実に美味そうな小娘じゃないか!下の毛も生えてないマ○コはどんな味か、今から楽しみでならんわ!」
「ひっ…!」
『幾らマスター弄りが趣味の私でもそれは許せませんよ!何ですかこのイリヤさんとは掲載誌を間違えたような変態は!?』
「ひっ…!」
『幾らマスター弄りが趣味の私でもそれは許せませんよ!何ですかこのイリヤさんとは掲載誌を間違えたような変態は!?』
異国の、それも超が付く程の美少女にエロ金剛の興奮は高まる。
甲冑の下では幾人もの女をよがらせた肉棒がそそり立ち、処女膜を貫く瞬間を待ち侘びていた。
殺意では無く性欲をぶつける敵には、さしものイリヤも未知の恐怖に震えが抑えられない。
甲冑の下では幾人もの女をよがらせた肉棒がそそり立ち、処女膜を貫く瞬間を待ち侘びていた。
殺意では無く性欲をぶつける敵には、さしものイリヤも未知の恐怖に震えが抑えられない。
「下級戦士が戦っているのに……」
一方、先程までヘタレていた男は呆然と戦いを見つめている。
やがて彼の胸に火が灯った。
力の弱い小娘が戦う中、自分は一体何をしているのか。
剣を持った襲撃者は自分の方をまるで見ない、どうでもいい空気以下の存在とばかりに。
守られるだけの弱者と思われているのか、取るに足らない雑魚と見下されているのか。
やがて彼の胸に火が灯った。
力の弱い小娘が戦う中、自分は一体何をしているのか。
剣を持った襲撃者は自分の方をまるで見ない、どうでもいい空気以下の存在とばかりに。
守られるだけの弱者と思われているのか、取るに足らない雑魚と見下されているのか。
「クソッタレ…ふざけやがって……!」
ふつふつと怒りが湧く。
正義感なんてつまらないものじゃない。
ただこのまま何もしないのは、下に見られたままでいるのは自身のプライドが許さなかった。
正義感なんてつまらないものじゃない。
ただこのまま何もしないのは、下に見られたままでいるのは自身のプライドが許さなかった。
「俺が…ベジータだ!」
立ち上がるや否や己の気を解き放ち、男…ベジータは超サイヤ人に変身。
強大なエネルギーにはイリヤ達も思わず動きを止めるも、ベジータの知ったことではない。
急接近し自身を舐めた騎士かぶれを殴り飛ばす。
強大なエネルギーにはイリヤ達も思わず動きを止めるも、ベジータの知ったことではない。
急接近し自身を舐めた騎士かぶれを殴り飛ばす。
「があああああああああ!?」
一発、たった一発で悲鳴を上げ地面を何度もバウンド。
パワーとスピード、共に桁外れとしか言いようの無い拳だ。
呆気に取られるイリヤを尻目にベジータは急浮上し、真下の標的へ右手を翳す。
パワーとスピード、共に桁外れとしか言いようの無い拳だ。
呆気に取られるイリヤを尻目にベジータは急浮上し、真下の標的へ右手を翳す。
「このベジータ様をコケにしたこと、あの世で後悔しやがれ!」
掌に気を最大限収束。
生半可な攻撃では到底怒りは治まらない、本気の力で消し飛ばしてやる。
怒れる王子の意思に応え令呪は消費、制限下とはいえ最大級の威力を発揮可能に。
生半可な攻撃では到底怒りは治まらない、本気の力で消し飛ばしてやる。
怒れる王子の意思に応え令呪は消費、制限下とはいえ最大級の威力を発揮可能に。
『これ絶対ヤバいですよ!退避!退避ーっ!』
「わ、分かった!」
「わ、分かった!」
背後で大慌ての小娘は眼中にない。
虫けらのように逃げようとするエロ金剛へ、絶望をくれてやる。
虫けらのように逃げようとするエロ金剛へ、絶望をくれてやる。
「これがスーパーベジータの、ビッグバンアタックだ!!」
放たれた光はエネルギー弾の域に収まらない。
太陽が落下して来たと錯覚を抱く程の熱が、一体の哀れな吸血鬼を包み込む。
悲鳴も命乞いも許されず、煩悩諸共焼き尽くされる。
太陽が落下して来たと錯覚を抱く程の熱が、一体の哀れな吸血鬼を包み込む。
悲鳴も命乞いも許されず、煩悩諸共焼き尽くされる。
光が晴れた時、そこには最早何一つとして残っていなかった。
【エロ金剛@彼岸島 48日後… 死亡】
◆
「ハーッハッハッハッハッハッハッハッ!きたねえ花火にすらなれなかったようだな!」
己が生み出した焦土を前に高笑いする姿は、まるで悪役のようだった。
さっきまでの怯えが別人のような変貌に、イリヤもつい後退る。
生憎とこのまま立ち去らせてはくれず、振り向き睨まれたが。
さっきまでの怯えが別人のような変貌に、イリヤもつい後退る。
生憎とこのまま立ち去らせてはくれず、振り向き睨まれたが。
「おい貴様ら!特にその棒切れ!どうだ?このベジータ様の力を理解できたか?」
『はいはいそれはもう!ベジータ様バンザーイ!』
『はいはいそれはもう!ベジータ様バンザーイ!』
必死に媚を売るルビーが上空へ何かを打ち上げる。
弾けたソレはベジータの顔をした花火だった。
弾けたソレはベジータの顔をした花火だった。
「何これ!?こんな祝砲いつの間に作ったの!?」
「フン、分かれば良いんだ」
「フン、分かれば良いんだ」
相変わらずのヘンテコ機能にツッコむが、ベジータの機嫌は悪くない様子。
態度は偉そうだが自分達への敵意は感じられない。
取り敢えずは大丈夫そうと判断し、恐る恐る話しかけた。
態度は偉そうだが自分達への敵意は感じられない。
取り敢えずは大丈夫そうと判断し、恐る恐る話しかけた。
「えっと、助けてくれてありがとうございました。ベジータ、さん?がいなかったら私…」
「勘違いするなよガキ。俺はあのクソ野郎が気に喰わなかっただけだ。礼なぞいらん」
『おお…今時珍しいくらいの典型的ツンデレっぷりですね』
「で、でも、令呪まで使って…後二つ使ったらベジータさんは死んじゃうんじゃ……」
「……は?」
「勘違いするなよガキ。俺はあのクソ野郎が気に喰わなかっただけだ。礼なぞいらん」
『おお…今時珍しいくらいの典型的ツンデレっぷりですね』
「で、でも、令呪まで使って…後二つ使ったらベジータさんは死んじゃうんじゃ……」
「……は?」
ピタリと高笑いが止み、何を言ってるか分からないという顔でイリヤを見る。
「死ぬ、だと?」
「え、あの…最初に羂索って女の人が言ってたよね…?本気を出す為に、令呪を全部使えばどうなるか」
『先程ベジータさんの令呪が一画消費されたのはバッチリ感知してますよー。手袋を外してみれば分かるのでは?』
「え、あの…最初に羂索って女の人が言ってたよね…?本気を出す為に、令呪を全部使えばどうなるか」
『先程ベジータさんの令呪が一画消費されたのはバッチリ感知してますよー。手袋を外してみれば分かるのでは?』
イリヤ達に言われ確認してみると、確かに手の甲の刺青らしき模様が減っていた。
因みにベジータは最初の場に集められた時、得体の知れない羂索とバグスターウイルスなる病原体に恐怖しヘタレた為説明を幾つか聞き逃している。
カカロットこと悟空が心臓病で苦しんだ例を知ってるだけに、たかがウイルスと鼻で笑えなかったのだ。
因みにベジータは最初の場に集められた時、得体の知れない羂索とバグスターウイルスなる病原体に恐怖しヘタレた為説明を幾つか聞き逃している。
カカロットこと悟空が心臓病で苦しんだ例を知ってるだけに、たかがウイルスと鼻で笑えなかったのだ。
それが今になって本気を出せば死ぬだのと言われ――
「もう駄目だ…お終いだぁ……」
また蹲り始めた。
「え…ええ!?今度はなに!?」
「分からないのか!?あの気色悪い女は、超サイヤ人の力にまでふざけた小細工をしてくるんだぞ…!勝てるわけがない!みんな殺されるんだぁ……」
『いやー…ルビーちゃんもちょっとお手上げですねこれ』
「分からないのか!?あの気色悪い女は、超サイヤ人の力にまでふざけた小細工をしてくるんだぞ…!勝てるわけがない!みんな殺されるんだぁ……」
『いやー…ルビーちゃんもちょっとお手上げですねこれ』
殺し合いを止めるとか以前に、この男を一体どうすればいいのか。
一人と一本が深くため息をつく傍らで、サイヤ人の王子は未だ恐怖に支配されたままだった。
一人と一本が深くため息をつく傍らで、サイヤ人の王子は未だ恐怖に支配されたままだった。
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
状態:疲労(中)、転身中
服装:いつもの衣装
装備:マジカルルビー@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2(確認済み・クラスカードは無し)、SA・ホットライン
思考
基本:殺し合いを止める
01:このおじさんどうしたらいいの……
02:美遊やクロ達もいるのかな…?
参戦時期:3rei!!で美遊救出後~エインズワースとの決戦前。
備考
状態:疲労(中)、転身中
服装:いつもの衣装
装備:マジカルルビー@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2(確認済み・クラスカードは無し)、SA・ホットライン
思考
基本:殺し合いを止める
01:このおじさんどうしたらいいの……
02:美遊やクロ達もいるのかな…?
参戦時期:3rei!!で美遊救出後~エインズワースとの決戦前。
備考
【ベジータ@ブロリーMAD】
状態:健康、恐怖(大)
服装:いつもの戦闘服
装備:
令呪:残り二画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:死にたくない
01:もう駄目だ…お終いだぁ……
02:ブロリーがいるなら絶対会いたくない
参戦時期:不明
備考
※MAD出典なので原作と違い極度のヘタレと化しています。
※殺し合いが破綻しないよう制限されています。
状態:健康、恐怖(大)
服装:いつもの戦闘服
装備:
令呪:残り二画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:死にたくない
01:もう駄目だ…お終いだぁ……
02:ブロリーがいるなら絶対会いたくない
参戦時期:不明
備考
※MAD出典なので原作と違い極度のヘタレと化しています。
※殺し合いが破綻しないよう制限されています。
※サーヴァントカード・セイバー@Fate kaleid liner プリズマ☆イリヤとエロ金剛の支給品は消失しました。
【マジカルルビー@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ】
愉快型魔術礼装。
魔術障壁・物理保護・治療促進・身体能力強化のオプションなんでもござれ。
愉快型魔術礼装。
魔術障壁・物理保護・治療促進・身体能力強化のオプションなんでもござれ。