※このSSには残酷な描写が多々含まれています。
それらが苦手な方には不快となる内容なのでご注意ください。
それらが苦手な方には不快となる内容なのでご注意ください。
(あんないろはちゃん初めて見た……どうしたらいいの?)
暗い表情でうつむきながら山道を歩く少女。
猫屋敷まゆは大切な友達の悲しむ姿を思い出して落ち込んでいた。
どうにかして彼女の悲しみを癒やしてあげたい。
猫屋敷まゆは大切な友達の悲しむ姿を思い出して落ち込んでいた。
どうにかして彼女の悲しみを癒やしてあげたい。
誰とも友達が出来なかったまゆに寄り添い、友達になってくれた犬飼いろは。
彼女の悲しむ姿を見た時は自分も胸が張り裂けそうな気持ちになった。
彼女の悲しむ姿を見た時は自分も胸が張り裂けそうな気持ちになった。
(いろはちゃんを助けたい。でも、今はこの状況を何とかしないと……)
いきなりこんな場所に連れてこられて今は自分の身の安全すらままならない。
(会いたいよ……ユキ……)
不安のあまり、大切な家族である猫のユキを思い出す。
いつも私を守ってくれた強くて優しいユキ
ユキと一緒なら怖くない。何も怖くない。
どんな困難だって立ち向かえる勇気が湧いてくる。
いつも私を守ってくれた強くて優しいユキ
ユキと一緒なら怖くない。何も怖くない。
どんな困難だって立ち向かえる勇気が湧いてくる。
ドドンッと雷鳴の音が響いた。
「キャッ!」
雷鳴の場所は近く、近辺で雷の輝きがまゆの視界に入った。
天候はとても雷が落ちるような曇り空ではない。
明らかに何者かによる人工的な雷鳴だった。
天候はとても雷が落ちるような曇り空ではない。
明らかに何者かによる人工的な雷鳴だった。
「もしかしたら、誰か戦ってるのかも……」
怖い人がいるかもしれない。
だけど困っている人がいるかもしれないのに放ってなんておけない!
だけど困っている人がいるかもしれないのに放ってなんておけない!
(怖くない……怖くない……)
まゆは震える身体を抑えながら、勇気を振り絞って山道を進んだ。
◇
そこは辺り一面、銀世界の雪山だった。
そんな季節外れの雪山にて跳躍力を活かし、縦横無尽にジャンプを繰り返すNPCがいた。
それこそが先程の雷鳴を起こした者の正体であり。
ヘラジカ型アンデッドのディアーアンデッドだった。
そんな季節外れの雪山にて跳躍力を活かし、縦横無尽にジャンプを繰り返すNPCがいた。
それこそが先程の雷鳴を起こした者の正体であり。
ヘラジカ型アンデッドのディアーアンデッドだった。
「グルルル!」
ディアーアンデッドは持ち前の跳躍力で山の斜面を駆け巡り、逃げ惑う参加者の青年を追い詰めていた。
雪山の歩きづらい足場なせいもあり、ディアーアンデッドの追跡から振り切れない。
逃走を諦めた青年はディアーアンデッドを睨みつけた。
雪山の歩きづらい足場なせいもあり、ディアーアンデッドの追跡から振り切れない。
逃走を諦めた青年はディアーアンデッドを睨みつけた。
すると青年の腰からベルトから出現。
ディアーアンデッドを倒すべく変身ポーズを構え……
ディアーアンデッドを倒すべく変身ポーズを構え……
「変し「させない!!」
怪人から青年を庇うように少女が姿を現した。
ミントグリーンのコスチュームに身を包んだ少女の名はキュアリリアン。
猫屋敷まゆが変身する伝説の戦士、プリキュアである。
ミントグリーンのコスチュームに身を包んだ少女の名はキュアリリアン。
猫屋敷まゆが変身する伝説の戦士、プリキュアである。
「グルル……」
突然現れた二人目の参加者にディアーアンデッドは唸り声を上げながら跳躍し、キュアリリアンへ飛びかかる。
「はぁっ!」
まるでバレェのようにしなやかな動きでディアーアンデッドの攻撃を次々と躱していく。
そのスピードと軽やかさはディアーアンデッドをも上回っていた。
そのスピードと軽やかさはディアーアンデッドをも上回っていた。
「………ッ!!」
キュアリリアンの身体能力に驚き、自分が戦う必要が無いと察した青年は
変身を解除し、腰に装着されたベルトを消失させた。
変身を解除し、腰に装着されたベルトを消失させた。
「グルルゥ!!」
攻撃が当たらない事に業を煮やしたディアーアンデッドは
角から雷撃を撃ち続け、キュアリリアンへと放たれた。
角から雷撃を撃ち続け、キュアリリアンへと放たれた。
「リリアンネット!!」
蔦状のネットを展開してバリアの役割を果たし、雷撃を全て受け止める。
「ギギッ!?ギャーギャー!!」
一切の攻撃が通じず、恐怖心に駆られたディアーアンデッドは恐れおののき。
キュアリリアンから一目散に逃げていった。
キュアリリアンから一目散に逃げていった。
(こ、怖かった……)
戦いこそ一方的だったものの、ガルガル以外の敵との遭遇で
キュアリリアンの内心は不安で一杯だった。
それでも目の前にいる青年を救う為に必死になって戦うことが出来たのだ。
キュアリリアンの内心は不安で一杯だった。
それでも目の前にいる青年を救う為に必死になって戦うことが出来たのだ。
「ありがとう!君のおかげで助かったよ!」
「いえ、無事で良かったです」
「いえ、無事で良かったです」
笑顔で礼を言う青年の言葉にキュアリリアンの心は暖かくなる。
◇
その後、二人はここから近くにあった山小屋へ移動すると
お互いに自己紹介や情報のやり取りを行った。
救出した青年の名は小野寺ユウスケ。
彼は山頂から降りようと移動していた所を怪人に襲われていたという。
お互いに自己紹介や情報のやり取りを行った。
救出した青年の名は小野寺ユウスケ。
彼は山頂から降りようと移動していた所を怪人に襲われていたという。
「それにしてもプリキュアだっけ。こんなに若いのに正義のヒーローとして戦ってるなんてまゆちゃんは立派だよ!」
「正義のヒーローだなんてそんな……私はただ、困っている人達の力になれたらいいなと思って……」
「正義のヒーローだなんてそんな……私はただ、困っている人達の力になれたらいいなと思って……」
褒められる事に慣れていないのか、頬を赤らめて笑顔になるまゆ。
「それを使ってプリキュアになるんだよね?他の人が使っても変身出来るの?」
「いえ、これは私専用で他の人が使ってもきっとプリキュアになれないと思います」
「そっか。代わりに戦える支給品があればまゆちゃんを助けられるのになぁ」
「いえ、これは私専用で他の人が使ってもきっとプリキュアになれないと思います」
「そっか。代わりに戦える支給品があればまゆちゃんを助けられるのになぁ」
シャイニーキャッツパクトはまゆ本人への支給として渡された支給品である。
仮に主催者による細工で他の女性参加者が変身出来たとしても同等の力を引き出せる保証は無い。
仮に主催者による細工で他の女性参加者が変身出来たとしても同等の力を引き出せる保証は無い。
「とりあえず、この辺りで何か使えるが無いか探してみるよ」
「じゃあユウスケさん、私も一緒に」
「まゆちゃんは休んでてよ。俺が戦えなかった分、他の事で役に立ちたいんだ」
「はい、じゃあお言葉に甘えて」
「じゃあユウスケさん、私も一緒に」
「まゆちゃんは休んでてよ。俺が戦えなかった分、他の事で役に立ちたいんだ」
「はい、じゃあお言葉に甘えて」
せっかくのユウスケさんの好意を無駄にしてはならない。
そう思ったまゆはソファーに座ってゆっくりと休憩していた。
それから数分後、まゆはうとうとと眠くなりソファーで横になった。
殺し合いに巻き込まれた不安やNPCとの戦いはまだ幼い少女にとって疲労として蓄積されていた。
そう思ったまゆはソファーに座ってゆっくりと休憩していた。
それから数分後、まゆはうとうとと眠くなりソファーで横になった。
殺し合いに巻き込まれた不安やNPCとの戦いはまだ幼い少女にとって疲労として蓄積されていた。
ぎし……ぎし……
するとまゆのいるソファーに向かってゆっくりと歩いてくる足音があった。
足音の主はまゆの背後まで近づくと彼女のポケットにへと手を伸ばし
まゆがプリキュアに変身するために必要なシャイニーキャッツパクトを抜き取る。
足音の主はまゆの背後まで近づくと彼女のポケットにへと手を伸ばし
まゆがプリキュアに変身するために必要なシャイニーキャッツパクトを抜き取る。
「……ん?」
側に人がいる気配に気付いたまゆは目を覚ます。
すると彼女の視界からロープが目に入った。
すると彼女の視界からロープが目に入った。
その時だった。
「んぐっ!!」
背後にいた男がロープを使ってまゆの首を絞め上げた。
「ぐ、ぐるじ、やめっ……」
ギリギリと首を絞められ続けるまゆ。
意識が朦朧とする中、彼女は必死にテーブルへ手を伸ばした。
そこにはガラスで出来た灰皿があった。
意識が朦朧とする中、彼女は必死にテーブルへ手を伸ばした。
そこにはガラスで出来た灰皿があった。
(私、死にたくない!!ユキに会いたい!!)
灰皿を掴んだまゆは全力で背後にいる男に向かって灰皿を叩きつけた。
「ぐああっ!!」
そこにいるのは額を傷つけられ、血を垂らす小野寺ユウスケの姿だった。
「ゴホッゴホッ!!なんで……?ユウスケさん……ゴホッ!」
「せっかく首吊り自殺に見せかけて殺してやろうと思ったのによぉ」
「ひっ!」
「せっかく首吊り自殺に見せかけて殺してやろうと思ったのによぉ」
「ひっ!」
先ほどまで優しかった好青年とは似ても似つかない凶悪な顔付きへと変わっていった。
自分が生き残る為なら、平然と他者の命を奪える冷酷な殺人者。
それが小野寺ユウスケの本当の姿だった。
自分が生き残る為なら、平然と他者の命を奪える冷酷な殺人者。
それが小野寺ユウスケの本当の姿だった。
「まぁ、いいや。これで殺す方が手っ取り早い」
ユウスケの右手にはサバイバルナイフが握られていた。
「い、いや……やめて……」
サバイバルナイフの刃の輝きにまゆは恐怖に怯え、後ずさる。
(そうだ!プリキュアに変身して!)
キュアリリアンになればユウスケから逃げ切ることだって出来る。
(急いで変身しなきゃ……あれ?無い……どうして?)
ポケットに入れたはずのシャイニーキャッツパクトが無くなっていた。
別のポケットも探すかどこにも見つからない・
別のポケットも探すかどこにも見つからない・
(どうして!?どうして!?どうして!?)
焦りと恐怖でまゆの顔が青ざめ、涙が溢れてくる。
その姿を見てユウスケは笑いが止まらなかった。
その姿を見てユウスケは笑いが止まらなかった。
「ハハハハハハハハハッッ!!!お前が探してるのはコレかぁ?」
「そ、それは!?」
「そ、それは!?」
シャイニーキャッツパクトは何故かユウスケが所持していた。
眠っている内に奪われた事を知り、血の気が引いていくまゆ。
眠っている内に奪われた事を知り、血の気が引いていくまゆ。
「コレが無いとプリキュアになれないもんなぁ!ハハハハハ!!」
「か、返して……」
「お前には代わりにコレをやるよ!」
「か、返して……」
「お前には代わりにコレをやるよ!」
サバイバルナイフがまゆの腹部を突き刺した。
「嫌あああァァァ!!!」
あまりの激痛にまゆは悲鳴を上げ、床をのたうち回った。
「痛い……痛いよぉ……」
苦痛で体をよじりながらもまゆは匍匐前進でユウスケから逃れようとする。
「おい、逃げるな」
「ううっ、やだぁ……もうやめてぇ……」
「ううっ、やだぁ……もうやめてぇ……」
ユウスケはまゆの髪の毛を掴んで引っ張り上げると
まゆの腹部に刺さったナイフを勢いよく引き抜く。
まゆの腹部に刺さったナイフを勢いよく引き抜く。
「きゃあああァァァ!!」
吹き出す血。まゆは苦痛で涙を流した。
「助けてユキ……ユキぃ……うあああ!!」
再び突き刺した。
「あがっ……あっ……」
ユウスケは何度も何度もサバイバルナイフでまゆの腹部を刺し続けた。
もう言葉すらまともに発せなくなったまゆの腹部から血がドクドクと溢れていく。
もう言葉すらまともに発せなくなったまゆの腹部から血がドクドクと溢れていく。
(痛い、苦しい……私……死ぬの……?)
朦朧とする意識の中、まゆが最後に見たのは、ユキにいろはちゃんにこむぎに悟くん。
大切な仲間達の笑顔だった。
大切な仲間達の笑顔だった。
「よし、一人目は終わりっと」
一仕事終えたユウスケは、額の傷の手当てや返り血を洗い流していた。
本当は首吊り自殺に見せかけるつもりだったが抵抗されたから仕方ない。
出来る限り自分が殺害した痕跡を消してさっさと離れるつもりだ。
本当は首吊り自殺に見せかけるつもりだったが抵抗されたから仕方ない。
出来る限り自分が殺害した痕跡を消してさっさと離れるつもりだ。
(それにしてもプリキュアか。ライダー以外にもそんな力を持つ奴がいるとはな)
プリキュアの存在を知ったユウスケはシャイニーキャッツパクトを破壊し処分した。
これでまゆの持つ支給品からプリキュアが現れる事はないだろう。
これでまゆの持つ支給品からプリキュアが現れる事はないだろう。
それと、まゆには秘蔵としていたが、小野寺ユウスケにも特殊な力を持っている。
それは仮面ライダークウガと呼ばれる変身能力だ。
他の参加者の裏を搔く為にも己の情報は出来る限り伏して置きたい。
それは仮面ライダークウガと呼ばれる変身能力だ。
他の参加者の裏を搔く為にも己の情報は出来る限り伏して置きたい。
「何にしろ、生き残るのはこの俺だ」
自分が生き残る為ならいくらでも殺してやる。
女子供だろうと容赦するつもりはない。
俺の邪魔になる者は全て死んでもらう。
女子供だろうと容赦するつもりはない。
俺の邪魔になる者は全て死んでもらう。
ここは特別な場所である。
どこの次元から、どんな奴が来ているかなんて分からない。
どこの次元から、どんな奴が来ているかなんて分からない。
【猫屋敷まゆ@わんだふるぷりきゅあ! 死亡】
【小野寺ユウスケ@RIDER TIME 仮面ライダーディケイド VS ジオウ ディケイド館のデス・ゲーム】
状態:ダメージ(微小)
服装:普段の服装
装備:無し
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~4、サバイバルナイフ@現実、SA・ホットライン
思考
基本:優勝して生き残る
01:好青年の振りをしつつ他の参加者を始末する。
参戦時期:本編が始まる前からの参戦です
備考
『仮面ライダーディケイド』に登場した小野寺ユウスケとは別人です
状態:ダメージ(微小)
服装:普段の服装
装備:無し
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~4、サバイバルナイフ@現実、SA・ホットライン
思考
基本:優勝して生き残る
01:好青年の振りをしつつ他の参加者を始末する。
参戦時期:本編が始まる前からの参戦です
備考
『仮面ライダーディケイド』に登場した小野寺ユウスケとは別人です
支給品紹介
【シャイニーキャッツパクト@わんだふるぷりきゅあ!】
猫屋敷まゆがキュアリリアンに変身するためのアイテム。
本人以外の女性も変身が可能にされているが人によって素質は異なる。
猫屋敷まゆがキュアリリアンに変身するためのアイテム。
本人以外の女性も変身が可能にされているが人によって素質は異なる。