(クリスマスのアリア)
更新日:2020/04/16 Thu 10:34:31
「クリスマスケーキですか?」
「そうなの~♪この時期限定のケーキを売れば、皆喜ぶと思って♪」
ここはオウマがトキ。開店より少し前の時間帯。
アンコは、店長代理のメローナの話を聞いていた。
「確かに、クリスマスケーキは売れそうですよね。分かりました。作らせて頂きます」
アンコはピオーネが作成したレシピを元に、ケーキを作り始める。
「なになに、小麦粉に牛乳苺とクリーム・・・」
キッチンでレシピを熟読し、作業に取り掛かろうとするアンコ。
「あ、あの」
そこに一人の少女が声をかけてきた。
「はい?あ、シトロンさん、なんでしょう」
アンコは手を止め、シトロンをまっすぐ見る。
「ヒッ!いえ、何でもないです忘れてください!」
シトロンは、ガクガク震えながらどこかに行ってしまった。
「な、何だったんだろう?今の」
アンコはそう呟き、作業に戻った。
「そうなの~♪この時期限定のケーキを売れば、皆喜ぶと思って♪」
ここはオウマがトキ。開店より少し前の時間帯。
アンコは、店長代理のメローナの話を聞いていた。
「確かに、クリスマスケーキは売れそうですよね。分かりました。作らせて頂きます」
アンコはピオーネが作成したレシピを元に、ケーキを作り始める。
「なになに、小麦粉に牛乳苺とクリーム・・・」
キッチンでレシピを熟読し、作業に取り掛かろうとするアンコ。
「あ、あの」
そこに一人の少女が声をかけてきた。
「はい?あ、シトロンさん、なんでしょう」
アンコは手を止め、シトロンをまっすぐ見る。
「ヒッ!いえ、何でもないです忘れてください!」
シトロンは、ガクガク震えながらどこかに行ってしまった。
「な、何だったんだろう?今の」
アンコはそう呟き、作業に戻った。
「わぁ~!美味しそうだよ!」
「味見はあたいに任せろ!」
「わしにも食べさせるのじゃ!」
厨房から漂ってきた匂いに、プラムとアイベリー、そしてのじゃロリ猫は歓声を上げた。
「アイベリー!プラム!のじゃロリ猫!掃除しなさい!」
そんな三人を叱りつけるフロート。
オウマがトキにはいつもの空気が流れていた。
厨房を除いては。
アンコは、オーブンに意識を集中させようしたが、出来なかった。オーブンのテカりが鏡のように反射して、後ろにいる黄色い女の子の姿を写し出しているのだ。
「あ、あの・・・」
「は、は、は、はい!」
シトロン・ロリポップはどもりながら返事をした。
「その、何か用が?」
「え、いや、何でもないです忘れてください!」
シトロンは慌てて逃げていく。
(う~ん)
アンコが再びオーブンに目を戻すと、また黄色い女の子がこちらを伺っているのが見えた。
「シトロンさん!」
「はいぃぃぃぃ?!」
「良かったら、手伝ってください」
「ふぇ?」
シトロンの驚きで真ん丸に空いた目を見て、アンコは少し申し訳なく思った。
「あ、あれ違いました?」
「ち、ち、違くないです!お手伝いしたいんです!お、お願いいたしますです!」
シトロンは顔を真っ赤にしてどもりながら言うのだった。
「味見はあたいに任せろ!」
「わしにも食べさせるのじゃ!」
厨房から漂ってきた匂いに、プラムとアイベリー、そしてのじゃロリ猫は歓声を上げた。
「アイベリー!プラム!のじゃロリ猫!掃除しなさい!」
そんな三人を叱りつけるフロート。
オウマがトキにはいつもの空気が流れていた。
厨房を除いては。
アンコは、オーブンに意識を集中させようしたが、出来なかった。オーブンのテカりが鏡のように反射して、後ろにいる黄色い女の子の姿を写し出しているのだ。
「あ、あの・・・」
「は、は、は、はい!」
シトロン・ロリポップはどもりながら返事をした。
「その、何か用が?」
「え、いや、何でもないです忘れてください!」
シトロンは慌てて逃げていく。
(う~ん)
アンコが再びオーブンに目を戻すと、また黄色い女の子がこちらを伺っているのが見えた。
「シトロンさん!」
「はいぃぃぃぃ?!」
「良かったら、手伝ってください」
「ふぇ?」
シトロンの驚きで真ん丸に空いた目を見て、アンコは少し申し訳なく思った。
「あ、あれ違いました?」
「ち、ち、違くないです!お手伝いしたいんです!お、お願いいたしますです!」
シトロンは顔を真っ赤にしてどもりながら言うのだった。
「またお越しくださいませ~」
レジの前で客に礼をしたフロートは珍しくご機嫌だった。
クリスマスケーキが売れたこともそうだが、あのシトロンがマーマレード以外の女の子と働いていたからだ。
お互い遠慮しながらだが、ちゃんと仕事をしていた。例えこれがクリスマスの奇跡だとしても、お姉ちゃん嬉しいわ・・・フロートはその光景がやけに眩しく見え、今日の厨房は二人に任せたのだった。(お陰で今日はマーマレードが使えないのだが)
レジの前で客に礼をしたフロートは珍しくご機嫌だった。
クリスマスケーキが売れたこともそうだが、あのシトロンがマーマレード以外の女の子と働いていたからだ。
お互い遠慮しながらだが、ちゃんと仕事をしていた。例えこれがクリスマスの奇跡だとしても、お姉ちゃん嬉しいわ・・・フロートはその光景がやけに眩しく見え、今日の厨房は二人に任せたのだった。(お陰で今日はマーマレードが使えないのだが)
アンコとシトロンがケーキを作った日の翌日、二人はメローナから褒められていた。
「凄いわ二人とも~♪皆喜んでたのよ♪」
「ありがとうございますメローナさん!」
「よ、よかったぁ」
二人の心に暖かいものが沸き上がった。
「アンコちゃん、シトロンちゃん」
喜んでいた二人に声をかけてきたのは、アルバイトの長寝淡雪だった。
「お客さんがね、木みたいなケーキあるかって言ってるよ」
「木みたいなケーキですか?」
「うん、なんか、草が生えたようなやつらしいよ」
アンコは思案したが、どのようなケーキか想像もできなかった。
「あ、あのあの、困った時はヤスカタさんです。色んな本を持ってて、色んな事を知っている凄い人なのです」
シトロンはそう言い、本屋の方を指差すのだった。
「凄いわ二人とも~♪皆喜んでたのよ♪」
「ありがとうございますメローナさん!」
「よ、よかったぁ」
二人の心に暖かいものが沸き上がった。
「アンコちゃん、シトロンちゃん」
喜んでいた二人に声をかけてきたのは、アルバイトの長寝淡雪だった。
「お客さんがね、木みたいなケーキあるかって言ってるよ」
「木みたいなケーキですか?」
「うん、なんか、草が生えたようなやつらしいよ」
アンコは思案したが、どのようなケーキか想像もできなかった。
「あ、あのあの、困った時はヤスカタさんです。色んな本を持ってて、色んな事を知っている凄い人なのです」
シトロンはそう言い、本屋の方を指差すのだった。
「木みたいなケーキ。それを探しに来たのねシトロン」
「そうなんです。あ、あの本見させてもらってもいいですか?」
「ええ勿論よ」
アンコは二人が会話してる最中も、草の生えた木のケーキについて考えていた。
そんなケーキ、今まで聞いたことがない。これはお客に直接聞いてみたほうが良かったのでは無いだろうか?その方が何を求めているか分かったのでは無いだろうか?
「アンコ」
考え事をしていたら、周りが見えなくなっていたらしく、ヤスカタに肩を叩かれるまで周りに気付かなかった。
「え、あ、はい」
「シトロンが何か見つけたみたいよ。そんな怖い顔してるから困ってるけど」
目を上げると、怯えた様子のシトロンとやれやれと言ったようなヤスカタがいた。
「す、すみません!考え事をしてて」
そんなに怖い顔をしていたのか、これからはしないようにしようとアンコは反省したのだった。
「そうなんです。あ、あの本見させてもらってもいいですか?」
「ええ勿論よ」
アンコは二人が会話してる最中も、草の生えた木のケーキについて考えていた。
そんなケーキ、今まで聞いたことがない。これはお客に直接聞いてみたほうが良かったのでは無いだろうか?その方が何を求めているか分かったのでは無いだろうか?
「アンコ」
考え事をしていたら、周りが見えなくなっていたらしく、ヤスカタに肩を叩かれるまで周りに気付かなかった。
「え、あ、はい」
「シトロンが何か見つけたみたいよ。そんな怖い顔してるから困ってるけど」
目を上げると、怯えた様子のシトロンとやれやれと言ったようなヤスカタがいた。
「す、すみません!考え事をしてて」
そんなに怖い顔をしていたのか、これからはしないようにしようとアンコは反省したのだった。
「なるほど、ブッシュ・ド・ノエルですか」
シトロンが持っていた本には、横向きに置かれた薪のようなケーキが乗っていた。
「そ、そ、そうだと思います。淡雪さんが木みたいなやつだと言っていたので」
「これなら私でも作れるかな。お客さんはまだいるかしら・・・」
アンコは本をシトロンに返しながら呟いた。
「そ、それではキッチンに引き返しましょう・・・ヤスカタさん、ありがとうございました」
「どういたしまして」
シトロンが持っていた本には、横向きに置かれた薪のようなケーキが乗っていた。
「そ、そ、そうだと思います。淡雪さんが木みたいなやつだと言っていたので」
「これなら私でも作れるかな。お客さんはまだいるかしら・・・」
アンコは本をシトロンに返しながら呟いた。
「そ、それではキッチンに引き返しましょう・・・ヤスカタさん、ありがとうございました」
「どういたしまして」
「あ、吊坂さん、いえ、坂吊りさんです・・・」
キッチンには、アルバイトの吊坂ジュジィがいた。今は真っ黒な身体をしている。
「あ・・・・・・こんにちわです」
「ジュジィさん、突然すみません。淡雪さんが何か注文を受けてたみたいなんですが、淡雪さんを見かけませんでしたか?」
「あの、淡雪さんがうつらうつらし始めたので、私、いえボクがヘルプで入りました。そう言えば、何か聞いてきた人がいたような・・・」
アンコはこの黒い女の子の事を内心好いていた。態度が礼儀正しく、同僚として非常にやりやすい。
と、突然ジュジィの体色が黒から白に変わり始めた。
「それを聞いたのはボクだよ。ボクボク!」
元気な悪戯っ子の吊坂ジュジィだ。
「あ、坂吊さんです・・・あ、あの、淡雪さんから何か聞いてませんか?」
シトロンの問いに、ジュジィは少し考えてから答えた。
「う~ん、あ!思い出した!茶色くて、緑のコケ・・・?みたいなのが乗ってるケーキがなんとかって聞いてきた人がいた!」
(緑のコケ・・・?)
アンコは眉を寄せた。
「その人はまだ?」
「なんか急用ができたから帰るけど、また明日来るって言ってたよ」
「ありがとうございます。アンコさん・・・ア、アンコさん・・・?」
「え、あ、すみません。また考え事を・・・また明日来ると言っていたんでしたっけ」
「はい、明日いらっしゃるみたいで」
「作りましょう」
「え?」
「一度試作してみましょう。アイディアが沸いてきたんです」
アンコはそう言ってケーキの材料を引き寄せた。
「あ、はい。私も手伝います」
キッチンには、アルバイトの吊坂ジュジィがいた。今は真っ黒な身体をしている。
「あ・・・・・・こんにちわです」
「ジュジィさん、突然すみません。淡雪さんが何か注文を受けてたみたいなんですが、淡雪さんを見かけませんでしたか?」
「あの、淡雪さんがうつらうつらし始めたので、私、いえボクがヘルプで入りました。そう言えば、何か聞いてきた人がいたような・・・」
アンコはこの黒い女の子の事を内心好いていた。態度が礼儀正しく、同僚として非常にやりやすい。
と、突然ジュジィの体色が黒から白に変わり始めた。
「それを聞いたのはボクだよ。ボクボク!」
元気な悪戯っ子の吊坂ジュジィだ。
「あ、坂吊さんです・・・あ、あの、淡雪さんから何か聞いてませんか?」
シトロンの問いに、ジュジィは少し考えてから答えた。
「う~ん、あ!思い出した!茶色くて、緑のコケ・・・?みたいなのが乗ってるケーキがなんとかって聞いてきた人がいた!」
(緑のコケ・・・?)
アンコは眉を寄せた。
「その人はまだ?」
「なんか急用ができたから帰るけど、また明日来るって言ってたよ」
「ありがとうございます。アンコさん・・・ア、アンコさん・・・?」
「え、あ、すみません。また考え事を・・・また明日来ると言っていたんでしたっけ」
「はい、明日いらっしゃるみたいで」
「作りましょう」
「え?」
「一度試作してみましょう。アイディアが沸いてきたんです」
アンコはそう言ってケーキの材料を引き寄せた。
「あ、はい。私も手伝います」
試作品は順調に進み、一時間半ほどで完成した。草の木ようなと言う発言があった為、メロン味の飴細工を乗せたチョコレートケーキだ。
「おぉ~!すげぇ旨そう!」
「食べたい~!アンコ!シトロンお姉ちゃん!味見させて!」
「はい喜んで!」
「あの、沢山あるので慌てないで下さい・・・」
匂いを嗅ぎ付けたプラムとアイベリーが入ってきて、厨房は少し賑やかになった。
「おぉ~!これめっちゃうめぇ!」
「本当!すっごく美味しいよ!」
「上手いのじゃぁ!」
「ぶっ!のじゃロリ猫なんでここに?!あたいと勝負だ!」
「のほほ、わしが勝ったらお主の分のケーキも寄越すのじゃ!」
ブッシュ・ド・ノエルを食べたプラムとアイベリー(そして休みの筈なのに何故かいるのじゃロリ猫)の感想はとても良いもので、アンコとシトロンは、これならお客さんも喜んでくれると安堵したのだった。
「おぉ~!すげぇ旨そう!」
「食べたい~!アンコ!シトロンお姉ちゃん!味見させて!」
「はい喜んで!」
「あの、沢山あるので慌てないで下さい・・・」
匂いを嗅ぎ付けたプラムとアイベリーが入ってきて、厨房は少し賑やかになった。
「おぉ~!これめっちゃうめぇ!」
「本当!すっごく美味しいよ!」
「上手いのじゃぁ!」
「ぶっ!のじゃロリ猫なんでここに?!あたいと勝負だ!」
「のほほ、わしが勝ったらお主の分のケーキも寄越すのじゃ!」
ブッシュ・ド・ノエルを食べたプラムとアイベリー(そして休みの筈なのに何故かいるのじゃロリ猫)の感想はとても良いもので、アンコとシトロンは、これならお客さんも喜んでくれると安堵したのだった。
そして次の日のお昼すぎ、いつもより早めに出勤したアンコは、厨房でケーキを作っていた。
「あの、ケーキ、焼き上がります・・・」
「了解です。オーブンから取り出してきてください」
アンコはこの後作るための飴細工を作るのに必死だった為、手伝ってくれていたシトロンに任せたのだった。
「あ」
シトロンの小さな声に、ガシャンと言う音。アンコが振り向くと、ケーキを床に落っことして自分も床に転がっているシトロンが目に飛び込んできた。
「し、シトロンさん?!」
「ご、ご、ご、ごめんなさい!本当にごめんなさい!」
両者の目にぐしゃぐしゃになってもう食べられないケーキが写る。
「あ・・・」
シトロンは目に涙を一杯溜めて謝った。
「ごめんなさい!ごめんなさい!本当にごめんなさい!」
「だ、大丈夫です。謝らないで下さい」
地面に土下座しんばかりに謝るシトロンに、アンコは戸惑い困り果てた。
「ねえ、何してるのさ」
そこで響くは一人の少女の声であった。
「あの、ケーキ、焼き上がります・・・」
「了解です。オーブンから取り出してきてください」
アンコはこの後作るための飴細工を作るのに必死だった為、手伝ってくれていたシトロンに任せたのだった。
「あ」
シトロンの小さな声に、ガシャンと言う音。アンコが振り向くと、ケーキを床に落っことして自分も床に転がっているシトロンが目に飛び込んできた。
「し、シトロンさん?!」
「ご、ご、ご、ごめんなさい!本当にごめんなさい!」
両者の目にぐしゃぐしゃになってもう食べられないケーキが写る。
「あ・・・」
シトロンは目に涙を一杯溜めて謝った。
「ごめんなさい!ごめんなさい!本当にごめんなさい!」
「だ、大丈夫です。謝らないで下さい」
地面に土下座しんばかりに謝るシトロンに、アンコは戸惑い困り果てた。
「ねえ、何してるのさ」
そこで響くは一人の少女の声であった。
「全く、どうしてそんなに張り切るのさ。これだからシトロンはボクがいないと駄目だな」
マーマレードはそう呟き、姉の背を撫でながらアンコに向き直った。
「で、何作ってたの?」
「えっと、メロンの飴細工を乗せたブッシュ・ド・ノエルで・・・」
「う~ん、これ作り直すにはどれくらいかかんの?」
「一時間半位でしょうか・・・」
「じゃあ大丈夫かな。君の腕なら出来るだろ?ボクもちょっと手伝うから。もう一度やるんだ」
「あ、はい喜んで!」
アンコには以外だった。マーマレードと言う女性は、皮肉やで冷たくて、姉の(とりわけシトロンの)事にしか興味がないと思っていたのだ。
「ボケッと突っ立ってる暇があるなら準備する!」
「は、はい喜んで!」
アンコはビビりながらもマーマレードの言う事を聞いたのだった。
マーマレードはそう呟き、姉の背を撫でながらアンコに向き直った。
「で、何作ってたの?」
「えっと、メロンの飴細工を乗せたブッシュ・ド・ノエルで・・・」
「う~ん、これ作り直すにはどれくらいかかんの?」
「一時間半位でしょうか・・・」
「じゃあ大丈夫かな。君の腕なら出来るだろ?ボクもちょっと手伝うから。もう一度やるんだ」
「あ、はい喜んで!」
アンコには以外だった。マーマレードと言う女性は、皮肉やで冷たくて、姉の(とりわけシトロンの)事にしか興味がないと思っていたのだ。
「ボケッと突っ立ってる暇があるなら準備する!」
「は、はい喜んで!」
アンコはビビりながらもマーマレードの言う事を聞いたのだった。
カチャカチャと言う泡立て機とボールがぶつかる音が厨房に広がる。
「メロンの飴細工は時間がかかりすぎるので、今回は違うもので時短しようと思います」
「他のもの?」
苺を切っていたマーマレードが聞く。
「はい、それはこれです」
アンコは小坪を見せた。
「抹茶か・・・チョコレートケーキに抹茶って合うのか?」
「はい割りと・・・私家でも料理するんですけど、かなり美味しいと自負しています」
「作ったことがあるなら信頼するけど、君、その腕前でどうしてうちに来たの?」
アンコの手が止まった。
「え?」
アンコは少し考えてから言った。
「私の母の推薦なんです。パティシエ自体はずっと前からの夢だったんですけど、ある日急にここのチラシを持ってきて、ここならいいって言われたんですよね」
「ふーん、君の母親も、君の腕を知ってるんだったらもっと良いところに推薦すれば良かったのに」
「いえ・・・母とは一緒に暮らしてないんですよ。父とも・・・二人とも忙しいので・・・でも、心の奥では繋がってるから、寂しくないですよ」
「ふーん」
マーマレードは興味なさげに相槌を打ってから言った。
「よし出来た、次は何?」
「後はケーキを型に入れて焼くだけです。デコレーションの準備をしましょう」
「分かった」
マーマレードはてきぱきとオーブンに火をつけた。
「あ、あ、あのあの!」
そこにやって来たのはシトロン。
「こ、こ、これ良かったら使ってください!」
シトロンが両手に持っていたのは、柊の葉の砂糖細工だった。
「凄いです!とっても可愛い・・・これをつければ、お客さんも絶対に喜んでくれますよ!」
アンコはシトロンの手先の器用さに驚き、その器用さに目を丸くした。
「マーマレードさん!見てください!これ!凄いです!凄く可愛いです!」
「そんなに叫ばなくても聞こえてるよ。凄いね姉さん」
「そ、そ、そんな事ないよ・・・そもそも私が転んだのがいけないんだし・・・さ、砂糖細工だって直ぐに作ったのだし」
シトロンは顔を真っ赤にしながら否定したが、出来立てのブッシュ・ド・ノエルに、その柊の葉はよく似合っていた。
「メロンの飴細工は時間がかかりすぎるので、今回は違うもので時短しようと思います」
「他のもの?」
苺を切っていたマーマレードが聞く。
「はい、それはこれです」
アンコは小坪を見せた。
「抹茶か・・・チョコレートケーキに抹茶って合うのか?」
「はい割りと・・・私家でも料理するんですけど、かなり美味しいと自負しています」
「作ったことがあるなら信頼するけど、君、その腕前でどうしてうちに来たの?」
アンコの手が止まった。
「え?」
アンコは少し考えてから言った。
「私の母の推薦なんです。パティシエ自体はずっと前からの夢だったんですけど、ある日急にここのチラシを持ってきて、ここならいいって言われたんですよね」
「ふーん、君の母親も、君の腕を知ってるんだったらもっと良いところに推薦すれば良かったのに」
「いえ・・・母とは一緒に暮らしてないんですよ。父とも・・・二人とも忙しいので・・・でも、心の奥では繋がってるから、寂しくないですよ」
「ふーん」
マーマレードは興味なさげに相槌を打ってから言った。
「よし出来た、次は何?」
「後はケーキを型に入れて焼くだけです。デコレーションの準備をしましょう」
「分かった」
マーマレードはてきぱきとオーブンに火をつけた。
「あ、あ、あのあの!」
そこにやって来たのはシトロン。
「こ、こ、これ良かったら使ってください!」
シトロンが両手に持っていたのは、柊の葉の砂糖細工だった。
「凄いです!とっても可愛い・・・これをつければ、お客さんも絶対に喜んでくれますよ!」
アンコはシトロンの手先の器用さに驚き、その器用さに目を丸くした。
「マーマレードさん!見てください!これ!凄いです!凄く可愛いです!」
「そんなに叫ばなくても聞こえてるよ。凄いね姉さん」
「そ、そ、そんな事ないよ・・・そもそも私が転んだのがいけないんだし・・・さ、砂糖細工だって直ぐに作ったのだし」
シトロンは顔を真っ赤にしながら否定したが、出来立てのブッシュ・ド・ノエルに、その柊の葉はよく似合っていた。
アンコとシトロンとマーマレードは、ジュジィが陽気に運んでいる皿を注視していた。
「そう、これよこれ!こんな感じのが食べたかったの!完璧だわ!」
暫くして聞こえる客の声に、アンコは思わずガッツポーズをした。
「あの、良かったですね。アンコさん」
「シトロンさんとマーマレードさんのお陰です!本当にありがとうございました!」
「別に・・・一緒に仕事してる仲間なんだから、手伝うことくらい当たり前だろ。シトロン、行こう」
マーマレードはそっぽを向きながら言うと、厨房の方に引き返していった。
「もっと自信持てばいいんじゃないの?結構腕のいいパティシエなんだからさ」
腕のいい・・・仲間・・・
その言葉がアンコの胸を貫き、いつまでも忘れられない言葉になった。
それからアンコはマーマレードの事が少しだけ苦手では無くなったという。
「そう、これよこれ!こんな感じのが食べたかったの!完璧だわ!」
暫くして聞こえる客の声に、アンコは思わずガッツポーズをした。
「あの、良かったですね。アンコさん」
「シトロンさんとマーマレードさんのお陰です!本当にありがとうございました!」
「別に・・・一緒に仕事してる仲間なんだから、手伝うことくらい当たり前だろ。シトロン、行こう」
マーマレードはそっぽを向きながら言うと、厨房の方に引き返していった。
「もっと自信持てばいいんじゃないの?結構腕のいいパティシエなんだからさ」
腕のいい・・・仲間・・・
その言葉がアンコの胸を貫き、いつまでも忘れられない言葉になった。
それからアンコはマーマレードの事が少しだけ苦手では無くなったという。