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  • だゾロリエレファント 誕生秘話

創作女児小学生ズ@wiki

だゾロリエレファント 誕生秘話

最終更新:2025年10月19日 22:16

yuchan

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だれでも歓迎! 編集
「はぁ……はぁっ……!」

 真っ暗な路地裏を一匹の怪物が、壁にもたれかかりながら、歩く。痛い。痛い。
 身体はボロボロで血塗れ、呼吸をするだけで全身が痛む。足が震えて立っているだけでも辛い。

「クソッ、クソッ……!なんなのアイツ…!」

 壁にもたれて悪態をつく。自分は特殊な生まれの怪物だった。不死の身体を持ち、同種の中でも類い稀なる力の持ち主で、気に食わないと思った奴には誰彼構わずブッ飛ばして来た。

 だが、今回は喧嘩をふっかけた相手が悪かった。相性が悪かった。手痛い反撃を喰らい、這う這うの体で逃げ出した自分が苛まされているのは、生まれてこの方味わった事のない激痛と屈辱だ。

(クソッ、このままじゃ、死ぬ。誰か、助けを……!)

 すぐそこまで迫った死の恐怖に、思わずそんな考えが浮かぶが、すぐに思い直し、自嘲の笑みを浮かべる。

「……ハハっ。何言ってるんだろ。…助けてもらえる訳ないじゃん。」

 産まれた時から一人だった。気に食わない奴は暴力で黙らせてきた。そんな自分は同族からも嫌われている。そもそもこんな怪物を助けてくれるもの好きなどいない。

 自分の死期を悟り、とうとう歩くのをやめた。近くの壁にもたれかかりながら、座り込む。際限なく身体から血が流れて出て、動く力は既に無く、目も霞み始めてきた。

「このまま、死ぬのね…」

 終わりを受け入れ、そのまま目を閉じようとしたその時。

「あ、あのっ!大丈夫ですか!」

 声をかけられた。見れば、そこには黒髪で長髪の純朴そうな少女がいた。少女は怪物の状態を見て、酷く慌てながら手を取る。

「すごい怪我……!早く救急車を呼ばないと…!」

 少女は怪物の状態を見て、すぐにバックから携帯を取り出す。それを見て、反射的に口が動く。

「や、めろ……!人間如きが…!」

 それは意地だった。同種すらも見下していた怪物にとって、それよりも下に見ていた吹けば飛ぶような弱い人間に助けて貰うのは屈辱以外の何者でもなかったからだ。

「アタシはな…!今までアンタみたいな……ムカつく…虫ケラなんて、ズタボロに裂いてやってきたんだ……!」

 喋ったせいか、喉元から液体が迫り上がる感覚がしたと同時に、赤黒く、鉄臭い血を思わず吐き出してしまう。

「ゴッ…ホッ…!!ハァ……ハァ…!」

 血を吐きながらも、今持てる全力の殺意を剥けて、叫ぶ。

「さっさとここから、立ち去らないと……!アンタをズタボロに引き裂くぞ!」

 全力で叫んだ。傷ついても怪物。その圧は凄まじく、普通の人間ならすぐさま逃げ出してしまうだろう。
 だが、目の前の少女は。

「ズタボロなのは貴方の方でしょう!?今すぐ治療しないと貴方、死ぬよ!?」

 恐怖で目に涙を溜めながらも、なんと叫び返して見せた。弱い人間のくせに自分の圧を跳ね除けたのだ。
 予想外な出来事に呆気に取られたその隙に、彼女は手を取ると、肩を貸して、抱え上げる。

「呼べない事情があるなら、私が処置してあげる…!昔ちょっと勉強したことあるから…!」

 少女の肩を借りて、立ち上がった瞬間。反射的に攻撃しようかと思った瞬間。ビキリッ、と痛みが走り、思わず呻く。

「痛い!?ちょっと我慢してね、私の家で治療するから…!」

 ヨタヨタと歩きながら少女に連れられる。

(く、そ……)

 目がボヤけ、完全に視界が暗転し、意識はそこで途絶えた。






 目が覚める。それをきっかけに微睡の海から浮上するように意識が冴えてくる。

「……ここは。」

 目を覚まし、辺りを見回すと、自分がベッドに寝かされていた事に気づく。さらに視線を動かすと、白い清潔感のある部屋であることが分かる。

 そしてふと姿鏡に視線をやると、自分が包帯でぐるぐる巻きにされている事に気づく。

「あっ、起きた?」

 声がした方に目をやると、そこには恐らく自分を助け、治療をした少女がいた。
 その手には温かそうに湯気を登らせ、赤い梅が乗ったお粥が乗ったお盆を持っていた。

「ご飯作ったから、食べてみて。いっぱい食べれば傷が治るのも早いから。」

 少女はそう言って自分の前にお盆を置く。それを見たアタシは少女に尋ねる。

「……アンタ、アタシが怖くないの?」

 少女のその問いに一瞬ポカンとするが、彼女はニヘラ、と笑いながら言う。

「こ、怖かったけど、それでもボロボロの貴方を見捨てることはできないよ。それに、私、“アイドル”目指してるから!」

 少女の言葉に怪物は口をポカンと開けて呆気に取られる。

「アイ……ドル……?」

「そう!アイドル!みんなの憧れ!そして私の夢!アイドルになって世界中の人に笑顔にするのが私の夢なの!」

 天真爛漫に、そして少し恥ずかしそうにそう言う目の前の少女にポカンとしたまま怪物は尋ねる。

「……アイドルってなに?」

「ええーっ!?アイドル知らないの!?もしかしてあんまりTV見ない人?」

 少女はびっくりした表情を浮かべるが、キョトンとしている怪物を見て、ホントに知らないのだと察すると、ガサゴソと棚を探し始める。

「アイドルを知らないなんて人生損しているよ!一緒に資料用のアリーナDVDを観ながら教えてあげる!」

「お、おぉ……。」

 少女のものすごい熱意に圧され、怪物は思わず承諾してしまう。承諾して、なんで下等な人間なんぞに、と思ったが、彼女の真剣な表情を見ると、不思議と口に出す気も起きなかった。

(……傷がまだ癒えていないからだ。こうなったらこの傷が癒えるまで、コイツを利用してやる。)

 そんな風に怪物が考えていると、少女は怪物に向き直る。

「あ、そう言えば名前!私はね。綺羅星 瞬子(きらほし またこ)って言うの。あなたは?」

 少女、瞬子に尋ねられ、怪物は一拍置いて、ボソリと呟くように答えた。

「……エレン。」

「エレンちゃんね!やっぱ見た目からして思ってたけど外国の人だったんだね!顔も可愛いし、その菫色の瞳も綺麗だと思ってたんだよ!」

 混じり気の、裏表のない真っ直ぐな言葉にエレンはフイッと顔を反らす。決して、初めて他者から貰った褒め言葉に顔が赤くなったのを隠した訳ではない。

「……そう。」

「ヨシっ!準備できた!」

 瞬子がそう言うと、テレビが再生を始める。

「これね!私がめっちゃ推してるアイドルグループの周年ライブなの!皆がスッゴくキラキラしてて!会場の盛り上がりもスゴイの!もう何回も観てるけど、もう毎回泣けちゃって…!」

 瞬子の説明を聞き流しながら、エレンはヘッと心の中で冷笑を浮かべる。

(下等な人間の催し如きで、アタシが楽しめる訳ないでしょ……)

 そうしてDVDが再生を始める。暗転から三人組のアイドルグループがステージへと上がるところから始まる。彼女達がステージに上がり、その姿を見せるだけで観客が熱狂する。
 彼女達の呼び掛けに、観客が応える。そしてキラキラとした照明と共に音楽が流れ、アイドル達が歌う。
 少女達の歌に合わせて、観客の熱狂は増しつつも、合いの手を入れて、場は一体となっていく。
 これだけの人数を歌と踊りだけで掌握し、輝くアイドル達の姿が強くエレンの眼に焼き付く。
 そして気がつけばDVDは再生が終わり、画面はエンディングのクレジットが流れ始めていた。

「はっー!やっぱりすごいな〜!何度見ても感動しちゃう!ねぇ、エレンちゃんはどう……」

 見終わった瞬子がエレンの反応を見ようと振り返って、固まる。

「…エレンちゃん、泣いてるの?」

「───えっ。」

 瞬子に言われて初めてエレンは自分の頬を温かい液体が伝うのを感じる。

「えっ、えっ……!?」

 人間如きの舞を見ただけで涙が溢れた。その事実にエレンは戸惑う。産まれてこの方涙なぞ流したことは無かった。傷つけられても、殺し合っても、涙は流れなかった。
 産まれて初めてのことにエレンが戸惑っていると、瞬子は彼女の手を取り、言う。

「貴方も分かってくれたんだね…!アイドルの良さに!」

「ア?」

「そう。いつもこのDVDを観て、思うの。アイドルはね!人に元気を与えて、そして感動させる。それが回り回って誰かの人生を変えるの!これって、スゴイ事だと思わない?」

「……人生を、変える?」

「うんっ!私もそんなアイドルになりたいから!オーディション頑張ってるの!……まだ、自信はないけど。」

 瞬子はテヘヘと笑う。エレンはDVDに目を落とし、そして昨夜の出来事を思い出す。

『今すぐ治療しないと、貴方死ぬんだよ!?』

(ただの人間が、アタシに意見するほどの勇気を持たせた。アタシを初めて泣かせた。……アイドル。)

 エレンはそのことを反芻しながら、瞬子に視線を戻して、言う。

「……アタシに、怪物のアタシにあんだけ啖呵を切ったんだ。もっと自信持ちなよ。」

 エレンの言葉に彼女は少しキョトンとした顔をした後、ニヘラ、と笑い。

「ありがとね。励ましてくれて。」

 お礼を言った。





 それからしばらく傷が癒えるまで、エレンは瞬子の家に厄介になる事になった。
 その間、エレンは彼女にアイドルの事を教えて欲しいと頼んだ。
 “アイドル”に今の自分が持ち得ない、強さがあるように感じたからだ。
 彼女のお願いを瞬子は快く引き受け。

「よしっ!こう言うのはね!習うより慣れろ!だよ!」

 そう言ってエレンは瞬子の自宅レッスンに付き合う事になった。勿論怪我をしているので、ダンスなど激しい運動はしなかったが、仕草や歌唱等を教えてくれた。

「エレンちゃんこうだよ!だ⭐︎ゾ!」

「だ…ゾ?」

「違う違うだ⭐︎ゾ!」

「む、難しい……」

「エレンちゃん顔が整っているから、仕草さえ極めれば全然アイドルやっていけるよ!」

 と、そんな風に瞬子はエレンにアイドルの簡単ないろはを教えてくれたのだった。
 瞬子がいない間、エレンは彼女のコレクションのDVDを見続けていた。ステージの上で歌うアイドル。煌めく姿。そんなアイドルを応援する観客。多くの人から称賛され、応援されるその姿を見た彼女の口からポロリ、とある言葉が漏れる。

「……いいな。」

 思わず呟いた。思い返してみれば産まれてからずっと自分が何がしたいのか、分からなかった。
 分からない度にイライラが募っていった。暴力を他人に振るえば多少は苛立ちが紛れた。だが、それをする度にイライラは募るように増していった。
 それの行き着いた先が、今のこのザマだ。
 やりたい事が見つかりそうだ、そう思った。だが今まで自分がしてきたことを考えると、アイドルは対極の位置にいる。そう考えるとこれは本当に自分がやりたいと心から思っているのか分からなくなる。

(アタシが本当にやりたい事、ねぇ……)

 そう独りごちると、彼女はため息をついた。





「ただいまー!エレンちゃん!傷はどう?」

 帰宅した瞬子はベッドにいるエレンに尋ねる。するとエレンは立ち上がり、包帯を取って見せる。
 包帯を取ると、そこには傷一つない、白磁のような美しい肌が見えた。それを見た彼女は驚く。

「ええっ!もう治ったの?」

「当然よ。アタシは怪物なんだから。」

 エレンがそう言うと、瞬子はへぇーと全身をジロジロと見つめる。

「結構な怪我だったから、もう少しかかるかも、と思ってたんだけど。」

「……治ったから出て行くわ。世話になったわね。」

「えぇーっ!もう出て行くの!?」

 エレンがそう言うと、少し残念そうに瞬子が言う。

「おかしな奴。タダ飯食らいの怪物をいつまでも置いておいたら迷惑でしょ?」

「そ、そんな事ないよ!」

「……アタシのような怪物と関わり合うと碌な事にならないわ。助けて貰った礼は必ずするけど、それでアンタとの縁は──」

「ね、それならさ!もうちょい待ってよ!」

 瞬子は出て行こうとするエレンを引き止める。

「準備するからさ、せめてご飯食べていってよ。」

 彼女は食材を持って、台所で料理を始める。料理をしながら瞬子はエレンに話しかける。

「実は私さ、アイドルになりたいって言った時、周りからスッゴい反対されたんだよね。お前じゃ無理だって。」

 料理の音が響く中、瞬子の独白が続く。

「でもさ。私。諦めたく無かったの。だってさ。私の人生って、私が決めるものじゃない?だから、もし失敗しても私はこの挑戦で得るものがあったと胸を張って言える方を選んだつもり。」

 その独白を、エレンは静かに聞いていた。そしてフッと笑うと。

「……やっぱり、アンタは強いわね。」

「そんな事ないよ。向こう見ずなだけ。」

「それもまた強さよ。」

 エレンは窓の外に視線を映す。空は雲一つ無く、キラキラと星が輝いている。

「……アタシさ。産まれて初めてやりたいことを見つけたの。けど、それはアタシが手を伸ばして良いものなのか、分からない。」

「うん。分かるよ。やったことのないことを踏み出そうと思ったらどうしても不安になっちゃうよね。」

 相槌を打ちながら瞬子はエレンに言う。

「……」

「……きっと。人生にこれが確実に正解って言える事はないんじゃないかな、と思うんだよね。未来は誰にも分からないんだから。この選択が間違っていた、ああすれば良かった、なんていつも終わってから気づくもん。」

 瞬子は続ける。

「だからさ。人生って存外いつでもやり直せるじゃないかな。」

「いつでも、やり直せる……」

「そ、なんか本で言ってたことの受け売りなんだけどね!何かを始めるのに遅過ぎることはない!って!だから、エレンちゃんもやりたい事をやっていいんだよ!」

「……はっ。面白いことが書いてある本ね。」

「怪物なんだから、やっぱ人間より長生きするんでしょ?なら、全然遅いことなんてないんじゃない?」

 瞬子は悪戯っぽく笑って言う。それを見てエレンも笑う。

「言うじゃないアンタ。そうよ。アタシは人間より遥かに長生きなの。」

「あはは!やっぱり?長生きなんだ!どれくらい長生き?」

「そうね。ザッと2000年位。」

「いいね!いい設定!エレンちゃんがアイドルになったら売り文句としてイケるかも!」

「それ以上生きてんだけどね。ってアタシがアイドル?」

「うん!エレンちゃん綺麗だし、目指してみたら?私応援するよ!」

「考えとくわ。」

 そして互いに笑い合っていると、料理が終わったのか、瞬子が出来た料理を持ってテーブルに置く。
 二人は席につき、手を合わせる。

「「いただきます。」」

「ん〜美味しい!エレンちゃんはどう?」

「美味い。」

「良かった〜!」

 嬉しそうに笑う彼女を見て、エレンはふと思う。

(……アタシが今したいこと、か。)

 エレンは料理を食べ終わると、立ち上がる。

「ご馳走様。何から何までありがとね。」

「ううん。短い間だけど、楽しかった!」

 玄関へ向かう彼女の背中を瞬子は少し残念そうに見つめる。
 扉を開け、外へ出る──前にエレンは振り返ると。

「……そうだ。アンタオーディション受かったんでしょ。ならライブする時、教えなさいよ。観に行くから。」

 少し照れ臭そうに頰を掻きながらそう言うエレンに、瞬子は笑顔を浮かべて、その手を取ると。

「分かった!私のライブが決まったら絶対エレンちゃんに教える!だから、絶対観に来てね!約束!」

「……えぇ。約束。」

 エレンはそう笑って握り返す。しばらくして、その手を離す。そして、彼女は夜の闇へと消えて行く。

「約束だからねー!」

 眼前に広がる闇に、瞬子はそう叫んだ。





 ──一年後。すっかり復調したエレンは街をぶらつきながら、ふと、ある事を思い出す。

「そう言えばアイツ。元気でやっているかしら。」

 念願のアイドルオーディションに受かったと言っていたが、ライブ云々の連絡はまだない。おそらくレッスンをしているのだろうか?

「少し尋ねてみようかしら。」

 そう思い立つと、記憶を頼りに瞬子が住んでいるアパートへと向かう。
 意外と覚えているもので、アパートの扉の前に着くとインターホンを鳴らす。
 しかし、出ない。不思議に思い、二度鳴らして見るがそれでも反応はない。

「留守かしら。」

 出直すか……と彼女が踵を返そうとしたその時。

「あの……その部屋に何か用ですか?」

 声をかけられる。振り返ると、そこには少し頰がコケた細身の中年女性がいた。

「あぁ。ここに住んでる友達に会いに来たんですが、どうも生憎留守だったようで。」

 エレンがそう言うと、女性はハッとしたような表情をして。

「……もしかして、貴方エレンさん?」

 彼女の発言にピクリ、とエレンは眉を顰める。

「なんで、名前を……」

「あ、ごめんなさい。貴方のことは娘から聞いてて…つい。」

「娘……って事は貴方は瞬子のお母さん?」

 エレンは瞬子の母に尋ねてみる。

「そうだ、彼女。アイドルになったんでしょ?どうしてるかしら。ちょっと様子を見に来たのだけれど。」

 エレンの問いに、瞬子の母の顔が曇る。そして言いづらそうに、絞り出すように言う。

「あの……実はね。あの子は……」





「………は?」

 思わず声が漏れる。そのくらい、彼女にとって目の前の光景が信じられないものだった。
 彼女の目の前にあるモノ。それは幸せそうに笑う“瞬子の写真”と仏壇だった。
 唖然とする彼女に母が悲しそうに言う。

「……ほんの数ヶ月前だったの。あの娘が、スタジオに行こうとした時。交通事故で……。せっかく夢を叶えたのに」

 辛そうに泣く母の言葉を聞いたエレンの口から言葉が漏れる。

「……叶えてない。何も、叶えてない。」

 瞬子のあの日、別れた日の嬉しそうな笑顔がエレンの脳裏にチラつく。

「アンタは、アイドルになって皆を、笑顔に……するんじゃなかったの?アンタのライブを、アタシに…観せるんじゃなかったの?」

 エレンの問いかけに、写真の瞬子は笑顔のまま何も答えなかった。





 ざぁざぁと雨が降り頻る中、エレンは傘も刺さず、ふらふらと彷徨うように歩いていた。
 目的もなく、ただただ、歩いていた。そして気がつくと、いつの間にかエレンは路地裏にいた。

「……ここは。」

 そこは死にかけのエレンと瞬子が出会った場所だった。

「……下等な人間、如きが死んだところで、アタシの心は響かない。」

 エレンは自分に言い聞かせるように言う。今まで、人の生き死にはたくさん見て来たし、なんだったら自分の手で奪う事もあった。しかし、それらのことはエレンの心にはチッとも響かなかった。
 だが、瞬子の死は今までとは違い、エレンの胸に錨のように刺さって、心を掻き乱す。

「……響かない……響かない、ハズ、なのに」

 手の甲に温かい何かが溢れる感触がする。目を落として気づく。それは自分の目から零れ落ちた涙だった。
 手の甲で急速に熱が冷めて行く。もうあの顔を見る事も、言葉を交わすことが出来ないと認識した途端に胸の中に寂寥感が押し寄せ、苦しくなる。訳の分からない感情に頭が支配され、嗚咽が漏れる。

「うあ、ああああ…!」

 膝を突いて、崩れ落ちる。瞬子は輝くハズだった。彼女の笑顔は多くの人を笑顔に出来たハズだ。
 だが、その道は閉ざされた。しかもあまりにも呆気ない幕切れで、だ。

「うあああああああああああ!!」

 多くの人に愛されるハズだった彼女が日の目を浴びる事なく、その一歩手前でひっそりと消えた。それだけが悔しかった。悔しくてたまらない。
 産まれて初めて悲しみの感情を吐き出した。雨に濡れながら泣いて呻いて、吐き続けた。
 段々とそれは小さくなり、エレンは落ち着きを取り戻すと、目を擦りながら空を見上げる。

「……アンタの意思は、アタシが継ぐ。アンタから教えて貰った方法で、この道を──。」

 目をゴシゴシと拭う。

「怪物のアタシは、今ここで死んだ。今からアタシは──」

 すると彼女の眼に星が宿る。そして彼女は笑みを浮かべて言った。

「だゾロリエレファント、だゾ⭐︎」

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