データ
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≪クラス≫:バーサーカー
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【真名】:クリスティーナ 【属性】:混沌・善
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【筋力】:D 【耐久】:D 【敏捷】:D 【魔力】:C 【幸運】:B 【宝具】:B
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AA:Weiss Schnee(RWBY)
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【クラススキル】
◆狂化:-
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
しかし、彼女の意志が狂乱の鎖を打ち破ったため、このスキルは失われている。
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【保有スキル】
◆ルーン魔術:C
ゴート人に伝わるルーンの魔術。
ルーンの使い分けにより、多彩な効果を使いこなす。
バーサーカーの王家はヨーロッパ、アジア、アフリカを支配したゴート人の末裔である。
しかし、彼女はその立場を放棄し、キリスト教国民の平和を選んだ。
◆結婚願望:C
特定人物への恋愛感情。
対象が直接関わる場合のみ、愛の力は現実を歪める。
彼女は結婚を夢見るくらいに愛し合っていた相手がいたが、愛を切り捨て自由を選び、生涯独身を貫いた。
◆獅子王の娘:B
北方の獅子王の娘である彼女が持つ固有スキル。
彼女が本来持つカリスマが更に強化されたもの。
自軍の能力を向上させる上に、自身を除く味方全体に戦闘続行のスキルを付与する。
死してなおグスタフ・二世・アドルフが遺した影響を現すスキル。
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【宝具】
◆『我思う、故に私はありのままに(バロッケンズ・ドロットニング)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1
後世にて「バロックの女王」と評されるクリスティーナの生き様。
彼女は何物にも縛られない。常に自由である。
たとえ令呪を何画重ねようとも、彼女の意志を曲げる事は出来ない。
また、捨てる物を宣言し、真名開放を行う事で、我を通す奇跡を起こす事が可能。
その対価とは自分のスキル、あるいは彼女の霊基本体。
無論、対価として払ったものはいかなる手段でも元に戻らない。
条約締結の際の譲歩、一生結婚しない宣言、王冠を脱いで、カトリックへの改宗。
自身が手にしていたものを捨てて、彼女は自分の意志を貫いてきた。
しかし、慢性的な金欠に陥り、金目的で各国を訪問する羽目になった自業自得の逸話も持つ。
自由にも対価が求められるのである。だが、対価を払う価値のあるものを彼女は手に入れた。
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/ / /. j{ }! /-=_ rfY/ マ...| | ! | |...マ ム
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【Weapon】
◆美徳の剣
カトリックの教義である「七元徳」の概念武装。彼女のお気に入りの武器。
聖堂教会の扱う概念武装がメチャ格好良くて美しかったので、コネで頼んで作らせた。
七元徳内の一つの徳が主体として刀身を形成し、その他の徳は柄の内部に収まっている。
なお、この概念の素体は、スウェーデン軍に強奪させたルドルフ二世のコレクションに含まれる、とある芸術家の作品である。
「……カトリック改宗の理由って、もしかしてこれでは?」
「ノーコメントとさせて頂きますわ。」
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【来歴】
十七世紀ヴァーサ朝スウェーデンの女王。
北方の獅子王と呼ばれるグスタフ・二世・アドルフと、ヨーロッパ一の美女と言われたヤンデレ、マリア・エレオノーラの娘。
オクセンシェルナを始めとする反対派を抑えて譲歩を行い、ヴェストファーレン条約を締結して三十年戦争を終わらせる。
その後、生涯結婚はしないという独身宣言を行い、カール十世を王位後継者に指定。
更に退位して祖国を脱し、カトリックに改宗した。
カトリックにルター、カルヴァンに次ぐ大打撃を与え、プロテスタントに勝利をもたらしたグスタフの娘の改宗。
これはカトリックの勝利として最大の宣伝に成り得るものだったが、懺悔者として振る舞う事が望まれたクリスティーナは相変わらず女王として振る舞った。
彼女の信念は「自由に生まれたが故に自由に生き、また自由に死なんことを欲す」というものだったという。
その劇的な生き様はバロックの時代精神を体現したものとされ、故に後世の人々は、彼女をバロックの女王と呼ぶ。
三十年戦争の最中、グスタフ・二世・アドルフは信仰の敵を追い払い、ゴート人の末裔としてヨーロッパを支配すべく、大陸へと旅立つ。
グスタフは宰相オクセンシェルナに娘を王女ではなく、王子として教育しろと言い残していた。
グスタフの死後、窮地に陥ったスウェーデン軍を外交にて粘り強く支え、反撃の楔を打ったオクセンシェルナが帰国した。
黒布で覆われた、光の閉ざされた部屋。
幼くして国王となったクリスティーナは、箱に入れた夫の心臓を枕元に下げて涙する母マリア・エレオノーラの部屋に三年半も幽閉されていた。
オクセンシェルナはクリスティーナを救い出し、勝手にデンマークと結ぼうとしていたマリアをストックホルムから追放する。
オクセンシェルナは内政や外交にて奮戦しながら、亡きグスタフの娘の教育の為に時間を割いた。
そしてクリスティーナもそれに答え、十二時間を勉強に充て、ほとんど休憩を必要とせず、あらゆる知識を貪欲に吸収した。
講義の無い時は剣術、狩猟、射撃、舞踏等々の鍛錬に充て、戦う技術を身に付ける。
教育を受ける中で、彼女は女王としての自覚を持ち、為すべき事を考えるようになる。
彼女はオクセンシェルナを尊敬していたし、父親のように慕ってもいた。
父より受け継いだ炎の情熱と調和する、氷の冷静さを与えてくれたのは彼だった。
しかし、長ずるにつれてオクセンシェルナとは思想の違いから対立し、政治の舞台でそれは顕在化する。
そしてそれは、スウェーデンという祖国との対立にも繋がる。
親政が始まると、クリスティーナはスウェーデンの方針を百八十度転換し、講和に向けて活発に動き始める。
戦勝を重ねているスウェーデンの妨害によって開催されずにいた講和会議がようやく始まった。
だが会議は遅々として進まず、代表の席次を決めるのに半年もかかる有様で、更にスウェーデン政府は過大な要求を突き付け、神聖ローマ帝国の皇帝使節を憤慨させる。
スウェーデン政府はまだまだ戦争を終わらせる気など微塵もなく、既に壊滅状態にある相手が折れるまで戦い続け、自国の利益を追求しようとしたのである。
しかし、クリスティーナ女王は和平に前向きな姿勢を示す。
為すべき事とは戦いを終わらせる事であり、敵が屈するまで戦い続ける事ではないと。
国内からは臆病な講和であると非難の声が巻き起こり、オクセンシェルナを始めとする強硬派からも猛反発を食らう。
だが彼女は意志を貫き、宰相職こそ奪わなかったものの政治の舞台からオクセンシェルナを遠ざけ、寛大な譲歩を以てヴェストファーレン条約を締結せしめる。
三十年戦争はプラハ城窓外放擲事件より始まった。
宗教対立の、各国の普遍主義の、己の正義を掲げて力により普遍化を図り、他の正義を許さない非寛容が戦火を拡大させて、甚大な被害をもたらした。
それは偉大なる父やオクセンシェルナも例外ではない。もはやこの戦争は、兵士にパンを与える為の戦争の為の戦争と化していた。
こうした状況をもたらす非寛容に対し、クリスティーナは譲歩という寛容を以て答えた。
ゴート人の末裔としての立場を放棄し、スウェーデンの取り分を必要最低限まで減らし、ようやく長きに渡る戦争に終止符を打ったのである。
この時結ばれたヴェストファーレン条約が多数の正義や秩序の併存を認めるシステムをもたらし、近代の国際秩序を形成した。
さて、その後であるが。
先の条約締結にて彼女の思想と国が目指す道の乖離が表面化した。
元々その乖離を予測していた彼女は、条約締結の前から退位の計画を入念に立てていた。
以前より相思相愛だったカール・グスタフに手柄を立てさせておいたのである。
彼を軍の総司令官に命じ、ドイツに赴かせた時、カール・グスタフにはこのように語っていた。
結婚の希望を奪わない、しかし与える事も出来ない。
だがもし結婚するとしたら、貴方以外の如何なる者も配偶者として選ばないだろう。
もし結婚しないと決心したら、国家の安寧の為に、貴方を後継者とし、世襲君主に選ぶ事に努力する。
これ以上の事は約束できない、と。
カールは、クリスティーナと結婚出来ないのならスウェーデンを去ると訴えた。
だが、彼女は家庭を営むよりも高い使命がある、と彼を叱咤する。
カールは粛々と彼女に訴え続けたが、クリスティーナは動じなかったという。
カール・グスタフと結ばれて、裏から彼を支えて行く道もあっただろう。
しかしそれは一生をスウェーデンに縛られる事を意味する。
人々は「クリスティーナ」ではなく、「北方の獅子王の娘」である事を彼女に対して望んでいる。
元よりそれを悟っていた彼女であったが、いざ現実を目の当たりにした今、自国の利益しか考えない頑迷なスウェーデンに対する愛情は完全に冷めてしまっていた。
彼女は決断を下す。
三十年戦争も終結した所でと、女王にカール・グスタフとの結婚の話が持ち上がる。
しかし、クリスティーナはこれを断固として拒否し、一生結婚しないと宣言。
そしてカールを王位後継世襲者に指名し、退位して私人となる決意を表明する。
無論国中大反対でどうにかして彼女を引き留めようとしたが、その意志は変わらない。
だが一人の男の演説が彼女を感動させて、一時的に退位を思いとどまらせる。
宰相オクセンシェルナである。
彼はクリスティーナが今まで国の為に尽くして来た事に対して感謝の意を表し、王家の一切の借財を支払い、
豪華に生活するに足る宮廷財政の基金を調達しよう、とまで約束したのである。
クリスティーナは親政の中でスウェーデンを「北方のアテネ」とすべく、文化的発展を目指してきたが、財政には無関心で財政難を引き起こしていた。
だがそれよりも、反目し合っていた筈のオクセンシェルナの心からの愛情と誠実さを感じ、心を動かされた彼女は翻意した。
こうしたひと悶着があった後、クリスティーナは近代哲学の祖デカルトをスウェーデンに招く。
クリスティーナは後に行うカトリック改宗の動機をデカルトによるものだと言い残している。
彼らのやり取りは断片的にしか残っておらず、何故改宗に至ったか、デカルトは何を教え得たのかという謎は、現在でも研究の対象になっている。
デカルトは朝早くから講義を行い、風邪をこじらせて死ぬ。数ヶ月の付き合いではあったが、彼女の内面に小さくない影響を残した。
ある日、クリスティーナは病に倒れる。
それをフランスの医者ブールドロが助け、クリスティーナは彼に「神の次に命の恩人」とまでいって感謝の意を示した。
病の原因は過労と栄養不良だった。
その為、薬物ではなく気分転換が必要であるとして、ストックホルムから離れて静養する。
病から回復したクリスティーナには明らかに精神的な変化があった。
学者達よりもブールドロを寵愛し、国務も学問も顧みなくなり、宮廷はフランス趣味に支配された。
女王に対する信望は失われ、スウェーデン人は女王ではなく彼女を堕落させたブールドロを憎悪した。
その憎悪はついにはブールドロが護衛なしには外出出来なくなるまで険悪になった。
クリスティーナも彼を解任せざるを得なかった。
クリスティーナは荷造りをして船に美術品や蔵書を詰め込ませた。
なお、その大半は戦争で強奪させたルドルフ二世のコレクションである。
退位の意志を表明してから二年が経過したこの頃、改めて退位の意志を表明した。
もちろん混乱が巻き起こり、オクセンシェルナは三ヶ月以内に後悔する事になると予言した。
だがもう、誰も彼女を止める事は出来なかった。ついに彼女は王冠を脱ぐ。
余談だが、彼女が退位した二か月後、オクセンシェルナは死去する。
彼女は祖国を逃げるようにして去り、インスブルックにてカトリックに改宗する。
法皇はカトリックの勝利のこれ以上ない宣伝になるとして彼女を喜んで迎えたのであるが、やがてそれは困惑に変わった。
クリスティーナは女王として振舞ったからである。
そして彼女に対する反感や敵意にも拘わらず、ローマの社交界は彼女の学識と才気に嘆賞せざるを得なかった。
法皇にすら歯に衣着せぬ発言を行い、彼女はいつしか「ローマの女主人(パドローナ)」と呼ばれるようになる。
ローマに落ち着いた彼女は学者支援やサロン活動、学問や芸術、魔術に錬金術の研究にて大いに散財しまくった。
金の出所はスウェーデンにある彼女の領地からの収入である。
しかし、スウェーデンがポーランドとの戦争を開始すると、収入が半分に低下し、終いには収入自体が不確かになってきた。
その為に慢性的な金銭不足に陥り、彼女は金策に走り、各国の王位やスウェーデンの返り咲きを狙い、失敗と苦汁を味わう羽目になる。
だがローマへ帰ってくると、人々は彼女を温かく迎えてくれるのだった。彼女は自分らしくいられる居場所を見つけたのである。
ローマ在住は改宗から三十年以上続いた。
生涯の親友となる枢機卿アゾリノと出会い、彼のフォローに助けられながら、敵対する枢機卿の館に大砲をぶち込んだりと自由奔放にふるまった。
記録には残っていないが、恐らく聖堂教会とも仲良くやり合っていた事だろう。彼女の監督者とされたアゾリノの心労が偲ばれる。
後世にて「バロックの女王」と評される彼女の生涯は六十三歳にて幕を閉じた。
遺体はサン・ピエトロ大聖堂に眠っている。
【能力】
状況に幅広く対応できるルーン魔術と宝具が強み。
結婚願望はカール十世(カール・グスタフ)が召喚されている等の特別な状況でない限り、実質フレーバースキル。
一応彼女を攻略出来ればちょっとした無理なら押し通せるようになる。だが、攻略するのは現実的ではない。
宝具はスキルを消費して発動する令呪みたいなもの。
彼女の霊基を対価にした場合は彼女が消滅し、宝具が発動した結果だけが残る。
また、常在効果により、令呪や狂化、精神干渉系・束縛系能力等を無効化する。ただし、幻術系などには効果がない。
Q.スキルは判るけど、なんで自分も対価に出来るの?
A.信念通り、自由に死ねるから。
【性格】
気高き女王にして恋する乙女。
本来は「男装し、男として振舞う方が自然だった」、「女性らしい事に何一つ興味を持たなかった」という逸話が残る程の男勝りな人物なのだが、
意中の相手を射止める為に女性らしさを求め、家庭的なスキルを一つでも身に付けようと努力を重ねている。
目指す女性像は守られる女性、男性にリードされる女性。
両想いでありながら、生前結婚を諦められた理由は己の強さにあると認識している。
その為、自我を抑えてお淑やかな女性を演じるのだが、その真逆である本性は隠し切れない。
しっかりとしたリーダーがいない場合、大体その内我慢出来なくなって場を仕切り始める。
苦手なものは金銭、魔力の管理。節制という概念の上にバツ印が付いている。
関連して、その場その場の判断はずば抜けて的確だが後先を考えずに能力を使う為、長期的なプランを立てられる相方無しでは窮地に陥る。
でありながら、認めた相手の言う事しか聞かないので、聖杯戦争に勝ち残りたければ、マスターは信頼関係の構築が急務となる。
【聖杯への願い】
カール・グスタフと結ばれる事。
ヨーロッパ、アジア、アフリカを支配したゴート人の末裔としての立場。
カール十世としてスウェーデンの最盛期を築き上げる事となる、カール・グスタフへの愛。
三十年戦争の勝者となり、その名をヨーロッパ中に響かせたスウェーデンの王位。
彼女は自分の意志を通す為に様々なものを捨てて来た。それに後悔はない。
ただ。一生を終えて、もし許されるのならば。
天秤にかけて、自由を選択をした事を許してもらえるのであれば。
父の遺言によって男として育てられた自分に、初めて女性としての心を芽生えさせてくれた彼に、自分の手を取って貰いたい。
──本当は、彼の方から強引に手を引いて欲しかったのだが。
もし願いが叶ったとしたら、父と母、それにオクセンシェルナ等を呼んで、「カトリックの教会」で純白のウエディングドレスを着て結婚式を挙げるのが夢。
※スウェーデンはプロテスタント主義。
【その他コメント】
ワイス成分が足りないと嘆いていたスレ主がいたので、ワイスAAの鯖作るかーと思い、作成。
もちろん、他の方に使って頂くのも大歓迎。RWBYに興味がなくとも魅力的なデータに仕上がっていると思います。
来歴が長いのは癖もあるが、書かないと調べられる範囲の情報量が少ないし、情報があるに越した事はないと判断したため。
外国ではハリウッドの映画が作られるくらいに有名らしいのだが、如何せん日本だと知名度がないのでネットで調べても詳しい経緯は分からない。
過去にも同真名同クラスで作っていますが、ほぼ別物なので別データとしての登録をお願いします。
美徳の剣の「とある芸術家」は解釈の余地を残す為にあえて濁していますが、七元徳のwiki内で下の方に書いてある画家を想定しています。
【参考文献】
「スウェーデン女王クリスチナ バロック精神史の一肖像 著:下村寅太郎」
「戦うハプスブルク家 著:菊池良生」
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