2012年多ジャンルバトルロワイアル、簡易総集編

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2012年多ジャンルバトルロワイアル、簡易総集編





    ◆    ◆    ◆



   【暴走する正義】【二心同体】



    ◆    ◆    ◆



『君もあの場でシャドームーンの恐ろしさを見ただろう、それでも全ての参加者を生きたまま保護するというのか?』


異形の生物、ミギーの問い。


「ええ、そのつもりです」


異形の心、杉下右京の答え。


『そうか、ならば私から一つ言っておこう』


一呼吸置いて、ミギーは口を開く。


『君の正義はいつか暴走する、そして周りの人間たちを滅ぼすだろう』


それはかつての右京の上司が送った言葉。


「胸に留めておきます」


――――そう告げる右京の顔に、変化はなかった。





    ◆    ◆    ◆


      【願い】【誓い】


    ◆    ◆    ◆




――――私たちの世界って言いましたよね……そんなものもう私にはありません、私の世界はもう終わってるんですよぉッ!


光が、世界を包む。
願いによって、世界が終わろうとする。


――――これで……契約は果たしたぞ……


それでも誓いがある。


――――そんなの見せつけられたら……俺……


辛い世界で、生きようとする誓いがある。


――――いつまでもダラダラしてないで、やりたいことがあったらすぐやる!


世界は、終わっていない。



    ◆    ◆    ◆


   【英雄の強さ】【少女の痛み】


    ◆    ◆    ◆



――――光太郎さんが優しいのは、強いからじゃなかったの?


「みなみちゃん……!!!」


――――もう強くないのに優しいのは何で?


「ごめん、気付けなくて……俺は、自分の事ばかりだった……!」


――――何で、怒らないの?


「それでも聞いて、みなみちゃん……俺の事は、忘れていいから……!」


――――「忘れていい」なんて、どうして言えるの?


カズマ君や翠星石ちゃんだけじゃない、上田さんだって、Lさんだって、皆戦ってる…!
 俺は君にも、戦って欲しい……!」


――――何で私は、気付かなかったの……?


「それは、君が皆の為に人を殺しても……それで皆が生き返ったとしても……きっと君は、幸せになれないから!!」


――――光太郎さんは、強いから優しいんじゃない。


「俺は君に、幸せになって欲しいんだ……!」


――――光太郎さんは優しいから、強かったのに。


    ◆    ◆    ◆




    ◆    ◆    ◆


「……だがな、後藤。やはり、私もお前も……何もかも全てがか弱いよ」


死とともに襲い掛かる圧倒的な孤独に、田村玲子は一つのことがわかった。


「吹けば飛ぶような、呆気ない存在だ……」


この世に、一つのものなどなにもないことを。


「後藤……排他的なお前ですら、弱者という他者を必要としている……強さを渇望し変化している」


田村玲子の側には常に生命があったことを。


「……我々と、人間……どこが違う」


この世の全てが生きていることを、細胞のひとつひとつが鼓動していたことを。


「これが、死か……なぜ、気づかなかったのだろうな……」



――――お前さん達の頭が良いのは、人間とこうして話をする為……って思いてぇじゃねぇか。



「やはり、我々は……寄り添い、生きる獣……」



    ◆    ◆    ◆


   【願う奇跡】【現実の否定】


    ◆    ◆    ◆



「アンタがどうすればいいかなんて、俺が知るわけないだろ」


奇跡を求める縁の言葉をヴァンは否定した。


「けど、一つだけ言わせろ」


ヴァンの言葉は、彼の現実は、彼女の意味は続いていく。


「死んだ奴はな、絶対に生き返らないんだ」


最後にそう言い残し、ヴァンは目の前の扉を開けた。




    ◆    ◆    ◆


    【銀の邂逅】【月の相克】



    ◆    ◆    ◆



銀の名を持つ人形が、銀燭の鎧を着込んだ王を指して言葉を放つ。


「――――貴方の言った通り、シャドームーンを展望台まで誘き寄せられそうだけど、これからどうするって言うの?」


月の名を持つ男が、月を呑み込む王を打倒せんとして応える。


「別に隠してる訳じゃないけど、多分シャドームーンもそれには気付かない。気付かれたら、今度こそアウトだけどね――――」


銀の名を持つ人形と月の名を持つ男は信じていた、王を跪かせることができると。

自らは自由であると、全ての可能性が広がっていると。


――――…………愚かな。フッ、どうやら私は人間を少し過大に評価していたのかも知れん。




    ◆    ◆    ◆


       【拳】【夢】

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「何が来ようと、正面からぶち抜く……俺の自慢の拳で!!!」


 装甲が脚を包み、羽根が尾のように長くたなびき、赤い髪が無造作に伸びる。

 眼と口を除く顔までも装甲に覆われた、シェルブリットの最終形態。


――FINAL VENT――


 召還機から女性の機械音声が漏れると、コオロギ型のモンスターが変形する。

 二輪の乗り物に姿を変え、桐山が乗り込むとスピンを始めた。



――――楽しいのかよ。


 その勢いは、さながら隕石の如く。


――――そうやって、上手くズルく生きてよ……!!


 両者の衝突の瞬間、辺りの景色は一変した。




    ◆    ◆    ◆


   【世界の終わり】【最後の審判】

    ◆    ◆    ◆




世界の終わりが訪れる。


――――FINAL VENT――――


最後の審判が執行される。


――――UNITE VENT――――


全ての決着を迎えようとしている。


――――FINAL VENT――――


終幕の引き金は、か弱き少女の手に。




    ◆    ◆    ◆

   【騎士の誓い】【人形の涙】

    ◆    ◆    ◆



「翠星石は、お前がいなかったらもう死んでるです」


騎士へと向けられる、人形の言葉。


「お、お前が翠星石の事を忘れているみたいだったから、思い出させてやっただけですぅ……」


かつて涙を携えていたその瞳は、ただ騎士を見つめていた。


「お前がいつまでも落ち込んでいたら……危なっかしくて、翠星石がへこんでられないです。
 迷惑ですぅ」


その言葉で騎士は思い出す。

自分の想いを、希望を、罪を、絶望を――――胸に刻んだ、最初の願いを。


「守るよ。
 劉鳳さんの代わりとかじゃなくて……俺が守りたいから守るんだ」


その為なら、殴り掛かる悲しみさえ全身で打ちのめす。



    ◆    ◆    ◆


   【非情の火焔】【勝利の美酒】


    ◆    ◆    ◆




「三村、てめぇは実に使える犬だった。
 いや、犬ってのは失礼か……てめぇは確かに俺の参謀だった。
 約束通り――『美酒』をくれてやる」



三村の身体を赤黒の炎と赤黒の血が交じり合う。



(俺は……このどうしようもなく狂った男の役に立ったんだ。
 そうだ、これが……"The third man"の……!!)


炎に焼かれた三村は、確かに志々雄へと近づいていた。
勝利の形へと、近づいている。祝の酒が溢れてくる。



「勝利の、美酒……!!」


――――自らの血の味を味わいながら、飲み干した。




    ◆    ◆    ◆


     【神の力】【人の心】


    ◆    ◆    ◆




――――貴様だけは、貴様だけは絶対に許さん。人間の心を弄ぶ、貴様だけは!



「狭間さん」


真紅の言葉。


「なんだ」


C.C.の行動。


「ありがとう」


千草貴子の決意。


「蒼嶋が見込んだ女がその程度では、奴の顔が立たんからな」


そして、蒼嶋駿朔の犠牲。


竜宮レナ、貴様の"信じる心"はしかと見届けた」


その一場面一場面に、信頼の形があった。
それを簡単に投げ捨てていたのは自分だ。
相手を信じたい、相手を信じれない、相手が信用できないではない。
"他人を信用したいと思う自分"を信じるべきだった。
そう思い続けていた自分の心を信じていなかったのだ。
それを、忘れていたのだ。


「人間を……人を、私も"信じて"みることにしよう」


人を信じた先に、未来があるから。


――――この軽子坂高校2年E組の狭間偉出夫が、魔"人"皇として裁いてやる!!


自分は、生きなくちゃいけないんだ。




    ◆    ◆    ◆


      【最強】【最速】


    ◆    ◆    ◆





――――き……さ、ま……たむ、ら、れい、こ……!!――――


最強と最速がぶつかり合う。

お互いが、お互いの意志の力で。

その最強を、その最速のさらなる進化にかけられた枷を外していく。


「グォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


ぶつかり合うは意地の太さ、競いあうは力の強弱、決まるは命の有無。

その勝者は――――



「があぁあああああああああああああああ!!!!!」


――――勿論、最速でな。――――




    ◆    ◆    ◆


  【奪われた忠誠】【最後の誇り】

    ◆    ◆    ◆




「その声……まさか枢木か!?」


少年の脚が止まることはない。

騎士も、侍も、脚を止めることはなかった。

たとえ過ちから生まれた歩みでも、少年の脚が止まることは一度もなかった。


「ごめん――――…………」


――――ただ、その最期の瞬間だけは。



    ◆    ◆    ◆

    【王の石】【人の意思】

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「何のために、負けると分かっている戦いに挑む?」


――――カシャン……カシャン……


無抵抗の空気が奴隷のように音を運ぶ。


――――カシャン……カシャン……


王者は静かにその時を待つだけでいい。


――――カシャン……カシャン……


強者の意思は、更なる強者によって踏みにじられる。


――――カシャン……カシャン……


それが、いかなる奇跡にも覆すことのできない、この世の真理なのだから。


――――――――カシャン。


「正義、仮面ライダー龍騎」



    ◆    ◆    ◆


【魔王を破らぬ限り】【人に未来はない】


    ◆    ◆    ◆




『僕は今まで魔法など存在しないと言ってきたが、実は嘘だ』


全ての人間が戦い、死んでいった。


『どんな困難もたちどころに吹き飛ばしてしまう秘密の呪文を僕は知っている』


死を求められたこの物語の終わりは、死によってしか終わることはないのか。


『鏡の前に立ち、自分自身に向かってこう唱えるんだ』


それとも――――――――


『Why don't you do your best!― なぜベストを尽くさないのか!』


多ジャンルバトルロワイアル――――2013年、終幕へ。











































――――さて、皆々様。












        【読みますか?】【読みませんか?】

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