叶えたい願い-翠星石 ◆ew5bR2RQj.
「ケホッ、ケホッ、どうなったです……?」
「ありがとう、翠星石ちゃん」
「こ、このくらい翠星石ならお茶の子さいさいです!」
「こ、このくらい翠星石ならお茶の子さいさいです!」
爆発の規模は凄まじく、数十メートル以上離れたところまで余波が飛んできた。
翠星石がバリアを張っていなければ、二人とも吹き飛ばされていただろう。
つかさが感謝の意を示すと、翠星石は恥ずかしそうにそっぽを向く。
翠星石がバリアを張っていなければ、二人とも吹き飛ばされていただろう。
つかさが感謝の意を示すと、翠星石は恥ずかしそうにそっぽを向く。
「つかさちゃん、大丈夫だった?」
煙の中から現れたのはゾルダだ。
ドラグブラッカーがミラーワールドに避難したため、つかさの安否を確認しに来たのだ。
ドラグブラッカーがミラーワールドに避難したため、つかさの安否を確認しに来たのだ。
「はい、翠星石ちゃんに助けてもらいました」
「そっか、一応礼は言っておくよ」
「お前に感謝されても嬉しくねーですよ」
「やな奴。で、あっちはどうなったの?」
「そっか、一応礼は言っておくよ」
「お前に感謝されても嬉しくねーですよ」
「やな奴。で、あっちはどうなったの?」
クーガーと志々雄が大技同士で衝突したのだから、互いに無事で済むわけがない。
煙の中を寂しげに見つける翠星石。
クーガーは衝突の以前から致命傷を負っていた。
その状態で自らの肉体をアルターに変換し、志々雄と衝突したのだ。
クーガーの命は燃え尽きた。
彼は最後の一滴まで命を振り絞り、速さの先へと旅立っていったのだ。
煙の中を寂しげに見つける翠星石。
クーガーは衝突の以前から致命傷を負っていた。
その状態で自らの肉体をアルターに変換し、志々雄と衝突したのだ。
クーガーの命は燃え尽きた。
彼は最後の一滴まで命を振り絞り、速さの先へと旅立っていったのだ。
「ありがとうです」
クーガーが全力で向き合ってくれなければ、自分は決定的な間違いを犯すところだった。
それを自覚しているからこそ、翠星石は感謝の言葉を口にする。
それを自覚しているからこそ、翠星石は感謝の言葉を口にする。
「後は翠星石が頑張るから、お前は天国でのんびりしてろです」
クーガーの死は堪えられないほどに悲しいが、今はそれに浸っていられる状況ではない。
翠星石にはまだやらなければならないことが残されている。
泣くのは全てが終わってからだ。
翠星石にはまだやらなければならないことが残されている。
泣くのは全てが終わってからだ。
「あれは……あいつの持ってた剣か?」
煙が流れていき、遠くまで見渡せるようになる。
そうして視界に飛び込んできたのは、地面に突き刺さった深紅色の剣。
志々雄が操っていた魔剣・ヒノカグツチだ。
クーガーに蹴り飛ばされた結果、あそこに突き刺さったのだろう。
それはつまり志々雄が押し負けたという証である。
そうして視界に飛び込んできたのは、地面に突き刺さった深紅色の剣。
志々雄が操っていた魔剣・ヒノカグツチだ。
クーガーに蹴り飛ばされた結果、あそこに突き刺さったのだろう。
それはつまり志々雄が押し負けたという証である。
「あの包帯お化け、死にやがったですか」
「だろうね、これで残ってるのは――――」
「だろうね、これで残ってるのは――――」
「勝手に殺すなよ」
煙の中から声が響く。
その瞬間、周囲の炎が一気に膨張するように猛り始める。
まるで主の生還を喜ぶように、炎は歓喜の産声を上げている。
そして煙が破裂するように散開し、中から現れたのは影の戦士。
仮面ライダーリュウガ・志々雄真実。
その瞬間、周囲の炎が一気に膨張するように猛り始める。
まるで主の生還を喜ぶように、炎は歓喜の産声を上げている。
そして煙が破裂するように散開し、中から現れたのは影の戦士。
仮面ライダーリュウガ・志々雄真実。
「なん、で……」
両腕の手甲は砕け散り、胸部の装甲に大きな穴が空き、強化スーツの至るところが破けている。
デッキにすら罅が入っているが、それでも志々雄真実は生き残った。
クーガーの決死の一撃を受けて尚、志々雄は健在であった。
デッキにすら罅が入っているが、それでも志々雄真実は生き残った。
クーガーの決死の一撃を受けて尚、志々雄は健在であった。
「理由なんか一つしか無えだろ。俺が強くて、アイツが弱かった。それだけだ」
「ふざけんなです! クーガーは弱くなんかない、負けたのはお前です!」
「生き残ったのは俺だ。死んだ奴は勝者になれねぇ」
「ふざけんなです! クーガーは弱くなんかない、負けたのはお前です!」
「生き残ったのは俺だ。死んだ奴は勝者になれねぇ」
クーガーの命を賭した特攻でも志々雄を殺せなかった。
その事実はクーガーの死が無駄死にだと嘲っているようで、翠星石は許容することができなかった。
その事実はクーガーの死が無駄死にだと嘲っているようで、翠星石は許容することができなかった。
「お前は私がぶっ倒すです、元はといえば翠星石がお前に手を貸したのが全ての原因、だからこれは翠星石の責任です」
静かに怒りを燃やす翠星石。
ゾルダもつかさを背後へと移動させ、マグナバイザーの銃口を向ける。
一触即発の状況。
誰かが動けば、それが新たな抗争の合図になるのだろう。
一秒、二秒、十秒と経過して、動く者が現れる。
ゾルダもつかさを背後へと移動させ、マグナバイザーの銃口を向ける。
一触即発の状況。
誰かが動けば、それが新たな抗争の合図になるのだろう。
一秒、二秒、十秒と経過して、動く者が現れる。
「……揺れてる?」
それは、この空間だった。
空間内がまるで地震が起こったかのように震動している。
その強さは生半可ではなく、つかさはその場に座り込んでしまう。
それでも震動は衰えることなく、時間を重ねるごとに増していく。
唸るような轟音が耳を支配した頃には、ゾルダですらも立っていることができなくなっていた。
その強さは生半可ではなく、つかさはその場に座り込んでしまう。
それでも震動は衰えることなく、時間を重ねるごとに増していく。
唸るような轟音が耳を支配した頃には、ゾルダですらも立っていることができなくなっていた。
「ッ……これは?」
全ての者が辺りを見回す中、轟音の中に奇妙な音が混じり始める。
それに真っ先に反応したのはゾルダだった。
というよりは、ゾルダ以外は反応することができなかった。
志々雄は音の意味を理解できず、翠星石やつかさの耳にはそもそも聞こえていない。
それもそうだろう。
この音の正体を知っているのは、この中でゾルダだけなのだから。
不快感と警戒心を煽られる耳鳴りのような音。
ゾルダと志々雄のみに届いた音の正体は、ミラーモンスターが出現した時の合図だ。
それに真っ先に反応したのはゾルダだった。
というよりは、ゾルダ以外は反応することができなかった。
志々雄は音の意味を理解できず、翠星石やつかさの耳にはそもそも聞こえていない。
それもそうだろう。
この音の正体を知っているのは、この中でゾルダだけなのだから。
不快感と警戒心を煽られる耳鳴りのような音。
ゾルダと志々雄のみに届いた音の正体は、ミラーモンスターが出現した時の合図だ。
「なにあれ!?」
天上を指差しながらつかさが叫ぶ。
それに応じて全員が上を向くと、そこには奇妙な物体が浮いていた。
それに応じて全員が上を向くと、そこには奇妙な物体が浮いていた。
大きさはおよそ一メートルほどだろうか。
完璧な比率の立方体であり、六面全てが鏡張りになっている。
しかしその鏡面は、絵の具をぶち撒けたような混色が渦巻いていた。
立方体の正体はゾルダにも分からなかったが、混色の正体はこの場にいる全員が知っている。
nのフィールドへの入り口が繋がっている時のものだ。
完璧な比率の立方体であり、六面全てが鏡張りになっている。
しかしその鏡面は、絵の具をぶち撒けたような混色が渦巻いていた。
立方体の正体はゾルダにも分からなかったが、混色の正体はこの場にいる全員が知っている。
nのフィールドへの入り口が繋がっている時のものだ。
「身体が……引っ張られる!?」
しばらく立方体を見上げていると、ゾルダは自身がそれに引っ張られてることに気付いた。
重力に逆らって、ゾルダの身体が浮き上がっていく。
つかさと翠星石は無事だが、横を見ると志々雄の姿が同じ高さにある。
地上に戻ろうとしても、身体が浮き上がる方が圧倒的に早い。
見る見るうちにゾルダと志々雄は立方体に近付いていき、やがてその中へと吸い込まれていった。
重力に逆らって、ゾルダの身体が浮き上がっていく。
つかさと翠星石は無事だが、横を見ると志々雄の姿が同じ高さにある。
地上に戻ろうとしても、身体が浮き上がる方が圧倒的に早い。
見る見るうちにゾルダと志々雄は立方体に近付いていき、やがてその中へと吸い込まれていった。
「北岡さんと志々雄さんが消えちゃった」
二人が居なくなると震動は次第に小さくなり、天上に浮いていた立方体も姿を消している。
何が起きたのか理解できず、つかさは首を傾げるばかりだ。
翠星石もnのフィールドに吸い込まれたのか等と呟いているが、真実に辿り着くことはできない。
分かっているのは、この場で戦えるのが翠星石だけということ。
そして――――
何が起きたのか理解できず、つかさは首を傾げるばかりだ。
翠星石もnのフィールドに吸い込まれたのか等と呟いているが、真実に辿り着くことはできない。
分かっているのは、この場で戦えるのが翠星石だけということ。
そして――――
「最後に残ったのは貴様か」
創世王・シャドームーンは未だに健在だということ。
「つかさ、私の後ろに隠れてるです」
カシャ、カシャとレッグトリガーが上下する足音は、多くの者に絶対的な恐怖を刻み付けてきた。
一般人であるつかさは尚更であり、身体を震わしながら翠星石の背後に隠れる。
一般人であるつかさは尚更であり、身体を震わしながら翠星石の背後に隠れる。
「断言してやる、今の貴様が一人で私に勝てる可能性は万に一つもない」
五つのローザミスティカとキングストーンの力を得た翠星石は、本来なら最強の名を欲しいがままにするはずだった。
しかし、今のシャドームーンは創世王の力を我が物にしている。
世紀王と創世王では格が違う。
一度は埋まったはずの力量差が、今は再び開いてしまったのである。
しかし、今のシャドームーンは創世王の力を我が物にしている。
世紀王と創世王では格が違う。
一度は埋まったはずの力量差が、今は再び開いてしまったのである。
「黙りやがれです」
「ここまで来て力の差すら理解できなくなったか
キングストーンの力に耐えられず、とうとう頭が触れてしまったようだな」
「んなわけねえです。お前こそ頭がおかしくなったですか?」
「ここまで来て力の差すら理解できなくなったか
キングストーンの力に耐えられず、とうとう頭が触れてしまったようだな」
「んなわけねえです。お前こそ頭がおかしくなったですか?」
シャドームーンの顔を見上げ、翠星石は嘲るように喉を鳴らす。
「お前と私の実力差なんざ百も承知ですよ、それでも翠星石はお前を倒さなきゃいけないんです」
「倒せると思うのか?」
「倒せる倒せないじゃない、倒すんです!
お前をこのまま放っておけば、きっと全部の世界をぶっ壊しちまうです
私の世界も、真司の世界も、クーガーや劉鳳の世界も、新一の世界も、つかさの世界も
そんなの絶対に許さない! お前はここで私が止めるです!」
「倒せると思うのか?」
「倒せる倒せないじゃない、倒すんです!
お前をこのまま放っておけば、きっと全部の世界をぶっ壊しちまうです
私の世界も、真司の世界も、クーガーや劉鳳の世界も、新一の世界も、つかさの世界も
そんなの絶対に許さない! お前はここで私が止めるです!」
シャドームーンと翠星石の実力差は明確だが、それはあまりに些末な問題である。
ここでシャドームーンを止められなければ、全ての世界がゴルゴムの支配する地獄に変わるだろう。
ジュンやのりのような罪のない人達が終わりのない苦痛を味わい続けることになる。
そんなことが許されていいはずがない。
彼らを守るためならば、翠星石はシャドームーンと戦う覚悟があった。
ここでシャドームーンを止められなければ、全ての世界がゴルゴムの支配する地獄に変わるだろう。
ジュンやのりのような罪のない人達が終わりのない苦痛を味わい続けることになる。
そんなことが許されていいはずがない。
彼らを守るためならば、翠星石はシャドームーンと戦う覚悟があった。
「それに、今の翠星石は一人じゃないです」
「なに?」
「私には友達が出来たです……初めての友達です」
「なに?」
「私には友達が出来たです……初めての友達です」
背後のつかさに目配せする翠星石。
長い生涯の中、つかさは初めて出来た友達だ。
つかさやその友人達を散々侮辱したのに、一方的に傷つけたのに、つかさは翠星石のことを許してくれた。
そして、初めての友達になってくれた。
長い生涯の中、つかさは初めて出来た友達だ。
つかさやその友人達を散々侮辱したのに、一方的に傷つけたのに、つかさは翠星石のことを許してくれた。
そして、初めての友達になってくれた。
「ならば貴様を殺した後で、その娘も地獄に送ってやろう」
「ふざけたこと抜かすのもいい加減にしろですキュウリ野郎。つかさは絶対に私が守るですよ
もし指一本でもつかさに触れようとしたら、その時は私がお前をぶっ殺してやるですッ!!」
「ふざけたこと抜かすのもいい加減にしろですキュウリ野郎。つかさは絶対に私が守るですよ
もし指一本でもつかさに触れようとしたら、その時は私がお前をぶっ殺してやるですッ!!」
大事な友達を守るためならば、翠星石はシャドームーンを殺す覚悟があった。
「フッ、いいだろう」
シャドームーンがサタンサーベルを構える。
翠星石も庭師の如雨露を取り出し、シャドームーンの翠緑の複眼を睨み上げた。
互いの殺気が交錯し、空気が張り詰めていく。
そして、互いに武器を振り上げた瞬間。
翠星石も庭師の如雨露を取り出し、シャドームーンの翠緑の複眼を睨み上げた。
互いの殺気が交錯し、空気が張り詰めていく。
そして、互いに武器を振り上げた瞬間。
「待てよ」
遠くから、男の声が響いた。
☆ ☆ ☆
気が付いた時、北岡と志々雄は白い空間に立っていた。
空間内にあるのは二人の影と空に浮かぶ立方体だけ。
傍に居たはずの翠星石やつかさも、唯一の出入り口だった木製の扉もない。
シャドームーンが抉じ開けた穴や戦闘の痕跡もなく、果てしない白が広がるばかりである。
何が起きたのか理解できず、額に皺を寄せる北岡。
しかし、この空間の正体には薄々感づいていた。
この肌を刺すような空気は、元の世界で自分達が戦い続けてきたミラーワールドのものだ。
空間内にあるのは二人の影と空に浮かぶ立方体だけ。
傍に居たはずの翠星石やつかさも、唯一の出入り口だった木製の扉もない。
シャドームーンが抉じ開けた穴や戦闘の痕跡もなく、果てしない白が広がるばかりである。
何が起きたのか理解できず、額に皺を寄せる北岡。
しかし、この空間の正体には薄々感づいていた。
この肌を刺すような空気は、元の世界で自分達が戦い続けてきたミラーワールドのものだ。
「ここが『みらーわーるど』か、殺伐としてて俺好みの場所だ」
志々雄も正体に気付いたのか、興味深そうに辺りを見回している。
ミラーワールドは鏡写しの世界であり、全ての物体が現実と反転している。
だが元の空間が何も無かったため、大きな変化は見当たらなかった。
ミラーワールドは鏡写しの世界であり、全ての物体が現実と反転している。
だが元の空間が何も無かったため、大きな変化は見当たらなかった。
「で、これはおたくの仕業なわけ?」
「いや、いくら俺でもここまで大それたことは”まだ”出来ないさ」
「いや、いくら俺でもここまで大それたことは”まだ”出来ないさ」
理解不能な状況に追いやられたにも関わらず、志々雄は楽しそうに笑っている。
その態度から浅倉が連想され、北岡は不愉快そうに顔を歪めた。
その態度から浅倉が連想され、北岡は不愉快そうに顔を歪めた。
「だが、この原因ならもう検討が付いてるぜ。おそらくアンタもじゃねえか?」
「……多分だけどね」
「……多分だけどね」
ずっと考えていた可能性だった。
最初に気付いたのは、名簿に東條の名前を確認した時。
死んだはずの彼の名前を見て、北岡はふと疑問を覚えた。
最初に気付いたのは、名簿に東條の名前を確認した時。
死んだはずの彼の名前を見て、北岡はふと疑問を覚えた。
――――ライダーバトルはまだ有効なのではないかと。
東條――――タイガは脱落したはずなのに、どうして殺し合いに参加しているのか。
デッキが支給されていない可能性も考えたが、後にタイガに変身していたことが判明している。
他にもシザース、インペラーといった脱落者が復活しており、さらに神崎士郎の奥の手だったオーディンも主催が掌握している。
奪い取ったにしては、手が込み過ぎているのだ。
ここで脳裏を過った可能性。
もしかしたら、ライダーバトルそのものを主催が乗っ取ったのではないか。
考えれば考えるほど、この可能性は北岡の中で膨らんでいく。
デッキが支給されていない可能性も考えたが、後にタイガに変身していたことが判明している。
他にもシザース、インペラーといった脱落者が復活しており、さらに神崎士郎の奥の手だったオーディンも主催が掌握している。
奪い取ったにしては、手が込み過ぎているのだ。
ここで脳裏を過った可能性。
もしかしたら、ライダーバトルそのものを主催が乗っ取ったのではないか。
考えれば考えるほど、この可能性は北岡の中で膨らんでいく。
そして、この可能性は正解だった。
バトルロワイアルの影に隠れて、もう一つのバトルロワイアルが進行していた。
十三人の仮面ライダー同士による殺し合い。
カードデッキが支給された表向きの理由は、誰にでも優勝の可能性を持たせるためだ。
特殊な才能や経験が無くても強大な力を身に纏えるカードデッキは、参加者間の差を埋めるのに絶好の道具だった。
だが、表があれば裏がある。
カードデッキが支給された理由はもう一つあった。
バトルロワイアルの影に隠れて、もう一つのバトルロワイアルが進行していた。
十三人の仮面ライダー同士による殺し合い。
カードデッキが支給された表向きの理由は、誰にでも優勝の可能性を持たせるためだ。
特殊な才能や経験が無くても強大な力を身に纏えるカードデッキは、参加者間の差を埋めるのに絶好の道具だった。
だが、表があれば裏がある。
カードデッキが支給された理由はもう一つあった。
六十四人の消滅と引き換えに、あらゆる願いを叶える自在法・【バトルロワイアル】
これによって殺し合いは管理されていたが、物事には想定外の事態が付き纏うものだ。
自在法が打ち破られ、願いを叶えられなくなってしまうかもしれない。
そういった事態に陥った時の対策として、V.V.は予備の手段を用意していた。
それこそがカードデッキであり、これらが支給された裏の理由である。
他のライダーが全滅した時、最後に残ったライダーは願いを叶えることができる。
奇跡を起こすための手段として、V.V.はカードデッキを支給していたのだ。
主催側がオーディンに加えてガイとライアを保有していたため、本来ならばライダーが最後の一人まで減ることはない。
万が一の事態が起こった場合のみ、これらのデッキを解放する予定だった。
しかし、物語は想定外の方向に進んだ。
鷹野がオーディンを持ち出し、V.V.と観柳がガイとライアに変身した。
予期せぬ形で全てのライダーが盤上に上ることになったのだ。
これによって殺し合いは管理されていたが、物事には想定外の事態が付き纏うものだ。
自在法が打ち破られ、願いを叶えられなくなってしまうかもしれない。
そういった事態に陥った時の対策として、V.V.は予備の手段を用意していた。
それこそがカードデッキであり、これらが支給された裏の理由である。
他のライダーが全滅した時、最後に残ったライダーは願いを叶えることができる。
奇跡を起こすための手段として、V.V.はカードデッキを支給していたのだ。
主催側がオーディンに加えてガイとライアを保有していたため、本来ならばライダーが最後の一人まで減ることはない。
万が一の事態が起こった場合のみ、これらのデッキを解放する予定だった。
しかし、物語は想定外の方向に進んだ。
鷹野がオーディンを持ち出し、V.V.と観柳がガイとライアに変身した。
予期せぬ形で全てのライダーが盤上に上ることになったのだ。
「あの鏡は最後の戦いに邪魔が入らないよう、ミラーワールドの中に俺達を隔離したって所だろうな」
白い空間内に突如として現れた立方体の名はコアミラー。
ミラーワールドの力の源であり、謂わば核のようなものである。
今に至るまで、コアミラーはラプラスの魔が作った空間に安置されていた。
だが彼の死で空間が不安定になったところで、クーガーと志々雄の衝突が時空間を大きく歪めた。
その結果、コアミラーはライダー達のいる場所へと辿り着くことができたのだ。
ミラーワールドの力の源であり、謂わば核のようなものである。
今に至るまで、コアミラーはラプラスの魔が作った空間に安置されていた。
だが彼の死で空間が不安定になったところで、クーガーと志々雄の衝突が時空間を大きく歪めた。
その結果、コアミラーはライダー達のいる場所へと辿り着くことができたのだ。
そもそも何故V.V.はカードデッキを選んだのか。
その理由はそれらの技術の根底に兄弟愛があったからだ。
ミラーワールドが開かれた理由は、神崎士郎が神崎優衣を救うために他ならない。
たった一人の妹を救うために全てを犠牲にする覚悟をもった士郎に対し、V.V.は深い共感を覚えた。
兄弟愛を最も美しい関係と考えるV.V.にとって、士郎はとても安心できる存在だった。
だが、士郎は最終的に妹を救うことを断念した。
V.V.は不満を覚えたが、それも士郎の選んだ道だろう。
これにより彼の世界とミラーワールドの関係は途絶え、ミラーワールドは放置されることとなった。
それをV.V.が再利用し、バトルロワイアルの中に組み込んだのだ。
その理由はそれらの技術の根底に兄弟愛があったからだ。
ミラーワールドが開かれた理由は、神崎士郎が神崎優衣を救うために他ならない。
たった一人の妹を救うために全てを犠牲にする覚悟をもった士郎に対し、V.V.は深い共感を覚えた。
兄弟愛を最も美しい関係と考えるV.V.にとって、士郎はとても安心できる存在だった。
だが、士郎は最終的に妹を救うことを断念した。
V.V.は不満を覚えたが、それも士郎の選んだ道だろう。
これにより彼の世界とミラーワールドの関係は途絶え、ミラーワールドは放置されることとなった。
それをV.V.が再利用し、バトルロワイアルの中に組み込んだのだ。
「もう俺達以外にライダーは居ないようだな」
「つまりは俺かアンタ、生き残った方が最後の一人ってことだな」
「つまりは俺かアンタ、生き残った方が最後の一人ってことだな」
「戦いを降りたはずの俺が残っちゃうなんて、何の因果だろうねえ」
「そのまま脱落しても構わないぜ」
「いや、悪いけど、遠慮しておくよ」
「そのまま脱落しても構わないぜ」
「いや、悪いけど、遠慮しておくよ」
困ったように溜息を吐き、北岡――――ゾルダは志々雄――――リュウガへと向き直る。
「ライダー同士の戦いとかは関係なしに、お前は倒したいと思ってたからね」
「アンタに怨みを買う真似をした覚えはないんだがな」
「ランスロットの件、忘れたとは言わせないよ」
「あの死に損ないの復讐ってか、随分と仲間思いじゃねえか」
「復讐? 馬鹿言うなよ、嫌いな奴のためにわざわざそんなことしないさ」
「アンタに怨みを買う真似をした覚えはないんだがな」
「ランスロットの件、忘れたとは言わせないよ」
「あの死に損ないの復讐ってか、随分と仲間思いじゃねえか」
「復讐? 馬鹿言うなよ、嫌いな奴のためにわざわざそんなことしないさ」
出会った当初からジェレミアは生きることを諦めていた。
そんな奴に背中を預けられないと叫んだが、彼が聞き入れることはなかった。
生き残るために戦うと言って、最後は勝手に死んでいった。
つかさを悲しませないと言ったのに、彼女を動けなくなるくらい悲しませた。
そんなジェレミアが、ゾルダはずっと気に入らなかった。
そんな奴に背中を預けられないと叫んだが、彼が聞き入れることはなかった。
生き残るために戦うと言って、最後は勝手に死んでいった。
つかさを悲しませないと言ったのに、彼女を動けなくなるくらい悲しませた。
そんなジェレミアが、ゾルダはずっと気に入らなかった。
「馬鹿だよね、アイツ。死んだら終わりだってのにさ」
「アンタとは気が合いそうだな、命を投げ捨てるのは阿呆のすることだぜ」
「ジェレミアも、五ェ門も、城戸も、次元も、蒼嶋も、ヴァンも、クーガーも……
どいつもこいつも馬鹿ばっかりだよ、命を何だと思ってるのさ」
「アンタとは気が合いそうだな、命を投げ捨てるのは阿呆のすることだぜ」
「ジェレミアも、五ェ門も、城戸も、次元も、蒼嶋も、ヴァンも、クーガーも……
どいつもこいつも馬鹿ばっかりだよ、命を何だと思ってるのさ」
自分の命以上に大切な物などない。
命とはたった一つの宝であり、どんな欲望もこれを対価とすることはできない。
金も、権力も、女も、命があるからこそ価値を持つ。
それを分かっていない奴は、命を対価にしてしまう奴は、どうしようもないほどに馬鹿なのだ。
命とはたった一つの宝であり、どんな欲望もこれを対価とすることはできない。
金も、権力も、女も、命があるからこそ価値を持つ。
それを分かっていない奴は、命を対価にしてしまう奴は、どうしようもないほどに馬鹿なのだ。
「でも、俺やお前よりはマシな人間だ」
だが、その馬鹿は少しだけ眩しかった。
「いや、お前とも比べられたくないかな。正真正銘のクズのお前とはね」
多ジャンルバトルロワイアルのホームページにより、ゾルダは志々雄の情報を得ている。
そこに書き連ねられていた数々の悪行を見て、ゾルダは吐き気を覚えた。
弱肉強食を理由に人々を蹂躙する志々雄は、正真正銘の悪党である。
そこに書き連ねられていた数々の悪行を見て、ゾルダは吐き気を覚えた。
弱肉強食を理由に人々を蹂躙する志々雄は、正真正銘の悪党である。
「お前が願いを叶えたら世界は滅茶苦茶になる、だから俺は死ぬわけにはいかない」
「アンタも弱肉強食の理に納得できない口か、聡明に見えたがどうやら買い被りだったようだな」
「いや、この世は弱肉強食だと思うよ。だから俺達みたいのがいるんだ」
「アンタも弱肉強食の理に納得できない口か、聡明に見えたがどうやら買い被りだったようだな」
「いや、この世は弱肉強食だと思うよ。だから俺達みたいのがいるんだ」
ゾルダの言葉の真意を計りかねているのか、リュウガは言葉を返さない。
「弁護士ってのは弱い奴の味方なんだよ」
マグナバイザーの銃口をリュウガへと向ける。
「ああ、明治時代にはまだ弁護士って居なかったっけ」
「似たようなのはいたさ」
「そう。お前に今度会ったら言おうと思ってたんだけどさ、二十九にもなって世界征服とか恥ずかしくないの?」
「いい年してスーパー弁護士を名乗ってる爺(ジジイ)には言われたくないな」
「俺より百年以上も昔の土人がなに言ってるのさ
「そういやお前を倒したい理由を言ってなかったよね。一言で言うとな、気に入らないんだよ、お前」
「ハンッ、テメエにどう思われようが興味はねえが、その程度の力でこの俺に勝てるつもりか?」
「お前こそ、そんなにボロボロで大丈夫なの?」
「似たようなのはいたさ」
「そう。お前に今度会ったら言おうと思ってたんだけどさ、二十九にもなって世界征服とか恥ずかしくないの?」
「いい年してスーパー弁護士を名乗ってる爺(ジジイ)には言われたくないな」
「俺より百年以上も昔の土人がなに言ってるのさ
「そういやお前を倒したい理由を言ってなかったよね。一言で言うとな、気に入らないんだよ、お前」
「ハンッ、テメエにどう思われようが興味はねえが、その程度の力でこの俺に勝てるつもりか?」
「お前こそ、そんなにボロボロで大丈夫なの?」
リュウガの全身はクーガーの一撃で大きく傷付いている。
一方でゾルダの負傷は皆無に等しく、戦闘を始める前から大きな差が付いていた。
一方でゾルダの負傷は皆無に等しく、戦闘を始める前から大きな差が付いていた。
「テメエを相手にするのはちょうどいいハンデだと思ったが、そう言うならこいつを使わせてもらうぜ」
デッキから一枚のカードを抜き取るリュウガ。
そのまま見せつけるように掲げると、彼の周囲を疾風が吹き始める。
彼の手にあるのは、ナイトが所持していた疾風のサバイブカード。
ナイトのデッキが破壊された際に失敬していたのである。
変化した召喚器にカードを放り込むと、リュウガを覆うように竜巻が発生。
それが収まった時には、リュウガは再びサバイブ形態へと進化していた。
そのまま見せつけるように掲げると、彼の周囲を疾風が吹き始める。
彼の手にあるのは、ナイトが所持していた疾風のサバイブカード。
ナイトのデッキが破壊された際に失敬していたのである。
変化した召喚器にカードを放り込むと、リュウガを覆うように竜巻が発生。
それが収まった時には、リュウガは再びサバイブ形態へと進化していた。
「もう一度聞いてやる。お前如きの力でこの志々雄真実に勝てるつもりか?」
刺のように鋭利な装甲を纏い、リュウガは言い放つ。
ヒノカグツチは無くとも、禍々しいまでの実力は健在だった。
ヒノカグツチは無くとも、禍々しいまでの実力は健在だった。
「そのつもりだよ」
リュウガとの実力差など百も承知である。
だからこそ、ふてぶてしく笑う。
力で負けている上に気持ちでも負ければ、それこそ完全に勝ち目は無くなってしまう。
今でこそ落ちぶれてしまったが、ライダーバトルが始まった頃のゾルダは他のライダーを圧倒していた。
あの頃のゾルダに戻ることができれば、リュウガを撃破することができるかもしれない。
だから、今だけは仮面を被る。
ゾルダの仮面をきつく被り、目の前のライダーと戦う。
だからこそ、ふてぶてしく笑う。
力で負けている上に気持ちでも負ければ、それこそ完全に勝ち目は無くなってしまう。
今でこそ落ちぶれてしまったが、ライダーバトルが始まった頃のゾルダは他のライダーを圧倒していた。
あの頃のゾルダに戻ることができれば、リュウガを撃破することができるかもしれない。
だから、今だけは仮面を被る。
ゾルダの仮面をきつく被り、目の前のライダーと戦う。
「ならその過剰過ぎる自信ごと斬り殺してやるよ」
最後のライダーバトルが幕を開ける。
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