図書委員として仕事をしている私の目に、ふと見慣れないウマ娘が映ります。
なにやらボソボソと呟きながら大量の本を漁るその姿は、まともなウマ娘には到底見えませんでした。
なにやらボソボソと呟きながら大量の本を漁るその姿は、まともなウマ娘には到底見えませんでした。
よく見ると、そのウマ娘が読んでいる本のうちいくらかは、間違った置き方、本が痛むような開き方となっていることに気がつきます。
また、そのウマ娘が幾多の勝利と共にその殆どで予後不良者を発生させ、また極端に少ないメディア露出と学園内での奇行で悪名高い「死神」、「クロックワークス」であるということもわかりました。
また、そのウマ娘が幾多の勝利と共にその殆どで予後不良者を発生させ、また極端に少ないメディア露出と学園内での奇行で悪名高い「死神」、「クロックワークス」であるということもわかりました。
…例え相手が誰であろうと、本が傷んでいるならそれを止めなくては。
私は震える声で彼女に話しかけます。
「あ、あのっ!」
…怒らせてしまったのでしょうか?途端、クロックワークスの大きな耳が強く引き絞られました。
しかし、私は尚も震えた声で続けます。
しかし、私は尚も震えた声で続けます。
「そっそそっ、その開き方だと、本が傷んでしまうのですがっ!」
「…ああ、すみません。気を配れてませんでしたね。気をつけます。」
そういうと彼女は、そそくさと本の整頓を始めました。
そこで私は、広げられた大量の本の、その全てが神話や伝承に関する物であることに気がつきました。
「…伝承に興味があるんですか?」
そうであると決まったわけでもないのに。
私は先ほどの恐怖も忘れ、久しく会った友人に対するような口調で話し始めます。
私は先ほどの恐怖も忘れ、久しく会った友人に対するような口調で話し始めます。
「神話がお好きなら、その文化が如実に表れる民話や寓話なども、ああ文化というのは死生観やスピリチュアルな部分の例えば"水はケガレを宿す"だとかいう部分に共通点があってぜひお楽しみいただけると思うのですが、あとこれは…」
それから暫く喋り続けてやっと、己の無礼に気づきました。
…同時に、彼女が何か考え込んでいることにも気が付きました。
…同時に、彼女が何か考え込んでいることにも気が付きました。
「…あの…?すみません、大丈夫でしょうか…?」
問いかけても、何の反応もありません。
「…な、何か気に触れるようなことでも言ってしまいましたでーー」
「ありがとう」
「ありがとう」
「…へ?」
「君のおかげでいい発想に辿り着けた」
「君のおかげでいい発想に辿り着けた」
「そ、それはよかったですね…?」
そう返すが早いか、彼女は全速力の、しかし怒られないように早歩きで図書室を去っていってしまいました。
…山積みの本を残して。
「…これ、片付けないとですよね…」