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  • uma-musumeになりたい部 @ ウィキ
  • New!☆☆☆“Stand_Alone”クロックワークス

uma-musumeになりたい部 @ ウィキ

New!☆☆☆“Stand_Alone”クロックワークス

最終更新:2025年03月10日 23:01

nikogori

- view
だれでも歓迎! 編集
+ 0-クロックワークスについての調査メモ
ver,1.00

起こっていること
  • 公的には存在しないウマ娘(クロックワークス)へのファンレターが見つかった
  • 数人の在校生(私を含む)とトレーナーが彼女に関しての記憶を有している(マンデラ効果?)

わかっていること
  • 青毛のショート、右耳飾り
  • 調査時点より四年前、████年四月に中等部一年として中央トレセンに入学
  • 戦場は芝の中〜長?
  • 翌年六月にデビュー戦で勝利
  • 皐月賞を含む複数のG1にて勝利している(三冠の可能性は低い?)
  • 着順よりタイムを重視しており、ウィナーズサークルで問題発言が多かった
  • メディア露出が少なく、表にはミステリアスなキャラとして出ていた

覚えていること
  • 私の同室の同級生だった
  • ゲーム趣味の友達で仲は悪くなかった(主観?)
  • テンションの高低差と声が大きかった
  • 頭脳派っぽかった

予定通りのタイマーストップ

+ 1-希望の星、ふたたび
見上げた空は一面の灰色だった。
湿った風が、今にも降り出しそうなペトリコールや金物と他人の香りを運んでくる。
ファンファーレと歓声、17人の好敵手、行く先にはゲート。ここは中山、芝の2000m右回り。
遥か因縁の、ホープフルステークス。

芝を踏む感覚、全身の筋肉のフィードバックに集中。脳が自我すら追いやって高速で思考を回す。良い傾向だ。
脚部良好、気合十分。
気圧変化による頭痛は無し、その他身体部位に至るまで絶好調。学ランを模した勝負服は練習の甲斐あって身体の一部のように馴染み、黒い外套は風除けと物理防御力に由来する安心感を与える。
冷気に晒されて脚が鈍るかとも思っていたが、やはり杞憂。熱が篭りがちなこの肉体にとって、これくらいの悪天候は寧ろコンディションを最高に押し上げてくれる。
目の前を通るカメラドローンに、“身体に染みついた”恭しい一礼。人気順は忘れたが、そんなに悪くないはず。
バ場は良バ場。荒れ具合は大体頭に入っている。
出走の準備が整って、意識はどこまでも虚に感覚を研ぎ澄まし、ゲートの開く瞬間を今か今かと待ち侘びる心臓は鼓動を指先までバクバクと響かせる。
スタート時の足音やら声やらが重なった大きな音に備えて心を押し固めて、全ての準備を終えた。

今生初めてのG1の火蓋が、切って落とされた。

全身の血管が一瞬にして膨らんで、神経に電流が流れてビリビリと痺れる。跳ね上がった心臓に引っぱられるように踏み出せば、スタートダッシュは最高の仕上がり。
幸先は好調、精神相場はやや安定。作戦は勿論逃げだか大逃げだかなんだかよくわかんないやつ。
たった2バ身後ろに居るだろう誰かを、居ないものとして走る。

全神経を走行フォームへ。ホープフルはスローペース、私の存在を加味してもそこまでペースは上がらないと見るなら、さっき描いたコース採りで斜行はとられずに済む。
着地の衝撃を最低限に。重心位置を振幅の小さい正弦波にするイメージで“滑走”する。まだ遅い、トップスピードが恋しい。

第1コーナーの手前からの上り坂、階段登攀に慣れた私からすれば平地も同然だが、育ち始めのこの身体ではそうはいかない。姿勢を這うように前傾、ピッチを早めて等速直線じみた運動で登らずに上がる。負荷を抑える。景色が遅い むず痒い 早く全速力になりたい。
第一コーナーは上り坂。スピードが出てないのでコース採り優先で、下りで融通が効くように気持ち外に出る。遅い、足りない、あまりにも足りない。

発作が激しくなってきた。集中を超える前兆。下り坂に差し掛かって理性の軛を解放する。
第二コーナー。下り坂、待ち望んだ下り坂。
トップスピードを目指す。衝撃を緩和、抵抗は少なく、滑るどころか転げ落ちるような感覚で。位置エネルギーを最高効率で運動に転換、空気抵抗で身体が浮く感覚。重力加速度に導かれるままに、全速力の更に向こうへ。もっと速く、足りない、スピードが足りない!!
全身を迸るビリビリとした緊張、歯車が高速で空転するような不快感、耳障りな深い吸気音、歯は割れるほどに食いしばって眼輪筋は不具合でも起こしたように眼を開く。
走行の歓喜と不足への憤怒はアドレナリン生成の一点で利害を一致させ、創り出された狂気と呼べる激情は死の恐怖すら掻き消して。
平衡感覚と固有感覚系に手一杯で視界の焦点が壊れる。
薄れる色彩の中にひたすらに伸びる向正面。
本能的欲求。どこまでも下賤な走り。だからこそ、その為ならいくらでも、どこまでもーーー


ーー瞬間、歯車が噛み合った。



視界の全てが極彩色になるような、けれど意識が肉体を離れて三人称視点になるような。
感覚は増幅されて、微細筋の一つに至るまで手に取るようにわかる。
脳細胞はその全てを他人事のように、言語野すら置き去りにして情報を処理して命令を発し、肉体は機械じみた精密さでそれに従う。

その様はまるで、私と大地が合わせて一つの機械となって、肉体は歯車で動かされる自動人形のようで。

“私”という走りが、完成する。

[メカネス・ロゴス Lv.1]





ーー掲示板を見上げて、初めて勝利を知る。
赤文字点かず。記録への道のりは遠い。

荒い息を鎮め、そのまま関係者席へ歩く。軽く投げられた氷嚢を左で受け取って、放物線の始点にトレーナーを見つけた。

「やったじゃないか!最高の走りだったぞ、…クロックワークス?」
「ごめんちょっと…実感湧かないっていうか、私こういうの後からジワジワ嬉しくなるタイプでして…」

言いながらしっかりとハイタッチ。あながち嘘ではない。実力が実証されるのは嬉しいし、何より記録は出ずとも理想的な走りができた。

「はぁぁぁぁ…最ッ高でした。インタビューなんにも思いつかない…どうしますかね?」

割と真剣な問題。なにせ勝ってるのに悔いが残ってる。だというのに、トレーナーはまるで判り切ったことを訊かれたように目を丸くした。

「なにも、ってことはないんだろう?そんな顔しておいて。それをそのまま吐き出せばいい」
「バッ…そんな簡単に済む問題じゃないんですよ…」

口調は強く、しかし語気は間延びさせつつ抑揚を過剰に、冗談めかして続ける。

「推しが全力で挑んで追いつけなかった相手が“嬉しいには嬉しいけどレコード取れなくて残念でした”なんてほざきやがったら…誰だって怒る。そうでしょう?」
「それ、隠し通せるか?」
「…無理…です。すみません」
「よぉし行ってこい!君ならやれる!」
「…いいんですか!?言っちゃって!!?」
「大丈夫、俺に任せてくれ!」
「……わかりました。後悔しても知りませんよ?」

こうして私は、二度目の炎上発言をするに至った。

+ 2-遡ること、一年前。
遡ること、一年前。

練習日和の寒い朝。その日は休日だったので、私はいつも通り走り込みをした後、スプリント練習をしていた。
息を切らしながら、記録と共に備考をノートに書き込む。

「…伸び悩んでいる…でも頭打ちにはまだ早い……」

筋力や体格の具合からして、理論上…どころか普通に考えてもまだまだ伸びるはず。
スランプというまでではない。ただ、直に来るであろう本格化に備えてここで立ち止まるわけにはいかない。

「原因…なんて求める気は、さらさらないけど…」

…悩んでたって仕方ない。体感的にも、少し足運びの感覚がずれている気がする。こういうのは基本的にじっくり感覚を叩き込み直せばーー


「そこの君!」


背筋が跳ねる。声をかけられた。男性、すなわち大人?
振り返れば、声の主は5メートル程度後方に。意外と近くに立っていた。
集中していて聞こえなかったか、いやそんなのはどうでもいい。
コース利用予約って今日この時間帯必要だった?確かに今朝来た時は誰もいなかった。そこそこ心細くも練習を始めたのを思い出した。
あれどうだったっけ?疑念が頭を巡る。でも声かけてきたってことは何かやらかしたんだろう。
ピンと立つ耳が、カバー越しに乾いた寒風に晒されて凍える。恐々と訊く。

「っはい!な…なにかこちらに不手際でもありましたでしょうか…?」
「いや、飲み物もタオルも無しに練習してたから…はい、これ」
「え?あっ、成程。…すみませんありがとうございます。…あー良かった…」

言われてみれば、今の私はベンチでノートとペンだけで記録していて、それ以外のものを何一つ持っていない。週に1、2回ほどこういうことがある。だが、自分で気づく前に他人に助けられるのは初めてだった。
背筋から緊張が流れ落ちてゆく。…結構ビビった。

「練習の邪魔したら悪いと思ったけど、もしかして忘れてるのかと思って…」
「とても有難いです…時々忘れちゃうんですよね…」

貰ったドリンクに口をつける。スポーツドリンク味の無難なスポーツドリンクが喉を潤す感覚で、かえって喉の渇きを自覚する。

「…朝早くから熱心だな。一番乗りだなんてなかなかないぞ?」
「そんなことないです…普段はもっと数人くらいいますから…土曜日ですし、レース前の調整とでも重なったんですかね?まあ偶々って感じですし…」
「普段から早くに来てるのは違いないじゃないか。偶々じゃなくて『チャンスをものにした』んだよ」

…結構踏み込むな、この人。素直に受け止めるのが怖くて、つい目と話題を逸らす。

「そうですかね…ありがとうございます、そんなこと言ってくれて…というか、休日の朝早いのはあなたも…トレーナーさんも同じじゃないですか。朝練習するわけでもあるまいし…」
「新人だからな。まだ担当が居ないから、探してるのもそうだけど…どちらかというと、朝早くにそれ以外にすることもなくて」

なるほど、としか返事ができず、それ以上話題を広げられない…
今度借りたボトルとタオルを返しにいくために、彼のトレーナー室がどこなのかだけ聞いてから練習を再開することにした。

「…ありがとうございます…あぁ、遅くなりましたが私、クロックワークスと申します。では、また」

+ 3-見え方
遠い喧騒を差し置いて、登り始めた日が差しこむトレーナー室に、キーボードを叩く音が響く。
新人トレーナーの一日は情報収集に始まり、また情報収集に終わる。かくいう自分もそんな一日を送っている一人だ。
早朝はそんな時間帯からトレーニングをしている気合いの入った有望なウマ娘をリストアップ、過去の模擬レースなどの映像やトレーナー間での口コミなどから情報を収集、並行してトレーニング理論の勉強その他…
その一環で、今日も朝練習を見に行ったのだが…彼女は今日も練習に来ていた。

クロックワークス、中等部一年。レースに於いては専ら逃げのみを行う。その理由はわからず、友人関係から出自までそれといった情報はあまり出回っていない。知られているのは入学前から野良レースで年上相手に大立ち回りを見せていたこと、またその頃からただの一度も先頭を譲っていないという圧倒的な強さの噂だけの有望株。

一昨日、彼女が飲み物も無しに一人で練習していた。朝練習で彼女を見かけたことは以前から何度もあったし、朝から長時間練習を続けるストイックなウマ娘だと知っていた。
きっと持ってくるのを忘れているのだろうと思い、つい勝手にタオルとドリンクを持ってきてしまったのだが…

『はい。…なにかこちらに不手際でもありましたでしょうか?』

彼女は振り向きざまにこちらを睨みつけ、如何にも不機嫌といった様相だった。
まあ、すぐに対応は穏やかなものになったが…結構な気性難なのかもしれない。

[(あまり嫌われていないといいけど…)]

扉を叩く音が響く。一言返事をして席を立って扉を開けると、訪れたのはクロックワークスその人だった。

「失礼します。あの、クロックワークスです。借りてたボトルとタオル返しにきました。遅くなってしまって本当すみません…」

そう言って、タオルと空のボトルを差し出した。タオルの方はどうやら洗ってから返しにきてくれたようだ。遅くなったと言っているが、月曜日の朝に返しに来ているのだから可能な限り早く返しに来ている。

[全然遅くないと思うけど…]
「いや、トレーナーさん昨日も朝練見てたじゃないですか。あの時私がしっかり覚えててタオルと水筒持ってれば返せたので、遅くなったなと」
…覚えているだけならまだしも、使うわけでもない借り物を常に持っているというのは流石に無理がある仮定だろう。
[気にしてないから、謝らなくていいよ]
「…ありがとうございます。では、失礼しました」

そう言って頭を軽く下げ、クロックワークスは早足で帰っていく…かと思いきや、突然前にステップを踏むと跳ぶようにしてこちらに切り返してきた。

「すみません最後に!今度の選抜レース出るのでもし良かったら見に来ていただけると、あー、幸いです?」

ボトルとタオルを貸した時と同じ、睨みつけるような…というより、目を見開いて強張っているのは焦りの表れのようにも思えた。彼女はそれだけ告げると、返事も待たずに今度はぶつぶつと何かを呟きながら、本当に帰って行った。

[(気性難…ではない、のか?)]

+ 4-寛解
今日も早朝から練習に勤しんでいた。
選抜レースに向けてここしばらく取り戻せていない調子をどうにか回復させたいだとか、また一番乗りだなとか、そういえば昨晩はやけに騒がしくて眠りにくかったなとかそんなことを考えて、そしてそれら全てを思考の片隅に追いやって、練習していた。

「…あっ」

あの時のトレーナーだ。
…どうしよう。『選抜レース見てください!』って言っておいてその前に会うの割と気まずい。どうする?何話す?

「おはよう。…今日は、忘れ物はないみたいだな」
「…その節は本当にご迷惑を…偶にやらかすんですよね…本当不甲斐ない……」
「大丈夫だって、誰にだってそういうところはあるよ。…ところで、昨晩は楽しめた?」

…昨晩?昨晩は普通に練習してそのままベッドに直行したけど…

「……えっと…特に……普段通り、ですけど?」
「えっ…クリスマスパーティーは?毎年両方の寮で開催されるって話だけど…」

…………………?
……あぁ!?それで昨晩騒がしかったのか!?
マジで?え?私クリスマスパーティーとかいう一大イベント逃した?

「うぁぁぁぁ……勿体無いことしたぁ………ケーキ……」
「だ、大丈夫…?そんな頭抱えて悶え苦しむくらいなのに行かなかったのか…?」
「…しらなかった」
「知らなかったって、友達でも同室でも誘って来なかったのか?」
「…トモダチイナイ…同室はそういうの嫌いなタイプ…うごごごごごご………」

ああ、私はなんてバカなウマ娘なんだろう。非常に不甲斐ない。消えてしまいたい………

「つかぬことを聞くけど…最近ちゃんと休んでる?」
「休んでます…練習終わり次第即座に帰って寝てます…あ、もちろんアイシングとかストレッチとかはしてますけど…」

そう返すとトレーナーさんは顔を顰めて、再びこう聞いてきた。

「言い方を変えるけど…息抜きとかしてるか?どこか出かけたり、趣味とか...」
「できるわけないじゃないですか…全然記録伸びないし…そろそろ選抜レースなのに…」
「…少し提案なんだが…一度、僕に君の指導をさせてもらえないか?」

…聞き間違いか?
耳と背筋がピンと跳ねる。願ってもない提案。チームでのトレーニングとかは知ってるけど、専属で指導を受けた経験はない。願ってもない話だが…

「…え?いいんですか…?じゃあ是非…」


〜⏰〜


「…VRウマレーターの、ゲーム用のモード…?」
「幻想世界ウマネスト、ね」

ウマレーターが空いている時は、いつもレースシミュレーションしかしていなかったので使うことがなかった機能。新鮮味はあるが…

「…で、これで一体どのようにトレーニングを…?」
「目的のクエストがある方に誘導するから、それに従って普通に遊んでみてほしい…ただし、ジョブはフェンサー。防御力をあまり上げずに回避主体で」
「…それだけ、ですか?」
「ああ、あと一番大事なこととして…あんまり気負わず、ゲームとして楽しんでくれ!」

そう言って、笑顔でサムズアップするトレーナー。…何が何だかよくわからないが…新人とはいえ職業トレーナー。専属指導のなんたるかがわかっていない自分の考えが及んでいないだけ…なのだろうか?

「…わかりましたけど…一つ、懸念が…」
「なんだ?ゲームは苦手?」
「いえ…むしろそこそこのゲーマーです。逆にちょっと…はっちゃけすぎて、口が悪くなったりすると思うので…そこのところ許していただけると…」

恥ずかしながらと、右手で首を掻きながら伝える。

「全然大丈夫!むしろオフのノリでやってもらえると嬉しい!」
「そう…ですか……言いましたからね?後から文句…言わないでくださいね?」


〜⏰〜


「…じゃから、奪われた品物を取り返しに行ってほしいんじゃ」
「討伐クエスト…積荷の回収…OK。洞窟なら…松明の用意が…」
「任せてください!野盗なんて許せないよな!行くぞ剣士クロックワークス!」

さっきからトレーナーさんが結構ノリノリである。このノリで行くべきなのか?
演技の圧に黙り込む私。手を掲げてこちらを見つめ、気まずそうにするトレーナーさん。ふぉっふぉっ、と笑う依頼人NPCのお爺さん。

「…結構ゲームのノリに付き合うタイプなんですね」
「いや…楽しんでもらえたらな、と思って…ほら!えい、えい、おー!」
「おー…?」


〜⏰〜


それから、しばらく。クエストも幾らか達成して、ゲームの難易度設定を一段階上げるほどに慣れてきた頃。
私は…

「ヒャッハァァァァァ!!!喰らえサイクロプス!これが店主の…ブラックホットスパイスの怨みじゃああああ!!!」

狂乱していた。
薙ぎ払う剣は援護役のトレーナーさんによる魔法で巨大化し、一つ目の巨躯を真一文字に断ち切る。
巨人の断末魔が辺りに大きく響き渡る。その声に木々は揺れ、倒れ込んだ巨体に地が揺れる。
ポリゴンが解けて空に溶けるように消えていく様を見て…ふと我に返る。

「…また口悪くなってた…本ッ当にすみません何度もお見苦しいところを…!」
「リラックスできてるようで良かった!…これくらいで終わりにして、最後にターフで普通にトレーニングにしようか」
「…すみません…私調子乗るとすぐこれだから…あんまり人と関わりたくないんですよねぇ……どうか内密にしていただけると…」
「わかってるって。ほら、ログアウトするぞ」


〜⏰〜


澄み渡る冬の高い青空、高く日が降る青い芝。よくわからないトレーニング…トレーニング?の後、ある程度走り込んでから何本か記録を計ってみるとーー

「…なんか…ちょっと伸びてない?マジで?…なんで?」
「やっぱり。今朝より自然に走れてるな」

合点が入ったようなトレーナーさん、対して宇宙猫な私。本当に何故?確かに回避に必要な瞬発力はスピードトレーニングに活かせそうだなとか…移動で結構走り込んだりしたけど、それくらいなら普段からやってるし…

「ウマネストはトレーニングに活かせそうだなって、前から目をつけてたんだけど…それよりも、今回ウマネストをやった理由は、むしろ息抜きの側面が大きいな」

曰く、話を聞く限りこの調子だとトレーニングして寝るだけの生活を繰り返しているようで、肉体は問題なくとも精神的な疲労が蓄積し続けているように見えた。だから一回、トレーニングと称して気兼ねなく思いっきり遊んでもらった、とのこと。

「最も、まだまだ考察の余地があるトレーニング方法だけれど…運動量としては十分だし、実用圏内だと思って試させてもらった」
「…普通、知り合って間もないウマ娘に試験的なトレーニング試しますかね…?」

…これじゃ専属でのトレーニングの例にならない。ならないが…

「…まあ、個人的な不調に合わせてトレーニングをつけてもらうのは貴重な体験でした…ありがとうございます」

壁を越えられた感覚がある。本格化前とはいえ、選抜レースでも良い結果を残せるだろう。

その日の私の足取りは軽く、同室の彼女が好調の理由を訊いてくるほどだった。

+ 5-伝令、というより軍師
青天井、という言葉をそのまま表したような、高く澄んだ寒空。
ゲートの音と歓声、力強い勧誘の文句、アナウンスが響く今日は選抜レース。年末まで息を潜めてきた魔物たちが鎬を削り、また彼女たちの運命が決まる正念場。

[(クロックワークスの出走するレースは…)]

…まだ結構後のようだ。それまでしばらく時間が…
…いつの間にか彼女だけをスカウトするようなつもりでいたが、有力なウマ娘は他にも沢山出走する。
確かに初めて話しかけたあの朝見た彼女の走りは素晴らしかった。だが…それだけで一人に絞るのは早計すぎる。

「…おやおや、あなたはもしかして…クロックワークスにトレーニングをつけていただいた、新人トレーナーさんでしょうか?」

話しかけてきたのは、黒毛の小柄なウマ娘。どうやらクロックワークス伝手に自分のことを知っているらしい。

[君は…メッセンジャー?]

「ええ、そうですとも!ご存知のようで、いや光栄です。クロックワークスとは同室をやらせてもらっています。…して…貴方は彼女を目当てに?」

メッセンジャーの言う通り、今のところ本命は彼女だ。だが他に出走するウマ娘にビッグネームが多すぎる。どちらかというとダークホースの彼女に決める、というわけにはし難いん

[まあ…決めかねてるかな]

「それはそれは。あれほどのウマ娘を見て更に上を狙うとは、素晴らしい…。ああ、私は春の選抜レースで担当がついているので、残念ながらスカウトはナシですよ?」

芝居がかった大きな身振りと共に、仰々しい話し方をするメッセンジャー。
どうやら、彼女はクロックワークスを相当高く評価しているらしい。クロックワークスの素性を知る貴重な存在…それにそこまで言わしめるポテンシャルとは、一体どのように見えたのだろうか。

[なぜ、そこまで高い評価を?]
「…ご存知の通り、彼女はとってもストイックで真面目。叩き込めばその分強くなる素直なウマ娘です。ですが…彼女の真価はそこじゃあありません。頭脳です」

メッセンジャーは語る。後ろ手を組んで左右に歩き回りながら、かと思いきやその深緑色の瞳でこちらを見つめて、トントン、と自身の頭を指す。

[(商品のプレゼンテーションみたいだ…)]
「より詳しく言えば、記憶力と発想力。彼女は自身が目にしたものを要不要に関わらず殆ど覚えている…そしてそれを何でもかんでもとにかく興味のあること…大抵は走ることに結びつけて活用する。あんなウマ娘は中々…おや?その顔…何か思うところでも?」

…クロックワークスは忘れっぽく、時々それで失敗をすると自称していた。
それに、むしろ彼女は愚直に基礎トレーニングを積み重ねているように見える。
失礼だがそこまで頭脳派という様には見えない、と伝えると…メッセンジャーは目を見開き、次いで目を細めた。

「ほう…それを彼女が伝えるほどに打ち解けているとは。そして、まだそこまでしか知らないとは。…年明けにでも彼女に…そうですね、それとなくダンス練習、ならびにウイニングライブについての話題を振ってみてください。きっと面白い話が聞けると思いますよ」

…クロックワークスはライブ練習に課題を感じているのだろうか。なんだか意味深長に思える話し方だが、ともかくクロックワークスの長所を売り込んでいることは確からしい。

[友達思いなんだな]

ありがとう。もし彼女に会えたら試してみるよ。
その言葉を聞いて、メッセンジャーはクスクスと笑った。

「ふふっ…ご心配なさらず。貴方は年明けに彼女と会いますから。では、またの機会にお会いしましょう」

[それってどういうーー]

聞く暇もなく、彼女は観衆の中に消えてしまった。

その後、クロックワークスは選抜レースを快勝。声をかけに行ったものの、生憎先手を取られて顔を見ることもできなかった。

+ 6-悪魔にでもなったつもりで
「あぁ…そりゃあ私毎日朝練来てますから…トレーナーさんもそこそこのペースで来てるんだから、会わないはずありませんよ」

年も明けて、冬休みののんびりムードが払拭されてきた頃合いのこと。今日は他にも朝練に来ているウマ娘がいる中、私はクールダウンがてら例のトレーナーと談話していた。

「同室…メッセンジャーはそういう言い回し好きなんですよ…絶対に実力の底を見せないっていうか、口論に負けないというか…」
「へぇ…そういうことなら、僕が朝練にしょっちゅう顔を出してるのもメッセンジャーは知ってたのかな…?」
「……そういうことに…なります…かねぇ?」

…そこまで考えると先述の理由だけでは少し不十分。私が同室に伝えたのは精々『新人トレーナーに変わり種のトレーニングをつけてもらった』程度だった筈…
口許に手を当てて熟考に入る。

「…あれぇ…?私そんなに詳しく話してたっけ………」

それとも有力なトレーナーの動向すら把握している…?そこまでする?
…やりかねない。奴ならやりかねない…

「…そういえば。メッセンジャーと会った時、ダンスがどうとか言ってたんだけど…ライブ練習で困ってたりするのか?」
「…?いや全然…上手いわけじゃないですけど、ほどほどに自信はあります…強いていえば表現力不足だとかは言われますけど…」

ダンスの表現力…表現力ねぇ。歌と踊りは完璧なものを如何に再現するかってものだと思ってたけど…なんなんだろうね、表現力って。
表情か?表情のことを言ってるのか?つまり表現力=表情筋の筋力か?いやいやそんなことないだろ。
でもそこまでの極論じゃなくとも表情は大事…ほら…私あんまりウイニングライブにいい思い出ないから…
…あと動きのキレってのもイマイチわかんないんだよなぁ…ある程度はポーズ毎にビシッと止める感じでやれてるけど、あれキツいんだよ…絶対普段全然使わない部分の筋肉使ってる。…どうにかしてよく使う筋肉で代替できないだろうか?
…………………………………
……………………………………………………………………

「クロックワークス?」
「はい!?…どうしました?」
「突然黙り込んだからどうしたのかと…」

…そりゃ会話中に相手が俯いて黙ったら驚く。当然のことである。テレビでいうところの放送事故。

「特に…ダンスといえば、ウマ娘って身体のパーツ不要な順に一つずつ取っていったらいつ走れなくなるんですかね?」
「なんて?」
「ああいやただの思いつきで、すみませんね縁起でもないこと言ってしまって…」
「いや、発想はちょっと興味深いし面白そうだけど…どちらかというとなんで"ダンスといえば"でそれが…?」

訝しげにこちらを見つめるトレーナー。やめてそんな目で見ないで…唯の思いつきだから…まだ粗まみれのアイデアだから…

「その…ダンスで使う筋肉とレースで使う筋肉の違いについて考えて、じゃあ必要最低限の筋肉ってどこまでなのかなって…」
「……トレーニングに活かせそうだな…」

…もしかしてこのトレーナー…同族か?

…ほぼ間違いないだろう。ウマ娘から身体のパーツを奪うなんてこと聞いて、怒るより先に興味深さが来るのは…私と同じく、常識より一歩早く発想が出てくるタイプ…だと思う。
…彼となら。あるいは…彼ならば。

「…話を変えるんですけど…模擬レースの時、どうして来なかったんですか?」
「…その件については…ちゃんとレースは見たし、スカウトしたかったんだけど…他の人に先手を取られて話しかけられなくて」

…見限って他のウマ娘を狙った訳ではない、と。
一旦落ち着こう。天を仰ぎ、ふう、と白い吐息を一つ。
覚悟を決めろ。正念場だぞ。

「…突然ですけど、最高のトレーナーになる覚悟とか…お持ちじゃないですかね…?」

「ーー勿論。中央のトレーナーになったからには」

力強い即答。…これで振られたら、マジで笑えるけど。

「それなら、私の担当トレーナーになってもらえませんか?」

+ 7-年相応
「マジ!?クロワも専属トレーナーついたの!?!?」
「そんな驚く…?」

良い子は寝始める夜。風呂上がり、いつも寝る前に少しだけ同学年のゲーマー仲間…たった三人だが…でチャットをしながらゲームをする…といっても、最近は調子が悪く、あまり参加できていなかったが。
甲高い大声を通話越しに響かせた彼女はカザミノワタリドリ。端的に言えばバリバリのギャル…改めて、何故彼女がこのグループにいるのか理解し難いほどに陽気なウマ娘。

「えーどんなトレーナー?契約の決め手は!?」
「カザミ。気になるのはわかりますが、そろそろ消灯時刻ですから。声を抑えるように」

同室の諌める声が、通話と背中越しに二重に聞こえてくる。

「ごめんごめん…でもメッセは気にならない?だって、今まで選抜レースにも出てなかったクロワにいきなり専属トレーナーがついたんだよ?」
「…言い忘れてたか…?私12月に選抜レース出てんだよね…」
「おや、カザミは知りませんでしたか?さらに言えば、件のトレーナーとクロワにはその少し前から面識がありまして…契約前からトレーニングをつけてもらっていたとか」
「…なぁんか、あたしだけ置いてけぼりって感じがする…まあ、デビューはあたしが一番早いんだけどね!」
「出たなデビュー済みマウント…」
「ふふふ…上機嫌ですね。最近初勝利しただけある」

…やっぱり好きだな、この空気。
部屋主のカザミがオンラインマッチングを中止する。

「で?どんな人なの?」
「口を割るまでゲームはやらせない…そういう訳か」

そういうことをされちゃあ、むしろ言いたくなくなってくる。しばらくの小競り合い、しかし2対1の劣勢は覆せず押し負けてしまった。

「…指導してもらった時、とても効果が出た。あと波長が合う人だった。それだけ」
「…絶対嘘だ!」
「嘘ではないと思いますよカザミ。こういう時クロワは嘘じゃない範囲で隠してるんです」
「何故バレたし………私の思いついたアイデアを、本気で考察してくれる人だった。…これで本当に全部」

マッチングが再開される。返答がお気に召したようだ。上機嫌な鼻歌が聞こえる。
…こんな性格でクラスでも友達多くて、なのに蓋を開ければ私たちの中でぶっちぎりでゲーム上手いんだから…わからないもんだよなぁ…

「ああ、私からもひとつ」
「メッセ?」
「…貴方のトレーナーさんは男性だ。しかも明るく、自然に先輩方にとり入ることができるお人好しで通っている。しかも知り合ってから契約までの期間は長くない。一目惚れだとか誑かされたとかだったら、とも心配したのですが…杞憂だったみたいですね」
「何をバカなことを…契約理由はさっき話したのが全部だって…」

…本当にそれだけだよな?
客観的に考えれば…ありえない話じゃない。私の男性経験は小学校低学年の頃に男子と時々ゲームしてたくらいで謂わばゼロに等しい。自分でも自分のことをあまりそういうのに耐性がある方だとは思えない。
でも確かに、契約を決めたあの時…そういうことは意識していなかった…はずだ。

…意識、してなかったよな?

「…そもそも、そういう感情はトレーナーに対して持ってちゃダメでしょ」
「私はトレーナーのこと好きですよ?」
「…は?えっ、おまっ、はぁ!?」

カザミの黄色い声が耳を刺す。笑顔で跳ね回る彼女と荒ぶる栗色のツインテールが目に浮かぶ。
カザミはわかる、でも同室はそんな…恋バナとかするタイプだったか?本当に何がしたい…今後のミーティングの妨害?

「私個人としては…本分さえ見失わなければ、どんな関係性でも、そこにどんな感情があっても問題ないと思いますけどね」

見計らったかのようにマッチングが終わり、試合が始まる。その話はそのままうやむやになって、結局私が揶揄われただけで終わってしまった。


〜⏰〜


「そういえば…そろそろシューズが寿命を迎えそうです」

あんな会話で心を乱されても、翌日には普段通りのミーティングが行えている。
顔を直視できていないのは昔からの癖だから問題ない。全然…全然気にしてない。

「じゃあ、今度のオフに買いに行こうか。ついでに他に何か買っておきたいものとかある?」
「……食糧…ぐらいですね…ん?というか一緒に出かけるんです?」
「買うシューズとか決まってたりする?」
「…担当ついたし…この機会に改めて選び直してもいいかもしれませんね。お願いします」

…そういう旨なら食糧は違かったかもしれない。トレーニング用品とかそういうのについてだろ…空気が読めない…というかトレーナーとウマ娘の関係について考えてた最中だろ。何私的な部分出してんだ私。

「…頭抱えてどうした?一緒に選ぶのが嫌なら普通に断ってくれて構わないけど…」
「え、ああ、いや、単純にちょっと、学園の敷地外に出るの面倒だなって…ざっとひと月ぶりですし」

「…ひと月ぶり?」
「はい…食堂があるので自炊する回数も多くないですし…まあそんなもんですね」

…沈黙。あれ?何か変なとこあった?
ああ、モロに私生活の話じゃん…いやでもこれくらいはセーフでしょ。多分許容範囲。

「つまりは…買い出し以外で学園の敷地外に出ないのか?」
「その通りですけど…食堂のご飯美味しいですし、栄養価も表示されてるからその分の調整もできてますし…他に出かける用事もないので……言っていいんですかねこういう話…」
「…むしろ、積極的に話してもらえると助かるかもしれない。あと…折角の外出がてらカラオケとかどう?友だ…あー、気分転換とか…新しいトレーニングのアイデアがあるかもしれないし…」

…カラオケは…ちょっと、駄目なんじゃないか?
トレーナーとウマ娘ってのはもっと利害的なものであって…チーム所属してた頃もドライな関係だったし…

『…本分さえ見失わなければ、どんな関係性でも、そこにどんな感情があっても問題ないと思いますけどね』

…同室、そんなこと言ってたな。

「……いいですね。恥ずかしながら私カラオケ行ったことないんで…楽しみにしてます」

一人の少女には抱えきれないもの

+ 8-思ってたより
桜咲く皐月賞の季節。新人トレーナーに新入生、さらに6月のメイクデビューに向けての各種申請書類など、特に学園上層部にとっては師走なんかよりよっぽど忙しい時期。
しかし、自分のような専属担当を持っているトレーナーに関係があるのはほぼメイクデビューに関連する事柄のみ。絶好のタイミングで本格化が始まった担当ウマ娘の最初の三年間、そのスタートダッシュのためなら、この程度の残業なんてどうということはない。
時計の針は七時を指している。書類はあと少しで片付きそうだ。この調子なら、十時には上がれるだろう。
そう思っていたところ、いきなりノックも無しにドアが開いた。
半開きのドア越しにクロックワークスと目が合う。門限はまだだが…何故こんな時間にトレーナー室に?

「…失礼しました」
[ちょっと待って]
「はい。すみませんでした」

何故定時を回ったトレーナー室に訪れたのか、その理由だけ聞いておこうと引き留める。クロックワークスは逃げ出そうとしていた姿勢をさらに翻し、綺麗な気をつけの姿勢で沙汰を待つように震えている。何故口から出る言葉がすみませんなのだろうか…

[何故ここに?]
「…夕食を、食べるためです」
[わざわざ寮を出て、無人のトレーナー室で?]
「はい…すみませんここしばらくは週1ペースで来てました…季節の変わり目だからですかね…」

確かに、左手には大きめの弁当箱を提げている。今のバタバタとした動きで中身が寄ったりしていないだろうか。

[ここで食べてってもいいけど…]
「……すみません、失礼します…」

扉を開けて招き入れると、クロックワークスは普段からミーティングに使っている机…ではなく、部屋の隅にそそくさと正座して、腿の上に弁当の包みを広げ始めた。
…そういえば、もう夕飯の時間か。折角なので自分もそうしよう。
棚からカップ麺を一つ取り出し、給湯室で湯を入れてきてから仕事を再開する。3分に設定したタイマーが鳴ると視界の端で灰色の耳カバーが大きく動くのが見えて、一瞬彼女と目線が合ったがすぐに逸らされた。
蓋を開けて塩っ気の強い麺を啜る。彼女は今もなお部屋の隅で黙々と弁当を食べて、頬を綻ばせて大きな耳をぱたぱたとさせている。玉子焼きの出来が良かったようだ。

[…新入生が入ってきただろうけど、最近どう?]
「……え?あぁ、いや、全然変わりないです。後輩と関わりがないので…でも、走りが気になる子は全員きちんとメモしてます」
[そうか。僕もリストアップしてるから、今度見せ合おうか?]
「…参考になるかはわかりませんが、それでよければ」


[あれからウマネストやってる?]
「…やってます。自主トレで自己判断で問題がない時に、普段のトレーニングと置き換える形で…あと個人的にタイムアタックを…」
[タイムアタック?]
「…あの日トレーナーさんと走ったクエストを如何に早くクリアするかのチャレンジです。色々ズルしたら二時間切れるようになりました…勿論、トレーニングに置き換えてる時は真面目にやってますよ?」
[相当やり込んでるね]


[最近外出してる?また1ヶ月学校から出てないとかない?]
「外出は…買い物の頻度を増やしてます…その分一回当たりの量は減らして…あの買い物の時、結構いい刺激になったので、外出回数は増やしてます…」

…仕事をしながら話しかけて、返答に違和感を感じる。
具体的に何がというわけではない。しかし少し気になったので、ふと彼女が座っている方を見遣ると…
…彼女はとっくに夕食を食べ終わって、壁に向かって頭を抱え、蹲って震えていた。

[クロックワークス!?大丈夫か!?]
「問題、ないです…お気になさらず、門限10分前までには落ち着くので…」
[気にしないでいられる筈ないだろ!どこが辛い?頭痛か?]
「……ちょっと恐怖が襲いかかって来てるだけなので…しばらくしたら治まります…恥ずかしながら、夕食後に時々起こる発作です…」
[…機能性低血糖?]

症状から推定された原因が口をついて出てくる。さらに言えば、早食いやストレスがその原因として考えられる。ただ…ウマ娘には現れにくい症状なのだが…

「…わかりませんけど多分それなんじゃないかと…」
[早食いで起こりやすい。今度からはよく噛むのを意識して食べるようにしようか]
「…ありがとうございます……あの、背中さすらないでいいです…申し訳ない…」

…彼女は宣言した通り、門限前には普段通りの様相に戻っていた。
去り際、諦めたように苦笑しながら彼女が言う。

「本当にご迷惑をおかけしました…一応、日中や走ってる間はこんなふうにはならないんですけど、最悪契約解除まで覚悟してるので…」
[大丈夫、知ってて契約したから]
「えっ」

謝り倒すような卑屈さとてウマネストの時の変貌様、加えて契約当時のトレーニングと睡眠を繰り返すだけの異常な生活サイクルを知れば、彼女の精神が不安定なことくらい誰にだってわかる。
クロックワークスにはポテンシャルがある。それこそ、彼女の言う“最速”に届き得るほどのとんでもないものが。それを潰えさせたくない、その支えになりたい。だから自分は彼女のトレーナーになったのだ。

「…すみませんでした」
[いいんだ、少しずつ治していこう]
「いや、そうじゃなくて…一番は私がこんなであることを隠してた…つもりだったのと、あとトレーナーさんを見くびってたことについてです」
[見くびる?]
「…なんだかんだ、担当ウマ娘が走りさえすればいいって思ってると…そういうふうに思ってたわけです。本当に失礼な考えでした」

クロックワークスは最後に深々と頭を下げて謝り、そして帰って行った。
…彼女には、求める最速に対して青春…どころか、人生をトレードオフしようとしている様な節がある。トレーナー以前に大人として、それは止めなくてはならない。

[(…"同室"ともコネクションを持っておいた方がいいだろうか?)]

出過ぎた真似かもしれないが。
書類仕事に戻る前に、今日の会話を記録した。

+ 9-新進気鋭のウマ娘
“8”。
私がメイクデビューで2着に対してつけた着差である。
梅雨の終わりの阪神レース場に、とんでもない好成績を刻みつけた。

控え室にて。ゴール板を過ぎた直後は高笑いしていた私は、部屋の隅で体育座りをしていた。
「…なんか…全部上手く行った…怖い…」
「どうした急に…さっきまであんなに喜んでたじゃないか」
「…悪目立ちした…ライブで石とか投げられないといいなぁ…」
「あれくらい大丈夫だって…足は問題ない?」
「異常なしです…」

落ち込んでもいられない、ライブ前にアフターケアしなきゃ…

「…ちょっと最後緩みました。もっと完璧にやれたらよかったんですけど…」
「フォーム乱れてたね。やっぱり…」
「テンションの暴走です…熱気に当てられましたかね…不甲斐ない…」
「しょうがないよ、本番は初めてなんだから」

…初めてじゃないんだよなぁ…
まあそんなことは置いておいて。大事なのは今後のことだ。

「次走…どうします?」
「君の走り方は消耗が大きい。結構間を置いたほうがいいと思うけど…」
「…ホープフルステークス…目指させてもらえませんか…?」

…メイクデビューで勝てたし…年末までに一戦くらいなら多分いける。今回と比べて距離もそこまで大幅に伸びないし。

「…消耗が大きいのはその通りで、多分今後もそこまで多くのレースには出られない…だが当初の目的から、トレーナーに箔をつけなければならない。中山2000mならそのまま皐月賞まで調整が大体流用できるから…」
「…君は出たいのか?僕のためだとか、そんなのは考えなくていいから。それは"最速"を目指す礎として、適しているか?」

本当のところを言うと…リベンジがしたい。あの時も今日と同じ、ラストスパートで精神統一が乱れて破れかぶれでの勝利だった…いや、G1で調子崩して勝ってるのがおかしいんだけど。

「…ホープフルからの皐月は…G1の圧を一度経験した上で、ほぼ同じシチュエーションで再戦できる…と言っても、それが成り立つのは逃げでレース展開をほぼ無視できる場合に限りますが…なんにせよ絶好のチャンスだと思います」
「…わかった。となると…優先出走権狙いで京都ジュニアか」
「…間が…短い……淀の坂…坂はいけるか」

でも1ヶ月はキツイって。欲を言えば3ヶ月欲しい。
"皐月賞があるからホープフルはそこそこの調整で"だとか、"G3よりG1優先で"とは決して言えない。
私は常に最高記録を狙ってなきゃいけない。ウマ娘クロックワークスとはそういう生き様だ。

「…私は…化け物でなくちゃ…」


〜⏰〜


…最近知らない人からよく話しかけられる…

「良いじゃないですか、トレーニングのネタが向こうから転がり込んでくるんですから」
「同室貴様…適当言うんじゃないよそんな…私のコミュニケーション能力の欠乏度舐めてる?」
「でも全員上手く捌けてるんでしょう?そもそも貴女は気にしすぎなんだ。初対面でも面と向かって普通に話せてるんだからもっと自信を持ってーー」
「あれのどこが普通だと!?もうなんか失言まみれで吃り狂うようで…立てば気狂い座れば異物歩く姿は…思いつかないけど絶対気持ち悪がられてるって…やだぁ…」
「トレーナーさんとの初対面のときも同じように悶えてましたけど、結局上手くやれて…もう聞く耳もありませんか…はぁ…」

もう嫌なんだ…デビュー戦8バ身差の名ウマ娘のタマゴと話したいと思ってる老若男女(ほぼ同級生)に失望させるのは…

「貴女の評判、ヒトの顔を覚えないって所を除けばあんまり悪くないんですけどね」
「…そんなに気を遣ってくれなくても…」
「だから本当なんですって。どうやったらこの卑屈さは治るんですかねぇ…?」

+ 10-ウマネストにて
朝食を摂ってすぐにVRウマレーターの筐体がある部屋へと向かうと、同室とカザミが待っていた。

「やっほー!こうやって顔合わせんの久しぶりじゃね?」
「話すのは昨晩の通話ぶりだけどね…」
「更に言えばクラスも同じですから、最後に顔を合わせたのも昨日ですね」
「ぐふっ」

痛いところを突かれた様子で、カザミが呻き声と共に仰反る。いやだって久しぶり感ないじゃん…

鶴の一声…いや、カザミの一声で珍しくオフラインで集まった、我々ゲーマー三人組。

ーー折角オフ揃ったんだから、みんなでウマネストやらない?

というわけで、上手いこと三人分の予約をオフの日に捩じ込み。幸いながら、そこそこ長時間のプレイができることになった。

カザミが立ち直って再び口を開く。

「いーじゃんそんな細かいことは!クロワもホープフル狙ってんでしょ?将来のG1ウマ娘なんだからもっと器はデッカく!ね?」
「狭量なG1ウマ娘を目指してるので…」
「なんそれウケるw」

なんかウケたらしい。以前からカザミの笑いのツボは割とよくわからないところがある。
そしてここまでの一連の流れを眺めている同室はずっと微笑んでいる。なんか言えや。

「定期試験勉強の息抜き、皆さんしっかり楽しんでいきましょうね」

…なんか言った。でもそれは言って欲しくなかった…!

「…そういや今試験期間だっけ。全然勉強してない…まあノート取ってるしいいか。カザミは?」
「…さあ!ファンタジー世界へレッツゴー!」
「誤魔化しよる…」

〜⏰〜

「…クロワッサン?なぜクロワだけ偽名??」
「これエンジョイ用のサブアカ…」
「メインアカウントはデータを消してタイムアタックしてるって話ですからね」

「クロワだけデス数やばくね?」
「そりゃオワタ式魔剣士だから…このスリルが堪らない…!」
「初見で動きもわかってないんですから、こういう時は無難に神官騎士でしょう…」

「ヒャッハァァ!!立体機動たまんねェ〜〜〜!!!!」
「出た、クロワのバーサーク」
「あ、死にましたね…蘇生する手間も考えて欲しいものです…」

〜⏰〜

「最後だから!最後にこのクエストだけ!ね?」

そう言いながらカザミが提示してきたのは、私がいつもやっている巨人討伐の上位のクエスト。

「…適正レベル高くない?」
「三人でも厳しそうに思えますが…」
「大丈夫だって!最悪途中でリタイアすればいいし…ダメ?」
「…そんな絶対ダメって程じゃないけど…」
「じゃあいいよね!行こ!」

そんな風に押し切られて、戦うことになったが…

〜⏰〜

低木の中に身を潜める私たちを探して、討伐対象の怒声が森の一帯に響き渡る。
勝てそうにない…防御寄りのメッセが一撃で持ってかれたとか冗談じゃない。

「おっけ、蘇生完了…蘇生薬残り3つ」
「助かりました…予想より随分強いですね」
「これ絶対適正レベルでもキツいやつ…どうする?破棄する?」

そう言って顔を合わせると、カザミは露骨に不機嫌な顔をした。…最後くらい気持ちよく勝って終わりたいのはわかるけど…無理なものは無理でしょ。
一方で同室は、顎に手を当てて何かを思案している。というか…思い出しているのだろうか?
しばらく気不味い沈黙が流れた後、同室が口を開いた。

「…私の記憶が正しければ…北東の、それほど遠くない場所に渓谷があります」
「渓谷…?」
「倒せれば何でも良いんですから…実はネストって、敵が元の位置からどれだけ離れても消失しないんですよ。だから突き落としてしまいましょう」

…ネストのマップ覚えてるのか、同室。さては結構やり込んでるんじゃないか?
意外な事実と驚くべき記憶力。それ以前に、そんな方法で討伐依頼としてどうなのだろうか…カザミは納得するのか、と考えていたが…

「マジ!?そんなんできるん!?じゃあじゃあ、どうやって誘導する?アタシが囮やろっか?」

全くの杞憂だったようで、寧ろ彼女は作戦に心を躍らせていた。

「半分正解です。でも敵対状態の解除が怖いので、クロワに定期的に殴ってもらいましょう。あとどうせ一撃で死ぬならこれつけてください」

そう言って手渡されたのは…体力の残り割合が一定以下だと攻撃力が上がる、所謂火事場効果のついた指輪。

「…火力上げる意味ある?」
「落下だけで仕留めきれない可能性もありますし、何より与ダメージが大きいほど脅威と判断されて戦闘を長く継続できますから」
「…それならいいけど…」

…死んだときの視界暗転、心臓に悪いんだよなぁ…
態々そのような愚痴を言うのも面倒なので、渋々ながら引き受けることにした。

〜⏰〜

同室が誘導し、その方角にカザミが巨人を誘き寄せる。苛烈だが大ぶりな攻撃をひらりひらりと躱しつつ、巨人の足取りを的確に渓谷へ歩ませる。
そこに横からちょっかいを出し続けて、十分程。

「キタ!崖際来た!!こっからどーするよメッセぇ!?」
「あとは体勢を崩すだけです!クロワさん足元お願いします!」
「承知ィ!盛大に…転べェェ!!」

巨人の体勢が不安定な瞬間を見計らった、突進攻撃。大きな足元は狙いを狂わせ、空を切り、堕ちて行き…やがて大きなドシンという音が響くと、眼前に討伐完了のメッセージが表示された。

「…上手く行った…蘇生薬の残りは?」
「一本だけ残りました。つまり2回喰らってますね」
「討伐完了〜〜!!!イェーーーイ!!!!」

息も絶え絶えな私に比べて、一番動いていたカザミはハイテンションで討伐を喜んでいる。疲れていないわけじゃなさそうだけど…これが陽キャ、根性の差か…
立ち上がってカザミのハイタッチに応じ、続けてカザミは姿勢を少し下げて同室ともハイタッチした。
それでお開きということになったが…今思い返してみれば、あの作戦はどう考えても先導と私の蘇生だけしていた同室が一番楽な役回りだった。作戦立案も同室…そういうところちゃっかりしてるんだよなぁ…
あと囮役のカザミがノーダメージだった。めちゃくちゃやり込んでるでしょ絶対…

「…ってことがありまして、トレーニングに活かせそうだなと」
「空間把握能力を重点的に鍛えられそうだな」

+ 11-迫る冬と逃げウマ娘
ーーレース場ごとの感覚の違いの擦り合わせが、未だに上手くいかない。
秋の訪れをひしひしと感じ入る時期だというのに。クロックワークスは、憔悴していた。

「…タイムは?」
[…調子が出てないね。スパートの位置も間違えている]
「…そうか……」

…ペース配分にぎこちなさを感じる。次走の京都ジュニアステークスへの調整に集中して欲しいところなのだが…

〜⏰〜

トレーニングが終わった後、一人トレーナー室で事務作業をしながら思索する。

[(クロックワークスはずっと、ホープフルステークスを見ている)]

意識が完全に逸れてしまっている…いや、完全に逸れていたらむしろその方が良かっただろう。ホープフルのことが脳裏から離れないにも関わらず、かといって次走をたたき台と割り切ることもできていない。
原因は、彼女の『クロックワークス』としてのプライド。何故かよくわからないが、彼女は走りにおいて数多の経験を積んできたような能力と、時にレジェンド級であるかのようなプライドを…デビュー戦しか走っていない彼女にはあまりにも不釣り合いなそれを見せることがある。

[…走り以外ではネガティブすぎるくらいなのに…]

このアンバランスな精神状態は、一体何が原因なのだろうか。どうすれば解消できるのだろうか。
本当にレジェンドとなってしまえばそれで良い。彼女にはそれほどの才が間違いなくあるし、その才能を育てるために何もかも擲つ覚悟は契約の時にできている。

[(だが、そこに至るまではどうする?)]

…彼女のプライドではないが、トレーナーとしても彼女の戦績に傷をつけることはできない。況してやこの程度のメンタルケアもできないとなれば、『最高のトレーナー』への道はあまりにも望み薄だ。
どうすればよいのか、ずっと考えていた。

〜⏰〜

翌日のトレーニング、ウォームアップが終わった頃。

「じゃあ、走り込みに…」
[待って!]

[ルーティーンを作ってみないか?]

「ルーティン…?何のために?」

経緯を説明する。おそらくだが、君は次走とその次のホープフルで意識が半端に分散していて集中できていないんじゃないかと考えた。クロックワークスが苦い顔をする。どうやら図星らしい。
そこで、ルーティーンを行うことで…理想的には「京都モード」と「中山モード」を切り替えるようにできたら、両方ともしっかり集中して対策することができるのではないか。

「…できるんですかね?特に私、そういう習慣忘れがちでして…」
[トレーニング中は補助する]

…それ以上できないのがもどかしいが。
クロックワークスは片手で顔を覆い、立ったまま俯いてしばらく黙り込む。そして数呼吸の後、こちらに向き直った。

「わかりました、やってみましょう。具体的にルーティンはどんなものにしますか?」
[…実を言うと、考えていない]
「…そうですよね、私に馴染む動作じゃないといけないわけですから考えてる筈ありませんよね…すみません」

とりあえずその日は普通にトレーニングをして、各々考えた上、後日のミーティングで話し合うということになった。

+ 12-丸竹夷、届かない領域
「…七条越えれば八九条十条東寺でとどめさす。丸竹夷二…」

地形やペース配分を思い浮かべながら、レース前の控え室にて高速詠唱。2、3回呟いた頃には頭の中が完全に京都ジュニアモードになる。ルーティンがこなせないと拙いということで念の為持ってきたカンペは結局使わずに済んだ。
トレーナーの目線が刺さるような感覚。いや鋭く冷たいわけではないけど…両手で顔を覆ってブツブツと呟いている自分がどう見えるかくらい察しはついている。少し恥ずかしくて、爪で自分の首を掻く。

「十条東寺でとどめさす……切り替えました。最終確認しましょう」
「…ルーティン、活かせてるようで良かった」
「おかげさまで」

〜⏰〜

ゲートの開放と同時に空を裂き、死に物狂いで…死に物狂いは言い過ぎだろうか?まあとにかく先行集団から抜きん出る。
耳に障るアナウンスの澄んだ声。後方を置き去りに、ただ独り先頭で芝を駆る。一周目は足元をあまり意識しないでよいので気が楽、今回は二周目も最終直線しかないのであまり考えずに済む。
コーナーは内ラチを撫でるように。空気抵抗と遠心力に抵抗する分だけ、その分だけ地面を軽やかに蹴る。

そのままスイスイと、流れるままに走れてしまった。

〜⏰〜

地下バ道にて、出迎えるトレーナーを見つけた。

「お疲れさま!快勝じゃないか!」
「…冷静に運べました…良くも悪くも…」
「…悪くも?」

笑顔のトレーナーに水を差すようで、あまり気分の良いものではないけれど…

「…理想的にはぁ…のめり込んで、周りが見えなくなるくらいになりたかったところなんですけど…」
「…『領域』のこと?」
「ぞーん…?」

何か思い当たるものがあるかのようなトレーナー。あれ名前あるの?
曰く、ひと握りのウマ娘だけが到達できる状態。尋常でない底力を発揮するとか、代わりに消耗も激しいだとか…

「へぇー…そんなのがあるんですか…」
「眉唾話だけどね」
「…まあ正体がなんだろうと、ホープフルステークスではもっといい走りを見せたいなと」

なんかちょっと気まずかったので、次走の話題で誤魔化す。今の文脈だと私が噂を知っててイキってる中二病みたいじゃないですかやだなぁハハハ…
…真面目に考えて、そんな大層なもんじゃないでしょ。よしんば領域なんてものが実在しても…私のは多分、間違った方法とか出来損ないとかそんなもんだろうし…

「もし、心当たりがあったらでいいんだけど…その集中状態になれなかった理由とか、わかる?」
「いや……強いて言えばテンションが上がり切らなかったか…緊張が足りなかったか…」

…そもそも、今の私には不可能なのかもしれないし。
ネガティブな言葉を腹の底に押し込みながら、反省点を話し始めた。

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