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最終更新:2022年07月09日 21:48

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SS バラカドボナール


『――どうか全力で射抜いてよ――』

僕は才能のあるウマ娘である。自分で言うのもどうかと思うけれど、客観的に見て間違い無い。本格化に先んじて伸びた上背と広いストライドは明確な利点だし、背丈の割に軽い体重は長短あれど武器になる。色々あってターフは走っていないけれど、トゥインクルシリーズのダートレース最前線でやりあうのに充分な能力が僕には備わっている。

不得手な距離でもどうにかデビューし、OPレースで勝利し、得意な中距離となれば重賞も取ったし、夏に挑んだジャパンダートダービーでは勝利したのだ。G1ウマ娘様である。強いだろうわっはっは。まあそりゃ周りも強いし、常勝不敗とはいかなかったけれど。ダートダービー後のJBCクラシックではボコボコにされたし。混合G1怖い。
……ともあれ。シニア初年、最初に挑んだG1レース帝王賞のウイニングライブでステージに立てているということは、紛れもなく僕の実力を示す証だろう。

『――GO AHEAD 未来 DAYS!』

そうとも。僕は才能のあるウマ娘だ。走るのは速いし技術もある。なんなら性格は終わってるけど見てくれは良い。レースもライブも研鑽を怠りはしない。

「皆ー! ファル子の応援、ありがとーッ!」

だけど。
僕の才能という奴は、あの子を打倒するにはどうにも不足しているらしい。
昨年のJBCクラシックに東京大賞典、今年のダイオライト記念に今回の帝王賞。あの子がステージの中心に立つ姿を見ること4回目にして、ようやく僕はその事実を認める気になったようだった。

「いやー負けた負けた。相変わらず凄いですねファル子さん」
「えへへ。勿論! ファル子はトップウマドル目指してるんだから負けるつもりは無いよ☆」

ライブを終えたステージ裏、開口一番笑顔で負け口上をあげる。情けない話だけどもう笑うしか無いのである。ファル子ちゃん強い。強い上にライブもガチだ。もう色々すごい。勝てる気がしねえ。

「野良ライブもだいぶ盛り上がって来てますし、古参ヅラとしては鼻が高いと言うべきかもしれませんね」
「ありがとっ! あ、でも――」
「『♫♪♬――』おっとごめんなさい。電話が」

会話を打ち切るようにアップテンポのシンフォニックメタルが鳴り響く。うるせえな。いや僕の着信だけれども。
ファル子ちゃんが何か言いかけたように思うが、一言謝ってスマホを出す。画面には『トレーナー』の文字とにんじんのアイコン。

「『へいお待ちトレーナーさん。ライブを終えてガールズトーク中の可愛い担当ちゃんに何かご用事……あ、もう迎えに? はーい、今行きます』……失礼しました。ところで何か言いかけませんでした?」
「う、ううん! なんでもないよ☆」
「ですか。では僕はこれで。また明日学園で会いましょう」

なんでもなくは無いと思うけど。しかし僕は他人の意思を尊重する、というよりは隠し事を追求するなんてめんどくさいことはしたくないウマ娘であるからして。華麗にスルーすることにしよう。本当に大事なことなら言ってくれるだろうし、言わないならそれまでのことだろうし。
軽い調子で別れを伝え、その場を離れる。今日はもう寮で休んで、明日は反省会かな……と、外で待っているであろうトレーナーのもとに向かったのだった。



翌日の朝はいつもどおり、朝日が射し始めるころに目が覚めた。ベッドから降り、軽く腕脚を振って調子を確かめる……うん、問題なし。レースの疲れはあると言えばあるが、普段のポイント練習の疲労に比べれば僅少だ。
つまりは絶好の朝練日和ということである。僕はレースやライブの翌日でも練習を苦にしないタイプなのだ……まあ、流石にすこし軽めには抑えておくのだけれども。

「(行ってきますねー)」

寝ているルームメイトを起こさぬよう小声で挨拶をする。日除けのインナーに体操服、サンバイザーに日焼け止め。準備は万端、自己診断によれば体調も気分もまあまあといったところ。アクティブレストとして軽めの持久トレーニングなら問題なし。とりあえずは平地トラックコースをジョギングかなあ、などと思いながらグラウンドに向かった。

「やっべえ走りすぎたわバ鹿じゃねえのか僕」

遅刻遅刻ー☆ などとアホみたいなセリフを脳内でリフレインさせながら走るこの僕はバラカドボナール高等部。ジョギングしながらぼんやり瞑想してたら過集中状態に陥って時間の経過を忘れてしまったおっちょこちょいウマ娘である。急げ急げ……とか思いつつゆったり走っていたところ。視界の端によぎる影。

「あー……切株」

中庭の切り株。何故か穴が開いていて、生徒らが青春とかアレやソレやを叫んでいるトレセンの名所である。

「んーと、そういや僕負けたんだったな」

思い出したように呟く。さて、常なら敗戦後は思い切り悔しさを吠えていたところだけど……。

「……まいっか、時間もないし。今の僕の機嫌が良くてよかったなー切株くん。感謝しろよー」

うん。今は別に良いだろう。いくら僕が朝食欠食系ウマ娘で朝の時間が余り気味とはいえ、流石に今日はのんびりし過ぎている。それに、今はジョギングで気分がアガっていてそんな気分でもない。うんうん、何事も引きずらないのが僕の長所である。
それきり切株のことは意識から排除し、シャワーで汗を流すことを考えながら鼻歌交じりに寮に戻る僕だった。

「バラカちゃんおはよー。昨日は惜しかったねー」
「ええ、ありがとうございます。悔しいですが、次こそはと言いたいですね」

果たして特に遅れることもなく教室にたどりつき、先に来ていたクラスメイトと挨拶を交わす。専らの話題は昨日のレースだ。ダートは正直若干盛り上がりに欠ける面があるのは否めないものの、ちょうどここ1年あたりはこうやって話題に上る程度には盛況である……というのも。

「おはよー、バラカちゃん☆ 昨日はお疲れ様っ」
「おはようございますファル子さん。こちらこそ、昨日の走りには御見逸れしました。ライブも相変わらず素晴らしいキレでしたね」
「やん、そんなに褒めてもなにもでないよ♪」

斯様に我がクラスにおられる現トゥインクルシリーズダート最強ウマ娘、スマートファルコンちゃんの活躍によるものである。マジのマジですごいのだこの子。ちなみにデビュー自体は僕より1年早い。

「ファル子さんの頑張りのおかげで僕もまあまあ注目を浴びて楽しませてもらってますよー。今後も宜しくお願いしますね?」
「うん、よろしくねっ☆ ライブもレースも全力だよ?」
「あはは。それは勿論」

等と雑談にハナを、もとい花を咲かせたところで予鈴が鳴り、我らお年頃女子ズは雑談の解散を余儀なくされ、授業という名の牢獄に囚われることとなったのだった。
なお、ファル子ちゃんは二限の数学でレース疲れからか無事微睡みの淵に落ちそうになっていた。フラッシュちゃん曰く朝弱いらしいもんな、あの子。

さて。興味ないなりに大体は理解した授業のあと、野菜と魚の昼食を食べ、午後のレース講義を(合間にバナナや人参など食べながら)終え、いざ反省会をすべくトレーナー室の前まで来た僕は、扉の前で立ち尽くしていた。
無論、反省会で怒られるのがこわーい☆ などと言うわけでは無い。

『……あいつを……勝たせて……………俺のせい……いや、もっと詰め……』

……聞こえてくる声に、思わず顔を抑えて天を仰ぐ。いやさあ。僕のデカ耳でも切れ切れにしか聞こえないけどさ。めっちゃシリアスに考えてるじゃん。僕のことで。

……もうちょっと近くで聞こうかな、と思い、扉に近寄って耳をつける。

『あいつは間違いなく勝てる逸材だ。ダートダービーだけ、クラシックだけの井の中の蛙なんかじゃない』
『……なのに、なんでだ。いや、スマートファルコンが強すぎる……違う、そんなことを言ってしまったら諦めるようなもんだ。あの子は強い、でも勝てない訳ではないはずだ。その筋道を見つけるのが俺の仕事だろう』
『……もうそろそろ反省会か。トレーナーが不安そうにする訳にはいかないな』

…………おっっも。どうすんだよこれ。興味本位で聞きに行った僕が性格悪いみたいじゃん。否定しないけど。
あーうーんえーっと。まあ良いか。うん。ちょっぴりやる気が出てきたし。
そうと決まればドアから離れて、助走をつけて。

「チェストぉーッ!」
「うおぁッ!?」

音を立てて扉を蹴破る。つま先でノブを回しながら蹴ることでドアを破壊せずに蹴開ける高等技術だ。
ドアが開いた先には驚愕から立ち直り始めている我がトレーナー。

「やあトレーナーさんご機嫌麗しう。こんなところで奇遇ですね!」
「は、あ……? あー、相変わらず楽しそうだな……まあ、調子を落としてないなら良い。というかトレーナー室で奇遇もクソもあるかバ鹿たれ。おら座れ」
「はーい」

軽く言葉を交わして椅子に腰掛け、トレーナーを見やる。
うーん、顔を見るにかなり根を詰めているのかな。寝てないみたいだし。僕らは一蓮托生なんだから、僕のことだけでなく自分のことも考えてほしいものである。まったくもう。



「では早速反省会と対策会議を始めましょう。議題まるいちファル子さん強すぎ問題!」
「…………はあ。身も蓋もないな」

ホワイトボードにデカデカとファル子ちゃんのイラストを描き、『強すぎ!!』という文字を足す。
トレーナーは……気にしてなさそうかな。うん。よし。諦めてるだけにも見えるけど。

「だって最高速度も瞬発力も僕や他の娘の上ですもん。僕の優位は持久力と小技の多さでしょうけど……」
「……スマートファルコンは少なくとも2000までなら自分の走りを貫くスタミナがある」
「ですです。いやー難しい相手ですね!」

ヤケクソ気味に言葉を放る。いやまあ、気味というかヤケクソだ。
最高速と加速が出走メンバーで最も優れ、そして持久力も充足している。清々しいほど強いのである。

「頑張って近づいても弾かれたように離されますし。ねえトレーナーさん、あれって」
「ああ。おそらくはあれがスマートファルコンの"領域"だろう。だがまあ――」
「――ええ。僕があの子に勝つなら、あの状態を利用するしかありません」

僕はトレーナーさんと頷きあった。

領域(ゾーン)。フロー状態とか色々呼び名はあるけれど、要するに極度の集中状態だ。一時疲労感を忘れさせ、動作のフィードバックや周辺環境に集中させることで活動の効率を向上させるもの。
状況を整えれば誰でも入れる状態ではあるが、レースで有効に使える子は一握りの強者のみ。当然、ファル子ちゃんは強者側である。

「ライブのセンター……というより、レースで一番目立つハナを奪われそうになることがトリガーでしょうか」
「おそらくな。そしてあれは極めて強力な武器だが、お前が言った通り俺たちにとって唯一の勝ち筋だ」
「ええ。……僕がこれまでのレースで見た限り、あの子は領域への没入を反射的に行っています」

これはまあ大抵のウマ娘は同じことで、"領域"に入る条件というか、環境がおおよそ決まっているものだ。まあいつかの有マ記念においてタマモクロスさんは早いうちから恣意的に"領域"状態に入っていたらしいが。マジかよあの白い稲妻バケモンか。バケモンだったわ。

「その反射を利用する。つまりお前はスマートファルコンの"領域"を封じるのではなく――」
「――こちらに都合が良いタイミングで叩き起こして、擬似的な『掛かり』として機能させる」
「そうだ。そうして彼女をスタミナ削りの土俵に引きずり込むしかない」
「……まあ、分からなくは無いですよ。以前もこの結論になりましたから」

いかに"領域"で疲労を忘れて走りの効率が良くなろうとも、あの加速で瞬間的に突き放すには相応のスタミナが削られるはずだ。疲労感の軽減にしろ、いつまでも続くものではない。はず。
けれど以前その戦術について検討したときは、領域状態のファル子ちゃんに突き放されてからスタミナ削りを仕掛けられるほど追いつくためにはスパート並の速度が必要になり、まず僕が疲労困憊になると予想されたので取りやめにしたのだが。

そんな僕の疑問が顔に出ていたのか、トレーナーは僕の目を見て頷きかける。

「ああ、つまり……『打倒ファル子☆ロングスパートトレーニングin夏合宿!』だ」
「僕が言うのもなんですが、真面目な空気をどうしてくれるんですか」



「お前がスマートファルコンに勝つためには、彼女の"領域"を使わせる必要があるが、最短のタイミングで実現したとして、再加速した彼女に再び追いつくのは至難だ」
「ええ。そのためにはスパート並みの速度が必要。だから早期にスパートする。なるほど論理的ですね」

ここまでは当初考えていた通り。であれば、問題も既に述べた通りである。

「まあ、そうするしか無いとも言えるが。しかしこれも問題がある。スタミナ不足だ」
「いかに僕が持久面で有利だといえ、あの子に勝てる長さでスパートをかけるには足りませんしね」
「ああ。その問題を解決するために必要なことも分かっている。お前の"領域"だ。気に入らない手段だが」
「僕の? あの"領域"モドキではそこまで劇的なパフォーマンスの向上は見込まれませんよ?」

僕は元々集中が得意で、効率よく走ることができている。それを"領域"に近いレベルに引き上げることは然程苦労はしないだろう。
"領域"モドキと呼んでいるこの技術は僕の強さを支える一つの要素には違いないが、元々高い集中力を引き上げたところで、上がり幅はたかが知れているとも言える。

「そうだ。だが、その状態のお前は平時の彼女を上回る走りができる」
「つまり"領域"モドキを持続させたロングスパート? 相当早い段階でスパートに入る必要がありますよね」
「そうだ。今の能力から夏の合宿で最高に練習が上手くいったとして……残り1000m地点からスパート。以後一切集中を切らさない。最善に進めば、理論上残り400mあたりで並ぶはずだ」
「最高の練習で最高の効率で走って最善のレースだったら。アホみたいに困難な計画ですね」
「嫌いか?」
「好きです。……ところで、合宿で如何にしてその訓練を?」
「基本的には似たような真似ができるウマ娘との共同練習だ。午前中に担当トレーナーと話はつけておいたから、そろそろ来ると思うが」
「はあ……はあッ!? ちょっとまさか」

言うと同時に轟音。圧し割れ蹴破られるトレーナー室の扉、見覚えのあり過ぎる長い芦毛と頭飾りに、思わず総毛立つ。

「いよう! 呼ばれて飛び出てゴルシちゃんだぜ?」
「神は死んだッ!」

いや別に嫌いじゃないんだ。でもあんまり一緒にいると疲れるんだこいつ。

「おいおいつれねーこと思うなよ。アタシとお前の仲だろ?」
「さらっと心を読むんじゃねえッ!」



えーそういうわけで。アレからあの芦毛と話をつけての合宿なんだけど。

「ロングスパートの練習って聞いてたんですけど。てっきりゴルシちゃんさんと併走でもするのかなって」
「おう! この海面ゴザ200m不良バ場直線コースでな!」
「頭おかしいのかテメー……こほん。良いでしょう。泳げないゴルシちゃんが無様に沈没する様を高笑いしてさしあげましょうとも」
「言うじゃね―か……面白くなってきたぜッ!」
「あっこら待てッ! お前追い込みだろ先に行くのは僕の方ですよッ」

あるときはゴザの上を駆け。

「はー……こうやってモノ引っ張ってると地元にいた元ばんえいのウマ娘さんを思い出しますね」
「さすがのゴルシちゃんも焼きそば弁当であの弁当箱並の重さは食えねえなー」
「オグリキャップさんなら1トンくらいイケるんじゃないですかね」
「あれはノーカンだろノーカン」
「僕らのほうが背ェ高いのに……あのヒトの消化力どうなってるんでしょうね……」
「それはアタシもわっかんねえなあ……」

あるときは砂浜でタイヤを外した焼きそば屋台を引き。

「特設コース併走トレーニング、参加者は僕、ゴルシさん、マックイーンさん、ライスシャワーさん……あの、トレーナーさん。これヤバすぎでは」
「チームシリウスから助っ人だ。スタミナ強化にピッタリの面子だろ? 全員ロングスパート経験あるし」
「豪華メンバーにも程があるでしょう……?」

あるときは地獄めいた併走をすることになった。
めいた、じゃねえよ地獄だよバ鹿。

「おいおいバラカちゃんよー。ダートでロングなスパートしようってんならアタシたちより頑張らねーとかもだぜ? いくら総距離は短いってもなー」
「うっわゴルシにマトモなこと言われた悔しい」
「貴女がた仲良いんですのね……」

マックイーンさんに勘違いされてしまった。違うんだ。僕とこいつはなんかこう不思議な縁があるだけなんだ。断じて仲良しこよしではないんだ。そりゃ嫌いでもないけどさ。

「ライス、前の人についてって追い越すのは教えられると思うから……がんばろ?」
「え、ええ。よろしくお願いします」

続けてライスシャワーさんも声をかけてくれたけど、普段接点がないので少し気後れする。刺客とかいう物騒な二つ名もあるし。そうは見えないけど。

「それでマックちゃんもやられたもんなー」
「うえっ!? そ、そんな意味で言ったんじゃなくて……」
「あら、それでは今日はいずれリベンジする前哨戦といたしましょうか」
「え、あ、ライスも……そういうことなら……!」

あれ? なんか本筋と関係ないところで火がついて……まあいいか。せっかく地獄の併走するんだから、相手が燃えてる方が効果があるだろう。強がりだけど。

「ま、決まったものは仕方がない。全力でいかせてもらいましょう」

威勢よく気炎を上げる。なお、無事走りきった後にコース脇でくたばる姿を晒す羽目になった。

「ぜー……はー……ありえねえ……どんなスタミナしてんだ化け物か……」
「敬語抜けてるぜ。てか、なんとかついてきてたお前も大概じゃねえかな……」

競争心出たのかどいつもガチりやがって。くそう。と、内心悔しがる僕のもとに息を整えたゴルシがやってくる。

「ふぉふぉふぉ……よくぞゴルシ道場スーパートレーニングプランを乗り越えた……免許皆伝じゃ……」
「何の免許だよ。確かに長時間の集中力とかスパート時の加速の配分とか焼きそばの作り方とか色々覚えられたけどいや最後の要らねえよバ鹿芦毛」
「芦毛悪口はまるっと跳ね返るぜバラカ。ところで鹿芦毛って鹿毛か芦毛か紛らわしーよな!」
「言われてみれば……じゃない。ええい、とにかく感謝はします、しますとも」

厳かに告げる奴に忌々しく思いつつも謝意を伝える。一応感謝はしてるんだ、これでも。

「おう。あ、合宿最終日の模擬レースにファル子の奴も参加するらしいぞよ~ふぉふぉふぉ……」
「そっち先に言ってくれませんかねゴル師範あっフェードアウトすんなコラ」

「そんな訳で偵察……あ、トレーナーさんちーっす。ぴすぴすー」
「ゴールドシップが感染ってるぞ」
「おっと失礼」

合宿所併設のコースに来てみれば既にトレーナーさんが待機していた。
辺りを見れば、ちらほらと観客の姿もある。ダートかつ模擬レースなのに……と思ったけど、やっぱりファル子ちゃんが出るからだろうか。

「ファル子さんの出番は?」
「次だ……お、来たぞ」
「ほうほう。わお、仕上がってますね」

トレーナーの指し示すスタート地点を見れば、ファル子ちゃんをはじめとするダートを得手とするウマ娘が集まっていた。
僕? 今日ここでレースがあることすら忘却の彼方だったけど? まあ知ってても出なかったと思うけど。めんど……特訓を優先ということで。あれ?マトモな特訓最後の併走だけじゃない?

「まあ所詮は模擬レース、ゲートもなにもないので参考ですが……っと」
「やはりスマートファルコンがハナを取ったか」

話している間に走り出した子たちを見やる。子たちというか、ファル子ちゃんをだ。

ううん、あの子も合宿で相当仕上げているようで、随分と変わった気がする。速さも、加速も。

「ま、そこは僕も前のままではありませんけど……」

レースに目を凝らし、自分だったらどうなっているかシミュレートする。勿論全て正確に再現しているわけではない、半ば遊びのようなものだけど。
ハナを行くファル子ちゃんだが、おそらく僕とあの子がやり合うなら最初だけは僕がハナを取るはずだ。見た感じ、まだ僕のほうがスタート上手であるし。……枠番次第ではあるけどね。
序盤、ハナを奪い合う僕たち。でも僕は初手のアドバンテージを少しずつ失って……うん、中盤に行く前に一度下がるだろう。
一瞬脚をためて距離を取り、再び加速。距離を詰めて、あの子の"領域"を――お、2番手の子は前も僕らとやり合ってたし、お誂え向きだ。
あの子がファル子ちゃんに近づいてくれれば"領域"が――

「――は?」

近づかれた瞬間、ファル子ちゃんが弾かれたように駆け出した……というのは、よく見る光景だったけど。

「は、や……」

けれど、そのスピードは。瞬発力は。僕の思うあの子のそれを大いに上回るもので。

「……無理じゃない?」
「…………」

特訓で磨いたスパートを武器に、あの子を追う様を幻視する。
けれど、その差は縮まらず。想像の中ですら、終ぞ僕はあの子に追いつけないままだった。



「はっ、はっ……ッ! これで、5本、めッ……! 次、行きます……ッ」
「駄目だ。上がれ」
「……ッ! ですけど……」
「駄目だ」
「……」

合宿から戻って暫く。僕らはトレーニングを続けている。並行して、あの子……スマートファルコンに勝つための手段を模索しながら。
けれど。どれだけ作戦を練っても、どれだけ技術を磨いても。届かないと思えてしまう。

「あのな。無理なトレーニングをしても勝てるわけじゃない。むしろ逆効果だ。分かってるだろ」
「……それは、そうですけど」

だというのに。トレーナーは僕のトレーニングを止めてしまう。
トレーナーが言ってることは間違いなく正しい。それは僕も分かってる。過剰なトレーニングを重ねたところで身体を壊すのが関の山だ。
だけど……それでも、何かしていないと。じゃないと、また諦めそうになってしまう。

「……どうしたんだ、バラカ。お前らしくもない」
「トレーナーさんも知ってるでしょう。ファル子さんの実力。合宿でまた伸びてました。今のままじゃ……」
「そうかもな。だけど、今までのお前ならそれでも勝つための最善を積んでいただろ? 無茶なトレーニングはしない、適切に休む。相手を気にしすぎてストレスを溜めない……何故今、それを捨てることがある」
「それは……だって」

今それをしたら、僕はきっと諦めてしまう。勝つための最善のトレーニングをして、それであの子との差が縮まらないなら……それは、徒労にすぎないと思ってしまう。
もちろん、手を抜いたら広がる差を縮めないということは間違いなく正しい努力だ。そんなことは理性では分かってる。だけど、それは……。

「だって……それは、勝つ努力じゃない。負けすぎない努力だ! 僕は、僕は……あの子に離されたくないけど、それ以上にずっと、あの子に勝ちたい、近づきたいのに……ッ!」
「バラカ……」

言葉にすることで、思いに形が与えられる。形になった思いを焚べて、更に言葉が溢れてくる。

「そうだ……僕は勝ちたい! クラシックだけのウマ娘みたいに思われるのはムカつくッ! だけど、だけどッ! このままじゃ、次のレースで勝つことなんて出来やしない……ッ」

そこまで言って、トレーナーを睨む。僕の言うことは間違っているかと問うように。

「……そう、かもしれないな。今のままじゃ勝率は低い。だが、無理をしたら残った僅かな勝率すら失うだけのことだ。分かったら休め」
「……ッ」
「そもそも、無茶してレースに出られなかったらどうする。無理なトレーニングで故障して、選手生命を断たれたウマ娘だって居る。もし……もし、次のレースで勝てなかったなら、次の次で。それでも駄目ならその次で。勝つまでやるのがお前だろ」
「そりゃ、それは、そうかも知れませんが……」

耳を絞り、歯を食いしばる。そうだ、コレはただの我儘で、理屈にならない子供の癇癪にほかならない。激情に燃える自分を、バ鹿なやつだと冷たくせせら笑う自分が居る。
次が駄目なら次の次。勝つまで続ける。ダートウマ娘の現役は長いし、今勝つのが難しいならそうする以外に方策は無い。実に論理的で、なるほど普段の僕好みの回答だ。
だけど。それでも。

「それでも……いやだ。僕は次のレースで絶対に勝ちたい。少なくとも、現状維持の努力で満足するなんて御免です。それは……それは、きっと。僕が僕の勝利を諦めるのと同じことですから」

それに、きっとそれはトレーナーが一番嫌なはずだ。誰よりも僕に勝ってほしいのは、きっとトレーナーなんだから。
……トレーナーを言い訳にしてるみたいで嫌だな。うん、やっぱり諦めるのが嫌なのは僕だ。一番あきらめたくないのは僕。そういうことにしよう。

「バラカ……?」
「ごめんなさい、トレーナーさん。我儘言いました。無理なトレーニングはしません。……少し、頭を冷やします。また明日から、よろしくお願いしますね」
「あ、おいっ……」

軽く頭を下げて、背を向ける。
……さて、格好つけたけど何も思い浮かばない。どうしたものかな。基礎力の差は縮まらないし、作戦を組んでも勝てない。であれば……。

「限界を超えるしかねーな」

我ながらバ鹿っぽいなと思いながら、空を見上げて呟いたのだった。

「とはいえ、どうしたもんだか」

自室に戻って、就寝前。机の前に立ち、電子メモ帳に落書きをしながら考えをまとめていく。

限界を超える。
漫画や小説ではままある表現であるし、言葉にするだけなら簡単だ。けれどそれはあまりに不確かな表現でもある。一口に「勝つために限界を超える」と言ったとて、定義を決めなければ話にならないだろう。
この場合、考えるべきは到達点だ。それをもとにスタートを逆算するのが良いだろう。

「僕はどうしたい? ……次のJBCクラシックで、競走ウマ娘スマートファルコンに勝ちたい」

目的はこれでよし、とメモに綴る。正確に言えばファル子ちゃんに先着したいというより、1位になりたいのであるが。まあ昨今のファル子ちゃんのヤバさ的にはほぼイコールだ。
次は限界の再確認。超えなければならない要素は何処にあるかな。

「勝つために何が足りない? ……最高速と、加速力。あー……やっぱコレかあ」

自分で書いて自分で唸る。尻尾がゆらゆらと揺れ、足先がぱしぱしと床を叩く。これが足りたら苦労はしないんだ。
まあいい、つぎつぎ。なんでコレが必要なのか、だ。

「最高速と加速力、せめて片方はもっとないと、あの子を追い越せない。でも単純な基礎力がこれ以上伸ばせるかっていうと……」

基礎力の成長度合いの限界を超えたいのか、僕は? 具体的な手段は? 無理なトレーニング? 駄目だ、漫画じゃあるまいし、体を壊して終わる。そうしたらレースに出ることすら――。出ること?

考えの中で、ふと案が浮かぶ。安直で、幼稚で、迷惑で。まるでバ鹿みたいなもの。でも、追い詰められた僕にはその作戦が唯一の勝ち筋に見えていて。

「じゃあ、出られた後なら」
「ちょっとくらい無理しても良いってことだな」

そして同時に、僕を冷たく見る別の僕にとっても、面白そうだと思えてしまったのだった。



さてもあれから幾星霜。秋の大井レース場に僕らはやってきていた。僕的には因縁の――ファル子ちゃん的にはわからないけど――とにかく因縁のG1レース、JBCクラシックである。

「幾星霜ってほどじゃありませんね。2、3ヶ月くらい?」
「何がだ」
「あっいえ。独り言です」

大井レース場の地下バ道。レースに出るウマ娘がトレーナーと最後に言葉を交わせるこの場所で、僕はトレーナーと顔を向かい合わせていた。

「……なあバラカ」
「はい、なんでしょうトレーナーさん」

トレーナーにかけられた声に応える。激励かしら。毎度のことではあるけど、やっぱりこういうのはしっかりもらっておかないと身が入らないからね。それに今日は『お願い』もしたいと――

「お前さ、何か企んでるだろ」
「……あー」

バレてんじゃん。

「何時だか吠えて以来、どこか空元気なところはあった。調子自体は良かったし、お前のことだからどこかで折り合いはつけるものだと思ってたが――」
「待って待って下さいステイステイ、仕切り直しを要求します」
「は?」

割と正確に僕の状況を当ててきやがりくださったトレーナーを止めて顔を背ける。このままだと駄目だ。『お願い』は僕が主導権を握ることが大事なんだ。

「あー、こほん。それ自体は合っていますが、全てはこのときのためです。折り合いはたった今この瞬間につけるのです」
「……?」
「あの、トレーナーさん。お願いがあります」

僕は、顔に疑問を浮かべているトレーナーに向き直った。

「――僕に『勝て』って言ってください。何がなんでも、全力で。スマートファルコンなんかぶっちぎれって」
「お前、それは――」
「そうすれば! ――そうすれば僕は勝ちます。絶対に、約束します。レースで一番にゴールして。ライブではセンターで歌う姿をトレーナーに見せつけます」

トレーナーの追求を遮り、勝利を宣言する。トレーナーは……少し、険しい顔だ。僕の言いたいことに感づいているのかもしれない。

「だけど……だけど、これも約束します。僕は絶対にトレーナーさんを後悔させる。怒らせる。悲しませ……るかは、分かりませんが」

それでも、そのまま続ける。
同時に、不安さで同情を惹くようになっていないか意識して身体を制御する。耳も、尻尾も。顔も。いつもの僕のままで。

「こんなことを言ったらお願いなんて聞いてもらえないかもしれないとは思いましたが……でも僕は、負い目があったら走れない。きっと、トレーナーが思ってるよりずっと弱いウマ娘だから」

なんてこともない、気楽なことであるかのように。心中を吐きだしていく。

「だから、お願い。トレーナー。一言だけで良いんだ。『勝て』って言って。勝つことを諦めかけていた僕に、諦める必要なんか無いと教えて欲しい」

「僕を勝たせて」

その言葉を最後に口を閉ざし、トレーナーの言葉を待つ。不安で耳が倒れそうになるのを抑えた。

「……はあ。そういう時には、不利な条件まで明示するもんじゃない」
「だって、それは……誤魔化したら、それも負い目になるから」
「そりゃそうか……仕方ないな。こりゃ俺はトレーナー失格だが……」

諦めたような言葉、けれどそれとは裏腹に、トレーナーさんの目には僅かな炎……狂気が浮かんでいる。

「良いだろう。『勝ってこい』。全力で、出し惜しみ無く。後で怒るし……怒られてやる」
「トレーナー……」
「ただし、無事に……ああ、いや。なんでもない、とにかく勝て。必勝だ。……これで良いか?」
「うん……うん! ありがとうトレーナー!」

トレーナーが言いかけた言葉を止めてくれたことに感謝する。
同時に、無茶を言わせて申し訳ないなあという思いもあるけれど……けれど、それ以上に。

「っしゃあ! やる気出てきたッ! バラカちゃんリミットブレーイク!」

負い目は消えた。折り合いもついた。
あとは、全力全開。死力を尽くしてレースに臨むだけだ。

「あ、トレーナー眼鏡あずかってて。マジ頑張るから割れたらクソだわ」
「割れるレベルかよ。早速後悔してきたぞオイ」



『晴れ渡る空のもと行われる――』

「バラカちゃん、今日もよろしくね☆」
「ファル子さん……ええ。勿論。今日は僕が勝ちます。幸い僕のが内枠ですしね」
「ううん、ファル子は絶対負けないよっ! 枠番なんて関係ないもんっ!」

パドック、返しウマを終え、ファンファーレとナレーションを聞き流しつつゲートに顔を向けたところで、ファル子ちゃんに話しかけられた。
早々に勝利宣言を叩きつければ、ファル子ちゃんは楽しそうにして……負ける気はなさそうだ。

「絶対なんてありませんと言いたいところですが、あえて言いましょう。……いいや、僕が絶対に勝つ」
「……楽しみにしてるね」
「こっちこそ」

レース前の会話は手短に。皆がゲートに向かうのを横目に、集中を開始する。目を閉じて、深く深く息を吸う。鼻腔をくすぐる砂の匂い、風の冷たさを感じ、口の隙間から長く長く息を吐いて脱力する。
心が落ち着く。目を開いても心にブレはない。呼吸のペースを少しずつ速く、浅くしていく。呼吸の感覚からフィードバックを得て、間隔を調整。更に意識を深く、鋭く。
なにかに押されるようにゲートに入る。最適に調整された呼吸のペースを維持する。心地よい緊張が高まり、鼓動と呼吸がシンクロする。

ゲートが開く。視認から最速の反応で、音を聞くより先に一歩目を踏み込んだ。
スタートダッシュは僕が最速。僕とファル子ちゃん以外に逃げウマ娘は居ない。必然、僕が最内に入る形になった。そうしたら、最初はひたすら加速する。少しでもあの子のスタミナを削るべく、競り合いに持ち込まないとならない。

「さすがバラカちゃん、だけど――」

その声に怯えるように、身体が更に加速する。加速しているのに、あの子の足音が近づいてくる。

「ハナの取り合いなら、負けないよっ!」
「知ってますよッ!」

ついには並びかけられて、それでも意地で競り合ったまま最初のカーブに差し掛かる。
さあ、ここからが本番だ。作戦通りに行こう。

最初のカーブを超えれば、そろそろ中盤戦。現在のハナは僕、ファル子ちゃん、僕……競り合い中。後ろは知らないし、あえて意識も向けない。集中しにくいし。
少しずつファル子ちゃんが前に出る。うん、それなりに削りあったし良い頃合いだろう。

「っ」
「(お先にどうぞ)」

一瞬の緩急。あの子との競り合いで崩れたペースを直すべく、僅かに息を入れて下がる。そしてその瞬間、あの子が僕から離れて明確にハナに立った。
わずかに瞑目し、集中する。脊椎の曲線、腕をふる動作、砂地に着地する足のピッチとストライド。フォームの修正を終えて、目を開ければあの子との差は1バ身を超えたところ。よし、つつかせてもらおう。

入れた息と修正したフォームで再加速。少しずつ距離を詰め――あの子の斜め後ろ、警戒域に足を踏み込む。

その瞬間、空気が変わった。

「――――ッ!」

弾かれるように加速したあの子に置き去りにされる。先頭を求める本能が彼女を逃がすなと喚き散らすのを抑え込み、巡航速度で走り続ける。まだだ。まだ早い。
あの子と僕との距離が離れていく。視覚と聴覚に意識を照準し、目算とあの子の足音の位置から彼我の位置の差を割り出す。ざっくりと速度差を検討。ロングスパートの発射点を算定する。
……概算完了。スパートは残り1200メートル地点から。想定より長いけれど、それを過ぎたらどうにもならない。大丈夫、僕なら無理な距離じゃない。最高の効率で、最善の走りをすれば良いだけだ。

残り1400。離れ続けるあの子との距離に焦燥が募るのを宥める。
残り1300。あの子の速度は少し落ち着いてきているけれど、すでに大分離されている。人によっては安全圏だとさえ思うだろう。
残り1250。残り1225。残り――1200。
ようやくだ。

上体を倒し、改めて脊椎から尻尾、肩と背中と腕、骨盤と脚、その全てに意識を広げていく。
……僕に色々教えてくれたアイツなら、こう言う頃合いだろう。

「――面白くなってきたぜ、なんてな」

呟くとともに意識を切り替え、深く思考を沈める。段々と周囲の余計な音が消え、ものの動きが遅くなっていく。
身体を完全に掌握しているという全能感と、まるでプログラム化されているかのような自動性が意識を支配する。
腕を振り、蹄鉄を着いて、踵を落とし、次の瞬間にはバネ仕掛けのように跳び進む。身体の動きと外部の衝撃、全てをフィードバックして、最初のそれを上回るレベルで走りを最適化していく。

残り1000。あの子との距離が、少しずつ縮んでいく。
残り800。あの子の息遣い、足音が耳に届く。こちらの呼吸とピッチを、少しずつ合わせていく。
残り600。腕を伸ばせば触れられそうな程に近づく。彼我の呼吸音が合致し、一定のリズムが脳を一種の変性意識状態へと導いていく。
残り400――――あの子が息を入れ、僅かに呼吸が乱れる。当然だ。"領域"なんてそう長々保つものではない。ましてや、常勝していたあの子であれば尚の事……退屈は集中の敵なのだから。

僕があの子を追い越したのは、その瞬間だった。

一瞬だけ横に目を向ければ、あの子の瞳は驚愕に彩られていた。
追い越されるとは思っていなかった? いや、おそらくは音を合わせていた僕の存在に気づけなかったのだろう。これも一つの小細工という奴だ。
それにより更にペースが乱れたあの子の脇をすり抜け、ハナに立つ。

ふふ、やった。やった!
僕が先頭! 一番前! 一番――自由に走れるッ!

そう、僕はそこで気を抜いた。抜いてしまった。

「まだ、だぁッ!」

消えたはずの圧力が、僕の背中を叩く。
砂塵を巻き上げる蹄鉄の轟音が、僕の耳を貫く。

きっと久しぶりに追い詰められて、長らく感じていなかった危機感に叩き起こされて。
死力を発揮した砂の隼が、そこに居た。

「ッ!」

僅かな瞬間気を抜いてしまった身体に怖気が走る。逃げ切ったと思った捕食者に見つかった兎の気分だ。

「――――」

総身を恐怖が支配する。明確な脅威にさらされて、脳髄が全力で危険信号を鳴らす。

気を抜いた瞬間からの落差を受けた意識はその活動を逃げの一手に集中し、先程までとは比較にならないレベルで時間が引き伸ばされていく。

……ああ、これは全く作戦通りになってしまった。僕は一番になったら絶対に気を抜いてしまうだろう。であれば、それを利用して危機感を爆発させてしまえば――僕はきっとこれまでにない、怪我をしない限界(・・・・・・・・)を超えた走りができてしまう。

「――はは」

口の端が吊り上がる。あの子はとても強くて、今僕はとても怖くて仕方がないのに、それがとても愉しい。
そうだ、そうとも。僕は――刺激的で、危険なことが好きなんだから!

さあ、怖いも危ないも全て飲み込んで! 熱狂を楽しもうッ!

「ははははッ! そうだ、まだだッ! 逃げ切るぜッ!」
「逃さないッ! 逃げ切るのはファル子だよッ!」

叫びを上げて、再び跳ねる。疲れ果てそうだった身体の何処にこんな力が残っていたのだろう。コレが所謂火事場のなんとかって奴かもしれない。
そうだ、恐怖を燃やせ! 危機感も燃やせ! 僕を追うのは砂の隼、現ダート最強の捕食者だ! 追いつかれたら死んじゃうぜ!

熱狂に支配された脳裏に恐怖の信号が突き刺さり、その恐怖を燃料と焚べて精神が高揚していく。

あははは超怖い! 全力で逃げないと! でもどうしよう、そんな頑張ったらまた怪我をする! 今度は転んで死んじゃうかも!
でも手を抜いて追いつかれたら死ぬぜ僕。それに、諦めちまえば競技者としちゃあ死んだも同然だろ?
つまり手を抜いたら絶対に死ぬ! でも死力を尽くせば死なないかもしれない!
なんだ、それじゃあやることなんて決まってる!

全身全霊で、全力全開で、死力を尽くして! 骨が折れ肉が破れ血が尽きるまで――逃げて、逃げて! 逃げて逃げて逃げるだけだ!


次の瞬間、僕はみたび加速した。スタートの瞬間を思い出す、ロケットのような走り。恐怖と熱狂が燃料となり、本能というエンジンを哮らせる。僅かに抵抗した理性も言い包められて今日はお休みだ。

視界に砂と空とその間のごちゃごちゃしたものだけが映る。何もわからないまま走る、走る。
怖くて危なくて、けれど何より自由で一番楽しい。

子供の頃、深く積もった雪の中を駆け回ったことを思い出す。
軽い新雪を蹴散らしたときのように、砂を抉る感触。
踏み固められた圧雪のような、砂の下の地面の感触。
脚で感じる全てを楽しみながらひたすら走る。

走って走って走って――雪に隠れた、氷の張った水たまりを踏み砕いたときのような硬さを破る感触とともに、甲高い音が耳に刺さった。
そうして次の瞬間、あの子が僕の先に行った。

「あ……」

何が起きたかを理解して、思わず視界が滲む。同時に高揚と過集中が収まり、少しずつ音と光景、そして疲労が戻ってくる。途端にふらつく身体を、転んでも大怪我しないように減速させていく。

「……あー……頭イき過ぎでしたね、駄目だありゃ」

立ち止まり、涙を手袋で拭いて頭を振って正気に戻る。どうしよう、トレーナーになんて言って謝れば良いかな。
あ、ファル子ちゃんがこっち来た。あの子もヘロヘロだなあ。

「バラカちゃん……おめでとう!」
「おやファル子ちゃ……さん。ええ、大丈夫ですよ。今度こそ勝とうと思ってましたが……」
「……? 何言ってるの?」

いやしかし強いわこの子。これで負けたらどうしたら勝てるか――おめでとう? いまおめでとうって言った?

「何、って――」
「もしかして、気付いてないの……?」

ファル子ちゃんが指をさす。そちらを見ればいつもの順位表示の掲示板。一着僕、ハナ差でファル子ちゃん。なるほど。なるほど?

「……勝った?」
「そうだよっ!? もうバラカちゃん、ファル子からセンター取ったんだからもっと――」

マジか。え? 夢じゃなく? 春天で死んだ悪夢でもなく? いやアレは良いや忘れよう。

「勝った……」
「……うん。ファル子負けちゃった」
「勝った、勝った……勝った勝った! やったぜ見たか、ついに僕の勝ちだあづッ!?」

勝利の実感とともにジャンプして拳を突き上げ、着地と同時に激痛が走ってよろめく。
え、何これ超痛いんだけど。つか靴の爪先赤くなってない? これ痛みとか疲労とか一気にきたな?
とりあえず意地と気合でガッツポーズを維持しよう、いじだけに。アホか。やっべえ拭いたはずの涙でてきた。
あ、担架とトレーナーさん。あとゴルシ。どうしよこれライブできるかな。え? 先に診察。そっかあ。



「バラカドボナールさん」
「はい」
「左足第三中足骨と同じく第三足趾の骨折に加え、右足の第一趾の爪が割れて剥がれてます。そちらの脚は繋靱帯に軽度の炎症も見られますね」
「わあ。大惨事じゃないですか」
「わあで済む怪我じゃありませんよ? 最後ゴールしてからも全力で走ってましたし……あれがあと数秒続いてたら耐えきれなかったでしょう」
「その前に追い越して僕の正気を取り戻してくれたファル子さんに感謝ですね!」
「反省してくださいね?」

診察室でお怒り顔のお医者さんと向かい合う。無茶しすぎてたらしい。"領域"でエンドルフィン出し過ぎて痛みに気づいてなかったのか。てへ。
横ではトレーナーさんも身を縮めていた。担当が無茶したもんね。そりゃ怒られるというものである。僕のせいだけど。

「あの、ライブは……」
「許すと思いますか?」
「その、今回G1ですし、僕としてはスマートファルコンさんに勝てる機会が今後なさそうですし、可能な限り絶対にライブしたいんですけど……その……」
「ですが……」
「俺からも頼みます。ウマ娘の無事を考えたらトレーナー失格かもしれませんが、それでも。可能な限り脚に負担をかけないように……」

などと、あーだこーだトレーナーさんも交えて話し合った末。
踊らずに歌うだけ。添え木とテーピングで脚をガチガチに固め、片側に松葉杖、もう片側は杖代わりになる特注品のマイクスタンド。左足に体重をかけず、右足も極力踵だけ着くようにカバーすること――と、条件つきではあるが、僕はライブも出来ることになったのだった。
見るからに重傷者スタイルじゃんウケる、と呟いてトレーナーとお医者さんにガチで怒られた。我ながら救えない奴である。ごめんて。



『どうか全力で射抜いてよ 瞳で私を』

俺の担当、バラカドボナールは才能のあるウマ娘だ。
トレーナーの欲目を否定はしないが、客観的に見ても間違い無い。高い上背と広いストライド、効率的な走行から生まれる持久力。精神面と脚部の問題からターフは避けているが、トゥインクルシリーズのダートレース最前線でやり合うのに充分な能力がある。

不得手な距離でデビューし、重賞も取った。クラシック期はジャパンダートダービーで勝利したG1ウマ娘だ。……混合G1では着外だったし、シニア期の1年目にも勝てない期間は続いたが。
ともあれ。シニア期11月、G1レースJBCクラシックのウイニングライブで――センターに立って歌っているあいつの姿は、間違いなくその実力を示す証だろう。

『焼き付けていこう それは約束の進化系』

本人曰くツラは良いが性格は終わってる。俺から見ても実際とんでもない癖ウマ娘だ。自己中心的で、我儘で、情がほとんど無くて、ナルシストで。上っ面だけ取り繕ってる分なおさら地雷みたいな奴だった。

『傷を痛がって投げ出す程度の思いじゃない』

(おい、怪我をしてるのか!?)
(あ、はい。さっき走ってて足を痛めてしまって。すごく痛くて立てないけどどうしようかなって)
(どうしようかな、じゃない。近くのトレーナーなりウマ娘なりに助けを求めろ!)
(なるほど。じゃあ助けてください)

奴との出会いを思い出す。始めは中等部、怪我をしているところを見つけて保健室から病院まで付き添ってやったことだった。
精神面の負担と脚部に不安が見られることからダートに転向するよう勧め、当時担当がいなかったあいつのリハビリにも付き合って。

(あ、トレーナーさん! 僕もじき選抜レース出ますから、終わったら担当してください!)
(レースの結果見てて、とか言うところじゃないのか)
(距離短すぎて本領発揮できないんですよ。だからもう談合で良いかなって)
(お前な……まあ、素質自体は知ってるし構わな……それ選抜レースに出なくても良いんじゃないか)
(それもそうですね? じゃあ取りやめます。担当はよろしくおねがいしますね)

そのままなし崩し的に担当になって。

(いえーい僕デビュー! マイルも楽勝ですね! 嘘です!)
(これで僕もオープンウマ娘ですね! いやあ才能が怖いですね)
(やっとですけど重賞! さすが僕! 残すはG1タイトルです!)
(……ジャパンダートダービー、一着……僕G1ウマ娘ですよ! ぶい!)

ジュニア期、クラシック期と駆け抜けて。

(これが混合G1……甘く見すぎてました。とりあえずファル子さんのライブ応援してきます)
(東京大賞典も強敵ばっかりでした! でも掲示板には乗りましたよこのー!)
(ダイオライト記念、2400。距離もありますが、一番追い詰めたと思いますね。負けましたが!)

混合レース、シニア期での敗北続きも、少しずつ前に進んでいった。

(いやー、また負けちゃいましたね)

それだけに……帝王賞で負けた後、諦めかけていた姿には存外にショックを受けてしまった。
どんなに負けても日をまたいだら元通りな、あいつの強靭過ぎる精神に甘えていたのかもしれない。

だから、だろうか。

(僕に『勝て』って言ってください。何がなんでも、全力で)
(そうすれば僕は勝ちます。絶対に、約束します)
(だけど……だけど、これも約束します。僕は絶対にトレーナーさんを後悔させる)

合宿を経たスマートファルコンに絶望しかけていたバラカの言葉に、俺はそれを認めてしまったのだ。
トレーナーとしては決して認めるべきでない選択肢だったのに。
諦めていない、全力のあいつを見せてほしくて。

『キミは目撃者だよ――』

(トレーナー失格だな、本当に)

壇上のあいつと目が合う。とびきりの笑顔で歌う姿は、今まで見た中で一番楽しそうだった。

『YES…UNLIMITED IMPACT――♪』
『見せてあげるEVOLUTION』
『GO AHEAD 未来 DAYS!』



「どうですかトレーナーさん僕の歌は! いえまあ今までも2着3着では歌ってましたが!」
「しっかり練習したとおり、あるいはそれ以上だったな。やはりレースより精神面の影響が強いのか」
「論評しろって言ってんじゃねえですよ! 褒めろって言ってるんです!」
「あー。いい笑顔でこっちも一緒になって盛り上がれた。素晴らしい歌だったよ」

「こわ」
「なんだと」



「……ところで、レースは褒めてくれないんですか? 勝ちましたよ、僕」
「トレーナーである以上、無茶をした担当は褒められん。たとえその結果が『どれだけ素晴らしく、讃えられるべき勝利だった』としてもな」
「……そうですね。でも、それで充分です」

褒めないと言っているのに。
あいつは……ライブのときよりも嬉しそうに、そしてすこし照れくさそうにはにかんだ。

「ありがとう、トレーナー」
「こちらこそ」

(終)

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