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誕生日の翌朝。今日はエノラちゃんが日直で早く出ているから私1人で登校することになった。もちろん寝坊することなく朝起きて寮を出て、校門へ向かっている途中に見慣れた後ろ姿を見つけた。
誕生日の翌朝。今日はエノラちゃんが日直で早く出ているから私1人で登校することになった。もちろん寝坊することなく朝起きて寮を出て、校門へ向かっている途中に見慣れた後ろ姿を見つけた。
「おーい、エスキーちゃーん!」
「ミラちゃん! おはようございますっ! 今日は珍しくお一人なんですねっ」
「おはよー。そう、今日はエノラちゃんが日直でね。そういうエスキーちゃんも1人で登校?」
「なんだか姉さま最近お疲れみたいで……早期に入れないとーとか言って夜も遅く……なので当分1人で朝出ることになりそうです……」
「そ、そっか……あんまりよく分からないけど……」
「ミラちゃん! おはようございますっ! 今日は珍しくお一人なんですねっ」
「おはよー。そう、今日はエノラちゃんが日直でね。そういうエスキーちゃんも1人で登校?」
「なんだか姉さま最近お疲れみたいで……早期に入れないとーとか言って夜も遅く……なので当分1人で朝出ることになりそうです……」
「そ、そっか……あんまりよく分からないけど……」
何か大きな行事ってあったかな? また調べないと流行に置いていかれちゃう……そう思っていると何かに気づいたのか、エスキーちゃんがしょんぼり顔から復活して話しかけてきた。
「ミラちゃん、胸元のそれ、なんですか? 綺麗な色してますけど」
「これ? トレーナーから昨日ラピスラズリの石のネックレスもらって。誕生日プレゼントって」
「素敵ですっ……えっ、誕生日?」
「これ? トレーナーから昨日ラピスラズリの石のネックレスもらって。誕生日プレゼントって」
「素敵ですっ……えっ、誕生日?」
またエスキーちゃんの動きが止まった。
「昨日誕生日だったからせっかくだし今日ぐらいはって思って」
「わたし忘れてました……ごめんなさいミラちゃん……」
「わーわー! そう肩落とさないで! そもそも言ってなかったし、祝ってもらえるなんて思ってなかったし!」
「でも……あっ、でしたら今度のお休み一緒にお出かけしませんかっ? ミラちゃんの好きなところ一緒に行きましょうっ!」
「お、お出かけ……? 私とエスキーちゃんの2人で?」
「嫌、ですか……?」
「わたし忘れてました……ごめんなさいミラちゃん……」
「わーわー! そう肩落とさないで! そもそも言ってなかったし、祝ってもらえるなんて思ってなかったし!」
「でも……あっ、でしたら今度のお休み一緒にお出かけしませんかっ? ミラちゃんの好きなところ一緒に行きましょうっ!」
「お、お出かけ……? 私とエスキーちゃんの2人で?」
「嫌、ですか……?」
うるうるした目で上目遣い……! ち、直視できない……!
「そ、そんなことない! ちょっとびっくりしちゃっただけ」
「それなら良かったです。では行きたいところが決まったらまた教えてくださいねっ! わたしはこっちなのでここで失礼しますっ」
「うん、また連絡するね。じゃあまた」
「それなら良かったです。では行きたいところが決まったらまた教えてくださいねっ! わたしはこっちなのでここで失礼しますっ」
「うん、また連絡するね。じゃあまた」
校舎に到着し、お互いの教室へ別れて1人になった。果たしてお出かけってどこに行けばいいんだろうと考えていたら、今度は私が声を掛けられる番だった。
「ミラちゃんミラちゃん、1つ言い忘れてましたっ!」
「ん? どうしたの?」
「ミラちゃんがトレーナーさんからもらったそのネックレスの石ってラピスラズリ、でしたよね?」
「そうだけど……それがどうかした?」
「わたしの記憶違いじゃなかったら、ラピスラズリって12月の石じゃありませんか?」
「……エスキーちゃん誕生石のことも知ってるんだ、凄いね」
「いえ、ラピスラズリSというレースが12月にあるのに気づいてもしかしてと思っただけで」
「……トレーナーさん誕生石のこと知らなかったのかも」
「……そうかもしれないですね。でもそのネックレス、とってもお似合いだと思いますよ」
「……ありがと。じゃあ始業時間も近いしまた今度ね」
「はいっ! お出かけの連絡待ってますねっ」
「ん? どうしたの?」
「ミラちゃんがトレーナーさんからもらったそのネックレスの石ってラピスラズリ、でしたよね?」
「そうだけど……それがどうかした?」
「わたしの記憶違いじゃなかったら、ラピスラズリって12月の石じゃありませんか?」
「……エスキーちゃん誕生石のことも知ってるんだ、凄いね」
「いえ、ラピスラズリSというレースが12月にあるのに気づいてもしかしてと思っただけで」
「……トレーナーさん誕生石のこと知らなかったのかも」
「……そうかもしれないですね。でもそのネックレス、とってもお似合いだと思いますよ」
「……ありがと。じゃあ始業時間も近いしまた今度ね」
「はいっ! お出かけの連絡待ってますねっ」
今度こそ朝の一幕が終わる。どこまで見抜かれているのか分からない恐ろしさと、もしかしたらこの子には理解してもらえるかもしれないというほんの僅かな期待を胸にして。
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まあそれはそうと。
まあそれはそうと。
「エノラちゃーん! 助けてー!」
「教室に駆け込んできたと思ったらいきなりどうしたの」
「今度のお休み、エスキーちゃんと2人で出かけることになっちゃって! どこに行くかは私に決めてって! どうしよう……」
「良かったじゃない。楽しんできて」
「……こんなこと今までなかったからどこに行ったらいいか分かんないんだよぅ……」
「で、私に助けを求めたと……もうすぐ授業始まるから次の休み時間に一緒に考えてあげる」
「やったー! エノラちゃん大好き!」
「はいはい……」
「教室に駆け込んできたと思ったらいきなりどうしたの」
「今度のお休み、エスキーちゃんと2人で出かけることになっちゃって! どこに行くかは私に決めてって! どうしよう……」
「良かったじゃない。楽しんできて」
「……こんなこと今までなかったからどこに行ったらいいか分かんないんだよぅ……」
「で、私に助けを求めたと……もうすぐ授業始まるから次の休み時間に一緒に考えてあげる」
「やったー! エノラちゃん大好き!」
「はいはい……」
