こうきゅうこくうぞう
彗の訪れ禍の如く──來れ、昂穹虚空蔵
土御門羅睺が扱う、五つに分類される
霊煌術のどれにも当てはまらない外法。
星招術を使えないかと羅睺なりに試行錯誤して組んだ
星招術のなり損ない。
この世ならざる彼方から力を持ってくるというメカニズムは判明していたため、瞬き以下の一瞬でもそこに繋がる穴を開けることが出来れば力を持ってこれると考え、実際にそこまでは間違ってなかったが、引き出した力には七大森羅の性質が存在しなかった。
その結果としてあらゆる霊的防御を貫通するだけの陽術もどきとなった。しかも効果の割には消費が並の
霊奏士が八人は枯れ果てるほどやたらデカく、制御も困難。そのため曼荼羅の後押しがなければ発動さえできない。有体に言えば失敗作。
発動と共に星屑にも似た、あるいは魔の超新星にも似た煌めきが顕現する。無色透明だが上位次元のエネルギーであるため既存の
霊煌術の常識に収まらない。
しおん流に言うなら、結界貫通、確定クリティカル、カウンター不可、特殊効果無効にバフ消去とてんこ盛り。
そして半人半魔となって発動した際、さらに先があることが判明。出来損ないではあらず無色ということは加工の余地があると言うこと、さらに極きれば
霊煌そのものが物質化した結晶の精製の可能性と研究の幅は広がっていく。
羅睺の実験で力の配分で粘土のように性質が一変する無色ゆえに汎用性を見せつける。そして
基本形はおおまかに六つに分けられることも判明。
- 集束された星の煌めき──光の奔流が恐るべき火力をもって、レーザーのように突き抜ける。
- 拡散して流星群へと変化、夥しい数の火球から針の形まで自由自在。
- 強制的な力の付属。エネルギーを内包したままとりもちのように対象に引っ付く。
- 回転運動する精緻に操縦された星屑が、惑星の道筋のように巡行。不規則な動きの煌めきはホーミング機能を搭載する。
- 砂粒以下に砕かれても復活。壊しても壊しても原型を維持して蘇る。
- 復活したエネルギーが再干渉で次なる術の呼び水に。残滓が新たな虚空蔵の起点となる。
羅睺創生、運命を描け──昂穹虚空蔵・超新星
羅睺は自身に適した性質と打つべき出力係数を算出、曼荼羅を一点集中して発動したそれを
「昂穹虚空蔵・超新星」と名付けた。しかし
しおんの妨害にあって披露する前に暴発、自爆してしまう。
さらに限界を超えて三度目の
星招術・天式の発動を試みるものの、
七大森羅の奥に潜む意志が羅睺を拒絶し暴発してしまった。
隼人はこれを「踏み越えてしまった」と何故か理解した。また「たぶん逆鱗に触れた」「テクニックで成立させようと、あれがお星様ならちゃんと祈らなければならない」とも。
限界を超えて暴発した際とその後の無意識の発動時に羅睺は「勝利とは、七大森羅とは」「天、昇──せよ──我が、守護……星」と言っているが詳細不明。
最終更新:2024年08月28日 01:56