魔力が漲る
彼はソーサラーだ
古代魔法王国時代に失われた技術【古代魔法】
それを限定的に行使することができる唯一の、そして崇高な存在
大国リンドホルムでさえ【賢者の学院】という施設を通じて学ぶ者がほとんどだ
故に、彼は自信を漲らせていた
ずどーん!
彼はその顔のままで、井戸の底へ真っ逆様に落ちていった
それを見た雪山は慌てて井戸の底へふわりと降りていき、
どうにかガイストを開放した彼女はカンテラに火を灯す
その灯りは井戸の底に横穴がある事を、くっきりと照らし出した
「悲鳴ってここから聞こえてたんでしょうね〜行ってみましょうか〜」
雪山が問いかけるより先にガイストは横穴に突っ込んでいった
「イザ行かん!更なる見聞と知識を求めて!」
二人が暗い横穴に足を踏み出した途端、先の方から誰かの声が聞こえた
「・・・や・・・やめ・・・けて・・・」
奥へ奥へと進むに連れて、声は段々と大きくなっていく。
それは、女性がひどい仕打ちを受けている、聞くにたえない悲痛な叫びにも聞こえる・・・

「本郷さん、ワッホゥさん、お久しぶりでございますわねー
もう、一日ぐらい経った気分ですわ」
リードは隠れたふりをしているロベルトとワッフルを見つけ、合流した
「おお、ゴミあさりに言ったリードと もくせいではないか
こんな所で何をやっておるのだ?」
ロベルトはそう言って驚く
兵士に奉公人が通ったという情報を得た彼らは気付かれぬよう、キンマン家の門扉近くに隠れられそうな場所を見つけて張り込みをしていたのだ
一方リードたちは少年が女性を見つけた場所がキンマン伯爵家だと聞いて、ここへやってきたという訳だ
お互いに情報を整理したところで、兵士が慌てて屋敷の中に入っていく
四人はお互いに頷き、身構えると・・・
ーENDー

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最終更新:2008年05月08日 23:31