夕暮れ。
あるマンションの薄暗い一室で、男の呻き声が響いていた。
あるマンションの薄暗い一室で、男の呻き声が響いていた。
殺風景な部屋の真ん中に、両手両足を後ろ手に縛られ放り出されている全裸の男。
顔には全頭マスクを被され、鼻フックとボールギャグで顔面は完全に塞がれている。
更に下半身は貞操帯とアナルプラグと最早身体の自由は何一つ許されていない。
顔には全頭マスクを被され、鼻フックとボールギャグで顔面は完全に塞がれている。
更に下半身は貞操帯とアナルプラグと最早身体の自由は何一つ許されていない。
「ウゴォ…。フビィ…。」
床に涎をだらだらと垂らしながら、不自由な身体を必死にもたげる男。
その様子を、椅子に腰掛けたまま眺めていた女が不敵な微笑を浮かべながらゆっくりと立ち上がり、男のもとへと歩を進めた。
その様子を、椅子に腰掛けたまま眺めていた女が不敵な微笑を浮かべながらゆっくりと立ち上がり、男のもとへと歩を進めた。
硬いフローリングの床に、ブーツのヒールが触れる度にカツーンカツーンと乾いた音が鳴る。
徐々に近づくその音の恐怖が、男の身体をビクンビクンと震わせる。
怯えているのか、はたまた逃げようと足掻いているのか。
徐々に近づくその音の恐怖が、男の身体をビクンビクンと震わせる。
怯えているのか、はたまた逃げようと足掻いているのか。
「あはは。芋虫みたい。」
女の笑い声が甲高く、しかし厳かに男の脳を叩いた。
自らの姿を芋虫と形容される屈辱も確かに存在したが、それよりも自分とそして今目の前に立っているであろう女性との厳然たる差を突き付けられた気がしたのだろう。
自らの姿を芋虫と形容される屈辱も確かに存在したが、それよりも自分とそして今目の前に立っているであろう女性との厳然たる差を突き付けられた気がしたのだろう。
「ふるひ…へくはひゃひぃ…。ほねはいひまひゅ……。」
男は身体を揺すりながら何とか女の足元へ顔を摺り寄せ、懸命に許しを乞う。
男は身体を揺すりながら何とか女の足元へ顔を摺り寄せ、懸命に許しを乞う。
しかし、次の瞬間その脚は男の頬を離れた。
そして、女は沈黙のままその振り上げた脚で男の顔面を蹴り上げたのである。
そして、女は沈黙のままその振り上げた脚で男の顔面を蹴り上げたのである。
「ビギャァァァァ!!」
ブーツの硬い爪先が男の顔面を抉り、同時に獣のような下卑た声が部屋を包んだ。
その口を遮るかの様に、爪先が幾度となく顔面へ突き刺さる。
その度にバキッ、グシャッ、という鈍い打撃音とけたたましい悲鳴が繰り返される。
その口を遮るかの様に、爪先が幾度となく顔面へ突き刺さる。
その度にバキッ、グシャッ、という鈍い打撃音とけたたましい悲鳴が繰り返される。
「豚の分際で勝手に近寄って良いと思ってんの?マジで気持ち悪い。」
「ほら、死ねよゴミ。」
「逃げれるもんなら逃げてみたら?なーんちゃってー残念でしたぁ。逃がすわけ無いでしょ♪」
「ほら、死ねよゴミ。」
「逃げれるもんなら逃げてみたら?なーんちゃってー残念でしたぁ。逃がすわけ無いでしょ♪」
男の精神を弄びながらじわじわと痛めつけてゆく女。
見えない暴力と凄絶な痛みにおぞましい恐怖を感じ、男は身悶えながら懸命に回避、防御を試みるが、荒れ狂う凶器の前にはその努力も全くの徒労に終わる。
見えない暴力と凄絶な痛みにおぞましい恐怖を感じ、男は身悶えながら懸命に回避、防御を試みるが、荒れ狂う凶器の前にはその努力も全くの徒労に終わる。
激しい痛み。行き場を失った夥しいまでの血液が、マスクの隙間を縫って溢れだす。
一通りなぶり終えると、彼女は横たわる男のマスクを強引に剥ぎ取るや否や、血塗れの髪の毛を右手で鷲掴みにし力任せに男を立ち上がらせた。
そして壁際に身体ごと叩き付けると、そのまま男の顔をねぶる様に覗き込んだ。
そして壁際に身体ごと叩き付けると、そのまま男の顔をねぶる様に覗き込んだ。
しかしマスクを剥ぎ取られたにも関わらず、男の視界は依然暗転したままであった。
今、自分の全てを支配している彼女の姿は彼の眼には映らない。
今、自分の全てを支配している彼女の姿は彼の眼には映らない。
何故なら、彼の顔面は最早原形を留めない程腫れ上がっていたからである。
彼の視界は、その青黒く腫れ上がった瞼などによって完全に塞がれ、かすかな光は吹き出る血液によって奪われていた。
彼の視界は、その青黒く腫れ上がった瞼などによって完全に塞がれ、かすかな光は吹き出る血液によって奪われていた。
「だいぶ男前になったね~!でも…右側だけ腫れすぎかな?」
そういうと、彼女は髪の毛を掴んでいる右手を強く引き寄せ、男の顔面に向け瑞々しい膝を捻り込むように突き刺した。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アアアァァァ!!!」
「あれー今度は左が大きくなっちゃった。」
「次は右♪」
「ひーだーりー」
「次は右♪」
「ひーだーりー」
まるでゲームでも楽しむかの様に何度も何度も顔面を蹴り上げ、その度に男の身体がビクンビクンと揺れる。回数を追うごとに悲鳴は力を失ってゆく。
そして数分後。
ぺしゃんこになった顔に色んな液体を塗りたくりながら、ひゅーひゅーとかすかな呼吸を残す男の身体を地面に投げ捨てると、力無く突っ伏した彼の後頭部を踏みにじり、朗らかに笑いながら言った。
ぺしゃんこになった顔に色んな液体を塗りたくりながら、ひゅーひゅーとかすかな呼吸を残す男の身体を地面に投げ捨てると、力無く突っ伏した彼の後頭部を踏みにじり、朗らかに笑いながら言った。
「ねぇ、あんたさぁ。良い歳してこんな年下の女の子にボッコボコにされて恥ずかしくないの?」
その挑発に、男は答えることすら出来ず、ひゅうひゅうと音を立てて呼吸するのが精一杯であった。
「ま、あんたは元々私のファンだったんだもんね。なら本望か♪」
そう言いながら、今度は彼の手足の縄をほどき始めた。
不可解な行動に戸惑う男。
不可解な行動に戸惑う男。
「あんまり不憫だからラストチャンスあげる。今から5分間でこの部屋から逃げ出せたらゆるしてあげる。じゃ、スタート!!」
突然差し伸べられた救いの手に、彼は奮起した。
最後の力を振り絞り懸命に出口を探す。
しかし、いくら眼を見開こうとしても彼の視界は遮られたままで、まるで見当が付かない。
最後の力を振り絞り懸命に出口を探す。
しかし、いくら眼を見開こうとしても彼の視界は遮られたままで、まるで見当が付かない。
右往左往する男を眺めながら、女は余裕の笑みを浮かべている。その手にはしなやかな革の一本鞭が妖しげな光沢を放っていた。
そしておよそ1分が過ぎた頃。男にとってかいま見えていた筈の自由と希望は、彼女の手によって再び絶望へと回帰する事となる。
まるで新体操のリボンのように華麗に宙を舞うそれは、残像を残しながらぴしいという澄渡った音色と共に男の肉体に着地した。
まるで新体操のリボンのように華麗に宙を舞うそれは、残像を残しながらぴしいという澄渡った音色と共に男の肉体に着地した。
今までとは全く異質の鋭い衝撃に、男の身体は無意識の内に海老のように跳ね上る。
「ぎゃびいいいいいいい」
まさに断末魔の叫びであった。
彼女は更に逃げ惑う男を鞭を振るいながら追い詰める。
悪魔のような微笑を浮かべるその表情には、恍惚とも快感ともとれる感情が宿っている。
彼女は更に逃げ惑う男を鞭を振るいながら追い詰める。
悪魔のような微笑を浮かべるその表情には、恍惚とも快感ともとれる感情が宿っている。
雨や霰のように絶え間無く降り注ぐ激痛と、空気を切り裂く音色は、男の精神を崩壊させるに十分であった。
「へぶぅぶひゅうううううあぶぅ」
言葉にならない声を発しながら、白眼を剥きびくんびくんと痙攣する男。
そして失禁。
恐怖と激痛は男の自律神経までも破壊してしまったのだろう。
しかしその行為は女を激昂させてしまい、鞭に加えて腹部への暴行が追加された。
そして失禁。
恐怖と激痛は男の自律神経までも破壊してしまったのだろう。
しかしその行為は女を激昂させてしまい、鞭に加えて腹部への暴行が追加された。
「許可無くオシッコしていいとおもってんの?ねえ。聞いてんのかよ豚が。」
ドゴオッ。バキッ。ボグゥ。鈍い音。
「うぶぅ!ごぼぁ!もうやめひぇ……ひんじゃうぅ…ゲボオオオオオオオ」
無防備な脇腹や下腹部、鳩尾に突き刺さるブーツや膝の前に、無惨な姿で嘔吐する男。
それがリンチを更に苛烈なものにしたことは言うまでも無いだろう。
それがリンチを更に苛烈なものにしたことは言うまでも無いだろう。
ボキィッ!
一際大きな音が響き、その余韻を男の悲鳴が掻き消した。
一際大きな音が響き、その余韻を男の悲鳴が掻き消した。
「あーあ。じっとしとかないからぁ。もう使いものになんないね~」
腹部を必死に防御していた男の左腕は、彼女の蹴りによってあえなくへし折られたのである。
しかしそんなことは、手を緩める理由には全くなり得ない。
しかしそんなことは、手を緩める理由には全くなり得ない。
そしてタイムアップ。
女はそれと同時に仰向けに倒れていた男の口にブーツの爪先を強引に捩じ込み、汚れたそれを掃除させた。
女はそれと同時に仰向けに倒れていた男の口にブーツの爪先を強引に捩じ込み、汚れたそれを掃除させた。
「残念だったね。チャンス上げたのになあ~。」
最早声すら出ない。
身体は人体とは思えないほどに青黒く変色し、そして損壊していた。
身体は人体とは思えないほどに青黒く変色し、そして損壊していた。
男の首に新しい首輪をが装着されると、繋がれた鎖が女の手によってピンと張り、男は折れた腕を庇いながら豚のように四つん這いのまま奥へと曳かれていく。
そしておよそ1分が過ぎた頃。男にとってかいま見えていた筈の自由と希望は、彼女の手によって再び絶望へと回帰する事となる。
まるで新体操のリボンのように華麗に宙を舞うそれは、残像を残しながらぴしいという澄渡った音色と共に男の肉体に着地した。
まるで新体操のリボンのように華麗に宙を舞うそれは、残像を残しながらぴしいという澄渡った音色と共に男の肉体に着地した。
今までとは全く異質の鋭い衝撃に、男の身体は無意識の内に海老のように跳ね上る。
「ぎゃびいいいいいいい」
まさに断末魔の叫びであった。
彼女は更に逃げ惑う男を鞭を振るいながら追い詰める。
悪魔のような微笑を浮かべるその表情には、恍惚とも快感ともとれる感情が宿っている。
彼女は更に逃げ惑う男を鞭を振るいながら追い詰める。
悪魔のような微笑を浮かべるその表情には、恍惚とも快感ともとれる感情が宿っている。
雨や霰のように絶え間無く降り注ぐ激痛と、空気を切り裂く音色は、男の精神を崩壊させるに十分であった。
「へぶぅぶひゅうううううあぶぅ」
言葉にならない声を発しながら、白眼を剥きびくんびくんと痙攣する男。
そして失禁。
恐怖と激痛は男の自律神経までも破壊してしまったのだろう。
しかしその行為は女を激昂させてしまい、鞭に加えて腹部への暴行が追加された。
そして失禁。
恐怖と激痛は男の自律神経までも破壊してしまったのだろう。
しかしその行為は女を激昂させてしまい、鞭に加えて腹部への暴行が追加された。
「許可無くオシッコしていいとおもってんの?ねえ。聞いてんのかよ豚が。」
ドゴオッ。バキッ。ボグゥ。鈍い音。
「うぶぅ!ごぼぁ!もうやめひぇ……ひんじゃうぅ…ゲボオオオオオオオ」
無防備な脇腹や下腹部、鳩尾に突き刺さるブーツや膝の前に、無惨な姿で嘔吐する男。
それがリンチを更に苛烈なものにしたことは言うまでも無いだろう。
それがリンチを更に苛烈なものにしたことは言うまでも無いだろう。
ボキィッ!
一際大きな男が響き、その余韻を男の悲鳴が掻き消した。
一際大きな男が響き、その余韻を男の悲鳴が掻き消した。
「あーあ。じっとしとかないからぁ。もう使いものになんないね~」
腹部を必死に防御していた男の左腕は、彼女の蹴りによってあえなくへし折られたのである。
しかしそんなことは、手を緩める理由には全くなり得ない。
しかしそんなことは、手を緩める理由には全くなり得ない。
そしてタイムアップ。
女はそれと同時に仰向けに倒れていた男の口にブーツの爪先を強引に捩じ込み、汚れたそれを掃除させた。
女はそれと同時に仰向けに倒れていた男の口にブーツの爪先を強引に捩じ込み、汚れたそれを掃除させた。
「残念だったね。チャンス上げたのになあ~。」
最早声すら出ない。
身体は人体とは思えないほどに青黒く変色し、そして損壊していた。
身体は人体とは思えないほどに青黒く変色し、そして損壊していた。
男の首に新しい首輪をが装着されると、繋がれた鎖が女の手によってピンと張り、男は折れた腕を庇いながら豚のように四つん這いのまま奥へと曳かれていく。
やがて男の体を小さな個室に押し込むと、男の耳元で囁いた。
それは今までにない優しげな声だった。
それは今までにない優しげな声だった。
「ごくろうさま。」
吐息が耳を伝い、それが麻酔のように痛みをほんの少しだけ和らげた。
女の指が徐に男の身体を伝う。
股間までもが
女の指が徐に男の身体を伝う。
股間までもが
「汚れたから綺麗にしてあげないとね。」
女はゆっくりと男の髪を掴み、正座させた。
瞬間、男はその手に冷ややかな陶器の感触を微かに感じた。
そして自分の置かれている現状を察した。
瞬間、男はその手に冷ややかな陶器の感触を微かに感じた。
そして自分の置かれている現状を察した。
しかし男が抵抗する間も無く、男の顔面は一瞬の内に目前の便器の中へ叩きつけられた。
只でさえ満足に呼吸が出来ないため、ほんの数秒ですら溺れそうになる。
只でさえ満足に呼吸が出来ないため、ほんの数秒ですら溺れそうになる。
(死ぬ…)
そう感じた瞬間、男の顔は引き揚げられる。
顔面を水浸しにしながらぜぇぜぇと懸命に息継ぎをしようとするが、間髪入れず女の拷問が繰り返される。
溺れかけては引き揚げられ、また繰り返される。
その度に水しぶきが上がり、辺り一面を濡らした。
顔面を水浸しにしながらぜぇぜぇと懸命に息継ぎをしようとするが、間髪入れず女の拷問が繰り返される。
溺れかけては引き揚げられ、また繰り返される。
その度に水しぶきが上がり、辺り一面を濡らした。
何度か繰り返されたのち、女は男の顔を覗き込んだ。
「まだ結構汚れてるねぇ。もっと綺麗にしないと。」
そう言いながら再び男の顔を便座へ向けると、横にあったボタンをぴっと人差し指で押した。
「やめ……」
男が懇願するまもなく、ウォシュレットの噴水が男の顔を弾いた。
「ほらーもっと口開けないと意味ないよ」
強引に広げられた口の中を洗浄するウォシュレットが、時折喉を突きえずかせた。
水の中にあった先程とは打って変わって、女の笑い声が背後からでもよく聞こえる。
水の中にあった先程とは打って変わって、女の笑い声が背後からでもよく聞こえる。
「はぁーあ…もう飽きちゃったから一気にやっちゃうね。」
そう語りかけると、彼女は右足を振り上げて男の後頭部を一思いに踏みつけた。
体重を掛けられた彼の頭部はウォシュレットをへし折り、再び便座の中へ叩きつけられた。
便座の底と、ブーツの底に挟まれて男の頭蓋がメリメリと軋む。
女の指が水洗のレバーにかかり、タンクの水が勢いよく男の顔を流すと、ゴボゴボと苦しそうに音を立てる。
体重を掛けられた彼の頭部はウォシュレットをへし折り、再び便座の中へ叩きつけられた。
便座の底と、ブーツの底に挟まれて男の頭蓋がメリメリと軋む。
女の指が水洗のレバーにかかり、タンクの水が勢いよく男の顔を流すと、ゴボゴボと苦しそうに音を立てる。
その光景は女の加虐心を最高潮に掻き立て、快楽を呼び覚ました。
女は自らの秘部に指先を絡めてゆく。
無意識の内に、踏みつける脚にも力がこもっていた。
女は自らの秘部に指先を絡めてゆく。
無意識の内に、踏みつける脚にも力がこもっていた。
徐々に強くなる負荷に薄れゆく意識。
もはや彼には抵抗する力も気力も残されていなかった。
終わりを覚悟したのか、彼は心の中で頭上の主人の名を呟いた。
もはや彼には抵抗する力も気力も残されていなかった。
終わりを覚悟したのか、彼は心の中で頭上の主人の名を呟いた。
「奈津子……さま……」
やがて男から全ての反応が失われ、顔だけを浸けたままの身体がだらりと床に落ちると、女はゆっくりと脚を降ろした。
身嗜みを整え携帯を鳴らす。
「もしもし。アレ、壊れたから処分しておいて。いつものとこ。」
携帯を閉じ、トイレを出ようとした瞬間、男が最期に遺したある物の存在に気が付いた彼女は、侮蔑と嘲笑の眼差しで無様な肉塊に一瞥をくれて、部屋を後にした。
一人残された男の股間からは、白い液体が垂れ流され、冷たい床の上に僅かな水溜まりを作っていた。