とある小国の首都。町外れから北に位置する軍施設。
この国の軍設備の9割がここに揃っているとまで称される巨大な施設だ。
戦闘機や兵器は言うに及ばず、この国の軍人志望の若者は大半がここに入隊し、
隣国や海を越えて渡ってくる者も毎年のように現れる。
また、近隣国でも極めて稀な女性のみで構成された小隊も存在する事でも有名だ。
この国の軍設備の9割がここに揃っているとまで称される巨大な施設だ。
戦闘機や兵器は言うに及ばず、この国の軍人志望の若者は大半がここに入隊し、
隣国や海を越えて渡ってくる者も毎年のように現れる。
また、近隣国でも極めて稀な女性のみで構成された小隊も存在する事でも有名だ。
夜8時。今日も訓練は終わり、スケジュールは夕食を残すのみ。
ただでさえ食べ盛りの若者が大半を占め、職業柄か同世代よりよく食べる者が
多いこの場所ではこの時間帯の食堂は現場顔負けの戦争状態になる事も珍しくない。
過酷な訓練を乗り切る唯一の糧と言っても過言ではない食事だ。
我先に食堂へと押しかけ時には立ち食いまで現れる始末。
だが、この日に限っては食堂にポツポツとではあるが空席が存在していた。
珍しい事もあるものだと何人かの兵士が噂をしている。
ただでさえ食べ盛りの若者が大半を占め、職業柄か同世代よりよく食べる者が
多いこの場所ではこの時間帯の食堂は現場顔負けの戦争状態になる事も珍しくない。
過酷な訓練を乗り切る唯一の糧と言っても過言ではない食事だ。
我先に食堂へと押しかけ時には立ち食いまで現れる始末。
だが、この日に限っては食堂にポツポツとではあるが空席が存在していた。
珍しい事もあるものだと何人かの兵士が噂をしている。
施設の一角の格闘場。男と女が向き合っている。その周りを円を描くように
取り囲む新兵たち。寝技の訓練と称して組まれたこのエキシビジョンマッチの
行方を誰もが固唾を呑んで見守っていた。訓練も終わったこの時間帯に唐突に
組まれた「寝技」の訓練に、普段滅多な事では顔を出さない他所の小隊の
女性兵士が顔を出す。この状況が何を示しているかはここにいる全員が理解していた。
「本当にいいんだな」
「手加減はいらんぞ」
臨戦態勢と言わんばかりに構える男の名はスラド軍曹。身長182cmのその体系に見合った
程よい筋肉と雑誌のモデル顔負けと多くの者に称えられるその容姿。
軍人にしてはやや白すぎる肌もその顔立ちを引き立たせるパーツの一種となって
しまっている。街を歩けば多くの者の目を引くその顔が今は一人の女に向く。
ジーナ軍曹。スラドとは同期入隊の腐れ縁で、この施設名物の女性小隊を指揮する
有能な女性軍人。体系は世の女性の平均とさほど変わらないのにも関わらず、
男顔負けの腕力に物を言わせた戦法や接近戦での武器を用いた荒々しい戦い方は
多くの男性を唖然とさせている。雌豹という言葉すら生ぬるいその佇まいは、
大の男を萎縮させる事もザラ。だがこの度の相手は長年の付き合いのあるスラド軍曹。
今更この程度の非常事態で動じるタマでもない。
取り囲む新兵たち。寝技の訓練と称して組まれたこのエキシビジョンマッチの
行方を誰もが固唾を呑んで見守っていた。訓練も終わったこの時間帯に唐突に
組まれた「寝技」の訓練に、普段滅多な事では顔を出さない他所の小隊の
女性兵士が顔を出す。この状況が何を示しているかはここにいる全員が理解していた。
「本当にいいんだな」
「手加減はいらんぞ」
臨戦態勢と言わんばかりに構える男の名はスラド軍曹。身長182cmのその体系に見合った
程よい筋肉と雑誌のモデル顔負けと多くの者に称えられるその容姿。
軍人にしてはやや白すぎる肌もその顔立ちを引き立たせるパーツの一種となって
しまっている。街を歩けば多くの者の目を引くその顔が今は一人の女に向く。
ジーナ軍曹。スラドとは同期入隊の腐れ縁で、この施設名物の女性小隊を指揮する
有能な女性軍人。体系は世の女性の平均とさほど変わらないのにも関わらず、
男顔負けの腕力に物を言わせた戦法や接近戦での武器を用いた荒々しい戦い方は
多くの男性を唖然とさせている。雌豹という言葉すら生ぬるいその佇まいは、
大の男を萎縮させる事もザラ。だがこの度の相手は長年の付き合いのあるスラド軍曹。
今更この程度の非常事態で動じるタマでもない。
武器の使用は禁止。時間無制限一本勝負。状況如何では相手を好きにしても構わない。
それだけがこの試合のルールだった。狩るか狩られるかの道しか残されていない中、
先に動いたのはスラドだった。姿勢を低くして背後に回りこむ。
洗練されたその無駄のない動きにジーナの反応が一瞬遅れた。そのまま腕を取り、
投げへと移行する。このままジーナが地面に叩きつけられればどうなるのかは明白。
二人を取り囲む兵士たちもその展開を何よりも期待した事だろう。
だがこのまま黙って組み敷かれる柄でもジーナはない。落ち着いた様子で受身を取り、
今度はその身に叩き込まれる寸前だったスラドの拳を取る。
先制攻撃は失敗したがそれでも状況はまだスラド優勢。だが事態は思わぬ方向へ向かう。
スラドの腕をつかんだままのジーナが力づくで彼の腕を引いた。
片腕のみにとんでもない力がかかりスラドはバランスを崩しかけたが彼は倒れない。
もしそのまま彼が倒れていたら二人の唇が重なっていてもおかしくない二人の位置。
「相変わらずの馬鹿力だな」
「それほどでもないさ」
よく見ると先ほどの勢いかジーナの胸元がわずかにはだけている。男たちの目線が
数多く注がれた。だが二人はそれを気にする様子は全くない。
男であればその胸元に、女であればスラドのその端正な顔立ちに向き合った事で
隙がいくら生まれてもおかしくない状況。それでも戦闘は続く。
今度の先制攻撃はジーナ。そのままの体制でローキックを放った。狙いはスラドの脛。
だがスラドはそれを見切り小さくジャンプ。蹴りのダメージを受けない最低限の高さだ。
その直後だった。スラドが馬鹿力と評したその女の腕力によって引き倒された。
いよいよ二人の唇が重なりかけた。一瞬の間に湧き上がる歓声とすぐにやってきた落胆の声。
流石のスラドも驚きを隠せない。たかが女一人が大の男を引き倒すほどの力があったとは。
表情がそう物語っている。
それだけがこの試合のルールだった。狩るか狩られるかの道しか残されていない中、
先に動いたのはスラドだった。姿勢を低くして背後に回りこむ。
洗練されたその無駄のない動きにジーナの反応が一瞬遅れた。そのまま腕を取り、
投げへと移行する。このままジーナが地面に叩きつけられればどうなるのかは明白。
二人を取り囲む兵士たちもその展開を何よりも期待した事だろう。
だがこのまま黙って組み敷かれる柄でもジーナはない。落ち着いた様子で受身を取り、
今度はその身に叩き込まれる寸前だったスラドの拳を取る。
先制攻撃は失敗したがそれでも状況はまだスラド優勢。だが事態は思わぬ方向へ向かう。
スラドの腕をつかんだままのジーナが力づくで彼の腕を引いた。
片腕のみにとんでもない力がかかりスラドはバランスを崩しかけたが彼は倒れない。
もしそのまま彼が倒れていたら二人の唇が重なっていてもおかしくない二人の位置。
「相変わらずの馬鹿力だな」
「それほどでもないさ」
よく見ると先ほどの勢いかジーナの胸元がわずかにはだけている。男たちの目線が
数多く注がれた。だが二人はそれを気にする様子は全くない。
男であればその胸元に、女であればスラドのその端正な顔立ちに向き合った事で
隙がいくら生まれてもおかしくない状況。それでも戦闘は続く。
今度の先制攻撃はジーナ。そのままの体制でローキックを放った。狙いはスラドの脛。
だがスラドはそれを見切り小さくジャンプ。蹴りのダメージを受けない最低限の高さだ。
その直後だった。スラドが馬鹿力と評したその女の腕力によって引き倒された。
いよいよ二人の唇が重なりかけた。一瞬の間に湧き上がる歓声とすぐにやってきた落胆の声。
流石のスラドも驚きを隠せない。たかが女一人が大の男を引き倒すほどの力があったとは。
表情がそう物語っている。
ジーナが行った行為は単純な事。ジャンプによって生まれた一瞬の隙。それを見計らい
スラドの腕を押さえつけていた拳を彼の胸元に持ってきた。あとは自慢の腕力の出番。
ジャンプの高さを最低限にし、上半身の位置をほとんど変えずにいたゆえの悲劇。
だが、それを今更悔やんでも遅い。スラドに出来る事は目の前の女の怪力に
ただただ感心する事のみ。
つかまれたスラドのインナーシャツが破れてもおかしくないほどの怪力だった。
慌てて起き上がろうとしたスラドだったがこうなってしまえばまな板の上の鯉。
力ずくで引き剥がすなどいった行為はこの女に通用しない事は誰よりもよく知っている。
その馬鹿力で再度体が強引に動かされる。男の割には白い肌を持つスラドと
女の割黒く焼けた肌のジーナ。オセロゲームよろしく二人の上下が入れ替わる。
形勢逆転。騎上位の体位そのものの二人の体勢に今度こそ歓声が上がった。
特に興奮気味の声もチラホラ。どうやらこの試合の勝者で賭けをしていたようだ。
「抵抗はしないのか?」
「ここまで来ればこうしかないだろう」
スラドの声には自嘲が混じっていた。その白い腕は万歳のポーズを取っている。
抵抗の意思なし。その腕はさながら白旗。あまりに呆気なく、勝負は決した。
「骨のない奴め」
ジーナの低い声が響く。その力がさらに強まった。
「女に一瞬で倒されるような軟弱な輩には制裁を加えなければな」
とうとうスラドの上着に手をかけるジーナ。ややよれた真っ白なTシャツが露になった。
「さて、どこから攻めてやろうか」
妙に饒舌になるジーナ。酒を飲んでいるというわけでもあるまいに、目がわずかに据わり、
口元が吊りあがっている。普段のクールさはとうになりを潜めていた。
「貴様らもよく見ておくんだぞ!これが戦いに負けた哀れな男の姿だ!こうなりたくなければ
私や誰にも負けない強さを手に入れろ!」
それは無理だ、と言わんばかりのいくつかの苦笑する声。ジーナはそれを睨みで黙らせ、
狩ったばかりの獲物に牙を立てる。
スラドの腕を押さえつけていた拳を彼の胸元に持ってきた。あとは自慢の腕力の出番。
ジャンプの高さを最低限にし、上半身の位置をほとんど変えずにいたゆえの悲劇。
だが、それを今更悔やんでも遅い。スラドに出来る事は目の前の女の怪力に
ただただ感心する事のみ。
つかまれたスラドのインナーシャツが破れてもおかしくないほどの怪力だった。
慌てて起き上がろうとしたスラドだったがこうなってしまえばまな板の上の鯉。
力ずくで引き剥がすなどいった行為はこの女に通用しない事は誰よりもよく知っている。
その馬鹿力で再度体が強引に動かされる。男の割には白い肌を持つスラドと
女の割黒く焼けた肌のジーナ。オセロゲームよろしく二人の上下が入れ替わる。
形勢逆転。騎上位の体位そのものの二人の体勢に今度こそ歓声が上がった。
特に興奮気味の声もチラホラ。どうやらこの試合の勝者で賭けをしていたようだ。
「抵抗はしないのか?」
「ここまで来ればこうしかないだろう」
スラドの声には自嘲が混じっていた。その白い腕は万歳のポーズを取っている。
抵抗の意思なし。その腕はさながら白旗。あまりに呆気なく、勝負は決した。
「骨のない奴め」
ジーナの低い声が響く。その力がさらに強まった。
「女に一瞬で倒されるような軟弱な輩には制裁を加えなければな」
とうとうスラドの上着に手をかけるジーナ。ややよれた真っ白なTシャツが露になった。
「さて、どこから攻めてやろうか」
妙に饒舌になるジーナ。酒を飲んでいるというわけでもあるまいに、目がわずかに据わり、
口元が吊りあがっている。普段のクールさはとうになりを潜めていた。
「貴様らもよく見ておくんだぞ!これが戦いに負けた哀れな男の姿だ!こうなりたくなければ
私や誰にも負けない強さを手に入れろ!」
それは無理だ、と言わんばかりのいくつかの苦笑する声。ジーナはそれを睨みで黙らせ、
狩ったばかりの獲物に牙を立てる。
まずはTシャツの中。よく鍛え上げられた胸部。そこも普段多く露出している部分同様真っ白だ。
その肌ではより一層映える小さな突起。多くの人間が弱点とすると言われるそこに手を伸ばす。
うっ、とスラドの口から小さな声が漏れた。数度手を触れる。歯を食いしばり、必死で堪えている。
ちょうどジーナの太ももが触れる位置にある下半身には未だ反応なし。
ここではなかったか、と言って次の場所を攻める。同じくTシャツ内部のへその辺り。
乳首の時同様の技術も何もあったものではないただ何度か触るだけの無骨な攻め方。
だがそこはスラドの「弱点」だったようだ。先ほどよりも激しく顔を歪め、まるで痛みに耐える
時のような顔をしていた。同時に少しずつながらもジーナの太ももにもその効果が伝わってくる。
「う…、うぁ…、かっ…」
その表情、声から徐々に理性を失っていく様を誰もが感じていた。一度怒張を始めた下半身は
もうすでに有能な軍曹一人の屈強な理性ごときでは抑える事は出来ないようで、
時折快楽を求めてかわずかに体を自らの意思で上下させるスラドの姿が見て取れる。
だがそれ以上を彼を押さえつける女は許しはしない。相手がただの一般女性であればとうに
形勢が再度逆転し貞操を奪われていたであろう程に男は人を捨て、獣に成り果てようとしていた。
その肌ではより一層映える小さな突起。多くの人間が弱点とすると言われるそこに手を伸ばす。
うっ、とスラドの口から小さな声が漏れた。数度手を触れる。歯を食いしばり、必死で堪えている。
ちょうどジーナの太ももが触れる位置にある下半身には未だ反応なし。
ここではなかったか、と言って次の場所を攻める。同じくTシャツ内部のへその辺り。
乳首の時同様の技術も何もあったものではないただ何度か触るだけの無骨な攻め方。
だがそこはスラドの「弱点」だったようだ。先ほどよりも激しく顔を歪め、まるで痛みに耐える
時のような顔をしていた。同時に少しずつながらもジーナの太ももにもその効果が伝わってくる。
「う…、うぁ…、かっ…」
その表情、声から徐々に理性を失っていく様を誰もが感じていた。一度怒張を始めた下半身は
もうすでに有能な軍曹一人の屈強な理性ごときでは抑える事は出来ないようで、
時折快楽を求めてかわずかに体を自らの意思で上下させるスラドの姿が見て取れる。
だがそれ以上を彼を押さえつける女は許しはしない。相手がただの一般女性であればとうに
形勢が再度逆転し貞操を奪われていたであろう程に男は人を捨て、獣に成り果てようとしていた。
下半身は怒張の限界を向かえたようで、しばらくサイズにこれといった変化はない。
それと同時に性質の悪いウイルスにでも感染したかのような熱が太ももに伝わってくるのを
ジーナは感じていた。一瞬でも気を緩めれば本当に獣と化して襲ってきそうな男の顔と力。
だがこの程度で易々と組みほどかれる程ヤワな鍛え方をした記憶はない。
今なお色濃く男尊女卑が残ると言われるこの世界で女だてらにそれなりの地位を得てきた。
戦術や座学といった頭を使う事を元々苦手としていた自分が極めた方向はただ一つ。
気がつけば怪力のジーナという異名を付けられるほどにそれは進化を遂げ、
今この瞬間も決して非力などではない一人の同期入隊の男をただそれだけで屈服させることに
成功している。自分はこの瞬間のためにここまで体を鍛え上げたのではないか、
そう思えるほどの興奮が全身を襲う。どんな戦闘狂がどんな戦場に身を置かれても味わう
事がないであろう喜び。あいにく銃声や砲弾の音で興奮する性癖など持ち合わせてはいないが、
今ならその戦闘狂の気持ちにも大いに共感できる。ジーナは今、獣に成り果てた。
いよいよ下半身にも手を伸ばす。スラドの顔には今なお必死に最後の理性を留めようとする様に
混じって羞恥、恐怖、そしてそれを上回る露骨な拒絶が浮かんでいたが完全に無視。
上着と同じ素材で作られた迷彩色のズボンのファスナーを下ろせば最後の砦に守られた
スラドの一部分がまるで別の意思を持ったかのように上下していた。
それと同時に性質の悪いウイルスにでも感染したかのような熱が太ももに伝わってくるのを
ジーナは感じていた。一瞬でも気を緩めれば本当に獣と化して襲ってきそうな男の顔と力。
だがこの程度で易々と組みほどかれる程ヤワな鍛え方をした記憶はない。
今なお色濃く男尊女卑が残ると言われるこの世界で女だてらにそれなりの地位を得てきた。
戦術や座学といった頭を使う事を元々苦手としていた自分が極めた方向はただ一つ。
気がつけば怪力のジーナという異名を付けられるほどにそれは進化を遂げ、
今この瞬間も決して非力などではない一人の同期入隊の男をただそれだけで屈服させることに
成功している。自分はこの瞬間のためにここまで体を鍛え上げたのではないか、
そう思えるほどの興奮が全身を襲う。どんな戦闘狂がどんな戦場に身を置かれても味わう
事がないであろう喜び。あいにく銃声や砲弾の音で興奮する性癖など持ち合わせてはいないが、
今ならその戦闘狂の気持ちにも大いに共感できる。ジーナは今、獣に成り果てた。
いよいよ下半身にも手を伸ばす。スラドの顔には今なお必死に最後の理性を留めようとする様に
混じって羞恥、恐怖、そしてそれを上回る露骨な拒絶が浮かんでいたが完全に無視。
上着と同じ素材で作られた迷彩色のズボンのファスナーを下ろせば最後の砦に守られた
スラドの一部分がまるで別の意思を持ったかのように上下していた。
あいにくこういった経験は30の壁が近づきつつあるこの年までまったくなく、
男の裸を拝む経験も幼い頃に数度父親と入浴した以来20数年ご無沙汰となっているが、
それでもそのサイズがそれなりの物を持っている事が分かった。その白い肌の前ではよく目立つ
チャコールグレーのボクサーパンツ。その形は見事なピラミッド型となっている。
相も変わらず残り首の皮一枚程の理性ととうに限界を超えた性欲の狭間でもがき苦しむスラド。
その最後の理性が解き放たれる時はいつになるのか。ジーナだけではなくこの行為を見つめる
すべての者がその時を心待ちにしているに違いない。
その時までもう少しこの男には誇り高い軍人と飢えた獣の境を彷徨ってもらおう。
下着越しにその熱源に触れれば再度スラドが声を上げる。そのまま掴み、揉み扱く。
それは哀れな敗者に下す最後の鉄槌。初めての女が行う力まかせの行為。
そしてそれを興奮の眼差しで眺める連中。あまりに適さない状況だとジーナは思ったが、
これが男の性欲なのかスラドの顔はいつしか紅葉し、今にも全身から湯気でも出しかねない勢い。
ほとんど悲鳴にも似たスラドの声と群集の歓声ををバックに行為は進む。
今度はどれほどの時間持ちこたえるかという事にまで賭けを始めた者が現れたが、それは些細な事。
ひとしきり揉み扱いた後はついに下着越しなどではなく直接触れる時。
スラドはとうとう抵抗さえやめジーナのされるがまま。すべてを捨て、快楽に身をまかせるようだ。
だがそうは問屋がおろさない。ほんのわずかな接触ではあったが、ジーナはスラドの「限界」を
体で理解していた。限界が訪れる一歩手前で行為を中止し、時間を置く。
それが済めばまた行為の再開。そのサイクルは少しずつ短くなっていた。
「も、もう…」
何度繰り返したかは分からない。ただ、その声はスラドに正真正銘の限界が訪れた事を告げていた。
スラドが目を見開いた。その体が一度大きく揺れ、ジーナの握っていた箇所にも
わずかな揺れが伝わった。
「あっ…」
気が抜けたかのようなスラドの声。前閉じのチャコールグレーの下着の
中心部の色がさらに濃くなった。行き場を失った激しく飛び出した白濁液は
下着に吸収され、一部は跳ね返される。すべてが終わった。スラドとジーナを含め、
その場の全員がそれを理解した。だがそれだけでは終わらなかった。
見る見るうちに濃い色の黒が面積を増す。快楽に身をまかせたそれから一転、
顔全体から絶望を滲ませるスラド。事態は全員がすぐに飲み込んだ。
いまやほとんどが色を濃くさせた下着から染み出す明らかに先ほどの行為で出た
物とは違う黄色い液体。行為の代償か、元々溜まっていたせいだったのか、
それともジーナの力まかせの行為や迫力に恐れをなしたせいか。
原因は定かではないが、一人の軍人が誇りどころか人間としての尊厳すら失った。
男の裸を拝む経験も幼い頃に数度父親と入浴した以来20数年ご無沙汰となっているが、
それでもそのサイズがそれなりの物を持っている事が分かった。その白い肌の前ではよく目立つ
チャコールグレーのボクサーパンツ。その形は見事なピラミッド型となっている。
相も変わらず残り首の皮一枚程の理性ととうに限界を超えた性欲の狭間でもがき苦しむスラド。
その最後の理性が解き放たれる時はいつになるのか。ジーナだけではなくこの行為を見つめる
すべての者がその時を心待ちにしているに違いない。
その時までもう少しこの男には誇り高い軍人と飢えた獣の境を彷徨ってもらおう。
下着越しにその熱源に触れれば再度スラドが声を上げる。そのまま掴み、揉み扱く。
それは哀れな敗者に下す最後の鉄槌。初めての女が行う力まかせの行為。
そしてそれを興奮の眼差しで眺める連中。あまりに適さない状況だとジーナは思ったが、
これが男の性欲なのかスラドの顔はいつしか紅葉し、今にも全身から湯気でも出しかねない勢い。
ほとんど悲鳴にも似たスラドの声と群集の歓声ををバックに行為は進む。
今度はどれほどの時間持ちこたえるかという事にまで賭けを始めた者が現れたが、それは些細な事。
ひとしきり揉み扱いた後はついに下着越しなどではなく直接触れる時。
スラドはとうとう抵抗さえやめジーナのされるがまま。すべてを捨て、快楽に身をまかせるようだ。
だがそうは問屋がおろさない。ほんのわずかな接触ではあったが、ジーナはスラドの「限界」を
体で理解していた。限界が訪れる一歩手前で行為を中止し、時間を置く。
それが済めばまた行為の再開。そのサイクルは少しずつ短くなっていた。
「も、もう…」
何度繰り返したかは分からない。ただ、その声はスラドに正真正銘の限界が訪れた事を告げていた。
スラドが目を見開いた。その体が一度大きく揺れ、ジーナの握っていた箇所にも
わずかな揺れが伝わった。
「あっ…」
気が抜けたかのようなスラドの声。前閉じのチャコールグレーの下着の
中心部の色がさらに濃くなった。行き場を失った激しく飛び出した白濁液は
下着に吸収され、一部は跳ね返される。すべてが終わった。スラドとジーナを含め、
その場の全員がそれを理解した。だがそれだけでは終わらなかった。
見る見るうちに濃い色の黒が面積を増す。快楽に身をまかせたそれから一転、
顔全体から絶望を滲ませるスラド。事態は全員がすぐに飲み込んだ。
いまやほとんどが色を濃くさせた下着から染み出す明らかに先ほどの行為で出た
物とは違う黄色い液体。行為の代償か、元々溜まっていたせいだったのか、
それともジーナの力まかせの行為や迫力に恐れをなしたせいか。
原因は定かではないが、一人の軍人が誇りどころか人間としての尊厳すら失った。
ただそれだけが事実だった。ジーナは一瞬驚いたような顔を浮かべたが
すぐにスラドを一瞥し、何事もなかったかのように立ち去る。
ただ、その足取りはほんのわずかに不安定だった。
すぐにスラドを一瞥し、何事もなかったかのように立ち去る。
ただ、その足取りはほんのわずかに不安定だった。
「驚いたぞ。まさかあのような事になるとはな」
「俺もだよ。多くの新兵の前で、まったく情けない姿を晒してしまった」
数日後の兵舎の談話室。思い思いの格好で体を休めるのはこの間一戦を交えた二人。
あれからこれと言った騒ぎもなく二人は何事もなかったかのように日々を過ごしていた。
とは言っても噂が広まるのは速いもので、次の日は二人の所属する班全体、その翌日には兵舎、
さらにその翌日には軍関係者ほぼ全員の耳にスラドの失態は入ってしまっていた。
スラドは上官や同期に散々いじられ、顔を合わせるたびに逃げるようにその場をあとにした事、
ジーナはジーナで、前にも増して人が寄り付かなくなった事や、一連の出来事を耳にしておきながら
何をトチ狂ったのか「お誘い」をかける者が現れた事、部下の女性兵が急に周囲の男性に
強気になり今ではほとんど尻に敷いていると言っても過言ではない事、
それぞれの周りの変化は挙げればキリがない。それもこれも、すべてはあの夜の出来事が原因なのは
明白だった。これがもし勝敗が逆だったらどうなっていた事か、それも興味深い話だったが。
「まあ、人の噂も七十五日という。いずれは皆忘れていくだろう」
「だといいがな…」
これほどの事態を引き起こした張本人の無責任とも取れるフォローにスラドはその言葉が実現する
わずかな可能性を願う事しか出来なかった。
「俺もだよ。多くの新兵の前で、まったく情けない姿を晒してしまった」
数日後の兵舎の談話室。思い思いの格好で体を休めるのはこの間一戦を交えた二人。
あれからこれと言った騒ぎもなく二人は何事もなかったかのように日々を過ごしていた。
とは言っても噂が広まるのは速いもので、次の日は二人の所属する班全体、その翌日には兵舎、
さらにその翌日には軍関係者ほぼ全員の耳にスラドの失態は入ってしまっていた。
スラドは上官や同期に散々いじられ、顔を合わせるたびに逃げるようにその場をあとにした事、
ジーナはジーナで、前にも増して人が寄り付かなくなった事や、一連の出来事を耳にしておきながら
何をトチ狂ったのか「お誘い」をかける者が現れた事、部下の女性兵が急に周囲の男性に
強気になり今ではほとんど尻に敷いていると言っても過言ではない事、
それぞれの周りの変化は挙げればキリがない。それもこれも、すべてはあの夜の出来事が原因なのは
明白だった。これがもし勝敗が逆だったらどうなっていた事か、それも興味深い話だったが。
「まあ、人の噂も七十五日という。いずれは皆忘れていくだろう」
「だといいがな…」
これほどの事態を引き起こした張本人の無責任とも取れるフォローにスラドはその言葉が実現する
わずかな可能性を願う事しか出来なかった。