コルドロン
ストーリー
勇敢な騎士になることを夢見る
ターランは、師匠の
ドルベンからブタの世話役を任されることを不満に思っていた。ある日、悪の王
ホーンド・キングがヘン・ウェンの力を手に入れようと企んでいることを知ったドルベンは、ターランにヘン・ウェンを連れて森へ逃げるように指示する。念願の冒険に出るターランだが、すぐにヘン・ウェンを連れ去られてしまい…。
概要
『
プリデイン物語*』を原作としたディズニーアニメ映画。ディズニーにしては珍しい中世風ファンタジーの世界観が特徴的。その独特の作風から、ディズニーの中でも最も異色な作品との呼び声も高い。
歴史
ディズニーは1973年、『
プリデイン物語*』の映画化の準備に着手する。
オリー・ジョンストンと
フランク・トーマスは「上手く作れば『
白雪姫』以来の傑作になる」と考えていた。同シリーズには多くの物語やキャラクターがあるため、1970年代を通してアニメーターは準備を進め、1980年の公開を目指した。ベテラン・アーティストの
メル・ショウ*がパステルのスケッチを描いたが、CEOの
ロン・ミラー*がアニメーターがそのまま描くには難しすぎると判断した。また、人間のキャラクターのリアリティを追求するため、公開予定は『
きつねと猟犬』(1981年)より後の1984年のクリスマスに後ろ倒しにされた。
リッチやバーマンは『
眠れる森の美女』(1959年)のようなスタイルを望んでいた。当時既に引退していた
ミルト・カールを呼び寄せ、主要キャラクターのデザインを依頼した。ヘイルのチームは原作の1~巻をモチーフにプロットを練り始めた。やがて、次回作『
オリビアちゃんの大冒険』(1986年)の企画が立ち上がると、マスカーと
ロン・クレメンツ*はそちらに回されることとなった。ヘイルはゲリーの描いたホーンド・キングが気に入らなかったため、デザインを変更した。主人公の
ターランと
エロウィーは1950年代のディズニーキャラクターを意識してデザインされた。
公開直前の変更
1984年、スタジオで試写が行われた。するとクライマックスシーンが暗く子供たちには怖すぎるという指摘があった。当時、ミラーの失脚により新しく映画部門のトップとなった
ジェフリー・カッツェンバーグ*はヘイルに該当シーンの削除と色彩の変更を求めた。ヘイルがこれを拒否したため、カッツェンバーグ自ら独断でカットを行ってしまった。ヘイルからこの話を聞いた新CEOの
マイケル・アイズナー*はカッツェンバーグを止めようとするも、逆に「公開を7ヶ月遅らせてでも作り直すべきだ」と要求されてしまう。結局、映画は12分ほどカットされ、それに伴う一部シーンの作り直しが発生した。
アニメーション
本作では
デイビッド・スペンサー*によって、
APTプロセス*が初めて導入された。ラフ画をセルロイドに転写する画期的な手法は大いに評価され、アカデミー技術賞を受賞したが、CG技術の発達により、あまり普及はしなかった。
また、本作はディズニーアニメーションとして初めて特殊効果にCGを使用した作品である。ヘイルがちょうど同時期に製作していた『オリビアちゃんの大冒険』(公開順としては次作に当たる)のチームから教わり、導入したという。
ちなみにブラック・コルドロンから溢れる霧は、ドライアイスの実写映像を合成して
ドン・ポール*が作り上げた。
キャスト
- 吹替版:1986年7月19日公開。2000年12月6日ビデオ用に追加録音。 ※DVD・VHS収録
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最終更新:2025年01月19日 19:17