DM制作裏話
クレジット
所員
- kamikaze (原案、脚本、実装など)
- zako (ユニット作成、マップ修正など)
- aramaki (マップ作成)
- crows (テストプレイ)
- philosophy (テストプレイ)
- spell (テストプレイ)
※本人コメントは随時更新予定。
協力
- K. Yamamoto (ポートレイト作成:Zombie Macabre)
- Jay Traub (英語修正 English Revision)
- tou1 (テストプレイ)
参考
- 他のキャンペーン
Descent into Darkness, The Rise of Wesnoth, Legend of Wesmere, Invasion from the Unknown, Bad Moon Rising, Dead Water ほか
・・・最後までプレイしてないものもあるが、WMLの参考にさせてもらっている。
- Wesnothフォーラム
Expanded Undead faction mod (Not For Mainline!!)
・・・新ユニットの名称など参考にさせてもらった。アンデッド好きは必見のスレである。
所員
kamikaze (原案、脚本、実装など)
裏話と言っても、制作過程はブログである程度公開しているし、ネタバレ記事なんてのも用意してもらっているわけで、結構書くことに困る。まあ、もともと私は原案・脚本担当だったのだから、とりあえずストーリーに関係する話を書こう。当然ネタバレ前提である。
- 制作背景
「アンデッドが主人公のキャンペーンを作りたい」というのがおそらく最初の制作動機だったと思う。無論「アンデッドキャンペーン」と呼びうるものは既に存在していたが、それらの主人公は人間のネクロマンサー、あるいはそのなれの果てのリッチであった。私はこのお決まりの構図に嫌気が差しており、主人公は文字通りのアンデッドでなければならぬ、それも最下級のゾンビであることが望ましい、と考えた。そして、「降霊術の軛から解き放たれたアンデッドを描きたい」という原点の発想から、「ゾンビ軍団vs親玉リッチ」という下克上的構図に至ったのは、極めて自然な経緯であろう。
間もなく完成した原案は、タイトルが「ゾンビトーマスの冒険(仮)」であり、まったくもっておふざけ以外の何物でもなかった。WURIメンバーも適当に登場させておこう、ちょうど主任はリッチなんだからラスボスよろしく、みたいなノリである。しかし、この原案の時点でも、「主人公のゾンビは魔術師に焼かれて倒れるが、骸骨になって復活する」とか、「最後は、空腹にあえぐ元配下のゾンビに主人公が倒される」といった筋書きは既に示されている。これは、一部所員の間でデスブレードが人気だったとか、私自身、無駄に熱い展開が好きで、そのくせ破滅エンドも好物、という趣味丸出しの理由で決まったようなプロットである。
そして正式タイトルが「死の舞踏 Danse Macabre」に決まり(後述)、制作が進むにつれて、物語は当初のおふざけ路線から大きく外れ、シリアス路線へと向かった。まあリッチの支配に抗する戦いを描きつつ、最後は破滅エンドなのだから、その道のりを詰めていけば、シリアスになってしかるべきだったと思う。そして、原案にはなかった主人公の過去および Vita 絡みのイベントを作成したときにこの流れは決定的なものになった。あの辺の超絶ベタな展開も私の趣味である(aramaki は悶絶していた)。ま、時には勇壮に戦い、時には悲嘆に暮れるアンデッドというのも、たまにはよかろう。多分。
- タイトル「死の舞踏 Danse Macabre」について
詳しくはウィキペディアでも見てもらうとして、「死の舞踏」とは、中世ヨーロッパで流行した、死をテーマとする絵画作品群のジャンル名である。そこでは、死が骸骨として表象されており、彼らは実に愉しげに歌い踊っている。私は元々この作品群が好きなのだが、主任も気に入ってくれたので、WURIブログの左上には、「死の舞踏」作品の一つが掲げられている。
そして、原案からして最終的には全てが死に帰す退廃的なストーリーなので、死の普遍性を謳った「死の舞踏」というタイトルは実にしっくりきた。また、「死の舞踏」の原語はもちろんいろいろあるのだが、フランス語のDanse Macabreが一番有名っぽいので採用した。ならば死を意味するMacabreを主人公の名前にすればいいではないか、ということで、ださいトーマスからマカブルに変わった。もし英語タイトルを採用していた場合、Dance of Deathになるわけだが、デスというのは陳腐すぎるので主人公の名前にはなっていなかっただろう。とまあ、タイトルの決定後、都合良く事が進んでいったわけである。結果論だが、名が体を表わすよいタイトルになってくれたと思う。マカブルのリッチに踊らされてる感といい、piyoって攻撃を外しまくる様しかり(デスブレードのpiyoに関しては「踊るな!」というのがWURI所員共通の反応である)。
- 余談
ヴァンパイア (Orlok) については失敗した。こいつは、移動中はコウモリに変身し、被攻撃時には霧に変身し、日中には地中に潜って寝るという、制作上、最も手をかけたユニットである。 まさに手塩にかけて作った。そして、性能から考えて、「魔の山」に隠しておいた。まあこの不自然さなら見つかるだろう、と。これが失敗。蓋をあけてみたら、「え?ヴァンパイア?何それ?どこにいたの?」という声連発である。この反省から、v1.0以降ではわざとらしい立て札を立てておいた。制作者も必死である。(しかし、こいつの睡眠がらみで、リプレイがバグるという現象は未だに直っていない。そこまでおかしな操作をしているつもりはないので、BfW自体のアップデートによって解消されるのではないかと淡い期待を抱いている)
ちなみに私は、作中では「目障りなハエ」役である。
zako (ユニット作成、マップ修正など)
所長コメント: 詳しくは本人に任せるとして、制作支援における一番の功労者であろう。ユニット作成やマップ修正、素材収集、固有名の設定など、分業が効果的な部分はほとんど任せたと言ってよい。果ては紹介動画まで制作。そして、作中においても、もう一つの主役たるラスボス、古代リッチとして活躍。制作が進むにつれて悪逆非道ぶりに磨きが掛かっていった。本人とは何の関係もないのだが、「もっとえげつなく」という声が聞こえてこなくもなかった。
本人コメント:
主任です。言うべきことは所長コメントでほぼ尽きているのですが、いくつか補足を。まず、このプロジェクト発足時の役割分担は、所長シナリオ、私が実装でaramaki氏がマップ作成、その他の所員がテストプレイと難易度調整というような具合でした。aramaki氏はちょうどマップ作成にはまっていた時期ですし、プログラミング技術の素養がある私が実装というように、まさに適材適所といった人材配置でした。
しかしながら蓋を開けてみると、aramaki氏は飽きっぽいので2つ3つ作成したところでおしまい(本人から弁解があるかもしれません)。私もちょうどその頃から兼任の業務が忙しくなってしまい、結局実装については_main.cfgとシナリオ1のcfgのソースを書いて(しかも、殆ど、どっかからぱくってきた)、ゲームが動くようにした程度です。遅遅として作業が進まず、痺れを切らせた所長がその後の実装も、マップ作成も自分でやってしまったという次第であります。aramaki氏と違って本来責任感の強い私は、さすがに申し訳ないと思って製作支援を申し出ました。登場人物の画像をその辺から拾って来たり(没になりましたが)、仮マップがあまりに殺風景だったので、マップに飾りをつけたり(cfgファイルをいじって、がれきや石ころ、木などをマップにばらまいた)する程度は造作ないことでしたが、慣れないこともたくさんやりました。デスブレードLv3の刀に血のりをつけたり、主人公の旗にドクロマークをつけたりと、ドット絵職人の真似事もやらされたやりましたし、紹介動画も作りました。これもまあ思いっきり手抜きというか、見よう見まねでフリーの動画キャプチャーソフトと動画編集ソフトを拾ってきて、切り貼りしただけなのですが、いい経験になりました。なんでもやってみるもんです。その他には、敵リーダーなどの固有名詞(オークとかドワーフとかね)を、既存ファンタジー作品(おもに指輪物語)からとってきたりしました。
こうして列挙してみると、どこかからとってきただけで創造的なことは何もしていないようにみえます。数少ない創造的な仕事としては、オリジナルユニットの説明文は全部僕が書きました。個人的にはかなり気に入っております。オリジナルユニットについては、WURIの願望がダイレクトに表れており(グールの発展版が毒投射を持っていたり、強い斥候が居たり、等等)、アンデッドファンの皆様に喜んでもらえれば思っております。
aramaki (マップ作成)
所長コメント: 結局、aramaki作のマップは1面と2面だけ、3面はイベント配置上の問題から没である。他のマップは私が制作した仮マップにすぎない。その結果、やはり1、2面とそれ以外の面とでクオリティに明らかな差が生まれてしまっている。まあなぜaramakiがそれほどマップ作りに気合いを入れるのかは謎なのだが、「そのうち他の面もなんとかしよう」と言っていたので、確約だと解釈して気長に待つこととしよう。作中では、足の折れたトカゲとして活躍?虚弱さと槍投げの中途半端さは異常である。
本人コメント:
crows (テストプレイ)
所長コメント: 魔の山→死者の昼→死者の夜へと至る「難関」ステージの、超効率的攻略法、あるいはシナリオ設計上の欠陥を発見してくれた。Lv1ユニットの駆使・廃棄による資金稼ぎは実に圧巻であったと共に、設計ミスを露呈させた。この指摘が決定打となり、持ち越し金や村収入の減額に踏み切ったのである。作中では、魔の山のボスとして活躍。
本人コメント:
テストプレイから長い時間が経ち、記憶が薄くなっておりますが、下記に当時の感想等を記述いたします。
本作品は単純に敵が強いとったものとは違う難易度があるため「いかにしてその裏をかくのか」と言う要素を楽しむ事が可能でです。単純に一回クリアするだけでは得られないものがあると言えます。
製作者が想定していない戦術を自分が発見する事ができる、と言う楽しみは簡単には得がたいですし、そこからまた新しい形が出来上がっていく事もあります。
ストーリーについては多々ご意見があるとは思われますが、こういった形のものは少なさそうですし難易度とともに楽しめるのではないでしょうか。
philosophy (テストプレイ)
所長コメント: 難易度「難しい」に挑戦した回数はおそらくトップ。「難しいは、おれがクリアできるようではいかんのちゃう」という指摘から、「死者の昼」の難化を招いた人物でもある。苦情は彼に言って欲しい。作中ではネタキャラ大魔術師として活躍。
本人コメント:
spell (テストプレイ)
所長コメント: エルフステージで挫折。「レンジャーの数見て、心が折れた」。本人は枯れてしまったが、作中では再生+20の最強ゾンビとして今も活躍中である。
本人コメント:だからアンデッドは嫌いだって言ったのに。
協力
K. Yamamoto (ポートレイト作成:Zombie Macabre)
所長コメント: 縁あって、主人公のポートレイトを作って頂いた。ほんとに縁あってとしか言いようがないのだが、よくこちらの訳の分からぬ要求(「知的なゾンビ」を描いて欲しい)を受け入れてくれたものである。おかげで、せっかくの主人公に絵が無いという事態を避けることが出来た。誠にありがたい。まあ数面で骨になることはこの際忘れよう。
Jay Traub (英語修正)
所長コメント: v1.0.3公開後、すぐに「英語を修正してやろうか?」というありがたいメールを送って来てくれた海外の有志。快諾したところ、A4で20ページを越す修正ファイルを作成してくれた。こちらの意図がはっきりしなかった部分には注釈まで付けてくれていたので、相談もスムーズに進み、v1.0.4では英語の全面的改訂を遂行することができた。並ならぬ貢献をしていただいたので、クレジットにその名を付す次第である。
tou1 (テストプレイ)
所長コメント: spell のつてで有益なフィードバックをいただいた。もはや昔の話過ぎて具体的には覚えてないのだが、重要な変更につながったという記憶がある。