世界観設定

ウイルスによって人々が超常能力を獲得した世界。


「Exウイルス(エクストラウイルス)」とは、生物に取り付くことで遺伝子自体を書き換え、超常的な能力を発揮させる未知の因子である。そのふるまいがレトロウイルスによる病気の感染と発症に類似しているため「Exウイルス」と呼称されているが、医学上のウイルスの定義からは明らかにかけ離れた特質も持つ。
およそ30年前、中東某国の遺跡で発見された発掘品をバロム帝国に運んでいた輸送機が何者かにより撃墜され、発掘品の中に封じられていたExウイルスが成層圏から全世界にばら撒かれた。これにより世界中の人類の7割が感染者となってしまった。
ウイルスは感染しただけでは特に何の変化ももたらさない。しかし感染者が事故や事件に巻き込まれるなどして、激しい肉体的・精神的ショックを受けたとき、ウイルスが活性化し、感染者は発症してしまう。発症した者は人間を越えた能力を自在に使う事が出来る超能力者となる。
ウイルスは19年前のレネゲイド解放事件で世界中に撒布されたが、太古から存在自体はしていた。神話や伝説で語られる英雄や魔法使い、歴史で語られる著名な剣豪や冒険家は実はオーヴァードであり、様々な神話や民話に登場する伝説の武器や聖具はウイルスの力が伝えられたものだとする説もある。しかし、つい最近までは発症者の数はごく少数にすぎないものであり、それゆえにウイルスという存在が認知される事もなかった。
ウイルスに関わる者たちは「19年前のウイルス解放以前から存在し、かつ現代では再現できない、Exウイルスに関わる物品や技術」を「遺産(レガシー)」と呼んでおり、これらは現在でも古代遺跡などにいくつかが残っているとされている。なお、遺産を作り出したExウイルスには19年前に撒布されたExウイルスとは性質が異なる「古代種」なるものも存在し、より危険なものともされている。

Exウイルスは人の精神に干渉する性質を持つ。ウイルスは活性化するたびに宿主のエグザイルに対して、特定の「衝動(ハザード)」を引き起こす。衝動は5段階にレベル分けされており、そのうちの最上級であるレベル5の衝動を全くコントロールできなくなった感染者を、人間の理を逸脱した者「追放者(エグザイル)」と呼ぶ。エグザイルは破壊衝動や殺戮衝動など、自らの衝動を満たすことに一切の心理的躊躇がなくなり、人間社会への大きな脅威となる可能性を秘めている。エグザイルの中には湧き上がる衝動に理性が飲み込まれて獣のようになる者もいる一方、それまでとまったく雰囲気が変わらずに社会生活を送れる者もいる。ただし、どのような者であっても自身の衝動を満たすことを生存目的にすることだけは変わらない。

そしてExウイルスが蔓延し始めて30年の年月が経過した現在では、世界各国の遺跡から入手したレガシーを基に人工的にExウイルスを製造し裏社会を通じて世間にその姿を見せ始めていた。
「ハザードトリガー」と名付けられたそれは帝国だけでなく全世界を揺るがしかねない諸悪の根源となりうる代物だった。

感染者と非感染者の違いは明確で、身体の何処かにExウイルスが結晶化したものが出現する。ハザードレベルの上昇と共に結晶は身体の中に溶け込み、タトゥーのような痣に変わっていく。

物語の舞台は光と影の交錯する摩天楼

物語はバロム帝国特別行政区「ロフォカレ」で進行していく。中心街はきらびやかな高層ビルが立ち並ぶ一方で全てが全て豊かな生活を送ることが出来ているという訳ではなく、スラム街も存在。貧富の差と階級による身分の差が非常に激しく、国の光と影が伺える都市国家でもあります。内部は各勢力が分割統治をしている都市のように見えるが、実際は各階層間での組織の規律性と同調性がかなり強い。伝統的な都市では禁止されている行為でも、龍門では専門の実施ルートがあり、グレーゾーンの産業についても合理的かつ効果的な管理法が整備されている。

都市の運営は執政者と呼ばれる地位の人物が行っており、現在の執政者は城戸零士。城戸の統治は現時点では非常に高い評価を得ており、ロフォカレが一つの国家として独立し続けることが出来ている要因の一つと言える。
また、オルタナティブの世界で流通している紙幣「炉賦幣」の名称からも分かる通り商業的に成功を収めている国家でもあり、流通は非常に盛んで大財閥と呼べるような企業もいくつかロフォカレを拠点にしています。
更にもう一つの特徴として一つの種族や出身で構築された都市国家ではなく、様々な種族や出身の人物が存在している点も挙げられます。例をあげると、城戸は極東、牙狩局のオルゼンは帝国と純粋な行政区出身者はかなり少なめ。
治安維持組織である「牙狩局(タスクハント)」はオルゼンとキドを筆頭とした牙狩局特別督察隊以外の部隊もあり階級分け、部隊区分の明確化など高度に組織化されている様子が垣間見える。経済の発展に比例して相応の軍事力も持っている。街の外観モデルは香港。

Exウイルスとハザードトリガー

「Exウイルス(エクストラウイルス)」とは、生物に取り付くことで遺伝子自体を書き換え、超常的な能力を発揮させる未知の因子である。Exウイルスには現状三種類ある。
1. 30年前、成層圏から散布された通常のExウイルス「N型(ニュートラル)」
2. 世界各国に眠る遺跡から発見された太古のExウイルス「O型(オリジナル)」
3. オリジナルを元に人工的に生み出された「ハザードトリガー」

人々の多くは出生時または幼少期にN型に感染するとされている。
オリジナルとハザードトリガーには共通して感染者の体内のExウイルスを活性化させる効果があり、N型感染者が触れる(または注射)することで強制的にハザードレベルを向上させ能力の発現を促すことが出来る。
ハザードレベルが2まで進行した感染者は異能に目覚め、衝動に悩まされることは必至とされている。衝動はその衝動を満たすことでも抑えることが出来るが最新の医療によって投薬によっても衝動を抑えることを可能にしている。世界的に有名で感染者に関する医療や薬品の開発を行っている製薬会社「生命守護(ライフガード)」に申請することで、委託された病院やドラッグストアから衝動抑制剤(ダウナー)が定期的に届くようになっている。しかし世間の能力者迫害の意識が高い国ではダウナーが全感染者に行き届かないことがほとんどになってしまっている。

ハザードトリガーはダウナーとは正反対の特性を持った薬品として開発されている。勿論その開発元はライフガードではない。開発元不明の製品として流通しているが、その開発元はソートゥースの感染者研究部門。ダウナーとは対照的に衝動を助長する成分によってハザードレベルを強制的に向上させ能力の増強を図る薬品。その効果は一定ではなく、人によっては一回の使用でエグザイルに変異するケースもある。当然違法。ハザードトリガーによって即エグザイルに変異した事例を牙猟局では「過剰促進(グラトニー)」と命名している。

組織

牙狩衆

ソートゥースの思惑を阻止するために生命守護より組織された特殊戦闘部隊。
様々な種族からなる組織で近接戦闘・遠距離戦闘・アーツ術師による戦略・隠密行動など様々な分野に優れたオペレーターが集められた連合部隊。あくまで目的はソートゥースの侵攻阻止と、ソートゥースの被害に遭った難民の救助や保護とされている。だが、牙狩衆の実態は感染者が関わる問題全般の解決を担う、高い軍事力をも有する一大勢力であることにある。
Exウイルス感染症は医学的な症状のみならず、社会からの迫害と蔑視、またそれによる感染者と非感染者の対立などの問題を引き起こしている。そのため、牙狩衆は自暴自棄になって暴走した感染者たちなどの鎮圧、すなわち武力介入をも業務としている
結果として牙狩衆もとい生命守護では製薬会社でありながら熟練の戦闘部隊を雇用しており、有事の感染者からみの問題が発生した際には出動し、問題を「解決」することとなる。

ソートゥース

感染者組織。しかし、目立った動きも無く、いわゆる名前だけが知れ渡っている組織というような状態が長年続いていた。
しかし、新たな指導者である「ナキア」と「バーソロミュー」という双子の人間をリーダーとして台頭してからというもの、組織の状況は一変し、自分たちの目標を達成するためであれば暴力をもいとわない過激な感染者集団に変貌した。
ソートゥースの目標は、感染者の権利を取り戻すこと。そのためには「感染者は自らの立場に誇りを持ち、積極的に力をつけ、そしてそれを行使すべきだ」という理念のもとに動いており、目標を達成するために各々の国家に対して奇襲を仕掛け、都市の略奪を目論んでいる。
ソートゥースでは双子の姉である「ナキア」を頂点とし、その下にリーダー格とされる人物が、更にその下にそれぞれの部隊が持つというピラミッド構造となっている。リーダー格の中での優劣というものはナキアを除いては存在しないが、メフィストがパトリオットのことを苦手としているように好き嫌いの傾向はある。
シンボルマークがサーベルタイガーのような牙を持った獣であったことから、相対する組織であるタスクハントはその名の「牙を狩る者」になった

ロフォカレ特別特察隊

最終更新:2020年09月05日 17:25