Past:Sins

世界設定

※全体的にネタバレ注意※

崩壊以前の世界

  • 現代より少し未来の地球。技術力や文化は現代の地球と大きく差はなく平和な世界に思えたが国交違反や外交条約違反を繰り返す諸国が引き金となりWW3が勃発。第三次世界大戦時の核爆弾投下によって放出された放射線や有害物質による大気汚染が広がり世界は一気に荒廃していった。
  • 荒廃した世界に追い打ちを掛けるように宇宙より飛来した地球外生命体からの攻撃は大きな打撃を与え、荒廃はより深刻を極めた。
  • 人間同士が争っている最中で参入した強大な力を持った第三勢力の襲来で人類は一致団結することを迫られた。だが昨日まで睨み合っていた相手と良い連携が取れるわけもなかった。
  • しかし某国は以前から地球外生命体の存在の可能性を視野に入れておりその対策を行っていた。その宇宙軍を筆頭に人類は地球外生命体と交戦する。
  • 宇宙軍との攻防一体に痺れを切らした地球外生命体側がウイルス兵器を投下。白い楔を北米大陸に投下。宇宙軍の本拠地に投下された楔は宇宙軍の核たる司令塔を一突きで破壊し、人類は唯一の対抗手段を失ったといっても過言ではない状況に陥った。
  • 大打撃を受け宇宙軍という武器を失った地上には地球外生命体が闊歩し、人類は逃げ、隠れ、息を潜める生活を送るようになり、次第に大地を踏みしめるのは地球外生命体だけとなった。

物語の始まりは崩壊後の世界

  • ジャンルは近代SF的ダークファンタジー。
  • 一度文明が滅び再形成された未来の地球が舞台。崩壊の歴史を辿った地球は姿を変え、現実の地球に存在する大陸が存在しなかったり、あるはずのない大陸が存在したり、地理地形は現実の地球とは大きく異なる。再形成された世界は不安定で、それらはすべて地脈変動や天変地異、核戦争などが影響している。世界のあちこちに過去の文明の建物や遺跡(ここでいう過去の文明とは、現実の地球の文明)が多く残されている。また世界各地には核戦争などが爪痕を残すように、あちこちに地雷や不発弾が埋まっていたりする。人間同士の戦争の爪痕も然り、地球外生命体との戦争の爪痕は大きく、人間の身体を蝕む「ウイルス」を世界に残してしまった。
    • ファンタジーより近未来SFに魔法的要素を足した「Past:Sins」では電気はもちろん魔素という物質を利用した電子機器や自動車、鉄道なども多く存在します。各国各都市に技術力的な差異はあれどそこまで退廃した街や廃れた集落は少ない。電化製品や車などの移動手段は勿論、武器も近代的な物が多い。近代的な兵器を代表する銃器も存在します。しかし現代的な装備や電化製品や移動手段の多くはこの世界の住人からしてみれば過去の文明。忘れてはならないのはこれは「未来の地球」の話だということ。文明が発展した世界では現代にはないアンドロイドなどの機械生命体も存在します。反重力装置も存在するでしょう。AR技術を今より格段に進んでいるでしょう。近未来SF的要素を持ち合わせる反面、ファンタジー的な要素として人間以外の種族、突然変異によって生まれた人間と動物の混血種は、人間とは少し違った技術を持っているので、人間には出来ない仕組みを作り上げることが出来るでしょう。だが反対に人間に出来た仕組みを作り出すことはできないかもしれませんね。
  • この世界は蘇生が可能な世界である。蘇生した人間の身体には「穢れの烙印」と呼ばれる痣が現れる。この痣は一ヵ所に模様を作るように現れるが、この痣が五つ揃うほどの回数(つまり五回)もの蘇生を行うと人は死んでしまう。
  • 蘇生には大量の金貨が必要となる。蘇生を行った人間への報酬に加え更に大量の金貨が必要となる。それは何故か。これは金貨に含まれる微量な魔鉱石に凝縮された魔素が必要だからだ。魔素が凝縮された金貨もとい魔鉱石を熔解させた液体を、ウイルスが全身に循環しきる前に飲ませることでウイルスの進行を遅らせることが可能。ウイルスの進行を遅らせることが出来れば、一般的な心肺蘇生法などによる応急処置が可能になる。しかし金貨の熔解液はあくまでウイルスの進行を遅らせているだけに過ぎないため、専用の治療施設にて適切な薬剤治療を必要とする。世界中の医者はその金貨熔解液を「エリクサー」と呼んだ。
  1. 穢れ」とは、崩壊以前の地球外生命体との戦争で地球に蔓延したウイルスのことである。この世界の生物は常に「魔素」という目に見えない粒子を纏っている。この魔素は魔法を形成するときにも使うエネルギーでもある。この魔素は生物の生命活動が停止すると身体から離れ、地脈に還る。穢れは、その魔素が離れた一瞬に体内に侵入すること。体内に侵入したウイルスは身体を蝕み、宿主に病を発症させる。感染した肉体には黒い模様のような痣が浮き上がる。この痣は個人によって形や大きさが異なり、浮き出る場所も様々であり、この痣が浮き出る理由もはっきりとは分かっていない。
  2. 前述したようにウイルスが体内に侵入することで浮き出てくる黒い模様のような痣は一般的には認知されておらず、危険地帯に赴くことの多い業種の人間、つまり傭兵や冒険者など戦うことを生業としている人間たちにしか認知されていない。痣は冒険者の間で「穢れの烙印」の名で浸透している。
  3. 人間の肉体はウイルスに拒否反応を起こすのが正常だが、ある時拒否反応が起きず、ウイルスに適応した者が現れた。ウイルスに適応したその人物の肌は黒く染まり、身体に浮き出ていた黒い模様は肌色と反転するように白へと変わった。人間の身体能力を凌駕した能力を持ったその人物は後に「最初の魔人族」として語り継がれた。ウイルスに適応することで進化を果たした人類、それが魔人族である。魔人族はウイルスに適応しているため、人間が魔素を纏う様に、穢れを身に纏っており、穢れを糧に魔の力を扱うことが出来る。

人間以外の種族

  • この世界には人間の他に、突然変異で生まれた種族がいます。
動物的要素を身体に残した人間や、爬虫類の感覚の鋭敏さを兼ね備えた人間など人間と動物の混血種が存在します。その他にも小人化した人類や逆に巨人化した人類なども存在します。それらはそれらの先祖が穢れに侵されたが故に起きた突然変異とみて間違いはないはず。
  • この世界には機械の頭を持ち、人間よりも一回り大きな体躯を持った人型の機械生命体「グリッチ」という種族が存在します。グリッチとは文明崩壊以前の世界に生きていた人間たちの生き残りである。現在確認されているグリッチは全部で四人だが、彼らの発言から四人以上いることが推察される。特徴的なのはその外見、人間のような肉体を持ちながら機械的な構造の頭部を持つ。それもそのはずグリッチの肉体は彼らが作り出した自動人形であり、ただの器に過ぎないのだ。グリッチが崩壊後の世界を旅する理由はたった一つ、穢れの原因を除去し治療法を確立させること。そのために動く自身たちがウイルスに侵される危険性を回避するため彼らは器を用意し、安全な場所から遠隔操作を行っている。しかし稀に自身の身体を機械化し自らの足で行動しているグリッチも少なからず存在する。崩壊以前の彼らは、地球全体を脅かした謎のウイルスの原因を追究した科学者や医者などで、彼ら以外にウイルスに侵されずに生き残った人類は地中深くに隠された施設でコールドスリープ状態にあり、ウイルスの完全な除去と治療法が確立すれば古代人たちは解凍されるらしい。
  1. ウイルスが身体を蝕むのは人間だけではない。当然動物や昆虫、魚類と世界に生けるあらゆる生命がウイルスに脅かされている。動物などの生き物は人間に比べ抵抗力が弱くウイルスの進行が倍以上に早い。故に人間のような蘇生はほぼ不可能と言っても良い。動物としての面影を微かに残しつつ通常とは異なる異形な姿「魔物」に変貌してしまう。魔物と化した生き物は思考を放棄する。防衛本能は消失し、視界に入った生物をただひたすら喰らう化け物となる。本来思考を持たない魔物だが時折、考える頭を持つ個体が現れる。魔王と呼ばれる個体は経験から学び成長する高度な脳を有する個体であるため、出現したのち早急に始末をしなければどんどん進化してしまう非常に厄介な相手である。

穢れの正体と崩壊後の世界に生まれた人類の真相

  • トルトニス地方、バークス・アートストゥムの中心に聳える巨大な白い塔は地球外から突如飛来した楔だった。白磁塔とよばれるその塔はトルトニス地方の何処にいても全貌を見ることが出来るほど巨大で、飛来した当時からほの青い不気味な光を放っている。白磁塔は地球の侵略を目論む地球外生命体「エト」が地球に存在する生命を根絶するために撃ち放ったウイルス兵器であり、穢れは地球外から飛来した未知のウイルスであった。そして崩壊後の人類の原点はエトによって地球に派遣された調査員であった。簡単に侵略が完了する予定だったが崩壊以前の人間たちの抵抗が激しく「エト」と「人類」の戦争が始まった。最初はエトの優勢だったが、人類の最後の足掻き「レーヴァテイン」によってエトは月に縛り付けられ封印された。エトの攻撃は止んだが最初に放たれたウイルスは着実に地球を蝕んでいき、人類のおよそ半数以上が滅んだとされた。人類無き文明は崩壊し主人を失ったエトの使徒は、人類のいなくなった地球に根付いていった。
  • コールドスリープされている人類はエトを月に縛り付けている拘束兵器「レーヴァテイン」を起動し続けるためのエネルギーを作り出す「有機転換炉」に順番に送られる。グリッチたちが楔の破壊に成功するよりも早く全人類が有機転換炉に送られれば最後、人類は絶滅しエトの封印が解かれ、地球がエトのモノになってしまう。
  1. 余談だが、魔人族への進化にはまだ先がある。黒い肌から黒い甲殻のようなものを纏う様になる。身体はアバラ骨のような形状の甲殻に覆われ、脊椎が伸び尾として体外まで伸び、手足は長く鋭く伸び、頭部は固い殻に覆われる。人型の海老のような見た目になるが、これが魔人族の最終終着点、エトの種族となる。つまるところ崩壊後の世界に住む人間、「エトの使徒」はエトの種族において赤子のような存在である。

人類最後の希望レーヴァテインと「Magia,inc.」

  • マギア・インクは「マルコ・アルペジオ」を代表とする重工業企業/組織である。マギアは崩壊後の世界を形成する基盤を組み上げた大企業であり、世界が再構築された今も生活必需品の数々、ニクシアを警護するオートマタの生産、銃器など冒険者・傭兵を支える武器の生産、鉄道や乗用車などの交通網の整備も行っており、いまや世界になくてはならない存在とまでなったマギアだったが、近年はオートマタ開発者の育成だけに注力し、他の開発スタッフを「聖遺物」の回収調査の部隊に配属し、全世界で出土される聖遺物を探し回っている。
  • マギアは第二の月となる人工衛星「リリス」を打ち上げ、回収した聖遺物を組み立て完成したバリスタでエトが封印されている月を破壊し、地球と月の二つの星が互いに作用し合う自然の摂理を崩壊させることなく、元凶たるエトだけを壊すこと、それがマルコの計画であり、グリッチたちがいうように改造しようなどという考えは持ち合わせていなかった。しかしフラガラッハを起動するためには「第一の男」が必要であり、エルメスという男の存在が必要不可欠だった。そこでマルコはエルメスの肉体からクローンを生成し、自らがそのクローンと融合することで「エルメス」になろうとしている。マルコが「第二の男」となった後で、原初である「第一の男」であるエルメスを殺せば、欠番となった一番の席に「第二の男」であるマルコが座ることになる。存在としては第二の男だが、一の席に座ることでその権限はマルコに引き継がれ、フラガラッハの起動も行えるようになる。
  • 逆にエルメスたち、グリッチに聖遺物を管理させた場合、グリッチたちはフラガラッハで月を破壊する。しかし代替となる衛星を用意していない彼らの行いは結果として旧世界の人々も新世界の人々の双方を巻き込み、破滅の運命に向かわせる最悪のシナリオになってしまう。

  • エトを見事撃ち滅ぼした人類は月に残ったエトの死骸から遺伝子情報や細胞の一部を地球に持ち帰り「Magia,inc.」と「グリッチ」が共同で研究を進め、「穢れ」に対する抗体を作り出すことに成功。
  • 白磁塔は隔離され解体作業と同時に構造や成分の解析が進められる。
  • 地下に眠る有機転換炉で眠りについていた人類を地上の世界に目覚めさせるため、Magia,inc.は完全に穢れを浄化した空間を用意。人工島を建設し薄いガラスのドームで島とその周辺海域を覆い、温室庭園のような空間を作った。穢れに耐性のあるエトの使徒とは違い、穢れに耐性がない人間たちは皆、温室の中に入れられた。
最終更新:2020年05月22日 00:50