概要

ネモリアの戦いとは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ686年3月、ロードレア国軍とゾリメック国軍の間に起きた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


▲686年3月における勢力図

アゾル城の戦いにおいて国を失い、ロードレア国へと落ち延びたラディアを待っていたのは、思いのほか手厚いもてなしであった。
更にロードレア国主レイディックは、アゾル国の敵討ちと称してゾリメック国への軍勢の派遣を決意、その総大将にはラディアが抜擢され、副将にはソリカディス事件によって謹慎していたザロをあてた。

勿論これは、敵討ちに燃えるラディアを旗頭に飾り、実権をソフィスアリガルボルゴスといった腹心の将に持たせて行わせた軍事行動である。
友好国(文献によっては「同盟国」だったともある)であったアゾル国の仇を討ちたいという気持ちが無かった訳ではないが、真意はそれを利用した領土拡大にあったと見てまず間違いはない。
それは、戦国の時代ではとりわけ後ろ指を指される行為でもなく、寧ろ至極自然な流れであったが、逆に後ろ指を指されるべき男もいた。
ゲーリー国国主マラである。
彼は、ゾリメック国を利用するだけ利用すると、アゾル国の旧領をほぼ全て独占し、ロードレア国の軍勢に攻め込まれて救援を求めるゾリメック国の要請を完全に無視している。
ここにきて、初めてサリーアも自らが利用されていたことに気づかされた。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ロードレア国軍
軍勢
ゾリメック国軍
総兵力17000 兵力 総兵力9000
ラディア 総指揮 サリーア
ソフィス 軍師
主要参戦者

ラディア

ソフィス

アリガル

エルジレア

ボルゴス

サリーア

ナッシュ

グルディア

レイ

エリス

ミルフィー

ザロ

戦闘経緯


ロードレア国軍の侵攻により、ゾリメック国の国境は突破された。
その進軍を食い止めるべく、サリーアエリスナッシュグルディアの制止も聞かず自ら陣頭に立ち最前線へと向かう。
しかし、民にも兵にも愛されるサリーアも、戦いにおいてはロードレア国軍の敵ではなかった。
先陣をかってでたグルディアは、総指揮官でありながら、自ら最前線へと駆け出したラディアの突撃の前にあえなく討死を遂げ、ナッシュ部隊も破壊力に関しては「双璧」と称される猛将アリガルボルゴスの前に半壊する。

バルディゴス討伐連合軍の戦いでも、一連の指揮能力の高さと武勇を轟かせていたラディアだが、実際にその姿を見ていない多くの将が「噂だけが独り歩きしている」と思っていた、しかしこの一戦において、その強さが偽りではなく本物であることを認識、新参者でありながら、これ以後ロードレア国の主力将軍に名を連ねることとなる。


戦いの結末

緒戦から苦戦を強いられ、グルディアを失ったサリーアは、休戦を申し込む決意を固める。
ロードレア国軍では、ボルゴスエルジレアが、この申し出を無視してゾリメック国本土まで攻め込むべしという意見を述べるが、ラディアソフィスがこれに反対する。
サリーアの人柄から、利用されていた事を理解させれば矛を収めるということと、このままゾリメック国を武力で平定すれば、ロードレア国軍もある程度の損害は覚悟しなくてはならないが、ゾリメック国を属国とすれば、戦わずしてそのまま国を傘下に収めることができると主張。
結局この提案により、ゾリメック国はロードレア国の傘下となるのだが、その会見にもマラの手が赴いていた。

サリーアは、会見の場に僅かな供だけを連れて到着、ラディアもこれを丁重に出迎えるが、そこにゲーリー国軍師リディアニーグの暗殺者が紛れ込んでいた。
たった一本の矢でラディアを狙えば、それが成功しようと失敗しようとロードレア国の将がその場でサリーアを斬り、両国が再び猜疑と憎しみの関係に逆戻りする。
だが、リディアニーグの策を受けた暗殺者は、既にその行動を予期していたソフィスによって妨害される。

一連の報告を聞いたゲーリー国では、リディアニーグが先手をうってこちらからゾリメック国を侵略するべきという提案をするが、これをマラは不採用とした。
手に入れたばかりのアゾル国の領地を統治するにはまだ時間が必要だったことと、南で急成長を続けるカルディスに隙を見せる訳には行かなかった為である。

最終更新:2024年08月08日 12:17