概要

霧の箱舟作戦とは、スレイヴギアウィルス事件により混沌の時代を迎えていたレイトン9683年のビバスク大陸を舞台に行われた、ホワイトフォックスクロスクリムゾン連合軍と、汚染スレイヴギア最大の決戦である。


戦闘に至るまでの背景


レイは、本来ホワイトフォックス隊のメンバーではなく、コールドスリープを続ける彼女たちを守備していたAI型スレイヴギアであった。
彼女は眠り続けるホワイトフォックス隊を見守り続ける日々を送るうちに、人間という存在にはどこまでのことができるのか試したいという感情が生まれ、ホワイトフォックス隊を目覚めさせ、定期メンテナンスと称して有人機が無人機に見える認識疎外を施し、この混迷の世界に過酷な旅をさせていた。

スレイヴギア掃討作戦の直後、残党軍と戦ったホワイトフォックス隊だったが、その時戦傷によってメンテナンス(認識疎外)を先送りしていたバプティが、「敵は無人機ではない、有人機」という事実に気付き、レイの正体にまでたどり着く。
レイは、すべては人類の可能性を見る為にこんなことをしたと言い残すと、ホワイトフォックス隊の前から姿を消した。

その後、アイが、誰のスレイヴギアでも装備できるということを知ったレヴォネは、彼女の先天的な特殊なルーナ、通称「ゼロ型」に興味をもち研究、汚染スレイヴギアから強制的に装備権を剥奪するウィルスを発案する。
その完成をまつ傍ら、ホワイトフォックスはメンバーを2手に分けて、西の果てとかつての首都ミドルースの探索をはじめる。

一方、クロスクリムゾンでは、それまで破戒の血族と思っていたホワイトフォックス隊が、敵ではなかったのかもしれないという現実に戸惑っていたが、ミドルースの基地に残っていたレピリカの元に汚染スレイヴギアが強襲を仕掛け、首都を偵察にきていた零式・改アマリリスバプティフィオナティアに助けられ、敵ではないことを確信する。
更に、遠距離通信を可能とする通信中継器を共に修理して、南アリナス山脈の本拠地にいる仲間に「ホワイトフォックスクロスクリムゾンは協力できる」という通信を送る。

こうして時はながれ、12月にホワイトフォックスクロスクリムゾンは合流。
同じころ、レイもまた汚染スレイヴギアを集結させていた。
彼女は、人類の可能性を信じると同時に、「それ相応の試練を与えなければならない」とも考えていた為、迎撃の準備を行っていた。

連合軍はレイの基地を探す為、各地を偵察していたが、ディーマイナが集結する汚染機を発見、追尾してついに基地の居場所を見つけるも、自身も発見され攻撃を受ける、撃退しつつも翼を破損し、かろうして森に不時着するが、身動き取れなくなったところを狼たちに襲われて落命した。
ディーマイナの犠牲によって判明した基地に全軍総攻撃を仕掛けることとした連合軍、濃霧の中の奇襲だったことから、作戦名は「霧の箱舟」と名付けられた。


両軍の戦力


ホワイトフォックス
部隊
主要参戦者

アザミ

ティア

ドーリンファルト

トワリ

フィオナ

レイ

ヌートリア

アオゾラ

アマリリス

零式・改

バプティ

クロスクリムゾン
部隊
主要参戦者

リアン

レピリカ

狼々

グレイア

セナリア

シューティオン

シューティオン

シューティオン

リベレイター

リベレイター
ヌートリアは2機、汚染スレイヴギアの総数は不明、確認できるだけで39機


戦闘経緯


目的地は、基地の内部にある周囲のスレイヴギアに命令を送る端末であった。
そこを占拠して、レヴォネが完成させたウィルスを撒いてスレイヴギアを無力化させるのが作戦の全容であった。
アザミバプティセナリア」隊、「レピリカティア」隊、「リアン狼々トワリ」隊、「フィオナアマリリスアオゾラ」隊、「ドーリンファルト零式・改グレイア」隊が、それぞれのルートから進軍を開始する。
しかし、奇襲は読まれていたのか、大量の汚染機に加えて、ヌートリア二機(過去の戦争時に鹵獲されていたものと推測される)までもが待ち構えていた。


更に、基地に突入するにもダミーの扉があったことから、アオゾラは、自身の武器の特性をいかして、突入口を発見するべく突出する。
本物の扉を発見し仲間に座標を伝達、そこに攻撃を仕掛ける様に通信を送るが、自身も既に限界まできていた為その砲撃によってシグナルロストする。


激戦は続き、傷を負った狼々は、一旦後方の補給艦にまで後退し、密かに持ち込んでもらったラストジャッジメントに乗り換える。
アザミリアン隊は合流し、共にヌートリアを一機撃墜するも、バプティは接近戦から暴走ウィルスを流し込まれ、「思考を奪われる前に仲間の手で討ってほしい」とアザミによって撃たれた。


アマリリスフィオナは基地に突入、待ち受けるレイと激戦を繰り広げる。
攻撃によって発生した火災によって、防火シャッターが自動作動して降りてくるが、フィオナが自らのシールドで身を挺して食い止めるも、シャッターによって切断される。
しかし、真の目的である自分に注意を向けさせている間にレピリカトワリを密かに突入させることには成功し、ウィルスの散布に成功する。
これにより、一度は機能を停止した汚染機だったが、再起動を開始し、更にバーサーカーモードを発動させる。
完成させたばかりのウィルスに対してなぜこのような現象が起きたのかは、「ウィルスが完璧ではなかった」、「どんなウィルスであろうと関係なくバーサーカーモードを発動させるプログラムがレイによって追加されていた」など、仮説はいくつかあるが現在も謎となっている。

シューティオンリベレイターは次々と撃破され、補給艦も撃沈され、全滅は時間の問題となるが、そこにラストジャッジメントに搭乗した狼々が到着する。
ラストジャッジメントは、次々と汚染機を撃墜していくが、この機体を作り出したのは、スレイヴギア暴走ウィルスを生み出した男と同一人物であった。
彼は意図的に人類を混乱と滅亡に導こうとしていたのか、突如として「仕組まれていた」暴走をはじめるラストジャッジメントが、敵味方の区別なく襲い掛かる。
しかし、ドーリンファルトリアンの犠牲、バーサーカーモードを発動させたアザミ零式・改の特攻によってラストジャッジメントは破壊され、戦いは終わりを告げた。


戦いの結末

アザミ零式・改は機能停止し消息不明となり、かろうじて救出された狼々も、自身が行った事のショックから幼児退行する。
多大な犠牲を払いながらも作戦は成功し、汚染機の活動は停止した。

その後、レピリカや生き残ったクロスクリムゾンメンバーはホワイトフォックスに合流、完成したウィルスを使って各地を転戦し、残された汚染機を機能停止させていき、9688年最後の汚染スレイヴギアを無力化させた。
人間の可能性を観測したかったレイは、その代償も必要と考えていたのか、汚染機と自分を共有させ、汚染機の消滅と同時に自らも眠りについた。

こうして、汚染スレイヴギアに怯えて暮らす必要のなくなった世界は、ゆるやかだが復興をはじめる。



最終更新:2024年07月31日 02:04