概要

リボンの戦いとは、蜉蝣時代の戦乱の中で、アルファ699年3月、ロードレア国軍とベルザフィリス国軍の間に起きた戦いである。
ただし、本来の目的は、ロードレア国、ベルザフィリス国共にロッド国への遠征であり、この両国が衝突したのは偶発的な事故として扱われている。


戦闘に至るまでの背景


▲698年8月における勢力図

ロードレアの内乱を勝利したのはヴェリアであり、彼が国主となった新たな人事において、西伐(対ロッド国)総指揮官に任命されたのは、それまで各地の国境を渡り歩いていたシルヴァスであった。
ロードレア国軍は再びロッド国と戦端を開き、まずはクルス山地方面に向かってシルヴァス率いる軍勢が出陣した。

時同じくして、この時点ではロードレア国との衝突を避けて友好関係を結んでいたベルザフィリス国も、ル・ヴァラヴァ・ザードの戦い直後の混乱時にロッド国に掠め取られたリッドゾーン盆地地域を奪還するべく、この出陣に便乗してスタンスを指揮官とした軍勢を派遣していた。

ロードレア国軍は東から、ベルザフィリス国軍は西から順調に進撃し、それぞれ領土を広げるが、ロッド国軍も本格的な防衛部隊を派遣して、防衛ラインを敷いた。

今回の遠征はそこまで本格的な大兵力を率いているわけではなく、あくまでも辺境地帯の奪取にあった為、本来ならばこの時点で目的を達成した両軍は、深入りを避けて本国へと帰還する筈であったが、ベルザフィリス国の猛将デイロードは、このまま大きな戦いをすることもなく撤退することに不満を持ち、せめて一戦を交えなければ引き返せないと、指揮官であるスタンスを無視して独断で軍勢を前進させる。
彼は元々スタンスのことを「たまたま自分より先に仕官していただけの男」と認めておらず、今回の派遣が本国から遠く離れたことをいいことに、独断専行が特に目立っていた。

この時、深い霧のせいで彼がロッド国軍と誤認したのが、ロッド国軍への威力偵察を行っていたロードレア国軍であり、デイロードは勘違いしたままロードレア国軍へ突撃を開始する。

ギザイアが策略をもって両国を同士討ちさせたという説もあるが、これが本当に彼の策略なのか、偶然の事故だったのか、その真相は謎である。
どちらにしても、ベルザフィリス国のデイロードレガードは、持ち前の性格もあり、指揮官を無視して独断で動いた結果の遭遇戦であったことだけは確かである。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ベルザフィリス国軍
軍勢
ロードレア国軍
総兵力35000 兵力 総兵力32000
スタンス 総指揮 シルヴァス
軍師
主要参戦者

スタンス

デイロード

レガード



シルヴァス

メネヴァ

ノース

ファクト



戦闘経緯


デイロードの独断専行を制御できなかったスタンスだが、実際に戦端が開かれた以上無視するわけにもいかず、全軍を展開した。
レガードデイロードの猛攻はすさまじく、ロードレア国軍の前線はおされていくが、シルヴァスは敵の前衛の猛攻が、所詮は猪突に過ぎないことを見破ると、第二陣に槍衾を用意させ、第一陣を後退させて追撃してきた部隊を一気に撃退する。
更に自ら最前線に突入すると、混戦状態を作り上げ、デイロード部隊を大きく押し返す。

メネヴァ部隊もレガードを撃退するが、この二人が後退したことで冷静さを取り戻したベルザフィリス国軍は、霧が晴れたこともあり、ここでようやく相手がロードレア国軍だということに気付き、急いで全軍を撤退させていった。


戦いの結末

ロードレア国と正面から戦うことを避けていたベルザフィリス国にとって、この戦いは勝敗よりも今後の両国の関係性について大きな悩みの種となった。
ディルセアは、すぐさまロードレア国に今回の戦いが不幸な事故であったことを記した書状を送り、交戦の意志がないことを示すと、ヴェリアの新国主就任に対しての祝いと称して黄紫水晶を贈った。

二色からなるこの宝石は、「いずれあなたの色に染まります」という意味を持ち、主従完成にある国にのみ贈られる特殊な貢ぎ物であった。
これらの対処により、ロードレア国との開戦はひとまず凌げたベルザフィリス国。
両国が本格的に激突するのは、この数年後のこととなる。

なお、後年になって、あの時本気でロードレア国に臣従するつもりだったのか?と聞かれたディルセアは、「いずれっていうのは明日か?100年後か?」と笑って答えたという。
また、この時の失態をガイヴェルドに叱責されたことが、後年のデイロードの反乱の原因ともいわれている。


最終更新:2024年08月19日 20:02