概要

第2次エィディスの戦いとは、アルファ694年2月、シャリアル国とベルザフィリス国軍の間に起きた戦いである。
単独の戦いではなく、シーア海戦エンパイアコスモスの戦いに呼応して行われたルーディア包囲網作戦の一環である。


戦闘に至るまでの背景


▲693年11月における勢力図

アル国とベルザフィリス国は、国運を賭けた最大の海戦シーア海戦を控えていた。
そこで、ルーディア包囲網の一環として、アル国はシャリアル国、バルド国に牽制の出陣を依頼。
これに対してバルド国は、バルドの国替えによる人事の再編により出陣は不可能と、明確なサボタージュを決め込むが、シャリアル国はフォールに一軍を与えて、国境に攻め込ませた。
この時点では、シーア海戦はまだ始まっておらず、フォールが出陣したのは693年11月であった。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

シャリアル国軍
軍勢
ベルザフィリス国軍
総兵力15000 兵力 総兵力9000
フォール 総指揮 レニィラ
軍師
主要参戦者

フォール

ゾゥド

ゾルデスク

メイ


レニィラ

シレン

デイロード

アルシェ



戦闘経緯


この戦いは、ベルザフィリス国軍の目をこちらに向けさせるための牽制であったため、フォールがどこまで真剣に進軍を考えていたかは不明である。

対するベルザフィリス国は、包囲網との戦いで、優れた将を各地に分散して派遣せざるをえなかったため、この時エィディス平原の最も近くに駐屯していたシレンに周辺の部隊を集結させ、指揮官として、いまやルーディアの懐刀になっていたレニィラ、補佐にアルシェ、援軍としてデイロードを派遣する。

両軍は対陣するが、前回のエィディスの戦いで山の陣地を奪われるという苦汁を飲まされたフォールは、この戦いではあえてニィロゥ山に陣を敷き、シレンを相手に攻めると見せては退き、山の陣地を奪いにきたと知るや、反転して再布陣して待ち構えるなど、虚々実々の駆け引きを繰り返し、彼を苛立たせた。

こうして両軍は、睨み合いを続けながら694年の2月を迎えるが、ここにきてエンパイアコスモスの戦いアル国が敗れたという情報が入り、フォールは、これ以上の牽制は必要なしと判断して撤退をはじめた。

シレンデイロードも猛将ではあったが知将ではなく、兵力の差を個人的武勇で逆転できると信じるタイプの将であり、一戦もしないで敵が引き上げるのを見ているのかとレニィラに進言する。
これに対して、「確かに敵軍は撤退するが、敗れて撤退するわけではない、兵力の差は依然こちらの方が負けている」と、追撃をせず、守りを固める事を主張するレニィラだったが、彼らは命令に逆らい、別動隊を率いて追撃を開始した。

2月5日、シレンデイロードは、最後尾のゾルデスク部隊に追いつきこれを打ち破るが、反転してきたメイゾゥドフォールに退路を断たれて挟撃される。
本来ならこれで壊滅するはずのベルザフィリス国軍だが、シレンデイロードの個人的武勇は、敵をひるませ兵士を勇気付け、彼らがただの猪ではない、罠を噛み破る猪だということを知らしめた。
これ以上の攻撃は消耗戦になると判断したフォールは、レニィラ隊が到着する前に撤退した。


戦いの結末

シャリアル国としては、アル国への義理は果たし、今だにルーディア包囲網が続いていることを証明した。
その一方でベルザフィリス国は、シレンデイロードが個人的武勇を国内外に見せつけたものの、指揮官の制止を聞かずに戦略的に意味のない戦いを行ったことに、レニィラは一抹の不安を覚えることとなった。
この不安は、将来「血の16日間」で現実のものとなる。


最終更新:2024年08月14日 22:50