概要

ローヴァー攻略戦とは、ルーイガルド17327年9月、六界連合軍ローヴァー国の間で行われたルーイガルド侵攻作戦中に起きた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


カスタリアの戦いに大勝を飾った六界連合軍は、その戦果をもってローヴァー国へ降伏の使者を送った。
使者に選ばれたのはエリシアであったが、ローヴァー国は国王ファンデルスから、臣下、民衆に至るまで、侵略者である六界連合軍に怨嗟の目を向けていた。
エリシアは、説得術として、ハイネスブルの戦いにおいてローヴァー国軍が積極性を欠いていたことを指摘、将来を見据えてわざと連合軍を逃がしたとその行為を賞賛した。その言葉の意味がわからないファンデルスであったが、「ベレル国、スパルス国は、ハイネスブルの戦い後、連合軍に敗れたローヴァー国を救援する、という口実により実質上ローヴァー国を侵略していた。
特にスパルス国は土地が痩せていて、このローヴァーの領土を手に入れる口実をずっと捜し求めていた筈」とエリシアに指摘されると、長年の仇敵だったスパルスベレル国が簡単に共同作戦に応じたのも不自然だと考え始める。
一度疑心を持ってしまえば、あとはエリシアの舌戦によって、ファンデルスの心は、連合軍側に傾き始めていた。

しかし、三年前、サルディーシャ国に敗れたローヴァー国に、疎遠と思われていたラスブロスローヴァー国救援の軍勢を送っている。それを恩に感じていた将軍はファンデルスを説得した。
再び揺れ動くファンデルスだが、そこに六界連合軍スパルス国の首都を陥落させたという報告が届き、これに完全に心の折れたファンデルスは、降伏を決意する。

これでまとまったと思われた交渉だが、一部の将軍が独断で動き出しエリシア暗殺を企む。
間一髪で生還を果たしたエリシアは、これがファンデルスの意思ではなく、暴走した一部の将軍の独断ということを考え、交渉の再開を考えるが、ストライアは、独断でカオスジュディスたちを動かし、ローヴァー国首都へ軍勢を差し向けた。

命令違反を犯し、何も知らない仲間の部隊を利用してまで出陣したストライア
彼がそこまでこの国に拘ったのは、ローヴァー国が持つ他国を遥かに凌駕する規模と設備を誇る「港」に原因があった。
このまま遠征軍が進軍を進めた場合、ベレル国からローヴァー国を経由して背後を襲われる可能性を完全に潰す為、また、場合によってはこちらからベレル国へ進軍可能とする為、更には、将来的に連合軍の遠征が成功を重ね、シャクティアナ帝国にまで軍勢が進めば、伸びきった補給路を解決するために、ローヴァー港から直接シャクティアナ帝国へ向かう海路の確保も必要であった。

そして、サルファーたち本陣も、そのことを知っていながら、必要以上の侵略を行えず、外交戦略に拘っていた為、ストライアは電光石火の独断専行で出陣を決意した。

完全な命令違反でありながら、連合軍本陣が彼に対して一切の処罰を行わなかったのは、自分たちがやりたくても建前上できなかった事を、ストライアが独断で行った為、見て見ぬふりを貫いた為である。
これは決して穢れ役を買って出たという美談ではなく、自分が罰せられないという明確な自信の元行われた「戦功のため」の行動であった。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

六界連合軍
軍勢
ローヴァー国軍

参戦国
総兵力14000 兵力 総兵力9500
ストライア 総指揮
クリスアーノ 軍師
主要参戦者
第5部隊【サルディーシャ国部隊】兵力3000   ローヴァー国第1部隊 兵力3000

カルス

ガディア

クルス







第9部隊【シルティア部隊】兵力6000   ローヴァー国第2部隊 兵力2500

ジュディス

クリスアーノ

ラギリアス
第14部隊【ヴァルキリア部隊】兵力5000   ローヴァー国第3部隊 兵力1500

ストライア
  ローヴァー国第4部隊 兵力1000


戦闘経緯


再三の停戦の使者をストライアは無視、これに対してファンデルスは、エリシア暗殺を実行した将を捕らえて処刑して降伏の意思を見せるが、その使者すらもクリスアーノが秘密裏に処理、他の将には使者の存在すら知らせなかった。

これは、ストライアクリスアーノにとって、先のダルスバード艦隊消失で失墜させた信頼を回復させるため、とにかく戦果が必要だったためである。
ローヴァー国軍は、あらかじめ軍勢の一部を外に伏せて挟撃を仕掛けようとするが、ストライアに策を読まれ、逆に誘い出された所を攻撃され壊滅、そのまま首都決戦へと突入するが、ファンデルスは降伏を決意した配下の将によって討たれ、ローヴァー国は完全な六界連合軍支配下となった。


戦いの結末

結果的にローヴァーの港を手に入れた六界連合軍は、ビアスコア帝国への陸路隊と、ベレル国への海路軍に軍勢を別け、それぞれのルートで進軍を開始することとなる。
なお、この戦いは六界連合軍の戦いにおいて最も無様な戦いと呼ばれ、誰が主導権を握っているのかもわからず、外交でいく筈が抜け駆けの戦いになったりと、方向性が次々と変化したことから、兵士達は「貴婦人の散歩の様な気まぐれの戦い」と呼んで話の種とした。


最終更新:2024年08月19日 01:10