概要

ラクトの戦いとは、ザールック3330年11月、アトレティア内乱最後の戦いとして、ガザデルーポルスの間で行われた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


▲3330年前後の勢力図

グスティナの戦いにおけるロザンド戦死の報告は、ガザデルーポルスにとっては歓喜の報告であった。
いつかは決着をつけなければならない巨大な敵が、それまで彼らにとって歯牙にもかけていなかったビーストバリア国に敗れたのだ。
これで、アトレティア国の実権を握る実力者はガザデルーポルスの二人に絞られた。
こうして、最大派閥であった二人は、ついにラクトの地にてアトレティア国の覇権を巡って直接対決を迎えることとなった。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

ガザデルー
軍勢
ポルス
総兵力68000 兵力 総兵力41000
ガザデルー 総指揮 ポルス
軍師
主要参戦者

ガザデルー

バリナ

マリミア

シゴラ

シャラ

ポルス


戦闘経緯


両軍は、ラクトの地にて布陣するが、既に兵力でも将の人材でも、ポルス軍は明らかに劣っていた。
当初は、決戦に臨んで意気揚々としていたポルスであったが、地盤固めを進めていたガザデルーとの間に、いつの間にか戦力差が開いていることを知り、対陣中に色々と策をうったが、策略においてもガザデルー陣営が上手であり、ポルスが打った策はことごとく見破られた。

こうして、ポルスの切り札はいつの間にか「デュアル・ムーン」だけとなっていたが、ガザデルー軍はこの兵器の存在を知らず、もしくは知っていても、多少強力な砲撃くらいにしか思っていなかったのか、まったく警戒していなかった事もあり、強力な兵器による不意打ちが成功すれば、逆転の可能性はまだ残されていた。

しかし、ポルスの発射命令に反して、デュアル・ムーンは発動することはなかった。
後になって判明することだが、この兵器の完成に尽力したコルディアは、戦局がどう動いても自分に有利に事が運ぶ様に、密かに兵器の発動をストップさせる細工をしていた。
コルディアは、内乱を長引かせて両軍と商談を続けるか、ここで一旦内乱を終結させて、アトレティア国を統一させた上で外征させ、国のお抱えの商人として独占するか、今後の流れを両天秤にかけた結果、後者を選んだ。

こうして頼みの兵器も使えず、追い詰められたポルスガザデルーとの正面決戦に挑むが、戦いはわずか一日で決着がついた。

ポルスは捕らえられガザデルーによって処刑され、その兵力と領土、そしてポルスが完成させながら、ついに実戦での使用されなかった新型艦砲「デュアル・ムーン」も接収された。


戦いの結末

この戦いをもって、アトレティア内乱ガザデルーの勝利で幕を下ろすこととなる。
形だけでも存続していた王族を排除して自ら王位に就いたガザデルーは、今回の内乱に際して狼狽するのみだったフォック、そして一切の協力を拒否したセルカティーナの両者を左遷してその艦隊を没収、シゴラマリミアシャラバリナといった同郷の仲間に大きな権限と戦力を与えて、完全なる独裁体制を作り出す。

この時、本来なら部下にできた人材(ポルスセルカティーナフォック)を一度に手放してまで独裁体制に拘ったことが、この頃勢力と人材を密かに増強させていたビーストバリア国との対比としてよく取り上げられる。

なおコルディアは、自分がデュアル・ムーンの発動権を握っているということを知られれば、今後関係のない事まであらゆる嫌疑がかけられると思い、二度とデュアル・ムーンには近づかず、ガザデルーもそれほどこの兵器を重要視していなかった為防衛のために砦に設置するに留まったが、これが後のルクフェルの戦いにおける敗北に繋がることとなる。


最終更新:2024年07月02日 02:46