GLQ229 [海咲 涅根]

涅根さんが入室しました
涅根 : (―――「えっと…」
涅根 : (「涅根。」
涅根 : (「“堕海柵”、ちゃんと決めれなかった。多分数日で封印が解けちゃう。」
涅根 : (「――― ……は?」
涅根 : (―――時は数刻前に遡る。 否、もう半日ほど経ったか。
涅根 : (「…… 海咲、ソレ。 ……本気で言ってんの?」
涅根 : (あまりに信じ難い事を告げられて、聞いた瞬間は頭がどうにかなりそうだった。
涅根 : (自らのしでかした事をまるで自覚していない様子にも。 …だが、事態はそれどころでは無くて。
涅根 : (とにかく、起こってしまった事に対処する事が先決だった。
涅根 : 「――…とにかく。今からでも風谷呼んでネシスに向かわせて ――どうせ見てるでしょアイツ。今ならまだ間に合うかも――…」
涅根 : (――結果としては間に合った。 というか、先読みしていた奴が居た。
涅根 : (「海咲は甘い所があるからね…」そう辟易と吐いて去って行く。 風谷=ルインズベルト。
涅根 : (四天王…一応は仲間の一員。 …まあ、結果としては助けられた訳だ。気に入らないけど、流石に感謝するっきゃない。
涅根 : (気絶しているターゲットからアーティファクトを奪った、とか。 …シンプルすぎて盲点だった。
涅根 : ………(まあ、そういう事で。
涅根 : (大きな問題は解決した。 致命的な状況悪化は防げた。 それは、いい。
涅根 : (が、 それならいい、とは行かない訳で。
涅根 : (「………海咲。」
涅根 : (「後で、 ちょっと来て。」
涅根 : (―――…『四天王』の冠が与えられたと同時に、用意された自分用の部屋。…部屋と言っても洞窟の一部みたいなものだし、殆ど使った事も無かったが。
涅根 : (そこで、待つ。 頭を抱えて、冷えそうにもない頭を冷やしながら。
海咲さんが入室しました
涅根 : ――……(ゆっくり顔を上げて、来訪者の方を見る
海咲 : ・・・。
海咲 : (ドアからゆっくり入ってくる
涅根 : …(海咲を見遣って)…
涅根 : …適当に座って。
海咲 : …うん。
海咲 : (すたすた歩いて、座る
海咲 : …何。話って。
涅根 : (使って無さすぎて殺風景な部屋だが、テーブルと椅子が一応置かれている
涅根 : …(そんな海咲の声色と、顔色を窺い)…分かんない?
海咲 : 
海咲 : いじわるは辞めてよ。わかんないよ。
涅根 : …そ。(抑えてはいる。いる…が。 滲み出る感情からか、部屋の空気は妙に重く
海咲 : 
涅根 : (海咲の対席に腰掛け
涅根 : なんでそんな馬鹿やったの。
海咲 : 
海咲 : バカやったって…何よ。
海咲 : (視線は逸らさず、涅根を見て。少し、不安そうに
涅根 : ……“堕海柵”だよ。 あの人――イルミナのアーティファクトを封じきれなかったら、
涅根 : どういう事になってたか、分かってるわけ?
海咲 : わかんない…し、
海咲 : 堕落させきらなかったのは、イルミナが、まだ仲間になれるかもって思ったから…
涅根 : …海咲、言ってたよな。イルミナのアーティファクトは、ネシス<あちら>とルインズベルト<こちら>を繋ぐ要。
海咲 : うん…、、、言った。
涅根 : だから捕らえた…って。ま、ソレが建前な事くらい解ってるけどさ。 …オレは、だからこそ捕らえる意味があると考えてた。
海咲 : た、建前って…、、え?
涅根 : …あの人のアーティファクトは危険で。 海咲がどう願ったって、現状あの人は「唯我の仲間」で。
涅根 : なのに、何の処置も無く元の場所に返しちゃったらさ… どうなるかぐらい予想付かない?
海咲 : ぅ………何よ、説教する為に呼んだの?
涅根 : 説教されるような事したんだよ。まだ分かんないの?
海咲 : …。。。
海咲 : そうね。
涅根 : …最悪、「唯我」一味がこぞって此処に襲い来るよな。 オレ達だけじゃない、ルインズベルトの民全員が危険に晒される。
海咲 : 私が、イルミナを虐めて、しかも帰したから…
海咲 : 怒りを買うだけ…って言いたいんでしょ…
涅根 : あぁ、攻め入るうってつけの理由も出来てるからね。 …ま、ソレはオレの仕業でもあるけど。(恐喝したし
涅根 : 風谷のやつが手を回してたから、事無きを得たけどさ……ホントにそうなる寸でまで行ってたんだよ。
海咲 : …そうね。
海咲 : そうね。失敗。私の失策ね。
海咲 : すごい…甘かったし… 拷問まで失敗しちゃった。
涅根 : …あぁ。(頬杖突いて
涅根 : ………(はぁ、、と溜息吐いて
海咲 : 涅根の言う通りだし… 天芲の予想通りになる所だったし…風谷に救われたし…
海咲 : 
涅根 : ……ま、 終わった事だし。何とかなったし。 もう二度とやってくれるな、としか言えないけど。…さ
海咲 : …?
海咲 : もっと怒られると思ったけど………?
涅根 : 何、もっと罵って欲しいわけ?(じとりと
海咲 : やだ。慣れてないし…
涅根 : 別にオレまだ全然怒ってるからね。
海咲 : そうだよね。
海咲 : 
涅根 : でしょ。感情に任せて罵った所でオレも海咲も得しないってだけ。
海咲 : 涅根は冷静ね。(手を後ろに回して、視線を足元に泳がせて
海咲 : ごめん。迷惑かけて。
涅根 : ……。
涅根 : ……ま、これからはもっとしゃんとしてよね。(はぁぁ、と横向き溜息気味に
海咲 : (下向いたまま、その要望には返事せず
海咲 : 私、イルミナをやっぱり敵に見れなかった。
涅根 : ……。それ、訊こうと思ってたけどさ。
海咲 : …可哀想。私達と同じで。
涅根 : ……まだ、あの人と仲間になれると思ってる?
海咲 : ……思っちゃったから、失敗した。
涅根 : …だよな。
海咲 : さっきから、なんでわかるわけ?
海咲 : 攫ってきたのも…建前とか言うし…私だって自分で気付いてなかったのに………
涅根 : 仲間になれるかもって、さっき自分で言ってたじゃん。(じと
涅根 : ま、そーじゃなくても、大概分かりやすいけどな。海咲は。
海咲 : …心外。
涅根 : でも事実だし。 …
海咲 : (涅根見て
海咲 : …イルミナにばっかり拘っても、ダメね。進まない。
涅根 : ……あの人、オレ達にされた事口外しないって言ってた。 それは本心かもしれない、と思う。 …けどさ。
海咲 : うん。
海咲 : けど。何?
涅根 : …唯我に頼まれたら。 唯我に「力になって欲しい」とでも言われたら、やっぱり言うんじゃないかな。
涅根 : …オレは、どうしてもそう考えてしまうよ。
海咲 : 
海咲 : 昔、同い年の女の子が居たの。
涅根 : …。 ?(ふと顔上げて
海咲 : 偶然出来たルーインズに入って。適正があってクリアして帰ってきたの。
涅根 : … へー。
海咲 : 帰ってきたのを見たのは私だけ。その子、「2人だけの秘密。」「絶対に言わないでね。」って言ってたわ。
海咲 : 私はすぐにジジイに言ったし、その子を拷問して能力も喋らせた。
涅根 : …………あぁ。(……そうだ。 まさに、そうだ。自分のこの、こびり付いた考えは…
涅根 : (……目の前の彼女を見て、根付いたものだ。)…だろうね。
海咲 : …イルミナは私じゃないし、私はイルミナじゃないけど。
海咲 : 私なら、言うね。
海咲 : …あぁ、帰しちゃダメだった。(今更すぎる悲しい表情をする
涅根 : (一時でも自分の命を握った相手に抱いてしまう――執着、好意、信奉……そのどれもであるような、どれでもないような…
涅根 : ……仲間になりたかった? …まーでも、流石にもう遅いかな…
海咲 : 仲間になりたかった。
涅根 : …そか。
海咲 : けど。そのせいで多くの失敗をしちゃった。
涅根 : ……
海咲 : はぁ。ダメね。
涅根 : …ま、これからどーするか考えないとな。もう後に引けない。
海咲 : 考え直す。考え直さなきゃ。
海咲 : ジェネシスの街はどんどんと…発展してる。
海咲 : 
涅根 : ……あぁ。…あんまり時間掛けてらんないかもね。
海咲 : 正面から、唯我を倒しに行く?
海咲 : もう一度、風谷と天芲、他にも闘える人に声をかけて…?
涅根 : 正面から…とは行かないけど、戦うのは賛成。
涅根 : …ま、動くにしてもちょっと考えた方がいいかな。急ぐのは良いけど、焦ったらマズい。
海咲 : 
海咲 : 私、1対1なら…多分誰にも負けない………けど。
海咲 : うん。少し落ち着いて考えるよ。
海咲 : 
海咲 : 私だけの“闘い”じゃない…私たちのルインズベルトだもん。
涅根 : …そーだな。
涅根 : …オレ達だけじゃない。両親に弟に妹に…他の皆もさ。
涅根 : そいつら全員、ちゃんとこの地で暮らせるようにしたいよ。オレは。
海咲 : うん。
海咲 : …外のご飯も食べさせてあげたいね。
涅根 : …… …うん。
涅根 : きっと、皆……喜ぶし。
海咲 : おいしかったからね。
涅根 : …ほんとな。信じらんないくらい。
涅根 : ……「ラーメン」。 マジやばかったから。
涅根 : 全部終わったら、海咲も食べに行こう。
海咲 : …うん。
海咲 : “全部”終わったら、ね。
海咲 : (今日初めて。少しだけ楽しみに、微笑み
涅根 : …。(その表情を、頬杖でなんとなしに見つめて
涅根 : …そろそろ別のとこ行こっか。 ここ何にも無いし。
海咲 : そうだね。
海咲 : …(椅子から立ち
涅根 : (よ、と椅子から降りて
海咲 : (扉に向かって歩く、前に
海咲 : ねぇ。
涅根 : …ん?
海咲 : ありがとう。
涅根 : …… …
涅根 : ……海咲。意外と素直だよな。
涅根 : 拷問とかするくせに…(ボソ、と顔背けて
海咲 : …?
海咲 : 涅根は、ずっと私達の仲間で居てね。
涅根 : …当たり前じゃん。(表情と声色こそぶっきらぼうに
海咲 : …ずっとだよ。(言って。扉へ向かって
海咲 : (部屋から出ていく
海咲さんが退室しました
涅根 : …オレ達、同じ穴<ルインズベルト>の貉なんだから。 一蓮托生、って奴じゃないの。(そう言って、歩幅緩く海咲の後に続いて
涅根 : …だから。…離れたりしないって。
涅根さんが退室しました
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最終更新:2021年05月27日 02:53