1966年
12月4日
あの日、スペンサー卿は食することで絶大な能力を手に入れることができる
「太陽の階段」と呼ばれる花があるらしいと話していた。
最初、皆はそれをまゆつば物のただの噂のたぐいだと思っていたが、
それがこのような結果を招くとは!
あの日、スペンサー卿は食することで絶大な能力を手に入れることができる
「太陽の階段」と呼ばれる花があるらしいと話していた。
最初、皆はそれをまゆつば物のただの噂のたぐいだと思っていたが、
それがこのような結果を招くとは!
最初にその可能性に気が付いたのは、我が師ジェームス・マーカス博士だった。
博士は、それを未知のウィルスがDNAに変化させるために起こる現象なのではないかと考えた。
何たる慧眼か!事実、その推測は正しかった。
博士は、それを未知のウィルスがDNAに変化させるために起こる現象なのではないかと考えた。
何たる慧眼か!事実、その推測は正しかった。
我々は、花の中に未知のウィルス「始祖」を発見した。
アフリカまでやってきて、この地を探り当て、襲ってくるンディバヤ族に神経をすり減らしながら過ごした。
この3ヶ月の苦労がついに報われたのだ。
昨日まで憔悴しきっていたマーカス博士も、今ではすっかりご機嫌だ。
一刻も早く帰り、研究に没頭したいと意気込んでいる。
アフリカまでやってきて、この地を探り当て、襲ってくるンディバヤ族に神経をすり減らしながら過ごした。
この3ヶ月の苦労がついに報われたのだ。
昨日まで憔悴しきっていたマーカス博士も、今ではすっかりご機嫌だ。
一刻も早く帰り、研究に没頭したいと意気込んでいる。
私も同じ気持ちだ。
一刻も早く、この始祖ウィルスのなぞを解き明かしたい。
一刻も早く、この始祖ウィルスのなぞを解き明かしたい。
1967年
2月12日
我々は壁にぶち当たってしまった。
アフリカから持ち帰った始祖花を、我々はこの地で栽培しようとした。
当初は始祖ウィルスの組織培養を試みたが、
そのDNAを変質させてしまうと言う特性のため、うまくいかなかった。
我々は壁にぶち当たってしまった。
アフリカから持ち帰った始祖花を、我々はこの地で栽培しようとした。
当初は始祖ウィルスの組織培養を試みたが、
そのDNAを変質させてしまうと言う特性のため、うまくいかなかった。
そこで、始祖花を栽培することにより、始祖ウィルスの量産を行うこととなった。
最初は順調だった。生命力の強い始祖花は成長も早く、わずかな期間で花をつけた。
最初は順調だった。生命力の強い始祖花は成長も早く、わずかな期間で花をつけた。
だが、そこで問題が発生した。
この始祖花には始祖ウィルスが存在しないのだ!
栽培環境が始祖ウィルス発生に影響を与えているのだろうか、
さらなる検証が必要だ。
この始祖花には始祖ウィルスが存在しないのだ!
栽培環境が始祖ウィルス発生に影響を与えているのだろうか、
さらなる検証が必要だ。
3月23日
完全に行き詰った。
あれから様々な条件で始祖花の栽培を行った。
土、水、気温、湿度、日照時間。
あらゆる条件を同じにしても、始祖ウィルスは発生しなかった。
私は、マーカス博士と今後の研究方針について議論していた。
完全に行き詰った。
あれから様々な条件で始祖花の栽培を行った。
土、水、気温、湿度、日照時間。
あらゆる条件を同じにしても、始祖ウィルスは発生しなかった。
私は、マーカス博士と今後の研究方針について議論していた。
そこへスペンサー卿がやってきて「会社を興す」と言って来たが、そんなことはどうでも良かった。
始祖ウィルスがなければ、会社なんて興しても無意味だ。
この男は、そんなこともわからないのか。
まったく嫌になる!
この男は、そんなこともわからないのか。
まったく嫌になる!
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