.
― 笑夢の間 ―
メディ「………私たちは一度、あれに類似する敵と交戦した経験があります。戦極凌馬が開発したライダーシステム「ゲネシスドライバー」。過去の戦闘データを閲覧し、そのスペックが開発者本人が使用していたものよりも低いことは把握。故に、注意点はあのアルフレッドという執事が本来持ちうる潜在能力の方と言えるでしょう。なので、ここは戦闘経験のある私が先導し、敵の注意を引き付けます。
ヴィヴィ様は引き続き後方支援を、ボン・クレー様は相手の隙を突いて確実に致命傷を与えてください。(二人に小声で指示を与える)」
ボン・クレー「わかったわぁん!(メディから渡された回復飲料をごくごく飲み干しながらその指示を受ける)」
メディ「では…――――作戦開始です。( ダ ッ ! )(アタッシュアローをその右手に携えて疾走。蛇行するような疾走で武器を構えるタイラントを翻弄しつつ接近を仕掛ける)」
ヴィヴィ「経験があるならそれに越したことはありませんね……。(杖を一振り。先端から金の粉が撒かれメディのカチューシャに収束、それが白い花のブローチへ早代わり)ちょっとしたおめかしです、存分に踊ってきてください(最大5回分の身代わり用結界。装備者が受けたダメージを肩代わりし花びらが散っていく仕様……言わぬが花ですね、本人も気づかないぐらいが望ましい)
仮面ライダータイラント「何をこそこそと――――しているのです!?(バシュンッ、バシュゥウンッ!!)(翻弄しながら接近を仕掛けるメディへ狙いを定めてエネルギーアローを何度も解き放っていく)」
メディ「はっ―――ふ―――っ―――!(接近の最中に迫る邪悪な光矢を華麗な側転を交えたアクロバティックな回避術で受け流しつつ、少しずつ、確実に距離を詰めていく)――――(こちらと相手、互いの武器は同類系統。即ち獲物は互角。ましてやソニックアローの戦闘データは戦極凌馬との交戦から閲覧済み。よって―――)(回避の最中――スローモーションとなった世界で光矢を流し見しながら――思考回路を巡らせる)」
メディ「――――次は"そう"来るはずです!( バ シ ュ ン ッ ! )(タイラントが弓引く手、それが構えの体勢に入タイミングを見計らい狙撃する)」
仮面ライダータイラント「んなッ―――――!?(メディの読み通り、弓引くその瞬間をピンポイントに狙われたことで大きく退いてしまう)小賢しい真似を…!フゥンッ!!(射撃から斬撃へと切り替えるようにソニックアローを振るい、接近してきたメディへ縦横無尽に刃を振り抜く)」
メディ「ガギンッ―――ギッ――ギャギィィインッ―――ザギィィインッ!!!(真っ向からタイラントと同等系統の武器で斬り合うことで応戦する。その際に受けた微かな斬撃は、ヴィヴィが施してくれた結界魔法によって無効化され、その度に花弁を一枚、二枚と散らしていく)」
メディ「―――そこです!!(刹那、スカートを翻しながら繰り出す華麗なサマーソルトキックでタイラントの武器を上へと弾き飛ばし、大きな隙を創り出した)」
ボン・クレー「が~~~はっはっはっは!!いくわよぉん!!!“蹴爪先(ケリ・ポアント)”ーーーッ!!!(「待ってました」と言わんばりにメディの背後から現れては隙の生じたタイラントへ回転を加えた爪先蹴りを叩き込む」
ヴィヴィ「 -詠唱破棄 -英雄作成(偽)イミテーション・プロダクトブレイブ-(両手に握りしめた杖を床に打ち付ける。床に赤の魔法陣が展開され、渦巻く陣風が天井へ、天井からボンクレーの爪先へと集約。彼の全身が赤いオーラを帯、"英傑が如き剛力"を施す)
仮面ライダータイラント「くぁ――――!(しまった――――ッ!!?)(メディに弾かれたことで生じた大きな隙。そこに繰り出されるは、ボン・クレーの強烈な一撃。ヴィヴィのバフを受けたその蹴りの一撃は更に苛烈さを帯びて自身の骨身を砕かん勢いで蝕み、そして――――)
仮面ライダータイラント「――― ぐ ふ あ゛ あ゛ あ゛あ゛ あ゛ あ゛ ッ゛ ! ! ! ( メ ゴ オ オ ォ ン ッ ! ! ! )(全身が「く」の字にくっきりと曲げながら強く蹴り飛ばされ――その際にソニックアローも手放されてしまい――、壁へ盛大に激突した)」
ボン・クレー「んがーーーーはっはっはっ!!どぅお~~~!?あちしたちの、かんっぺきなコンビネーション!!(豪快に笑いながらその場でバレエ回転している)」
メディ「ええ、今のは確実に決まりましたね。ヴィヴィ様のサポートのお陰でかなりの痛手を与えられたはずです。あとは……(砂塵に紛れて姿が見えないタイラントの方角を冷静に見据える)」
ヴィヴィ「いやいや、あはは……私のバフなんて誤差だよ誤差……(目を逸らし下っ端ムーブを醸し出す)……。(あれで終わるっっていう運命には見えなかった。第2ラウンドなんてあろうものなら"優先順位"を決めて始末しに来るはず……!私は徹底して木偶の坊を演るのですーー!!)」
仮面ライダータイラント→アルフレッド「ぐぅ…ッ…!(砂塵をかき分けるように前線へと復帰した頃には変身が強制解除されていた)ゼェ…ハァ……!こんな、はずでは…!多額の資金を用いて強大な力を得たというのに…この有様では……――――(ここで一度俯きかける。だが、その内側で狡猾に口の端を吊り上げていた)」
アルフレッド「ッ…ッ…ッ…ッ……!いや、まだです…ッ!私はこんなところで諦めるわけにはいかない!私は執事として、マジルカの国王に長年仕えてきた…だが、願わくばいつかはその実権を奪い取り、私がこのマジルカを統べる者として君臨したかった…!そんな私に力を授けてくださったのが、マカオ様とジョマ様だった…!そしてあの男…戦極凌馬も然り…――――(激突の際にドライバーから外れ落ちたドラゴンエナジーロックシードを拾い上げ、回想する――――)
~アルフレッドの回想~
アルフレッド「こちらが開発資金の援助費用5000万円です。(何処かの一室。向かい合わせとなっている人物に対し多額の札束がぎっしり詰められたアタッシュケースをそっと差し出した)」
戦極凌馬「―――― 確かに。(その取引相手こそ、狂気のマッドサイエンティスト「戦極凌馬」であった)これで契約は完了だ。約束通り。そちらへ「ゲネシスドライバー」と「試作品のロックシード」を提供しよう。(するとこちらもケースを取り出し、アルフレッドへと差し出すようにその中を開封してみせた)」
アルフレッド「……おお、これが…!(力への渇望。それを実現させる秘密兵器は、まさに喉から手が出るほど求めていたもの。内包されたドライバーとロックシードを交互に見やり、執事としての冷静な表情を保つことも忘れて無我夢中に興奮していた)」
戦極凌馬「ただし、気をつけたまえ。その試作機は長時間の使用で変身者に凄まじい影響を及ぼす。何故ならロックシードとは本来、ヘルヘイムの森に成る禁断の果実のひとつから造り出されたもの…。それを人の身で扱うということは、相応のリスクがつきものだ。君がその力をどう使おうが私の気にするとこではないが、一応忠告しておくよ。(発言には似つかわしくないにんまりとした笑みを送る)」
アルフレッド「……禁断の果実の、力…―――――(偶然手に取った、その赤いロックシードに視線を落とす)」
アルフレッド「――――……こんなところで…こんなところでッ!私の野望が潰えてたまるものかッ!!そのくらいなら…ッ…!(するとロックシードを力強く握りしめて再びドライバーへ装填…することはなく、ただ天高く掲げた。すると――――)
モ サ モ サ モ サ モ サ モ サ ァ … ッ … ! ! !(アルフレッドの手に握られたロックシードから、暴発するように植物が触手のように四方八方へと伸び出すように出現。植物はアルフレッドの身体を包み込み、その肉体を蝕んでいく――――)
アルフレッド「―――― ウ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ッ ! ! ! ! (奇妙な植物に絡まり、縛られ、圧されていく我が身。その姿形が完全に覆われた時、植物の間隙より怪しい光が迸る――――!)」
やがて光は弾け、空間に白い硝煙が拡散する
そこに映る影は人の姿形―――――とは思えぬ輪郭を象っていた
アルフレッド → オーバーロード≪タイラント≫「 ブ オ゛ オ゛ オ゛ オ゛ オ゛ オ゛ ォ゛ ッ゛ ! ! ! (禁断のロックシードより解放された新たな力は、彼を仮面ライダーではなく、「怪人」へ変貌を齎したのだった。筋骨隆々の肉体、それに相応しい白い大剣。対峙する者を圧巻させる気迫さが、そこにはあった)」
オーバーロード≪タイラント≫「オ、オ、オオオォォォ…ッ……!素晴ラシイ……!!コ、コレガ…禁断ノ果実ガ齎ス「力」…!マカオ ト ジョマ様カラ頂イタ魔力ガ無ケレバ、理性マデ奪ワレソウダ…!!(身体の底から溢れ出る膨大な力に大興奮するかのように全身を震わせている)モハヤ何者モ私ヲ止メルコトナドデキヤシナイ!フハ、フハハハハハッ!!(両腕を広げて、愉悦に高らかと笑いあげる)」
ボン・クレー「ぎょええええええ~~~~~~!?!?!?!?!?じょ~~~~~だんじゃないわよぉ~~~~~~ッ!!!!(怪人の姿に変貌した相手にムンクの叫びみたいなポーズで悲鳴を上げる)なんなのよぉアレェ!!?あちし、聞いてないわよぉ~~~~~ん!!!」
メディ「――――!(さすがに予想外だったのか、アルフレッドの変貌に対し静かに驚愕する)……ライダーシステムから逸脱した戦闘力…そうですか…やはり彼もまた、あの男(戦極凌馬)に利用されたということですか…大いなる野心は身を亡ぼすと言いますが…よもやその通りになってしまわれるとは…(憐れむように目を伏せる)」
ボン・クレー「だったらもう容赦しないわよぉ~~~~!“お控え・ナ・鞭打(フェッテ)”ーーーーーーーッ!!!(跳躍後、タイラント目掛けて踵落しを繰り出そうとする)」
オーバーロード≪タイラント≫「 ド ゴ ォ ン ッ ―――― シ ュ ゥ ゥ ゥ … ッ … … ! (ボン・クレーの痛烈な踵お年が右肩へ炸裂する。しかし、その部位は一切の凹みを見せず、ただ虚しさを表す小さな硝煙のみが漂っていた)……ソンナ攻撃、効カンッ!!!(大剣を振り回してボン・クレーへ強烈な横薙ぎを叩き込んだ)」
オーバーロード≪タイラント≫「フハ、フハ、フハハハハッ!!イイゾ…ッ…!コレコソ私ガ求メテイタ「力」ダッ!ヘルヘイムの森に住マウトイウ超人的存在「オーバーロード」!ソノ存在ニ私モ近ヅイタトイウコトニナルノダッ!大イナル「力」ノ為ナラバ、人間ヲ捨テヨウガ構イヤシナイ!貧弱ナ貴様等ト、私ハ違ウッ!!!ッハアァ!!!!(バキバキバキバキィッ!!!)(たった一振りの拳で床を叩き割り、幻想的なその空間を崩壊させていく)」
ボンクレー「うご…ォッ……!?(―――― ド ゴ ォ ォ ォ オ オ ン ッ ! ! ! )(タイラントより振り回された剣で全身が直角に曲がったまま大きく吹き飛ばされ、壁に激突した)……い、一瞬だけ…お花畑が見えた、わ……(プルプル…)(一撃で瀕死寸前に追い込まれてしまったのか、激しく痙攣している)」
メディ「ボン・クレー様!?(慌てて彼?のもとへ駆け寄っては急いで応急処置を行う)……っ……(この被害、生身の人間であれば確実に致命傷…っ……下手に受けるわけにはいきませんね…)(ボン・クレーの治療を行いながら、タイラントの驚異的な潜在能力を危惧する)」
メディ「……それに、ヴィヴィ様の恩恵を受けた状態で繰り出されたボン・クレー様の蹴り技も、あの強靭な肉体では通用しなかった。となれば、必然的にそれよりも火力が劣る今の私のスペックでは抵抗も困難。先程の連携通りに進めていては難航を極めるでしょう…(遠目にタイラントの姿を観察しながら次の手を討とうと思考回路を巡らせている)」
ヴィヴィ「ッ―――――――!! バッ ボンちゃ……!(髪が翻り側を何かが駆け抜ける。振り返ればそこには満身創痍で横たわるボン・クレーの姿。行動不能、格好の的。そこから連想される最悪の事態) ッ!! 脱出用の切り札だったのに……っ~~~~~!! あーもうッ!!(頭巾袋から一瞬だけ布のように見えた何かを取り出し、それを床へ放る) ブリキ!木偶の坊!ゴクムス!(続けざまに三体の卵型の身体に手足が生えたようなマスコットを投げ捨てる。そこへ先程放り投げた布状の何かが覆いかぶさり、マスコット諸共消え失せた)よし、これでボンちゃんはひとまず、大丈夫、な、はず……」
ブリキ・木偶の坊・ゴムス「 カタ カタ カタ …("透明マント"で姿を隠した三体のマスコットは、ムカデのように行進しボンクレーへ接近。彼を透明マントの中に引きずり込み、再びその場から移動する)
ヴィヴィ「(さて……と) 装備の無力化は考えたけど、まあ無理だろうね。あそこまで行くともう装備って言うより肉体を構成する要素になっちゃってる。執事ごとあのインチキ呪いの防具を破壊するしかない。(メディへ耳打ちしつつ、オーバーロード≪タイラント≫を注視)アレの戦闘経験はあるんだよね。作戦の立案はお願い―――――!(そう言うやタイラントへ矢の如く飛び出し肉薄。頭巾袋から紫色のキノコを放ると同時にスライディング)」
ヴィヴィ「 "ウルのソリ"!(床へ青いビー玉を投擲。床に凍結したレーンを敷き、スライディングの滑り込みを加速させ、一気にタイラントの後方へ移動) "メラ"!!(背腰に先程投擲した紫色のキノコへ杖を向け、火炎弾を飛ばす。 それは雷属性のキノコへ光熱を与え、エネルギーの過負荷によって……) パチ バッグォォ ォ ンッッ!!!! (スタングレネードと催涙弾の効果をかけ合わせた、視覚・聴覚・嗅覚の3つを麻痺させる爆発を撒き散らす)
メディ「……!ヴィヴィ様…!(率先して前線へと狩り出すヴィヴィを呼び止めようとするが―――)
ボン・クレー「――― ガ シ ッ (彼女を制そうとするメディの腕を掴んだのは、満身創痍のオカマ)……ぜぇ…ぜぇ……やらせてあげなさいよ… ぜぇ、はぁ……あの引っ込み思案なヴィヴィちゅわんでもね、"本気(マジ)"になれることはあんのよぉ…!」
ボン・クレー「…迷ってたら…躊躇ってたら…その間でも、時間は過ぎていくのよぉん…!だからみんな、いつだって目の前のことに本気(マジ)になるのよん…!一生後悔しないように…!後になって亡くさないようにねぇん…!(かつて、自分がいた世界に「親友」がいた。その者は大切な肉親を失った。その事実を知った時、まるで自分のことのように胸が張り裂けそうになった。それ以来、何かに"本気"になることに躊躇うな。そう持論付けたのだった――――)」
メディ「……"本気"になる、こと……――――(その言葉の意味を噛み締める。ヒューマギアの自分には、あくまで使命として、自身の役目を全うする義務がある。だが、それがボン・クレーの口にする人間の「本気」に直結するとは思えない。使命でも義務でもない、自らの「心」に純粋に問い質した先にあるもの、それが「本気」であるということだと――――)」
メディ「……ボン・クレー様、ありがとうございます。お陰でまた一つ、人間(ひと)の「心」を理解することができました。ならば私も…全身全霊……―――― "本気"になりましょう…!(ヒューマギアモジュールに手を触れながら立ち上がると、今まさに交戦しているヴィヴィたちを見据えた)」
ボン・クレー「………アンタ…―――――「良い目」になったじゃない…♪(立ち上がるメディへ不敵な笑みを送る)」
オーバーロード≪タイラント≫「グゥ…ッ……!小癪ナ真似ヲ…!ダガッ!(人間の五感を狂わせる爆発を受けて、それらをうざったそうに腕で振り払う)言ッタハズダ!!私ハ人間デアルコトヲ捨テタノダ!!ソンナ小細工ガ…効クカァッ!!!( グ ゥ ォ ン ッ ―――― ズ シ ャ ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! )(大剣を大きく振りかぶり、空間を一刀両断。その余波だけでヴィヴィのような少女を人形のように軽々と吹き飛ばしていく)」
メディ「(璃奈様…主様… あなた方の不在でも、私は、私の意志で―――)――――この「心」のままに奔走します!!『 インジェクションバンカー 』を申請!( ガ ギ ャ ァ ン ッ ! )(四次元空間より転送された大型の注射器型パイルバンカーを右腕へ装備し、大胆に振り回しながら身構える)」
メディ「―――― 発 進 ッ ! ( ド ォ ゥ ン ッ ! ! )(崩れかけた地盤を蹴り上げて、大型武器をその手に装備した状態で駆け出していく)」
オーバーロード≪タイラント≫「……何ヲ持チ寄ッタカト思エバ…ソンナ小サナ身体デ鈍重ナ武器ヲ!ソンナ不釣リ合イナ態勢デ私ヲ穿トウト…!?笑ワセルナァ!!(メディとは異なり、こちらは体格も武器もそれに見合ったものだ。故により正確に、より強い一撃を、相手に叩き込むことができる。再び大剣を振り上げて真っ向からメディを叩き割らんと迫るが――――)」
ヴィヴィ「 あ" く"…… ァ" ッ!! (タイラントの意図通りヴィヴィの身体は木の葉のように軽々とふっ飛ばされる。床をバウンドし、壁に叩きつけられ血糊を滴らせ崩れる) ジ ジッ (だがタイラントの振り払った熱は床に染み渡り高熱を帯びさせた)」
ヴィヴィ「――――――――――― カツ ン ビシ ャ ッ (床に突っ伏しながらも床へ向かってビーカーを放り投げる。砕け飛散した中身は、熱せられた床で蒸発し……) "ファタフォルトゥナ" (水蒸気は"蜃気楼"へ転じる。それは"遠近感"の認識を狂わせ、 タイラントから視認できるメディとの間合いは、実際のそれより遠く錯覚させられる)」
オーバーロード≪タイラント≫「――――!?(ナンダ…コノ、感覚ハ…!?視界ガ…歪ンデ……ッ…?!)(攻撃を繰り出そうとするのその間際、緩慢化した世界の中でヴィヴィにより齎されたその奇妙な空間魔法の違和感に気づいて意識の中で困惑する)」
メディ「―――――(同様に、スローモーション化した世界の中でタイラントの目と鼻の先まで迫るように対峙。だが、その手には…あの体躯に似つかわしくない鈍重な武器が消失しており、生身の態勢で掌底を繰り出す態勢へとシフトしていた)」
オーバーロード≪タイラント≫「――――バカメ!ココハ既ニ私ノ射程範囲ダッ!!!(ヴィヴィの魔術に翻弄されていたこともあり、メディの武装が消失していることには気づけていない。その余裕すら、生前の理性と共に捨ててしまったのだろう。今の怪人態である自身の視界は更に狭まっていたのだ)」
オーバーロード≪タイラント≫「――――ムゥンッ!!(先手必勝―――メディが繰り出すよりも先にこちらからけしかけるように大剣を豪快に振り回して蹂躙する)」
メディ「――― メ ゴ ォ ッ ! ! ! (成す術もなくタイラントの重い一撃に全身が直角に曲がりだす。そのまま断裂されん勢いで吹き飛びかけるが――――)」
メディ?「――――――――― ニ ヤ リ (機械少女の口角が不敵につり上がった)」
メディ? → ボン・クレー「 引 っ か か っ た わ ね ぇ ん ! ! ! (自身の頬に手を触れるとその正体を明かす。ヴィヴィとの交戦中に死角に隠れて変装を行っていたのだろう。タイラントを見事に出し抜いてしてやったりに舌を出して挑発した)―――― 今 よ ぉ ん ッ ! ! (タイラントの大剣をがっちりと全身で掴み三かかった状態で背後へ叫ぶ)」
メディ「 ガ ッ ギ ィ ン ――――― ! ! (ボン・クレーが呼び叫んだ先には、あの巨大なパイルバンカーを装備したメディ本人が、ようやくタイラントへ迫ろうとしたところだった)」
メディ「 射 出 ッ ! ! ( ド グ ゥ オ ン ッ ! ! )(タイラントの急所に狙い定め、先端部の槍を突き出して爆発的射出による突貫を炸裂させる)」
オーバーロード≪タイラント≫「 ン グ ゥ エ ェ ア ァ … ッ … … ? ! ! (爆裂的な突貫にその屈強な肉体を穿ち抉られて、全身を仰向けに逸らしながら嗚咽のような叫びを張り上げた)ガ…ァハ……ッハァア…ッ……?!(炸裂部位へ手を強く押さえつけながらよろよろと後退していく)バ……カナ…ッ……!?ダ、ガ……コレシキノコトデ……――――ッ!!?(だがここで、衝撃の事実に気づいた。被弾部位から溢れていたのは真っ赤な血でもバケモノ由来の体液でもない。溶解した自身の肉片が液状化したものだったのだ――――!)」
メディ「気づいたようですね。『インジェクションバンカー』の最たる脅威は突貫による破壊力ではありません。突き刺した対象物に対して、兵装先端部から高密度の酸性を持つ猛毒を注入させることです。その溶解力は…鋼鉄さえ
もものの数秒で蒸発させるほどです。」
メディ「貴方のように頑丈な肉体を持っていようとも、一瞬でその硬さを脆弱させる。よって、今ならどんな攻撃を受けても一突きで脆く崩れることでしょう。今です、皆様ッ!」
ボン・クレー「がーーーーはっはっはっ!!これが友達(ダチ)との友情パワーよぉん♪いっくわよぉ~~~~ん! オカマ拳法!“あの夏の日の回想録(メモワール)”~~~~~ッ!!!!!( ド ゴ ォ オ ッ ! ! ! )(爪先を軸に高速回転し、その勢いのままに突進してタイラントを強く蹴り払った)
ヴィヴィ「ゲホッ……ゲホッ………ナイス弱化です。そうですね……ボンちゃんの言葉を借りるなら"友情は時間じゃねえ"ですってことですかね……(バックルに詰めた聖水を床へ放り中身をぶちまけ、杖を突いて立ち上がる)ゾ ゾ ゾ ゾ ゾ (深海のように暗く、黒く、青く淀んだ聖水がヴィヴィを中心に渦巻く。飛沫が飛散した部位から"星空"に染まり侵食する奇っ怪なその液体はヴィヴィの杖へ集約され、別の形状へ歪めていく)」
ヴィヴィ「――――――――あなたが本件の黒幕なら二度と帰れない"底"へ突き落としてやるとこです。相手が私程度であったことに感謝してやがってください……ネ」
ヴィヴィ「 "フィヨルドの槍海淵の鍵" ("圧縮"完了。魔力で生成された海水を凝集し生成、加えて電流を帯びた漆黒の長槍。文字通り岩山をも穿ち得る矛を生み出し、それを宙空に固定。) ギュ ル ン ギュ ル ル ル ルルルルル… オ ンッッ (空間をも巻き込んで回転するそれは、浮遊する渦潮を発生させながらアルフレッドへミサイルの如く飛来する)」
オーバーロード≪タイラント≫「 グ フ゛ ェ゛ ア゛ ア゛ ァ゛ … ッ゛ … … ! ! ! ! (ボン・クレーの強烈な蹴り技によって上空へ吹き飛ばされた後、そこにヴィヴィが齎す漆黒槍が全身を貫通し、鮮血のような奇妙な液体を爆発的に散乱させながら激しい断末魔を上げた)」
メディ「 タ タ タ タ ッ …――――― タ ァ ン ッ ! (二人が紡いでくれたこの瞬間を待っていたと言わんばりに駆け抜けて、上空にて海老反りになったタイラントの頭上へ跳び上がる。その時点で掌底を構えた態勢で眼下のタイラントに狙いを定め―――その腕で穿たんと豪快に振り下ろした)」
メディ「――――― “ 髄 液 排 出スパイナルドレナージ ” ―――――( ズ ド ン ッ ! ! ! )(タイラントの、崩壊しかけるその体にダメ押しと言わんばかりの掌底をめり込ませる勢いで叩き込む)」
ド ッ グ ン ッ ―――― ! (だがそれはただの打撃に非ず。タイラントの体内にめり込んだメディの掌から放たれた波動によって、彼の全身を蝕むロックシードの副作用…即ち、ヘルヘイムの果実の浸食が体液と共に体外へと排出されていくのだ。それにより彼が得た屈強な肉体…怪物としての姿が、みるみると元の姿へと回帰していく――――)
オーバーロード≪タイラント≫ → アルフレッド「…ガ…ア………ぁ……っ……―――――!(気が付けば、その体は元の人間体に戻っていた。皮肉にもその事実に気づかないまま、メディの掌底によって凹んだ全身を仰向けに――――)―――― ド サ ァ … ッ … … ! ! (―――気を失った執事は床上へと墜落したのだった)」
メディ「 ス タ ン … ッ … ―――――(着地後、気絶した執事の脈に触れてまだ息をしていることを確認すると、安心したように目を瞑っては立ち上がった)………お二人とも、ご協力のほど感謝いたします。このお方の始末は警察の方々に任せましょう。我々は一刻も早く
ベール様たちの元へ向かわねばなりませんから。(奥の扉へ視線を促しながら)」
ボン・クレー「が~~~~~はっはっはっ!あちし等の友情パワーの勝利よぉ~~~ん!(勝利の喜びでバレエダンスを踊っている)そぉ~~~だったわねぇん!イワ様やニューカマーのみんなも心配だわぁん!行くわよヴィヴィちゅわん!回る回る!今日はいつもより盛大に回っているのよぉ~~~~~ん!(その勢いを殺さない回転力を維持したまま扉の向こうへと進みだす)」
― 北魔の間 ―
鬼塚夏美「あれは……………!(黒岩を見て)あの時特ダネを邪魔した警官ですの…まさか、あんなところにいるとは………!」
鬼塚夏美「………特ダネを妨害した敵が特ダネの一種とは滑稽ですの。こうなったら私も迎え撃ってやりますの!(薬品や色々なものを取り出す)」
片桐「独房は墓石に用意してやったぜェェェ……来世を夢見ながら行き止まりなァァァ……黒岩ァァァ……(真っ向から黒岩へ駆け出す。間合いに対しニ歩前で跳躍、衝突することなくすり抜け……) ヒュ オッッ (彼の背後にある鉄柱を掴みそれを軸に旋回、半回転し振り返り際に遠心力の乗った回し蹴りを下顎めがけ繰り出す)」
黒岩満「(片桐のトリッキーな先制攻撃。身を縮めるようにかわし)ふっ、はっ、ゼェア!(着地と同時にワン、ツー。からの側宙蹴り落とし)…こざかしい!!(薬品を取り出した鬼塚夏美にガラス片を投擲、そしてソファーで殴り掛かってきた九龍に鉄柱を使っての三角蹴りを見舞う)」
片桐「シィィ……ッッ!!(着地からの流れるようなジャブに対し手刀を腕に当て流し対応。しかしその打撃力は尋常でなく、被弾した片桐の腕を内出血で赤黒く染め、、堪らず歯噛みする)ふッ!!(咄嗟のローからハイへ軌道を急激に変える廻し蹴り。脚が交錯し火花を散らす。衝撃で後退り、ソファで殴りかかってくる九龍とポジションが入れ替わる)」
鬼塚夏美「マニーのためならいくらでも小賢しくなりますの!(ガラス片に対して爆薬の入った薬品を投げ返す)」
薬師寺九龍「のぉお!?(黒岩に蹴られ、バランスを崩すが……)なんのぉおおお!!(そこで一気に踏ん張り。ソファーを振り回そうとした直後)ーーーーーーーーへ?(夏美が投げた薬品とガラス片が目の前でぶつかりあり)
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
薬師寺九龍「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?(爆発に巻き込まれ吹っ飛ぶも)……こらガキテメェ!! あぶねえだろうが!!!(夏美はカタギなのでちかころ補正発動。ダメージを受ける程度に収まる)……(く、なんて俊敏な奴だ。片桐さんと互角にやりあうだぁ? あの人処刑部隊のひとりだぞ? アイツ……なんでここまで張り合えんだよ!)」
黒岩満「ふぅう……~~~~~っ(ぎょろりと瞳だけ3人に向け)いい加減くたばれ片桐ぃぃぃいいいいいいいいいい!!!(この中で一番の脅威と判断した片桐にまたしてもカンフー攻撃。)ーーーーーーーーグワァ、ズダンッ! ズダダダダダダダダダダッ!!(一気に跳躍し踵落とし。からの沈み込んだような態勢で拳による神速の連打を繰り出す)」
鬼塚夏美「戦場で危ないなんて言ってたら話になりませんの(ジト目で薬師寺に)」
片桐「 メ ゴ ォ ッ !! (腕を交差し踵落としを受け止める。電動ヤスリを叩きつけたかのように袖が裂け内出血で皮膚は黒く染まる。自身が立つ場所を中心にクレーターが発生し足場ごと陥没していく。上体をずらし流すも、間髪入れず黒岩の猛攻が襲いかかる)ッ……!(手刀で軌道をズラし受け流してきていたが、それも限界が来たのか――――――)」
片桐「 ゴッッ (顎にフックが命中、首がありえない角度に曲がり…) フ"ン" ッ(それに合わせ上体を思い切り捻り冗談から振り下ろす右ブローをクロスカウンターとして黒岩の側頭部めがけ振りかぶる)」
鬼塚夏美「強い人を真っ先に倒す、考えがちな事ですの(薬品と薬品を混ぜ合わせ、スライムらしきものを発生させて黒岩に向けて飛び掛からせる)」
マジルカ城に施された謎の魔法結界により、互いに散り散りとなってしまった
「あなた」たち
そんな中、璃奈は…―――
天王寺璃奈「―――……ん………?(気が付いたようにその瞳を開く。立ったまま気を失っていたらしく、開かれた瞳から差し込む光に眩しそうに目を覚ますのだった)」
そこは、城内の某一室
これと言った装飾も物体もない、広大で伽藍洞な空間
だが、ここはマジルカ城内でありながら…どこか異質な空気感を醸し出していた
神秘とも不気味とも取れる異様な雰囲気が、彼女の周りを流れている――――
天王寺璃奈「……ここは……お城の中……?でも、なにか……違うような……(何度も周囲を見渡し、自分以外誰もいないことを確認する)」
青年「…………………………………………」
すべての時が止まったかのような空間の中で一人異彩を放つ黒の存在
男性とも女性とも見える中性的な姿で、慈しみと哀れみを入り混ぜたような視線を天王寺璃奈に向けている
青年「人間よ。戻りなさい……………戻るのです」
荘厳な雰囲気の中から、穏やかに奏でるような声で彼女を諭す。
青年「人は人であればいい。異能の者を、ましてや自ら進んで異能の道へと進んだ者を救うのは……」
青年「アナタはまだ間に合います。ただの人であるうちに、逃げなさい。アナタがまだ異能の存在に目覚めぬうちに」
これまでの相手とは違い、青年に敵意はない。
敵意以上のオーラ、すなわち『神秘』が空間そのものを覆いつくしていた。
天王寺璃奈「―――――!?(その時だった。背後から聞こえてくるはっきりとした肉声に思わず振り返る。はじめから誰もいなかったはずの底に立つ一人の青年に目を丸くし、一瞬言葉を失った)」
天王寺璃奈「………??(その青年が発する言葉の一つ一つを拾い上げる。だが、当然すぐにその真意は理解できない。ただの「人」であるが故の、至極真っ当な反応。自分とは違う物…それはまるで神仏と相対しているような感覚であった)」
天王寺璃奈「……どういう…こと…?貴方は…いったい……?(人間としての純粋な疑問を、その者へ向ける)」
青年「人間よ(歩み寄るたびにその憐憫の念は強まっていく。天王寺璃奈がこの場にいることを本気で悲しんでいる)」
青年「(彼女の目の前にたち、片膝をつきながら)天の聖杯、そしてあの子供についていくことはなりません(視線を合わせるようにして)異能に目覚めし者たちは人を食らいつくすでしょう。彼らもまた例外はなく。私は、『ただの人』であるアナタにそのような思いはしてほしくない。私ならば、アナタを国の外へ連れ出せる。そして、もう二度と異能と関わることなく、その一生をまっとうしてほしい」
天王寺璃奈「……!(青年の憐憫に震える声音とその眼差しから、その意を汲み取ったかのようにぴくりと微動した)」
天王寺璃奈「……「ただの人」……うん、確かに、私はそうだよ。ヒロさんも、メディも、ホムラちゃんも、ラビーも…そして「あの子」も、みんな…たくさんの冒険を通じてどんどん強くなっていった。そんなみんなを見ると、「ああ、私は「ただの人」なんだな」って、「みんなのように強くはなれないんだ」って、弱気に感じることもあった。(胸に手を当て、その内に秘めていた弱音を吐きだす)」
天王寺璃奈「そんな弱い自分に、後ろめたい気持ちを感じることがなかったと言えば…嘘になる。所詮自分は「ただの人」。そんな自分がみんなと一緒に過酷な冒険をしていいのかなって。足手纏いになっていないかなって、心の隅で…自分自身を追い立てていたことだってある。(目を伏せるように俯きだす。だが…)」
天王寺璃奈「―――でもね、そんな私でも誰かの役に立てるって信じたい。(ここで、少女はその顔を上げた) 力なんかなくたって、知恵なんかなくたって、人には…その人にしかできないことが、探してみれば本当はたくさんある。そのことを、みんなが教えてくれた。」
天王寺璃奈「こんな私でも、みんなが頼ってきてくれる。「ずっとそばにいてほしい」と言われたこともある。それだけで、私が"ここ"にいる意味はあるんだって…そう気づかせてくれんだ。」
天王寺璃奈「だから私は、これからも「ただの人」であり続けるよ。でも、私は「人」として、そんなみんなと繋がりたい。その"繋がり"を断つようなことだけは、したくない。(無表情の中で輝くその瞳は、かの青年と対照的に確固たる決意に満ち溢れていた)」
青年「(天王寺璃奈の表明に対して、虚無感にも似たまなざしをし)……なんとあさましい。(立ち上がり、そして一縷の涙を流す)いずれアナタはぶつかることでしょう。異能を持つ者たちが、ただの人にとっていかに脅威となり、その助けが、そのつながりがいかなる災いをもたらすか………(踵を返し)必ず後悔するでしょう。(スッとその場から消え去った)」
天王寺璃奈「……後悔しないことなんかないよ。人は誰でも必ず後悔はするものだから。だけど、「それでもいいんだ」って受け止めて前に進められるから「人間」なんだと…私は思う。(青年が消え去った後、もうそこにはいない場所へ呟くように自らの"想い"を述べるのだった)」
天王寺璃奈「私は進むよ。みんなが、待っているから。(そう呟くと、少女は目の前にある扉に手を伸ばした―――)」
――――― ズ ズ ズ … (少女により、扉は開かれる。その先にいたのは――――)
ヒロ「…………………………(扉の先で一人立っている。扉の開く音を聞いて後ろを振り向く)……璃奈ちゃん!無事だったのか!(璃奈に駆け寄り、思わず彼女の手を取る)」
天王寺璃奈「……!ヒロさん…!(ようやく仲間の一人と合流できた喜びから、彼と手を取り合う)……うん…なんとか、ね…(先の部屋で体験した奇妙な瞬間が脳裏を過るも、自らの決意で振り切った今の自分にはもう気にすることではないと首を上げた)」
天王寺璃奈「他のみんなは…いないみたいだね… 探さなきゃ。」
――――― バ キ ュ ウ ゥ ン ッ ! ! (次の瞬間、二人がいる部屋の奥の扉の向こうから、耳を劈くような発砲音が響き渡った)
天王寺璃奈「――――!(突然の銃声にびくりと跳び上がる)………なん、だろう…?とっても、イヤや予感がする… でも…!(「行かないと」―――そう覚悟を決めた眼差しをヒロに向けて、二人でその扉を開き始める)」
ヒロ「あぁ………璃奈ちゃん、俺の手に捕まってるんだぞ…(璃奈と共に扉を開く)」
― 西魔の間 ―
勢いよく扉を開けてその部屋へと踏み込んだ璃奈とヒロ
そんな二人の目に真っ先に飛び込んだのは――――
北條透「――――― ぐっ……ぅぅ…っ………!(流血する右肩を片手で押さえつけながら蹲る刑事の男が、目の前にいる何者かを睨んでいたが…背後から聞こえてきた開閉の音に驚いて振り返った)」
ムスカ「―――― おや?(北条の前に佇んでいたのは、その同僚であるはずの大佐。蹲る彼とは対照的に悠然と立つ漢の手には拳銃が握りしめられ、その銃口は北條に向けられていた。今にも引き金を引こうとしていたが、飛び出してきた璃奈とヒロの登場にその引き金に触れた指を止め、彼らを見据えた)」
部屋にいたのは、対峙し合う二人の男だけではない。
よく見ると彼らの周囲には、北條と同じく発砲によって重軽症を負った
警察官が何人も蹲り、或いは倒れていたのだった―――
天王寺璃奈「――――!(こ、これって……!)(辺りの惨劇を見渡して思わず息を呑んだ)……!(あの人たち…確か、処刑台で見かけた警察や政府の人…だったはず…?でも、これって…何か、変……っ…)(この惨劇の発端であろうムスカ、そしてその被害を被る北条の二人を交互に見比べて状況を静かに理解しようとしている)」
ヒロ「………(ムスカの様子を見て璃奈の前に出て、腕を横に出して彼女を守るように立つ)この状況は貴様によるものだな……?」
北條透「はぁ…はぁ……!?(こんなところに、一般人の少年少女が…何故…!?)こ、ここは危険です!貴方たち、早く逃げなさい…!(負傷している我が身よりも璃奈やヒロたちの身を案じて彼らを避難させようと声を荒げる)」
ムスカ「はっはっはっ…安心したまえ、北條さん。あの少年少女もすぐにあなたの後を追わせますとも。
もっとも…これから行われる『第三のサバト』を開いてしまえばもはや逃げ場など何処にもないがね。この国の住民はみな未来への礎となって散るのだからな!(拳銃を一度引いて愉快気に、高らかに嗤う)」
天王寺璃奈「――――!?(ムスカが発したその言葉を聞き逃さなかった)…第三の…『サバト』…!ベールちゃんが言っていた…この国で起きた惨劇…!まさか、本当に……!」
北條透「…やはり、そういうことでしたか…!はぁ、はぁ…何故あなたがそうまで「
賢者の石」に固執していたのか…!はじめから、貴方は…―――」
~北條の回想~
北條透「――― バ ァ ン ッ ! (この部屋へと突入した際、そこで彼は遭遇してしまったのだ――――)――――ようやく見つけましたよ…「ムスカ」大佐…!(室内にいたその人物の背後へ、引率していた警官たちと共に銃を突きつけた)」
ムスカ「――――(さらに奥の部屋へ進もうとしていたのだろう。呼び止められた男はその場で歩みを止め、ゆっくりと踵を返すのだった―――)―――おや、これはこれは北條刑事。このような場所でお会いするのも珍しいですな。そんなに血相を変えて、どうしたのです?銃を下ろしてください。穏やかではありませんよ。私が一体、何をしたというのかね?(さも無関係を取り繕うような落ち着いた素振りで対面する)」
北條透「白を切っても無駄ですよ。すべて調べはついているのです…!12年前…この国を管轄としていた貴方は、その当時に起きた大事件「ワルプルギスの血祭」の真相を世界政府という立場を利用して隠蔽したことを…!裏で国王陛下と繋がっていた貴方は彼らと契約を交わし、マジルカ城の地下で罪なき少女たちをサバトの生贄にするために調教し、実際に犠牲を強いたことも表沙汰にしなかった…!」
北條透「証拠も証言もすべてそろっている…貴方に逃げ場はありません。ムスカ大佐…貴方もまた、悪逆非道の限りを尽くした国王陛下と同罪!ここで身柄を拘束いたします!(警官たちと共に拳銃を突きつけたままじりじりと詰め寄っていく)」
ムスカ「……―――――(北条から告げられる真相を黙して耳を傾けていたが…)―――……ッ…ッ…ッ……!ハッハッハッ…!!(まるで、化けの皮が剥がれたように狂気的な笑みを零し出した)流石は北條刑事だ。もう、そこまで掴んでいたというかね!これには私も驚いてしまったよ。貴方がた警察陣を見くびっていたようだ。」
ムスカ「 だが…――――― もう遅い 」
ムスカの口角がニタリとつり上がると、その口辺より赤く強い発光が迸る
瞬く真っ赤な光が弾けた、次の瞬間――――――
―――――― ズ ギ ャ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! !
北條透「なッ―――――うわあああああああああああああああああああああ!!!!!(ムスカより弾ける謎の光に警官諸共大きく吹き飛ばされてしまった)」
ムスカ「跪けッ!!!(バキュンッ、バキュンッ、バキュゥゥンッ!!!)(弾ける光に吹き飛ばされ身動きの取れなくなった警官の一人一人を的確に発砲していく)――――― バ キ ュ ウ ゥ ン ッ ! ! (そして、最後に狙いを定めた北條の右肩へと発砲した)」
北條透「 ぐあぁ…ッ…! (起き上がろうとしたところに右肩を撃ち抜かれ、再び地面へ屈してしまった――――)」
北條透「――――はぁ……はぁ……!はじめから、貴方はその「サバト」を開くことが目的だった…国王陛下とその目的は同じだった…!しかし、何故…!?何故、貴方がそんな真似を…!」
ムスカ「……私はね、北條さん、古い伝承より伝わる『賢者の石』にずっと魅入られていたのだよ。無から有を生み出す究極の錬金術を齎すその奇跡の石があれば、人は神なりえると…!いつかはこの手にしたいとずっと強く願っていた…そのために世界政府の人間となった。そうすればより確実に賢者の石に近づけると信じてやまなかったからだ。しかし、実際は遠のいていくばかりであった…賢者の石の扱いはあまりにも厳重であり、将校…ましてや大佐である私などこの目にかかる機会すらなかったのだ。」
ムスカ「すべてを諦めかけていたその時だ。当時、ここ「マジルカ」に賢者の石に纏わる歴史があると知った。無論、国王陛下も厳格なお方だ。早々賢者の石を見せてくれる機会を設けてはくれなかった… だが、同時にこの国に纏わる興味深い話も耳に挟んだ。」
ムスカ「この国では、突如人が消える都市伝説「鬼の袖引き」というものがあった。見えざる何かに誘われ、元の場所にも、そして元の自分にも帰れなくなるという…それはそれは恐ろしい都市伝説だよ。」
ムスカ「だがその正体は、このマジルカの地下に潜む「ニューカマー」という新人類…俗にいうオカマのことなのだが、彼らの楽園がそこにあったのだ。地上の人間が引きずり込まれたのも、そのオカマ共の戯れに過ぎなかった。奇しくもこの私もその楽園へ引きずり込まれてしまい、地獄を味わった…だが、一縷の希望も見出した…!」
天王寺璃奈「……!(ニューカマーランド…さっき私たちがいたところだ…!)(ムスカの語りを静かに聞いている)」
ムスカ「なんでもその楽園には、かつてマジルカを恐怖に陥れようとした「最悪の魔女」が封印されていたそうだ。
私はニューカマーランドの住人やオカマ王の目を盗み…その封印を解いたのだ!」
~ムスカの回想~
マカオ「――――アタシたちの封印を解いてくれたのは、アナタねぇん♪」
ジョマ「―――フフッ、感謝するわ。それによく見ると、なかなかいい顔しているわねアナタ…❤ アタシたちシンデレラの眠りを覚ましてくれた白馬の王子サマに相応しいわねぇん❤」
ムスカ「えぇ…!?(封印を解いた直後に現れた、その奇抜な姿をした二人の魔女らしき人物に拒絶反応を示す)……(こ、こんな奴らが「最悪の魔女」だというのか…っ…?私はまだ悪夢でも見ているのだろうか…?)(自分の髪を掻きむしりながら何度も強く首を振るった)」
マカオ「そう照れなくたっていいわよぉん♪ そうねぇん…こうして自由の身になれたもの。何かお礼をしなくちゃいけないわねぇん…♪」
ジョマ「あらマカオ?アタシたちって、もしかしてシンデレラじゃなくてランプの魔人か何かかしらぁん?イカしたジョークだわねぇん♪まっ、それもそれでいいけ・れ・ど…♪(そう言うと二人でムスカの方へと向き合う)」
マカオ&ジョマ『一応聞いといてあげるわ。貴方の願いはなぁに?』
ムスカ「……!(「願い」…そんなものは初めから決まっている。願っても願っても叶わなかった望みが、その願いがもし、本当に叶うのだとしたら―――――)」
ムスカ「――――『賢者の石』だ!私にはそれさえあればいい!石の在処を言え!私はそれが欲しいのだ!!」
マカオ&ジョマ『………(「賢者の石」―――そのワードを耳にした時、二人の表情が静かに硬直した)』
マカオ&ジョマ『………ねえアナタ…?「アタシたち」と契約しなぁい?』
ムスカ「…契約…?い、いったい何の話だね…!?」
マカオ「その「賢者の石」を求めているのが、アナタだけじゃないってことよぉん♪」
ジョマ「そっ。アタシたちも、その石が欲しいのよぉん。何故ならアタシたちは…この国の国王が齎した賢者の石の力によって魔力の半分以上を奪われてしまったのよぉ。だ・か・ら・ね…?」
マカオ「国王からその賢者の石を奪い返し、アタシたちは本来の魔力を取り戻す。そして今度はその力を利用して、全盛期以上の魔力を手にしてみせる。やがてこの国を…いいえ、この星そのものをアタシたちの究極で美しい楽園にするためにねぇん♪」
ジョマ「その悲願が達成されるのなら、アナタに賢者の石の一つや二つだってあげちゃうわぁん。なんだったら、この国そのものも、ね?」
ムスカ「なっ…賢者の石だけでなく、私が…この国さえも…!?(壮大な提案に驚愕する)」
マカオ「悪くない話でしょおん?すべてが終わればアナタはこのマジルカの新たな国王となり、そして賢者の石も手に入る。」
ジョマ「賢者の石はアタシとマカオの野望を叶えるための道具に過ぎないわぁん。ことが終われば、好きなように使わせてあげるわよぉん♪どう~?」
ムスカ「………―――ハッハッハッ!!(自分はまだツキに見放されてなどいなかった。これ以上とない大チャンスが舞い巡ってきた状況に、興奮止まず高らかに嗤いあげるのだった)」
ムスカ「この私が、「王」に…!いいだろう…!ならば任せてもらおうか!最高のショーのシナリオを、私が手掛けてやる…!!」
ムスカ「――― そして、私は今ここにいるのだ。国王陛下は"最悪の魔女"である『マカオとジョマ』がその身を支配し、彼らと共に計画を練り上げて実現したのが『ワルプルギスの血祭』なのだよ…!『魔法少女育成計画』もその一環に過ぎない!たとえ誰かが訝しんだとしても、世界政府の権力の一端を持つ私の手にかかれば隠蔽など造作もないことだ!」
ムスカ「すべては「我々」の計画通りなのだ!そして今日…すべての鍵を繋ぐあの少女…『エルメラ・エスポワル』、いや…彼女がその身に持っている『賢者の石』を手に入れてこそ、12年以上に及んだこの壮大な計画が達成されるのだ!!そうなればもはや真相が明かされようが、この身が追われることになろうが関係のないこと!賢者の石の力を手に入れた私がこのマジルカの次期国王となり、この国を中心に世界の覇権を握るのだ!私のバックには"最悪の魔女"もいる!向かうところ敵なしだ!誰も私を止められはしない!最高のショーだと思わんかね!?アッハッハッハ…!!」
天王寺璃奈「……ひどい……っ……ひどすぎる…!(ついに我慢しきれなくなった少女が悲痛な声を上げる)そのために、ベールちゃんやこの国の人たちが犠牲にされてきたんだ…!そんなの…酷すぎるよ…!」
北條透「はぁ、はぁ…ま、まさか……あの国王陛下の正体が…そんな……!国王もまた、この事件に巻き込まれた"被害者"だったというのか……そして、ムスカさん…貴方って人は…ッ……!(跪いた態勢から彼を睨み上げる)」
ヒロ「……救いようがねえな(そっと呟く)悪いがベールちゃんはお前の思い通りには…………(土弾を広範囲でムスカに放つ)させねえ!(勢いよくムスカに向けて突進する)」
ムスカ「――― バキュッ、バキュッ、バキュゥウンッ!!!(広い放たれた土壇を、咄嗟に構えた拳銃からすべて撃ち抜く並外れた銃撃スキルを発動し、相殺しきった)」
ムスカ「これから国王陛下…マカオとジョマのもとへ合流し、計画の最終段階へ移行する。だがその前に…目障りな君たちを私自らが粛清してやる!!さぁ、遊びは終わりだ!!すべて焼き払ってやる!!」
天王寺璃奈「……させない…っ…!(意を決したように顔を上げる)ベールちゃんを…ベールちゃんが生まれ育ったこの国を、もうそんな目に遭わせたりしない…!絶対に、救ってみせる…!」
ムスカ「アッハッハッハ…!ほぅ…どうやらあの魔女、エルメラの知り合いのようだな。だが、君たちのような子どもに何ができるというのかね!?(バキュンッ、バキュゥウンッ!!)(ヒロや璃奈に向けて発砲を続ける)」
ヒロ「……!流石の銃撃スキルだ………(土の傘で銃弾を跳ね飛ばしていく)璃奈ちゃん!銃弾を弾いてるうちに後方から援護してくれ!(もう片方の手で璃奈に向けて土でできたショットガンを放る)」
天王寺璃奈「うんっ、任せて…!(ヒロの防御を得ている最中、彼に投げ渡された土製のショットガンをキャッチ。傘の内側よりムスカに狙いを定める。まるで自分が得意とするシューティングゲームのように、目視で照準を捉えると――――)―――― ダ ァ ン ッ ! ! (土の拡散弾を解き放った)」
ムスカ「チィッ!!(グルンッ―――!)(放たれた拡散弾を寸での所で側転回避――回転する間際に銃弾を即座にリロード――し、着地と同時に再び銃口を突きつけたまま身を乗り出し、今度は横から攻めようと駆け出していく)」
北條透「……!危ないッ!!(ムスカが横から襲撃してくる様を見据え、ヒロと璃奈に注意喚起する)」
天王寺璃奈「……!(おそろしく速いリロード…私じゃなきゃ見落としちゃうね)(ムスカの、回避と同時に行われた装填に一度は目を見張ったが―――)――――ここだ!( ダ ァ ン ッ ! )(ムスカの移動する予測戦を把握した上での発砲を行い、牽制する)」
ムスカ「ぬぐゥ…ッ…!?(回り込む前に牽制で撃ち込まれた散弾に遮られ、間一髪直撃こそは免れたものの尻込みしてしまう)手こずらせる…!ならばこれでどうだァ!!(ボシュゥゥウンッ…!)(すると地面へ叩き付けるように煙幕弾を炸裂させ、周囲に白煙を漂わせていく)」
天王寺璃奈「―――!(これは…スモークグレネード…!)(拡大していく白煙に目を細める)」
ムスカ「タッ、タッ、タッ――――!(バカどもにはちょうどいい目晦ましだ。)(硝煙の中をジグザグ状に駆け抜けながら確実にヒロたちの死角へと回り込んでいく)」
天王寺璃奈「(かくなる上は…)スチャ―――(オートエモーションコンバート璃奈ちゃんボードを装着。それにより、ボードを介して煙で覆われた視界を可視化させ、ムスカの位置を捉えた)―――ヒロさん!15時の方角から敵が接近だよ!」
ヒロ「…おう!(土の傘越しにムスカに土拡散弾を放つ。弾により傘に空いた穴はすぐに修復される)そのボード………そんな仕組みがあったのか!」
ムスカ「ぬゥ…!?(散弾銃が肩を掠めたことで本能的に退く。やがて硝煙は晴れていく、その姿を曝け出してしまう)」
天王寺璃奈「うん…!名付けて…オートエモーションコンバート璃奈ちゃんボード ver.0.1.5!今回のアップデートで、戦闘面でサポートできるように様々な機能を搭載したんだ…!他にも……あっ…(会話の途中に晴れ渡る硝煙の果てに、ムスカの姿を捉える)」
北條透「……なんて子どもたちだ…あのムスカ大佐を相手に、圧倒している…!(隅っこで蹲りながら戦況を見守っていた)」
ムスカ「アッハッハッハ…子どもにしては上出来じゃなあないか。だが、大人を揶揄うのはその辺にしたまえ。私はこれでも忙しいのだ。すぐ目の前に、「賢者の石」があるからだ!!(そう叫ぶと、一方的に退かれているはずのムスカが大胆不敵な笑みを浮かべる。その口辺の端が"赤く発光"したのだった――――)」
天王寺璃奈「……!(何か、光った…!?)(ムスカの口辺に瞬いたその輝きを見逃さなかった)」
北條透「――――!(ムスカが見せたその怪しい輝きに目を見張る)いけないッ!伏せてくださいッ!!(ヒロたちにそう叫ぶが―――)」
―――――― ズ ギ ャ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! (ムスカより赤い光が瞬いたその瞬間、凄まじい衝撃が彼らを襲った)
天王寺璃奈「ふぇ―――――うわわっ…!?(ムスカより迸る謎の衝撃にヒロと共に吹き飛ばされる)」
ヒロ「……!(衝撃波に吹き飛ばされる)璃奈ちゃんっ!(とっさに璃奈に向けて手を伸ばす)」
天王寺璃奈「わっ――――ガシッ(伸ばされたヒロの手を咄嗟に掴むことで事なきを得る)あ、ありがとう……!それにしても、今のは、なに…っ…?(ヒロと共にムスカの方へと振り返る)」
ムスカ「アッハッハッハ…!見たまえ…!これこそが世界を揺るがす「賢者の石」…その"外殻"たる石―――『カオススピネル』だよ!(口辺に咥えていた赤い輝きの正体は、同色の光を放つ丸い宝玉であった)
天王寺璃奈「外殻…?
カオススピネル…?確か、メディが言っていたような… 賢者の石に似ているけれど…違う……?」
ムスカ「カオススピネル」とは、この混沌世界のあらゆる場所に遍在する鉱石の一種だよ。こうして手にするだけで、持ち主の身体能力を増強させる他にも素晴らしい力を解き放つことができるのだ。この鉱石は科学にも応用され、噂には恐ろしい破壊力を持った古代兵器の動力源にも使われたことがあるという。」
ムスカ「しかしその正体は「賢者の石」が生まれ出た際に剥がれ落ちた外殻なのだ!故に使い切りの限定的な効果を持ち主に齎すというが…世界政府はこれの量産に成功しているのだよ。私も大量に所持しているのだがね。だが、これだけの外殻を束ねても、大元の賢者の石には到底及ぼないのが口惜しい。私が欲しいのは…こんな紛い物などではない。石だ…「賢者の石」こそが私が求めるものなのだ!」
天王寺璃奈「そんなものが…じゃあ、それは… 賢者の石が持つ力のほんの一部を、一時的に扱うことができるってことなんだ…(すごい力だけど、対抗できないわけじゃない。デメリットはある、ってことだ…)(そう、ヒロにアイコンタクトを送る)」
天王寺璃奈「だったら尚更、そんな危険なものを貴方なんかに渡すわけにはいかない。ベールちゃんがその力を使わずに大事に守り通してきたんだ。それが、大切な「妹」さんとの約束だったんだと思うから…」
ムスカ「…そうだ!エルメラ・エスポワル…彼女が持つ「賢者の石」は持ち主を守り、いつの日にかマジルカへ帰る時の道標として、彼女に受け継がれたのだ…!」
ムスカ「君たちは「賢者の石」を"奇跡"の道具のように考えているのかね?賢者の石はかつて恐るべき魔力で世界を震撼させ、全地上を支配し得る力を持つ石として恐れられていたのだ!そんなものがまだ健在しているというのなら、あの少女にとってどれだけ危険なことか君たちにもわかるだろう!?」
ムスカ「私に協力してほしい…あの少女の居場所を君たちは知っているハズだ!私は手荒なことはしたくないが、あの少女の運命は君たちが握っているんだよ。君たちが協力してくれるんなら、あの少女を自由の身にしてやれるんだ…!」
天王寺璃奈「そんなのは、端からお断りだよ。もう、全部知っちゃったから。大切な「友達」…ベールちゃんを酷く傷つけた貴方たちを、私たちは絶対に許さない。ベールちゃんが大事にしているものは、私たちも守り抜く。誰にも、渡さない…!(無表情の中に輝く瞳に確固たる決意の火を灯す)」
ヒロ「そんなものをお前に使わせるわけにはいかねぇよ……自由の身にしてやる?手荒な真似はしない?……信用できるかよそんなこと(璃奈の前にスッと立ちムスカと対峙する)」
????「――――その通りですね。(璃奈のすぐ後ろ、つい先程まで誰もいなかったはずのその場所から、突如としてその声は発せられる)仲間の為に、命を賭して目の前の敵に臆さず立ち向かうその覚悟と勇姿…… とても、とても、感動致しました……… 是非とも、私めにもあなた方のお手伝いさせてはいただけないでしょうか?(そう言って、瑠奈の背後からその姿を現す)」
天王寺璃奈「うんっ、とっても、助かる――――――?(背後からの声に無意識にそう応えるが、一瞬、間が空けてぴくりと微動する。明らかにヒロの声ではない別人の声音に遅れて気が付いて、その背後へと振り返った)」
ヒロ「…………なんだ?(璃奈に続いて背後を振り返る)何者だ?」
????→理香「これは失礼、自己紹介がまだでしたね。(2人の前に現れたのは、くせ毛の強い黒のショートヘアと美しい色白の肌が特徴的な、夏用の学生服姿の華奢な体型の少女だった)私は、ロスダルム私立
恣慰ヶ丘学園2年の『久藤理香(くどう りか)』と申します。お2人…… いえ、"皆さま"のご活躍を学園で目の当たりしたあの時から、誠に勝手ではありますが後をつけさせていただいておりました。一度興味を持った事にはついつい首を突っ込みたがってしまうのが、私の悪い癖でして…… いやはや、困ったものですねぇ、クフフフ………。」
理香「……まぁ、それはそれとして。(ムスカの方に目を向けて)随分と楽しそうに語っていただいた矢先に申し訳ないのですが、貴方…… いや、貴方方の目論見は何としても止めてもらわなければ困るんですよね。この国だけをどうこうしたいというのであれば、こちらは関係ありませんし口を出すこともありませんが、全世界までとなると流石に見過ごせなくなりますよね?私の平穏な生活が、確実に脅かされるって事ですから…… なので、私はこのお2人同様、貴方の敵になる事を選びます。そして―――――(胸ポケットから謎の紙札を取り出して)貴方が惨めに敗北してくださるように、お2人を全力でお支えします。」
ヒロ「恣慰ヶ丘学園…………あっ!あの時の………(かつての記憶を思い返すように)いつの間にここまで後をつけていたんだ…?」
天王寺璃奈「…恣慰ヶ丘…!あの学園祭の…!(過去に訪れた例の学園が過る)……そうだったんだ…(まるでタキオンさんを思い出すなぁ)(初めて会うはずの理香に対して何処か懐かしさを感じるような眼差しで相対していた)」
天王寺璃奈「…うんっ、ありがとう…♪ (頼もしい味方を新たに着けてムスカの方へと振り返る)」
ムスカ「……君たちのアホ面には心底うんざりさせられる。大人しくエルメラの居場所を吐けば生かしてあげたものを…(璃奈、ヒロ、そして理香の3人を前に憐れむように首を振るう)」
ムスカ「私を拒むというのならば仕方ない。ここで全員まとめて焼き滅ぼしてやる!(口辺に忍ばせたカオスピネルの輝きが再び強く輝きだす――――)」
キ ュ ガ ア ア ァ ァ ァ ――――― ッ ! (赤い光が強く瞬く、そして――――)
ムスカ「 見せてあげよう ――――― "賢者の雷"を! 」
――――― ズ シ ャ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (真っ赤な光が弾ける。それと同時に迸る衝撃。まるでそれは落雷のような轟音を立てて弾け飛び、空間一帯に凄まじい衝撃が迸った――――)
天王寺璃奈「きゃんっ――――!?(直撃こそは免れたものの、まるで眼前で落雷を目の当たりにした衝撃にその身が吹き飛ばされかけた)」
ヒロ「…璃奈ちゃん!!(吹き飛ばされかけた璃奈に向かって飛び出し、彼女を受け止める)
理香「これはこれは、凄まじいですね……(と言いながらも、衝撃にまるで動じていない様子で)まずは、あの攻撃を凌ぎ切る力が必要という事ですね、ならば―――― "バリエル〈護れ〉"!(呪文と思わしきものを唱え、紙札を前方に放り投げ)」
ヒュゥッッ………(紙札が高く舞い上がった、次の瞬間――――) カッッ―――― ビュイイイイイイイッッ!!!(紙札に込められていた強い魔法の力が放たれ、放たれた魔力は瞬く間に強力な魔法バリアの膜となってヒロと瑠奈の全身を覆っていく)
理香「―――このバリアは、私たちに降りかかるありとあらゆる攻撃によるダメージをたった1度だけではありますが、完全に無効化してくれます。そして、これは攻撃力増強の魔法が込められた札です、あのカオススピネルとやらで強化されているであろう彼を確実に制圧するなら、これを併用して攻撃を叩き込むと効果的でしょう…… これらは、今まさにお2人を含めた大勢の方々が守ろうとしているこの国『マジルカ』で作られた魔法たちです、きっとお2人の思いに応えてくれますよ。(ヒロと瑠奈に赤い紙札を渡して)」
理香「そして、そこの殿方。(部屋の隅にいた北条に目を向け)貴方にも、マジルカの恩恵とご加護を―――― "リグト・クーレ〈傷を癒せ〉"!、彼の方へ治癒の魔法が込められた紙札を呪文と共に放り投げる)」
天王寺璃奈「―――――!(ヒロに受け止められたことで落下の衝撃が解消される)ヒロさん…!何度もありがとう…っ…! それにしても、今のは…雷……!?」
ムスカ「アッハッハッハ…!見たまえ!この力を!これこそが
ケイオス創世記で描かれた、ソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ!ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えられているがね。"外殻"だけでこの威力…!やはり「石」の力は素晴らしい…!やがてこの力をもって、全世界は再び「賢者の石」の力にひれ伏すことになるだろう!!」
ムスカ「これから王国の復興を祝って、諸君に「賢者の石」の力を見せてやろう!さぁ、何を躊躇う!?かかってこい!(すると再び光を放つカオススピネルより、今度は稲妻が4本の柱のように上下に迸りながら彼らに迫っていく)」
ムスカ「――――なんだとッ!?(だが、その稲妻を理香に遮られてしまう)くそぉ~…ッ!それしきの術で!私をあまり怒らせない方がいいぞ!!(バキュンッ、バキュゥンッ!!)(魔法が駄目ならと今度は銃撃で対応していく)」
天王寺璃奈「……!このバリアは…君が…?わっ、ありがとう…!すごく、頼りになるよ…!(理香に感謝の視線を送るとヒロと共に立ち上がる)…マジルカで作られた魔法…ベールちゃんの生まれ育った故郷の… 私にも、その"想い"が伝わってくる…!(赤い紙札を受け取るとその全身にバリアを覆い銃弾を防ぐ)」
北條透「……!(癒されていく傷に驚嘆するように目を見張った)…い、一体何が起こって…これが、「魔法」というものなのですか…!俄かには信じられないですが…身体の傷が、たちまち治っていく…!(理香の術によって重症だった全身の傷が瞬く間に完治された)」
天王寺璃奈「……―――― ヒロさん、『これ』使って…!(「今がその時だ」と自分に訴えかけるように静かに頷くと、手元に出現させた四次元転送ボックスを展開。その中に収納されていた黒銀の『バット』を彼に促した)」
天王寺璃奈「その武器の名前は―――――『 13ace bat 《 ベースバット 》 』! 13の機能を備えた戦闘特化型特殊金属バットだよ…!ヒロさんの為に、私とメディがヒロさんの過去の戦闘データを参考に作ったものなんだ…!今こそ…使ってほしい…!(その無垢な瞳で促すようにヒロの顔を見上げる)」
ヒロ「…それは!(バットを見て)…………ありがとう(璃奈の肩に手を添え、軽く引き寄せてからポンと叩いて受け取る)……使わせてもらうぞ!そのバット!(スッとバットを突きつける)」
ムスカ「ハッハッハ…さっさと逃げればいいものを!私と戦うつもりか!?(バットを突きつけるヒロへ拳銃を手に猪突猛進) バ キ ュ ン バ キ ュ ン ッ ―――― グ ル ン ッ ―――― ハ ァ ッ ! ! (突撃の最中に発砲を交えたアクロバティックな旋風蹴りを繰り出し、ヒロを圧倒せんと迫る)」
天王寺璃奈「――― ヒロさん、ウェポンチェンジ機能を使って!(ヒロに叫ぶ)」
ヒロ「おう!(ウェポンチェンジ機能にてバットの先端を鎖に変換。旋風蹴りを喰らわせたムスカの足を絡ませようと繰り出す)今だ!奴に射撃を!」
天王寺璃奈「うんっ…―――― えいっ!(ショットガンより土の拡散弾を解き放つ)」
ムスカ「しまっ―――― グハァッ!!(振り抜いた右足に鎖が絡まったところに土で形成された散弾が腹部に炸裂。そのひとたまりもないダメージに吹き飛ばされる)」
ムスカ「 ズザザァーッ…! (だがすぐに受け身を取ることで反動を解消する) “賢者の雷”!! (口辺に忍ばせたカオススピネルが発光。再びあの稲妻を繰り出そうとするが――――)」
理香「……クフフフ…… どうやら、逆転のチャンスを作るお手伝いは十分に出来たみたいですね。良かった、良かった………(戦いをしばらく静観した後、その行く末を悟ったかのように呟き)ここから先は、お2人の力だけでも十分でしょう…… ムスカ大佐、でしたっけ――― もう、貴方の敗北は決定事項です。(蔑む様な笑みをムスカに向け)」
理香「………さて、私はせめて戦いの邪魔になりそうなものを片付けておくとしましょう……… ついでにまとめて治療してあげますか。(そう言って、負傷して倒れている警官たちを片っ端から部屋の隅へと運んでいく)」
ヒロ「…あの光か!だが先に仕留めれば…!(鎖を離したと同時にムスカにバットの先端から出たボールを飛ばす)」
ムスカ「……!(野球ボール…!?その程度の玩具で止められるものなど――――)――――― ボ グ ゥ ォ ン ッ ! ! ! ( ! ! ? )(だが、直撃する寸前で爆ぜるボールに呆気取られる間もなく爆撃されてしまい、稲妻を解き放つ前に吹き飛ばされてしまった)」
カラン、カラン…ッ――――パリィィインッ…!(爆発の衝撃でムスカの口内から吐き出されたカオススピネルが地面に何度かバウンドした後、粉々に破裂したのだった)
天王寺璃奈「やった…!「ボンバーボール」の効果は絶大だね…♪(起爆式野球ボールの火力を見て静かにガッツポーズをとる)
ムスカ「……ぐ…ぅぅ…ッ…!おの、れぇ…――――― ガ バ ァ ッ ! ! (煙を上げながら起き上がる最中、ヒロを睨みつけて彼に突撃する…と見せかけて――――)」
ムスカ「 バ ッ ! ! (咄嗟的に璃奈の方へ腕を伸ばし、彼女を人質にとるようにその身に手繰り寄せる)」
天王寺璃奈「えっ―――― きゃっ…!? (まさかあの爆撃を受けても立ち上がるとは思っておらず、驚いている隙にムスカに囚われてしまう)」
ムスカ「 跪け!命乞いをしろ!!小娘の命と引き換えだ!!エルメラから石を取り戻せ!!!それとも…その金属バットで私と勝負するかね!?(人質に取った璃奈のこめかみに拳銃を突きつけながらヒロたちを脅す)」
天王寺璃奈「ヒロさん…ッ…!(悲痛な叫びをあげる)
ムスカ「さあ、どうする…!?選択を誤ればこの娘の命はないぞ!じっくり考えるといい、3分間待ってやる!」
天王寺璃奈「……―――――――(ムスカの腕に囚われる中、ヒロにアイコンタクトを送る。彼のことを、心の底から信頼している眼差しで――――)」
北條透「なっ…!?一般の少女を人質に…!?ムスカさん…貴方って人は…!(正義感から、その卑劣な行為に拳を震わせる)」
ヒロ「璃奈ちゃん!!?(人質に取られてしまった彼女を前に尻込みしてしまう)…くっ、何処までも卑怯な奴だ…!!(璃奈ちゃんからもらったこのバットの機能で…いや、まだ何が搭載されているかも把握していないのに、それは危険だ…!どうすれば…どうすれば……!)」
ヒロ「……!(そんな焦燥感に苛まれている中で、璃奈の眼差しに気づく。自分のことを信じてくれている、その無垢な眼差しを)………そうか…そうだよな…!「こういう時」の為に、俺たちは強くなったんだ…!」
ヒロ「璃奈ちゃん、今…助ける!そして…(何もないその場で腕を目一杯振り抜き始める)」
ムスカ「……?何をしようというのかね?そんなところから攻撃しようとも、この距離では無駄なことを!(ヒロの謎の挙動を嘲笑う)」
ヒロ「―――――終わらせるッ!!!( “転移”!! )(その瞬間、人質に囚われた璃奈と自分の位置が"入れ替わる"。そして―――)――― ど ら ぁ ッ ! ! (振り抜いた腕から背後のムスカへ強烈なエルボーを予備動作もなく繰り出し、引き剥がした)」
ムスカ「んなッ―――― グ ハ ァ ッ ! ! ? (少女と入れ替わる青年、その光景に驚愕する間もなくエルボーが腹部にめり込み、小さな呻き声を上げながら数歩ずつ退いていく)…ば…か…な……ッ…?!いったい、何が、起こったと、言うのかね…ッ…!?」
天王寺璃奈「……!そっか、今のは…!ヒロさんの新しい力…“転移”!(地面に接触している周囲の人や物の位置を一瞬で入れ替えることができる能力…!だからヒロさんは、私と入れ替わる前に攻撃態勢に入って…“転移”直後に予備動作もなく相手に攻撃を与えられたんだ…!すごい…!)(ヒロの一瞬の判断を把握したのか、感心したように目を輝かせていた)」
ヒロ「………見たかい、璃奈ちゃん……………(璃奈の様子を見て)俺に人質作戦なんて通用しない‥そういうことだよ!!!(バットの先端をビームソードに変え、ムスカに振りかざす)」
理香「"リグト・クーレ〈傷を癒せ〉"―――(部屋の隅で警官たちを次々に治療しながら、今まさにとどめの一撃を振るわんとするヒロの姿を見て)………(……そう、それで良い…… そのまま一気に斬れば確実に奴の息の根を止められる…… 貴方の完全勝利です―――)………さようなら、愚かな殿方。(ムスカを見て、小さく呟く)」
ムスカ「おのれぇぇぇぇえええええッ!!!(バキュン、バキュンッ!!)(肉薄するヒロへ何度も発砲する。だが銃弾は悉く弾かれてしまい―――――)」
ムスカ「 ぬぐああああああああぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ~~~~~~~~~~ッ!!!!! (詰められた距離から肩から脇にかけてノの字に斬り伏せられてしまい、ついにその手から剣銃がするりと抜け落ちた)」
ムスカ「……マジルカは滅びぬ…!何度でも、蘇るさ…!マジルカが齎してくれた「賢者の石」の力こそ、人類の夢…だからだ……――――― ド サ ァ … ッ … ! (最後の力を振り絞るように声音を震わせて、男はついにサングラスの内側で白目をむきながら仰向けに倒れ込むのだった―――)」
北條透「………(気を失い卒倒したムスカのもとへ歩み寄っていく。そして…)――――― ガ チ ャ ッ (彼の手に、手錠をかけた)……午後23時20分、ムスカ大佐、逮捕…!(腕時計を見やりながらそう呟いた)」
北條透「……一警察官として、貴方がた一般人を巻き込ませてしまい、申し訳ございませんでした。ですが、貴方がたのお陰で、重犯罪者を逮捕することができました。ご協力…感謝いたします。(ヒロ、璃奈、理香の3人へ深くお辞儀する)……エルメラ・エスポワル… 我々は、彼女に対し大きな勘違いをしていたようだ。このマジルカさえも…。(目を伏せるように俯くが、すぐにその顔を上げる)」
北條透「……貴方がたには、行くべき場所があるのでしょう?どうぞ、行ってください。ここからは我々大人の仕事ですから。(気が付けば、彼と共に突撃していた警察官たちも含めて全員がヒロたちへ敬礼を送っていた)」
天王寺璃奈「ううん…みんなのお陰で、私たちも助けられた。こちらこそ、ありがとうございます…!〖╹▿╹〗(北条たちや理香にぺこりと頭を下げる)」
天王寺璃奈「……行こう、ヒロさん!ベールちゃんと、この国を救いに!(そんな彼の手を引いて、奥の扉へと向かっていく)」
ヒロ「………あぁ(璃奈に手を引かれつつ走り出す)」
理香「クフフフ、礼には及びません…… どうか、お気をつけて。皆様の勝利を、陰ながらお祈りいたします……(瑠奈とヒロに手を振って)」
理香「…………ふぅ。(……さて、目当ての物は見れたことですし、長居は無用ですね…… ここから先も付いて行きたい所ですが、流石にラスボス戦の現場にまで出張ってしまっては、私が普通の人間でない事が確実にバレてしまう…… 今の私はあくまで、興味本位で旅の一行を尾行して来ただけの一般人…… 使った魔法も、マジルカで実際に売られている魔法しか使用してませんし…… まぁ、大丈夫でしょう…… 皆様の事は、すべてが終わった頃合いを見て、また追跡させていただくという事で――――)………あ、すいませーん、私も帰りたいので同行させてくださーい。(そう言って北条達の方へ駆け寄っていく)」
「あなた」たちがマジルカ城へ突入するその直前の出来事――――
― マジルカ城・地下牢獄 ―
ソラ「 ♪~ (獄中にて肢体を鎖で拘束されているにもかかわらず、首から上のその表情はどこか愉悦に口元を綻ばせていた) 」
コ ツ … コ ツ … コ ツ … ――――(そんな、静寂に包まれた地下牢獄に響き渡る靴音。その音は次第にソラを捕らえる監獄へと近寄っていた―――) 」
看守『……!おい、貴様何者d――――バキュンッ、バキュンッ!!( ドサァ…ッ…! )(二人組の看守の身体に瞬く間に空いた風穴。その体が崩れ落ち、その手元から鍵を手放してしまった)』
レインコートの男「―――― ガ チ ャ ン ッ (始末した看守から拾い上げたその鍵を牢獄を開錠。中へ入り込み、ソラを捕らえているその鎖さえも黙々と解除してしまった) 」
ソラ「 ヒュー♪ (颯爽と現れたその男の手により、謎の青年は解放された) いや~、助かったよ。ありがとね、「黒岩」さん♪(飄々とした笑みをその男へと送った) 」
レインコートの男 → 黒岩満「 パ サ ァ ――― (素顔を覆うフードを脱いでソラと対面する)余計な手間を取らせやがって。「賢者の石」の力を失い弱体化したとはいえ、あのオカマ魔女の魔力は底知れんのだぞ。おまけに奴等は"不死身"だ。果たして『計画』は上手くいくんだろうな?(青年へ睨みを利かせる) 」
ソラ「ははっ、大丈夫だってば♪あの二人を葬る手段は、ボクだけが掴んでいる。だけど、殺るならその絶好の機会を待たなきゃいけない。でも既に手は打ってある。もうすぐ、来る頃だろう…♪ 」
黒岩満「エルメラの仲間共か。さっきマカオとジョマの野郎から連絡があった。サツ共も事態を嗅ぎつけてここへ来る頃だ。そっちは俺が始末をつける。お前は確実に「賢者の石」を奪え。 」
ソラ「言われなくてもぉ~、やるときはやるよ~♪(るんるんとスキップしながら黒岩の周囲を移動する) じゃっ、そういうことでぇ~!あとはよろしくね、黒岩さん♪(彼に手を振りながら螺旋階段を軽い足取りで駆け上がっていくのだった) 」
黒岩満「………12年前の「ワルプルギスの血祭」…その『ファントム』の生き残りが、今日までよく潜伏していたものだ…。だがお陰で、「賢者の石」を確実に入手できる算段がついた。『計画』は順調…必ず成し遂げてみせる…『あのお方』のためにも――――― 」
― 子犬の間 ―
ベール「…………ここはアマゾン??あたしはカメハメハ大王???(気が付けば全員とはぐれた上に見知らぬ空間に誘われひとり呆けていた)」
ベール「…くっそ…やりやがったなオカマ魔女…。空間魔法の類だろうが、めんどくせえことしやがって。(チっと舌打ちをしながら辺りを見渡すが、これと言った特徴や異変は見られない。先へ急ごうと歩を進め出した、次の瞬間―――)」
―――――― 待ちたまえ。
鳴滝「―――― ギ ュ オ オ オ ォ ォ ォ … ッ … ! (男の制する声が轟き、ベールの行く手を遮るように開かれた灰色の壁。その遥か向こうから、あの得体の知れない男が再び彼女の前に姿を現したのだった)……久しぶりだね。とは言え、私にとってはつい昨日の出来事のようにも感じられるが。君にとっては随分進んだ未来になったようだ。(再会を喜ぶように、男は不敵に笑みを零す)」
ベール「………………………………誰おっさん???」
鳴滝「おのれ忘れるなーーーーーーーーーッ!!!(憤慨) コホンッ…私だ、鳴滝だ。いつか君を数多の世界へ誘った者だよ。」
ベール「……………………あー、なんか、プリキュアが好きそうな、あの…!(思い出したように合いの手を打つ)」
鳴滝「そうそう…時代は仮面ライダーではなく魔法少女を求めている…!だからプリキュアに力を!!って、おのれ違うわーーーーーーーーーッ!!!(二度目の憤慨) …だが、思い出してくれたようでなにより。」
鳴滝「ベール君、君は…因縁深いこの国へ戻ってきたのだな。その因果に決着をつける為に。これもまた、君自身が『
特異点』である故の運命(さだめ)なのやもしれない。私は嬉しいよ…!やはり君は、未だ多くの謎を秘めたその力を、その可能性を引き出してくれようとしている!それこそが私が求めていたものだ!」
ベール「………寝言は寝て言えよおっさん。あたしゃもう"そういうの"に興味ねえんだ。この国に戻ってきたのは、確かにそうだよ。けどこれは、あたし自身の決着(ケジメ)だ。因果だとか運命(さだめ)だとか、んな寒ぃ理由でやってんじゃねえの。」
ベール「その『特異点』がどういうものなのかっても知ったよ。ヒロの字の生涯を通じて。(渚カヲルの導きから閲覧したヒロの過去、それを垣間見た頃がフラッシュバックする)……結局のところ、あたしは「そんなもの」にはなれないし、なろうとも思わない。盗んだチャリで違法にハイウェイを暴走し、休憩がてら逃げ込んだ銭湯で風呂上がりのフルーツ牛乳を飲んで、捨てられたハンモックで一夜を過ごす。そんな小さな日常を味わうだけで幸せだから。」
ベール「 人は生きるか死ぬか、その二択の道をいつも橋渡りしている。だから今日まで生きてこられたのは、それだけで"奇跡"なの。あたしはその"奇跡"に生かされている。『あの子』が辿れなかった、その"奇跡"の先を――― 」
ベール「だからもう、これ以上のものはいらない。やりたいことは、欲しいもんは、あたしが全部決める。何も決められず逝ってしまった『あの子』の分まで。」
ベール「…そういうわけだから、もーあたしに関わんな。退けよ。行かなきゃなんねえところがあるんだから。」
鳴滝「そいうはいかん。君が何と言おうと、『茶会』の連中が何をほざこうと、私は私の目的を諦めてたまるものか…!そのためにも、君にはまだ役目がある!『特異点』が持ちうる"奇跡"的な力の神髄を!その可能性が導き出す世界への変革を!さぁ…見せてくれたまえ、エルメラ・エスポワル…いや!「ベール・ティルチャオス」!君の本当の力を…!!(これ見よがしにバッと片腕を広げながら、未だ閉ざされていない背後に広がる灰色の壁へと彼女の視線を促した)」
コ ツ … コ ツ … コ ツ … ――――――(灰色の壁の向こうから、一つの人影がゆらりと出でる。その影はより鮮明に浮き彫りとなり、ついにベールの前に姿を現す。その正体こそ―――――)
金髪の少女「――――――――――― コ ツ ン (金色(こんじき)に輝く長い髪を一つに束ねた魔法使いの少女らしき人物。髪色や服装こそは違えど、その背丈や顔立ちや瞳の色は…ベールとどことなく瓜二つだった)」
ベール「――――――― ! ! ? (灰色の壁より誘われたその金髪の魔法使いの姿を凝視し、何かに気づいたのか、はっと息を呑んだ。初めて出会うが、どこかで会った気がする既視感。自分と同じ瞳を持つ人物を通じて感じたその違和感の果てに導き出した答えは、ただ一つ―――――)」
ベール「――――――― 『 シントリー 』……っ……!?」
金髪の少女 → シントリー「 逢いたかったよ、『 姉様 』♪ (ベールと年齢差を感じさせない少女が零したその笑顔は、ベール自身がその過去に何度も目にしてきたあの幼い『妹』と全く同じであった。そう、彼女こそ間違いなく…死んだはずの妹・シントリーだったのだ――――)」
鳴滝「……驚いただろう?だが無理もない。彼女こそ、数多の因果を越えた先に存続した君の肉親―――『 シントリー・エスポワル 』、その一人だ!!」
鳴滝「私の言葉を覚えているかね?世界とは一つだけに非ず、数多の意識の数だけ世界は存在する、と。可能性に満ちた世界…それが「並行世界」だと。彼女は…その並行世界の中で、世界の因果に滅ぼされず、"奇跡"的に生存を果たしたのだ!!」
ベール「…そん、な……っ… じゃあ、本当に……(眼前に佇む金髪の少女…『妹』を前に、冷静さが欠けていくように指先がわなわなと痙攣する)」
鳴滝「おめでとう、ベール君。これで君の願いは果たされた。最愛の「妹」との再会。それがついに叶った。だが…――――― "これで終わりではない"。(帽子の内側で、男は不気味に口角を引きつらせた)」
シントリー「 ねえ、「 姉様 」 ―――― 私の為に"死んでよ" 」
ベール「 ! ! ? 」
金髪の少女のあどけない笑顔から放たれた冷たい言葉が、翡翠の少女の心を突き刺した――――
ベール「……は、はは……や、やだなぁ…シントリー……?空耳かしら…?今すっげー物騒な言葉が聞こえた気がするんだけど…あはは…もしあたしの聞き間違いじゃないのなら、一体どこでそんな言葉を覚えたのかしら…?
いけないよ~…あどけない子供たちが不孝に走っちゃうじゃないかー… あたし、お姉ちゃんだよ…?ねぇ……??(聞き間違いだ―――そうであってほしいと、切に願う。だが…)」
シントリー「……聞こえなかった?じゃもっかい言うね。」
シントリー「 死んでよ、「 姉様 」 (にこにこと満面の笑みを浮かべて、少女はドスの効いた黒い言葉を吐き捨てた)」
ベール「――――――――― っ゛ (聞き間違えなんかじゃない。はっきりと、鮮明に、確かに聞こえた。その死刑宣告を。愛する妹からの、愛のない言葉を――――)」
鳴滝「……残念だがベール君、彼女は知ってしまったのだ。君が幾つもの世界で妹を何度も見殺しにした事実を。救えただろうチャンスさえも活かせずに突き放した、その命を。そう…彼女(いもうと)は失望したのだ、無能な姉(きみ)を…!そして時代の垣根を越えてやってきた…君に復讐するために…!」
ベール「……うそ……だ…っ… そんなの……違う…っ……!あたしは……あたしは……っ……!(鳴滝から告げられた真実から目を背けるように、その頭部を両手で押さえつけるように挟み込み、覚束ない足取りで少しずつ退いていく)」
鳴滝「 さあ、姉妹仲良く殺し合うのだ。その愛の喪失の先に眠る『特異点』の真の力を呼び覚ますのだ!ベール・ティルチャオス!! 」
シントリー「 あははっ…あはははっ♪バイバイ、姉様 (ベールの魔法の箒と対を成す機械の箒「コメット」を携えて、魔法少女はその瞳を殺戮の色に染め上げる)」
ベール「…待って、シントリー…!違うの…これは…こんなのは…ッ…―――――!!(恐れに強張る声音を震わせながら退く自身に突き立てられる殺意に、翠玉の魔法使いは恐慌する――――)」
あなた「――――――……!(目を覚ますと、何かを前にして至っていたことに気づく。ゆっくりと、眼前の先にあるものを見上げた)」
「あなた」たちの前に佇んでいたのは、それはそれとても荘厳で巨大な扉
恐らく、王の間へと続く門扉なのだろう
イワンコフ「目が覚めたようね。運が良かったのか悪かったのか…ヴァターシたちだけは先に目的の部屋に辿り着けたっシブル。これでもヴァターシもその昔はよくこの城へ来ていたからね、わかるわよ。この先に、シロルとクロル…いいえ…――――『マカオとジョマ』が待ち構えているでしょう。ヴァナタたち、覚悟はよくって?」
ブリジット「……ここの皆はとりあえず、怪我も無い状態で来れたみたいですね……それと、"当たり"を引いたのはウチたちって事なんですね、他の皆さんも無事だったらいいんですけど……(YOYOを懐から取り出し、可動部を簡単にチェック)うん、ウチは準備OKです」
DOMAN「(あなたの傍らに片膝を突き、彼/彼女が目覚めるのを見守っていたようだった。心底安心したかのように胸をなでおろすと、イワンコフの言葉に注釈を加えるように口を開く)――――――ひとつよろしいですかな、主殿。覚悟とは犠牲の心ではございませぬ。全ての命運と命題、そして賭けるべき命には時と場というものがございます。」
DOMAN「あなたが覚悟を成すべき時は、場所はここではございませぬ。 ゆめゆめ、お忘れなきよう。」
アスラン・ザラ「――― これも「運命」か…(喧しいワイズ組と孤立し、何の因果か「あなた」たちの傍に立っていた)……乗り掛かった舟だ。俺も同行する。」
あなた「……!(今この場にいる仲間たちの一人一人の視線と交わし合い、一つずつ頷いた)」
あなた「……?(そんな中DOMANの助言に耳を傾ける)………!(「覚悟」―――その時宜を問いただされ、「あなた」はもう一度冷静に戻るように目を瞑る。そう、これは「大切な忘れ物を拾い上げる寄り道」なのだ。ここで自身の命題を、命運を、その「命」を慎重に秤にかけなければならない。取り返しのつかないことになる前に――――)」
あなた「―――――……!(そして、意を決したかのように目を開く。今は、助けを求める「仲間」を救うために突き進むだけだと――――)」
―――― ガ ゴォ ン ッ … ! (「あなた」が伸ばした両手により、荘厳なその扉が開かれていく――――)
― 御頭の間 ―
扉が開かれた先に王室間が広がる…と思われた
だが、扉の先は真っ暗で何も見えない
辺りを警戒しながら歩み出す「あなた」たち…突如、その前方に二つのスポットライトが瞬きだして、
互いに交わる二つの影を照らし出したのだった――――
マカオ&ジョマ『 マジルカ城へ / ようこそ 』
マカオとジョマ『 わざわざ『賢者の石』を届けに来てくれて / 感謝するわ 』
マカオとジョマ『 エルメラって悪いやつよね / アタシたちの大事な『石』を盗んだりして 』
マカオとジョマ『 でもこれで安心 / すべて元通り 』
マカオとジョマ『 初めまして、アタシ『 マカオ 』 / アタシ『 ジョマ 』 』
マカオとジョマ『 仲 良 く し ま し ょ ❤ 』
あなた「……!!(外見、立ち振る舞い、オーラ…全てにおいて強烈なインパクトを醸し出す謎のオカマ二人組を前に「あなた」は硬直する。それは緊張によるものか、あるいは恐怖か、または困惑か…それすら本人ですら理解に苦しんでいた)」
マカオとジョマ『 ……あら、よく見たら肝心のエルメラはいないみたいね / そうみたいねぇ 』
マカオとジョマ『 アタシたちの「魔法」で彼女だけをここに導いたはずなんだけど… / やっぱり、「賢者の石」がないと衰えていく一方ね、アタシたち 』
マカオとジョマ『 やだわぁん…まるで年取っていくような感じじゃなわぁい… / だけどアタシたちはいつまでも若く美しくあり続けるわよ❤ 』
イワンコフ「なぁ~るほど…ヴァナータたちが先代オカマ王から聞いた「オカマ魔女」だわね。だけどヴァターシには一目で分かったわ。こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!ってねぇ!ヴァナタたちはニューカマーの皮を被ったゲロ野郎だッシブル!(鼻をつまむジェスチャー)」
マカオとジョマ『 あら、あれが噂の / そうね、現オカマ王「エンポリオ・イワンコフ」。実物を目にしたのは初めてだけど、大したことなさそうね。 / そうねぇん…アタシたちの方が断然イカしてるわぁん♪ 』
アスラン・ザラ「……お前たちがマカオとジョマ……今の騒ぎの元凶で……今の所のこの国の支配者か」
アスラン・ザラ「賢者の石は渡さない。お前たちに渡すわけにはいかない。必ずここで止める」
マカオ&ジョマ『 あらやだ、見てジョマ。あの男…なかなかクールねぇん❤ / ええマカオ。アタシたちの好みだわぁん❤ (対峙するアスランに恍惚な眼差しを向ける)』
DOMAN「ンンンンンーーーーッッ!?こ、この尋常ならざる邪気……人の尊厳を意にも介さぬと全身で体現するかのような悪辣さ……!拙僧、このような悪鬼外道の類を前にしては……ッ 情けや礼節にも限度がございましょうや!!最早その存在が罪!!断じて許しておけませぬッ!!!!(逆転裁判のように腕を前へ突き出しマカオ&ジョマを指す。なお最後尾から動かない)」
ブリジット「……うわっ、これが噂のオカマ魔女………見た目以上に、何か良くない物が感じられるというか……うわっクネクネしてる……(軽く引きながらも目線は逸らさず)」
ブリジット「エルメラ……ベールさんは居なくて良かった気がします…」
マカオ&ジョマ『 いやだわぁん…アンタには言われたくないわぁ…なんか。 / なんか…よねぇ…? (二人してDOMANを見ては神妙な顔つきをする) あら、可愛い坊やね。食べちゃいたいくらいだわ❤ / そうねぇん❤ (ブリジットを愉悦に見つめる)』
マカオ&ジョマ『 ……まあでも、アンタたちのことは聞いているわぁん。 / ええ、そうね。エルメラに加担する不届き者たちだって。 / やぁねぇん…これからとっても大忙し!って時なのに / 勘弁願いたいわん 』
マカオ&ジョマ『 まあいいわ。そのうちエルメラはここへやってくるでしょうし… / そうね。彼女が来るまでアナタたちで"暇つぶし"でもしてあげるわ❤ マカオ、何がいいかしら? / そうねぇん…なら、最近ハマってる『アレ』なんてどうかしら? / 『アレ』ね。いいわねぇ、そうしましょう♪ 』
マカオ&ジョマ『 う っ ふ ぅ ~ ん ❤ (ジョマが背後から妖艶にマカオへ抱き寄るとその手を伸ばしてマカオのサスペンダーの股間部、その内側に手を伸ばす。もぞもぞと摩り、その内側より―――― 一枚の「カード」を取り出した)』
あなた「――――――!?(咄嗟に身構えたものの、取り出されたそのカードを見つめてきょとんと硬直する)」
マカオ&ジョマ『 『 デュエル 』――― / ―――なんてどう? 』
イワンコフ「……「デュエル」……って、なによそれぇ!?トランプじゃなっシブル!?」
マカオ&ジョマ『 審査員~♪ / 彼らにカードとルールブックを❤ 』
ISONO「 こちらになりまぁす!!! (そういうと「あなた」たちにカードデッキを差し出した)」
あなた「 !? (ルールブックとカードデッキを手渡され、それらを交互に見つめる)」
ISONO「 ゲームの歴史…それは遥か5000年の昔、古代マジルカにまで遡る。古代におけるゲームは、人間や王の未来を予言し、運命を決める魔術的な儀式であった。それらは、「闇のゲーム」と呼ばれた。今、千年パズルを解き、闇のゲームを受け継いだ少年たちがいた。光と闇、三つの心を持つ少年たち…人は彼らを―――「デュエリスト」と呼ぶ! 」
イワンコフ「あと一個どこいったのよ」
ルールブック(CV:武藤遊戯) : 「デュエル」とは!デュエリストのみが理解できる意☆味☆不☆明のカードゲームなんだぜ!
決闘者(デュエリスト)は、『アタッカー』と『サポーター』の二つのポジションに別れてチームバトルで戦う。
双方のチームには合計50枚のカードデッキがあり、「モンスターカード」が10枚と
「マジックカード」もしくは「トラップカード」40枚が内包されている。
フィールド上には「バトルゾーン」、「山札」、「(アタッカーとサポーターの)手札」、「墓地」の4エリアが存在する。
デュエル開始後、『アタッカー』の手札には「モンスターカード」がはじめから10枚揃えられているため、
山札から引けるカードは「マジックカード」もしくは「トラップカード」のみとなる。
『サポーター』は、この山札からカードを引き、
「マジックカード」で『アタッカー』が召喚した「モンスターカード」をサポート、
もしくは「トラップカード」で相手『アタッカー』の妨害を行うことができる!
『アタッカー』は、手札から「モンスターカード」をバトルゾーン(場)に召喚し、
場に出ている相手の「モンスターカード」に攻撃(アタック)、
もしくは相手『アタッカー』にトドメとなるダイレクトアタックをしかけることができる。
「モンスターカード」にはHP(体力)とAT(攻撃力)が存在し、カードによって異なる。
「マジックカード」で「モンスターカード」を強化 or 進化 or 退化ができ、それによってHPやATの数値が変動する。
召喚後、攻撃の前にまずは『サポーター』が召喚するカードの効果を得てから攻撃を行うかどうかを判断する。
攻撃時、『アタッカー』は基本的に場に出ている「モンスターカード」1枚で
相手の「モンスターカード」を1体攻撃できるが、
例えばここで『サポーター』による「マジックカード」の恩恵を受けて複数回攻撃できる場合はその限りではない。
「モンスターカード」は場に最大3体まで召喚でき、その際も一体ずつ攻撃が可能で攻撃対象も選ぶことができる。
攻撃を受け、HPが0になった「モンスターカード」は墓地へ送られる。
攻撃後、もしくは攻撃キャンセル選択後、ターンが終了する。
『サポーター』は、山札から「マジックカード」もしくは「トラップカード」を召喚することができる。
カードを引いた瞬間から、場に出ている味方『アタッカー』の「モンスターカード」を支援する「マジックカード」、
引き当てたそのターンは使用できないが、相手の「モンスターカード」が攻撃を仕掛ける、
もしくは仕掛けた後に発動することで相手の妨害を行う「トラップカード」を仕掛けることできる。
『サポーター』ひとりに対し、1ターンで引ける枚数は「2枚」までであり、
「マジックカード」を2枚、あるいは「マジックカード」と「トラップカード」をそれぞれ1枚ずつ使用することができる。
そのターンには使用せず、次ターンに別のサポーターが引き継ぐことは可能。
(※具体的な効果は各ユーザーにお任せします!!!)
使用(発動)後、カードは墓地へ送られる。
『サポーター』による行動が終わると『アタッカー』の番に移る。
最終的に、場に出ている相手の「モンスターカード」を全滅させ、
相手『アタッカー』にトドメのダイレクトアタックを先に仕掛けることができればデュエルの勝利となる。
アタッカー:あなた
サポーター:イワンコフ → DOMAN → アスラン・ザラ → ブリジット → イワンコフ …
(※ターン毎にサポーターが順番に変わっていく)
アタッカー:マカオ
サポーター:ジョマ
マカオ&ジョマ『 さっ、ルールは読んだかしら? / それじゃあ、デュエルスタンバイ❤ (パチン、と指を鳴らした)』
ヒ ュ オ ン ッ ―――――― ! (刹那、王室間内が瞬く間にホログラムのバトルフィールドが出現。それは「あなた」たち、マカオとジョマの両者が相対するように展開されたのだった――――)
マカオ&ジョマ『 さ、始めましょうか? / 世界の運命を賭けた "決闘"《 デュエル 》 を❤ 』
ISONO「 デ ュ エ ル 開 始 ィ ! ! ! 」
~1ターン目~
マカオ&ジョマ『 まずはお互いの「モンスターカード」を場へ――― / マカオが初手に繰り出したのは、「物真似師《イミテーション》・バリヤード♪」 』
物真似師《イミテーション》・バリヤード(HP400 / AT200)「バーリバリィ!!!(マカオに召喚されたモンスターカードの表面より、実体化されたモンスターが姿を現す)」
マカオ&ジョマ『 先行は――― / ―――そちらからでいいわよぉん♪ (不敵な笑みを浮かべる口元を手札のカードで隠している)』
あなた「……!(完全初見となるカードバトル。まずはどうするのが賢明か…だが、迷っている時ではない。先手必勝を信じ、「あなた」は山札からカードを1枚引き抜き、それをバトルゾーンへと繰り出した)」
ずんだの妖精・ずんだもん(HP300 / AT50)「 ずんだもんなのだ! (「あなた」が繰り出したモンスターカードから実体化されてバトルフィールドに出現する)」
イワンコフ「ふふん…なるほどねぇん。まずは、ヴァターシの出番のようねぇ…♪いいわ!デュエルだろうがポエムだろうがやってやろうじゃないの!ヒーーーハーーーーー!(山札からシュビビッとカードを2枚引き抜く)」
イワンコフ「早速使わせてもらッキャブル!!マジックカード発動!「仙豆」!このカードの効果により、ずんだもんのATを+500するわ!!」
ムシケラ「ちゃんと噛めよ…!(「仙豆」のマジックカードから飛び出てくるや否やずんだもんに仙豆を食わせる)」
ずんだの妖精・ずんだもん(HP300 / AT50 → 550)「コリッッッッッッッ(仙豆の咀嚼音) 力がみなぎるのだ! (ずんだもんのATがぐぐぐーんとあがった!▽)」
イワンコフ「……(ここで静かにトラップカードを伏せた状態で設置する)ヴァターシのサポートはここまで…次は「ヴァナタ」の攻撃(アタック)の番ダッキャブル!」
あなた「……!(こくりと頷くと、ずんだもんでバリヤードにアタックをけしかける)」
ずんだの妖精・ずんだもん(HP300 / AT550)「 お前をKO☆RO★SU☆のだ! (バリヤードにずんだもちをたらふく食わせて窒息死させる)」
物真似師《イミテーション》・バリヤード(HP400 → 0 / AT200)「 バリィィィィイイイインッ!!!!!!(窒息死で爆散し、実体化が解けたカードが墓地へと送られた)」
マカオ「そうそう、そういう感じよぉん♪まっ、チュートリアルはこの辺でいいかしら?さあ、ここからアタシもイカせてもらうわよぉん?(山札からカードを引き、手札にあるカードと見比べながら選んだ1枚をバトルフィールドへ召喚する)」
漆黒の騎士(HP500 / AT600)「 身の程をわきまえよ! (マカオにより召喚される)」
ジョマ「さあ、このカードを突破できるかしら?マジックカード「暗黒物質《ダークマター》」!このカードは、名前に「黒」が入っているモンスターを一段階進化させることができるのよぉん♪「漆黒の騎士」を進化よぉん!」
暗黒物質《ダークマター》「くっろくろにしてあげるー♪(漆黒の騎士に食される)」
漆黒の騎士 → 黒塗りの高級騎士(HP500 → 700 / AT600 → 800)「 ヌベーーーーーン!! (黒塗りの高級車と一体化した騎士の姿に進化する!)」
ジョマ「最後にトラップカードを1枚設置し…アタシのサポートは終了よん♪」
マカオ「上出来ね、ジョマ❤ 「黒塗りの高級騎士」で「ずんだの妖精・ずんだもん」をアターーーーック!」
黒塗りの高級騎士(HP700 / AT800)「身の程をわきまえた疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは…。(黒塗りの高級車でずんだもんへ突撃する)
ずんだの妖精・ずんだもん(HP300 → 0 / AT550)「東北民に野次られるのだ!!!(と遺言を残して黒塗りの高級車に吹き飛ばされ、墓地へと墜落した)」
マカオ&ジョマ『さあ、これでターンエンド…次のターンへ移るわよ♪ / 両者モンスターは一体ずつ撃破。さあ、「あなた」は次に何を繰り出すのかしらぁん?』
~2ターン目~
残りモンスターカード:9枚
トラップカード:1枚設置
残りモンスターカード:9枚
トラップカード:1枚設置
あなた「……!(墓地に送られたずんだもんを他所目に、手札を見つめねがら山札を1枚引き抜く)……!(カードをバトルフィールドへ召喚)
トウカイテイオー「キミがボクのトレーナー?よろしくね~☆(「あなた」に召喚される)」
あなた「………(トウカイテイオーに頷き、次のサポートの役であるDOMANにアイコンタクトを送った)」
DOMAN「では参りましょう。拙僧のタァン、ドロォ。(山札からねっとりとした手付きでニ枚カードを引く。その札を横目に見)ンンンン~~~……これは八百長を疑われるやも知れぬ引きにございますな。 拙僧はフィールド魔法【短距離】を発動!!」
DOMAN「このカードは2ターンのみ持続。【ウマ娘】のモンスターが場にある場合、コース適性による下記能力変化を受けますぞ。ンンンンン~~~~!!トウカイテイオー殿の短距離適性は…………」
DOMAN「ンンン………『F』? はて、超ニガテ……にございましたか。ンンンンンンン…… やぁってしまいましたなァ!!
これによりテイオー殿のATK値は2.5割ダウン!!そこなモノマネ師にも劣る!!テイオー殿大ピンチ!!一環の終わり!!」
DOMAN「拙僧……痛恨のミスを恥じ入りつつも1枚カードを伏せ、ターンエンドにてございます。(一瞬、あなたへ目配せし暗黒微笑を浮かべる)」
トウカイテイオー(HP300 / AT300 → 225)「ドウシテ…ドウシテ…(まさかのデバフを喰らって涙目)」
イワンコフ「問題ナッシブル!ここで、ヴァターシが先のターンで仕掛けたトラップカード「あべこべクリーム」が発動!」
イワンコフ「このカードは、場にいるモンスターのステータスが低下した時、もう一方のステを同率上昇させっシブル!これにより、ATが2.5割ダウンした分…HPが2.5割アップよー!!」
トウカイテイオー(HP300 → 308 / AT225)「やったー!これでボクのスタミナが増えて…ええっ!?すくなっっっっっっっっ!!!!!!!」
あなた「……!?(焼け石に水どころかむしろマイナスに限りなく近い状況に追い立てられ焦燥感が走った!)……!(とりあえずトウカイテイオーを攻撃表示する)」
トウカイテイオー(HP308 / AT225)「えーいっ、なんとかなれー!(全速力で走って黒塗りの高級騎士に突撃する)」
黒塗りの高級騎士(HP700 → 475 / AT800)「身の程ッ…!(突撃でよろめく)」
マカオ「いやぁ~ん、デュエルがなってないわねぇん。まっ、ルーキーだから致し方ないことだけどもぉん… 2体目「マサラの面汚し・ピカマン」を召喚よぉん!」
マサラの面汚し・ピカマン(HP50 / AT10)「バトルしようぜ!(訳:ピッピカチュー!)(マカオによって召喚される)」
ジョマ「しょうがないわねぇん…じゃあ最初だけ手加減してあげるわよぉん♪ ドロー!マジックカード「うちは一族の犠牲」!この効果は、場にいる自分のモンスターを一体選び、そのモンスターを墓地へ送る代わりにもう一体のモンスターのHPを回復するものよぉん♪ピカマンを墓地へ送り、黒塗りの高級騎士のHPを回復よぉん!」
うちはのニーサン「サスケェ!!!お前は俺の新たな光だァ!!!!!(ピカマンに月読をかけて共に水没心中する)」
マサラの面汚し・ピカマン(HP50 → 0 / AT10)「 光あれ!!!!!!!!!! (水没の果てに大爆発で木っ端☆微塵になる)」
マカオ「HP回復!黒塗りの高級騎士を攻撃表示よぉん!」
黒塗りの高級騎士(HP475 → 700 / AT800)「身の程を身の程をわきまえた疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは…。(黒塗りの高級車でトウカイテイオーの走力を越え、先にゴールインする)」
トウカイテイオー(HP308 → 0 / AT225)「ウソダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア(レースに負けた悲しみから挫折を負い、墓地へ帰る)」
~3ターン目~
残りモンスターカード:8枚
トラップカード:1枚設置
残りモンスターカード:8枚
トラップカード:1枚設置
あなた「……!(だが、ここまではまだ互角である。焦るにはまだ早いと、山札からカードをドロー)…………!(手札に加えたそれらを見比べて、モンスターを召喚する)」
ブロリー(HP620 / AT260)「ブロリーです…(覇気のない挨拶で召喚される)」
あなた「……!(今度は、二人目のサポート役であるアスラン・ザラに期待の眼差しを向けるように振り返る)」
DOMAN「チッチッチッチ……(挙手。指を振り怪しげな笑みを浮かべる(いつものことです)) おまちくだされ、おまちくだされ……。よくぞ ああいえいえいえ、よくも哀れなテイオー殿を墓地へ送っくれましたな…… よくも!!哀れなテイオー殿を墓地へ送っくれましたなァァァァー!!」
DOMAN「リバースカードオー★PUN!!【無念を継承する女神像】!!」
DOMAN「このカードは!!【ウマ娘】タイプのモンスターが墓地へ送られた場合自動で発動致しまする!!
場に召喚されるモンスターへ、墓地に送られたウマ娘の無念を継承!! 倒されたウマ娘の元々のATK値/HP値を付与しますぞ!!
また特殊条件を満たす場合、2つの特殊効果を発動致しまする!
一つ!!墓地へ送られたウマ娘がATK・HPの低加工を受けていた場合、付与する数値を2倍!ドン!!
二つ!!相手の場のモンスターが過去に攻撃力上昇効果を受けていた場合、
過去に上昇した数値をプラスしますぞ!!。(この効果は①の対照にはならない)」
DOMAN「参照データは下記の通り! よっこいしょ(カンペに下記データを表示)」
トウカイテイオー(HP300 / AT300 → 225) デバフによる特殊効果1発動
漆黒の騎士 → 黒塗りの高級騎士(HP500 → 700 / AT600 → 800) バフによる特殊効果2発動
ATK:300×2=600 + 200 =800
HP :300×2=600 + 200 =800
DOMAN「よって!ブロリー殿へATK、HP、それぞれ800数値を付与!!テイオー殿の無念!!受け取ってくだされェェー!!!!!(ビシィッッ)」
ブロリー(HP620 → 1420 / AT260 → 1060)「ウオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!気が高まる…溢れるぅ…!!!(シュインシュインシュイン…!)(超絶バフの効果によるものか、超サイヤ人化する)」
アスラン・ザラ「お前達は一つ重大なミスを犯した……(突然目を伏せながら語り出す)」
マカオ「あら、なんですって?(アスランの発言に目を細める)」
アスラン・ザラ「プロデュエリストだということだ!!オレにもプロの誇りがある!!全力で勝ちに行かせてもらうぞ!!(そう言うと勝手にデュエルディスクを展開。そこに自前のデッキを装填する)」
アスラン・ザラ「こちらで用意したカードを使わせてもらう。異論はないな」
あなた「 !!? (アスランが持ち寄ったデュエルディスクを3度見し、大興奮したように釘付けになる)」
ISONO「(異論は)ありませぇん!!!!!(アスランの行為を許可する)」
マカオ&ジョマ『フフッ…♪そうこなくっちゃ――― / ―――面白くないわ♪ かかってきなさぁ~い!』
アスラン・ザラ「ソリティア(※1)をさせてもらう。少し長くなるぞ」
※1 ソリティア:遊戯王やその他カードゲームにおける”一人による長々とした展開”のこと。”一人遊び”に喩えてこう呼ばれる。
アスラン・ザラ「俺は魔法カード《デステニー・ドロー》を発動。デッキより《D-HEROデステニーヒーロー ディアボリックガイ》を墓地へ送り2枚ドローする」
通常魔法
(1):手札から「D-HERO」カード1枚を捨てて発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
アスラン・ザラ「《D-HEROデステニーヒーロー ディアボリックガイ》の効果を発動する。墓地のこのカードを除外。デッキより二枚目の《ディアボリックガイ》を特殊召喚」
効果モンスター(準制限カード)
星6/闇属性/戦士族/攻 800/守 800
(1):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「D-HERO ディアボリックガイ」1体を特殊召喚する。
アスラン・ザラ「アローヘッド確認。召喚条件は戦士族モンスター二体。リンク召喚。《聖騎士の追想 イゾルデ》!(ばにっ出ている二体のモンスターを素材に、一体のモンスターをリンク召喚)」
リンク・効果モンスター
リンク2/光属性/戦士族/攻1600
【リンクマーカー:左下/右下】
戦士族モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから戦士族モンスター1体を手札に加える。
このターン自分は、この効果で手札に加えたモンスター及びその同名モンスターを通常召喚・特殊召喚できず、
そのモンスター効果も発動できない。
(2):デッキから装備魔法カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる(同名カードは1枚まで)。
墓地へ送ったカードの数と同じレベルの戦士族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
アスラン・ザラ「効果を発動。このカードがリンク召喚に成功した場合戦士族モンスター1体を手札に。(2)の効果も発動する。デッキから《フェイバリット・ヒーロー》を墓地へ。《焔聖騎士-リナルド》を特殊召喚する」
効果モンスター
星1/炎属性/戦士族/攻 500/守 200
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに戦士族・炎属性モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
この方法で特殊召喚したこのカードはチューナーとして扱う。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から、
「焔聖騎士-リナルド」以外の戦士族・炎属性モンスター1体または装備魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
アスラン・ザラ「このカードが特殊召喚に成功した時、装備魔法カード一体をセメタリーから選んで発動する。これを手札に加える。オレは墓地から先ほど捨てた《フェイバリット・ヒーロー》を手札に加える」
アスラン・ザラ「アローヘッド確認。召喚条件は効果モンスター二体。リンク召喚。捕食植物プレデター・プランツヴェルテ・アナコンダ(アスラン君!それは禁止カード!)!!」
リンク・効果モンスター(禁止カード)
リンク2/闇属性/植物族/攻 500
【リンクマーカー:左下/右下】
効果モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはターン終了時まで闇属性になる。
(2):2000LPを払い、「融合」通常・速攻魔法カードまたは
「フュージョン」通常・速攻魔法カード1枚をデッキから墓地へ送って発動できる。
この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。
アスラン・ザラ「ここからが見せ場だぞ。ヴェルテ・アナコンダの(2)の効果を発動する。デッキから《フュージョン・デステニー》を墓地に送り、その効果を発動」
通常魔法(制限カード)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・デッキから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、
「D-HERO」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊される。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分は闇属性の「HERO」モンスターしか特殊召喚できない。
アスラン・ザラ「デッキより《D-HERO ディスクガイ》《D-HERO ドローガイ》、そしてブロリーを素材に融合召喚!」
D-HERO ディスクガイ
効果モンスター
星1/闇属性/戦士族/攻 300/守 300
このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
このカードは墓地へ送られたターンには墓地からの特殊召喚はできない。
(1):このカードが墓地からの特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
D-HERO ドローガイ
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1600/守 800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが「HERO」モンスターの効果で特殊召喚に成功した場合に発動できる。
お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローする。
(2):このカードが墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズに発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
アスラン・ザラ「準備は整った。全てを破壊しよう」
アスラン・ザラ「融合召喚!!カモン!!《D-HEROデステニーヒーロー デストラクションガイ》!!!(アスランの叫びと共に、伝説の超サイヤ人へと覚醒したブロリーが渦より這い出る)」
伝説の超サイヤ人・ブロリー(HP1420 → 262626 / AT1060 → 262626)「マカロット…ジョマータ…!まずお前たちから血祭りにあげてやる…!!(史上最強の融合戦士、伝説の超サイヤ人・ブロリーが爆誕した!!!)」
マカオ&ジョマ『 まちなさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!! 』
マカオ&ジョマ『 あのイケメン、自分のデッキでモンスターを超絶強化しちゃったわ! / そんなの許さないわ!! 』
あなた「……!!(なんだかよく分からないがとんでもなく自分の繰り出したモンスターが超絶強くなったことだけは理解して、伝説の超サイヤ人・ブロリーを攻撃表示にする)」
伝説の超サイヤ人・ブロリー(HP262626 / AT262626)「お前たちがデュエルをする意思を見せなければ、俺はバトルフィールドを破壊し尽くすだけだァ…!!!(黒塗りの高級騎士を破壊する)」
黒塗りの高級騎士(HP475 → 0 / AT800)「身の程をわきまえた疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは…。(ブロリーのえげつない高火力ATKの前に消し飛ばされる)」
マカオ&ジョマ『 攻撃力の高いモンスターで蹂躙するなんてデュエルは… / もう、飽き飽きよねぇ…カードゲームっていうのはクールに、じっくり楽しまなくちゃ❤ 』
マカオ&ジョマ『 アタシたちのデュエルはいつだって華麗に済ませるのが鉄則 / お下品なことはしないわ 』
ジョマ「トラップカード発動よぉん♪「一人用のポット」!このカードは、相手のモンスターを一体選び、山札の一番下に戻す。その際、バトルフィールドにモンスターがいなければ山札からカードを引いて速攻召喚。その後、山札をシャッフルするのよぉん!」
伝説の超サイヤ人・ブロリー(HP262626 / AT262626)「ばああああああああああああああああかああああああああああああああああなああああああああああああああ!(山札へ強制送還されてしまう)」
解釈不一致・
アーロン(HP400 / AT250)「シャーーーーハッハッハ!で、俺様が召喚されたってわけ。(ブロリーと入れ替えるように「あなた」の山札から強制召喚される)」
アスラン・ザラ「くっ……!!流石に耐性もないモンスターを一体立てた程度ではバウンスされてしまうか……!!」
アスラン・ザラ「だがこちらの盤面にはヴェルデ・アナコンダと墓地に送られた幾つものカード、そして魔法カードが残っている!諦めるな!使えるものは全て使え!」
マカオ「美しくいくわよぉん♪「
ペニーワイズホワイトドラゴン」を、三体召喚するわぁん!」
ペニーワイズホワイトドラゴン(HP1000 / AT1500)×3『 > > > ハァイ、ジョージィ??? < < < (身の毛もよだつ赤っ鼻のピエロドラゴンが一気に3体も召喚された!!!)』
ジョマ「ここでマジックカード「堕天神父」を発動!神父の効果を得て、山札よりマジックカードを更にもう1枚引くことができる!ここで更にマジックカード「排水溝の陣」!バトルフィールドに「ペニーワイズホワイトドラゴン」が3体揃っている時、3枚のカードを墓地に捨てることで"融合召喚"が可能になるわぁん♪」
マカオ「3体のPWD(ペニーワイズホワイトドラゴン)を墓地へ!そして…おいでなさい!「ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン」!!!」
アスラン・ザラ「……ペニーワイズホワイトドラゴンを3体!?……来るぞ、お前ら!!」
ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン(HP3000 / AT4500)「アスランぶっ殺す!!!!!!!!!!!!!!!(3体のPWDが融合したことで、世にも悍ましい3つ首のピエロドラゴンが誕生したのだったァーッ!!!)」
マカオ「そこのイケメン君、貴方も重大なミスを踏んじゃったわねぇん♪なにせ…このペニーワイズ・アルティメット・ドラゴンの効果は…「アタッカー、もしくはサポートにアスラン・ザラがいる場合、逆上してATが更に3倍に膨れ上がる」のよぉん!!!そのままアタックよぉん!」
ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン(HP3000 / AT4500 → 13500)「コロシテヤルゾ、アスラハゲノ助!!!!!!!!!(恐怖の力がドラゴンの真の力を呼び覚ます…!!!攻撃力が膨れ上がっていく!!!そしてついでにとばっちりで解釈不一致・アーロンを口から吐き出した下水ハイロドロポンプで墓地へ送る)」
解釈不一致・アーロン(HP400 → 0 / AT250)「シャーーーーーーーーーーーハハハハハハハ!で、俺が墓地に送られるってわけ(墓地へ送られてしまう)
アスラン・ザラ「しまった暗黒コンボか……!!アンチルールによりオレがウーロン茶を被る(ウーロン茶を被りながら)」
アスラン・ザラ「次はお前達がステージを決める番だ、さっさと領収書を切れ!」
~4ターン目~
残りモンスターカード:7枚
残りモンスターカード:4枚
あなた「……!!(極悪モンスターを前に尻込みするが、とりあえず山札よりカードを1枚ドローし場に新たなモンスターを召喚する)」
最強のスパイ!?・アーニャ・フォージャー(HP5 / AT20)「アーニャの出番であるます!(堂々した佇まいで召喚される最弱(笑)モンスター) おい (括弧内の説明に野次を飛ばす)」
あなた「……!(この危機的状況を助けてほしいと懇願するように、次のサポート役であるブリジットに振り返る)」
ブリジット「お、おう………?なんだか凄いものを見た気がしますが、ウチだって手番は来るんですよ……!!(迫真のソリティア、それに対応したマカオ&ジョマに呆気に取られていたが、直ぐに気を取り直し)」
ブリジット「皆さんの様に、ウチにはカードゲームの経験は無い……だけれど、"得意とする手"は自分の中に確実に存在している…!まずは魔法カードを1枚、発動!!アーニャさん、貴方だって……貴方じゃ無くたって、お姫様に、いや…魔法少女になれるんですっっ!!魔法カード発動!!《-必然- -新たなる変身-》を発動ッッ!!アーニャ・フォージャー……彼女を"魔法少女"に変身させますッッ!!」
通常魔法(制限カード)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、
フィールド上で最も攻撃力の高いモンスターの値だけアップする。
対象のモンスターが「男性」でない場合、ターン終了後にゲームから除外される
最強のスパイ!?・アーニャ・フォージャー(HP300 / AT20 → 13520)
※ターン終了後に破壊
ブリジット「そしてもう一枚……ウチの得意とする……いや、カードを伏せます、さあ、次をお願いします!」
あなた「 !? (うそだろぉ~?)」
イワンコフ「 !? (うそだろぉ~?)」
DOMAN「 愉悦 (そしてこの顔である)」
ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン(HP3000 / AT4500)「 !? (うそだろぉ~?)」
最強のスパイ!?・アーニャ・フォージャー → 最強の魔法少女・アーニャ・フォージャー(HP5 / AT20 → 13520)「今アーニャええ感じやねん!!! (PUDへ迫真の真顔パンチ)」
ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン(HP3000 → 0 / AT4500)「(だるだるだるだるだるだるだるだる)( 爆 ☆ 殺 ! )(一撃ノックアウトされて墓地へと送られる)」
最強の魔法少女・アーニャ・フォージャー(HP5 / AT13520)「わーいわーい♪」
うちはミハリ「なんでお前みたいなチート級モンスターがおる!?今デュエルええ感じやねん!はっきり言って邪魔!害悪!出ろ!」
最強の魔法少女・アーニャ・フォージャー(HP5 / AT13520)「(だるだるだるだるだる)(カードの効果により「出」されて墓地へ)」
あなた「……!(場にモンスターがいないため、手札から引いた一枚のモンスターカードを召喚し、ターンエンドする)」
春ウララ(HP30 / AT20)「うらら♪淫ピな美女はいねえペコかぁ~???(桜満開なカラーリングをした盛るペコが場に召喚される)」
マカオ&ジョマ『 あら、やってくれるじゃな~い!ここまで追い込まれたのは初めてかもしれないわねぇん♪ / だけどお陰でデュエルは大盛り上がり、ゾクゾクしちゃうわぁ~ん❤』
マカオ&ジョマ『 でぇもぉ…そろそろ決着(ケリ)をつけないとね。 / そうね、マカオ。お遊びはここまでよぉん。 』
マカオ「アタシたちに残されたモンスターカードは「3枚」…ここで一気に勝負に出るわよぉん♪3体同時召喚!!!」
水没忍者・うちはニーサン(HP232 / AT232)「サスケェ!!!(溺れながら召喚される)」
鉄華団団長・オルガ・イツカ(HP800 / AT500)「俺は鉄華団団長、オルガ・イツカだぞ!こんくれぇのデュエル、なんてこたぁねぇ…」
米国の王(HP859 / AT50)「 お前らはクビだ! (死刑宣告と共に召喚される)」
ジョマ「クククッ…♪ここでとっておきのカードを使う時が来たようねぇん♪いわくよぉん!!マジックカード「死者ぴえん」!!このカードは、「場にいる三体のモンスターを生贄に、墓地から一体だけモンスターカードを場に呼び戻すことができる」のよぉん!」
マカオ「さらにぃ~!水没忍者・うちはニーサンの効果により、「このカードが墓地へ送られる時、相手のモンスターを一体選び道連れにすることができる」!春ウララを道連れにしなさぁい!」
水没忍者・うちはニーサン(HP232 → 0 / AT232)「うちはは犠牲になったのだ…犠牲の犠牲にな…(春ウララに幻術をかけて共に水没する)」
春ウララ(HP30 → 0 / AT20)「は?????????????????????????(ありったけのピザまんを抱えたまま心中させられる)」
マカオ「まだよ!鉄華団団長・オルガ・イツカの効果発動!「このカードが墓地へ送られる時、味方サポーターはマジックカードもしくはトラップカードを更に二枚、山札から引くことができる」のよぉん♪」
鉄華団団長・オルガ・イツカ(HP800 → 0 / AT500)「お前たちがデュエルする限り、その先に俺はいるぞ!だからよぉ…止まるんじゃねえぞ…(キボウノハナを流しながら墓地へと突き進む)」
ジョマ「いただくわぁ~ん♪(山札から更に2枚ドローする)」
マカオ「さらにさらにぃ~、米国の王の効果が続くわよん♪「このカードが場に一度でも召喚された時、場にいるモンスターを強制的に墓地へ送ることができる。もし場にモンスターがいない場合、相手の手札から一枚選んでそのカードを墓地へ送ることができる」の❤そのカードを"クビ"にするわ!」
米国の王(HP859 → 0 / AT50)「 お前はクビだ! (死に際に「あなた」の手札を一枚強制解雇させて墓地へぶち込まれる)」
あなた「………!?(手札の一枚が弾かれ、墓地へと送られてしまう)」
マカオ「そしてここで満を持して、「死者ぴえん」の効果を発動よぉおん!墓地から召喚するのは当然…「ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン」!」
ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン(HP3000 / AT4500)「ITは滅びぬ!!!何度でも蘇るさ!!!!!(三体の生贄のパワーを得て墓地より蘇るようにバトルフィールドに再降臨する)」
ジョマ「じゃあここで、「鉄華団団長・オルガ・イツカ」の効果に則って、マジックカードを発動よん♪
マジックカード「REMAKE《リメイク》」♪このカードは、「対象モンスターにリメイク作品が存在する場合、そのHPを「300倍」アップさせる」ことができるのよん❤」これでアンタたちが切り札としている「伝説の超サイヤ人・ブロリー」の攻撃力(262626)を上回るHPを得たわ♪」
マカオ「まだ終わらないわよ❤ ご存知の通りPUDの効果は「アタッカー、もしくはサポートにアスラン・ザラがいる場合、逆上してATが更に3倍に膨れ上がる」!だけどこのカードはねぇん、「墓地へ送られる度に、以降ATが30倍にアップする」の♪よって―――」
ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン(HP3000 → 900000 / AT4500 → 135000)「 覚悟しろアスラン!!!今日が貴様の命日だ!!!!! (かつてないパワーアップを遂げてより恐怖の力が強まっていく…!!!)」
マカオ「さあ、早くモンスターを召喚なさい。出なければこちらのターンは終わらないのよぉん。」
あなた「………!(圧倒的なパワーを得たモンスターを前に冷や汗が垂れる中、渋々手札からカードを一枚ドローするが…)」
孤高の戦士・ヤムチャ(HP20 / AT20)「俺にやらせてくれ。ここらでお遊びはいい加減にしろってところを見せてやりたい。(召喚されてでしゃばってくる)」
マカオ「 ア タ ッ ク ❤ 」
ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン(HP900000 / AT135000)「しねええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!(「あなた」が召喚したヤムチャを盛大に踏みつぶす)」
孤高の戦士・ヤムチャ(HP20 → 0 / AT20)「 チーーーーーン…… ( こ の し ま つ )(出オチと共に墓地送りにされる)」
~5ターン目~
残りモンスターカード:2枚(伝説の超サイヤ人・ブロリー、???)
トラップカード:1枚設置
残りモンスターカード:1枚(ペニーワイズアルティメットドラゴン)
トラップカード:1枚設置
あなた「……!(山札に送還されたブロリーはすぐに出せない、今手元にある手札の一枚のモンスターカードを、そのまま場に召喚する)」
コック・カワサキ(HP200 / AT20)「おーまーたーせー!カワサキ特製レバニラ炒めね~!(切り札のブロリーを除き、「あなた」が繰り出す最後のカードとして召喚される)」
イワンコフ「不味いわね…まさかここで一気に勝負をつけてくるだなんて…!だが望むところよぉ!!ヒーーーハーーーー!
ヴァターシに任せなs――――」
ジョマ「ふふっ、トラップカード発動!「トランクスルー」!このカードは、「相手サポーターの順番をひとり飛ばすことができる」の♪ "奇跡"を呼ぶエンポリオ・イワンコフ…アンタのターンは終わりよ!」
イワンコフ「うそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!?!?!?!?!?!?こりゃ一本取られたよ!ヒーーーハーーーー!!!(悔しそうに地面をガンガン殴りつけている。なお顔は悔しくなさそう)」
あなた「………!(イワンコフが封じられ、頼みの綱は他の三人しかいない。背後に振り返り、DOMANたちへ懇願するような眼差しを送った)」
アスラン・ザラ「………………」
アスラン・ザラ「(敵の場には耐性(※2)のないファッティ(※3)ドラゴンが一体。伏せカードが一枚。耐性がない以上これ(ペニーワイズアルティメットドラゴン)を除去するのは簡単だ。あとは罠カードへの備え……)」
※2 耐性:カードゲームにおける耐性とは如何に除去、つまり場から離れる効果を無効化できるかを指す。戦闘による破壊が出来ないカードや、カードの効果による破壊が出来ないカードなどが存在する。
※3 ファッティ:カードゲームにおける”コストが重く、基本能力が高いモンスター”の事を指す。数字が凄いことになってるので強そうに見えるが、実際は耐性がないものはいくらでも除去できる。
アスラン・ザラ「(だがこちらにもこの特殊ルールでのデュエルで余裕がないのは事実。どう崩すか)」
DOMAN「ンンン……!これは思いの外ピンチにございますな。しかしそのような目をなされるな主殿……そのような目を向けられては拙僧……昂って♠しまいますぞ。では参りましょうぞ、拙僧のタァーン、ドロォ(ねっとりとした手付きでカードを2枚。その手は小刻みに震えていたが……) ! (そのカードを見るなり、彼の中で『道筋』が構築される)」
DOMAN「拙僧、ここでらしからぬ決めセリフを一つ言わせていただきます。遠回りこそが近道だった……そう、ここまで皆々様の積み重ねてこられた全てに!意味は有ったのでございますれば……」
DOMAN「今こそ、散っていった全ての無念に感謝を……!!拙僧は魔法カード『飢欲なリスの壺』を発動!!」
DOMAN「このカードは場に山札から1枚カードをドローできますぞ。そして!場のモンスターのHPを1/2にすることで、飢餓に共感した強欲なリスが憐れみと疲れから黒塗りの墓場を掘り、墓地から1枚任意の魔法・罠カードを使用できるように致しますぞ! (山札から1枚カードをドロー。そしてコック・カワサキからHPを削るよう指差す)」
コック・カワサキ(HP100→50 / AT20)「コックが腹空かすとかギャグだよォ~~」ピピピピ
飢えたリス「なんてかわいそうなんだ。墓地からも欲張って掘ってきちゃうぜ(魔法カードから飛び出し、墓地からカードをあさり始める)」
DOMAN「拙僧はアスラン殿が使用した魔法カード、『フージョンディスティニー』を墓地から選択!! そして、拙僧が最初にドローしたもう一枚のカードを発動!魔法カード【バイトテロ -異物混入-】!!」
DOMAN「場に【料理人】モンスターが存在する場合のみ使用可能!
このカードが手札にあり、自身・相手の手札・場に【融合効果の魔法カード】がある場合自動的に発動しますぞ!
ンンンンー!!そしてそして!!墓地に存在するモンスター・魔法・罠カードを融合素材として、相手の場の融合モンスターに強制的に融合させるゥー!!」
DOMAN「拙僧は融合効果カード『フュージョン・デステニー』を効果素材に選択! 【バイトテロ -異物混入-】の効果を発動!!拙僧はジョマ殿が使用した魔法カード、-暗黒物質ダークマター-をペニーワイズアルティメットドラゴンへ異物混入させますぞ!!」
コック・カワサキ(HP50 / AT20)「ギャグだよォ~~~wwwwwwww ギャグだってばぁ~~~~wwwwwww(大学生のノリでディステニーフュージョンの効果を無駄遣いしたばかりか、暗黒物質をペニーワイズアルティメットドラゴンへ混ぜ込んでしまう)
DOMAN「異物混入によって暗黒物質やアンデット、闇属性が融合された場合!そのモンスターは"腐食"状態になり、ATKが1/5へ減少!加えてHPが1ターン経過ごとに半減していきますゾ!!」
DOMAN「喰らえェェェー!!!世にもおぞましきアンデッド変化コンボォーーーー!!」
DOMAN「おっとそうでした。リス殿が山札からも一枚置き土産していたのでございました。 魔法カード【バブル・大暴落スパイラル】を発動!!」
DOMAN「モンスター効果・魔法カード効果によってAT値が下がった場合に発動。そのターンに受けたAT減少効果を再度発動しまする。
ずばり!!ペニーワイズアルティメットドラゴンはATの1/5効果を再度受けていただくことと相成りましたなァー!!ンンンンンンンン甘露甘露!!拙僧、これにてターンエンド!!」
ペニーワイズアルティメットドラゴンAT値 135000 → 27000 → 5400
ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン(HP900000 / AT135000 → 5400)「(うそだろぉ~?)(うそだろぉ~?)(うそだろぉ~?)(攻撃力が一気に激減して三つ首がびっくり仰天する)」
アスラン・ザラ「やはりお前達はアマチュアだ。お前達の運命は既に決まっている……」
アスラン・ザラ「運命を司るヒーロー、D-HEROデステニー・ヒーローの手でな!!」
アスラン・ザラ「そこの陰陽師が言った通り、今までの布石からいくらでも逆転は出来る。今までの積み重ねが運命を切り開いたのさ!俺は手札から《オーバー・デステニー》を発動!」
通常魔法
(1):自分の墓地の「D-HERO」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルの半分以下のレベルを持つ
「D-HERO」モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズに破壊される。
アスラン・ザラ「この効果で墓地の《ディアボリックガイ》を選択。《D-HERO ディナイアルガイ》を特殊召喚!!」
D-HERO ディナイアルガイ
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1100/守 600
(中略)
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分のデッキ・墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、
「D-HERO」モンスター1体を選んでデッキの一番上に置く。
アスラン・ザラ「このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、自分のデッキ・墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、「D-HERO」モンスター1体を選んでデッキの一番上に置く!」
アスラン・ザラ「俺はデッキより、《D-HERO デストラクションガイ》として扱われている《伝説の超サイヤ人ブロリー》をデッキトップへ移動!!」
アスラン・ザラ「さらに俺は通常魔法《ドクターD》を発動」
ドクターD
通常魔法
(1):自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を除外して発動できる。
自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を選び、手札に加えるか特殊召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「D-HERO」モンスター2体を対象として発動できる。
対象のモンスター1体の攻撃力は、もう1体のモンスターの攻撃力と同じになる。
アスラン・ザラ「ディアボリックガイを除外しディスクガイを蘇生!この効果で2枚ドロー!無論……その対象には先ほどデッキトップへ仕込んだブロリーも含まれる!!」
アスラン・ザラ「手札は揃った。これで終わらせる!!」
アスラン・ザラ「まだ場に残留している《捕食植物プレデター・プランツヴェルテ・アナコンダ》の効果を発動!デッキから《融合》カードを墓地に捨てその効果をコピー!」
アスラン・ザラ「融合召喚!!手札のブロリーと、場のD-HERO ディナイアルガイ、ディスクガイをまとめて素材にする!!さあ再誕の時間だ!!」
アスラン・ザラ「融合召喚!!カモン!!《D-HERO デストロイワイルドガイ》!!!」
融合の青い渦からは静かに「あなた」陣営の切り札……
《ブロリー》が、新たな姿をもって現れる……!!
ブリジット「それなら、ウチも罠カードを発動……!!コンボも分からないし、定石も知らない、けれど……」
ブリジット「そんな時にやるべきことはただ一つ、強い味方の邪魔をさせない事……そう、必要ないんです。それ以外は…!そしてそれが出来る、ウチのTrapデッキ!!えっ今Trapって言わない?いやいいんですよそこは……」
ブリジット「伏せていた罠カードをオープン、そして発動ッ!!《戸塚彩加》!!」
ブリジット「効果は…!!ランダムなモンスターの100HPを払い、フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を対象としてこの効果を発動できる。そのカードを破壊する、つまり……
《ブロリー》さんのHPを100だけ犠牲にしますが、不穏分子であるマジルカチームの罠カードを、ここで破壊しますッ!!!」
《ブロリー》(HP???-100 / AT???)ピピピピ
マカオ&ジョマ『 な、なんですってーーーー!?!?!?!? (衝撃のサポートラッシュに、二人で抱き合いながら驚愕する)』
ジョマ「しまった…!これじゃあトラップカードが発動できないじゃない!!」
マカオ「ヤバイィッ!!!!(演技などではない本心の焦りが垣間見える)」
あなた「――――――!!(仲間たちが紡いでくれたこの"奇跡"のターンを無駄にはしない。今、バトルフィールドにおいてもっとも驚異の攻撃力を誇る伝説の超サイヤ人)
伝説の超サイヤ人・ブロリーSS4(HP999899 / AT999999)「(HP、AT共に数値がカンストしたチート級モンスターが誕生する――――!)ヘハハハッ!!!とっておきだァ…!!イレイザーキャノンッッッッ!!!!!!!!!! \ ポーピー♪ / (ペニーワイズアルティメットドラゴン、並びに、そのまま破壊してマカオとジョマへ特大級の気弾でダイレクトアタックッ!!!!!)」
ペニーワイズ・アルティメット・ドラゴン(HP900000 → 0 / AT5400)「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア \ デ デ ー ン ♪ / (最後のモンスターである自身が破壊されてしまい、マカオとジョマを守るものが誰もいなくなってしまった)」
マカオ&ジョマ『 まちなさーーーーーーーーーーーい!!! 』
マカオ&ジョマ『 サポーター3人の恩恵を同時に受けるなんて! / そんなの許さないわ! 』
マカオ&ジョマ『 いやああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!! 』
\ デ デ ー ン ♪ /
YOU WIN !!!
ISONO「ゲ、ゲームセットォッ!!!勝者・「あなた」チームッ!!!」
あなた「………♪(長い長い戦い(?)の果てに得た勝利に浸かるようなやり切った佇まい)」
イワンコフ「んんんんん~~~~~ッ!ヒーーーーーハーーーーーーーーーーー!!!!!!(全身を大の字に広げて大感激している)」
マカオ&ジョマ『 審査員!! / これどうゆうこと!? / あちらにチートカードが入ってるなんて聞いてないわよ!!(黒焦げアフロヘアーでISONOに訴えかける) 』
ISONO「いえ!ルールですので!」
マカオ&ジョマ『 ……あら、そう。じゃあいいわ。 / 消えなさ~い! (ISONOに投げキッスを送る)』
ISONO「消滅しまああああああああああああああああああす!(マカオとジョマの謎の魔法によるものか、独りでにその体が消滅してしまった)」
DOMAN「ンンンンンンー天晴拍手喝采雨霰!!皆々様、勝鬨をあげますぞ―!! オーレー オーレー(チャチャチャ)DOMAN サンバー!!」
アスラン・ザラ「踊ってる場合か!?磯野が消滅してるぞ!!」
アスラン・ザラ「まあいい……とにかく、オレたちは勝った!!お前たちもデュエリストの端くれなら、潔く負けを認めるんだな」
ブリジット「いや本当ですよ!?なんか普通に勝ち口上の流れになっちゃってますけど……磯野さん消えちゃったし…!!」
ブリジット「……負けを認めたり、って風にも見えません…ダメージが入ってる様にも見えませんし…」
マカオ&ジョマ『 やぁねぇん、かっかしちゃって❤ / 誰も「一回勝負」なんて言ってないわよ♪ 』
あなた「……!(マカオとジョマを追い詰めるように、一歩その足で詰め寄った)」
マカオ&ジョマ『 あら、まだヤる気ねん?オッケェイ❤今度はほんっと―――― / ヘボ審査員に邪魔されない公平な勝負にしましょう? 』
カ ッ ――――――――(暗闇に包まれた王の間が一瞬にして点灯され、その空間が彼らの視界に大きく広がる。そこに映るのは―――)
シロル&クロル『――――――(双子の王―――彼らは二つの玉座に腰かけて、気を失ったように昏睡していたのだった)』
イワンコフ「あれは…!シロル!クロル!(かつて友好的な関係を築いていた二人の王との直接的な再会に思わず目を見張る)」
マカオ&ジョマ『 pirouette(ピルエット) / arabesque(アラベスク) / grand fouettéen tournant(グラン・フェッテ・アン・トールナン) (突拍子もなく二人のオカマ魔女がバレエのように踊り出す。その動きはあまりにも妖艶且つ不気味であった)』
マカオ&ジョマ『 grand jeté(グラン・ジュテ) 』
ニ ュ ル リ ィ … ッ … ―――――― ! (踊り終えた二人の魔女が互いに手を取り合った次の瞬間、彼らはそれぞれに昏睡状態にある双子の王の身体へと乗り移るようにその姿を歪めた―――)
シロル&クロル『 ギ ョ ロ ッ (そして目覚める。本来の理性も自我もない状態で。オカマ魔女の操り人形としての姿で―――)』
シロル「……やってくれたな。(とてもオカマ魔女が憑依しているとは思えない別人の風格。国王としての威厳を発しながら玉座より立ち上がると一同を見下すように睨みを利かせた)」
クロル「……なるほど。処刑広場での騒動は貴様等の仕業か。エルメラの芝居劇にしては随分手が込んでいると思ったが、他に仲間がいたとは。だが、無駄なことだ。」
シロル「貴様等は我々を追い込んだつもりだろうが―――」
クロル「―――逆だ。ここまで懐に入り込んできてしまったのが運の尽き。貴様等も、エルメラも、全員排除して「賢者の石」を取り戻す。」
イワンコフ「……そうはいかなッシブルよ。(いつになくシリアスな表情で双子の王と向き合う)ヴァターシたちは、「石」も「王国」も「安寧」もすべてを取り戻す。もちろん…「ヴァナタたちの身体」もね。」
イワンコフ「…ヴァナタたち、よく聞きなさい。(「あなた」たちへ視線を配る)シロルとクロルは、数百年間もこの王国の統治を行ってきたわ。それは彼らが「賢者の石」の管理者であり、「石」の力で不老不死となったが故に成し得た事。だけどねん…偶然か必然か…あのマカオとジョマもまた不老不死の身体を持つ最悪の魔女なのよん。」
イワンコフ「不死の身体を持つ者同士…「賢者の石」の力によって見事に癒着しちゃったみたいねえ…
だがしか~し!いくら不老不死とは言えども、その力を与えた「賢者の石」の魔力が衰えているのは事実!
現に奴らが焦って石に執着しているのもそのせいよ。つ・ま・り…不死の身体同士の癒着が、確実に綻びを見せているはずだッシブル!」
イワンコフ「ボッコボコに殴って意地でも王の身体からあのオカマ魔女共を引き剥がすのよお!!!幸い不死の身体だからいくら殴っても死にはしないからねえ!引き剥がした後は再度ヴァターシの力でもう一度封印しちゃっティブル!もう一生シャバの空気も吸えなくしちゃっティブルよォー!ヒーーーハーーーー!」
DOMAN「ンンンンン!!?つまり腕尽くのフィジカルで……ってことォ!?(ピューン!! というギャグチックな高音を立ててあなたの後ろへピッタリと張り付く。顔が"泣いちゃった!") 主殿……拙僧外見通りのか弱き陰陽師にございますれば……!」
ブリジット「と、取り込まれ……いや、乗っ取って憑依した……!?不老不死と言えど、そんな……本当に大丈夫なんですか……?(流石に困惑の方が大きい様で、シロル&クロルに狼狽していたが)」
ブリジット「……でも、これしか方法がないか……というか結局こういう決着の付け方になるんですね……正直、ウチとしてはこっちの方が分かり易くて助かりますけど(YOYOを構え、二人の前に相対し)」
シロル「……果たしたそう上手くいくかな。(フン、と鼻で笑う)」
クロル「そこのオカマ王の言う通り、我々兄弟は「賢者の石」の力を経て不老不死となった。だがそれでも、生れ出た従来の魔法少女…「魔女」よりも魔力は劣り、更には限度もある。この国における男性の魔法使いは"格落ち"なのだ。」
シロル「故に我々は構えた。「魔女」が持ちうる魔力に勝るとも劣らない新世代の魔導機関を――――!(互いに懐から何かを取り出す―――) 」
シロル&クロル『 カ シ ャ ン ッ (手にしたもの…それは変身ベルトのドライバーを模した装着式魔導機関。互いに取り出したそれを腰へ装着すると――――)』
シロル → 白の魔法使い「 ギ ュ オ ン ッ (全身を魔方陣のような光が通過し、シロルは白い魔装を纏う。その右手には先端に刃を持つ横笛型の武器「ハーメルケイン」―――)」
クロル → 黒の魔法使い「 ギ ュ オ ン ッ (同じくその光を通過し、クロルは黒い魔法を纏う。その左手には長大の斧「ディースハルバード」―――)」
白の魔法使い「これさえあれば、我々も魔女のように強大な魔術を扱える。」
黒の魔法使い「亡き母・グレイルの忘れ形見である「ハーメルケイン」と「ディースハルバード」に適合できるこの魔導機関で、貴様等を塵に還す…!!」
あなた「……!(白と黒、それぞれの魔装を纏った双子の王へ身構える)」
― 子犬の間 ―
―――― チ ュ ド オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ ン ッ ! ! ! (爆ぜる爆炎に空気は焼き焦がされて、黒煙が漂う。爆音と共に迸る余波は城内のステンドガラスを破裂寸前まで震え立てていく)
ベール「―――― ボ フ ン ッ ! ( ス タ ン ッ )(黒煙から後退態勢を維持したまま飛び出して着地する。落下の際に脱げ落ちそうになった魔法使いの帽子の唾に強く摘まみながら、その内側より黒煙の中…そこに浮かぶ濃い黒い影の一点を静かに見据えた)」
シントリー「―――― ボ フ ン ッ ! (ベールが見据える先より現出するのは、彼女と相対する金髪の魔女。緊迫感に覆われたベールとは対照的に小粋な笑みをその表情に浮かべて、瞬く間に彼女へと肉薄する)」
シントリー「あっははは…っ♪いつまで逃げてるつもりっ?逃がさないんだからっ、姉様♪(機械の箒「コメット」をぐるんと振り回してその先端に魔力が集束し始める) “インサイザー”! ( ガ ァ オ ォ ン ッ ――― ズ ゥ オ ォ ン ッ ! ! )(コメットを振り下ろしてはすぐに振り上げる。その動きに連動するように虚空から鮫の歯を彷彿とする風刃が生み出され、上下から交互にベールへ食らいつくように襲撃する)」
ベール「 ッ゛ ! ( ズ ザ ァ ッ ! )(最初の一手、上部より来る刃には身体を仰向けに反ることで間一髪これを掠める) っ…!!( フ ワ ァ ッ ! ) (続く二手、下部より迫る刃には魔法で重力を殺して得た軽い身のこなしによるバク転で跳び越えてこれらより遁げる)」
シントリー「 隙ありぃ♪ (―― ド グ ゥ ォ ン ッ ! )(バク転による回避を終えた直後、ベールの着地点を見透かした急接近。彼女の腹部へ目掛けてコメットを豪快に振り抜いて殴り飛ばした) ん ば ぁ ♪ ( シ ュ ド ド ド ド ォ ァ ッ ! ! )(吹き飛ぶベールに向けてコメットの先端を突きつける。その先端は幾つもの小型砲台の連なりであることが分かり、そこから無数の魔弾を散弾銃のように放って追撃を浴びせていく)」
ベール「か―――ふゥ…ッ゛!!(回避直後も相まって反応が追い付けず、腹部に重撃を受けて殴り飛ばされる) ッ゛~~~~! ( バ ッ ――― ギ ャ ギ ギ ギ ィ ィ ン ッ ! ! )(吹き飛ぶ最中に見据えた魔弾の応酬に対して掌を突きつけると、身を守るようにヘキサゴン状の魔法結界を展開。被弾を免れようとするが―――)――― っあ…!!( ド ゴ ォ オ ン ッ ! ! )(大量の魔弾を抑えられなかった結界が破裂。結果的にいくつかが被弾した状態で壁へと追突する)」
シントリー「うりゃりゃりゃ~♪( シ ュ ド ド ド ド ォ ァ ン ッ ! ! )(悠長な掛け声とは裏腹に、今も尚壁に激突し砂塵に覆われたベールに向けて情け容赦のない魔弾連射を行い続ける) フ ォ ン ッ ―――(気が済んだのか、ある程度放ち終えたところでコメットを翻して肩に担ぐように構えてベールの出方を遠くから伺った)」
ベール「――― バ フ ゥ ウ ン ッ ! ! (刹那、砂塵を割って飛び出た大砲の如き勢いで飛び蹴りの態勢を維持したまま大気を穿ちながら迫る) “灰に燃る星《 グレイアウト 》”ッ!!! ( シ ュ ボ ォ ァ ア゛ … ッ゛ … ! ! )(突き出した右足に灯る灰燼色の煉獄。その高熱を纏う鋭い跳び蹴りを繰り出さんと獅子たる形相で急襲する)」
シントリー「(――――!!) ズ ッ゛ ガ ァ゛ ア゛ ア゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! (咄嗟に閉口に構え直したコメットで真っ向からベールの燃ゆる蹴りを受け止めにかかる。攻撃の勢いを殺さんと双脚で床を削り尚も耐え忍ぶが―――)――― “インバース”! (蹴り抜けられるその最中、静かに魔法を唱える)」
コ ォ ――――――― ン … ッ … ! (落下する球が跳ね上がるような小気味よい音と共に空間が捻じれるように反転する。その影響に伴い、ベールとシントリーの位置までもが"反転"したのだった)
シントリー「 ッッッ♪ (――― ド ッ グ ゥ ォ オ ン ッ ! ! )(ベールが繰り出す攻撃の勢いをそのまま我が物とし、飛び蹴りの態勢で彼女を強く蹴り飛ばしたのだった)」
ベール「――――ッ゛?!( ド ゴ オ ォ ン ッ ! ! )(気が付けば、箒を平行に構えたままシントリーの飛び蹴りを受け止め続ける態勢に反転していた。それが彼女の魔法によるものだと瞬時に判断しながらも対抗手段はなく…蹴り飛ばされて―― 柱を貫いて ――しまった)」
ベール「 ツゥー……――――(口の端から零れる鮮血を腕で拭い、傍らに脱げ落ちた帽子を拾い上げて静かに被り直しながら立ち上がる)」
――― これは悪夢か?いいや、罰か。妹を救えなかった、あたしへの……
シントリー「っははは…♪無様だね、姉様。いっそその帽子を脱いだ方がお似合いなんじゃないの?(ケラケラと嗤っては両足をプラプラさせるように突き出す仕草を取っている)」
ベール「ハー…ハー……姉ちゃんはねえ、例え「一肌脱ぐ」ことがあったとして…文字通りすっぽんぽんになろうとも…『こいつ』だけはぜってー脱がねえよ。(そう決意づけるように帽子の唾をキュッと摘まみ上げる)」
シントリー「えー、なんでぇ~?」
ベール「……『こいつ』はあたしにとって "心構"であって、"罪咎"でもあり、"約束"でもあるから。そう易々と手放すことなんかない。あっちゃならねーんだ。それに、あたしのチャームポイントなぱっつん髪を安売りするわけにもいかねーってもあるしね。(傷とほこりにまみれた顔面の中で、魔女はそれでも不敵にせせら笑う)」
シントリー「なにそれー、ばっかみたい。」
ベール「そうね…姉ちゃんはバカなことばかりしてたやんちゃもんだよ。サッカーボールで東〇京タワーをなぎ倒したり、友達の大好物のイチゴをつまみ食いして吊るしあげられたこともあったし、しわくちゃのせんべいを手裏剣にしてB級忍者映画ごっこしたり、野郎どもと女風呂を盗撮してたのがバレてメイド長に刺殺されかけたこともある。そんな"
カオス"な日常の中を『こいつ』と過ごしてきた。思い返せばバカばかり。だけど…――――(閉じた瞳の奥で蘇る色褪せた記憶。そのどれもあたたかくて、輝いていた―――) 」
ベール「――― それら全部が、"捨てられない思い出"。(フッ、と帽子の内側で柔和な笑みを零す) シントリー…貴女ともそんな日常を共にしたかった。きっと笑えるよ。姉ちゃんみたいなバカ者にはなるけれど。でもいいじゃない。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損ってね。」
ベール「…『あの日』以来、あたしはすべてをかなぐり捨てた。託された『約束』だけを生き甲斐に。夢を捨てて、欲望を押し留めて、自分を殺した。ただ抜殻のように日々を彷徨い続けるだけの木偶の某を演じていた。「いつかきっと、また会える」――― そんな"奇跡"さえも忘れてしまってね…。」
ベール「でも、「それでよかった」。「それでいいんだ」って教えてくれた人がいたから、今のあたしがいるんだと思う――――」
貴女の"想い"を、聞かせてください
ずっと、ここにいたい。ここで、みんなと楽しく暮らしたい
『 ベール・ティルク・カオス 』 ――――― 今日から貴女は、私の「娘」です
ベール「――――……不思議よね。こんなあたしでも、運命は受け入れてくれる。なのにあたしはその幸せがまた遠ざかることを恐れて、そうなる前に自分から逃避して……… ああ、やっぱりバカだよ。だからバカなりに頭を捻って、自分が今日という日まで生きてきた意味を問い質すの。いつだって、何度だって。」
ベール「………でもようやく、その答えが出そうなの。」
シントリー「ふぅん……で、おバカな姉様はいったいどういう「答え」に辿り着いたの?罪を自覚して、私に殺されてくれるってこと?」
ベール「…………――――――――――――」
――― 結局、あたしは妹を助けられなかった。その事実だけは絶対に覆せない
切っても切り離すことができない、永遠にまとわり続ける罪過
その十字架を背負い生き続けるしかない未来に希望なんてあるのか。そう思っていた…
(回想)[[オスカー]]「 ですがそんな貴女にも、この物語(せかい)で手に入れたものがあるはずです。
それは、貴女自身が待ち焦がれていた…「 願い 」を持つ仲間。 」
――― だけど違った
あたしが思うよりも人生は歩めば歩む程に、背負っていたものは軽くなっていって、照らす道は明るく広がっていく
あの12の彗星が導く朝日のように、眩しくて…
そして、出会ったんだ
こんなバカなあたしを受け入れてくれるような、大バカ野郎たちに―――
(回想)ベール「……君は、"奇跡"というものがあるって信じてる?
あたしはすっかり信じ疲れちゃって、そんなものはとっくに路傍の地蔵に酒を添えてくれてやったよ。
…でもひょっとすると、あるかもしれないよ。この世のすべては偶然にも必然にもなり得る現金な奴だからねえ。
まっ、あたしゃぬるま湯くらいなのがちょうどいいけど…――― 「君」はどうかな?」
(回想)あなた「――――― ! 」
運命はまた、あたしを迎えに来てくれた
誰かと過ごした、楽しかったあの頃みたいに
もう一度、自分のすべてを許してくれるような、そんな安心できる居場所を…―――
ラビー… ヒカリ… ホムラ… メディ… 璃奈… ヒロ… そして…―――
ベール「―――― あたしはもう、過去に縛られるんのはやめたんだ。振り返ってもそこにあるのは過ぎ去ったものばかりだ、何も手に入らない。だからあたしは未来(まえ)へ進み続ける。"奇跡"はそこにしかないのだから。(項垂れてた頭(こうべ)を少しずつ上げて、帽子の内側より強かな眼光を片方のみ露わにした)」
シントリー「それって、私たち家族との思い出を忘れようってこと?」
ベール「違う。みんなまとめて連れて行くんだよ、バーカ。(んべーと舌を出す)」
ベール「全部姉ちゃんが面倒見てやる。新しくできた弟分も妹分も、成仏し損ねた実妹の魂も、後悔も、思い出も。だからシントリー……―――――」
ベール「―――― 思いっきり姉ちゃんにぶつけてこいよ。全部受け止めてあげる。それで気が済んだのなら、一緒に旅に出よう。二人で、"奇跡"に塗れた日常を。(大胆不敵な笑みを、目の前の「妹」へと送った)」
シントリー「……っ……(ベールから笑みと共に零れたその眩しい言葉に、思わず立ち眩みがしたように退いてしまった。姉は、自らの罪に押し潰される絶望感の果てに、悟りを開いたかのような解脱を経た。そんな「強い」人間がいるわけがないと、驚愕するように…)……なんだよそれ……意味わかんない…っ…!私の死に様を何度も見てきて、挙句の果てに自分の世界を壊して…なんでそんな平然としていられるの…ッ…?!(理解できない有様に髪を掻きむしりながら、それまで一切見せなかった癇癪を起こす)」
シントリー「………いいよ… 姉様が自分から死を望まないのなら、私が、この手で…ッ…!(殺意を孕んだ眼光を再び輝かせて、片足を突き出し対峙を示す)」
ベール「…………―――――――」
相対する二人の脳裏に巡るは、幼き日の記憶――――
シロル「―――……君たちがこの城へ来てからはや数ヶ月。習得に時間のかかる高等魔術も我がものとした君たちは目まぐるしい成長速度を遂げている。実に素晴らしいことだ。」
シントリー(少女)「えへへ…♪嬉しいな…ねっ、姉さん?(双子の王を前に、姉のエルメラと並んでその賞賛を照れ臭そうに受けていた)」
クロル「だが、せっかく取得したその魔法も実践で活かせなければ意味を持たない。よって、今日は君たち姉妹で組手と言う名の魔法戦闘訓練を行ってもらう。これも魔法学校の授業の一環。互いに切磋琢磨し合った仲で競い合うのもまた、君たち自身をより強くする。」
エルメラ(少女)「……組手かぁ…うーん…そうねぇ…。妹とやりあうのはちょっと気が引けちゃうけど…でも、シントリーの成長をこの目で見られるって言うんなら、いいかもしれない。(躊躇いを見せるも「うん」と頷いてみせる)」
シントリー(少女)「ふえぇっ!?ね…姉様と…!?うぅっ…なんか、ヤだなぁ……(委縮する)」
エルメラ(少女)「泣き言いわないの。そんなんじゃいつまでたっても立派な『魔女』になんかなれないわよ。さっ、やるわよシントリー!」
シロル「よし、それでは両者持ち場に就いて。合図と共に戦闘訓練開始だ。」
エルメラ(少女)「……シントリー、お姉ちゃんを打ち負かせられたら大したものよ。頑張りなさい。(魔法の箒を斜めへ突き出すように構える)」
シントリー(少女)「えぇ…そんなの、できるかなぁ……?ううん…っ…!やらなきゃ…姉様に、あたしが頑張ったところも見てもらわなきゃ…!(同様に箒を真横に構えだす)」
クロル「 それでは…――――― は じ め ッ ! 」
エルメラ(少女) / シントリー(少女)『 ! ! 』
ベール / シントリー『 ! ! 』
ベール「 ダ ッ ダ ッ ダッ ダ ッ ! (箒星をその手に、翡翠の魔女は疾る)
シントリー「 ダ ッ ダッ ダ ッ ダ ッ ! (コメットを振り回して、黄金の魔女は駆る)
ブ ゥ ォ ン ッ ―――― ガ ッ ギ ィ ィ イ イ イ イ ン ッ ! ! ! (両者が振りかぶった魔法の杖が激突。その衝突音が空間一帯に残響して見えざる波紋が大気を振動させる)
エルメラ(少女)「ギリ…ギリ…ッ……!(現在と過去、二人の少女の姿がそれぞれに重なり合う。細く小さな両手で掴んだ箒を剣道のように突き出して妹との武器と拮抗し合う。力試しとして全力をぶつけ合う、まだ純粋な心を持っていたあの頃のままで―――) 」
シントリー(少女)「ギ……リ…ィッ…… ガ ギ ャ ン ッ ! (姉の気迫に打ち負かされまいと自身の杖を強く薙ぎ払うように振るい、拮抗状態を崩す。まだ機械の箒「コメット」を持っていなかった頃はこうしてただの魔法の杖を握っていた。憧れの『魔女』になれることを夢見て―――) 」
シントリー(少女) / シントリー「 っは!! ( ド ヒ ュ ン ド ヒ ュ ン ド ヒ ュ ン ッ ! ! )(あの頃の自分が掌をかざす。その光景と打って替わるように、現在の自分が突き出したその掌から黒い星型魔弾を幾つか解き放った。魔弾は上下左右へと四散しながらも標的のベールただ一点のみに向かって確実に迫ろうとしていた) 」
エルメラ(少女) / ベール「 ――――ッ! (咄嗟の側転から魔弾をひとつ、またひとつとギリギリまで引き付けながら回避を行っていく。幼き日の自分が1~2回転目を終えた頃、切り替わるように以降の回転は成長した現在の姿となる。体が小さくても、大きくても、取るべき行動、貫くべき信念は変わらない) ズザザァー…ッ…――― ギ ュ オ ン ッ ! ! (回避を終えた直後に箒に跨り、壁に沿って急速旋回しながら室内を縦横無尽するように飛行していく) 」
シントリー「…っ…落ちろァ!!“インパルス”!!( バ リ バ リ バ リ ャ ァ ア … ッ゛ … ! ! ! )(旋回飛行するベールを叩き落とさんとコメットを突きつける。その先端が帯電し、青白い稲妻が枝分かれするように放出され、徐々にその感電包囲網を拡散させていく) 」
ベール / エルメラ(少女)「く…ッ……!(放たれる放電の応酬に逃げ場を負われて息を呑むも―――) 色褪せる憧憬に踵を廻らせ、幾何の時を越えて巡り会え!“遥か遠い星《 フレームアウト 》”!!( バ シ ュ ゥ ン ッ ! ! )(両手でフレームをつくり、枠内に捉えた感電包囲網の一部分に狙いを定めると、その部位の空間のみが切り取られる。咄嗟に作ったその間隙を縫うように弾丸の速度で包囲網を潜り抜けてシントリーへと突進飛行していく。現在の自分が斬り拓いた路を、幼き少女が意を決して飛び込んでいくように――) 」
シントリー / シントリー(少女)「――――!?(そんな芸当ができるのか、と驚愕を露わにする現在 / 過去の自分。しかし、そんな姉の背中を負い続けて懸命に修練を励んできたのだ。後れを取るわけにはいかないと目を力強く見開き―――)――― ズ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ァ ァ ア ア ッ ! ! ! (水平に構えたコメット / 魔法杖でベール / エルメラの突進を真正面から受け止め、双脚に床を削りながら圧倒されていく。だが―――) 」
シントリー(少女) / シントリー「 “インクライン” ( カ ク ン )(静かに零した口上。それ共に"空間そのものが傾き"、ベールの認識感覚を鈍らせることで突進の勢いを殺そうと試みる) ガ ッ ――――― ズ ッ゛ ガ ァ゛ ア゛ ン゛ ッ゛ ! ! (怯んだ隙を狙って大きく振りかぶった魔法杖 / コメットで力強く殴り飛ばした) 」
エルメラ(少女) / ベール「―――――!?(やられた――――) ゴ フ ゥ゛ … ッ゛ … … ! ! ! ( ズ ッ ――― ガ ッ ――― ズ シ ャ ア ア ァ ァ ア ア ア ン … ッ … ! ! )(傾倒する空間に認識を鈍らされたことで眩暈に襲われたような感覚が過り、シントリーの狙い通りに曝け出してしまったところに大打撃を華奢な全身に受ける。何度も地面をバウンドした果てに壁の向こうへと勢いよく激突。硝煙と瓦礫に覆われその身が消失する――――) 」
シントリー「……――――――(殴り飛ばしたベールの先を見据えつつ、その手中に大気中に漂う魔素を手繰り寄せて次の攻撃に備える) 」
ベール「―――― ッ゛ ッ゛ ッ゛ ! ( ボ ッ グ ゥ ォ オ ン ッ ! ! ! )(陥没した壁を背にかけたままか細い脚部を突き出して瓦礫を強く―――少女とは思えない怪力、恐らく魔力による一時的な体力強化によるものか――蹴り飛ばし、シントリーを牽制する) 」
シントリー「 ピ ク リ ――――― ! ( ボ グ ォ ァ ン ッ ! ! )(砲弾が放たれたような轟音とともに蹴飛ばされた瓦礫。こちらに迫るそれを冷静に対処せんとコメットを突き出し、先端に蓄えた稲妻を爆発させて眼前で瓦礫の粉砕に成功する) 」
ベール / エルメラ(少女)「―――― ヒ ュ オ ッ ! (粉砕された瓦礫の間隙から露わとなった少女 / 幼女の翡翠色の眼光。瓦礫はフェイク。蹴り飛ばした直後にその死角を利用してシントリーの懐に迫っていたのだった) “灰に燃る星《 グレイアウト 》”ッ!!! ( ボ グ ゥ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! )(灰色の業火を纏う右脚を振るい、至近距離からシントリーを蹴り抜いた) 」
シントリー / シントリー(少女)「 づぁ゛…ッ゛……!!? ( ド グ ゥ ォ ア ン ッ ! ! ! )(ベールの不意打ちまで見透かせなかったのか、彼女の攻撃には対処できずに横凪に蹴り飛ばされてしまい、火花と共に螺旋を描きながら倒れ伏す)…っ……!!“インカーネイト”ッ!!!(先程の魔素を蓄えた片手を咄嗟に地面へ触れるように突き出した) 」
ボ ゴ ゥ ォ ン ッ ――― ボ ゴ ォ オ ン ッ ――― ボ ゴ ォ ォ オ ン ッ ――― ボ ッ グ ォ ォ オ オ ン ッ ! ! ! (シントリーを起点に室内一帯が意思を持つかのように蠢きだし、床や壁、天井がうねりをあげる。するとそれらが一斉に隆起し、剣山のような鋭さを帯びて次々とベール / エルメラに襲い掛かっていくのだった)
エルメラ(少女)「……―――――(意志を持つ剣山を前に絶体絶命の状況に追い込まれる。このままでは成す術もなく串刺しとなって無様に死に絶えるだろう。だが…――――) 」
さあて、「今週のハイライト」~!
エルメラ(少女) / ベール「――――― ニ ッ (不可能を可能に変える…そんな"奇跡"を教えてくれた愛すべき「家族」が、そんな不安を吹き飛ばしてくれる。そんな絶対的な自信を勝ち取ると―――)―――― 見せてやろうじゃん、「あたしのハイライト」をッ!!!(魔法使いはその帽子を押さえつけ、右手に箒を掴んで果敢にその脅威の波に乗り出す。一本目の棘を軽々とした跳躍で飛び移り、力強く蹴ってその上を伝うように駆け抜けていく) 」
せんべいさえあれば、海だって乾かせますよ!
ベール「右も左も巻き呑む空腹の風、軈て竜巻となりて更地に帰れ―――“惹き寄る星《 テイクアウト 》”!!( ボン、ボン、ボンッ!! )(剣山を駆け抜ける最中、周囲に展開された幾つもの魔方陣から出現したのは…大量の「大きなせんべい」。しかしそれはただのせんべいに非ず。常識を覆す秘伝の食料は剣山の鋭利な先端をも一時的に受け止めることで動きを制し、その隙にシントリーとの距離を徐々に詰めていくのだった) 」
シントリー「……!?(ありえない…ありえない…ッ……!!なんで、どうして…!?これで確実に仕留められるはずなのに…ッ……!)(広範囲にも及ぶ刺突を次々と掻い潜るベールに絶句し、双眸が泳ぎ始める) 」
―――――― ブラスター!
ベール「 " ブ ロ ッ コ リ フ ァ イ ヤ ー " ッ ! ! ! ( ボ ギ ャ゛ ア゛ ア゛ ァ゛ ァ゛ ア゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! ) (友の合言葉に応える渾身の叫びと共に、脚部から全身へと転化した灰色の灼熱炎が自身の決意を滾らせる。最後の砦として襲いくる剣山の防壁を"意地"だけで文字通り押し通し、粉砕しながらついに突破。緩慢化された世界の中で、ボロボロと崩れ落ちる剣山の瓦礫と共にシントリーの前に現れ、大胆不敵な笑みをひとつ浮かべる。その両手に魔素を収束させたまま――) 」
シントリー「…ッ…――――― “インクリース”!!( シ ュ バ ッ ―― シ ュ バ ッ ―― シ ュ バ ッ ! ! )(突破を成し遂げたベールに喫驚を見せるも、すぐにコメットを突き出すように構えて魔法を詠唱。自身を象る分身体を3体生み出し、彼女を四方から包囲するように一瞬で位置を牛耳った) 」
シントリー「これで本当の終わりにしてあげる…――――― “ イ ン シ ネ イ ト ” ッ ! ! ! ( ボ ォ゛ ォ゛ オ゛ ア゛ ア゛ ァ゛ ァ゛ ッ゛ ! ! ! )(自身を含めた4人のシントリーが、包囲したベールに向けて猛炎の渦を結ぶように展開。地獄に存在するような灼熱の海を生み出し、すべてを焼き尽くさん勢いでその熱気を高め続けた) 」
ベール / エルメラ(少女)「…ぁ゛……っ゛……―――――――(身を焼き焦がす業火に包まれていく。ここから抜け出すことも術もない。今度こそ万策尽きた。少女はここでついに終わりを迎えるのだ。愛する妹の為に死ねるのは、姉としても本望だろう。その運命を、甘んじて受け入れよう…――――) 」
――――― このクソッタレな世界を、"愛してしまわなければ"
魔女ではありません!!彼女は……彼女はッ…!!!
ベール / エルメラ(少女)「―――――――――― 」
私の大切な「 娘 」です!!
―――――― こんな自分を、「家族」として受け入れてくれなければ
それが、「親」である私の責任です。たとえどんなことがあろうと、私はあの子を信じます
―――――― だから、死ぬわけにはいかないのだ。帰るべき場所が、自分を手招いているのだから
ベール / エルメラ(少女)「 心 が 折 れ な い 限 り 死 な ね ぇ ! ! ! (転寝のように重くなる瞼をかっと開かせて、心の内に眠る"想い"を、地獄の業火よりも熱く滾らせる。それだけで物理的な熱をも越えて直立し、現在と過去の自分が、箒を高らかに突き上げた) 」
ベール「 終焉に恋焦がれた浮草よ、砕ける地に枕し震えて眠れ――――― 」
忌むべき魔法が導いてくれた"奇跡"のような出会いが、今の自分を形作ってくれた
どれだけ逃げようと、どれだけ壊そうと、結局は拭い去ることのできない自分が生み出した錆
ならばそれすらも拾い上げて等しく愛してしまおう。こんな自分に救いの手を差し伸べてくれた、あの『恩人』のように。
その人に、報いる為に。そして…生きる希望を与えてくれた、目の前の『妹』の為に
そんな"想い"を込めた詠唱の果てに、少女はついにその魔法を解き放った―――――
ベール「 “ 揺 れ 動 く 星 《 ノ ッ ク ア ウ ト 》 ” ! ! ! 」
ズ ガ ァ゛ ア゛ ン゛ ッ゛ ――――― ! ! ! (ベールが手繰る箒の先端が大地を穿つかのように強く突かれた。その衝撃が大地を震撼させ、激しい振動を帯びる。震撼する空間は灼熱の海を瞬く間に鎮め、魔法に歪められた空間に亀裂を走らせ、城壁さえも震え上がらせる。そして――――)
――――― ┣¨ オ゛ ゥ゛ ッ゛ ! ! ! (震源地である翡翠の魔女を起点に解き放たれた強大な衝撃波が、灼熱の海や分身体をも吹き飛ばし、シントリー本体に届く――――!)
シントリー「 ! ! ! 」
―――――――― やっぱり、姉様には敵わないや……
シントリー「――――――――――(大気を貫く強大な衝撃波に貫かれる。その衝撃に意識が飛び、握られていたコメットを、被られていた赤い帽子さえも吹き飛ばされる。自身を貫いた余波が背後の扉を壁ごと崩壊させる中、音もなくその身体が床上に墜落し、ついに戦意喪失を迎えたのだった――――――) 」
ベール「――――――――― 」
シロル「――――― そこまで!勝負あり!勝者は…エルメラだな。 」
シントリー(少女)「…っちゃー……いったた…… う~……姉様、容赦ない……(尻もちをついたまま脳天を両手で押さえつけて涙ぐんでいた) 」
エルメラ(少女)「バカねぇ…本気な貴女に手を抜くなんてするわけないでしょ。………頑張ったわね、シントリー。(ふっ、と和らな笑みを零しながら、彼女に手を差し伸べた) 」
シントリー(少女)「……! うん…っ♪ (その手を掴み、起き上がろうと身を起こした) 」
ベール「―――――………(そんな、在りし日の思い出が過った。今も、昔も、妹は姉に負けない立派な魔女の素質を持っていた。あの手をずっと掴んでいられたのなら。離さずにいられたのなら。こうして殺し合う運命になることもなかったのだろうか…) 」
ベール「…………(それでも、悔いはしない。たとえこれが自分たちの運命だったのだとしても、互いに互いを"想い"合うことに嘘偽りはなかったのだから。そこには確かな愛があったのだから) 」
ベール「…………―――――― ガ ク ッ (倒れ伏す妹の傍へ静かに近寄り、その傍で膝から崩れる。「これでいいのだ」―――― そう言い聞かせるように、目深に強くかぶり直した帽子の内側で、少女は口を噤んだ。慟哭を押し殺し、堪えきれなかった涙を零して…) 」
鳴滝「……お、おぉ……!こ、これは……!まさか、このような運命さえも退けてしまうとは…!流石は『特異点』の娘…! やはりここで朽ち果てるには実に惜しい…!ますます、君に興味を抱いてしまう…!さァ……もっと、もっと見せてくれ…この、私に……!(自身が誘い、仕向けたシントリーを打破したベールを遠目に観察し、一人静かに昂揚感に浸っていた) 」
―――― 相変わらずだな、鳴滝
鳴滝「……!(自身の名を呼ぶ誰かの声に振り返る。その声音には何度も聞き覚えがあるのか、正体を知っているかのような憎らしい形相を露わにした) 」
仮面ライダーディケイド「 チ ャ キ リ ―――― (そこに立っていたのは、世界の破壊者『ディケイド』。自身の武器であるライドブッカー・ガンモードの銃口を鳴滝に突きつけたまま佇んでいたのだった) ………特異点の前に、まずはお前を破壊した方がよさそうだな。(「まだやるか?」と微かに首を傾ける) 」
鳴滝「……ぉ…おのれ、ディケイドォーッ!やはりこの世界にも通りすがっていたか…!だが、何故だ…!?貴様の行動を裏読みしてここまで来たとういのに、なぜ私の行動が筒抜けになって…―――――!(その疑問の答えに、辿り着いた)……おのれ…「渚カヲル」!!お前の仕業かァ!!」
渚カヲル「――――― さて、なんのことだい?(初めからそこにいたのかどうかは定かではないが、鳴滝の呼び声に釣られるように、青年が音もなく姿を現した)……言ったでしょ?「彼女は君の思い通りにはならない」って。そして、これ以上彼女に付きまとうのなら…「彼」をここに呼ぶって。(ディケイドの横へ並び立つと不敵にほくそ笑んだ) 」
鳴滝「グゥ……!(並び立つ両者を前に腰を低くしながらぎこちなく、じりじりと退いていく)……おのれ、ディケイド…!おのれ、渚カヲル…!今回は身を引いてやる……だが…!いつか必ず成し遂げてみせるぞ…!たとえこの世界の行く先が破滅の未来だとしても…!私は諦めんからなァ…!!( ギ ュ オ オ オ ォ ォ ォ … ――――)(そう捨て台詞を残し、自身が開いたオーロラカーテンの中へと逃げ込むように消え去った) 」
渚カヲル「……諦めないことはいいことさ。だけど、誰かが諦めてこなかったからこそ、来るよ来るよと促された破滅の未来は遠ざかっていったのもまた事実なんだ。それが、人間(ひと)が齎してきた"奇跡"の賜物さ。(消えゆく鳴滝へそう呟いた)……ありがとう。でも、君はどうするんだい?(遠い直前上に蹲るベールを他所目に、ディケイドへ尋ねる) 」
仮面ライダーディケイド →
門矢士「 ガ チ ャ ン … カ シ ャ カ シ ャ カ シ ャ ―――(バックルを操作して変身を解除する)……俺の目的は『特異点』の破壊だ。覚醒した者の未来は過酷だ、それこそ死んだほうがマシだと思うほどにな。だが……俺はようやく気付いたのかもしれない。特異点に覚醒した時点で、運命を乗り越えられるだけの覚悟を、その強い"想い"があるということを。 」
門矢士「特異点を破壊することは、そいつを救うことだと思っていた。特異点を起点として広がり、飽和する歴史を抑制することもまた。だが…「アイツら」は、俺たちが思っている以上に、そんなものを超越しちまう強さがある。現に、あの魔法使いもな…(最愛の妹を相手に、屈することなく自らの"想い"を貫き通したベールを遠目に見つめる) 」
門矢士「………まっ、そもそも、あいつはもうその席を降りた身だ。奴の特異点としての力は、『あいつ』に受け継がれた。ならば見届けることにしよう、あいつらの旅路を―――― カ シ ャ (そんなベールに対し、首からぶら下げているマゼンタ色のポロライドカメラのフォーカスを当て、そのレンズに姉妹の姿を撮り収めた) 」
渚カヲル「……そうか。そうだね。決めたのは、彼女自身だ。その道を歩くのも、また。ボクたちはただその旅路に手を振ることしかできない。それでも…不安と期待の鬩ぎ合いの果てに、「彼らの物語」はきっと素晴らしい結末を迎えるさ。 」
渚カヲル「さあ、行こうか。彼女たちの冒険をこれ以上遮るわけにはいかないからね。(最後にベールの後姿を、脳裏に焼き付かせるかのようにじっと眺め、不敵な笑みを一つ零しながら踵を返す。ポケットに両手を入れ、士が展開したオーロラカーテンの中へと、二人ともに消え入るのだった―――) 」
ベール「…………(気が付けば、妹を両膝に乗せて気を失っている彼女の顔を覗き込むように視線を落としていた。悲哀とも郷愁とも取れるような潤んだ瞳を浮かべながら―――) 」
ベール「――――― 大きくなったわね (そんな、シントリーの顔を見て嬉しそうに口の端が上がった) 」
シントリー「――――――(先の戦闘で気を失っているように瞳を閉ざしている。だが、その表情は何処となく穏やかであった。先程の殺意など微塵も感じさせない程に―――) 」
一人だけ成長した姉のベールにとって、幼き日に先立った妹は「あの頃のまま」だった
もしかしたら、今みたいに二人とも未来を同じ歩幅で進んでいた未来があったのかもしれない
たとえその再開が望まぬ形だったとしても、姉にとっては一縷の希望に他ならなかった
ベール「………――――― ス (静かにその額を優しく撫で回す。幼き日、泣き喚いていた妹をこうしてあやしていたことを思い出しながら) 」
どれだけ運命に抗おうとも、大切な人は救えなかった。その結末に絶望してすべてを黒く塗り潰してしまった
いっそこの身を投げ出せば楽になれるか。そんな短絡的な自殺願望も、最愛の妹が願いに遮られて
生きることも死ぬこともできず、すべてを諦めて殻に籠るしかできなかった
だけど…――――――
ベール「――――― いいんだ… "また会えた"んだから 」
それだけの、たったそれだけの…小さな"奇跡"。それだけが、彼女の救いだったのだから
ベール「……シントリー…昔ね、ある人とこんな口約束を交わしたんだ。 「 これでいいのか? 」 そう問いかけてはならないって。だけどその約束はもう忘れちゃってさ… ふとした時に口走っちゃうんだ。まるで口癖みたいにね。 」
ベール「……でも違うの。あたしは問いかけたいんじゃない。いつだって否定したかったんだ。偽装《 ベール 》に覆われたこんなクソッタレな世界を… 運命を… "奇跡"という不確かなものさえも。 」
ベール「だけどあたしの口は否定する言葉を吐くことはできない。どんなに目を背けたって、目を瞑ったって、時間は進んでいくの。大切なもんを失ったあの日が遠ざかっていく…こんな恐怖さえも否定できずに…。 」
ベール「…それなのにこの世界の大バカ共どもときたらさ…誰もがこぞって忘れることを臨んで来世に祈りを送るの。みんな揃いも揃ってね。去勢済みの舌っ足らずども…憎み切れないロクデナシどもだよ。 」
ベール「 そんなすべてを否定したかった… お前ら全員 ――――――――― 「 これでいいのか!? 」って 」
ベール「………………だけど……―――――― 」
―――― 違う!誰にだって、大切な「記憶」がある。それを奪うことなんて、絶対にできない!
そうだ…それはな、俺たちが生きていく上で切っても切り離せないものなんだ…!
記憶とはいずれ薄れ忘れていくものだと言われるかもしれません。
ですが、それは断片的なものとしていつまでも覚えられているものなのです。
そこには誰かと紡いだ「言葉」があって―――
――― そして誰かと感じた「感情」がある!
自分一人でも、他の誰かと一緒でも、そいつはかけがえのないものになんだよッ!!
……!!
だから取り返してみせる!ベールちゃんが歩んだ、ベールちゃんだけの思い出を!!
ベール「―――――…………そんな世界で、出会っちまったんだ。『 愛すべき大バカ野郎たち 』と、さ。(思わず面白おかしく噴き出してしまう) 」
ベール「…あいつらは忘れようとしなかった。忘れてしまったのなら、取り戻すために前に進むことも躊躇わない。後ろ歩きで未来を進もうとしていたあたしを振り向かせてくれた。ほんっとバカ。大バカだよ。だけど……あたしゃそういうバカが愛おしく大好きなんだ。そいつらがいるこの世界のことも、きっと。 」
ベール「 あたしは『 エルメラ 』で… でも『 ベール 』なんだ。世界を憎み、憎み切れずに…ついには愛してしまった。そんな人間の、あたしだけの、『名前』。一生、その字(あざな)を刻んで生きていく。貴女の願いと共に、忘れずに。 」
ベール「……だからあたしは、行かなくちゃならない。あたしの人生にケリをつける為に。自分の不始末にケジメをつける為に。そして…愛する大バカ野郎たちの為に。だから…もう少しだけ、眠っててくれるかい?(シントリーの頬を一撫でし、優しく床上に降ろして立ち上がる) 」
ベール「 行ってくるね (意を決したように帽子を目深に被り直し、瓦解によって曝け出された王室へと続く廊下を突き進むのだった――――) 」
巴マミ「……………(廊下を駆け抜けていくベールを、否…すべての一部始終を影から見守っていた一人の魔法少女がここでようやく姿を現す) 」
巴マミ「エルメラ・エスポワール…いえ、『ベール・ティルチャオス』。貴女は…貴女に課せられた運命に挑み続けた。『特異点』に選ばれた貴女には、どんな願いでも叶えられるチャンスがある。でもそれは、死と隣り合わせ…。貴女は、その死を…いえ、死すらも霞むほどの絶望を越えてきた。だからこそ、その願いは…ここで果たされる。」
巴マミ「…誰もがみんな、後悔に苛まれる。生きている限り。でも、生きているからこそ、選択の余地がある。考えに考え抜いて、しっかりと、自分の"想い"に準じて決めてほしい。私にできなかったことだからこそ、ね…。」
巴マミ「誰かに希望を抱いてほしいのか…それとも、その人に希望を齎した恩人になりたいのか。同じようでも全然違うこと。 そこを履き違えたまま先に進んだら、きっと後悔するから、焦ってほしくない。 」
巴マミ「 貴女は希望を叶えるんじゃない。貴女自身が希望になるのよ 」
巴マミ「その希望が絶えないように…"想い"が朽ち果てないように…ただ今は、私も貴女に寄り添ってあげたい。「あなたたち」には先があるのだから。(優美な笑みを一つ浮かべて、ベールが辿った道を踏みしめて、彼女を追うように歩を進めた―――) 」
シントリー「――――――――――――― ピ ク (一人取り残された空間で、微かに指先が動いたような気がした――――) 」
――― Vs. 白の魔法使い&黒の魔法使い ―――
白の魔法使い「―――― 灼けよ!! (あなたとイワンコフ、DOMANへ手をかざす。すると―――)」
――――― ボ ッ グ ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! (白の魔法使いに狙いを定められた三人の位置に微かな火の粉が渦巻いたと思われた次の瞬間、小さな火は瞬く間に膨張し―――強大な爆炎となって彼らに襲い掛かる)
黒の魔法使い「――― 裁きを下す!! (ディースハルバードを天に掲げると、その行為に誘われるように天井に出現する雷雲。そして―――)
――――― ピ シ ャ ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! (雷雲より稲妻が迸り、アスランとブリジットへ落雷が迫りくる)
イワンコフ「とうとう本気を出すようねん…いいわっ♪お熱いのは、すっきよ~~~~~~~~~……ん????(悠長に身構えていたところに火の粉に包まれて首を傾げる) ぎょええええええええええああああああああああっづえええええええええええええ!!!!!!!!!!!!(爆炎に巻き込まれて大絶叫(?)する)」
イワンコフ「ああああああああん!唇が!唇が!唇が焼けて!たらこ唇に!!顔が!顔が…!顔、が…―――――(何故か顔面だけが丸焦げの有様で狼狽えているが…)」
イワンコフ「焼けてなーーーーーーーーーーーい! 厚化粧だから! ヒーーーーーーハーーーーーーー!(ここで黒焦げだった厚化粧パックを剥ぎ取り無傷な顔面を曝け出す) いや笑わねえのかよ!!!!ヒーーーハーーー!!一本取られたよ!!!ヒーーーハーーー!!!(一人で悔しそうに地面をバシバシ叩いて乗りツッコミする)」
アスラン・ザラ「やはりお前達はデュエリストの風上にも置けないようだ……(デュエルディスクを折りたたみながら何かを取り出すと、全身の末端から装甲が這い)」
アスラン・ザラ「ならば戦いでもお前達に勝つ!!(ジャスティスへとその全身を変貌させ、ライフルを構える)」
DOMAN「ンンンンンンンーーーーーーー!!非常に苦痛也ィィィィーーーーーッッ!!(大の字になりピッコロさんよろしくあなたを庇い爆発の熱、衝撃波を全身で受け止める)ンンンンン……!!拙僧のか……か……… 髪がァァ地獄絵図にィィィイイイーーー!!(イワちゃんに並んでコロンビアのポーズを取りアフロヘアでドヤ顔を決める。しっかり全身は焦げている、重症)これがボンバイエって事にございますれば、って一本取られましたぞォー!!」
ブリジット「うわっと……危ないっ!!(頭上で素早くYOYOの糸を☆型に展開、落雷から身体を防御) 確かに凄い魔力です、ウチも雷を使う人と戦ったことはありますけど……その人に勝るとも劣らない位に…(皆さん無事みたいですね、なら……今はカバーする必要はない…!いや、イワンコフさんとDOMANさんはどう見ても重症そうに見えますけどとりあえず大丈夫でしょう、うん…!)そぉい!!!(懐からYOYOをもう一本取り出し、二つのYOYOに魔力を込め……白の魔法使い、黒の魔法使いそれぞれに目掛けてYOYOを横薙ぎに振り回し、打撃を与えに掛かる)」
あなた「……!(奇しくも、イワンコフとDOMANの二人が盾(?)になってくれたことで爆撃は免れた)……!!(そんな二人の為に一矢報いようと、両者の間隙を潜り抜けて果敢にも白の魔法使いと駆け出していく)」
白の魔法使い「ふざけた真似を――――?(イワンコフたちの影に隠れていた「あなた」に遅れて気が付く)ただの人間風情が、図に乗るなよッ!!(「あなた」に向けて手をかざそうとするが―――)」
イワンコフ「ふざけてるって?ヴァナータたちには言われたくナッシブル!!!!(キーッ!と金切り声を上げながら睨みつける) “DEATH WINK(デス・ウィンク)”!!! ( バチョーーンッ!!! )(ただの瞬きで爆風のような風圧を放ち、白の魔法使いが魔法を繰り出すのを妨害しつつ吹き飛ばす)」
白の魔法使い「なにッ――――んぐううぅぅぅうッ!!!(イワンコフから迸る衝撃に耐えまいと双脚に力を入れて踏ん張るが…)」
DOMAN「 そぉれ★ (DEATH WINKの風圧にへ呪符を放る。それは物理的ダメージこそないが、凄まじい衝撃波によって白のの魔法使いへ張り付き)近頃流行りのアレしき、拙僧程度の凡夫にも真似事程度はできましょうや……:(人差し指、中指を絡ませ、伏見がちに笑む)」
DOMAN「 " 術 式 束 閉 餓 鬼 蠱 毒 " (白の魔法使いに張り付いた呪符を中心に空間が歪曲する。池に広がる波紋が逆流するかのように、 あなた達と白の魔法使いの間にある"距離"や"空間"が"凝縮"し、間合いを詰めやすくする)」
あなた「―――――!(手に握られた「羽ペン」、その切っ先を突きつける。すると――――)」
――――― キ ュ ガ ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ア … ッ … ! (羽ペンが輝きを放ち、「あなた」に力を授ける―――)
めぐみん「―――この邂逅は世界が選択せし運命(さだめ)!私は、「あなた」のような者達の出現を待ち望んでいた!我が名は『めぐみん』!アークウィザードをなりわいとし、最強の攻撃魔法”爆裂魔法”を操る者!(「あなた」の"想い"に応えるように、羽ペンの光より一人の魔法使いの少女が現れた)」
めぐみん「あまりの強大さ故、世界に疎まれし我が禁断の力をなんじも欲するか?ならば、我と共に究極の深淵をのぞく覚悟をせよ!(「あなた」へ覚悟を問うように視線を交わす)」
あなた「………!!(めぐみんの問いかけにためらいもなく頷いて見せる)
めぐみん「……いいでしょう!ならば共に唱えよ!これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法!(魔法の杖を敵へ突きつけて詠唱の準備に取り掛かる)」
めぐみん「 "紅き黒炎と同調し、血潮となりて償いたまえ" 」
めぐみん「 “ エ ク ス プ ロ ー ジ ョ ン ” ! ! ! 」
あなた「 ! ! ! (めぐみんと肩を並べて羽ペンを突きつけた)」
ボ ッ ガ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! ! ! (めぐみんと「あなた」の詠唱が、白の魔法使いへの超絶的な爆発魔法となって顕現された)
白の魔法使い「――――!?(なんだッ…この異様な空間は……まさかッ!!)(だが気が付いた頃にはすでに遅く、DOMANの呪術によって歪められた空間に囚われた自身は、距離のある「あなた」とめぐみんの爆裂魔法に迫られてしまい―――) グ フ ァ ァ ア ア ア ア ッ ! ! ? (その苛烈な爆発をダイレクトに受けてしまい、吹き飛ばされてしまう)」
黒の魔法使い「フンッ!( ガ ギ ィ ン ッ ! )(ディースハルバードを振り回し、自身と白の魔法使いへ迫るブリジットのYOYOを弾き返す)貴様等の相手は私だ…!フハァッ!!(ブォンッ―――ブォンッ―――!)(戦斧を振り回しながら進撃。アスランとブリジットを牽制する)」
ブリジット「白い方は彼方に任せてよさそうですね、だったらウチは…!(黒の魔法使いに向かって走り込みながら、弾かれたYOYOを素早く引き寄せてキャッチ。そして戦斧での進撃の隙間に潜り込み……) 今です、ス タ ー シ ッ プ !!(身体の両側で二つのYOYOを超高速回転させつつ、一気に跳び上がって戦斧を弾きに掛かる)」
アスラン・ザラ「行くぞッ!あっちは任せて問題なさそうだ!!(黒の魔法使いの攻撃を飛び上がってかわし、背後に回りながらライフルを放つ)」
アスラン・ザラ「はあっ!!(そのままライフルを連射しながら急激に接近、背中に跳び膝蹴りを叩き込み、その勢いのまま大きく空中に跳ね)はあああ!!!(そのまま空中でバルカン砲を構え、放つ)」
めぐみん「ふっふっふ…!見ましたか!すごいでしょう!?この爆裂魔法を覚えたいなら、いくらでも教えてあげましょう!というか、それ以外に覚える価値のあるスキルなんてありますか?いいえ、ありませんとも!さあ、私と一緒に爆裂道を歩もうじゃないですkああああっ!?!?消える!体が消えるー!もっと出番増やして~~~~!(時間切れにより泣きながら消失してしまった)」
あなた「……!(消えゆくめぐみんへ感謝の意を込めて手を振る)」
白の魔法使い「グ、ググ……おのれ、奇妙な召喚魔法を…!舐めるなァ!(クルンクルンクルン――― シ ャ キ ィ ン ッ ! )ハッ、フン!シェァアッ!!(先端に槍のような刃を携えた笛型武器ハーメルケインを片手で器用に振り回しながら立ち上がると、「あなた」へ縦横無尽に斬りかかっていく)」
あなた「――――!( ガ ギ ィ ィ イ ン ッ ! ! )(羽根ペンが輝きを帯びて「
キーブレード」となり、その鍵剣を手に白の魔法使いによる斬撃を受け止めにかかる) ギチ、ギチチチッ……! (不思議な力を持つ者とは言えど、所詮は並の一般人。天の聖杯であるホムラとヒカリがいない今、魔法使いの斬撃を見切る術も反撃に回るための術も持ち合わせておらず、ただがむしゃらに防御に徹するだけで精一杯だった)」
黒の魔法使い「フゥンッ!!(グルングルンッ――― ギ ャ ギ ィ ィ ン ッ ! ! )(ディースハルバードを8の字に描きながら振り回すことでブリジットの攻撃と真っ向から衝突し合い、火花を散らす)なにッ――――ぬぐゥ…ッ!(だが拮抗する最中にアスランにその背後を取られ、間一髪ライフルの応酬から身を翻して後退回避を試みるが、飛び蹴りが胸部へクリーンヒットし大きく仰け反る)チィッ…!!(その直後、咄嗟に両腕を交差した態勢で頭上から降り注ぐバルカン砲の嵐の防御に回る)」
黒の魔法使い「――――小癪ッ!!(グゥオォンッ―――― ブ ワ ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ッ ! ! ! )(交差した腕を広げるように戦斧を豪快に振り回すと、自身を核に黒い竜巻を巻き起こし、地上のブリジットと空中のアスラン、その両者を吹き飛ばさんと襲わせる)」
ブリジット「まだまだです!!(攻撃を防がれたと見るや、全身から赤い衝撃波を放ちながら黒の魔法使いの頭上、背後へと回り込み、追撃を狙うが…)」
ブリジット「……っ、大技ですね、それだったら………わわわっ!?(戦斧を振り回す黒の魔法使いの狙いを察し、素っ頓狂な声とは裏腹に、派手に吹き飛ばされながらも重く、強烈なYOYOの投擲をその顔面に放つ)」
白の魔法使い「所詮はただの人の子よ… 魔法使いである我等の敵ではない!!( グ ル ン ッ ――― ゲ シ ィ ッ ! )(防御を強いられるあなたを一方的に切り崩すと、その間隙を突くかのような回し蹴りを見舞い、大きく蹴り飛ばした) 」
あなた「……!(回し蹴りによって大きく吹き飛ばされると転がり倒れていく)………!(それでも、「あなた」は両腕に力を込めて立ち上がる。強敵を前に、殺されるかもしれない恐怖が過る。それでも…大切な誰かを救うために、逃げるという選択肢など端から捨てている。その覚悟を露わに、ついに前線復帰するかのように直立した) 」
ピ カ ァ ァ ァ … ッ … ――――― \ドライバーオーン ! プリーズ !/ (その時だった。「あなた」の覚悟に応えるかのように、手に握られたキーブレードが再び強い輝きを放つ。その光は「あなた」の身体を照らし、その右手中指に「ウィザード
リング」が嵌められ、腰部に「ウィザードライバー」が装着されたのだった)
あなた「……!?……!(唐突に装着されたベルトと指輪に困惑するが、「あなた」はここからどうするべきなのか、なんとなくだが理解していた。首を上げ、ドライバーを起動した) \シャバドゥビタッチヘンシーン !/ \シャバドゥビタッチヘンシーン !/ ……チャキ… ! (そして、指に嵌められた「フレイムのウィザードリング」を高らかに突き上げ――――ドライバーの中央へとかざした) 」
あなた(仮面ライダーウィザード)「 ! ! ( \フレイム ! プリーズ !/ \ヒー ! ヒー ! ヒー ヒー ヒー !!/ )(「 変身 」――― 声にこそ出ないが、口の動きは確かにそう言い放った。その口上と共に真横から真っ赤に燃え盛る魔方陣が出現。自身の身体を潜り抜けると、最後の希望である魔法を操る仮面ライダー「ウィザード」へと変身を遂げたのだった) 」
イワンコフ「ヴァナータ…!今のは、一体…!?(やはり「この子」…ただ者じゃなっシブル…!まだ幼い人間のはずなのに、身に余るようなその力は一体……)(先程のめぐみんの召喚といい、今回の仮面ライダーの変身といい、「あなた」が次々と齎す不思議な力に目を見張った) 」
あなた(仮面ライダーウィザード)「――――― ! ! ( ダ ッ ―――― ブオオォォオンッ!!)(焔の如く紅い指輪を突き立て、余燼を纏いて前進する。その手に携えたキーブレードの剣身に紅蓮が纏われ、燃ゆる斬撃として白の魔法使いへと反撃に乗り出した) 」
白の魔法使い「(――――!?) 変身した… しかも、その姿は―――― ッ゛ !?(ガッギギギィィイイン…ッ…!!)(あなたの姿に呆気取られるも、すぐに我に返りハーメルケインで真っ向からその斬撃を受け止めにかかる。だが反応が遅れたことも相まって上から押し潰されるような一撃を前に、思わず片膝をついてしまった) 」
白の魔法使い「貴様のその力…面倒だな…!だが付け焼き刃の力で、純粋な魔法使いに勝てると思うか!?フン、ハッ…!(ドッ、ザギィンッ…!ゴッ…!)(あなたのキーブレードを振り切りながら立ち上がると同時に右から掌底、左から斬撃、そしてハイキックの三連撃を叩き込んでいく) 」
黒の魔法使い「足掻くな…ッ!( ギ ィ ン ッ ! )(左拳を振るい、顔面へと飛ばされたブリジットのYOYOを殴り返した)…ッ……!?(だが打ち所が悪かったのか、今の一撃を受け止めたことで左手が微かに痙攣してしまった) 」
ブリジット「(弾きに来た左手へとダメージを与える事に成功した事を悟り、微かに安堵の表情を浮かべるが……逆に飛来するYOYOの直撃を受け)あがっ…!?でも、ウチの一発は重かったみたいですね…! 」
黒の魔法使い「僅かな痛手など、どうということはない!!ハァッ!!( ズ ガ ァ ン ッ ――― メ゛ ギ メ゛ ギ メ゛ ギ ィ゛ ッ゛ ! ! ! )(ディースハルバードで地盤をかち割り、地割れを発生させてブリジットをその中へ陥れようと企む) 貴様も落ちるがいいッ!!(ズォンッ、グゥォンッ!!!)(更に戦斧を豪快に振り抜き、上空を飛翔するアスランへ斬撃波を次々と撃ち込んでいく) 」
あなた(仮面ライダーウィザード)「……!?(ズガガガァー…ッ…!)(迫りくる連打に対しキーブレードを突き出すように受け止めてその反動を解消していく)( \ ビッグ ! / ) ……!! ( ド ゴ ォ ッ ! ! ! )(ビッグのウィザードリングを嵌めることでその力を開放。右足のみを巨大化させて白の魔法使いを正面から盛大蹴り込んだ) 」
イワンコフ「ヒィーーーーハァーーーーーーッ!!!!(ドッッッッッグゥォオオンッ!!!)(あなたの攻撃に合わせるように盛大な助走をつけたドロップキックによる追撃を城の魔法使いへと炸裂させる) この際細かいことは気にしナッシブル!ヴァナータたち!このまま押し切るわよぉ~~~~~~~~!!! 」
白の魔法使い「ヌグゥ…ッ゛……!!( ド ゴ ォ ッ ! ! !)(並行に構えた両腕で身を守り、あなたの巨大な右足のキック、そしてイワンコフのドロップキックの両方を受け止めにかかる。だが、衝撃の余波によって態勢が崩されてしまった) 調子に乗るな…!貴様等如きに、我々の計画が覆されてたまるかァ!!サバトは必ず開く…!そして、呼び覚まされた賢者の石で、今度こそ…永遠なる不死を…究極の魔力を手にする…ッ!! ♪~ (ハーメルケインを笛のように口元に構え、その音色を奏でる。そうすることで―――) 」
メ キ メ キ メ キ ィ … ―――― ボ ゴ ォ ォ ォ オ オ ン … ッ … ! ! ! (白の魔法使いの奏でる不可思議な音色によって城壁の外から植物の太い蔦が次々と顔を出し、あなたとイワンコフ、DOMANを拘束しにかかる)
あなた(仮面ライダーウィザード)「………(「賢者の石」…それが、すべてを狂わせた。この国を、民を、王を、そして「友」を…。これ以上誰かの手によって悪用されるわけにはいかない。その為に、意地でもこの戦いに負けるわけにはいかないと、「あなた」は強かな決意を固めた)……!( ボォンッ、ボォォオオッ!! )(取り囲むように襲いくる蔦に燃ゆる斬撃を振り抜き、一本一本を確実に焼き斬っていく。ホムラがそうしたように、彼女の戦い方を思い出しながら、それを実践の中で体得しようと奮起する) 」
イワンコフ「ニューカマーの王として、ヴァターシにはヴァナタたちを止める責務があッシブル!シロルとクロルも、あの魔女ガール(ベール)のことも…散々掻き乱した罪は重い!!マカオ!ジョマ!ヴァターシの全寿命を賭けて、ここで決着(ケリ)をつけちゃブル!!!“DEEEEEEEEEEeATH WINK(デエエエエエエエエエエエス・ヌゥウィンク)”!!!! ( バチョーーンッ!!!!! )(瞬きから爆風圧を放って蔦の群れを消し飛ばしていく) 」
ブリジット「ちょっ、待っ……(慌ててもう一つのYOYOを投げ、地面にめり込ませてぶら下がる形で落下を防ぎ)危ない……出鱈目なスケールの攻撃ですね…… 」
DOMAN「くっ…… さ せ ま せ ぬ ゥ !! ドギュウウウウウンシュインシュインシュインシュインシュイン(できぬぅ!のイントネーションで気を爆発させ、頭髪が金色に変化。 その場で光速反復横とびし……) アーーー↑!! (彼らを拘束しようとしていた術を身代わりとして全て一身に受け、簀巻きになってしまう) 」
あなた(仮面ライダーウィザード)「……!( ザ グ ン ッ ! )(DOMANを捕える蔦を切り落とし、彼を救出する)( \ エクステンド ! / ) ビヨンビヨ~ン…! (伸縮の力を司るエクステンドリングによって自身の右腕がゴムのように跳ねて出した) グルングルングルン…―――――― ド ゴ ォ オ ッ ! ! ! (伸びるその右腕を大きく振りかぶってから回転させ、その遠心力を付けたパンチを勢いよく突き出した。その際、かつて歯車の島を共に冒険したルフィの“ゴムゴムの銃(ピストル)”の挙動と重なった。だが、それだけでは終わらない――――) 」
あなた(仮面ライダーウィザード) / ルフィ『 ゴムゴムのぉ~~~~~~―――――“火拳銃(レッドホーク)”ッ!!!! / ……!!! ( ド グ ゥ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! ! )(かつての仲間が、確かにそこにいるような実感が「あなた」に投影される。伸び出した拳は発火し、灼熱の火拳として完成。白の魔法使いを殴り抜け、激しい爆炎を齎したのだった)』
白の魔法使い「 ッ゛ ! ! ? ( ボ ッ グ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! )(装甲越しでも伝わる凄まじい爆発級の殴打が直撃したことで全身が「く」の字に曲がりながら音を置き去りに盛大に殴り飛ばされた)…グ…ハァ・…ッ……!?バカ、な……ッ……(不老不死の身体を持つが故に痛覚など感じない…はずだった。だが、「あなた」の齎した一撃は、痛覚などというものを越えて、確かにこの身体に明らかな痛手を与えた。ただの人間ではない、とここでようやく強い警戒心を向きだした) 」
イワンコフ「……!麦わらボーイ…?!(「あなた」に重なった身に覚えのある面影にはっと目を見張った。それが幻覚のように消えていくことで本人ではないことを思い知るも、確かに一瞬だけ、本人と見紛う実在感を覚えたのだった)………クフッ…♪本当に、面白い子ねぇん…!(「あなた」が見せる"奇跡"のような行動に、思わずニヤケが止まらず表情が綻んだ) 」
アスラン・ザラ「傲慢だな(空中で回転を交えながら斬撃波を躱し、最後の一撃を盾で防ぎ、そのまま弾き返す)その傲慢が、人を見下す態度が……お前達の足を掬う!!(跳ね返した斬撃波と共に空中より地上に突っ込み、飛び蹴りからサーベルを抜き、手元で回転させながら斬撃を放つ) 」
DOMAN「 >>トゥンク…<< あ、主殿……拙僧のためにそこまで……っ(口元を両手で覆い少女漫画の顔のまま横たわっている)(ふっ、などと言いつつ……) 昭光殿、お任せ致しますぞ……。(横たわったまま袖に忍ばせた呪符を床へ配置。 それが床へ溶け込み……) 」
分霊・悪霊左府「(床に溶け込んだ呪符が、平安時代の公人を彷彿とさせるシルエットの影へ変じる。 それが蜘蛛の子を散らすように分裂し散開、床から壁へ這って進み) ベベベベベベベ( 接触した瞬間、茨が伸び対象を拘束する「札」を配置。 シロル・クロルのみに反応するトラップが張り巡らされていく ) 」
黒の魔法使い「ヌゥ…ッ…!(ザギィンッ、ボギャアァアアンッ!!)(跳ね返された斬撃の一つを戦斧で切り崩し、その余波が背後で爆破) ググゥ…ッ゛…!!? ( ギャリギャリギャリィィ…ッ…!!! )(咄嗟にディースハルバードを華麗に振り回し、アスランの斬撃を迎え撃たんと振り抜く。突撃するアスランの勢いをせき止めんと双脚に力を込めて決死で防御する)ツ…ッ゛……?!(だが、相殺しきれずに吹き飛ばされる) 」
黒の魔法使い「…我々は成し遂げるぞ…―――― あらゆるすべてを犠牲にしてもなァ!!(そういうとアスラン…ではなく、地割れの中で辛うじて落下を留めているブリジットに視線を落とす。そう、まずは無防備なブリジットから叩き落とさんと、地割れの中で身動きの取れない彼に凶刃を突き立てようとするが――――) 」
そんなことは―――――――――――
エースバーン「――――――― させるかよッ!!! ( ド ゴ ァ ァ ア ッ ! ! ! )(王室間への扉を勢い良く貫けてきたのは、灼熱の脚部を突き出した脱兎。今、その自慢の蹴り技が、黒の魔法使いに届いた) 大丈夫か、お前ら!? (地割れの中に入るブリジットに手を差し伸べて地上へと連れ戻す) 」
黒の魔法使い「なッ―――― ごふァ…ッ゛…!!?( ド グ ゥ ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! )(エースバーンの急襲を受けて強く蹴り飛ばされる。加えて、墜落先にはDOMANが施した呪符のトラップがあり、瞬く間に茨に拘束されてしまったのだった) 」
天王寺璃奈「はっ、はっ、はっ…―――― みんな…!(ヒロと一緒に一同のもとへと合流を果たした) 」
メディ「皆様…!無事なんとか合流できたようですね…!(璃奈に続いてヴィヴィ、ボン・クレーの三人で現場に駆けつけてくる) 」
ホムラ「良かった、間に合ったみたい…!(聖杯の剣を携えたまま馳せ参じる)……!その姿…感じる…「あなた」…なのですね…!(ウィザードに変身した「あなた」の正体を見破り、安堵の笑みを零す) 」
ボン・クレー「んが~~~~~~はっはっはっは!!!冗談じゃないわよぉ~~~~~~~ん!!!!!(宛らバレリーナのように踊りながら乱入する) 」
仮面ライダーブラーボ「おーほほほほほ!!!アテクシたちが来た以上、もう安心なさぁ~い❤(腰をくねくね振り回しながら合流する) 」
ヒロ「何とかぶちのめしてきたぜ……!! 」
魚雷ガール「裏切るようなことをしちゃってごめんなさいね「女王様」…だけどアタシ、「この人」と運命を共にすると決めたわ…♪なぜならアタシは…魚雷だから!!!!!!!(ドンッ!!!!!!)(ムーン以外の
ワイズ組とついでにちゃちゃまるを何故かボコボコにして参上する) 」
ブリジット「……っと、おかげで助かりました……どこまで落ちてから上がって来ようかと……(エースバーンの手を取り、崖から這い上がる) …!!トラップに引っ掛かってる!! 」
ちゃちゃまる「ぴえん(とばっちり食らってる) 」
イワンコフ「……!ヴァナタたち…来たのね!(なんとか無事に合流を果たした面々に「ヒーハー!」と叫ぶ) 」
あなた(仮面ライダーウィザード)「……♪(必ず来てくれると信じていた頼れる仲間たちの姿に、「あなた」は頭を上げた) 」
白の魔法使い「チィ…ッ、厄介ごとが次から次へと…!衛兵共!!そいつらを片付けろッ!!(前方へ掌を突き出す) 」
魔導衛兵『 ハ ッ ! ! ! (王の一声を聞き付けた魔法使いの衛兵たちが扉を潜り抜けて次々となだれ込むと、手にしていた魔法杖を手繰り、火球や電撃といった下級魔法を駆使して「あなた」の仲間やニューカマーたちに攻撃を仕掛けた)』
メディ「……!衛兵方は我々にお任せを!主様たちは王に集中してください! はッ! (飛来する魔法をアクロバティックさながらの華麗な側転で受け流しつつ、眼前の一人に対して貫手による活殺点の急所突きを行い撃沈させていく) 」
鬼塚夏美「カッコつけるじゃないですの!(現れたヒロに続くように現れる)さて、あれですの…(爆薬入りの試験管を取り出し、衛兵に投げつける) 」
天王寺璃奈「ヒロさん、「あの子」たちを援護しよう! 行っておいで、「ルンバニャン」! (そう言うとスマートフォンを操作し、遠隔操作で呼び出したルンバを彷彿とさせる猫型移動式地雷を何機か呼び寄せ、衛兵たちに仕向けて爆撃を行った) 」
仮面ライダーブラーボ「うっふうううううううううううううううん!いっくわよおおおおおおおおおおおおおおおおん!(二対の鋸型アームズウェポン「ドリノコ」を乱暴に振り回して魔法ごと衛兵を叩き斬っていく) 」
ボン・クレー「まっかせなさぁ~~~~~~い!アン、ドゥ…オラァ!!!!!!!(ステップを交えた接近で魔法を彼に回避しつつ衛兵一人に対し強烈なソバットを見舞った) 」
白の魔法使い「魚雷ガールめ、裏切ったのか…… まあいい、どの道貴様ら全員排除してやる!!(グルングルングルンッ―――ザギィィインッ!!!(ハーメルケインを片手のみで華麗に振り回しながら、その先端の刃を突き出しながら「あなた」に斬りかかっていく) 」
ヒロ「おう、行くぜ!(土弾を衛兵たちに向けて連射する)カッコつけてなんざいねーぜ! 」
黒の魔法使い「 ン゛ム゛ゥ゛ウ゛ン゛ッ゛!! (バギィ…ッ…!!)(肉体強化魔法によるパンプアップを駆使し、自身を捉える茨を引き千切った) 押し切れると思うなよ…我々は不死だッ!!!(そういうとエースバーンに蹴り込まれた部位を手で払いながら前線へと復帰するように疾走)ヌェァアアッ!!(グゥォンッ―――ザギィンッ、ザギィィイインッ!!!)(帯電する戦斧を豪快に振り回し、感電する斬撃をアスランとブリジットに繰り出していく) 」
あなた(仮面ライダーウィザード)「……!( ギ ィ ン ッ ――― バッ!ドッ、ギッ、シュバババ…ッ、ドゴォッ!!)(安堵するのも束の間、凶刃を差し向ける白の魔法使いの殺気に振り返り、咄嗟に振りかぶった右脚で間一髪斬撃の軌道をズラす。直後にそのまま脚で払いのけ、ロンダートで牽制をえながらバック転キックを放つエクストリームマーシャルアーツの格闘スタイルを披露。仮面ライダーウィザード特有の能力を"演じ"、白の魔法使い相手に善戦していく) 」
三馬鹿「あのクソ魚雷覚えてろおおお!!!!(引きずられている) 」
ブリジット「もう大丈夫です、こっちに突っ込んで来るなら、追い払うまでですよ……!!止まれっ!(一息にバックジャンプして黒の魔法使いとの距離を取りながら、追い払う様にその脇腹目掛けてYOYOを振り回す……と見せ掛け)こういう動きも、出来るんですよっ!(迫りくる斧が迫る中、こちらのYOYOもヒットする寸前……糸に触れることで強引にYOYOの軌道を変え、黒の魔法使いの脚へとYOYOを叩き付ける!) 」
イワンコフ「その不死も確実に綻びを見せている…ヴァナタたちが必死になっている様を見て入れば尚更ね!ヴァターシたちも、一気に決めるわよぉ!!ニューカマー拳法・44のエステ奥義“夢打撃処裏拳”(むだげしょりけん)んんんんんんん~~~~~ッ!!!!!( シュバババババババババッ!!! )(両腕を手繰り、残像が出来上がる程の連続高速突きを白の魔法使いへ怒涛の勢いで叩きこんでいく) 」
黒の魔法使い「 何ッ!? (ブリジットとの熾烈な攻防を繰り広げる最中、YOYOに両脚が巻きつけられ再び身動きが取れなくなってしまう) 」
ヴィヴィ「 ああっ……もう! しかたねーですねッ!! (メディと共に息絶え絶えながら合流。衛兵に取り囲まれ声を荒げながら小瓶を袖から取り出し) これで収穫なしだったら一週間ふて寝してやりますからねッ!!シャァァァァッ!!(小瓶の蓋を弾き、流れ出た液体が刃へ転じる。便をそのまま持ち柄にし『聖水剣』を生成。ステゴロの喧嘩殺法による殴る、蹴るを交え、衛兵とチャンバラを繰り広げる) 」
ホムラ&エースバーン『騙されている兵士たちに罪はないけど…ごめんなさい!えいッ…! / 雑魚に用はねえ!ッハ!!(二人同時に炎熱を噴き出し、それぞれ斬撃と蹴りを叩き込んで衛兵たちを一掃する)』
片桐「衛兵のタマは殺つんじゃねぇぞォォォ…… 申請が降りてねえ首取ると始末書とか面倒なんだからよォォォォ……(衛兵にアームロックを決め、へし折らない程度に加減しつつ圧迫。意識が飛ぶまで持ち堪えようとしていたが、左右から二人の衛兵に斬りかかられ……) おうら、せいやァ(顔面へ肘鉄、燭台を手に取り殴りつけるなどする。誓って殺しはやってません) 」
白の魔法使い「なッ、ぐ…ッ…あ…!?(次第に本領を発揮する「あなた」の類まれな能力に圧倒されていく)うごぁ…ッ゛……?!(死角から現れたイワンコフの連撃が直撃し、装備しているドライバーが徐々に負荷に耐え切れず罅割れていく) 」
魔導衛兵『 う ご ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ … ッ … ! ! ! (有象無象の衛兵たちが次々と駆逐されていく)』
薬師寺九龍「うぉおら!! でりゃああ!! うぐっ! うげぇええ!! ゴフっ! ごかああ! ────やりやがったなコノヤロァァアアアアアアアアア!!(衛兵たちに殴られ蹴られ何度も踏みつけられ、だが自慢のタフネスで持ちこたえ)オラァどうした!!(破 顔 の 極 み) 」
あなた(仮面ライダーウィザード)「 バ ッ ! (キックストライクの指輪をドライバーへかざす) \ チョーイイネ ! キックストライク ! サイコー ! / (足元に発生した炎の魔方陣を潜り、火炎を纏いながら回転して飛び上がった)―――――!!!(そこから二人の王に狙いを定めると、上空から跳び蹴りを叩き込む炎のライダーキック“ストライクウィザード”を叩き込み、二人の敵を同時に蹴り抜くのだった) 」
ブリジット「―――グググ…ッ……上手くいきました、けど………固いっ……(黒い魔術師を捕らえることは出来た物の、その圧力が故にこちらも動くことが出来ず)……っ! 」
白の魔法使い&黒の魔法使い『 グ ア゛ ア゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ッ゛ ! ! ! ! (体勢を崩され、あるいは動きを封じられてしまったところに上空へと跳び上がった「あなた」を同時に見上げる。だが呆気取られている合間にもその距離を詰められてしまい…ついに、その魔導機関が衝撃によって破裂し、盛大な爆発を上げたのだった―――)』
白の魔法使い&黒の魔法使い → シロル&クロル『 ド サ ァ … ッ … ! ! (爆炎の中から、変身が解除された双子の王の身が投げ出され転がり倒れる)……グ……ググ…ッ……!(二人ともによろよろと揺らめきながらその身を起こすが――――)』
ヒ ュ ン ヒ ュ ン ヒ ュ ン … ッ … ―――――― ザ グ ッ ! ! (爆発の衝撃によって、二人が手にしていた武器…「ディースハルバード」と「ハーメルケイン」が回転しながら吹き飛ばされ、一同から離れた箇所に突き刺さったのだった―――)
シロル&クロル → マカオ&ジョマ『 いやぁぁぁぁあああああああああ~~~~~~~ん!!!! (ついに、蓄積された負荷に耐え切れず…双子の王の身体から諸悪の根源である二人組のオカマ魔女が抜け落ちた)』
あなた「……!(双子の王の激戦を経て変身が解除され、装備されていた一式が光となって霧散した。その中で、ようやく王の身体から抜け落ちたマカオとジョマの姿に驚愕を示した) 」
イワンコフ「……!?シロル!クロル!(解放されたかのように倒れ伏した双子の王に目を奪われつつも、すぐにその視線をマカオとジョマに切り替えた)……とうとう出てきたわね。さぁ、大人しく観念しなっシブル!もう逃げ道はなくってよ!(ドン!と仁王立つように前に出る) 」
ベール「ハッ、ハッ、ハッ…―――――― ! ! (ちょうど戦いが終わったその頃、遅れて到着し現場を目撃する。気を失ったように倒れ伏す二人の王の傍…彼らに憑依していたマカオとジョマの姿をその目に初めて捉えた。あれこそが、自分の人生を狂わせたすべての黒幕だということを再認識するかのように目を細めた) 」
マカオ「ヌヌゥ……ッ…!まさかまさか、こんなことになっちゃうなんてねぇん…!予想外よ、ジョマ! 」
ジョマ「カードは使い切ってしまったわん…もうお人形も使い物にならないわ!ああんっ、もうっ!今目の前に『賢者の石』が、すぐそこにあるというのに…ッ!キーーーーッ!!(遅れて馳せ参じたベールを睨みつける) 」
ヒロ「……やったか…? 」
エースバーン「いい加減大人しくお罠になりやがれ、オカマ野郎!テメェらの悪事もここまでなんだよ! 」
魚雷ガール「ああ、上王様…なんと心苦しい…!だけどごめんなさい。アタシは魚雷…!運命のダーリンとハネムーンを築くことに決めたのだから、どうしようもできないわ!(ペニーワイズを足台にしながらムーンの右足に抱き着いてすりすりする) 」
鬼塚夏美「…….(ネタになりそうなものを見て回ってる) 」
天王寺璃奈「ヒロさん、変なフラグ立てないで…〖 ˙-˙ 〗 でも、うん…敵は、全員倒してきた。もう、終わりのはずだよ。これで…やっと、ベールちゃんが救われるんだ…〖*╹▿╹*〗 」
ブリジット「よし………!!!やった!!直撃です!!やった、んですよね……? 」
ベール「………(しばらく黙り込んでいたが、ここで二人の前に一歩踏み出した)……ああ、終わりだ。なにもかも。もう…「あの子」が…「シントリー」との思い出に、これ以上傷がつかないように…ここで、全部終わらせる。「妹」から託された『賢者の石』を…「あの子自身」を、永遠に眠らせる為に――――(瞳を閉ざし、その瞼の裏に在りし日の思い出を過らせる。過去は決してやりなおせない。そのことを身をもって体験したからこそ、未来に進むことを決断した。そのケジメをつけんと、瞳を開いた) 」
首領パッチ「やーい、やーい、踏み台んぼー(立ち上がリーヨの節でワイズを煽る) 」
マカオ&ジョマ『お黙りなさい!!終わりなんてあるものですか!終わらせないわよ、ここまできたというのに…! / そうよそうよ!いったいアタシたちが何十年と「賢者の石」にこだわってきたと思っているの!?今更諦めてたまるものですか!!(蹲っていた二人がムクリと起き上があがる。互いに手を取り合い、この期に及んで不気味なワルツを踊りはじめる。何か仕掛けてくるかもしれない、誰もが身構えた…その次の瞬間―――――――)』
────ズバァン!────ザシュ!────(突如出現したふたつの斬閃がふたりの肉体を貫通するように交差する)
最終更新:2025年06月28日 20:44