僕らの物語 過去ログ 第7章⑤

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────ズバァン!────ザシュ!────(突如出現したふたつの斬閃がふたりの肉体を貫通するように交差する)


???「(先ほどの戦闘で使われたディースハルバードを手にした緑の悪魔。形状からしてファントムであろうが、その容貌からは計り知れないほどの邪悪さと知性を感じ取れる)…………んふふふふふふふふ♡(ツイッとハルバードの刃部分を撫でて不気味に微笑む)嬉しいなぁ。この日をどれだけ待ってたことか。 」

マカオ&ジョマ『    ッ゛  !  !  !  ?  ?   (―――― 突如、二人の身体に刻まれた深く鋭い一閃。不死身の身体を持つはずの魔女である二人に、"消えない切り傷"が確かに描かれたのだ。自分たちの身に起きたその一瞬の出来事が理解できず、恐る恐る傷口に視線を落とし、遅れて絶句した――――)』

一同『  !  !  !  ?  ?  ?   』




そこにいる誰もが、驚愕した。
黒幕であるオカマ魔女を斬り崩した、得体の知れない怪物の登場に。
すべてが終わろうとした事態に、待ったをかけられたことに――――


ブリジット「え……な……っ……!!あ、アレは、いったい……!? 」

ヒロ「まだそうとは限らないだろ、味方の陣営が………(夏美の言葉を聞いて)………ごめん俺フラグ立てたから」

ベール「―――――― ? ? ! (マカオとジョマに深い爪跡を残した、得体の知れない怪物。自分にはその正体が何となくだがすぐに理解できた――――)――――………『 ファントム 』……ッ……!?(だが、今まで見たことない個体だ。恐らくだが、あのレギオンと同様にグールから派生した進化個体だろう。だが、言動と知性を備え…なにより、この瞬間を見計らっていたと言わんばりの虎視耽々とした狡猾なその行動に、えも言えぬ感情が渦巻いた) 」

マカオ&ジョマ『……な……ァ……ッ゛………???(塞がらない傷跡から零れだすのは、鮮血ではなく魔力と思わしき光の泡。何故、不死身である自分たちの身体がこのようなことになってしまったのか…その原因は、怪物が手にしている武器。先程まで自分たちが使用していた、このマジルカの「宝具」であった)……バカ、な……ッ……そ、それは……!(翡翠色のファントム、ひいては、彼が手にしている「それ」を指し示しながら、わなわなと震えだす)』

あなた「  !?  (突然現れ出でた謎の怪物に硬直してしまう) 」

ジョマ「 マカオ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!  」

マカオ「 ジョマ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!  」

マカオ&ジョマ『 チ ュ ボ ガ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! ! ! (そして、完全な不老不死の肉体を得ることができなかった二人の最悪の魔女は、互いに抱きしめ合いながら盛大に爆散したのだった――――) 』

???→ソラ「みんなー今日は"僕"のために頑張ってくれて、どうもありがとー!(ピエロのようにぴょんぴょんと、からくり人形のようにくねくねと、どこまでも子供っぽく、そしてそれがどこまでも禍々しく)手下だけじゃなく、まさか不死身の魔女を倒すチャンスまで与えてくれるだなんて、君たちはなんて優しい人達なんだ! 僕、久々に感動しちゃったよ。…………しかしまぁ、黒岩さんがまさか別のところとつるんでただなんて、んふふふふふ♪でももういいや。これで僕の目的は達成される……あ、その反応、僕が誰かまだわかってない人がいるみたいだね。────────"僕"だよ。前 に 助 け て あ げ た で し ょ?

ベール「……お前……まさか、あの時の――――――――ッ!!?(マジルカ城へ突入する直前、ここへの突入作戦を提示してくれた、あの飄々とした青年『 ソラ 』の顔が過った)……あの時からきな臭いもんを感じてたけど……やっぱり、「ファントム」だったのね……ッ……! ッ゛…!? (爪要路としたその時、マカオとジョマの爆散の余波に接近を遮られてしまった) 」

ヴィヴィ「…………。(グールと面識があるとすれば、ベールに侵入したあの個体。でもあれは確実に仕留めたはず……。 となれば、私達が"グールとして認識していない"存在。 ともすればーーーーー) 消去法的に……  この城に侵入する手段を提案した……――――― 」

イワンコフ「……マカオとジョマが……死んだ……ッ…!?いったい、何がどうなッチャブル!? 」




ソラ「ハ ロ ォ ~ ~ ~ ♪ ♪(変身をといた、いや、人間態になったというべきか。怪物は見覚えのある姿へと変わり、かつてのあのときと同じポーズで挨拶をする)君たちが頑張ってくれたおかげで、僕には希望がたっぷりさ!(もはやマカオとジョマには一切の関心をみせず、一向に笑顔を振りまきながら彼らの周囲をスキップしたり、瞬間移動で背後に忍んだりと自由奔放にふるまう) 」

片桐「何ィィィイィ……何だとォォォォォ…… どういうことだァァァァ………  うるせェ!!(ガチギレ) 」

ヒロ「あー!お前は!!!(ソラを見て)んの野郎、全てはお前の仕業か! 」

天王寺璃奈「――――!?(本性を露わにした怪物…それが、まさか自分たちを助けてくれたあの青年だと知り、絶句したように口を開いた)……どう、して…っ……?あ、貴方の、本当の目的は……っ……?(恐る恐るソラへ問いかける) 」

鬼塚夏美「………?(ヒロの様子を見て)…知ってる方ですの? 」

ベール「……そうか……そーゆーことかよ…ッ……!(すべて合点がいったように舌打ちを鳴らした)……国王の宝具を奪うには、奴らが最も衰弱しきったタイミングが必要だった……アンタ、そうなるようにあたしたちを利用して……!狙いは……『賢者の石《 あたし 》』なんだろ…ッ……!?(ソラを睨みつける) 」

ブリジット「どういう事ですか……??だったら、最初からウチ達はここに………誘い出されたという事………で……ッ!!(思わず後ろを振り返り)……合流できていない、ほかの皆さんは…! 」

巴マミ「……ッ……遅かったみたいね……(最後に駆けつけに来た頃には、解決するどころか更に悪化していた事態に思わず息を呑んでしまった) 」

ソラ「ん~~~~本当の目的ぃ? そんなの、決まってるじゃないか! ────『世界を破壊する』(冷酷な表情で言ってみせたあと)…なぁぁぁんちゃって♡ 嘘ウソ。そんなに怖がらないでよ。さっきの姿見たでしょ?あのおぞましい怪物の姿。僕、あの魔女にあんな姿に変えられたんだ。それは今もずっと続いてる。僕はね、本当の意味で『人間』に戻りたいんだ! 人間に戻って、人間と同じように生活する。僕の目的は、それだけなんだ。でもそのためには、必要なものがある。とぉおおっても、大事なものなんだ(微笑みの中にある瞳に優しさといった人間性といえるものは一切感じられない。そしてその瞳はベールへと向けられる) 」

ソラ「ん! さすがベールちゃん、かしこーい! 僕から花丸満点をあげちゃうよ!んふふふふふ♪ だぁかぁらぁ(次の瞬間、音もなくその場から消え、ベールの背後へと瞬間移動した)君のそれが、僕の道しるべになるんだ!(手に取る白い宝具ハーメルケイン。それを容赦なく突き刺しながら怪物のような笑みを浮かべる)アハ! あははははひゃひゃひゃひゃはやあああ!!(手ごたえあり。ベールの奥に秘める宝のそれに歓喜の笑みをさらした) 」

メディ「……なるほど、状況を把握しました。事の発端は、先程にも申し上げたマカオとジョマという二人の魔女が引き起こした『ヴァルプルギスの血祭』の一件…。しかし、その当時に発生した「ファントム」の中に、知性を得て進化した個体がごく一部誕生し…その一体が、黒幕であるあの二人の魔女さえも出し抜いて今に至る、と…。その為に我々を利用していたのですね。 」

ホムラ「……「人間」に…戻る……?(意外な真相に耳を疑った。だが、天の聖杯として普通の人間にはなれない自分には、ある種の共感めいたものを感じていた) 」

ベール「………賢者の石の副作用から生まれた垢みてぇなテメェには過ぎた望みだ。確かに賢者の石には、生死を逆転させる力、その可能性が秘められている。だけど…それを行おうとして失敗したから、テメェら『 ファントム 』は生まれたんだ。人間を無差別に襲い、食らい、更には人間態になれる能力は…まさに人間への帰依を望む本能だ。けど、どこまでいってもテメェは―――――(そう言いかけた、次の瞬間――――) 」

ベール「     ゴ  フ  ッ゛  …  …  ?  ?  !    (次の言の葉を紡ごうとした時、背後からせり上がるような異物の癇癪に口を紡いだ。身体の中央がいつになく涼しい。風が透き通り、内側の血肉がそれを感受するように。そう……その胸部から、赤に塗れた凶刃が突き出ていたのだ―――――)  ッ゛  !  !  !  ?  (しかし理解する間もなく強引に突っ込まれたソラの手にぐちりぐちりと体内を抉られ、心臓…ではなく、それよりも大切な『 約束 』を宿した石が握られる感触を得た。表情が、一気に青褪めた――――) 」

あなた「     !  ! ?    (突き刺されたベールに、思わず身を乗り出す様な仰天を露わにした) 」




ソラ「ふは、フハハハハハ♪(ハーメルケインの導きの先、その輝きこそまさに喉から手が出るほどに欲した逸物。しっかりと手に取る。この世の善悪を超えたパワーを秘める『賢者の石』の魔力に魅了されたように、それを天高くかかげる)手に入れたっ! ついに僕の願いが、叶うんだッ!!(狂喜の笑み、ガラス玉を見つめる純粋な子供のような瞳で賢者の石をとらえながらその手にしっかりと握りしめた) 」

ヒロ「………ここに入る前に手助けしてくれたやつだ、まさか…やつが…(夏美の問いかけに対し)……!ベールちゃん!? 」

ベール「    ガ  ク  ッ     (自身の身体から『賢者の石』が抜き出されると共に、もはや用済みと言わんばかりに膝から崩れ落ちる魔女。意識が遠のいていく最中、瞳がゆっくりと閉ざされながら――――)――――――  ド  サ  ァ  …  ッ  …  …  !  !  (―――― 事切れたように倒れ伏したのだった )  」


ソラは自身の肉体にあてがうように賢者の石を胸部へ。
周囲の色彩を覆いつくすほどの光をまといながらも彼の笑い声が響く。
そして、光がおさまったとき、信じられない姿となって現れる。


天王寺璃奈「―――――― ベールちゃんッ!!? (今までにないほどの大きな叫び声をあげてしまった。突き刺され、倒れ込んだ友人を前に、理性が保てるはずなどないのだから―――) 」




ソラ(?)「────はぁ?な、なんだこれは?(先ほどの怪人態の頭部には角が生え、足には鋭利な刃がつき肩のパーツもより凶暴さを増したものへと変わり、まるでドラゴンを思わせるような姿に変化している。そう、人間どころかより離れた存在になってしまっている)人間じゃない。こんなのっ!! ────そうか。足りないんだ。まだまだ全然魔力が足りないんだ!だからこんな風になったんだ。ふふふふ、いいよ。何人でも破壊してやる!(ハーメルケインを振りかざしゲラゲラと笑う) 」

ボン・クレー「…じ…じょじょじょ…っ……冗談じゃないわよぉ……っ…!!なんなの、なんなのよアレェ…!!全部終わったはずなんでしょ~~~!?どうし、て…こんな…こんなことにぃぃぃぃ~~~~!?!?!??!(倒れてしまったベール、より醜悪な姿となった怪物に、理解が追い付かず大混乱する) 」

仮面ライダーブラーボ「……み、醜い……ッ…!あれが、ファントムですって…!?さらに悪化してるじゃない!どうするの!?あれを倒すべきなんでしょうけど…ッ…! 」

ヴィヴィ「――――――そのとおりだよ。(ソラ(?)の言葉に繋げて口を開き、場馴れした冷淡な術師としての眼を変貌した怪物へ向ける) 魔力が足りない、魔力の質が良くない、魔力の制御ができていない……。  何より、『賢者の石の格が低い』(王の間に声をこだまさせ、倒れ伏したベールに歩み寄り片膝を付く。 貫かれた虚ろに手を当て) 知ってる?賢者の石にも個性、そして格があるんだ。君が取り込んだそれは、生死の流転という奇跡を起こせない 」

ブリジット「ベ……ベールさん!!そ、そんな……ッ!!離れてっ!!(ソラ(?)とベールの間にYOYOを投げ飛ばし、二人の間に割り込みに掛かる) 」

ソラ(?) → グレムリン「……嘘だ……――――― 嘘 だ ァ゛ ッ゛ ! ! ! (ヴィヴィの論難に激昂するように両腕を乱暴に広げる)…ぼ、僕は……『 グレムリン 』という「ファントム」なんかじゃない……僕は、『滝川ソラ』……!人間なんだ…人間に、なるんだァァアッ!!!( ギ ュ オ ォ ン ッ ―――― ズ ギ ャ ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! )(狂ったように頭を振り回した末、大跳躍して天井を突き破り、城外へと飛び出していった) 」

エースバーン「――――!?不味いぞ…あんにゃろう…街へ繰り出す気だッ…!奴が言っていたことが本当なら、このままだとこの国の大勢の人間が襲われちまうぞッ!! 」

イワンコフ「ッ……――――ヴァナタたちは行きなさいッ!魔女ガールはヴァタシが面倒見るわ!(倒れ伏したベールへと駆け寄り、その身体を仰向けに転がして重傷部位を見定める) 」

メディ「かしこまりました…では、わたくしも残り、ベール様の回復に当らせていただきます。 」

天王寺璃奈「うんっ…私も、メディと一緒に残るよ。みんな…あとはお願いできる…っ…? 」

ホムラ / エースバーン『わかりました…!私たちはあの人を止めに行きます! / そいつのことは頼んだぞ…!』

ヴィヴィ「………。わかった。(動揺している、とりあえずの目的は叶ったとして……) ラビー、みんな。 移動しながらでいい (エースバーンを始めとするあなた達をぐるりと見回し、袖から"血のような液体が絶えず流転する石"を取り出した)「「 ―――― 【 聞 い て 】 これは『 賢者の石 』なの。 奴が喉から手が出るほど欲しい物、きっと、"人間から魔力を回収するよりも効率がいい極上の食材"。 わかった?」」 ("圧"を伴って二重に反響するヴィヴィの声が耳、そして脳に直接刷り込まれる。 その石が【賢者の石】であるという強い認識とともに) 」

ボン・クレー&仮面ライダーブラーボ『もちろん全力で阻止しにいくわよぉおおおおおおおん!!! / アテクシもいきましてよおおおおおん!!ニューカマーの未来の為!この国の未来の為!』

ブリジット「……ベールさんは確かに、治療ができる人たちに任せた方が良さそうです……!!わかりました、ウチも向かいます!! 」

ヒロ「………2人とも、頼んだぞ(璃奈とメディに) 」

あなた「……!(ヴィヴィが取り出したその『石』に目を見張るように硬直した。この「石」を巡って、多くの波乱がこの王国が起こり続けた。友は…ベールは、それに巻き込まれてしまったのだ。もうこれ以上、誰かが犠牲を強いられるのはごめんだ。意を決した「あなた」は強かに頷き、本当の最後の戦いに臨むことにした) 」

鬼塚夏美「……ガッテン、特ダネのためにアレを倒しに行きますの!打倒、ナンでジャモなあの人ですの!!(かけだしていく) 」

北條透「(その頃、ちょうどムスカを連行してマジルカ城を出ようとしていた頃、無線を通じて一通の連絡が入った。その内容に驚愕の色を露わにし――――)――――なんですって…ッ…!?怪物が、また、街に……!?それもさらに凶暴な個体……わかりました…!全部隊に通達を!民間人の避難を最優先させてください! 」

ヴィヴィ「 よし、『認識』したね。( 石からは何一つ魔力を感じない) ジジ ッ ( 石か■は■■■魔力を感じ■■■) 認識したね。 ( 石からは禍々しく、そしてこの騒動の渦中にあった産物故か 憎悪を呼び起こすような酷悪な魔力と輝きを帯びていた。 それを一度中空へ投げ、キャッチし直すと) 行こう。 この国に来てばかげた争いばっかりだったでしょ? お土産として魔術という大嘘の真髄を教えてあげる。(勝利を確信した、或いは信じた笑みを浮かべ、さっそうと駆け出した) 」

ムスカ「(手錠を嵌められた状態で北條に連行されている中、耳にした新たな事件の勃発に何処と泣く不気味な笑みを零した)ハッハッハッハッ……!これで終わりと思うのかね?『賢者の石』はすべての生物を魅了するのだよ…!そう、すべての生命が母なる海から生まれ育ったように…賢者の石はあらゆる運命を引き寄せるのだよ!もはや止められんぞ…ハッハッハッハッ!!! 」

ムスカ「人がゴミのように殺される様を見届けてやろうじゃないか!ハッハッハッハッ…!!! 」

北條透「―――― いいえ…貴方が思うほど、人間(ひと)は軟な生き物ではありませんよ。(狂ったように高笑いを決めるムスカには視線もやらず、高所から眼下に広がるマジルカの都市を眺める) かつて私も、力に魅入られていたことがありました。強くなりたい…ああなりたいという欲望は人を狂わせる。ですが、本当に強いのは、自分ではなく、誰かのために何かを成し遂げたいと決意する心…その"想い"だと、私の知人はおっしゃっていました。私は信じますよ……その、"想い"を。(確固たる自信を秘めた眼差しを、浮かべて――) 」

ベール「――――――――――(魔女は浅い呼吸を繰り返し、やがて心臓の音が少しずつ…終わりへと近づいてきていた―――――)」



エムロード王国・マジルカ・都市部 ―




―――――  ズ  ガ  ァ  ァ  ア  ア  ア  ア  ア  ア  ン  ッ  !  !  !  (静寂に包ま魔れた魔法都市…その中心街で、沈黙を突き破るような爆音が国一帯に轟いたのだった――――)


住民『う、うわぁ…ッ…!? なんだなんだ、こんな夜中に…!? 地震か…っ…?まるで、12年前を思い出すな… 王様から何か一報は!? 何がどうなっている…!?』

ハンサム「こちら、コードネーム「ハンサム」!北條警部補より既に連絡が入っていることかと思うが、たった今マジルカ城より怪物が一体、街へ逃げ出したと言う!各部隊これに警戒しつつ、民間人の避難誘導を!(焦燥募らせた表情でトランシーバーを片手に連絡を回している) 」

グレムリン「 アァ……ァア……ッ……! (求めていた「賢者の石」を手に入れたファントム。しかし、それを手にして臨んだ結末にはならなかった絶望感に打ちひしがれるかのように首を項垂れて、身体を左右に揺らしながら街へと対に繰り出した。爆発をバックに、手にしていたハーメルケインで虚空を乱暴に殴りつけるように、半場自棄気味に暴走していたのだった――――) 」

警察官『いたぞ!!F班は周囲の民間区域に警報を!!我々B班は怪物の迎撃に当る!急げッ!! E班、援護に入ります!! 撃てェーーーッ!!(パンパンパンァアンッ!!!)(君臨するグレムリンへ一斉発砲を行い、その進行妨害を試みるが―――)』 」

グレムリン「……「怪物」……?(銃撃の嵐を受け続ける――銃弾はその肉体にはまるで効いてもいないが――中で、その物騒な呼び名に反応する。その呼称を忌み嫌うかのように睨みを利かせながら―――)――― 違う。 僕は……僕は、こんなはずじゃぁぁああああ…ッ!!!!(怒り狂う叫びと共に、宛ら獅子舞のように踊りながら進撃。手にしていた刃で警察官とそのパトカーを悉く一撃のもとに切り崩していく) ンガァァアアッ!! (その際に灰色の種を全身から周囲へと撒き散らしていく) 」




種 → グール『 パ キ パ キ パ キ ィ ッ … ! (かつてレギオンがそうしたように、グレムリンより撒き散らされた種が割れ、中に凝縮されていた怪物たちが顕現。グレムリンの意思を代行するかのように誰彼問わず住民たちへと襲い掛かっていく)』

警察官『う、うわあぁぁああああーーーッ…!!! こちらB班!現在、対象の怪物と交戦中!しかしこちらは甚大な被害を受けており、また怪物が増殖を…!至急応援を……ぐあぁぁああーーーッ!!!』

エースバーン「 ヒ ュ バ ッ ―――― 見つけたぞッ!!(持ち前の著追う厄力で高い建物を跳び越え、グレムリンとその取り巻きを発見。その退路を断つように降り立った) 」

ホムラ「ここで止めます…ッ!もう、これ以上この街を荒す様なことはさせない…ッ!(聖杯の剣に焔を滾らせて対峙する) 」

ボン・クレー「ニューカマーの意地を見せてやろうかしらねぇい!!! 」

アスラン・ザラ「…ああ。余所者ではあるが、既に手負いのこの国がどん底まで堕ちていく様を見捨てられるものか…!(全身の末端から装甲が這い、ジャスティスへと変貌を遂げるとその手にライフルを身構えた) 」

あなた「……!!(仲間たちと共に並び立ち、グレムリンを阻むように対立を示す。その手に握られた羽ペンを祈るように握り込めると…キーブレードへと変化を遂げたのだった) 」

グレムリン「……君たちは…僕の「希望」を奪うというのかい…ッ?ならやってみせなよ…ッ…!『賢者の石』を取り込み、無敵の存在となった僕に敵う奴などいないのだから…!この力で…僕は……「人間」になるんだァァァアアアッ!!!(ハーメルケインで虚空を薙ぎ払い、グールの大群と共に「あなた」たちへと突撃。ついに、最後の戦いに乗り出した――――!) 」





――― Vs. 【BOSS】 グレムリン ―――


夜神ムーン「……!来るぞ…ッ!(グレムリンたちの進撃に身構える) 」

仮面ライダーブラーボ「いっくわよぉぉぉおおおお~~~~~~ん!!!!(ドリノコを両手に携えて、まずは迫りくるグールの群れを蹴散らしていく) 」

あなた / ホムラ『……! / はぁッ!! (至近距離まで詰めると、それぞれに構えた刃を交差に描き刻むようにグレムリンに見舞い、そのまま斬り伏した)』

エースバーン「 トン、トン…ッ、トン…ッ!!(その辺の小石を右足の爪先で器用に蹴り上げ、リフティングと共に小石を発火させると―――)―――― どらァッ!!( ボシュゥゥウウンッ!! )(火球となったそれをグレムリンへと蹴り飛ばした) 」

グレムリン「 ンギィ゛…ッ……!!( ザギィィ―――――ン…ッ!! )(二人同時に繰り出された斬撃に胸部を×状に斬り裂かれる。しかし―――― その傷跡はまるでなく、無傷の身体を誇っていた) ……ハハハ…なぁんてね♪ フゥンッ!! (愉快気に首から胴体へと振り返ると、お返しと言わんばりにあなたとホムラへ翡翠色の斬撃波を解き放った) ボォォオオオンッ―――― ハハハッ♪ハハハハハ…ッ!!(エースバーンが蹴り飛ばした火炎ボールを受けて全身が発火。しかし、その熱をものともしないかのように不気味に嗤いあげていた) 」

あなた / ホムラ『……!? / そんな…きゃんっ…!?(グレムリンの無傷のボディーに目を見張るも、すぐに我に返って防御態勢へ。しかし、たった一振りの斬撃とはいえ苛烈な攻撃力に圧倒されて二人同時に吹き飛ばされてしまう)』

エースバーン「ッ…!?ぉぃおいオイ…!うっそだろ…ッ!アイツ、攻撃が効いてねえのか…ッ?いや、そんな訳がねェ…!数撃ちゃ当たるっていうしな…とことんぶち込むだけだ!!“リベロ”!!(額の色が、赤から白色へと変色する) “スリースピード”!! (ドヒュン、ドヒュン、ドヒュンッ…!!!)(練り上げた星型弾幕を三方向へ蹴り飛ばし、グレムリンへと攻撃する) 」

アスラン・ザラ「牽制する!ムーン、ついでに三馬鹿ども!お前らも頼むぞ!はぁぁああッ!(ライフルでグールの頭部を狙い撃つように狙撃し、グレムリンにも同様にヘッドショットを行う) 」

夜神ムーン「言われなくても…やってやるッ!!はああぁっ!(引き出したポータルが黒い靄の如く左腕に纏わりつき、それが晴れた時には獣の如く変化した腕へと変貌。その爪でグールの大群を切り裂いて蹴散らしていく) 」

魚雷ガール「どんなおふざけも許さない…何故なら私は魚雷だからぁぁあああん!!!!!!!!(グール、とついでに三馬鹿どもに見境なく突撃して盛大に爆発(※当然のことながら自身は無傷)する) 」

ヒロ「………よし、行くぞ!(ばっと現れ、土弾をグレムリンに放つ) 」

鬼塚夏美「恐ろしい敵!特ダネを取ってやりますの!(爆薬入りの試験管を取り出してグレムリンに投げる) 」

ブリジット「行けっ、ロジャー!!(巨大化させたクマのぬいぐるみを投げ付け、グールの群れを纏めて吹き飛ばし)こちらも数が多いし……あのグレムリンも固すぎる…! 」

グレムリン「ドスッ、ドスドス…ッ…! ッ パ ァ ン ! ズガァンッ! ズ ボ ガ ァ ァ ア ア ン ッ ! (エースバーンとアスラン、ヒロの遠距離攻撃がクリーンヒットし、挙句の果てには夏美の爆撃によって黒煙に包まれる。本来ならば致命傷にも値するダメージだが―――――)―――― 言ったでしょ、僕は"無敵"だって (―――まるで効果はない。被弾部位からは硝煙が噴き出ているだけで、やはり傷も凹みも表れない) 」

グレムリン「 『賢者の石』…その膨大な魔力は、手にした者に永遠の命を与えるとも言われているんだ…!不老不死の身体…これを得た僕には、如何なる攻撃も通用しない。魔法も、斬撃も、物理攻撃も、異能力も…!素晴らしいだろう…?こんな怪物にさえならなければねェッ!!  ッ ハ ァ ア ! ! ! ( ザ ギ ィ ン ザ ギ ィ ン ザ ギ ィ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! ! )(回転斬り―――― 四方八方に佇む建造物さえも瞬く間に断裂する凄まじい斬撃波を輪状に放つことで一同を駆逐していく) 」


ザ ギ ィ゛ ―――――― ン … ッ … ! ! ! (グレムリンの齎した一閃により、建造物が一瞬で切り崩され…残骸となったそれらが、「あなた」たちへと二次災害として降りかかった)


一行の悪戦苦闘。住民たちの断末魔の中、一台のバイクがこちらに登場。


氷川さん「────(さらにアップデートされた人体への改造及び超自然的な力を施さない強化服装着式のスーツをまとった男)───ピッ、ピッ、ピッ『バンゴウガチガイマス』────ピッ、ピッ、ピッ『解除シマス』。(アタッシュモードからガトリングモードへ。GX-05 ケルベロスがグレムリンとファントムに狙いを定め)バァァァァァァァァァ!!(高火力の弾丸が連続に撃ちだされる) 」

ヒロ「……!伏せろ!(夏美の前に立ち、土の膜を展開する) 」

夜神ムーン&アスラン『やばい…ッ!? / 防ぐッ!!(咄嗟にアスランがビームシールドを展開し、自身とムーンを斬撃から守る。しかし…) ぐぁあ…ッ…! (致命傷こそ免れたがその余波に耐えられず、両者ともに転がるように吹き飛ばされる)』 」

グール『 グ ル ル ル ォ ォ ァ ァ ア ア … ッ … … ! ! (「あなた」たちや警察サイドの妨害を受けて一匹、また一匹と朽ち果てていく。しかし、グレムリンが暴走する度に巻き利される種からは、次々と止めどなく灰色の有象無象共が湧き出てくるのだった―――) 』

ボン・クレー「どぅ~~なってんのよぉ~~~~~!!?これじゃあどうしようもないじゃn――――ぶべぇァ!!?(斬撃波の衝撃に吹き飛ばされ、後頭部から地面に激突して目が星になる) 」

あなた / ホムラ『……! / …これが…『賢者の石』の力……っ…(間一髪直撃は免れるも、斬撃の余波に転倒してしまう。そんなグレムリンが誇る最強の力を前に息を呑む)でも…ベールさんは、その禁断の力を正しく使おうとしてきた…。貴方のように自分本位ではなく、誰かの為に…その力を……!だから、知っている…その『力』は貴方には決して御しきれない!いつか、必ず"綻び"を見せる…!(あきらめを知らない眼差しをひとつ浮かべながら立ち上がる)』

巴マミ「 ス チ ャ ――――― ズ ガ ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! )(周囲に顕現した大量のマスケット銃から火を吹かせ、「あなた」たちに降り注ぐ残骸群を粉砕しながら参戦する) …危なかったわね。でももう大丈夫。石の力に酔い痴れる独りよりも、一人一人の大切な絆を紡いできた「あなた」たちなら、きっと…"奇跡"を手繰り寄せるわ。 」

エースバーン「……だな…!(退けられながらも、大胆不敵な笑みを一つ零して膝に手を突いて起き上がる)テメェみてぇな心の弱ぇ野郎にゃあ過ぎた力だ。それに呑まれて溺れるのがオチだ。「力」は正しく使うもんだぜ? うおっと…っ…(マミが粉砕してくれた残骸か零れた埃がらうさ耳に付着し、それを手で払う) 」

ブリジット「うわぁっ!?(グレムリンに吹き飛ばされるが、何とか受け身を取って立ち上がり)……あの姿になったのは不本意かもしれませんけど……!!力は多分本物ですよ…! 」

グレムリン「……黙れ……黙れ…ッ!!(厳かな怒りの声音を言い放つ)この力は…僕だけのものだ…!誰にも渡さない…君たちにも…あの魔法使いにもねェ…!!(ハーメルケインを一同へ突きつける)完璧なものじゃないのなら…僕が完璧に仕上げればいいだけのこと…そう…"僕自らが「サバト」を開いてやればいい"のさッ!!それで膨大な魔力が手に入り…賢者の石は本来の力を取り戻す!そうすれば…今度こそ…僕は本当の人間になれるんだァ…!!! 」

グレムリン「12年前のあの日…「ヴァルプルギスの血祭」で行われた第二のサバトによってファントムは生み出され…そして僕は目覚めたんだ…!だが仲間たちが次々と王族に始末されていく光景を危惧した僕は人間社会の影に身を潜めていった… だけど、そんな生活を…「滝川ソラ」という人間のフリをしてきて気が付いた。人間であれば、僕は穏やかな日々を過ごせるんだと…こんな醜い化け物の姿になって、人々から恐れられ、命の危機に晒されることもないんだと…! 」

エースバーン「だったら…なんで今、その人間を襲う…!?テメェがなりたがっていた人間を…!! 」

グレムリン「……人間ってさぁ…同じ種族で傷つけ合い、殺し合う…愚かな種族なんだってねぇ。この国の歴史を見れば明らかだよね?魔法使いを夢見た少女たちが夢半ばに使い捨てにされ、誰にも知られることなく消されていったようにさぁ… この10年間、ずっと陰から見ていたからね、僕は。 」

グレムリン「…だから僕も、人間の真似をして…"滝川ソラとして人を殺してみた"んだ。そしたらさぁ…!これがたまらなく快感でさぁ……!!(自らの身体を抱きしめるように震え上がる) 人間に怪物であるがために切り捨てられる僕が…人間としてその人間を切り捨てる優越感…!人間態になって初めて知った感覚に、僕は震えが止まらなくなったんだ…!じゃあ…身も心も人間そのものになればさぁ…きっと今以上に快感を味わえるはずなんだよ……? わかってくれるかい……僕の気持ちをさ……?(猟奇的なオーラを醸しながら、その切っ先を突きつける) 」

エースバーン「………わからなくはねえよ、テメェの言ってること。俺も…その人間に切り捨てられたからな…。(脳裏に過るは、まだヒバニーとして幼き日の頃。弱いポケモンとして、信頼していたはずのトレーナーに捨てられた、哀れな過去――――)……だから俺も、その人間を見返してやろうと血の滲むような努力を積み重ねてきた。弱さを恥だと思い、強くなることで忌々しい思い出を掻き消そうとしてきた。だが…――――― 」

エースバーン「―――― だが、そんな弱さも強さも受け入れてくれる『奴』に出会えたから、俺は踏みとどまれた。(「あなた」に一瞥を与える。その際の眼差しは、あの頃と変わらぬ信頼に満ち溢れた輝きであった―――) 」

あなた「……!……♪(エースバーンと視線が合い、どこか嬉しそうに首を傾けることで応えた) 」

エースバーン「切り捨てられた痛みは深ぇ… けど受け入れてくれる喜びは何よりもデケェんだ。一歩踏み外せば俺もテメェのようになっていたのかもしれねぇ… でもそれは「アイツ」も同じなんだ。(ここで、ベールの横顔が過る) 信頼していた奴に裏切られ、捨てられて…ヤケクソになっても、それでも…ッ!アイツは「アイツ」でいることを選んだんだ!誰かに復讐するでもねぇ…自分の弱さを受け止めて、前へ進もうとした!!テメェみてぇに後ろ歩きでこそこそしてきた心の弱ぇ奴とは違う!「人間」…舐めんじゃねえぞ……ッ!?(グレムリンへ鋭い敵意の眼光を突きつける) 」

グレムリン「……同じモンスターなのに…僕の気持ちを分かってくれると思ったのに……ハッ…!いいさ、どうせ皆殺しさ…♪ 賢者の石とこの国の宝具…!そして大量の生贄…!残念ながら今日は日食じゃあないけど…あともう少し魔力を溜め込めばその日食さえも意図的に発生させることも容易いはず…!いわばサバトを開くための条件は既に揃ってある♪誰もボクを止められしないんだ…ハァハハハアッ♪( ズ ビ ュ バ バ バ バ バ ァ ッ ! ! ! )(全身に蓄えられていく翡翠色の輝き…それが暴発することで四方八方へと魔弾が弾けるように勢いよく拡散。周囲を破壊し尽くしながら彼らを追い詰めていく) 」

あなた / ホムラ『……!? / 危ない…ッ!(ホムラが咄嗟に展開した光の膜が二人を包み込むことで魔弾を防御するが、その勢いを抑えられず、一つ、また一つと罅が入っていく)』

エースバーン「(――――!) “スクリーニング”ッ!! (額の色が白から本来の赤色へ変色。炎を凝縮したエネルギーを全身の輪郭部に纏い、魔弾の応酬を防ぎにかかる) ぐぎぎぎ…ッ…!!にゃろう…ッ、出鱈目に撃ちやがって…ッ…!! 」

ヒロ「…どんなことになってもわかってたまるか!(土刀を取り出し)……その爆薬で奴の目をくらませてくれ。その隙に奴を叩く………! 」

仮面ライダーブラーボ「いやあああああああああああああああああああああああああん!(拡散される魔弾に次々と被弾し全身から火花を撒き散らしながら無様に吹き飛ばされていく) 」

鬼塚夏美「………ガッテン、ですの!(爆薬を取り出し、グレムリンの前に投げつけて目眩しのように爆風を起こし、さらにもう一本の試験管を直接グレムリンに投げつける) 」

ヒロ「……!(夏美が投げてしばらくしてから魔弾を土刀で弾きながらグレムリンに迫る) 」

ボン・クレー「くぁwせdrftgyふじこlp(ブラーボに同じく横薙ぎの魔弾の濁流が直撃し吐血を撒き散らしながら吹き飛ばされていく) 」

チャージマン研「首領パッチ博士…お許しください!(パッチを盾のように突き出して魔弾を防ぐための身代わりにする) 」

グレムリン「……!こんな目晦ましが…通用すると思うのかい!?(夏美の爆薬、それによって巻き起こされた爆風に視界が覆われる)チィ……無駄だって――――(もう一方の試験官が被弾しても微動だにせず、黒煙の中でうざったそうに刃を斬り薙ぐ) 」

巴マミ「…っ……!?これじゃあ迂闊には近寄れない…だけど…!(ダァン、ダァンッ ! )(それなら遠距離で対応すればいいと、手にしたマスケット銃でグレムリンへの援護射撃を行い始める) 」

首領パッチ「てめーけん坊!あとで覚えてろおお!!!(魔弾をまともに喰らう)…‥ふざけんなこのやろー!!(けん坊を振り払い、グレムリンに切れ味の鋭いコーラを吹き出す) 」


キ  ィ    ン   (一閃。ピアン線のように細く、虹のように淡い虹彩を灯す斬撃が走り、魔導弾の一部が両断され、爆ぜる。 斬撃が開いた地平の先には、黄金の十字星を地上に突き立てる光源があり……)


ヴィヴィ「  【  極 星 魔 術 ・ 投 影 宝 器  】<イミテーション・アルテマウェポン> (持ち柄のみで身の丈を遥かに凌ぎ、柄頭は地表を抉る。刃に至っては周辺の建造物よりも高く天を穿つ。そんな、デタラメなスケールの魔力剣を両手に携え、馬鹿正直に"ここに居る"と示した) 紛い物で糠喜びしてご苦労さま。 "本物"の前に焦がれながら逝け、デク野郎……! (宝剣の唯一の装飾である石。素人目にも "感じさせる" 膨大な魔力量こそまさに……―――――) 」

エリアス「 ハッハッハ!!  すり替えておいたのさ!君が何よりも欲した宝をッ!! (浮遊するキューブ状のケージに収まった蝶型の青い光が軽快に、誇らしげに嘲笑う) 」

???「(あの暖かいガラガラ声だけが聞こえる)そんな身勝手で心すらない化け物に負けたら母ちゃん承知しないからねアンタら!同じ化け物でも心があるほうの化け物を支えなさいよ!!」 」

???「何をやってる、『グリード』(光速。何かが線を引いて、吹き飛ばされるムーンを強引に抱えて、吹き飛ばされた方と逆へと引きずりながら飛ぶ)何マヌケを晒しているんだ。『人が変わった』ようだな、まるで。いや……二つの意味で『人が変わった』のか?なあ、グリードよ(ムーンを抱きかかえたのは、白い人型。機械のような意匠が存在し、一見機械式のアーマーに見えるそれは、但し、何処か真なる「機構」はない。まるで、白い粘土を削り出し、モールドを彫り込んで『機械の形にしただけ』のような、異様な機影がムーンを回収しながら、語り掛ける) 」

ブリジット「い、行った……!?あ、あの影………いや、ギア……じゃない、ロボット……!? 」

グレムリン「なんだ、あれは―――――― ッ!!?(解き放った魔弾を切り崩す眩い一閃に一瞬立ち眩む。光源を睨むように見据え、そこに佇むヴィヴィの姿…彼女の宝剣に目を見張った)…そ、それは…ッ……!馬鹿な…ッ、確かに、『石』はこの手に……ッ…!(いったい何が……いや、なんにせよ、今欲しいのは膨大な魔力だ…!その為ならなんだっていい…!) そいつをよこせェェエエエエエエーーーッ!!!!(  ズ  ビ  ュ  バ  ァ  ァ  ア  ア  ッ  !  !  !  )(拡散魔弾が苛烈さを帯び、ついにそれらは閃光へ。破滅の光はレーザーのように対象物を切断し、防御すら困難な猛攻が広がっていく) 」

ヴィヴィ「 キュ ィ"  ン" ッ  (刹那的にナイフサイズへ伸縮する宝剣を逆手持ちにし、横薙ぎに振るってレーザーを弾く……が。 ) ジッッ  (剣の癩をした魔力の輪郭にノイズが走り、形状を維持するのに必要な霊脈に綻びが生じる。それは直接、内側から熱した鉄線を通すような痛みとしてフィードバックされ、苦悶に顔を歪めた) っ……!!(やっぱり、魔術の腕はもちろん、剣術なんてズブの素人の私じゃ扱いきれない…!でも本命は果たした、後は……) 」

ヴィヴィ「 ダッッ キュ イ" ン" !! ギィンッ (腕ごと持っていかれそうな衝撃に耐え、仰け反りながらも宝剣を振るい、レーザーを弾く。そうしてグレムリンの間合いまであと3歩という距離まで肉薄。宝剣を大剣形態に切り替え、横薙ぎを放とうと振りかぶった、その予備動作の刹那だった)  ヅ"ッ ……!!  (掌の肉が抉れる。レーザーがヴィヴィの左手の1/3を消し飛ばし……) あっ  あぁぁぁーーーーーーッッ!!( 彼女の手から離れ、宝剣の形を失った"石"が、グレムリンの頭上へ放物線を描き、舞った ) 」

ヒロ「………!(あ、あれは…! 」

鬼塚夏美「……!?なっ…!(ヴィヴィにレーザーが直撃し、こちらにも来たのを見てカメラを降ろし、スライムの入った試験管を取り出し、ガードせんと投げつける) 」

ヒロ「えぇい…!!(土の球をレーザーに向けて投げ、膜を展開する) 」

グレムリン「……!それは…――― 僕 の 物 だ ァ ア ッ ! ! ! (ヴィヴィの手から離れた宝剣…それが霧散し、中から飛び出した「石」に目一杯手を伸ばした) 」

ヒロ「………こんなガラではないんだがね(飛び出した「石」に向けて土の蔓を伸ばし、掴もうとする) 」

鬼塚夏美「………特ダネを追ってるだけでいたかったてすの…!(グレムリンの伸ばした手に向けて爆薬の入った試験管を投げつける) 」

ヒロ「………おい、あの石ごとぶっ壊すんじゃないぞ!(爆薬を投げつけた夏美に対し) 」

DOMAN「同じくさせませぬッ! 破"ァ"ッ!! (両腕を前に突き出し、合わせた掌の間で呪詛を固め、黒い呪詛玉を生成。それをただ前方へ打ち出す)  ボンッ  (ヒロの土弾と試験管のみが爆ぜた!)・・・・・・。・・・・・・・・。 おやおや、拙僧、ナニカしてしまいましたかな?(にっこり滝汗) 」


ポ  ス  ・・・。(グレムリンの手の中に石が収まる。初めは固形を保つ赤黒い血の塊のような石だったが、凝固していたそれが液体に戻るかのように溶解し……)  ゴク ッ  (グレムリンを構成する賢者の石に呼応するようにして取り込まれ…"同化"した)


鬼塚夏美「そんなヘマはしませんn……………え゛っ?(なぜか爆ぜたのを見て) 」

ヒロ「………おいおいこんなのありかよ 」

ブリジット「づっ……・…!!(YOYOからシールドを発生させ、間一髪でレーザーを防ぎ、慌てて賢者の石の取得を妨害しようとグレムリンの手にYOYOを投げ付ける、が……)……駄目だ、間に合わなかった……!! 」

グレムリン「……ククク…クククッ……♪(手中に溶け込んでいく感触、体内に眠る賢者の石と混ざり合うような感覚に、思わず笑みが零れだす)ンァァァ……ッ…♪力が、更に溢れ出していく…ッ…♪もはや誰にも僕は止められないんだ…!(輪郭部が更に強い発光を繰り返し、増幅する力に酔い痴れるように身を震わせていく) 」

あなた「……!?(重傷を負い倒れ伏すヴィヴィへ慌てて駆け寄ると彼女の体を起こしつつ、グレムリンへと首を回す)……―――――(絶体絶命に追い込まれてもな尚、「あなた」は屈さずに対立を維持する。その果てにある、微かな"奇跡"を信じるかのように―――――) 」




― マジルカ城 ―


メディ「心拍数の急激な低下を確認…バイタル不安定…(慣れた挙動でベールの治療に当たっているが、重症体である彼女を相手に血色が悪そうな表情に陥っていた) 」

天王寺璃奈「……ベールちゃん…っ……(何もできない自分は、ただ傍に寄り添って彼女の身を案じるしかできなかった) 」

イワンコフ「やるしかないようね…―――― “エンポリオ・テンションホルモォ~~~~~~ン”!!!( グ サ ッ ! ! ! ! )(針のような鋭さを帯びた指先を光らせると、「ヒーハー!」と奇声を発しながらその鋭利な部位を目の前で横たわるベールの横腹に突き刺した) 」

ベール「   ヴ   ッ゛   ?   !   (ただでさえ虫の息だがイワンコフの手に突き刺されてさらに大きな呻き声が盛れてしまう) 」

天王寺璃奈「 ゑ ゑ ゑ ゑ ゑ ゑ ゑ ゑ ゑ ゑ ! ? ! ? ! ? Σ〖 ゜o゜ 〗(イワンコフの突然の奇行に仰天)ちょちょちょっ…?!ベールちゃん、重症体なんだけど……〖 ・ω・;〗アワアワ… 」

イワンコフ「心配なッシブル!何故ならヴァターシは「ホルホルの実を食べたホルモン自在人間!性別、体温、色素、性徴、テンション…人間を内部から改造することができる人体のエンジニアよ!今この娘に注入しているのは、アドレナリンって奴よ!これで全身の疲労感を和らげるわよ!治療は…そこのアンドロガールに任せるわよ! 」

メディ「……!脈拍数が僅かに上昇…ご協力感謝します…!(希望を見出して再び治療を再開させる) 」


コ ツ … … … コ ツ … … … ―――――― (横たわる魔法使いの少女と、そんな彼女を取り囲む者たちへと、静かに歩み寄る足音。その音はぎこちなさを感じさせる不安定さで、しかして着実に彼女たちのもとへと近づきつつあった――――)


シントリー「――――――(その正体こそ、先程ベールと熾烈な衝突を繰り広げていた彼女の実妹。先の戦闘で傷だらけではあるが、何らかの確かな意思をもってベールに近づいていた) 」

天王寺璃奈「………?(自分をはじめ、そこにいた誰もが見慣れない金髪少女を前に首を傾げた。敵か味方も判別ができない謎の少女。だが…この時自分は、初めて目にするその少女に何か運命的なものを感じたのか、その接近を無意識に心から許していた) 」

シントリー「………ありがとう……「姉様」を、助けようとしてくれて…。でも……「賢者の石」の魔力によってずっと生命活動を生き永らえていたから……その魔力が完全になくなってしまった今、たとえ肉体を治せたとしても目覚めはしない… だから……―――――(そう言うと、横たわるベールの傍へと跪き、彼女の胸元へ右の手を優しく添えだした) 」

天王寺璃奈「――――――!?(「姉様」……ひょっとして…この娘は…―――――)(ベールが語っていた『妹』…その本人が、今、目の前にいる。実の姉の、目の前に。その光景に驚いて思わず開いた口が塞がらなかった) 」

シントリー「―――――― 私が、姉様を救う。"もう一度"。(瞳を閉ざし、自らの意識を、ベールの中へと落とし込んでいく――――) 」


― 精神世界 ―


ベール「………………(真っ白な精神世界の中で、魔法使いの少女は昏睡しているかのように深く目を閉ざしていた。彼女を特徴づける魔法使いの帽子はどこかに落ちてしまったのか、翡翠色の長い髪が曝け出され、川に流れるようにそよそよと泳いでいた) 」

シントリー「………………(そんなベールのもとへと、妹の金髪少女が寄り添う)…………何十年ぶりだろうね、「姉様」。  」




ベール「……ん………っ……――――― ? (彼女の声に呼び覚まされ、朝焼けに照らされたかのように眩しそうにゆっくりと開眼する)……シン…トリー………?(「どうしてここに?」と疑うように、何度も半開きの目を開閉させる) 」


 ♪   ♪   ♪
空に風船が飛んで行く 何気に見惚れた 時間が止まったかのようだ


シントリー「………さっきはごめんね… ほんとはね…ぜんぶ、知ってたんだよね、姉様のこと…… 何をしてきたのか…… どう生きてきたのか……ずっと、ぜんぶ……。 」

シントリー「……同時にね、知ったんだ。私は…どんな可能性の未来を突き進んでも、結局"姉様とは共存できない"ってことも。数ある中で、辛うじて生き永らえたのが「私」だったわけで…それでも、『シントリー・エスポワール』は、姉様と同じ未来を歩くことは決してできない。「あの日」…私が死ぬことは運命づけられていたんだ。(自嘲気味に鼻で笑う) 」


 ♪   ♪   ♪
簡単なことが どうしてだろう 言えない 伝え方もわからない僕も止まってる


ベール「……そんな……こと……… そんな、ことは……っ……(寝起きのような重い瞼をかっと開かせて妹のその言葉を否定しようとする。だが…) 」

シントリー「…だから、ね……姉様には、きっぱり私のことを諦めてほしかったんだ…。あの変なおじさん(鳴滝)に姉様のことを聞かされた時、気づいたんだ。姉様は、あれからずっと、私の為にとてもとてもつらい思いをしてきたことを。もう…私の為だと言い張らないでほしい。自分の人生を、ちゃんと自分の為に歩んでほしいって……だから……――――― 」


 ♪   ♪   ♪
生きているから 嘘もつく 優しいといえば 格好もつくのだけれども


ベール「……だから、あんな三流以下の下手くそな演技をかました…ってわけ……? 」


(回想)シントリー「 ねえ、「 姉様 」 ―――― 私の為に"死んでよ"  」


シントリー「三流とは失礼な。名演技だったでしょー?まあバレちゃってたのなら仕方ないけど……でも、死んでほしいというのはある意味本当だよ?(笑) 」


 ♪   ♪   ♪
金属音が鳴り響く ボールを見つめ 答え捜している


ベール「テメェこの野郎あんなに優しくしてやった姉ちゃんに恨みでもあったのかアーーン???(デフォ目で怒る) 」

シントリー「……そうだね…死んでほしかったのは、「いつまでも過去に縋ってるようなみっともない姉様」で…。生まれ変わってほしかった。強がりとかじゃなく、「本心から未来に向かっていく強い姉様」に。エルメラ・エスポワールだった姉様は… 『 ベール 』っていう素敵な名前を貰ったんでしょ?なら、ちゃんと"そう"なってほしかったな、って。 」

ベール「……口の悪さはお姉ちゃん譲りかよ。(真意を知り、へっ、と愉快気に笑う) ……余計なお世話……と言いたいところだけど、見事に図星を突かれちゃあ訳ないわね。(「やられたよ」と落胆したように肩を竦める) 」


 ♪   ♪   ♪
風が心地よく 吹いたんだ その時 貴方が見えた気がした


シントリー「……でも、杞憂だったみたい。私が直接手を下さなくたって、姉様は、「姉様」だった。私の憧れで、強く…素敵な魔法少女……ううん、私たちが心からなりたかった、母さんのような偉大な『 魔女 』だって。 」

ベール「……貴女も、なれたじゃない。 」


 ♪   ♪   ♪
魔法にかかれば 貴方がここで笑っている気がして


シントリー「…長い時間かかったよ。姉様に追いつきたい一心で。でも、さっきも言ったけど、私は一線を越え過ぎた。これ以上生きることは「運命」が許さない。 」

ベール「だったそんなクソみてぇな運命を、ぶち壊してやる。 」

シントリー「ダメ、受け入れて。でないと、姉様が姉様でいられなくなるから。 」


 ♪   ♪   ♪
守るための 勇気はズボンのポッケの中にある


ベール「………素直に言えよ、「私の努力が全部無駄になるから」って。 」

シントリー「そんな冗談が言えるくらい、私は強くはないよ。 」

ベール「バッキャロウ!実の姉を殺そうとしといてよくそんなことが言えらぁ!? 」

シントリー「だ、だからあれは……! 」


 ♪   ♪   ♪
ここで お別れと初めましてを繰り返す 思い出が生まれた日


ベール&シントリー『……………………』

ベール&シントリー『  フ ッ ♪ / ク ス ッ ♪  』

シントリー「…………ごめんね。 」

ベール「…………いいのよ。寧ろ、分からず屋だったお姉ちゃんがいけねえんだ。でも……これだけは言える――― 」


 ♪   ♪   ♪
僕がここにいることは 貴方といた過去が存在しているから


ベール「もう一度シントリーに出会えて、本当に良かった。いろいろと遠回りしてきたけれど、お陰で…やっと「前」に進めそうなの。………ありがとう。 (真心を込めた感謝を、笑顔と共に送る―――) 」

シントリー「―――――― ! 」


いつだって姉様は、私のことを大切に想ってくれた…
大事なお金を全部使ってまで私にパンを食べさせてくれたこと…寒い夜に震えている私の為に魔法で灯してくれたこと…
辛過ぎることがあっても、姉様は私を守ろうとしてくれた…


 ♪   ♪   ♪
思い出にはしたくないのに 今は残酷にいまを連れて行った


私は、そんな姉様に、何も返せなかった。本当に、ダメな妹で…
でも……でもっ…!姉様だけを見ていたい…姉様だけを信じたい…
いつまでも、どこまでも……「姉様」って呼んでいたい…!


シントリー「…………ん、よかった。……これで、やっと「返せた」かな……♪ずっと姉様に守られてきたばかりの私ができる、恩返し。 」


 ♪   ♪   ♪
待っていた人が確かにいたんだ 気づけなかったことに 気が付いてしまった後に


だから…これは……そんな私が、姉様にしてあげられる…最初で、最後の、お返し…――――


シントリー「  じゃあ、あとはもう「託す」だけだね。   」


 ♪   ♪   ♪
あふれる想いの 一つも上手いことなんで伝わらないの


パ ア ァ ァ ァ ア ア ア … ッ … … ! (シントリーの"想い"に応えるように、彼女の身に溢れる膨大な魔力が強い輝きを放ち始める。すると、彼女の体から溢れ出した赤い光が螺旋を描きはじめる。それは遺伝子のように絡み合い、二人の姉妹を包み込む――――)


ベール「―――――!?(この光景には既視感があった。目にするのは、これで「三度目」だ。それが何を意味するのか理解に時間はかからなかった。すぐに言の葉を紡ごうと口を開きかけるが――――) 」

シントリー「――――― ピ ッ (そんなベールの行動を予期していたといわんばかりに、彼女の唇に人差し指を添えて黙らせる) 」


―――― いい?エルメラ、シントリー。
もし…もしも、大切な誰かを心の底から救いたいと強く願う時が来たのなら、今から教える特別な「魔法」を与えなさい。



 ♪   ♪   ♪
離れて行く 腕に少し伸ばしたら届きそうだった


でもこれは、一度きりの、本当に特別な魔法。
もしかすると自分が消えてしまうかもしれない。そんな恐ろしい魔法。
それでも、自分の命を賭けてでも守りたいものが見つかったのなら、
その"覚悟"が決まったのなら、その人の為を想い、使いなさい。


ベール「――――――(この「とっておきの魔法」に、自分はかつて救われた。目と鼻の先にいる実の妹によって。それが今、長い年月を越えて再び体験することになろうとはついぞ夢には思わなかったが…―――) 」

シントリー「……止めないで。どうせ「ここまで」なのが解っているのなら、最後の最後まで、姉様のために尽くしたい。私にできるのはこれくらいだけど…でも、これで賢者の石がなくても、姉様の魔力は再び覚醒する。もう「石」の力に頼ることも、振り回されることもないんだよ。 」


 ♪   ♪   ♪
今 会いたいと 会いたいと叫ぶには 僕は弱すぎた


シントリー「私があの石を託してしまったがために姉様には辛い思いをさせちゃったんだ。今更謝っても許されることじゃないかもしれない…でも…っ…――――― 」

ベール「……わかってるよ。わかってる…っ…… だから、もうお互いに前のめりになりかけるのはやめだ。これからは一緒に肩組んで、これでもかってくらい海老反りになってさ、盛大にこんなクソッタレな世界を嘲笑ってやろうぜ。きっと楽しいよ。 」


 ♪   ♪   ♪
割れる風船 消えるボール 止まっていた時が動き出す


シントリー「……かもね…♪(釣られてほくそ笑む)  ずっと、姉様の中で見ているよ。これからを歩く姉様のことを。 」

ベール「……最高の特等席だ、存分に堪能しなよ。 」


螺旋の光はやがて速度を増し、その輝きもまた強まっていく
「魔法」の完成まで、あとわずかと迫っていた――――


 ♪   ♪   ♪
探す影 揺れ動く蜃気楼のように 魔法は解けていった


シントリー「――― 姉様。私からのお願い、聞いてくれる?いつもわがままだった私の、最後のお願い… 」

ベール「……"二度目"だぞ。なんだい? 」

シントリー「…………―――――――――― 」



シントリー / シントリー(少女)『   " 生きて。生きて、生き続けて。私の分まで。私の命は、姉様と一緒にあるから "    』



 ♪   ♪   ♪
魔法をかければ 貴方が隣で座っている気がして


ベール / エルメラ(少女)『     !   !   !      』


………「あの頃」から、なんも変わっちゃいないんだな…私たちって―――――



 ♪   ♪   ♪
守りたい本当は いつでもズボンのポッケの中にある


ベール「……本当に、わがままな妹だよ。(堰き止めきれなかった感情が溢れ出す様に、思わず噴き出してしまった)…………あたしはしぶてぇぞ? 」

シントリー「うん、知ってるよ。だからきっと、とんでもなく遠いところまで行ってしまうかもね。……そんな最果てまで、連れてってくれるんでしょ? 」


 ♪   ♪   ♪
ここで お別れと初めましてを繰り返す 思い出が生まれた日


ベール「あったりめーだ。お姉ちゃんに任せろ。 」

シントリー「……♪楽しみにしているよ。私の…憧れの――――――― ス ッ (そう言って、何処からともなく取り出したベールの帽子。それを彼女へそっと被せていく) 」

ベール「――――――――― ! (頭部に馴染むような感覚に1テンポ遅れてはっと気づかされる。チャームポイントの前髪がしっかりと鍔に隠され、その内側より改めてシントリーと向かい合う) 」


 ♪   ♪   ♪
貴方とここにいたと 気付いた時に思い知る


シントリー / シントリー(少女)『    に っ ♪   (螺旋の光は臨界点を迎え、彼女の身体は蒸発していく。最後に遺したのは、言の葉の挨拶でもなく、やはりあのとびきりの笑顔。姉が懸命に守り続けてきた――あの頃から何一つとして変わっていない――妹の太陽のような笑顔。現在(いま)と過去(むかし)の彼女の笑顔が重なったそれが、儚くも美しい光となって空へと登っていくのだった―――)』

 ♪   ♪   ♪
魔法にかかったこと


ベール「―――――――(泡のように消えていく光を茫然と見上げ、それが完全に霧散してもなお顔は天を仰いでいる。涙は流れない。あの頃のように泣き叫ぶことはない。心から願った妹との奇跡的な再会を経て、「 これでいいんだ 」と満足気に笑みが零れだした) 」




ベール「   お帰り、シントリー    」









ベール「――――――……………?(やがて、現実世界で横たわっていた自身が目覚める。胸元に空いていた風穴は元通り塞がっている。それだけじゃない。心臓の奥底から感じる鼓動…自身の生命力の源である魔力が確かにそこに在ることを実感するように胸元に手を添える) 」

天王寺璃奈メディ『 ベールちゃん!? / ベール様…! (目覚めた魔法使いの少女に目を丸くしながら覗き込んだ)』

イワンコフ「……ぁ、ぁ…あり得ないことだわ…っ……!(そんな、目覚めたベールを前に唖然としながら身を震わしている)…一度「賢者の石」を取り込んで、それを無理矢理取り除かれてしまえば…ただじゃ済まされない…!どんな高等な医学や回復能力さえも眉唾に霞んでしまうほどの絶望を… それを…乗り越えたのね…!まさに…"奇跡"としか言いようがなッシブル…!! 」

天王寺璃奈「……!そ、そうだ…ベールちゃん… 実は、ね……――――――(呆然としていたがはっと我に返る。ベールの回復に一躍買った人物のことを語ろうと前のめりになるが――――) 」

ベール「――――― ええ… ぜんぶ…わかってる…。(精神世界で体験した奇跡のような再会から、今、自分が目覚めた由縁のすべてを知り得ている。そう言いたげそうに璃奈の言の葉を遮るように優しく遮り、ふっ、と噴き出した) 」

ベール「……あなたたちには随分と迷惑かけちゃったね。でも…もう、大丈夫。自分が起こした不始末は、私自身でケリをつける。(ゆっくりと身を起こして立ち上がると共に、傍に転がっていた魔法使いの帽子に手をかけて深く被った) 」

メディ「……現在、あのファントムはマジルカの都市部で暴走中。主様たちが全力で阻止に向かっておりますが…(ベールの言葉の真意に気づいたのか、グレムリンの動向を示唆する) 」

ベール「……自分の手でサバトを開くつもりか。もう…うんざりだ。あたしも、この国も…誰もが自由に羽搏きてぇと望んでいる。だから…こんな檻は…あたしの「魔法」でぶっ壊してやる。(確固たる意志を秘めた眼差しをひとつ浮かべ、グレムリンが突き抜けて吹きさらしになっている天井から夜空を睨み上げる) 」

天王寺璃奈「行こう、ベールちゃん…!私たちも…最後まで見届ける。 」

メディベール様とマジルカ王国の未来の為に―――― 」

イワンコフ「最終決戦よ!!ヒーーーハーーー!!!!! 」

ベール「 っ し ゃ … ―――――― しまっていこうぜ (帽子の鍔に手をかけ、コートを翻して向かうべき場所へとついに歩み出す――――) 」



エムロード王国・マジルカ・都市部 ―




あなた / ホムラ『―――――……! / きゃん…ッ…!(ズザザァーーッ…!)(一方その頃、都市部にてグレムリンとの死闘を繰り広げていたが、圧倒的な魔力を発揮する敵を前に「あなた」たちは苦戦を強いられていた。周囲の広場は無残にも荒れ果て、建物が次々と倒壊するなど、抑制がままならない状況であった―――)』

エースバーン「…はぁ……はぁ……!くそ…ッ、マジもんの化け物が…!いくら攻撃をぶち込んでもびくともしねぇ!(息を切らしながら片膝をついて屈していた) 」

ボン・クレー「ぜぇ…ぜぇ…ッ……!男の道をそれるとも…女の道をそれるとも…踏み外せぬは人の道…! 散らば諸共真の空に…!咲かせてみせようオカマ道(ウェイ)!!散らば水面に、いとめでたけれ友の華!!! “白鳥アラベスク”~~~~~!!!!!(ドドドドドドドドッ!!!!)(重症体でありながらもグレムリンへ怒涛の連続キックを繰り出そうとするが――――)――― ひ で ぶ ぅ゛ ッ゛ ! ! ? (呆気なく返り討ちにされて残骸に激突する) 」

アスラン・ザラ「……っ……(長期戦を強いられる中で装甲やシールドにも限界の痕が滲み出ていた)……生きてるか、お前たち…?(ペニーワイズはじめワイズ組を気に掛けるように振り返る) 」

魚雷ガール「くやしい!!でも魚雷っちゃう!!(地面に頭からめり込みながらパッチを殴っている) 」

泉研「ア゛ッ゛!!!!!!!(例の顔で絶頂している) 」

ペニーワイズ「1人死んでるぞハゲ(パッチを指して) 」

ヒロ「なんてこったい……やはりあの石を取られたのが…! 」

夜神ムーン「…尋常ではない力だが…まさかここまでとはな…… 」

エリアス「 >>その通り!!<< (地面にぶっ刺さる針吹き出し) この世に七つしか存在しない魔術世界の秘宝賢者の石! "無限"に等しい魔力を秘めるそのお意思を ふた⇢つ↓も↑ 食われた今、無限と無限が合わさってINFINITYとなった魔術会の禁忌の体現!! 不死身!不老不死!!スタンドパワー!!!僕らは取るに足らない人間共!! 終わり!!!! (青いアゲハ蝶がけたたましいナレーションを流しながら飛び回っている) 」

アスラン・ザラ「パッチなら蘇る。ドラ〇ンボールでな。(は?)だが…他の連中や街の民間人はそうはいかない。なんとしても死守する必要がある。しかし……っ… 」

仮面ライダーブラーボ「んぶううううううううううううう!!!(グレムリンに特攻していくも悉く蹴り飛ばされて大の字に壁にめり込んだ) 」

ヴィヴィ「大崎 五反田 目黒 恵比寿 渋谷 原宿 代々木 新宿 新大久保 高田馬場 目白 池袋 大塚(東京都) 巣鴨 駒込 田端 西日暮里 日暮里 鶯谷 上野 御徒町 秋葉原 神田(東京都) 東京 有楽町 新橋 浜松町 田町(東京都) 高輪ゲートウェイ 品川  (【回路呪術:山手線】を詠唱しながら痙攣している) 」

グレムリン「あぁぁははは…っ♪まさかこんなところで賢者の石を二つも手に入れちゃうなんてねぇ…♪棚から牡丹餅って奴?あははっ…最ッ高にHIGHな気分だよ…♪(ハーメルケインをくるくると手中で回しながら、自らの力に酔い痴れるようにくるくると踊っている)……でも、もう君たちとの遊びも飽きちゃったな。それじゃ、さくっと終わらせちゃおうかぁ♪(覇気の如き膨大な魔力を全身から溢れ出し、一歩ずつ詰め寄っていく――――) 」


ヒ  ュ     オ     ―――――――     ド   グ   ォ゛   ァ゛   ン゛   ッ゛   !   !   !   (マジルカ城のある国の上層から、光瞬く何かが真っすぐに飛来。それは彗星の如くグレムリンの直前へ爆音の如き轟音と共に勢い良く墜落した)


グレムリン「―――――!?(なんだ…ッ…!?)(墜落の衝撃に吹き飛ばされまいと咄嗟に片腕を前方へ突き出し、その様子を伺う) 」

ベール「 パ ラ パ ラ パ ラ … ――――――― ヒーロー参上ってな ( バ サ バ サ バ サ ァ … ッ … ―――― ! )(立ち込める土煙、巻き上げられた砂塵を取り巻くように、墜落した陰の正体が次第に浮き彫りになっていく。心臓ごと大事な賢者の石をくり貫かれ瀕死に陥っていたはずの彼女が、そこに立っていたのだった――――) 」

ベール「……よー、ヒロの字。なんてダッセー面してんだい。やっぱりあんたにゃ「ヒーロー」の座は荷が重かったかもしれないねぇ。(いつかの学園事件でのやりとりがフラッシュバックする中で、振り返ることなく背後のヒロへ不敵な笑みを浮かべていた) 」

鬼塚夏美「……真打登場、ですの。(ヒロとベールのやり取りをみて) 」

あなた / ホムラ『……!! / ベールさん…!?よかった……無事だったんですね…♪(戦線復帰した彼女の姿に嬉々たる眼差しを浮かべた)』

エースバーン「……!へっ……ようやく目が覚めたみてぇだな……!(ベールの復帰に口角を吊り上げながら立ち上がる) 」

ヒロ「………ベールちゃん…!?目が覚めたのか…! 」

天王寺璃奈「―――― みんなっ!(ベールに続く様に、遅れて一同のもとへと合流する)遅れてごめんね…でも、ベールちゃんは…もう大丈夫。メディ、みんなを治療してあげて! 」

メディ「かしこまりました。(璃奈へ頷くと方からぶら下げた医療キットのポーチを弾ませながら、ヒロをはじめ重症を負った者たち一人一人に寄り添って応急処置を行っていく) 」

グレムリン「…ふぅん…生きてたんだぁ…すごいねぇ♪でも、今更何しに来たの?賢者の石は奪われちゃったというのにさぁ?(相対するベールを嘲るように覗き込む) 」

ベール「……テメェこそ、賢者の石で何をするつもりだ…"ファントム"。 」

グレムリン「……!!僕をその名前で呼ぶなッ!!(「ファントム」…自分にとって忌々しいその呼び名に虫唾が走り、思わず激昂する)……僕は、「人間」に戻るんだ…!「滝川ソラ」という人間に…!! 」

ベール「…その為に多くの人間を犠牲にするのか? 」

グレムリン「犠牲になったのは僕の方だッ!人間のエゴの為に…僕は、化け物として生まれてしまった…!!君だって、無理やり魔法使いにされた!いわば同類だ!……僕の「希望」を分かってくれると思うんだけど…? 」

ベール「……ああ、よくわかるよ。(12年前…あの日はじまった地獄のはじまり。最悪の魔女が憑依した国王に拾われた姉妹が、望まぬ形で夢を叶えてしまったことを――――)――― だからあたしは…あたしの「希望」を叶える…!テメェから賢者の石を取り返し、シントリーの心を…この国を、救う…!

グレムリン「……ッ…?可笑しなことを、言うもんだね…?君はこの国を呪い、この国もまた君を呪いの対象としていたのに…?こんなくだらない国の為、なぜそこまで命を張れる…?理解できないよ…(やれやれと首を振るう)……似た者同士、仲良くできると思ったんだけど…残念だ。じゃあそろそろフィナーレといこうか。「希望」を叶えるのは…―――――― 僕 だ ッ ! ! ! 」

ベール「理解できるわけねーよな…だってお前は人間じゃねえんだから。(魔法使いの帽子の鍔に手をかけて、ぐいっと深く被り直す。再び顔を上げた時には、その翡翠の瞳に決意の輝きを灯していた―――)――――だからその "偽面《 ベール 》" を、引き剥がしてやるッ!(魔法の箒「箒星」を力強く手繰り、因縁との最後の決着に、踏み込んだ――――) 」




グレムリン「君が来たところで、状況は覆せやしないッ!!今のボクは…誰にも倒せないのだからァ!!!( ザギィン、ザギィン、ザギィィンッ!!! )(魔力を蓄えたハーメルケインから翡翠色の斬撃波を三度に渡って解き放つ。長期戦によって賢者の石の力が馴染んできたのか、先程「あなた」たちと戦った時よりもその破壊力、殺傷力は増強されていた) 」

ベール「とっ…! ッ…! く…ぅ…!!(3ステップを踏みながら斬撃波の回避を成功させていく)いいや、覆してやるさ。今までそうしてきたように…(幼き日、二度目のサバトを振り切った過去が過る――――)――― “ 刺し貫く星《 ホースアウト 》”!!( ズ  オ ァ  ッ ! ! ! )(掌に練り込んだ魔力を光の槍として解き放ち、グレムリンの心臓を貫きにかかる) 」

グレムリン「 ズ グ ン ッ ―――――― ! ! ? (心臓部を貫く光槍に一度は驚嘆を示すが―――)――― ガ ッ ! フゥンッ!!!(己に刺さっている光槍を逆に利用するように掴むと強引にベール諸共手繰り寄せ――)―――づぇあいッ!!!( ド ゴ ォ ァ ッ ! ! ! )(至近距離まで引き寄せたところでストレートナックルをお見舞いする) 」

ベール「 つ ァ ――――― が ふ … ッ゛ … ! ! (手繰り寄せられ、腹部にめり込んだ拳に「く」の字に曲げられた身体が地面へバウンドしながら転がり倒れていくも―――)―――― ち ィ゛ ッ゛! ! ( ドヒュン、ドヒュンッ!!! )(その最中に星型魔弾をグレムリンの顔面部へ打ち込んで反撃に回りつつ、受け身を取ることで滑るように着地する) 」


『虚構魔術』 此れより我が虚実を返し、暴き、白日に晒す。


ジ  ジ   ジ  ッ   (グレムリンに取り込まれた2つ目の賢者の石。 それが彼女の詠唱に呼応し―――――)


ヴィヴィ「 そうですか、馴染みましたか。 (ピシャリ。冷水を浴びせるような言葉が、ノイズ混じりに重なって響く。埃を払い、ベールを一瞥し小さく頷いた) ――――――『属性:憤怒の石<ラース>』 対象へ刻印した『設定』を破棄。『刻死の魔石』へ存在証明を回帰させよ。 」


ジ  ジ   ジ  ッ   (グレムリンに取り込まれた2つ目の■■の■。 それが彼女の■唱に呼応し―――――)


ヴィヴィ「―――――嘘だよ。奇跡という魔法に必要なものは、聖杯でも賢者の石でもない。そんなものは、ただの舞台装置だ。魂の形を損なったあなたは、もう「滝川ソラ」に戻れない。(掌を床へ翳し腕を前へ、グレムリンへ差し伸べる。) 」

イワンコフ「―――― あの娘を援護するのよ!ヒーーーハーーーーー!“DEEEEEEEEEATH WINK(デス・ウィンク)”!!!! ( バチョーーンッ!!! )(スーパーマンさながらの登場と共に、瞬きで爆風圧を放ってグレムリンの妨害に乗り出した) 」


ジ  ジ   ジ  ッ   (グレムリンに取り込まれ、賢者の石と同化していた『黒い魔石』。 それが彼女の"自白"に呼応し…… グレムリンの体内で "賢者の石と反発し合う ")


┣¨  ク   ン  ッ  ( 賢者の石同士故に同化した存在が、全くの別存在、『刻死の魔石』へすり替えられる。対象の魔力を食い物にし、魔術師を死に至らしめる性質を持つ魔石は 赤い絵の具の池に落ちた一滴の黒のインクのように、 その魔力を"濁った"物へと変えた。賢者の石にとってそれ事態は何も問題はない……しかし) ┣¨  ク  ン ッ  (その純粋な魔力を生命源としていたグレムリンにとっては、猛毒となり得る)



仮面ライダーブラーボ「えっ、イワ様!?わかったわ~~~ん♪ \ ドリアンオーレ ! ! / いやっふううううううううううん!!!(戦極ドライバーのレバーを二度押し倒し、グレムリンへ回転チェーンソーを彷彿とさせるエネルギーリングを二対の剣から解き放った) 」

グレムリン「ちッ…!こんなもの…!(――― ボ ォ ン ッ ! ! )(鬱陶しい、とうざったそうにベールとイワンコフ、ブラーボの遠距離攻撃を一蹴するように、剣圧のみで相殺しにかかった)ハハハ…ッ!無駄さ!「賢者の石」がある限り、僕はこの世で最も強―――――― い゛ ッ゛ ? ? ! (その余裕が、一瞬で破り捨てられたかのように崩れる。体内で渦巻く"激変"にぐらりと体が左右に傾倒し、足取りが重くなっていくのを感じた) 」

グレムリン「…ッ……な、ん……なんだ……ッ゛…?!これ、は……――――― ァ゛ ッ゛ ! ! ? (全身に迸る赤黒い稲妻。久々に感じ入る「激痛」に見悶え、喚き、暴れ出す) 」

ベール「――――!(しめた…ッ!!)(「今しかない」と、ヴィヴィが創った好機に飛び込むようにグレムリンの懐へと潜り込む。そして―――)―――― づ ぇ゛ ぁ゛ ぁ゛ あ゛ あ゛ あ゛ ッ゛ ! ! !(迫真のパンチを、グレムリンの胸部へと撃ち込む。自身の拳は殴り抜けることはなく、そのままグレムリンの体内へとめり込む。その中で感じた確かな感触を掴み取ると――――) 」

ヴィヴィ「 嘘はどこまでいっても嘘だ。それは、"魔術"という虚構で世界を欺き続けた私が痛いほどわかっている。 手品で生み出した幻想は夜を超えることができないのだから。  だから……ベールさん(拳を前に突き出し、歯を覗かせ不敵にほくそ笑む) 笑い飛ばして、この国という舞台で始まった茶番を。  」

ベール「―――――――― ブ シ ャ ア  ァ   ァ   ア    ア     ッ    !   !   !   (グレムリンにしてやられたことをそっくりそのままお返しにするかのように、彼の体内から『 賢者の石 』を取り返したのだった。鮮やかな翡翠色の血液が飛散する中で、賢者の石…否、『妹との約束』が唯一懸命に光り輝いていた――――) 」

ヒロ「…すまんな、メディちゃん…!(治療を受ける)ベールちゃん…ケリをつけられるか…!! 」

グレムリン「 う゛ ぎ ゃ゛ あ゛ あ゛ ぁ゛ ぁ゛ あ゛ ッ゛ ! ! ! ?  (肢体を広げながら絶叫と共に血液を撒き散らし、せっかく奪い取った「賢者の石」が奪還されてしまった)……あ……ぁ゛ぁ゛…ッ゛……!!?そん、な…ァ゛……ッ……!!??(賢者の石が、膨大な魔力が抜け落ちたことにより、凶暴化した相貌が元の形に戻っていく自身の光景に絶望するかのように声と体を震わせた) 」

あなた / ホムラ『……♪ / やった…♪(賢者の石を取り戻したベールと、同時期に弱体化したグレムリンの様子に表情が明るくなる)』

アスラン・ザラ「……!やったな…!今なら奴に攻撃が通るはずだッ…!援護する!!(弱体化したグレムリンを取り逃がすまいとライフルを放って牽制し、その動きを封じ込めていく) 」

鬼塚夏美「…ここで決めますの!そこで見ていますの!!(ビシッとヒロたちの方に指を指し、グレムリンに対して爆薬の入った試験管を投げ込み牽制をかける) 」

夜神月「僕たちも! グリード「しょうがねぇなぁッ!!」(紅の稲妻を纏いながら全身を黒く硬化させていくと―――) うおおおおおぁぁぁあああああ!!!(砲弾の如き速度で肉薄し、擦れ違いざまにグレムリンの首を書き斬る) 」

片桐「 えー、お巡りさんはァァァ……初っ端からホシに向かって撃っちゃいけませんンンン……。(しだっらない手つきで"大型口径拳銃"を取り出し) まず一言警告、止まらないと撃つぞォォォォ……。 次にィィィ……足元に一発威嚇射撃ィィィ……この2ステップがァァァ 必要ですゥゥゥゥ………。(Vサイン)じゃあ刑事課の皆さんも復習しましょォォォォ じゃあまず警告から。 さん  」

ボン・クレー「んが~~~~~はっはっはっは!!!さっすがヴィヴィちゅわぁん!!やるわねぇ~~~~ん♪あちしもいくわよ~~~~~~~~ん!!!オカマ拳法!!“あの夏の日の回想録(メモワール)”~~~~~ッ!!!!!(ドゴォ!!!!!!!)(回転しながら空中に飛び出し、落下の勢いも乗せて繰り出す強烈な爪先蹴りをグレムリンへと炸裂させる) 」

片桐「   は い 。 >> ズ ┣¨   ンッ  ゴガギィンゴガギィンゴガギィンゴガギィンゴガギィン<< (何発も大型口径の鉛玉をぶちこむ) 」

神戸尊「警告と威嚇射撃はァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!?!?!?! 」

片桐「獲物が狩人の言葉を信じるなァァァァ(グビィィィィ) 」

ブリジット「形勢逆転…ですね!抜かりなくいきますよ!!(YOYOを巧みに操り、遠心力を付けたそれを豪快に振り回してグレムリンへと強い衝撃を与えた) 」

ウェルド「いやあ、全く。警告射撃なんて形式的なものなんですから、目的を達成するためなら破っちゃっていいんですよ、多分(パトカーから持ち出した自動小銃を構え、片桐に続いて遠慮なく引き金を引く) 」

氷川さん「────ッ(取り出したるは『GXランチャー』。仮面ライダーアギト・グランドフォームのライダーキックと同等の威力をもつロケットミサイルの標準を合わせる)────────ッ!!!!(引き金と仮面の裏の眼差しに迷いはない。悪しき翡翠の魔に向かって人類の叡智、そして信念のこもった正義のそれを撃ち放つ) 」

ポリゴン2「 裁きの時は来たッ!! (突然璃奈のスマホから飛び出す) これが世界を焼き滅ぼした破滅の炎……   >>  週  末  の 光  <<  (赤と青、目に痛い色の閃光が点滅し、それがビームとなって襲いかかるッ!!) 」

グレムリン「しまッ――――  ぬ゛  ぎ゛  ゃ゛  あ゛  ァ゛  ッ゛  ッ゛  ッ゛  !  !  !  ?  (反撃に躍り出る面々の猛攻撃が容赦なく炸裂していく。今の今まで賢者の石によって無効化していた彼らの攻撃が、確かな痛みを伴って衝撃が走り、自らの体に亀裂が大きく迸っていく) 」

ペニーワイズ「いけ、けん坊!こいつをスカイロッドと一緒に叩きつけろ!(首領パッチをグレムリンに投げつける) 」

アストルフォ「さあ、ボクも行くよ……カリゴランテの剣!!  月を見上げる兎とて、理性の無い時もある。暴れる巨人を取っ捕まえて、勇気凛々行進だ! 行っくぞー!『僥倖の拘引網(ヴルカーノ・カリゴランテ)』!!(上空からグレムリンに飛び掛かり、蛇腹剣を振り回してグレムリンの身体を打ち据える) 」

泉けん「オウ!(よく聞く効果音を出しながらスカイロッドをグレムリンに叩きつける) 」

首領パッチ「てめぇらぜってえ殺す………(クソ魚雷とクソピエロとクソガキにボコボコにされてる) 」

DOMAN「 地獄の皆……!拙僧に恨み辛み分けてくだされェェェーーーーーッ!!(両腕を広げ、頭上にどす黒い呪力の塊が収束していく。そしてそれをグレムリンへ投げつけ……) オメェは本当にすげぇですゾ……よく頑張られた、たった一人で。今度はもっとこう愉悦しやすい奴に生まれ変わってくだされ……!拙僧、また99-1で勝負がしてぇですぞ……!  ま た な ! ハァ!!(ダメ押しに重力波を叩き込む!!) 」

グレムリン「 ヴ゛ ェ゛ ッ゛ ハ゛ ァ゛ … ッ゛ ! ! ? (ダメ押しと言わんばりの追撃に転がり吹き飛ばされる) は、ァ……ハァ…ァ゛…ッ……!!(満身創痍の身体を引きずりながら、それでもなお、賢者の石を握るベールへ、ゆっくりと詰め寄っていく。一度手にした禁断の力の快感をもう一度得ようと、その禁断症状を止めることができずにいるかのように…―――)…返せ…ッ゛…!それは、僕のものだァ゛…ッ゛…!!! 」

ベール「違う… これは――― あたしの最後の「希望」だ!(賢者の石を強く手繰り寄せる) あたしは『妹』に託されたんだ。あの子を安らかに眠らせるために…賢者の石は誰にも渡さないッ!(  ド  ゥ  ン  ッ  !  )(箒星に跨り、遥か上空へと猛スピードで上昇していく。それはマジルカを、このエムロードという…すべてが翡翠の宝石のように輝く大国さえも俯瞰できるほどに。そして――――) 」

ベール「  ヒ  ュ  バ  ッ  !  !  !  (華麗に箒星の上へと両足を付けて飛び乗ると、宛らスケボーの容量で夜空を滑空する。そして、箒を勢いよく蹴り込むことで一足先に地上へと蹴り飛ばし、自身は空中に投げ出されながらも身を包んで回転する。高所恐怖症であるはずの彼女が成す、一世一代の"大技"を、今――――) 」

ベール「 過去に戻ろうとするテメェとは違う!あたしはすべてを受け入れて未来(まえ)に進む…ッ…――――― シントリーの心を救うまでッ!!!  」

ベール「 ぃ  ぃ  ぃ  い  い  い  あ  あ  あ  あ  あ  ッ゛  !  !  !  !  !  ( ド ゥ ッ ―― ド ゥ ッ ―― ド ゥ ッ ―― ド ゥ ッ ―― ド ゥ ッ ――  ! ! ! ! ! )(天から地上へ導く様に次々と展開された無数の翡翠色の魔方陣。その一つ一つが箒星を、先に蹴り飛ばしたそれに追いついたベールが箒の先端を蹴り込み、共にとてつもない速度で地上へと急降下落下していく。その最後《ゴール》には、最後の因縁であるグレムリンの姿があった―――)」

グレムリン「  !  !  !  ?   」




――― 雨天(あま)駆ける孤児(みなしご)の彗星、幾億の彼方から契を経て翔び立て ―――




ベール「―――――  “ 奇 に 跡 る 星(ベイルアウト) ”  ――――― 」





―――――――  ズ   ッ゛   ギ   ァ゛   ァ゛   ァ゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ン゛   ッ゛   !   !   !   !   !   (翡翠色に瞬く「彗星」が、グレムリンを勢い良く貫き抜いたのだった―――)


グレムリン「   ン゛   ギ゛    ェ゛    ェ゛    ェ゛    エ゛    エ゛    エ゛     エ゛     エ゛     エ゛     エ゛     ッ゛    !   !   !   !   !   !   (  ズ  ガ  ァ゛  ァ゛  ァ゛  ァ゛  ア゛  ア゛  ア゛  ア゛  ア゛  ア゛  ア゛  ン゛  ッ゛  !  !  !  !   !  !  )(天から降り注ぐその「彗星」に体を貫かれ、ついに怪物としての姿が維持できなくなり…盛大に爆散した―――――) 」

ベール「 ズ ギ ャ ギ ャ ギ ャ ギ ャ ァ ―――― ッ ! ! ! (勢いを殺す様に滑るように――もはや地面を抉り削る勢いで――着地し、爆発によって吹き飛ばされた箒星をノールックでその手に掴み取った) 」

グレムリン → ソラ「――――― ッ ハ ァ  …  …  !  !  (爆心地にて、辛うじて意識を保ちながら人間態に戻った彼がそこでボロボロのまま佇んでいた)……ッ……ぁ……!…ひ……人の希望を奪って…君はそれでも、魔法使いなのかい…っ……!?(憎らし気に非難の眼差しを、背後のベールに向ける) 」

ベール「―――― 人の心を失くしたお前は、もう人じゃねえだろ (青年の視線など歯牙にもかけないかのように、振り返ることなくそう返事して帽子を目深に被り直す) 」




ソラ「……言って、くれるね…ッ……―――――――――(反論の余地がないと自嘲気味に嗤いながら、人間になり損ねた存在は無念の内に倒れ込み、灰と消えた――――) 」




天王寺璃奈「………これで……本当に、終わったんだ……♪ 」

エースバーン「……ああ。あいつ、やりやがったんだ。ようやっと…ケジメを付けたんだ。その手で。(完全勝利を果たしたベールの背中へ、不敵な笑みを送った) 」

イワンコフ「……ええ、長かったわ…ここまで辿り着くのに…。それも、あの娘が逃げ出さなかったから。最後の最後まで、自らの因縁と向き合ったから。よくやったわね…ヒーーーハーーーーー!! 」

ベール「…………―――――(この国を取り巻く陰謀も、自身の首を絞め続けた忌まわしき思い出も、すべてが振り払われた。今宵の夜風は、なんだかいつもより清々しい。そう感じさせるように瞳をゆっくりと閉ざし、深呼吸をひとつする。胸が空いたような感覚に、思わず口角が吊り上がった。吊り上がり、両足が次第に震えを帯び始め……) 」

ベール「んああああああああああああああああああああ怖かったよおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!あたしゃ高所恐怖症なんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!おしっこちびるかと思ったわ!!!!!!!!うわあああああああああああああああああああああクソガキみてえだよこれえええええええええええええええ!!!!!!(今頃になってギャン泣きする) 」

あなた / ホムラ『あらら…せっかくの余韻が……くすくす…♪/ ……♪(そんなベールを他所目に、二人で向き合って面白おかしそうに噴き出した)』

メディ「しかし、一時は本当にどうなるかと思いました。ベール様が一命を取り戻せたのも、まさに"奇跡"としか言いようがありませんでしたから。(傷だらけの者たちの治療を行っている) 」

キュゥべえ「"それ"がキミ(ソラ)の手にした希望の代償だよ。自身の肉体に無理矢理にも馴染ませようとした結果己を破滅させたのだからね。賢者の石はあらゆる力を引き出す一方で持ち主を選ぶ…このボクですら拒絶するかの如くに・・・ 」

ブリジット「でも、良かったです……無事に解決してくれて…… 」

ボン・クレー「こ、これが…友達(ダチ)の力よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛(ヴィヴィの足元に縋りつくように一人でおいおい号泣している) 」

仮面ライダーブラーボ → 凰蓮・ピエール・アルフォンゾ「まっ、終わり良ければすべてよしといったところかしらねぇ~ん♪ 」

北條透「カツ、カツ、カツ――――――(勝利の余韻に使っている一同のもとへ、剣幕にも近いような面構えで歩み寄る一人の男がいた)…………貴女が、ベール・ティルチャオスさん、ですね。初めまして、私は警視庁捜査一課の北條透と申します。(ベールの前で歩みを止め、自身の警察手帳を示す) 」

ベール「…………(涙を豪快に啜る中で北條の姿に眉を潜める)………悪いけど、今更お縄になる気はないよ。 」

北條透「とんでもない。それは誤解ですよ。いや…誤解していたのは、我々だったのですが…。(コホンッと小さく咳き込む) ………我々警視庁は、世界政府と連携して貴女一人を包囲するためにこの王国に遣わされました。しかし、私の睨んだ通り…事の「真相」は明かされました。貴女は加害者ではなく、すべての罪を着せられた被害者であった…。 」

北條透「貴女の『 弁護人 』が強く訴えかけてくれたことで、我々も…真相に辿り着くことができました。そして今…貴女がたのお陰で、この王国は救われました。それに比べ…我々のような正義を掲げる治安組織は後れを取り、剰え失態を重ねて…貴女を疑うことしかできなかった…。なので…今一度貴女に心から謝罪を申し上げたい…(そう言うと片膝を突くように跪く。そして――――) 」

北條透「――――――――― 誠に、申し訳ございませんでした……!(―――― 土下座。誰よりもプライドが高いことで定評のある彼が、誰かに頭を下げることなど考えもしなかった。それでも、たった一人の少女を追い詰め、この国の闇を野放しにしてきた罪を覆い隠すことの方が、彼の矜持が許さなかったのだ ) 」

ヒロ「………あの時はどうなるかと思ったぜ……(メディによる手当を受けながらベールを見て) 」

ベール「………!(北條の思わぬ行動に目を丸くする) 」

北條透「………謝って済むことならば、我々警察はいりません。この謝罪ですべてを許していただこうなど、浅はかなことはありません。(ここで顔を上げる) 私は…今回のマジルカの一件を、その全責任を負う覚悟で、貴女の無実を、身の潔白を証明してみせます…!世界政府に貴女の指名手配を解除するよう直接問い合わせ、また…今回の一件の後処理も、同じく被害者であった国王陛下と連携して最後までその任を遂行いたします。人間も、魔法使いも…すべての人種が等しく平和に暮らせるように。もう二度と、誰かが犠牲を強いられることなどないように…。 」


――――― よろしいのですか、北條さん。(靴底が床を叩く音が割って入る。穏やかながらも重みのある言葉が、文字通り背負わされるかのように北條の肩へ)


神戸尊「おまっ ゲフンゲフン あなたは…… "杉下"さん!? 今更どうして……! 」

杉下右京「――――内村刑事部長からかなり長めのお説教を頂きまして。いろいろ苦労をかけましたね、仮面ライダー3号さん?(東洋人ながら英国紳士のような立ち振舞の男性が、警察手帳を見せ事件に携わった者達の輪に入る。 ベール達へ一瞥をやると、深々と頭を下げ、警察手帳を翳した) 始めまして。警視庁特命係、杉下右京と申します。 捜査一課より、捜査のための現場維持を命じられ参りました。 」

北條透「……!貴方は……杉下警部…!?(意外な人物の介入に思わずすくっと立ち上がると反射的に敬礼する) 」

鬼塚夏美「………(この前いた警察と…)(北条を見て)………あれは初めて見ますの(杉下を見て) 」

リンゴ猫「ポテポテポテポテポテ…(右京さんの足元を囲うように歩き回っているこの猫はリンゴ猫。ちなみに右京さんは猫を飼っていないし嫁はポルシェにも似ていない(聞いていない)) 」

杉下右京「ご無沙汰しております。(柔らかな笑みを維持したまま、刑事らしからぬ一礼と会釈で返し) ああ、どうぞお気遣いなく。この度はあくまで"事後処理"を命じられたので、事前に現場の方へ連携に参ったまでのこと。 長話もなんですし、本題を話しておきましょう。(北條へクリップで几帳面に束ねられた薄い書類を手渡す。 最初の1ページに記されていたのは……『マジルカ・魔力炉心暴走  事 故  調査報告書』) 本件、未遂に終わったとは言えムスカ大佐や、黒岩刑事を初めとする治安維持機関の関与がありました。 こういった沖普段本庁がどう処理するか、あなたはご存知なのではありませんか? 」

天王寺璃奈「……!(あれ……?なんか、どこかで見た事があるようなすごい感じのする人だ……でも、思い出せない……なんか、メメタいものを感じる……!←)……あっ…警察の、人…。でも、もうベールちゃんの無実が証明されるのなら… 」

ウェルド「(警察官の面々に続き、右京に向けて軽く敬礼を返し)………成程、それで……("後始末のために"、いや……)公的に彼女の潔白を証明するために、そして……真相を明らかにするために、ですか 」

ヒロ「………ベールちゃんの潔白は証明されるわけか。…よかったな 」

DOMAN「(勝利のDOMANサンバをしている) 」

北條透「――――!(杉下が持ち寄った報告書の記載事項に、大きく目を見開いた)…………そうですね…。(ウェルドとも視線を合わせながら杉下へ強かに頷いてみせる) 私の…警察としての本懐を、その正義を問い質すには、今回の件で改める機会となりました。『賢者の石』の件も…彼女の意思を尊重し、また信頼を置くこととします。賢者の石の悪用をも眩んだ輩と違い…彼女は……たった一人で、その力を悪事に利用することなく、今日まで大切に持ち続けていたのですから。(ベールに一瞥を与えながら) 」

ダンス猫『ヘイヘイユーユーwwwwww(2匹の猫がDOMANのバックダンサーをしている)』

鬼塚夏美「(黒岩………あの時の刑事、ですの。……) 」

アルフレッド&グワンド『…………(手錠を嵌められた傷だらけの執事たちが警察官に連行されている)』

泉京水「ああぁん!離しなさいよぉおおおん!!!レディにはもっと丁重なエスコートをなさい!!!ムッ↓キーーーーーーーーーーッ↑(連行されている) 」

シャルロッテ・クールホーン「アンタたちみたいなブスの考えた醜い法でこの美しいアタシを裁けると思わないでッ!!!!!!(同じく連行されている) 」

杉下右京「 ここであなたが、この報告書を提出すれば相応の地位と力を得られる。それを承知の上、ですね?(表情を変えず正面から北條の言葉を受け止めると、表情人使えず小さく頷き) ――――だそうです(スマートフォンを耳に当て、変わらず穏やかな笑みを浮かべていたが……)  貴方達がどのような手段をこうじようと!!真実は白日の下晒されます……ッ 恥 を 知 り な さ ぁ い !! (電話口の向こうにいる者達へ一括し、呼吸一つ乱さず通話を切る)――――失礼、宣戦布告をした手前ですが私は本庁に戻りますので。後はお任せしましたよ、北條さん。 」

ムスカ「くっそー…離したまえ!いい子だから!!この私を誰だと思っている!?この私こそ、時期マジルカ王だdン゛ガ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛~~~~ッ゛!!!目が゛ぁ゛…目が゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛~~~~~~~~~~ッ゛!!!!(両サイドを警察官に挟まれながら連行されている中で乱暴に抵抗の意を示そうとしていたが、そこに何者かに目潰しされて悶絶。卒倒したところを更に取り押さえられてパトカーの中へと放り込まれたのだった…) 」

刀仙「……ムスカさん、誠に遺憾です。(目潰しを齎した張本人が小さくため息をつく)…………(ベールをはじめ、「あなた」一行の姿を視界に捉えていた) 」

片桐「俺あいつ嫌いだよォォォォ……お周りが正義の味方顔しやがってよぉぉぉォォォォ…… 」

北條透「―――――!(杉下の一連の行動に驚きつつも、彼なりの"正義"を見出し、静かに感銘を受けたかのように息を呑んだ)………――――――!(そんな偉大な警部へ、ただ黙して毅然とした敬礼を送る。心からの感謝の意を込めて―――) 」

ウェルド「(……)(賢者の石を確保しない、という選択に少し引っかかった表情を見せるが、それはすぐに隠し)……ありがとうございます、杉下警部。ここでは、我々が仕事をさせてもらいますよ 」

ベール「………………刑事ドラマのロケ現場見てるような気分だったわ。感動でおしっこちびりそうだわ。 」

天王寺璃奈ベールちゃん、他に言うことないの……??〖 ´・ω・` 〗 」

ベール「……!(璃奈のツッコミにわざとらしくはっと我に返る)……ま、まーいいよ… あたしにとっちゃ終わったことだからね。今までのことなんてもう気にしちゃいねえし。……ぜんぶ…「あなた」たちのお陰でね。(ふっ、と柔和な笑みを送る) 」

ヒロ「……………(あえてノーコメント) 」

鬼塚夏美「………….(逮捕されていく面々を見て)強大な力に溺れた末路……ですの。(連行されていく面々にスマホを向けている) 」

北條透「………(今回の事件の要であるベール…そんな彼女を取り巻く「あなた」たちを見て、これ以上の介入は野暮だと判断したのだろう。静かに会釈を残し、周囲の同僚や警察官たちを連れて事件の後始末へと踵を返すのだった――――) 」

ヴィヴィ「う"ーーーーイイハナシダナーーーーー(ボンクレーを引きずりながらあっちへいったりこっちへ行ったり) …………(遠目にベール達の一幕を見届け、掌に握った"石"に目線を落とす)――――目的は果たしたけど…… なーんか……こう………つかれたなぁ……フォンダンヴィッチャンになっちゃう…… 」

凰蓮・ピエール・アルフォンゾ「……さぁて!アテクシたちも、戻りましょうか?これから王国の再建でニュカマーランドは更に忙しなくなるわよ~~~~!(そう言うとたまたま近くにいたボン・クレーとブリジットをその剛腕で抱きかかえて帰還していくのだった) 」

ボン・クレー「んがーーーーーはっはっはっ!!さっすがヴィヴィちゅわんの見込んだ通りのニューフェイスなだけあったわねぇえん!!!こうなったら、アティシも友達(ダチ)入りを……って、冗談じゃないわよぉ~~~~~~~~~~~ん!!!!(ジタバタしながら連れ去られていく) 」

アスラン・ザラ「…………(賢者の石を取り巻く大事件は、こうして幕を閉じた。もはや憂うことなど何一つないだろう。しかし、まだ何か…「彼ら」との関係がここで終わるとも思えない、得も言えぬ何かが胸の奥でざわつくような気配に襲われた)………ムーン、悪いが…アイツらと先に宿へ戻っててくれ。 」

夜神ムーン「………?ああ、わかった。夜も遅い…明日に響かせるなよ。おーい、いくぞー。(そう言うと首領パッチと泉研を掴んで引きずるように立ち去っていく) 」

ブリジット「わっ、ちょ、ちょっと……!!抱えないでくださいよぉ!!わーっ……あっ、皆さんお元気で~~~~~(ピエールに抱えられ、退場していく) 」

メディ「そうですね…もうすっかり日付を跨いでしまいましたし… 我々も、今夜はおやすみにしましょう。積もることはまた明日にでも…(宿への帰還を持ち掛けようとする) 」

ホムラ「ええ、そうね………?あれ……?(ふと、その場から消えた「あなた」の姿にきょろきょろする。よく見れば少し離れた箇所にいたためすぐに発見してその傍へと駆け寄っていく)……どうかしたの…?(「あなた」を背後から覗き込む) 」

鬼塚夏美「………(去って行く警察陣を見て)(『マジルカ・賢者の石事件、一部警察による汚職か!?』………これは数字が取れそうですの………)(よからぬことを企んでる)……では私もこの辺で…宿に戻って動画の編集をしますの。ではみなさん、チャンネル登録といいねをよろしくですの!(歩き去っていく) 」

あなた「…………(ふと目を離した隙に、「あなた」はその付近である物を目撃した。それは、このマジルカの都市の各所に点在するエメラルドのような翡翠色に輝く宝石のオブジェ。透き通るようなその表面に彫り刻まれ白い文字として表れたそれを凝視する。また、あの『 混沌文字 』であった)………(自らが手にしていた羽ペンで、その隣の壁画に翻訳文を書き記した) 」

ベール「……どったん?……! これは………!(そんな「あなた」が書き記した文字を目にすると、それを言葉に言い表す――――) 」








――― 「 仮初の想いで継ぎ接ぐ願いは、蟲毒の重みに千切れる蜘蛛の糸のように   Alan Smithee 」 ―――








「あなた」が解読した文字をベールが読み終えたその瞬間、空間が音もなく光に包まれた―――




― 空白の劇場 ―




光が途絶えた後、一行はかつて目にしたことのある、あの「劇場」に再び誘われていた。
劇場の幕が上がっていくと、その舞台上には、十字架が幾つも突き刺さっている墓地が広がっている。
無造作に突き立てられ僅かに傾いている十字架には、張り付けにされた人ならざる者が死んだように俯いていた。


あなた「―――――― ! (今回で7度目となる「劇場」への招待。舞台上に広がる衰亡たる景色を前に得も言われぬ戦慄が過る) 」

ベール「…………(彼・彼女たちよりもこの舞台に踏み込んだ回数は少ないはずだが、何処か見慣れたような――呆れるほどに――眼を鋭く細めた) 」

天王寺璃奈「―――― ! ここって……そうだ……!(見覚えのある「劇場」。何度も招かれたこの不可思議な空間。そこには決まって、「会いたい人」がいつも現れる。そう信じて舞台の上に視線を配り「その人物」を探そうとするが―――) 」


バ サ バ サ バ サ … ! (墓標に舞い降りる数羽の鴉(カラス)が人影をつくり出す。輪郭が整い、黒一色から曝け出された異色からその姿を露わにしたのは――――)


"黒幕"「――――― コ ツ ン (宵闇の羽が舞い散る舞台上に現れたのは…黒いドレスに身を包み、ペルソナマスクで目元を覆った…桜坂しずくに酷似した「何者か」。舞台中心部まで進んだところで客席側に立つ「あなた」たちへと振り返った) 」

エースバーン「……?なんだ、アイツ…この前見た時よりだいぶ雰囲気が違わねえか…?(月の都で受けた"招待"の際に出会った桜坂しずく本人の姿を思い出し、目の前の黒衣の少女に何度も首を捻る) 」

メディ「……ラビー様はご存じありませんでしたね。……あの方は、璃奈様が行方を捜している「桜坂しずく」様… ですが、璃奈様は『別人』だとおっしゃっておりました。しずく様との関係性はいまだ不明…なにより、我々がこうして何度も誘われるこの『劇場』ですら…―――― 」

イワンコフ「……何よ…何処なのここ…っ!?マジルカは!?ニューカマーランドは!?ヴァターシの故郷は何処~~~~!?!?!?!?(どさくさに紛れて巻き込まれていた) 」

巴マミ「………(「あなた」たちと共に劇場に誘われ、ただ静かに舞台上の「演者」を睥睨していた) 」




"黒幕"「―――― 彼誰時。夜明けを待つ彼らが夢見る楽園に、また一つ、サネカズラの花が投げ入れられた。 」

"黒幕"「満ち足りないからこそ「空白」は空白たり得る。饗宴に手を伸ばしたかの者たちは「箱庭」へ身を投じる。「箱庭」はあらゆる無聊を受け入れ、その心を「空白」に満たす。 」

"黒幕"「 讃えましょう、再来を 叶えましょう、悔恨を 謳いましょう、天命を 軈て「あなた」は共演者へ――――  」


バ サ バ サ バ サ ァ ――――― ッ ! (黒衣の語り部が数多の黒羽となって霧散する。その背後に隠れていたもう一人の「共演者」を残して―――)


ベール?「―――――――(黒羽がゆるやかに舞い散る最中、消え去った "黒幕"の背後にいた影が静かに顔を上げた。そこに立っていたのは、ベールと瓜二つの姿をした得体の知れない「なにか」。彼女の色味をそのまま反転させた正体不明の人影であった) 」

天王寺璃奈「……君は……しずくちゃんなの…?本物のしずくちゃんは、何処なの――――!?(友達の姿を象る何者かに問いかけようとしたその瞬間、消え去った彼女と入れ替わるように現れた見知った人物に驚愕を覚える)……あれは……ベール…ちゃん……っ…?(でも、何か、違う…っ……?)(思わず背後にいたベール本人と見比べる) 」

エースバーン「お、おい…!んだよあいつ…!お前のそっくりさんじゃねえか!?偽物…なのか…!?(慌てた様子で二人のベールを交互に見比べる) 」

ベール「………(舞台上に立つ"反転"した自分を一目見て、その正体に感じたかのように帽子の内側で眼光を輝かせた)………そうか、「アンタ」は……――――― 」






― 数週間前・PM5:00 恣慰ヶ丘学園・屋上 ―


ベール「 「翠玉の魔法使い」――― 華麗に颯爽と参上するわよ  」

ベール「…… …… …… …… …… 」

ベール「うあーーーーーーこええーーーーーー超こええええええええーーーーよーーーーー!!!!! 高い場所!!!!!!!!夜の学校!!!!!!!!!独り!!!!!!!!!!マーーーーージこええええーーーーーーー!!!!!帰りてええええーーーー!!!!!はやく新しい朝きやがれバカヤローーーーーーーーー!!!!!! 」


キラン―――(夜空に瞬く光芒。その光はやがて、魔法使いの少女のもとへ、真っすぐに落ちてくる―――)


ベール「   ふぇ?    」


静かな学園に光が弾ける。そして、夜明けを迎える―――





ベール「―――――………堕ちたもんだな、「あたし」も (帽子の鍔に摘まむとぎゅっと目元を覆うように下ろした) 」

ベール?→『劇団員』「 いなえ救も何は《したあ》女貴。《 女貴 》したあなれ哀、たっかなえ救も何てえ越を根垣の霜星幾。したあは女貴、で女貴はしたあ、うそ (反転した少女が言の葉を紡ぎだす) 」

ホムラ「えっと…どういうこと…っ……?(何らかの真相を知っていそうなベールへ怪訝そうに首を傾げる) 」

ベール「……『 12彗星 』――― 聞いたことがあるでしょ?いや、そもそもの話…あなたたちは『そいつら』と過去に何度も対峙してきたはずよ。"堕落"した先に世界への嘆きを訴えかける者… あれは「あたし」であって、「あたし」じゃない。「喪失した果てに『演者』に成り損なった世界線の私」…とでもいえばわかりやすいか?なに、余計分かりにくいだって?だって他にかっこいい言い回し思いつかねえんだもん……(ブツブツ…) 」

メディ「……『 空白の箱庭 』……ベール様、貴女は…ご存知なのですか…?(アーカイブの記憶領域に保存された、未だ解明されることのない謎への疑問を投げ込む) 」

ベール「……まったく知りませんと言えば嘘にはなるかな。けど一つだけ言えるのは…あれは「あなた」たちにとっても、この世界にとっても"障壁"そのものよ。壁は、誰かを遮るために存在(ある)もの、なら…それをぶち壊し、乗り越えるしかない。「あなた」たちが今までそうしてきたようにね。(「あなた」に振り返りウインクを飛ばす) 」

ヒロ「別の世界線の…君ということか(ベールの言葉を聞いて『劇団員』を見る) 」

あなた「……!!(ベールのアイコンタクトに、「あなた」は意気投合するように強かに頷いた。一期一会の仲間たちと、今まで果敢に立ち向かってきた「あなた」なら、これからやるべき答えは当に決まっていたのだから―――) 」

天王寺璃奈「……そうだね…うん…!(しずくの一件が絡むことで不安に駆られてしまう。それでも、ここにいる仲間たちといっしょなら、きっとなんとかなる。なるようになる。そうやって、今日までの冒険を繰り広げてきたのだから―――) 」

エースバーン「……わかんねーけど…よーはぶっ飛ばせばいいってことだろ!?なら任せろッ!(不敵な笑みをひとつ浮かべ、脱兎はその脚部の踵を踏み鳴らし残火を地に刻む) 」

ホムラ「…誰にでも、世界を呪い続けてしまうかもしれない後悔がある。選択を誤れば…私も、ベールさんも、ああなっていたのかもしれない。なら私は、自分が選んだ「今」の選択を大事にしたい。たとえ後悔しても、自分や誰かを呪うことだけはしたくないから…ッ!(燃ゆる聖杯の剣を振り抜き、『劇団員』と相対する) 」

メディ「『敵』は未知数です。ですが、それを乗り越えんとする私たちの可能性もまた、等しく。なればこそ、不可能なことなどありはしないでしょう。私も戦います。皆様が選んだ道を尊重して、共に―――(アタッシュアローを携える) 」

イワンコフ「話は聞かせてもらったわよボーイ&ガール!理由は何であれ、ヴァナタたちはあヴァターシたちマジルカを救ってくれた…その恩返しに、一花咲かせチャッシブル!!行くわよ、アストルフォ!あの辛気臭い輩にニューカマーの恐ろしさを叩き込むのよ!!ヒーーーーハーーーーー!!!! 」

巴マミ「(恐れを知らない「あなた」たちを傍目に、まるで何かを思い出すように思わずほくそ笑んだ)……あなたたちは一人ぼっちじゃない。それだけで、人はどこまでも強くなれる。あの頃の私で走る由もなかった強さを…(首を振り可憐に金色の神を靡かせるとその両手にマスケット銃を顕現し、「あなた」たちと並び立つ)―――― もう、何も怖くない  」

ヴィヴィ「―――――。スゥゥゥッゥゥ……(宙を仰ぎ見、鉛同然に重い吐息を零す。)運命に引っ張られ、命運を背負わされ、一時入れ違っただけの概念に板挟み。そりゃあーなりますよ(目を伏せ首を横に振る。脱力、肩を落とし定款に霞んだ瞳で"劇団員"を見やり) 相互理解は不可能です。わかったとか間違ってるとか、外野からガタガタ言うのはフェアじゃない。 でも一つだけ、 受け止める責任があるってことだけはわかりますよ。しゃーねーですね(腕を真横に振り抜き、袖から飛び出した杖を手に取る。綺麗事めいた虚言より、人並みに口汚い本音を以て、迎え撃つ決意を固めた) 」

アストルフォ「任された!共に戦った仲間の為、今も傍にある使命を守るため………この恩は是非返させてもらうよ!いっっ……けぇーっ!!(イワンコフの背後から現れ、真っ先に『劇団員』に向かって大ジャンプ。そのまま空中から蛇腹剣で薙ぎ払いに掛かる!) 」

『劇団員』「 ズ バ ァ ッ ――――― バ サ バ サ バ サ ァ … ッ … ! ! ! (口火を切ったアストルフォの一撃のもとに真っ二つに断裂される。切断部位から血液のように宵闇の羽が飛散し、上空へと舞い上がる―――) 」

マリー&ワネット「  ブ  ワ  サ  ァ  …  ッ  …  …  !  !  !  (四散する黒羽が逆再生されるかのように一点に集う。それは大きな人型を形作り、浮き彫りになった輪郭から闇色が塗りたくられていく。その姿は女性型の傀儡人形。しかし、その大きな手の指先には更に人の形をした傀儡群を従えていた) 」

ベール「――――(ついに正体を露わにした『劇団員』の真の姿を前に、翠玉の魔法使いはその魔法掴藍の帽子の内側より翡翠色に輝く眼光を照らし出した)―――― これで本当に最後だ。千年の孤独から、あたしは飛び立つッ!!過去《後悔》 も 未来《不安》もすべて連れ出して、この「檻」から羽搏くためにッ!!(魔力と石を込めた魔法の箒「箒星」をその手に、魔女は最後の決着に乗り出した―――) 」


そして、「あなた」たちは対峙する。
未だかつてない大いなる存在の、その一端―――「 仮想 」の名を象った化身と


マリー&ワネット「 ケ タ ケ タ ケ タ ケ タ ケ タ ッ ! ! (人形は嗤う。幾重に続く運命は、物語は、それらの行く末は変わらないのだと、嘲笑うかのように―――) 」




――― Vs. 【 空白の箱庭 】 仮想の劇団員《 "卑露宴"マリー&ワネット 》 〖 Section 1 〗―――




傀儡人形《 ワネット 》『 カ タ カ タ カ タ カ タ カ タ ッ (劇場の舞台上に広がる十字架。そこに貼り付けにされた人ならざる者たち――ベールの姿に酷似した――が一切に覚醒を遂げ、肢体を拘束する鎖を振りほどいて「あなた」たちへ襲い掛かっていく―――)』

あなた&ホムラ『……! / 来た…ッ!はァッ!!(「あなた」はその胸にかざした羽ペンからキーブレードを、ホムラは聖杯の剣を、それぞれに構えて人形たちを迎え撃つように斬り払っていく)……! / はっ、ふっ!やぁッ! / !! / やぁッ! (度重なる戦いを経て、いつしか「あなた」とホムラの息も合うようになってきた。互いに互いをカバーし合うように斬撃を振るい、迫りくる敵を返り討ちにしていく)』

天王寺璃奈「ヒロさん、 「13ace bat 《 ベースバット 》」を使って!新機能開放のサポートは私が行うから…!(後方に下がり、支援機「ARe:N《アレン》」の機動準備に入る) 」

メディ「璃奈様の護衛は私目が!そのまま起動準備を進めてください。はッ!!(ザギィン、ガギィインッ!!)(璃奈に迫りくる人形たちを蹴散らすように、アタッシュアローを縦横無尽に振り抜いて迎撃する) 」

エースバーン「にゃろう…あいつ(ベール)にそっくりな顔してんのが蹴りにくいが…四の五の言ってる場合じゃねぇー!!どぉらぁッ!!(ドガガガガッ、ゲシィッ!!)(一瞬、ベールと瓜二つの姿をした人形たちに躊躇するが、構うまいと首を振って豪快に旋風脚を加えた特攻で蹴散らしていく) 」

イワンコフ「来たわねぇん…!ニューカマー拳法!44のエステ奥義!!“レーザー治療拳”!!チョエチョエチョエチョエチョエチョエェェェェェエエエエ~~~~~ッ!!!!!(ズバズバズバズバズバァァァアアアンッ!!!)(注射器の如く先端をとがらせた指先を豪快に振り抜いて人形たちを細切れに切断していく) 」

アストルフォ「ちょっ……?斬っても手応えがない、というか……鳥の群れになっ…………いや、これは……趣味の悪い出し物だなあ!やり辛いけど、仕方ない……!!(蛇腹剣を伸ばし、鞭のように人形たちの群れを打ち払いに掛かる) 」

巴マミ「 バキュン―――バキュン――バキュン――――バキュゥウンッ!!! (両手に握られた二丁のマスケット銃と共に踊るように銃撃し、四方八方から迫る人形たちを華麗に撃ち抜いていく) 傀儡が傀儡を操るなんて…皮肉な姿形ね…(相対する劇団員の醜悪な姿に眉を潜める) 」

ベール「気色悪いなァ……あたしゃもっと美人だよい!!!(などと軽口を叩いてみせるが、その口元はぎこちなく引きつっていた) ッ゛――― カ チ ャ ッ (右手の箒星に対し、懐に突っ込んだ左手に拳銃を手繰り寄せる) バンバンバァンッ!! (魔法使いに似つかわしくない現代銃を使った銃撃で自分と同じ姿をした人形たちの眉間にその鉛玉をぶち込んでいく) 」

ヴィヴィ「 マテリアル指定、アーティファクト【疑似星系】(杖の先端を人形たちの群体へ向け、微量な魔力を流し込む。 人形達を取り囲むのは無数の星星と暗闇、超小スケールの"疑似宇宙"が限定的に生成され、その中へ包みこんだ。) 【圧縮<スケールダウン>】 【破棄 <アーティファクト ブレイク> 】 (多角形で生成された半透明の球体に疑似宇宙ごと、人形達が閉じ込められる。それが一気にビー玉サイズへ縮小、圧縮され……) パ リ   ィ  ン  !!  (空間内の概念毎硝子のように砕け、爆ぜる) 雑魚狩りは任せて!飽きるほどやってきたから!! 」

ヒロ「おっしゃ、任せろ!(璃奈の指示通り、彼女から託された新武器のバットを背に乗せて駆け出していく)…っ…… !(襲いくるベールが本人じゃないとわかってはいるが、それでも殴ることは躊躇われる。それならば…) 受け止めるくらいなら俺にだってッ!!(人形たちを蹴散らすのではなく、仲間を守るために敵の攻撃を防ぐことに徹する) 」

マリー&ワネット「 ス ワ ン ―――― ! (傀儡群を操る大元、その大きな人形の指先の起動が"変わった") 」

傀儡人形《 ワネット 》『 グ ギ ギ ギ ギ ギ ギ ッ … ―――― ガ チ ャ ガ チ ャ ガ チ ャ ッ ! ! (傀儡の群れが一掃されていくその時、未だ健在の小太刀たちに変化が起きる。首や肢体があらぬ方向にねじ曲がり、不気味な音を立てながら各部位が高速回転する。目にも留まらぬ速さで回転する傀儡たちであったが、その動きが止まった頃には――――)』

傀儡人形《 ワネット 》→■誰■彼■『―――――  オ゛   ゥ゛   ン゛   ―――――(ベールに酷似した姿が、何者かに変わり果てた。それは、「あなた」たちひとりひとりにとって、最も親しい人物。その姿形は、相対する者たちによって千差万別に変わる。出会った人の数だけ、築いてきた絆の数だけ、「親しき者」は彼・彼女たちに情け容赦もなく殺しにかかっていくのだった―――)』

仮■ライ■ーゼ■ワン「―――――(「あなた」と交わした約束を破るように――) 」

■グネ■タ■オン「―――――(その傀儡(かいらい)は紡がれた"想い"を蝕み――) 」

魂■妖■「―――――(ただ残酷に、呪詛を込めて牙を立てていく―― 」

あなた&ホムラ『―――!? / これは…ッ…!?そんな……っ…!(これまでの旅路で出会いと別れを繰り返してきた者たち。互いに"想い"を結び合った者たちを偽る傀儡を前に、流石に動揺の色を隠しきれずにいた)』

ヴィヴィ「――――――!!(親しいと"認識している"人物へ傀儡が姿を変え、"能動的に"襲いかかる。彼女に対してもそれは例外ではなく) そんな……もものちゃ――――――  (青ざめ、血の気が引いていく。そうして杖の持ち方を、剣の柄を握るそれに切り替え)――――――解釈違いです!!今頃教会でごろんちょしてるにちがいねーですクソ!!いいなァ!!>>スパァーンンッッ<<(綺麗なフォームのスマッシュで頭部をかっ飛ばす) そんな……なんばさ……は何しても死なないしもっとキラキラしてるし!!!!オラァ!!>>バシーン<< そぉい!!>>バシーン<< ほぇい!!>>パシーン<< 」

エリアス「人の心とかないんか? 」

ヴィヴィ「 あっぶな!ほんもn………(エリアスをぶった切りそうになり寸止め。しかし刹那的に思考し) ニセモノォ!!そ"い"や"ァ!!(杖の腹ででエリアスをスナップを効かせかっ飛ばす) 」

エースバーン「……!?キャロット…!レオモン…!?それにイナバまで…!?……テンメェ…ッ…!小賢しいことしてくれんじゃねえか…ッ…!!(月の都の住民たちを模倣する傀儡を前に怒りの形相を露わにする) 」

エリアス「 スコ ――――――――>>ふっざけんなよ!!<<――――――― ン(高速で回転しながらあなた達一行へ牙を剥く傀儡たちへふっ飛ばされる) 」


バキュン、バキュゥゥウンッ――――!!(紅蓮の閃光が、「あなた」の"想い"を愚弄する傀儡の偽面を貫いた―――)


アスラン・ザラ「―――――(閃光が飛んできた先に、銃口から煙を噴かす深紅の機体があった。装甲の中で"正義"の眦を浮かべる彼は、ここまで、「あなた」たちの傍で幾つもの出会いを、運命を、そして生き様を垣間見てきた。誰一人として「生きること」を諦めなかった。その強い"想い"に触発されたかのように、得体の知れぬ劇場の中でもこの男は誇らしげな勇気を見出していたのだった) 」

アスラン・ザラ「たとえ、お前たちがこの世界を呪い続けようと…こんな贋(まやかし)で、「彼ら」の明日を堰き止めることはできない…!(劇団員に眼光を突きつけると同時に、背後にいた「あなた」に一瞥を与え「そうだよな?」と問いかける) 」

あなた「……!!(アスランの鼓舞に、「あなた」はもう一度胸に手を当てる。彼らと紡いだ"想い"は、目に見える形だけで表されるものではない。たとえ遠く離れていようとも、心の中で今も尚繋がっている。そう確信し、躊躇うことを捨て去ったかのように顔を上げた) 」

アスラン・ザラ「(「あなた」の決意が強く結ばれたことを確信すると、口元を緩めた) この介入は…俺個人の意思だ!!アスラン・ザラ、援護するッ!!! (インフィニットジャスティスガンダム―――自身の代名詞と言えるその最強機体を纏う男が、ついに「あなた」たちと肩を並べるように前線へと突撃していく。その手に手繰るライフルで傀儡を撃ち抜きながら―――) 」

巴マミ「そうよ、恐れてはいけない。誰かの前には、必ず絶望はやってくる。目を背けるか、向き合うかはあなた次第。どちらを選んでもまた別の絶望が舞い込んでくる。なら、受け入れて。絶望を希望と捉えて。そうすれば、恐れはきっと憧れになるわ。(幾度の絶望を味わってきた魔法少女は、今更この程度の苦悶には屈しない。そして、「あなた」たちにも同じ目に遭ってほしくはない。そう願うように、今はただ、「あなた」たちに寄り添うように銃撃に躍り出て傀儡を退けていく) 」

カグタリウス・ゾディアーツ(傀儡)「────ダッ!(傀儡の中に紛れ込んだ異物。傀儡であることは確かなので「あなた」一行に殴り掛かる) 」

■がた■四郎「(セガサターン本体を鈍器にし殴りかかってくる) 」

メディ「――――(姉様…――――)(対峙する姉機体「ミディ」を象る傀儡を前に、彼女の最後の笑顔が記憶(メモリー)にてフラッシュバックする。それでも―――)―――― 姉様は、私の「心」の中で生き続けている。この程度の障害でフリーズする程、私は不完全ではありません!!(アタッシュアローを投げ捨て、すぐさま切り替えた大型メスでその傀儡を断裂する) 」

ジ■ク「――――――(ゆらり、と……文字通り、"人形"としてアストルフォへと迫る) 」

アストルフォ「……っ、はは………すっごい悪い奴が使う手だね………っ!!(一瞬の躊躇が祟り、ジ■クに吹き飛ばされる) 」

イワンコフ「“脂肪吸引拳”ーーーーーッ!!!!!( ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨ ┣¨ )(体を高速回転し巨大な唇を剥き出しにしながら体当たりを繰り出し、せがた三四郎やカグタリウス・ゾディアーツなどの傀儡を豪快に吹き飛ばしていく)残念だったわね!!!"ニューカマー"は怖いもの知らず!!!アストルフォ!ヴァナータもその一人なら、**…じゃなかった、決起しなッシュブル!!!!!(吹き飛ばされたアストルフォを鼓舞する) 」

エ◆ン・べー■ー「……~~~…♪(高周波ブレードの切っ先を地面にあてこするような、まるで幽鬼めいた足取りでハミングを)…~~♪ …………~~~~♪(曲名は『Quiet's theme』。静かで優しいメロディのあと、英語の歌詞が優し気に響き、音程を外すことなく俊敏な動きで斬りかかる) 」


ソウハ クグツ。 クグツデスゾ…クグツデスゾ…(攻撃を戸惑ってくれることを期待しながらすり寄ってくる)


カグタリウス・ゾディアーツ「ヌゥゥワァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!(爆発四散)  >>プ レ ゼ ン タ ー に 合 わ せ て や る<< 」

ヴィヴィ「おらぁ!どぉりゃ!! おr……―――――――――――。(傀儡を何体もぶった切っている内に"普通に傀儡見えてきた"。周りは親しい誰かに化けているそれに一瞬でも戸惑う一方、自分は"何者にも見えない傀儡"を部痛にかっ飛ばしていた事実に気づく)………。ウワァー!!!!!ク ソガァー!!!!!! (仮■ライ■ーゼ■ワン「の傀儡へ圧縮魔術(エネルギー弾)をぶっ放す) ま、マミさん……絶望がないって悲しくない……?グスッ 」

あなた『……!(紡いできた彼らとの本物の"想い"を顕現する力―――高らかに掲げたキーブレードの輝きによって、「あなた」はアグネスタキオンのタキオン粒子を纏い、高速移動で空間を駆け巡る) ズ バ バ バ バ バ ッ ! (その擦れ違いざまに魂魄妖夢の太刀筋を意識した剣戟を見舞、傀儡を斬り払う。そして…)(“ ラ イ ジ ン グ イ ン パ ク ト ”) \ ライジングインパクト !! / (大跳躍からのゼロワンのライダーキックを、傀儡を操る「本体」へと炸裂させた)』

スターウォーカー「 *この傀儡どもにはヘドが出る 私こそがオリジナルのスターウォーカーだ (「あなた」の"想い"に応え、「オリジナル」のスターウォーカーがあらわれた! ▽) 」

メディ「 お帰り下さい (スターウォーカーとついでにDOMANも併せて一蹴する) 」

天王寺璃奈「よしっ…行ける! ス チ ャ ――― 『 ARe:N《 アレン 》 』、Game on! (一同が傀儡を退ける最中、猫耳型スマホ端末を突き出すように取り出し、画面をタップしてARe:N《 アレン 》起動させ、ようやく自身も前線へと駆けつける) 」

ARe:N《 アレン 》「   キ  ュ  オ  ン   ――――  ズ ッ ガ ア ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! (璃奈の合図に呼応して何処からともなく巨体を誇る猫型ロボットが素早く飛来。その巨腕を振り抜いて傀儡を殴り飛ばしていく) 」

アストルフォ「っててて……そうだね、彼はもっと……"意思"があった…っ!!カリゴランテの剣!行くぞ!!(再度立ち上がり……ジ■ク、そして傀儡たちを次々に蛇腹圏で切り裂いて行く) 」

マリー&ワネット「 ド ッ グ ゥ ォ ォ オ オ オ ン ッ ! ! ! (「あなた」が繰り出した攻撃によって、傀儡を手繰る本体の人形が激しく蹴り飛ばされる) ケ タ タ タ タ タ タ ッ (蹴られた部位に大きな亀裂が走るも、効いているのかどうか定かではないかのように不気味に嗤い続ける) 」

マリー&ワネット「 ガ パ ッ ―――― ヒ ュ バ バ バ バ バ バ バ ッ ! ! ! (人形の口が大きくさけるように開かれたかと思えば、その咥内より現れた無数の釘が次々と撃ち放たれた) 」

アスラン・ザラ「よし…ッ、ようやく持ち返してきたな…!これから反撃に回るぞ!俺が盾になる…行くぞッ!!(「あなた」を先導するように、シールドを突き出すように構えながらブーストで前進。横薙ぎに降り注ぐ釘を跳ね返し、「あなた」に繋げる) 」

あなた / ヒカリ『今度は私も出るわ! / ……!(ホムラと切り替わったヒカリと共に、アスランが切り開いてくれた道を突き進む)“フォトンエッジ”ッ! / ……!!( ズ バ バ バ バ バ ッ ! ! )(アスランを飛び越え、二人同時に繰り出した光速剣舞で本体を滅多斬りにしていく)』

ベール「――――ッ!(傀儡を押しのけ、帽子の唾を摘まみながら鮮やかに踵を返し、敵の本体を見据える) 過去の焼き回しなんざ、こちとら散々経験してんだよッ!! (箒星に跨り低空飛行で急接近。ちょうど「あなた」とヒカリがアスランと共に突撃していく最中、釘を掻い潜りながら彼らと並列する)  づ ぇ あ ッ゛ ! ! ( ド ッ グ ゥ ァ ア ア ン ッ ! ! ! )(箒の先端で本体へと真正面から突撃をかます) 」

天王寺璃奈&ARe:N《 アレン 》『ヒロさん、行くよ…っ!!(グルングルングルン―――― ド ォ ウ ッ ! ! )(アレンの剛腕がヒロを掴み、ジャイアントスイングの容量で敵本体に向かって豪快に投げ打った)』 」

ヒロ「うおッ…!?(アレンに投げ飛ばされ驚きはするが、璃奈の目論見を察したようにバットを構える) ここだァッ!!! (剛速球の速さで敵に急接近し、その擦れ違いざまに顔面目掛けて力強いスイングによる大打撃を繰り出す) 」

メディ「Surgical Operation System『 S.O.S 』を起動! 「 クーパーブースター 」を申請!(ヒューマギアモジュールに手を添えると、ハサミのようなデザインを踏襲した飛行支援機が同時に自身の背面に装着される形で転送された) ガ ッ ―――  発 進 !( ヒ ュ ボ オ オ ォ ォ オ ッ ! ! )(本体に内蔵された操縦桿を握り取った瞬間、メインスラスターが点火。釘の嵐を高速旋回で回避しつつ、敵へとそのまま突撃を繰り出す) 」

エースバーン「散々な目腐ってくれたお礼はきっちり返さねえとなッ!『リベロ』ッ!!(赤い額が白く変色していく) “アジリティ”ッ!! ( ヒ ュ ッ ―― ド ッ ――― オ ゥ ン ッ ―――― ド グ ゥ ォ オ ン ッ ! ! )(電光石火の如き疾走をもってジグザグ状に釘を受け流し、敵の懐へ潜り込むや否やへ飛び蹴りをお見舞いする) 」

アスラン・ザラ「 敵の反撃を許すな!押せる時は押すんだッ!トゥ!!ヘァ!!! (「あなた」たちを送り届けた後、自身もまた両剣状態を維持したビームサーベルによる二段斬りを刻み込む) 」

アストルフォ「おっとぉ!これはまさにチャンスって事かな……!よいっしょぉーーー!!(回転しながら滅茶苦茶に蛇腹剣を振り回し、開かれた道を突っ切りながら敵をメッタ斬りにかかる) 」

マリー&ワネット「 ズ ビ ビ ッ ―― ド ゴ ォ ァ ッ ―― バ ギ ッ ――― ズ ガ ア ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! (自らが操る傀儡を退けた「あなた」たちの総攻撃を受ける毎に…人形の全身、関節部位があらぬ方向へとねじ曲がり、或いは破損していく。もはや修復不可能というほどにズタボロに破損した人形だったが、ここで、またあの奇妙な挙動に躍り出る―――) 」

マリー&ワネット → ヴァルプルギスの檻「  ジ  ュ゛  バ  ァ゛  ア゛  ッ゛  !  !  !  (伽藍洞な人形の内部から一斉に繊維状の黒い紐の如き細い線が無数にもなって頭上へと放たれる。幾つも伸び出だす戦は楕円を描くようにゆっくりとその軌道を待挙げ、やがて天辺にて女性の上半身と思わしき姿を形成する。その全貌は、まさに「檻」のようであった―――) 」





――― Vs. 【 空白の箱庭 】 仮想の劇団員《 ヴァルプルギスの檻 》 〖 Section 2 〗―――




ヒロ「……まだ動けるってのかぁ…! 」

ベール「…へっ……デカくなったなぁ…「あたし」も……(首を痛めてしまう程に山のように高くそびえ立つ巨大な「檻」の怪物を睨み上げ、冷や汗が頬を伝いながらも負けん気に口辺を吊り上げる) おそらく「本体」はあの天辺だ。空でも飛んでいかない限りはここ(地上)からじゃあ攻撃は届かないでしょうね。まあっ、ヒロの字はせいぜいその日も出も掴んでよじ登っていけば?(へらへらと笑いながら、自身は箒星に跨って一目散に飛び上がっていく) 」

エースバーン「後半戦って奴だな…やってやろうじゃねえかこの野郎ッ!!( ド ッ   ド ッ  ド ッ  !)(遥か天辺に座す敵の「本体」を見据えると、その下半身から伸び出す無数の紐のうちの一本へと起用に飛び乗り、ほぼ垂直ながらも自慢の脚力で駆け上がっていく) 」

ヒカリ / ホムラ『(ヒカリちゃん…!こうなったら、『二人』で行こう…!) それしかないようね…ッ! (精神世界の焔と意思疎通を交わすと、今現在体の主導権を握る光がそのコアクリスタに指先を触れる。そうすることで――――)』

ヒカリ / ホムラ → プネウマ「    フ   ワ   ァ   ァ   (ホムラとヒカリ…二人の心が一つとなり、天の聖杯の『第三の意思』が覚醒する。翡翠色の輝きに包まれた少女『プネウマ』へと変貌を遂げると、背面に浮かぶ機械翼がカチャリと音を立てて羽搏いた) 」

あなた / プネウマ『行こう!! / ……!!(完全覚醒を遂げた天の聖杯による『望んだものを事象として発動する力』が発動。プネウマと、そして「あなた」自身もまた翡翠色の輝きを纏い、ベールへと続く様に舞い上がった)』

天王寺璃奈&ARe:N《 アレン 》『――――ヒロさん、掴まってッ!(アレンの背に乗ったまま低空飛行し、ヒロとの擦れ違いざまに彼に向けて手を伸ばし、掴み上げる。そうして二人同時に期待背面へと飛び乗り、ブースターの推進力で勢いよく跳び上がっていく)』

メディ「目標は高度およそ700m――――上昇接近します!(背面に装着されたクーパーブースターのスラスターを再点火。青い炎を噴射しながら急上昇していく) 」

イワンコフ「こうなっちゃら…ヴァターシたちも"飛ぶ"わよ!!イワえも~~ん!なんかいい道具出しチャッブルよ~~!障害ナッシブルネ…テテテッテテー♪ タ~ケ~〇~プ~タ~! なんてないからッッッッッッ!!!ヒーーーーハーーーーー!いや持ってねえのかよ!!!!ヒーーーハーーーー!!一本取られたよ!!!!ヒーーーハーーーーー!!! 」

イワンコフ「というわけで(?)ブチカマーーーーーすわよ!!!“DEEEEEEEEEEeATH WINK(デエエエエエエエエエエエス・ヌゥウィンク)”!!!! ( バチョーーンッ!!!!! )(アストルフォの首根っこを突然掴むと、地面に向けて瞬きし、凄まじい爆風圧を発生。その爆発的勢いを利用してとてつもない速さでロケットのように飛んでいく) 」

アスラン・ザラ「本性を現したか…了解した、追跡するッ!!(  ズ    オ ン ッ ! ! ! )(インフニットジャスティスの背面に搭載された支援空中機動飛翔体「ファトゥム-01」。その大型主翼のスラスターが勢いよく火を噴き、白い軌跡を描きながら飛び出した) 」

巴マミ「……この世ならざる者…まるで「魔女」ね…―――― シ ュ ル ル ル ル ッ (新たな姿を現した「敵」の姿を捉えると何も内宮からタグ寄せた黄色いリボンを巧みに操る。大きく輪を描いたそれは宛らトンネルのような大口を描くと―――その穴の中から空を飛ぶ「蒸気機関車」を召喚。) バ ッ (汽車の上へ飛び上がり、螺旋を描くように高速発進しながら一同へ続くように上層部へと向かって行く) 」

傀儡人形「…………(勇敢に飛び上がっていく「あなた」たちを、底辺から静かに見上げている傀儡――まるで目に映る凡てに落胆した様な目を浮かべた――がいた) 」

傀儡人形「 うろだたっかなもとこるか浸に水泥くなとこむ踏を轍の時のあは私ばえ例 らなるれ戻に時のあ、もし若  」

アストルフォ「前よりさらにそれっぽい見た目になったね!!難しいけど、これ位なら登れるよ!だってボク、結構身軽だし……って、えっ……ちょっ!!うわあああああああああ!!!(紐を掛け上がろうとした矢先、イワンコフに首を掴まれたまま一緒に空へと飛びあがる) 」

ヴァルプルギスの檻「 シ ュ ル リ … ッ ――――― ヒ ュ゛ バ バ バ バ バ ァ゛ ッ゛ ! ! ! (下半身から伸び出す紐のような物体の一部が意思を持ったかのように動き出す。それはしなる鞭のように蠢きだし、無尽蔵に、そして際限なく伸び出す。無数の紐は互いに絡み合うことなく、上昇接近する「あなた」に正確に狙いを定め…叩き落とさん勢いで次々と薙ぎ払っていく) 」

ヒロ「…おうっ!(璃奈の手を掴む)狙いは、奴の………!! 」

天王寺璃奈&ARe:N《 アレン 》『回避は任せて…っ!迎撃をお願い!(軒並み外れたゲームプレイ宛らの操作でアレンを操り、攻撃を潜り抜けていく) 」

エースバーン「なッ――――― ! ? (こいつ…意思を持って――――)―――うわああぁぁあッ!?(ようやく半分を切ったところまで駆け上がれたものの、思わぬ妨害に遭い高所から薙ぎ払われてしまうが…)まだだッ!!(虚空を蹴り抜き、再び下半身へと真横に降り立ち、今度は不意を突かれまいと並外れた動体視力で攻撃を掻い潜りながら登っていく) 」

アスラン・ザラ「チッ…やはりそう簡単に攻めさせてはくれないか…当然かッ!!( ブ ォ ン ッ ! )(ビームブーメランを投擲し紐を切断。第二波と続く攻撃には頭部に内蔵されたバルカン砲で撃ち落としつつ、確実に上昇飛行していく) 」

イワンコフ「そんな攻撃…“ローリング・エステ”~~~~~!!! どぶぐぇあぁッ!?!?!?!?!?(回転回避を試みるも大量の紐物体に顔面部分に集中的に袋叩きにされてしまう) 行ってらっしゃいッ!!!(ブゥンッ!!)(だがタダではやられまいと、大きな手に掴んでいたアストルフォを自身の頭上へと豪快に投げ飛ばし、代わりに自身はその踏み台となるかのように落下してしまった) 」

ベール「 んぎぃ゛…ッ゛!!! ( グィンッ―――グンッ―――――ギュンッ――クゥンッ――――ドォゥッ!! )(まるで豪雨のように迫りくる大量の攻撃を前に、両手に掴んだ箒星を全身諸共傾倒させるように操作し回避し、その軌道を何度も屈折させていく。そして、ようやく一足先に敵の本体と同じ高度に達し、敵の上半身にしっかりと狙いを定めると―――)――― これで仕留めるッ!!“点と繋ぐ星《 サインアウト 》”ッ!!!( ド ォ ゥ ッ ! ! ! )(最大出力の閃光を掌から解き放つ。その攻撃が確実に敵に直撃すると強く確信して―――) 」

ヒロ「おう、任せろ!(バットを構え、ボンバーボールを放つ) 」

ヴィヴィ「あ"ー生き汚いですねッ!そりゃそうか四半世紀かけてぶちまけても足りないぐらい愚痴があるでしょーねよーっくわかります……よッ!!(杖の先端から光の光柱を放出。それを剣のように振るい触手を両断しつつ、ヴァルプルギスの檻の鉄柵のような身体を駆け上がっていく) 」

傀儡人形「 うろだたっかなもとこる踊に演共のちっぼりとひずれらめ留き引を人のあは私ばえ例 らなるえ会たまに人のあ、もし若  」

メディ「この程度の包囲網でしたら――――ッ!(演算機能からなる敵物体の予測線を探知し、その通りに従って華麗な旋回回避を実現していく) 」


敵の反撃を掻い潜り、本体へ到達しようとしていた、その時だった―――――


ヴァルプルギスの檻「      オ    ゥ    ン   ッ     (ベールにより解き放たれた閃光を前に、そのずうたいのでかさ故に避けようにも避けられない。確実にこの身が浄化されると、誰の目にも勝機は確定だった。しかし、彼女の魔法は本体に"当たらなかった"。正確には、しっかりと狙いを定めたはずのベールの魔法が、"最初から軌道を外れていた"というべきか――――) 」

そして、奇妙な現象はこれでは終わらない
攻撃を潜り抜け、あるいは防ぎ、あるいは切り崩し、様々な手段で紐物体を退けてきた「あなた」たちだったが、ふと瞬きをした途端――――
まるで稲妻が走ったかのような衝撃が彼らの体に訴えかけるように走った
そう…退けたはずの攻撃が、"当たってしまった"のだ


傀儡人形「 うろだたっかならなにとこいなげ紡も詩てれ忘を味意の涕たれ隠に声のあは私ばえ例 らなるけ聞が声のあ、もし若  」

あなた / プネウマ『きゃん…ッ……?! / ……!!?(目的の本体まであと少しというところだった。周囲に迫るひも状の物体もすべて切り落としたはずだった。だが、一度瞬きをした直後に全身に走った痛みを感じた時には、真っ逆さまに上空から転落してしまっていた。何が起こったのかわからないまま、二人とも激しく動揺しながらも復帰するように再び上昇していく)……今のは…何が、起こって……!? / ……!?』

ベール「―――――!?(確信はあった。コンデションは好調…特別症状が優れていないことなどない。視力が悪いなんてこともない。確実に、この目で、敵の中枢を捉え、狙いを定めたはずだった。確実に討ち取る覚悟を込めていた。にもかかわらず、"まさか自分が攻撃を外していた"など想像もつかない。敵が回避したのか?そんな様子はない。ならば何故…と脳裏に思考を素早く巡らせるが―――)―――何かの小細工にしても…これならどうよッ!!!(ジュドドドドドドッ!!!)(無数の星型魔弾を放射状に解き放つ。次は質よりも量で、確実に当てていくつもりで魔法を繰り出した) 」

アストルフォ「ああっ!!イワンコフが落ちたァ!!!忘れないよ、その勇気!どうせ無事だろうけど……!!(蛇腹剣を振り回しながら敵へと近づく、しかし……)……良く分からないけど、何か……されてるぶぅっ!?(攻撃の直撃を確信して斬りかかった直後、謎の攻撃を受けて落下。なんとか紐を掴んでぶら下がり…) 」

アスラン・ザラ「なんだとッ――― ぐッ?!(戦闘経験ならここにいる誰よりも豊富である。広大な宇宙区間で、敵か味方か判別しがたい無重力空間の戦場で飛び交う閃光の嵐を掻い潜り、無傷で帰還したことも多々ある。だが…そんな自分でさえ、得体の知れない不可視の攻撃に直撃してしまった。リフターの一部が煙を噴かし、砲台の一部が破損する)…攻撃は確かに避けた…だが……! 」

メディ「う…ッ……!?(回避演算処理はほぼ完璧であった。しかし、予測不可能の未知の攻撃に薙ぎ払われ飛行状態の維持が崩されてしまった)……敵の攻撃圏内から距離は置いたはず…しかし…これは…っ……――― 」

傀儡人形「 うろだたっかなもとこす殺い呪らがなめ絞を今たて果りわ変に境を日のあは私ばえ例 らなるせ直りやを日のあ、もし若  」

ヴァルプルギスの檻「      オ    ゥ    ン   ッ     (ベールが無差別に放った星型魔弾の濁流を前に、回避も防御の構えも取らない上半身。長時間に渡り流され続ける魔法だったが、結局、"ひとつも直撃しなかった"のだ) 」

ヴィヴィ「た"ッッッ……!!(素でドスの効いたうざったそうな声を発し、側頭部に攻撃をくらいながらも宙空で半回転し持ち直す)―――――(ベールさんの攻撃は移動せず回避。逆にこちらは過去二回避した攻撃の被弾……) 因果改変……いや、"反転"…… 互いの「回避」と「被弾」の関係性だけが入れ替わっている……? 」

エースバーン「チィッ…こういうのは数撃ちゃ当たるってんだよッ!!!どらぁッ!!!(攻撃を受けながらも、遅れて上半身へと迫っては弾丸の如き勢いで飛び蹴りを仕掛ける。脱兎の如き速度で繰り出された自慢の蹴り技は、並大抵の強者と言えども回避は困難を極めるだろう) 」

天王寺璃奈&ARe:N《 アレン 》『きゃ…ッ…!?そ、損傷率15%…!絶対避けたはずだったのに……!こうなったら…ヒロさん、一緒に援護射撃を!!( カ ッ ――― バ シ ュ ゥ ゥ ウ ウ ウ ン ン ッ ! ! ! )(アレンの両腕を起動し、その掌に隠された小さな放射口から蒼い閃光が発射され、敵の上半身に向かって飛び出した)』

傀儡人形「 うろだのたっだ私、てしうど うろだのたしだい狂、らかつい うろだたえ違間、でこど  」

アストルフォ「全部避けられるし向こうの攻撃は全部喰らっちゃうって事!?そんなの……当たるまでやるしかないって事!?(理性蒸発)だったら!これなら……どうだぁ!!(紐から一気に飛び上がり、仲間たちに合わせて蛇腹剣を一気に伸ばし、さながら網の様に隙間なく、広範囲の斬撃を浴びせる!) 」

ヒロ「………よし、任せろ璃奈ちゃん!(璃奈と共に飛び出し、ボンバーボールの弾幕を放つ) 」

ヴァルプルギスの檻「      オ    ゥ    ン   ッ     (上半身に差し向けられた様々な攻撃。それらすべてが直撃する"はずだった"。しかし、"しなかった"。予備動作もなく、まるでカメラロールを切り貼りしたかのような秒単位にも満たない速度で、「あなた」たちの如何なる攻撃を"なかったこと"にする。加えて、下半身から伸び出す紐物体が蠢きだす。その挙動も不自然さはなく、速度も比較的遅い。しかし――――"「あなた」たちに致命傷を与えた"のだった) 」

エースバーン「がはッ―――――?!(言葉では説明不可能な得体の知れない攻撃が急所に炸裂し、吐血しながら落下していく) チッ…キショウ……ッ…!なんで、だよ…ッ!なにが、どうなってんだよ……ッ…!! 」

ベール「いぎ…ぃ゛…ッ!?(魔法による攻撃の手を決して止めなかった。それでも、こちらの攻撃は当たらず…一方で目に見えぬ何かによって大打撃を受けてついに箒星から転落。口の端から鮮血が滴り、真っ逆さまに落下する最中、上半身の敵を悔やしそうに睨みつける) 」

傀儡人形「 毎夜う笑嘲が身自私を私む沈に泥るれさ下見らかて果の雲、り誤を会機の択選るれらけつき突も度何  」

巴マミ「…ッ……確かに、反転を司るであろう魔女なら、その類の異能を持っている可能性も否めないわ。そうなれば、相互の攻防は逆転するのも頷ける…(ヴィヴィの傍に、いつのまにか負傷した身体で歩み寄る) でも…入れ替わるということは、必ずそこに隙が生じるはずよ。だけどあの敵にはその隙の兆しは全く見えないわ。現に…不可思議な現象が起こるときに、敵に予備動作は全くない… 」

巴マミ「……これは私の仮説にしかすぎないけれど……敵はきっと、私たちの運命を牛耳っているはず。そう例えば……"運命の確率"――――

アスラン・ザラ「ぐあぁぁ…ッ…!!(機体に更なる負荷がかかり、破損部位がショートする) 「確率」…だと…ッ?まさか…いや、そんなはずは……  」

イワンコフ「なになに!?どーゆーこっチャブル!?!?!?!?(落下してからずっと首から上が地面に埋まったまま話に耳を傾ける) 」

巴マミ「敵の能力の正体はおそらく…"確率の多世界に干渉し、それらを自由に選択すること"だわ…! 攻撃を受けた際、多世界の中にはその攻撃を受けなかった自分が存在し、自身はそれを選択することで生存することが出来る…ということ。 また自分から攻撃する際には、被弾確率が低くても「致命傷に至った相手」を選択できる…。 」

巴マミ「つまり…確率のある選択肢から、 その選択肢が起こる確率がどんなに低くても1%でもあれば、それを選択して現実にできるというものよ……!(眼前にそびえ立つ敵の全貌を睨み上げる) 」

傀儡人形「 るいてしとうそ消き掻を燭蝋で息の虫、てれさ(ろこ)殺絞にり祈のら自は私に的跡奇に果結たじ信を「跡奇」  」

アストルフォ「よーし、こんどこ…ぞ…っ……がっ、ふぅ……!?(触手に腹部を貫かれ、地面へと落下)……それ、無限みたいな可能性を全部潰さないとだめって事じゃん……! 」

ベール「な、なんだってェーーーーッ!?!?!?!?じゃあ…つまりよぉ……??その能力があれば…ギャンブルに勝ちまくりモテまくりってことだるるぉん!?!?!?!?なんつーイカサマ野郎だ… くっそー…羨まし…じゃなかった、厄介だぜコンチキショー……(悔しさのあまり親指の爪をギリギリ噛み締める) 」

天王寺璃奈「そうか…だから、私たちがどんなに団結力を固めて攻撃し続けても、"運よく当たらなかった"という事実を選び抜いて…それを実現していたんだ…! 」

傀儡人形「 とたっかよばれ浸に縁絶 とたっかよばれけなわ願に「のもなんあ」らかめじは くづ気てっ返り振てしうそ  」

ヴィヴィ「確変よりも厄介っていうか、簡易もしもボックスみたいなものかな……もしもあの時攻撃が当たらなかったら~~ができるってわけ、範囲はある程度制限されているんだろうけど(『もしも』……か。彼女にそれが発現するっていうのがなんとも救いがないというか……)並行世界との接続を切る方法とか……いや、それをやる前に封殺されるかー…… 」

アスラン・ザラ「可能性という可能性のすべてを踏み倒すのははっきりいって不可能だ…!俺たちの体力は有限だからな…そんな果てしない長期戦は無限牢獄のようなものだ…!まさに…あの敵が「檻」の姿を成しているように……俺たちはその"確率の運命"に囚われている…ッ!! 」

メディ「………いえ、もしも…――――(巴マミの解説に続くように、提案の一声をあげる) もしも…その能力に抗う手段があるとすれば、「起こる確率が 0% のことは選択できない」という唯一の弱点が存在するはずです。

プネウマ「メディちゃん…どういうこと…っ…? 」

メディ「可能性とは、あくまで可能性であり、"絶対"ではありません。つまり、敵にとって起こり得る確率が皆無…「0%」となる事象を引き当てることができれば… いえ、これだと語弊がありますね… その事象を「創り出す」ことができれば、打破が可能ということになります。ですが…それはもはや"奇跡"に等しいことです。 」

傀儡人形「 ばえましてえ消が人のあ ばれなくないが人のあ でいせたいが人のあ らかたいが人のあ ばれいが人のあ  」

ベール「………―――――― "できるかも"しれない (メディの提案に、ぽつりと呟くように答えた) 」

あなた「……!(ベールの呟いた言葉を、「あなた」は聞き逃さなかった) 」

ベール「 “塗り潰す魔法”―――― これは文字通り、あらゆる万物のすべてを塗り潰す魔法…。シントリーから受け継いだ「賢者の石」と繋がった私だけが使える、最恐にして禁断の魔法… この魔法で、私はこれまでいくつもの私自身の世界を塗り潰してきた。見たくもない現実、繰り返される過去、確定された未来… そんなクソッタレた世界のすべてを…(視線を落とした掌の内側にて、微かにその表面が黒ずんでいく) 」

ベール「…"塗り潰す"ということは、私にとっては"逃げる"ようなもの。だから…あれ以来、極力この魔法を使わなかったし、使いたくもなかった。魔法使いを夢見た少女(あたし)が望んでもない方法で手にしてしまった「魔法」…だから、あたしはいつしか心の何処かで「魔法」を遠ざけるようになっていた。いろんなトラウマを抱えるようになってしまった。魔法使いになんてなろうと思わなきゃよかったって。 」

ベール「……でも…―――――― 」


「 シントリー、寒くない?お姉ちゃんが、温めてあげる…―――  シ ュ ボ ッ 」


「 姉様の火、"あったかい"… 」


「 魔法使い、でしょうか? 」


「 こう見えて私にも、その心得があります ―――― はいっ 」


ベール「――――……そんな「魔法」でも、誰かを笑顔にできると知ったから。ちっぽけでも、下手くそでも、起こした「奇跡」に大きいも小さいもないのだから。だからあたしは、昨日より少しずつ…『 魔法 《 じぶん 》 』を好きになろうと思いたい。

ベール「だからこれは…逃げるためでも、遠ざけるためでもない…!塗り潰し…"塗り替える"魔法として、今度こそ完成させる!!未完成で未熟な『 魔法 《 じぶん 》 』を、今度こそッ…!!

あなた「 ! ! ! (ベールの決意を秘めた"想い"を、「あなた」は真正面から確かに受け止めた。信じた「仲間」が覚悟を決めたなら、その背中を押すのが自分の役目だ。奇跡のような出会いを経た彼女と紡いだ"想い"を無駄にしないために…今度こそ、救われてほしいために―――――!) 」

プネウマ「……!(「あなた」の意を汲み取ると静かに、小さくほくそ笑んだ) じゃあ…少しでも、私たちでその確率を収束させよう。それなら、私にだってできます。私の「望んだことを実現する力」…みんなに分け与えます。この力で、敵が改竄する確率を少しでも狂わせられるかもしれない。(そう告げると、突き出した両の掌から翡翠色の輝きが零れだし…「あなた」たちの体に溶け込ませるように与えだした) 」

プネウマ「だから、その間にベールちゃんは…その『魔法』を完成させて…!私たちが時間を稼いで、敵の確率を狂わせるから…!そうすればきっと…――――"不可能は可能に変わる"!!(ベールを信じ、彼女を奮い立たせるように笑顔を齎す) 」

エースバーン「シュートはお前に託すぜ…俺たちは、ゴールまでの繋ぎだッ!パスなら任せろ!!(プネウマの、天の聖杯の粒子を纏って立ち上がる) 」

天王寺璃奈「目には目を…イカサマにはイカサマだね…!大どんでん返し、みんなで決めよう…!〖๑ `^´๑〗 」

アストルフォ「痛ったた………でも、立たないとね……!折角、戦うための力をもう一度与えてくれたのなら……!!(プネウマの輝きを身に纏い)……行ける気がしてきた! 」

アスラン・ザラ「……!(どんなに不可能な困難にも、果敢に立ち向かい、それを乗り越えようとする。無謀ではなく、確かな勇気を持つ心。そんな「あなた」たちに触発されたのか、コーディネーターであるこの青年も思わず)――――フッ(小さく噴き出してしまった) なるほどな…それならまだ希望はある…!確率とは、いつか必ず思った通りのことに収束するものだ…ッ!その道中が長く険しいものだとしても…今目の前に届くところまであるのなら、掴み取るぞッ!!!(インターフェイスを再起動し、機体に搭載された全武装のロックを解除。ここが正念場であることを覚悟し、いつでも全身全霊の一撃を叩き込めるようにスタンバイする) 」

イワンコフ「そうよ!!!諦めなければ"奇跡"は必ず呼び込めるッ!!!今こそ、ニューカマーの本領を発揮する時!!!ヴァターシたちも最後の賭けに出るのよッ!!!!!(バーーーーンッ!!!)(めり込んだ態勢から盛大に復帰する) 」

巴マミ「……眩しいわね…でも、それはきっと「希望の光」。ならば照らしましょう。この陰りに覆われた舞台(せかい)を―――(新たなマスケット銃を手元に出現させる) 」

ヒロ「………確率を…消し飛ばす!(バットを構える) 」

ヴィヴィ「相手がパズルのピースを組み替えるなら、こっちはパズルの絵図毎塗り替えるって腹積もりですか。力技好きですねー。 私も好きですよ、ガーン、バーン!ってカッ飛ばすの。景気よくぶちまけようじゃありませんか(肩をすくめいつものように捻くれていたが、吹っ切れた笑みを浮かべ)――――こいつを完成させてもらった恩もありますからね。(対グレムリンで使用した"疑似賢者の石"を手に取る) 」

ベール「あなたたち……――――――― "ありがとう" (もう孤独じゃない。信頼できる仲間が、帰る場所が、ここにある。誰にも理解されることなく、自ら世界を遠ざかった魔法使いの少女が…はじめて、自分の"想い"を誰かに託することができる安心感に、帽子の内側で嬉し涙が溢れそうになった) 」

ベール「 グ ス …――――― 詠唱準備に入るわ…!長くしないようにするから、頼むわよ…!! (箒星の先端を地に突き立て、発動準備態勢に入る) 」

ヴァルプルギスの檻「   シ  ュ  バ  ァ  ァ  ア  ッ  !  !  !   (意を決した「あなた」たちに対し、下半身から伸び出す紐物体が再び蠢きだし…その先端部位で突き刺さん勢いで襲いかかってきた) 」

青年「(黒き神秘そのものの具現たる青年はここよりズレた次元軸から、彼ら彼女らの奮闘をじっと見ていた。そして確かなことを感じ取る。"あと一手足りない"と。このままいけば希望はすぐに絶望へと変わる)────(しったことではない。異能の者が異能の者に挑み死ぬという愚かがまた繰り返されるだけ。滅ぶべきだ。人はただ人であればいいのにそれを聞かずに卑しき力を振りかざす罰をその身に受ければよい。───だが)……(天王寺璃奈の姿が目に映る。そして目を伏せ涙を流す)ならば、見せてもらいましょう。アナタの信じる、希望を(天の聖杯に目をやり、そっとその方向へ手をかざす。フッと綿毛のように飛ばした光の粒子がプネウマへ) 」

アストルフォ「運命を変えるとかそういうのは……多分!聞いたことが無いけれど!だったらこれから変えればいい、皆の為に!(剣を掲げ、敵へと切っ先を向け) 」

あなた / プネウマ『任せて!みんな、行くわよッ!! / ――――!! (再起動した敵の攻撃に対し、飛翔回避する)やああぁぁぁあーーッ! / ……!!(プネウマは第三の剣を、「あなた」キーブレードを手に紐物体を斬り払っていく)』

イワンコフ「確率だがカクツクだがなんだか知んないけど…ヴァターシたちニューカマーの真骨頂を見極められると思ったら大間違いだッシブル!!その体にタタキ込んでやっチャブルよ!!! 覚悟せいやァ~~ンナッ!!!!!!!(両膝を抱えながら前進するように激しく回転し、攻撃を回避しつつ敵の懐へ潜り込む)“DEATH WINK(デス・ウィンク)”!!“WINK”!!“WINK”!!“WINK”!!! ( バチョン、バチョン、バチョン、バチョーーンッ!!! )(爆風圧をレオン属で放ち続けて応戦する) 」

アストルフォ「――――月を見上げる兎とて、理性の無い時もある。暴れる巨人を取っ捕まえて、勇気凛々行進だ!  ―――行っくぞー!『僥倖の拘引網(ヴルカーノ・カリゴランテ)』!!(蛇腹剣を更に長く、素早く伸ばし、縦横無尽に展開。果敢にヴァルプルギスへと駆けながら、紐物体を悉く切り裂く!) 」

天王寺璃奈 / プネウマ『……!?この、光は……っ…? / ホムラちゃん…ううん、プネウマちゃんの身体が…!(謎の光に満ち溢れたプネウマに、璃奈は驚嘆する。璃奈自身、何処かで既視感を一瞬覚えたが、今目の前で繰り広げられる戦いに集中するために、その疑念は頭の片隅に置いた)』 」

ヒロ「……?どうしたんだ?(璃奈の様子を見て) 」

天王寺璃奈&ARe:N《 アレン 》『ううん…大丈夫!やろう、ヒロさん…!ベールちゃんの戦いを、本当の意味で終わりにするために!彼女を…救い出す為に…っ!!(アレンに再び背乗り、放ち出したレーザーで敵の攻撃を相殺していく)』

メディ「――――お任せを!「インジェクションバンカー」を申請!(その手に、注射器型の大型パイルバンカーを転送。トリガー部を握りしめ、勢いよく見を乗り出すと共に―――)――― 射 出 ッ ! ! !(  ド  グ  ゥ  オ  ン  ッ  !  ! )(引っ込む先端部の槍をもって、迫りくる紐の塊をその突貫で一掃していく) 」

巴マミ「 一気に決めさせて、もらうわよ!“パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ”!!!(ガジョンッ――――ズガガガガガガガッ!!!)(大量のマスケット銃を取り囲むように出現させ、それらを円卓のように高速回転しつつ広範囲に及ぶ銃撃で敵の物体を駆逐していく) 」

あなた「……――――――!(キーブレードを振るい、応戦する「あなた」。地上も空中も関係なく、まうように飛び上がって果敢に戦う様に、アスランには見覚えがあった。否…見覚えというよりも、それは目に見える形で朧げに浮かび上がってくる。「あなた」の姿に、「ストライクフリーダムガンダム」が重なったのだ――――) 」

アスラン・ザラ「―――――!?(「あなた」の姿に、『親友』の像が重なった。幼き頃から今もなお続く友情…時に殺し合い、ぶつかり合うこともあった。それでも、互いの本音をぶつけ合った先に、いつしか二人を肩を並べ世界を救うために戦いに身を投じる仲間となった。あの戦いを、忘れやしない。生きるために、戦うことを選んだあの日々を――――) 」


『 一緒に行こう、アスラン みんなで一緒に探せばいいよ、それもさ 』


アスラン・ザラ「――――――(―――なぁ、『キラ』… 俺はこの世界に…いや、この世界"で"迷い続けていた。なんで、こんなところに要るのか…どうして、ここまで来てしまったのか… 今でもその答えは漠然としていて、分かったようでいても理解できない )(瞑目の先に、今は傍に無き『親友』に"想い"を馳せる――― 」

ヒロ「おう!(ライトセイバー状の剣を構えて敵の物体を切り刻んでいく) 」


だけどな…それでも、"ある"んだ。ここで出会った「友達」が…「思い出」が…生きる「意味」が……


こんな、どうしようもなく混沌としているけどな… それでも… それでも…ッ… ―――――




アスラン・ザラ&あなた『   守りたい世界があるんだッ!! / ――――― ! !   ( キ ラ キ ラ  バ シ ュ ゥ ゥ ゥ ウ ウ ウ ン ッ ! ! ! )(アスランと「あなた」の瞳が繋がり、その瞳孔にて種《 SEED 》が同時に弾けた。『自由』と『正義』の調和が思わぬ形で蘇り、蒼と紅の光芒が交錯しながら比翼連理が如く舞い上がる。共に助走をつけ、力強く振り抜いた刃が、押し寄せる敵の片割れを斬り裂いた――――!)』

プネウマ / エースバーン『ラビー!合わせるよ! / おうっ、ばっちこいッ!! (二人同時に並走態勢に入ると、意気投合したアイコンタクトから姿が消失する。いや、もはや認識不可能なまでの超高速を発揮し、縦横無尽に劇場という舞台を巡り抜け、無尽蔵に勢力を拡大する紐物体を蹴散らしていく)』

ヴァルプルギスの檻「   ギ ギ ッ ―――― ギ ュ ゥ … ッ … ! (ここではじめて、「檻」に異変が発生する。今の今まで見せなかった挙動…上半身の女性が頭を抱えだしたのだ。思い通りに収束しない確率に急いているのだろうか。その真意は定かではないが、明らかに、「あなた」たちの行動そのものがなんらかの抑止力となっていたことを表していた―――) 」

ヴィヴィ「 【 星 】【 虚 】 二重属性:極偏並列接続。(右手に金の剣を成す杖、左手に深い葵の聖水剣。陰陽、二刀を双翼に従え、回転しながら衛星のようにヴィヴィの周囲を旋回。円陣を組むそれらが衝突し、そこから生じる光が柱となって天を穿つ) 創星・破滅 輪廻を……  成すッ!! (劇場に"黄昏の空"のテクスチャ―が上塗りされ、空から無数の光柱が雨のように劇団員へ降り注ぐ) 」

ベール「 黎明に告げる背反の喇叭、黄昏に淀む孤独の閑古鳥、白夜に俯く飢饉の月食 (「あなた」たちが前線で奮闘する最中、魔法使いの少女は自らの世界に没入するように、静かに詠唱を口ずさむ―――) 」

アストルフォ「効いてそうだね!!このまま一気に………押し切らないとね!さあ、まだまだ行くぞ!カリゴランテの剣!!(蛇腹剣の伸長を更に増し、紐物体が伸びた傍から一息に叩き切り続ける) 」

ギ ュ ポ … ッ … … ゴ ポ ッ … … ――――(魔女《ベール》の手の内に生み出た「黒」が、より濃く滲む――――) 」

ベール「 流転する蛇は尾を喰らい、水平線の狭間に赤い泪を落とせ  」


―――――――  ギ  ュ  ポ  ン  …  ッ  … ! !  (彼女の両手を染め上げる「黒」が、大きく弾け飛んだ――――)


ベール「――――――― “ 黒 く 歪 む 星 《 ブ ラ ッ ク ア ウ ト 》 ” ――――――― 」


――――   ギ     ュ゛     ボ     ォ゛     ァ゛     ―――― (魔女の手から弾け飛んだ「黒」が、劇場の舞台をその一色に染め上げる。舞台と同化した劇団員の下半身がまるごと漆黒に呑まれていく――――)


傀儡人形「 うろだるけ搏羽そこ度今らか檻の初仮のこは私とっき  」

傀儡人形「 にのなずはるれ還に庭箱、は私ばれすうそ  」

ヴァルプルギスの檻「  オ゛   ギ   ャ゛   ァ゛   ァ゛   ァ゛   ァ゛   ァ゛   ァ゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ア゛   ("確率の運命"そのものである下半身の紐物体を丸ごとすべて"黒"に染め上げられたことにより、その確率が「0」に消える。下半身を失い、もぬけの殻とも言える上半身が…半身を失った女性の影が絶叫を上げながら「あなた」たちへと転落していく――――) 」

天王寺璃奈「……ああすればよかった、あんなことをしなきゃよかった…そうやって、人はみんなたくさん後悔を積み重ねていく。ちょっとでも"奇跡"が起これば変わっていたのかもしれない…って。でもね、人生には近道も、正解もないと思う。遠回りをした分だけ、見えなかったものが…本当に自分が願っていたものに出会えるかもしれないんだって。 」

天王寺璃奈「みんなと冒険して、私は…そう感じたよ。一本道でも、その先が枝分かれ手になっていて、たくさんの選択をして、それが間違いだったとしても…――――― "前に進んでいることは間違いじゃない"から!

ヒロ「選択するときには何をするのが正しいのか、何をしたら後悔するかはわからない、ただ………(バットを構える)生きている以上は進むしかねーんだ!(ボンバーボールを連射する) 」

メディ「すべてのことにはあらゆる可能性があって、いつしかそのいずれかを辿ることになります。奇跡的な確率で幸せな未来を歩むこともあれば、転落した人生になるかもしれません。しかし、幸も不幸も、ひとはみな平等に与えられているのだと、私は思います。人は誰でも救われる可能性がいつか必ずやってくる。それを前にして振り返っていては、いつまでたっても、あなたはその"奇跡"に到達できないでしょう。(インジェクションバンカーを最大限まで引き抜き、突撃と共に爆発的な突貫を炸裂させた) 」

アストルフォ「……きっと、君も、生きたかった、幸福を祈っていたんだね。そんな君の悲しみを、怒りを、拭う事が出来るとするならば……今ここで、英雄として終わらせるのが、ボクなりの手向けだ ――――さあ、もう一仕事だ、カリゴランテの剣よ!!これが、手向けの一撃だ!どりゃぁぁぁぁぁっ!!!!(蛇腹剣を敢えて縮め……落下するヴァルプルギスの檻へと跳躍。そのまますれ違う様に斬撃を放つ) 」

巴マミ「"奇跡"というのはただの魔法じゃないのよ。希望を祈れば、それと同じ分の絶望がまき散らされる。そうやって差し引きをゼロにして、世の中のバランスは成り立っているの―――― “ティロ・フィナーレ” !!( ズ ッ ド ォ ォ ォ オ オ オ ン ッ ! ! ! )(背面に出現させた巨大大砲が怒号と共に火を噴き、劇団員へ最後の一撃を見舞った) 」

イワンコフ「“エンポリオ・顔面成長ホルモォ~~~~~~ン”!!!( グ サ ッ ! ! ! ! )(針のような鋭さを帯びた指先を光らせると、「ヒーハー!」と奇声を発しながらその鋭利な部位を自分の顔面に突き刺す。すると、ただでさえデカい頭部を更に巨大化する――――) あるボーイはヴァターシのことを「奇跡の人」だと言う。だけどねぇん…ヴァタシは他人にすがりついてるだけのバカを救えた事はない!貧困に倒れそうな国も、戦い敗れ死にそうな国も…ヴァターシはそいつらの生きる“気力”に問いかけただけ!! 」

イワンコフ「 "奇跡"は諦めない奴の頭上にしか降りて来ないッ!!!! "奇跡" ナメんじゃないよォッ!!!!!!( ド ン ッ ! ! ! ! ! ! ) “HEEEEEEEEEEEEEELL WINK (ヘェェェェェェエエエエエエエエエエエル・ヌゥウィンク)”ッッッッ!!!!!!! ( バ ッ チ ョ ー ー ン ッ ! ! ! ! !  )(巨大化した顔面から放たれるウィンクは、最大出力の爆風圧を巻き起こす) 」

ヴィヴィ「その嘆きを、その乾きを私は知っている。世界はいつだって不条理で、私達は苦しむために生まれていて…………。でも本当にそうなら、"絶望"を抱くことはできない。知らないものを失うことはできない。 だから……(杖を横に振り抜き、"捻る"動作をする。それに呼応し先端は鍵状に変形、光の粒子を纏い……)―――――あなたには、失って悲しめる幸福があったのだと覚えていて。(先端を向け、収束した粒子を一筋の閃光に収束し、劇団員の頭部へ穿つ) 」

アスランザラ「いいや、違うな…!"奇跡"に縋りつくことさえ諦めたお前に、本当の『自由』はやってこないッ!!翼が折れて飛び立てなくなった鳥でさえ、歩くことは諦めないッ!!俺たちはそうやって…「生きて」進み続けるんだッ!!!この――――― 馬鹿野郎ッ!!!!!(ファトゥム-01が最大出力で点火し、勢いよく発進。その助走をつけ、前のめりに殴るような態勢からサーベルで突き立てながら斬り伏した――――) 」

エースバーン「少しでも違っていれば、俺もお前も一緒だったかもしんねえ。だから俺は、自分が選んだ選択を、ずっとずっと大事にしてやりたい。これまでの自分を…「お前は間違ってなかったんだ」って褒めちぎってやるためにな…ッ!!!(業炎の右足を大きく振りかぶり、彗星が如く勢いよく飛び出し、蹴り抜く―――― かの嘆きを、その炎で浄化するために) 」

プネウマ「報われそうにない未来も、救われなかった過去も、そう思い込むのは現在(いま)の自分自身… あなたが今日まで生きてこられたのは、それこそ本当の"奇跡"なの。あなたはそんな"奇跡"に恵まれていたんだってことを、忘れないで―――――!(天の聖杯の、聖なる翡翠の輝きを灯した剣が、今…振り下ろされた。誰かの道を明るく照らし、斬り拓くために――――) 」

あなた「(そして、「あなた」は自らの"想い"を添えて、最後の行動に出る。キーブレードの持ち手を右手に、居合抜きの態勢へ。周囲に顕現された蒼炎と紅蓮が入り乱れた覇気が渦を巻く。刹那の最中、かつて歯車の島で出会った流離の旅人『 ユンフ 』の姿が重なり―――――) 」


――――――  “必殺剣・閃影”  ――――――


あなた「   ジ ャ ギ ィ゛ ――――― × ――――― ン ッ゛ ! ! !   (彼の魂魄(たましい)を、その"想い"を受け継いだ一太刀を…〆の一撃として、今、刻み込んだ――――――) 」

ベール「 ……知ってた?この世にはたくさんの『 貴女《 あたし 》』がいて、どいつもこいつもシケた面しながら後ろ歩きで前に進んでんの。ずっと過去に浸かっていたいし、考えたくもねえ未来に進むにはそれくらいがちょうどいいから。でもね……――――  」

ベール「 どんな『 貴女《 あたし 》』でも、愛すべき宝物はいつだって "たった一つ" だったの。そして生きる希望だった  」

ベール「 いろんな『 貴女《 あたし 》』がいるってのに、"それ"だけはまったく違わねえんだ 不思議だと思わない?  」

ベール「 何だったのか忘れたのなら、思い出させてやんよ…―――――(両手を突き出し、そこに回るように開かれた魔法陣が照準光のように、相対する劇団員――いつかの自分の成れの果て――に狙いを定めた) 」


――――― " 姉様…♪ " ―――――





ベール「      そ い つ を " 奇 跡 " っ て 言 う ん だ ぜ      (最後に解き放った『魔法』 それは彗星の光のように駆け抜けて、黒く覆われた『自分自身の劇場』に別れを告げた――――)」


ヴァルプルギスの檻「―――――(自らの選択を誤りだと思い込み続けてきた魔女が、彼女たちの言葉に救われたかのように静かに哭いた――――) 」




仮想(かそう)

事実でないことを仮にそう考えること。仮定しての想像







仮想の化身を退けた次の瞬間、世界は白い光に包まれる―――






― 空白の劇場 ―




あなた「―――――…… …… …… ! (光に覆われた劇場に、「あなた」はもう一度目覚めた)

ベール「―――――……ん……?(だが、そこには「あなた」以外にも初めてベールが誘われた)……あれ…れ……??何が起こってんの…?他のみんなは…?(自分二人以外誰もいなくなった劇場を見渡す。仲間も敵もいない伽藍洞な空間で茫然としていたが―――) 」

オスカー「――――― 「もしも」…と、人はもう一つの可能性を想い描くものです。(ベールが一度目にした空席の観客席。彼女が目を逸らした隙に、いつの間にかその青年は席に居座っていた) 」

ベール「――――――!(青年の声――どこかで聞き覚えのある――に勢いよく振り返り、驚愕に目を丸くする。いなかったはずの何者かがいたこと、そして…その人物が、『自分がよく知る誰か』にとてもよく似ていたが故に―――) 」

オスカー「私もその一人です。そして今でも想う。「もしも」あの時、ああしていれば…また違った未来はあったのか、と。しかし、たとえその未来を歩んでいたとしても、「その私」もまた同じ言葉を紡ぐはずです。結局人はみな、誰であろうと…それが幸福であろうと、今とは違う未来、その可能性を想像する。 」

オスカー「だからこそ、どんな未来であろうと「あなた」自身の望んだことであり、そして実現する。すべて違っていて、それらすべてが等しく愛おしい"想い"…――――― 「仮想」することは、遍く「あなた」自身のすべてを想い合うことなのだと、私は思います。 」

オスカー「……さて、旅には寄り道も回り道も付き物です。ですが、お陰で「あなた」は大切なものを救うことができた。これは私個人としても感謝を申し上げたい。本当に、ありがとうございます。(席を立ち、「あなた」に深くお辞儀する) 」

ベール「…………あんたは……(お辞儀を交わすオスカーに思うところがあるのか、何かを言いたげそうに口を開く) 」

オスカー「 お久しぶりです。大きくなりましたね。 (困惑する魔法使いの少女に、青年は朗らかな微笑みを送る。親が子に向けるような、暖かな眼差しを添えて―――) 」

あなた「……??(知り合いなのだろうか。ベールオスカーの両者の顔を交互に見やる) 」

ベール「………(嬉しさと後ろめたさを混ぜ込んだような複雑な表情を浮かべた自分の顔を隠すように帽子を深くかぶり直す仕草を取った) 」

オスカー「……ずっと気にかけていました。ですが…いつかは再会を果たす日が来ることを信じてやまなかったからこそ、私はずっと「ここ」で待ち続けていました。貴女の旅が実を結び、貴女自身もいよいよ飛び立つ時が来た。その門出を、祝うために。その旅路を、見送るために。 」

オスカー「ですが、貴女の願いや"想い"を食い破ろうとする「敵」が、これからもその道を阻もうとやってくる。立ち塞がる困難な壁とは、進めば進むほど高く、堅く、強くなっていく。その壁を越えられるものが、今の「あなた」たちにありますか? 」

ベール「……あたし一人にはないよ。でも…――― 」

ベール「 こんなあたしを信じてくれる「みんな」と一緒なら、なんだって越えられる……そんな気がするの (隣にいた「あなた」を横目に、フッとほくそ笑んだ) 」

あなた「……♪(ほくそ笑むベールに応えるように頷いた) 」

オスカー「……杞憂でしたね。ええ、きっと大丈夫です。「あなた」がたは"ここ"までやってきたのですから。 」

ベール「……あんたにどうしても聞きたかったことがある。 」

ベール「 あたしに『 この名前 』が付けられた意味って、なに?  」

オスカー「…それは本来、「覆い隠すもの」の意… ですが、別の捉え方もできます。 」

オスカー「 『 誰かを優しく包み込むもの 』―――― きっと、そう言う意味で「」は『 その字《 ベール 》 』を付けたのでしょう。そして貴女自身はその名の通り、家族を…友を…名も知らぬ誰かでさえも、そう接してきた。おそらく「彼」もそれを知って喜んでいるはずですよ。(あたかも他人事のように悪戯っぽく微笑みながら、青年はそう応えた) 」

ベール「……そう……―――――― 」


" ずっと、ここにいたい。ここで、みんなと楽しく暮らしたい "


" 『 ベール・ティルク・カオス 』 ――――― 今日から貴女は、私の「娘」です "


ベール「―――――……ちょっとだけ、『 この名前 』が好きになった気がするよ。(誰かの胸の内を開けられたような気がする。そういうことだったのかと納得した少女は、すべてが吹っ切れたように鼻で笑った) 」

オスカー「どんな世界にいたとしても、「あなた」は、「あなた」です。その"想い"を忘れないでいてあげてください。 」

ベール「……うん、そうする。それが、「あの人」に報いるっことなんだろうし。 」

オスカー「フッ……さあ、もうすぐです。「あなた」たちの旅が終わりを迎えるのか、或いは… その選択を、私はここで見守り続けていますから――――― 」


金髪の青年が指を鳴らしたその時、舞台はホワイトアウトする―――







賢者の石」を巡る魔法の国の大騒動は、遥か昔から続くその因縁すらも含めて、幕を閉じた。
深い傷を負った王国だったが、災厄の魔女から解放された双子の王によって王国の復権がはじまり、マ
ジルカは誰もが夢見て憧れる「魔法の国」を目指すために、ここから立ち上がることとなった―――


警視庁及び政府関係者もまた、一連の騒動の反省からこの復権活動に全面協力することを声明発表。
数十年前から続いていた事件の真相が白日の下に晒されることとなり、
『ベール・ティルチャオス』は"被害者"としてその無実が言い渡され、魔女裁判にかけられることはなくなった―――


災厄の魔女の陰謀によって地下に追いやられていたニューカマーたちも、双子の王との契りを取り戻したことで地上へと躍り出た。
奇抜な彼・彼女たちに住民たちは驚愕するが、それが当たり前の日常となっていくことに日はかからなかった―――


そして…事件解決から数日が経った、現在――――


イワンコフ「―――― シロルとクロルに会ったんだってねぇん?(首都マジルカ。その王都が一望できる高台で景色を一望しながら誰かと会話を交わしている) 」

ベール「まあねん。まあ…あたしにとっては実質"初めての顔合わせ"になったけど。めちゃくちゃ謝罪されたけど、あの人たちには罪はないわけだし。だって……あの時、『あたしたち』を拾ってくれた時には、もう…… 」

イワンコフ「……悪かったわね、嫌なことを思い出させちゃって。 」

ベール「(「いいんだ」と首を振る)……もう終わったことでしょ。それに、あんたたちもシャバに出られてヒャッハー!ってなってるでしょ?よかったじゃん。世はまさに、大オカマ時代!ドン!(※セルフ音)じゃん! 」

イワンコフ「長い牢獄に囚われていたような感覚だったわ…まっ、ヴァターシには慣れっこだったけどもぉ~ん!ヒーーーハーーーー! ………これもすべて、ヴァナータたちのお陰よん。礼を言うわ、魔女ガール。 」

ベール「よせやい。それなら後で「あの子」たちに言ったげて。あたしはたまたま帰ってきただけなんだから。 …んまっ…帰省早々家族で大喧嘩って、よくドラマであるような感じだったけどね。めちゃくちゃ死にかけたけど。 」

イワンコフ「…でも、ヴァナータは生きている。それは、"奇跡"なことだッシブル! 」

ベール「……"奇跡"、か…――――― 」


君は、"奇跡"というものがあるって信じてる?
あたしはすっかり信じ疲れちゃって、そんなものはとっくに路傍の地蔵に酒を添えてくれてやったよ。
…でもひょっとすると、あるかもしれないよ。
この世のすべては偶然にも必然にもなり得る現金な奴だからねえ。
まっ、あたしゃぬるま湯くらいなのがちょうどいいけど…――― 「君」はどうかな?


ベール「――――――………(いつか月の都での戦いの中で「あなた」に問うた自身の言葉が思い出される。いつかから信じなくなって、それでも心の何処かで微かに希って、だが最後には裏切ってくれなかったものだった。「そんなもの」が自分にもあるのだとしたら、存外…これからを生きていくのも悪い気はしないなと、満更でもなさそうに鼻で笑った) 」

イワンコフ「さて…国はもうヴァナータを忌避することはないわ。ヴァナタの故郷ならば、ここで障害を暮らすのも良いものよ。誰もヴァナータの「賢者の石」を奪うことはなッシブル。これから、穏やかな日常が約束されているわん。 」

ベール「平穏ね……そうね…もう少し感傷に浸り気持ちもなくはないわ。でも……――――― 」


" 生きて。生きて、生き続けて。私の分まで。私の命は、姉様と一緒にあるから "


本当に、わがままな妹だよ。……あたしはしぶてぇぞ?


うん、知ってるよ。だからきっと、とんでもなく遠いところまで行ってしまうかもね。そんな最果てまで、連れてってくれるんでしょ?


あったりめーだ。お姉ちゃんに任せろ。


楽しみにしているよ。私の…憧れの――――――


ベール「――――……それでも、あたしは行くよ。この「石」はもう使わない。誰も知らないどこか遠くに連れていく。『あたしたち』はいつでも、いつまでも一緒だから。それが…『あの娘』の"希望"だから。それが…あの娘の心を救うことだから…(天を仰ぐ。あの時と変わらない青空が、今も広がっている。永遠の別れを経て涙を流したあの頃とは違い、久遠の共存を約束した笑顔を零した) 」

イワンコフ「……それは、素敵なことねぇん…♪(ふふふと微笑ましそうに不敵な笑みを零した)それにしても…ヴァナータのことを見ているとなんだか懐かしい気分になるわねえ…?そう…昔盃を交わした同胞に、なんとなく…雰囲気が似ているのよ。気のせいかしらねぇ? 」

ベール「は???あたしにそっくりなオカマでもいんの?????? 」

イワンコフ「フフフ…風の噂で消息不明とは聞いたけれど、『あの人』は間違いなく今もどこかで息を潜めていることでしょうねぇ。昔は『彼』の祖国へよく顔を出したものよん。東の国の、ある小さな王国…忘れはしないわ、あのハチャメチャな"カオス"な日々を。その中心にはいつだって、『彼』がいた…! 」

イワンコフ「 混沌世界の神《 カオスマスター 》―――――― 『 ヴィナミス 』!!!   」

ベール「ああ…あたしの父ちゃんか… 」

イワンコフ「そう…ヴァナータの父ちゃんはいつだって住民たちの注目の的だったわぁん… あの圧倒的カリスマ性に、かつてのヴァターシも惹かれたものよん。ニューカマーの素晴らしさにも逸早く気付いた彼の推察眼は確かなものだったわ!時は進み、あの頃の"カオス"はあまり目にしなくなった…それでも、時代の風向きが変わろうとも…!『ヴィナミス』はきっと信じてくれているわ!ヴァターシたちがその先の時代を紡いでくれることを…!!!(ドン!!!!) 」

イワンコフ「…… …… …… 」

イワンコフ「?????????????????????????????????????????? 」

イワンコフ「 と と と ッ 父ちゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!?!?!?!?!?!?!?!?(ズンガラガッシャーーーーン!!!!!!!!!)(仰天のあまり自ら壁にめり込んでいく) 」

イワンコフ「ヴァヴァヴァヴァ…ヴァカおっしゃい!!!!!ヴィナミスが!!?ヴァナータの?!!父ちゃん!?!?!?!? 」

ベール「んあー……これ言っちゃマズいんだっけか……( ポリポリ… ) まあいいや、あん時いた住人には結構知れ渡っちゃってたし…… 」

イワンコフ「……!まさか……いや、もしや……ヴァナータ、名は確か『ベール・ティルチャオス』だったわよね…?その名前って…… 」

ベール「 本名は「 エルメラ・エスポワール 」。だけど、「そいつ」はもう昔に死んじゃった。今あるのはその名前。本当の名は…―――『 ベール・ティルク・カオス 』。いろいろ名乗ると多方面で面倒なことになるから捩ってるだけ。 」

イワンコフ「……!!(『 ティルク 』―――間違いない、ヴィナミスの性…!その名を知っているということは… 嘘をついているとも思えない…なにより、今回の一件で見せたあの"奇跡"…!何度瀕死に追いやられても起き上がった…!「賢者の石」の力も借りず、自分自身の力で…その意思だけで…立ち上がってみせた…!そんな"奇跡"を引き起こしてみせたというのなら……―――――) 」

イワンコフ「……フ……フフフ……ッ…!!ほんっと、ヴァナータには何度も驚かされてばかりよ…。なら、ヴァターシも一つだけ教えておいてあげようかしら。ヴァナータが本当に『ヴィナミス』の娘だというのなら、忘れないでほしいことがあッシブル! 」




イワンコフ「  "ヴァナータたちがこの世界を駆け巡った時、いつか必ず『来るべき迎え』はやってくるッ!!!"   」

ベール「……?どったの急に…?それが、なんだっての……??(イワンコフが言い放ったその言葉の真意が掴めず、何度も首を傾げる) 」

イワンコフ「今は何も知らなくていいわん。"今は"、ね…――――(オカマの王はただ静かにほくそ笑む) 」



ニッキー「はぁいみんな、バスガイドのニッキーだよ~♪ マジルカの楽しいツアーも今日で最終日!もうすぐ出発のお時間なので、みなさんバスへ乗ってくださいね~! 」

ちゃちゃまる「うおー!せっかくの旅行だったのにカイホウエクササイズとかいう訳の分からない運動させられて散々だったぞー!( ぴ え ん ) 」

泉研「ちぇー!一人くらいは美人なお姉さんを連れて帰りたかったのに!なのにムーンと来たらお持ち帰りしやがって!イケメン罪で抹殺してやるZO! 」

いかりや長介「(けん坊の頭を一斗缶で叩く)マセたことするのはやめなさい!! 」

首領パッチ「ムーンのくせに生意気だぞ!こうなりゃあアイツだけ置いて俺たちだけで帰ろうぜ! 」

ペニーワイズ「ついでにちゃちゃまるも置き土産にマジルカへ置いていくか 」

魚雷ガール「あんたたちふざけすぎー!!!!(どっかあああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!)(三馬鹿どもに突撃して盛大に爆破する)どんなおふざけも許さない!!何故なら私は魚雷だから!!!!!!!(ドン!!!!!!!!!)ねっ❤ダーリン❤(ムーンの足にすりすり寄っていく) 」

いかりや長介「(パッチとワイズの頭を一斗缶で叩く)かわいそうだからやらないの!! 」

夜神ムーン「あ、あぁ……そ、そうだな……(滝のような汗) 」

グリード「へっ…こいつぁ、とんでもねえ女を持ち帰ってしまったようだなァ…?(ムーンの精神の中でケラケラ笑っている) 」

アスラン・ザラ「(あれを女としてカウントしていいもんなのか…と呆れている) 」

アスラン・ザラ「………しかし、本当にあっという間の旅行だった…観光らしい観光と言えば最後の1~2時間くらいだったが…―――(ここで、「あなた」たちと共にしたマジルカでの共闘が脳裏に過る)……案外、悪い気はしなかった。むしろ、胸の中にできたとっかかりみたいなものが晴れたような気分だ。俺個人としては、今回のツアー旅行はいい思い出になった。 」


―――――― それならよかった (青年の声がアスランの脳内に木霊する。それと同時に、世界に流れる時間のすべてが停止したように静寂に包まれた)


アスラン・ザラ「……!この感じ…… いや、もしかすると最初から薄々感じていたのかもしれないが…まさか―――― 」

渚カヲル「―――― そう、ボクさ。久しぶりだね、「アスラン・ザラ」 (静止した時の中に、青年は足音一つ立てずそこに現れた)……束の間の「旅」は楽しんでくれたかな?その顔を見れば、どうやら満足してくれたみたいで良かったよ。 」

アスラン・ザラ「……「カヲル」……(「あやはりお前だったか」とすべてを悟ったような眼差しで謎の青年と向き合った)……これもお前の…いや…『お前たち』の仕組んだことなのか? 」

渚カヲル「さあ、どうだろう?でも肝心なことはそんなことじゃないはずさ。キミは…「あの子」と出会い、感じたんだろう?この世界にキミがいる意味を…これからも居続ける意味を… 」

アスラン・ザラ「………―――――― 」


だけどな…それでも、"ある"んだ。ここで出会った「友達」が…「思い出」が…生きる「意味」が……
こんな、どうしようもなく混沌としているけどな…


それでも… それでも…ッ… ―――――――


" 守りたい世界があるんだッ!! / ――――― ! ! "


アスラン・ザラ「―――――……数奇な「運命」だった。たとえ、"そうなるようにできている"世界だとしても…俺は…「あの子」のような……純粋な"自由"の意思を持ってこれからを生きたい。それが…あいつの…「キラ」の"想い"を…俺自身の"想い"を忘れずにいられんだと…そう、信じたくなった。(青空を見上げる。静止した世界では雲も風も止まったままだ。しかし、それでも、ほんの少しずつ動いているような気がした。何かに遮られることのない"自由"が、そこにあるのだと心の中で信じて―――) 」

渚カヲル「……もう、迷いも寂しさも拭い去れたみたいだね。(何処か誇らしげな笑みをひとつ浮かべると、アスランへ一通の手紙のようなものを手渡した) 『 招待状 』さ。ここから近い…『大きな音楽祭』への特別席。キミはまだ、「あの子」に貰ったものを返し足りないのだろう?ならきっと、今度は上手くいくはずさ。キミ自身の"想い"を添えて…一つの音色にして、「あの子」たちの旅路を見届けてやってくれ。 」





渚カヲル「 さぁ、また新しい旅路の時だ。この混沌とした世界で、キミたちのいる意味を…これからも見せてくれ  」


謎の青年の消失と共に、世界が息を吹き返す――――


アスラン・ザラ「―――――…………!(気が付けば、そよ風が吹きつける中で「招待状」を手にしたまま呆然と立っていた)………俺たちがこの世界にいる意味を、か……(青年は目を瞑り、これまでの世界を思い返し、そして…これから歩む世界のことを想像する。きっと、見たことも聞いたこともない何かが、自分たちを待っている。興奮と期待を寄せた"想い"は、自分自身への「生きる」意味を際立たせるものとなる――――) 」

アスラン・ザラ「……ペニーワイズ、パッチ、研、ムーン…突然なんだが、旅行の仕切り直しとして次の国へ行ってみないか?とある知り合いから「いいところ」を勧められたんだが――――(『招待状』を手に、青年は歩み寄る。いつか、自らの"想い"を大切な誰かに届ける為に――――) 」





ベール「―――――(諸々の後始末を終えてきたのか、何処か清々しい表情でマジルカの正面出入口付近にある大広間まで歩いてきた) 」

天王寺璃奈「あっ…ベールちゃん…♪〖*╹▿╹*〗(ベールが来るのを待っていたのか、既に出発の準備を終えた「あなた」たちが手を振って彼女を出迎えた) 」

ベール「……!あんたら……もうとっくに国を出ちゃったのかと思ったのに…まだ、いたんだ…(心底驚いたように目を何度もぱちくりさせた) 」

メディ「ずっとお待ちしておりましたよ。ベール様には過去に何度も助けていただいた御恩もありますので。 」

ヒカリ(精神世界)&ホムラ『ふん…!言っとくけど、私はまだ学園での一件を許したわけじゃないんだからね…!(と、ホムラの精神世界の中でそっぽを向いている) あはは……ヒカリちゃんはこう言っているけど、本当はベールちゃんのことを私以上に気にかけていて、ずっと心配していたんですよ…?(苦笑交じりに弁解する)』

エースバーン「もう「お別れ」は済んだのか? 」

薬師寺九龍「おうお前ら(ベールの背後から数秒遅れて現れる。頭に包帯を巻き、今も痛そうにする中、「あなた」たちに近寄る)お前らだろ。今回の事件で、かぁなぁり活躍したってのは(それぞれを指さしながらヘラヘラ笑う)おうおう、そう身構えんな。別にワッパかけようとかそんなんじゃねえよ。(そう言いながら缶ビールをカシュっと開けて飲む) 」

ベール「………(こんな自分の為に「あなた」たちは、本来ならば最後の最後まで自分一人だけの戦いに身をなげうってくれた。感謝なら寧ろこちらがしたいくらいだが、今まで向けられたことのないリアルな優しさを前に、思わず口を噤んでしまった)………ん、ああ……まあね…。王様にも、オカマたちにも、警察共にも……あとは、『妹』にも、ね。もうこの故郷《 くに 》に未練はないよ。綺麗さっぱりに、穏やかな気持ちで…旅立てる。(胸に手を当てながら、本当に穏やかな表情を浮かべて口元を緩めた) 」

ボン・クレー「もうお別れの時間、寂しくなるわねぇぇ~~ん…でぇも!悲しむじゃないわよぉぉ~~~~ん!旅に別れはつきもの…でも、これだけは忘れないで。「友情」って奴は…付き合った時間とは関係ナッシ~~~~~~ング!!!が~~~~~はっはっはっはっ!!!(バレリーナダンスをしながら駆けつけてくる) 」

凰蓮・ピエール・アルフォンゾ「またいつでも遊びにらっしゃい。その時はアテクシとっておきのスペシャルデザートを振舞ってあげるわぁ~ん♪ 」

あなた「……♪(迷いも憂いもないベールの表情に、「あなた」は安心したように頷いてみせた)……!(そこへ、次々と駆け寄ってくるオカマたちや警察官たちに気づいた) 」

ドーナツ屋店長「お腹が空いたら、ドーナツでも食べて♪そしてアタシたちのことを思い出してね!これ、サービスしちゃうから♪(そういうと璃奈に、大量のドーナツが入った紙袋を手土産として差し出した) 」

ベール「サツが真っ昼間からビール飲んでるたーけしからん。カ〇ジの大槻みてぇなことしやがって(九龍を見て) うおっなによあんたらさっき別れたばっかでしょ!しつこいんだからも~~~~~(だが、まんざらでもなさそうな顔でオカマたちと向き合った) 」

ブリジット「ウチもそろそろまた旅に出ようかな……ここに来たのは偶然だったけど、皆さんを見てるとあちこちに行くのは良いなって思います 」

アストルフォ「色々話したいことはあるけれど、まずは皆の旅立ちを祝わないとね!!色んな事があったけど、こうして皆を見送れるのもボク達が勝ち得た物なんだし! ……元気でね 」

薬師寺九龍「へ、うるせぇ。もともと俺ぁ生活安全課の刑事だ。ホントならこんな案件に関わることすらなかったんだ。だのによぉ…………おっといけね。愚痴を言いに来たんじゃあなかったんだ。────『これ』、うちの氷川誠って警部補がお前らにってよ(そう言ってひょいとそれを投げる)ありゃ(しかし力加減を誤ったか「あなた」の頭上を通り過ぎ天王寺璃奈の手元へ) 」

ウェルド「まあ、今回の一件は警察組織他、多くの公僕が出し抜かれた結果でもありますから……この期に及んで手錠を掛けようなんて、恥の上塗りは出来ませんからね……(警察官たちを手で制止しながら面々の前に現れ) 」

天王寺璃奈「ドーナツ屋さん…♪こんなにたくさんのドーナツを、ありがとう…♪〖* >▿< *〗(ドーナツ入りの紙袋を受け取るが―――) わっ!? (ちょうど、紙袋の中へ九龍の手から離れた「何か」がちょうどすっぽり入り込んだ)……なにこれ……?(紙袋の中へ入った「それ」を手に取る) 」

天王寺璃奈の元へ渡されたそれは、掌におさまるほどの『時計型』の装置だった。それには氷川誠が身に着けていた「G3-X」の顔が描かれている。すなわち────『G3-Xライドウォッチ』 」

北條透「ええ…しかし…――――(ここで、改めてベールをはじめとする「あなた」たちを見渡してみる)……なんて若いことでしょう。彼女たちのような少年少女が笑顔で迎えられる明日を、我々は築いていこうではありませんか。上辺だけや建前だけの正義ではなく…彼女のように偽悪を演じることになろうとも、本当の「正義」で人々を助けるために…(ウェルドをはじめとする警察官たち、そして他ならぬ自分自身への戒めも込めて、静かにそう呟いた) 」

薬師寺九龍「おっほ、さすが俺。バスケならスリーポイントだ。────それがなんなのかは知らねぇ。でも、あの堅物で不器用なおりこーさんがよぉ、お前らにそれを『託す』ってことは、なにかしろ意味があるんだろ? ま、せいぜい使いこなしてみろ。(ぐびぐび) 」

天王寺璃奈「……!これ、何処かで見覚えが……? 」

メディ「それは、「ライドウォッチ」ですね。或人社長が残したアーカイブに保存されていたものです。詳細は…そうですね、また後程にしておきましょう。(璃奈が手に持つそれに一瞥を与える) 」

ウェルド「(渡されたものがG3-Xだと知ると、流石に怪訝な表情を浮かべ)………それを渡しますか、まあ………(流石に、いや……水を差すのも良くないな……) ………まあ、その通りです。少年少女が、子供達が笑って過ごす日の為、働き戦うのが我々の使命であり、僕の準じる正義ですから 」




巴マミ「……貴女自身の物語は終わったかもしれない。だけど、今度は「あの子」たちと一緒に、「あなたたち」の物語を描くとき。かつてあった過去も、これからあるかもしれない未来も、すべて等しく受け入れて、歩んでいくのよ。何度も泣いたり笑ったりしながら……そして振り返った時、「これでよかった」と満足できたのなら、「あなたたち」の旅は、きっと…―――――(「あなた」たちに対する独白を零し、魔法使いの少女は母性的な笑みを零しながら人混みの雑踏へ紛れるように踵を返した―――) 」

ヴィヴィ「おやおや、もう出発ですか(小柄な体に対して分厚く張り詰めたナップサックを背負い、左右に上体を揺らしながら) 税金どr……ええ、公式な謝罪はむしり取りました?それは結構、公に面倒な目に合わされたんですから保証は弾まないと釣り合いませんもの(言葉の節々に毒を含ませつつ口橋を釣り上げ) 行き先は決まってるんです?風の噂で効いた程度なんですけど、この数日の間でマジルカの外も情勢が動いてますからね。るーとによってはまーた面倒事に巻き込まれちゃいますよ 」

ヒロ「……なんであのおっさんがあんなものを…? 」

イワンコフ「この出会いもまた"奇跡"…ここにいる全員がこうして一堂に会することはないかもしれナッシブル。けど…もしもまた、再会できるようなことがあれば…ヴァターシはそれを"奇跡"と呼ぶわ!!ヒィーーーーーーーハァーーーーーーー!!!!!!さあ、お行きなさい!!!「ヴァナータたち」の旅路をここから見送ッチャブル!!!! 」

ウェルド「おっと、耳が早いですね。確かにこの近辺だと……(……いや、この際首を突っ込んでもらうのも悪くないか……)……きっと、良い所ですよ。それでは、良い旅を 」

ベール「……みんなにはほんと、世話になったよ。今までほんとに……ありがとね……(帽子の唾をぐいっと引き寄せ、溢れそうになる感情が素顔に現れないようにその影で覆う) あんたたちのことは、生涯忘れないわ…またどこかで会ったのなら、そん時は――――(寂しさをぐっと堪えるように、魔女は帽子の内側で笑顔を取り繕うが―――) 」

天王寺璃奈「 じゃあ、行こうか――――― ベールちゃん♪〖* >▿< *〗 (いつのまにか、「あなた」たちはメディカル号に乗り込んでいた。だが、そのみんなが…ベールただ一人に視線を集中させていた。まるで彼女を待っているかのように―――) 」

ベール「   ふぇ?    」

メディ「ええ、いつでも出発する準備はできておりますよ。ベール様のお席も確保しておりますれば。(運転席で笑顔を表現しつつハンドルを握っている) 」

ベール「    は…?     」

エースバーン「なんだよ、なぁ~にボサっとしてんだ。早く乗れって。(車の窓から顔を出してニシシと笑う) 」

ベール「  え、あ……え…っ…? (さっきから何を言っているんだ?と、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で唖然としている) 」

ホムラ「 だって私たち…――――――― もう 『 仲間 』 じゃありませんか♪  」

ベール「……『仲間』……? 」

ヒロ「 俺たちは、君を心から歓迎する。行こうぜ、俺たちと…!  」

ベール「……一緒…に……? 」

あなた「 ……♪ (「さあ、行こう!」――― そう語り掛けるように「あなた」は車の窓から上半身を出し、その手を勢い良くベールへと突き出していた) 」

ベール「………―――――――― 」


だけど……そんな世界で、出会っちまったんだ。『 愛すべき大バカ野郎たち 』と、さ


あいつらは忘れようとしなかった。忘れてしまったのなら、取り戻すために前に進むことも躊躇わない。
後ろ歩きで未来を進もうとしていたあたしを振り向かせてくれた


ほんっとバカ。大バカだよ。だけど……あたしゃそういうバカが愛おしく大好きなんだ。そいつらがいるこの世界のことも、きっと


ベール → エルメラ「―――――――――――― 」


" 生きて。生きて、生き続けて。私の分まで。私の命は、姉様と一緒にあるから "


" ここが住処です! "


エルメラ → ベール「―――――――― ふ っ ♪  (幼き日の自分と、今の自分が、同時に笑った。二人の少女はひとつに重なり、新しい「自分」となる―――) 」

ベール「  あたしの特等席はあるんだろうなあ!!  (そう言うと勢いよく身を乗り出して、メディカル号の上へと跳び乗った) 」


ブ ロ ロ ロ ロ … ッ … ―――――― ! (魔法使いを乗せた車は、ついに発進する。エメラルドグリーンに輝く、"奇跡"に塗れた、魔法の国から――――――)


北條透「    敬  礼  ッ  !  !  !    」


  ザ  ッ  !  !  !  !  !  (北條、ウェルドをはじめとするすべての警察官たちが、旅立つ車へその祈りを込めた敬礼を送る――――)



ベール「――――――――(走り出したメディカル号の上で帽子を片手で押さえつけながら胡坐をかき、その清々しい向かい風を肌身に感じる。だが、その風の流れに乗るように…ふと、振り返る。まるで、誰かに呼ばれたような気がしたから――――) 」




―――――――――― 「  これでいいのか?  」 ――――――――――








ベール「―――――――――――――――― 」













ベール「          " これがいいんだ "           」









ありえたかもしれない未来の数だけ、歩む先は無限に広がっていく


時に「仮想」しながらも、後悔を思い出に変えながら今日も生き続ける


そんな人生を称えるように、ある人はこう言った


それを――――――――――
























 第7章 " それを奇跡という " 







































ヴィヴィ「―――――――("あなた"達を見送り、ナップサックを背負って地平まで続く平坦なそれを征く。視線はただ前に、瞬きを忘れたかのように乾いたそれは、土塊に刻む足跡に目もくれず、ひたすら前へ) 」

ヴィヴィ「――――――(一瞬、何を躊躇ったのか足を止める。振り返れば既に遠く、豆粒のように小さく霞んでいるが確かにそこにあった"Y字路"が見えた。 過ぎ去った分岐点に眉をひそめ、目を細め項垂れる。 コートのポケットの内にある僅かな熱源、"灼赤の石"を手に取り、それを掌で弾ませた。 多角の鏡面に、魔法の国で垣間見た様々な奇跡の記憶。確かにそこに起きた、それを思い返すと) 」

ヴィヴィ「――――どうか、世界があなたを忘れませんように。おやすみなさい、『シントリー』……そして、よい旅を。箒星へ彼女が追いつくその時こそ、どうか笑いあえますように。 (既に"呼び慣れた人物"の名を囁き、瞼を閉じた)………。ザリ(刹那の迷いも憂いも絶ち、目線を前に再び歩みだす。 このどこまでも済んだ青空の下を―――――) 」


ジ ジ このどこまでも■んだ■■の下を―――――  ジ ジ  ジ


ジッ  このどこまでも果てがない、黄昏が見下ろす境界を目指して。  ……


その男は『境界の中心に初めから立っていた』。
『初めから彼女の訪れを予知していたかのように、ヴィヴィの方向を向いて佇んでいた』
『初めとはいつなのか、 何故初めという単語が想起されるのか不思議だがその男は『初めからそこに存在した』


言峰綺礼「(後ろ手を組み、瞳を閉ざし佇んでいた神父は巡礼者の足音に気付くと、微笑みを称え、右腕を広げ声を発した)―――――"おはよう/こんばんは"、旅の者。いや……その呼び名は適切ではないか。 (首に下げたロザリオ、黒の礼服、この世の辛苦を窘め、既に飽いたかのような底の見えない深い黒の瞳。神父は穏やかに、しかし友好的に声を弾ませ彼らへ訪ねた) 」

言峰綺礼「 『星追い人』よ。 『箒星の先を行き、運命を拒む開拓者の道』を選んだ末、結局回り回ってここへ訪れたとは。 その様子では、君は『箒星を撃ち落とす』事を諦めたのかね?  」

ヴィヴィ「(眉を潜め、眉間に深いシワを刻み不快感を顕にするも驚愕はない。既に見知った人物との邂逅であり、こういった事象に慣れ親しんでいるのだろう)―――――ええ、チャンスさえあれば『彼/彼女(あなた)』を木っ端微塵にふっ飛ばすことも試そうかと思いました。例えばそう…… 」


(回想)[[ヴィヴィ]]「 ス―――――(開口一番魔術による砲撃を行おうとしていたのか、先端に熱が赤く燻る杖を向け佇んでいた)
っっとぅわ[[メディ]]さん!? っぶねー……てっきり一人ずつ孤立させて始末するスタイルだと思ってた……
敵より先に合流するだなんてね……(胸を撫で下ろし脱力する) 」


ヴィヴィ「―――――あの城内の迷路。もう少し自由が効けば一人一人、仲間を順番に無力化して混乱に乗じて『彼/彼女』を存在しなかったことにする。 そうすることで、この"境界"にシフトしている私の終着点が変わるか試す価値はあった。(持て余したペンをくるくる回転させて弄び、目を伏せ毒づく)………なーんて、やっちゃうと思った?"確実に"私の行く先が変わるならそうしたかもね、けどエセ神父の胡散臭い説法のために人 殺しのリスクを犯すと思う?だいいち、勝てないし 」

言峰綺礼「さて、私が選択を持ちかけるのは"どちらを選ぶか回目検討もつかないか、双方の可能性が等しい故に予想がつかないから"だ。君がどうするかなど、アテがあったわけではないのでね。ただ―――――(鼻を鳴らし、肩をすくめ失笑していた。しかし談笑も束の間、組んでいた腕を解き、掌を沈みかけの横たえる暁へ向ける)―――――可能性の大小はさておき、君は機会を放棄した。それによって良くも悪くも変数はなく、君は"既定路線"を進むことになるだろう。 この旅で収穫を得られないとは、そういうことだ。 」

ヴィヴィ「ところがそうでもないんだな。(得意げに悪人めいた笑みを浮かべ、掌で赤い石を弾ませる)――――無の中に有が存在することは現状不可能。それは、彼女が"既にレールがない運命に、続きがあると証明できなかった"ように。 けれど、そこに"何か"があれば、それに対し"設定"を付与し、『物語<セカイ>』を欺くことができる。 私は、この旅でそれを証明した 」

言峰綺礼「―――――『賢者の石』 なるほど、オリジナルの情報さえあれば『石』という共通点を持つ鉱物にその設定を付与できる。人は『無限』を証明する術を持たない。それが尽きて初めて『有限』であることを証明できるが、それに到達しない限りは『無限である可能性』を否定できない。 『シュレーディンガー方程式』を応用した詭弁だが、効果は見ての通りか。 君は、ただの石ころに『想像し得る限りの膨大な魔力』の情報を書き込み、それが『賢者の石である』と世界へ欺ことで、本来創造し得ないはずの伝説を新生させた。 」

言峰綺礼「―――――フッ 一杯食わされたな。魔法の国を訪れたのは、元々『不確定要素を確定要素』に固定し世界を欺く『魔法』が実現できるか、そのテストだったわけだ。 その『魔法使い』の入れ知恵だな? 」

エリアス「ヒョコー(ヴィヴィの頭部の後ろから、ケージに囚われた青白く発光するアゲハ蝶が顔を覗かせる。 軽快な青年の声を弾ませ、笑いに合わせ羽の輝きを点滅させた) はっはっは。ちなみに半分が成功、半分が失敗だ。 "不確かな存在を『存在しない』と確定付けることで、世界から消滅させる魔法"……つまり『観測者殺し』は上手くいかなかった。ここに君がいて、おそらくお茶会があるのであろうことがその証拠ってワケ 」

ヴィヴィ「私は素直じゃないもんですので、そこなチョーチョヤローの言うことも、あなたの言うこともそのまま受け取りません。自分なりに解釈して、自分なりに堕ちるべきところに落ち着きます。(手をひらりと返し、手品のように"賢者の石"を消滅させる。) ―――――さて、代価は支払いましたよ。それとも……今度は何を選ばせる気です? 」

言峰綺礼「(目を伏せ、両腕を広げる。双方ともに指し示すのは、朝焼けか、黄昏か、いずれにせよ不確かな道) 『忘却の安寧』か『終焉による記録』……。どちらを選んだとて、君に喪失はない。君の行く先は決まっている。 」

ヴィヴィ「………――――――――(迫られる二択。普段の彼女であれば、どちらかを選んだだろう。 だが――――)――――――(思い浮かぶのは、それぞれが意図のように細い可能性を手繰り寄せ"奇跡"を勝ち取った者達の姿。 柄にもなく"勇気づけられた"彼女は、自身の凝りなさにうんざりし空を仰ぎ見ながらため息をこぼし)………(神父と肩透かしにすれ違い、"分かれ道の間"、"道なき道"を歩み始める) 」

言峰綺礼「――――――虚無の道。狭間にあって道にあらず、しかして場所にあらず。全てが不確かな、己の魂のみを寄る辺とする煉獄の歩みか。  」

ヴィヴィ「………――――――――いいえ(一瞬だけ神父へ振り返る。もはや神への祈りは必要ない、彼女はもう、迷える子羊ではないのだから。 それを物語る笑顔で、平然と言い放つ) 」


―― 黎明の道ですよ ――




某国、某所 ────前線基地(イドフロント)より


秘書「……と、いうわけであります。現在新薬の効果は全体の98パーセントほど。1パーセントは未だ意識不明、そしてもう1パーセントは……。 」

シラキ「ふむ、死亡か(秘書から手渡されたデータを眺めながらコーヒーをひとすすり)…死体から得られたデータをまとめておけ。そして『Aの17』から『Cの43』までのベッドをすぐに開けろ。違うアプローチをかけてみる。 」

秘書「…その子たちはどうなさいます? 」

シラキ「使えそうな部位は使え。特に脳は大事に扱うように。おお、そうだ。別の創薬とメカニックの各社がデータを欲しがっていたな。そっちに割り当てろ。それぞれの部署になるべく均等に割り振れるようにあの子たちを運べ。 」

秘書「かしこまりました。…………そういえば、ここ最近、卿の姿をお見掛けしませんが。……彼のサインが必要な書類がこれからの案件で出てきますので………… 」

シラキ「ふん、アイツなら怪しい連中を引き連れて出張だ。お土産は期待せんほうがいい。…………そうだ。『あの子』の様子はどうかね? 」

秘書「…… ……ここ最近は高熱が続いていましたが、現在は各バイタルも安定しています。この間認可が下りた新薬が聞いたのでしょう。相応にはしゃいでいますよ。 」

シラキ「……そうか(執務イスの背もたれに深くもたれかかり、天井を見上げるように)……計画を急がせろ。ボンドルドは優しいが、容赦がある奴ではない。なんなら『泉』からの出力を上げてもかまわん。 」

秘書「かしこまりました(一礼するとキビキビとした動きでシラキの執務室を去っていく) 」




シラキ「(ひとりになった部屋でコーヒーの湯気だけが動的なうごきを見せる。イドフロント内を一望できる窓からその実態に目を細めながら、この国に送られてきた会社や各国政府の案件が載った書類を手に取った)すべてはシナリオ通りかね。ボンドルド。(この場にいない主の名をつぶやきながら、見果てぬ先の結果を待ち望む) 」


一方、場所は変わりこの国の街では────


住人達「うう…………苦しい…………ゲホゲホ……めまいが……、あぁ息も…… 」



???「しっかりしろ。今診てやるからな。(聴診器を使って心拍、肺の異音を確かめたり、瞼の裏側をみたりとせわしなく動く)おい、あっちにも酸素吸入を。2.0Lから始めろ。それでも酸素濃度が低いなら2.5まで上げても構わん。さぁ動け! 」

???「────(先の先にそびえる砦。そこで行われる悪魔の実験。正気を疑うような思考回路の者どもの蛮行に苛立ちを覚えながらも、彼は終始患者と向き合った。だが、圧倒的にその数は多く……) 」

ナナチ「おい、おっさん! 向こう側のエリアはだいぶ落ち着いたみたいだ。でも、薬がたんねえ! 解熱剤と鎮静剤だけじゃどうにもなんねぇよ。どうするんだ! 」

???「…………もうすぐで来るとは思うが物資は限られている。それに時間がかかるから患者たちがそれまでもつかどうか。────なあ、本当にイドフロントからは貰わないのか? 」

ナナチ「  !! じ、冗談じゃねえ!! アイツらが、アイツらがそんなおめでたい頭してるかよ! どうせわけのわかんねえ新薬とか飲ませるにきまってらぁ! ……なぁ、頼むよ。今はアンタが頼りなんだ。腕のいい医者ってのはもうアンタくらいしかいねえ。だから…… 」

???「確認しただけだ。俺も連中がまともだとは思っていない。…………できることはしよう。そら、お前も手伝え(男はモクモクと診察を続ける) 」



悪しき混沌が渦巻く辺境の地
幻想的な光景が崩壊の一途を辿ろうとしている光景を
遠目から哀し気な目で見つめている一人の少女がいた―――





ユゥ「 "生命体はなぜ眠るのか"… 私は…―――――――― 」






ユゥ「 ――――― 「                」 ―――――  」







To be continued episode "8"――――





And ――――――





ある日の夜、ある場所―――





どこかへ飛んでいく『12の彗星』に向けて歌を紡ぐ少女がいた



彼女の名は――――――








ウタ「  もうすぐ始まるんだ――――― 私の「 歌物語 」が   」








To be continued " Our song story " ―――――














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最終更新:2025年06月28日 22:36