「子供(ガキ)の戯言だよ。お前の言ってることは」
そう言ってから。
あぁ、実際にガキだったな、と。
自分の言っている事のおかしさに気づいて、ふっと笑った。
あぁ、実際にガキだったな、と。
自分の言っている事のおかしさに気づいて、ふっと笑った。
「……っ!貴方だって、子供じゃない、リップ君!!!」
目の前の妙な格好をした子供(ガキ)は、そう言って俺の名前を呼び、睨んでくる。
こう見えても、もうとっくに酒を呑める年なんだがな。
苦笑しつつ、まぁそう思うのも仕方ないか、と同時に考える。
何しろ今の俺の姿は情けないが愛くるしい。
金の短髪や左目に据えた眼帯はそのままだが、肉体は子供のころに戻っている。
此処に来る少し前。
俺──“不治”の否定者、リップ・トリスタンは不死の否定者を相手に交戦し、ヘマをした。
心臓をぶち抜かれて、死んでいた肉体の蘇生の代償が、今の子供の姿だ。
…その子供の姿が原因でこの殺し合いに招かれたのだとしたら、更に情けない話だ。
こう見えても、もうとっくに酒を呑める年なんだがな。
苦笑しつつ、まぁそう思うのも仕方ないか、と同時に考える。
何しろ今の俺の姿は情けないが愛くるしい。
金の短髪や左目に据えた眼帯はそのままだが、肉体は子供のころに戻っている。
此処に来る少し前。
俺──“不治”の否定者、リップ・トリスタンは不死の否定者を相手に交戦し、ヘマをした。
心臓をぶち抜かれて、死んでいた肉体の蘇生の代償が、今の子供の姿だ。
…その子供の姿が原因でこの殺し合いに招かれたのだとしたら、更に情けない話だ。
「命がけの賭けに誘うなら、少しは現実的な視点で話をしろって言ってるんだ、イリヤ」
「……っ!」
「……っ!」
表面上は努めて冷徹を装いつつ、我ながら情けない上に大人げない言葉だな、と思った。
だが、それでも目の前に立つイリヤスフィール・フォン・アインツベルンと名乗った少女には覿面だった。
彼女と出会ったのはこの会場で目覚めてから二十分程経ってからだった。
最初は殺し合いに乗っていないというイリヤに話を合わせて、殺し合い反対派の様に振舞った。
幾つかの情報交換の後、結果的に目の前のガキは何の情報も持っていないことが分かり。
今はこうして、イリヤは俺の前で血のにじむ左の脇腹を抑えて向かい合っている。
だが、それでも目の前に立つイリヤスフィール・フォン・アインツベルンと名乗った少女には覿面だった。
彼女と出会ったのはこの会場で目覚めてから二十分程経ってからだった。
最初は殺し合いに乗っていないというイリヤに話を合わせて、殺し合い反対派の様に振舞った。
幾つかの情報交換の後、結果的に目の前のガキは何の情報も持っていないことが分かり。
今はこうして、イリヤは俺の前で血のにじむ左の脇腹を抑えて向かい合っている。
「ゲームを破綻させるなんて、話をしているだけで何時首輪が弾け飛んでもおかしくない。
俺達の命はあの乃亜ってガキに完全に握られてる、分かるな?」
俺達の命はあの乃亜ってガキに完全に握られてる、分かるな?」
俺は殺し合いに乗った。
何故かと問われれば返事は簡潔に済む。死ぬわけにはいかなかったからだ。
過去に戻り、不治の呪いが目覚め、俺が殺してしまった彼女(ライラ)を救うその日まで。
何としても、死ぬわけにはいかなかった。
元よりその目的を達成するためならこの忌まわしい力に口づけをして、何人だって殺すつもりだった。
俺に、殺し合いに乗る事に躊躇は無かった。
何故かと問われれば返事は簡潔に済む。死ぬわけにはいかなかったからだ。
過去に戻り、不治の呪いが目覚め、俺が殺してしまった彼女(ライラ)を救うその日まで。
何としても、死ぬわけにはいかなかった。
元よりその目的を達成するためならこの忌まわしい力に口づけをして、何人だって殺すつもりだった。
俺に、殺し合いに乗る事に躊躇は無かった。
「首輪を外すことも、乃亜を叩くことも、お前の言っている事は具体性が何もない。
…頑張れば何とかなる?皆で協力すればきっと解決する?そんな不確かな言葉に命を賭けろってか?」
…頑張れば何とかなる?皆で協力すればきっと解決する?そんな不確かな言葉に命を賭けろってか?」
イリヤには悪いが、俺にはそんな神が与える様な奇跡なんてモノとは程遠い人種だ。
むしろ神を憎んですらいる。八つ裂きにしてやりたい程。
神様や奇跡を信じていた頃は、俺にとってとうの昔に過ぎ去った時間だった。
そんな物よりは、俺達を突然此処へと拉致し、実際に兄弟を生き返らせて見せた乃亜の言葉の方が、おれにとってはより確かな物だ。
奴の言葉に従って殺し合いに優勝すればライラが帰って来るなら。
俺にとってそれは、他のガキ共とお手て繋いで帰るよりも余程ハッピーエンドだった。
むしろ神を憎んですらいる。八つ裂きにしてやりたい程。
神様や奇跡を信じていた頃は、俺にとってとうの昔に過ぎ去った時間だった。
そんな物よりは、俺達を突然此処へと拉致し、実際に兄弟を生き返らせて見せた乃亜の言葉の方が、おれにとってはより確かな物だ。
奴の言葉に従って殺し合いに優勝すればライラが帰って来るなら。
俺にとってそれは、他のガキ共とお手て繋いで帰るよりも余程ハッピーエンドだった。
「───話にならないんだよ」
そう言って、俺は一緒に協力して乃亜に抗おうと宣う子供の言葉を切って捨てた。
イリヤは俺の言葉を受けて、ショックを受けた顔して、視線は泳いで、言葉に詰まる。
そして、俯いてしまった。
彼女のその様を眺めながら、しかし、変な格好をした奴だな、と。
俺は無感情にそう思った。
黒の外套に、側頭部に据え付けられた髑髏の面。
おおよそこの年頃の少女が好むには趣味が悪いと言わざる得ない格好だった。
まぁ、どうでもいい話だが───
イリヤは俺の言葉を受けて、ショックを受けた顔して、視線は泳いで、言葉に詰まる。
そして、俯いてしまった。
彼女のその様を眺めながら、しかし、変な格好をした奴だな、と。
俺は無感情にそう思った。
黒の外套に、側頭部に据え付けられた髑髏の面。
おおよそこの年頃の少女が好むには趣味が悪いと言わざる得ない格好だった。
まぁ、どうでもいい話だが───
「───もし」
引き絞るような声を、イリヤが発する。
どうでもいいことに割かれていた意識が、呼び戻される。
どうでもいいことに割かれていた意識が、呼び戻される。
「もし、私が…リップ君が納得できるだけの条件を用意出来たら…協力してくれる?」
イリヤの紅い二つの瞳が、俺を捉えてくる。
……真っすぐな眼だった。
ついさっき打ちのめされたとは思えない程、真っすぐに、彼女は俺を見てきた。
瞳の色と相まって、揺らめく炎の様だと思った。
……真っすぐな眼だった。
ついさっき打ちのめされたとは思えない程、真っすぐに、彼女は俺を見てきた。
瞳の色と相まって、揺らめく炎の様だと思った。
UNREPAIR(不治)
それが俺に刻まれた呪いであり、他人の命を否定するための武器。
俺に傷つけられた時点で、イリヤは既にゲームオーバーだ。
傷の深さ的に、もうあと二時間も保たないだろう。
俺は静かに、目の前の少女に「終わりだ」と、宣告した。
しかし、彼女は。
それが俺に刻まれた呪いであり、他人の命を否定するための武器。
俺に傷つけられた時点で、イリヤは既にゲームオーバーだ。
傷の深さ的に、もうあと二時間も保たないだろう。
俺は静かに、目の前の少女に「終わりだ」と、宣告した。
しかし、彼女は。
「……ううん。終わってなんて、ない」
静かに首を振って、俺から瞳を逸らさず。
状況が動いたのは、次の瞬間の事だった。
ダッと、目の前のイリヤが駆けだす。
俺もこれには馬鹿な、と驚きを隠せなかった。
だって、彼女が俺を害するつもりで向かってきているというなら。
不治が確実に作動するはずなのだ。
状況が動いたのは、次の瞬間の事だった。
ダッと、目の前のイリヤが駆けだす。
俺もこれには馬鹿な、と驚きを隠せなかった。
だって、彼女が俺を害するつもりで向かってきているというなら。
不治が確実に作動するはずなのだ。
「………ッ!!」
完全に出遅れた、だが、それでもイリヤは傷の分遅く、俺の方が僅かに早い。
イリヤがどんな絡繰りで不治の強制力から逃れたのかは知らない。
だが、不治を破るような危険な相手を見逃すわけにはいかない。
俺は一瞬で心を冷たい氷に沈めて──義足を振るった。
古代兵器(アーティファクト)『走刃脚(ブレードランナー)』。
空気を圧縮し、UMAという怪物さえ両断可能な刃を生成できる兵器。
当然人の子供の体など一撃で両断できるそれを俺はイリヤに使った。
イリヤがどんな絡繰りで不治の強制力から逃れたのかは知らない。
だが、不治を破るような危険な相手を見逃すわけにはいかない。
俺は一瞬で心を冷たい氷に沈めて──義足を振るった。
古代兵器(アーティファクト)『走刃脚(ブレードランナー)』。
空気を圧縮し、UMAという怪物さえ両断可能な刃を生成できる兵器。
当然人の子供の体など一撃で両断できるそれを俺はイリヤに使った。
「あ、…がっ…!」
走刃脚により生み出された空気の刃が、イリヤの体を裂く。
胴体を上下に文字通り二つにされたのだ、誰がどう見ても即死だろう。
そう思っていた。その直後に両断されたイリヤの体が霞の様に消え失せなければ。
胴体を上下に文字通り二つにされたのだ、誰がどう見ても即死だろう。
そう思っていた。その直後に両断されたイリヤの体が霞の様に消え失せなければ。
「何……!?」
今度は目を見開くだけに留まらない。驚愕の声すら上げてしまった。
だが、同時に頭の中の冷静な俺が、一つの答えを導き出す。
不治を受けても行動できた体。走刃脚を受けて消え失せた体。
導き出される答えは、一つしか浮かばない。
だが、同時に頭の中の冷静な俺が、一つの答えを導き出す。
不治を受けても行動できた体。走刃脚を受けて消え失せた体。
導き出される答えは、一つしか浮かばない。
(そうか、こいつ、虚像──)
「う、わああああああっ!!!」
「う、わああああああっ!!!」
そもそも、イリヤが最初から攻撃を受けていなかったとしたら、全てが繋がる。
今迄俺が向かい合っていたのは、ただの虚像だとしたら、不治を受けても動けたのも納得がいく。
その答え合わせをする様に──俺の背後から、イリヤの叫び声が響いた。
振り返った先に、拳を握り締めたイリヤがいる。
今迄俺が向かい合っていたのは、ただの虚像だとしたら、不治を受けても動けたのも納得がいく。
その答え合わせをする様に──俺の背後から、イリヤの叫び声が響いた。
振り返った先に、拳を握り締めたイリヤがいる。
(───が、まだ甘い)
走刃脚に再び意識を集中、圧縮した空気圧で間合いを取る。
この空気圧を用いた移動法はただの人間では目に映りすらしない高速移動だ。
当然、イリヤに対応できるはずもなく。
間合いさえ取ってしまえば、今度こそ走刃脚の刃はイリヤを捉える。
この空気圧を用いた移動法はただの人間では目に映りすらしない高速移動だ。
当然、イリヤに対応できるはずもなく。
間合いさえ取ってしまえば、今度こそ走刃脚の刃はイリヤを捉える。
(惜しかったな)
そう考えながら、走刃脚に空気を吐き出させようとする。
異変に気付いたのは、その時の事だった。
何時も走刃脚を使用する際に聞こえる風斬り音がしない。
空気の放出も、平時なら一瞬で為されるはずが未だに始まらない。
俺は、嫌な予感を感じて視線を下に向けた。
異変に気付いたのは、その時の事だった。
何時も走刃脚を使用する際に聞こえる風斬り音がしない。
空気の放出も、平時なら一瞬で為されるはずが未だに始まらない。
俺は、嫌な予感を感じて視線を下に向けた。
「───これ、は?」
走刃脚には、白い茨が絡みつき、噴射穴を塞いでいた。
いや、塞ぐだけに止まらない、茨は足先全体に達し、その移動を阻害している。
茨の先を辿れば、美しい白薔薇の花弁が綻んでいて。
この状況でなければ、思わず見惚れそうな美しさを主張していた。
だが、そうしている暇は当然ながら今の俺にはなく。
いや、塞ぐだけに止まらない、茨は足先全体に達し、その移動を阻害している。
茨の先を辿れば、美しい白薔薇の花弁が綻んでいて。
この状況でなければ、思わず見惚れそうな美しさを主張していた。
だが、そうしている暇は当然ながら今の俺にはなく。
「クッ!小賢しい!!」
噴射穴を塞いでいる茨を強引に引きちぎり、何とか使用可能な状態まで引き戻す。
血が出るが構いはしない。今は走刃脚を再使用可能な状態に戻す事こそ最優先なのだから。
だが、時は既に遅かった。
血が出るが構いはしない。今は走刃脚を再使用可能な状態に戻す事こそ最優先なのだから。
だが、時は既に遅かった。
「───行くよ」
声につられて視線を引き戻せば、イリヤはもう目の前にいた。
紅い瞳を煌めかせて。意志の焔を燃やして。
ぎゅう、と、小さな拳を握り締めている。
俺は咄嗟に両腕をクロスさせて頭部を守ろうとするが、無意味だった。
紅い瞳を煌めかせて。意志の焔を燃やして。
ぎゅう、と、小さな拳を握り締めている。
俺は咄嗟に両腕をクロスさせて頭部を守ろうとするが、無意味だった。
「───がああッ!?」
ゴッ!!!
ジュニアハイスクールに通っているであろう年齢とは思えない程のバカ力で。
彼女の小さな拳が、俺の頬に突き刺さった。
その勢いで小さく縮んでしまった俺の体は見事なまでに宙を舞い、数メートル吹き飛んだ。
ジュニアハイスクールに通っているであろう年齢とは思えない程のバカ力で。
彼女の小さな拳が、俺の頬に突き刺さった。
その勢いで小さく縮んでしまった俺の体は見事なまでに宙を舞い、数メートル吹き飛んだ。
「がふッ…ふっ…ぺ…っ!!おー…いてて…」
口腔に鉄臭い味わいが広がる。
先日不死に殴られたばかりだというのに、また奥歯が欠けたかもしれない。
正直な所、滅茶苦茶に痛い。
少しよろめいて立ち上がりながら、痛みをこらえて頭を回す。
白い茨はイリヤが行った物か?
恐らく違うだろう。彼奴は今までそんな事ができる素振りは見せていなかった。
となれば、新手か、協力者がいるのだろう。
この状態で、二対一を相手取るのは少々分が悪い。
先日不死に殴られたばかりだというのに、また奥歯が欠けたかもしれない。
正直な所、滅茶苦茶に痛い。
少しよろめいて立ち上がりながら、痛みをこらえて頭を回す。
白い茨はイリヤが行った物か?
恐らく違うだろう。彼奴は今までそんな事ができる素振りは見せていなかった。
となれば、新手か、協力者がいるのだろう。
この状態で、二対一を相手取るのは少々分が悪い。
「……OK、退こう」
判断は早かった。
年端もいかない少女を相手に退くのは屈辱ではあったが、負けるよりはましだ。
此処にラトラは恐らくいないだろう。孤軍である以上、無理をするわけにはいかない。
俺は、失敗するわけにはいかないのだから。
年端もいかない少女を相手に退くのは屈辱ではあったが、負けるよりはましだ。
此処にラトラは恐らくいないだろう。孤軍である以上、無理をするわけにはいかない。
俺は、失敗するわけにはいかないのだから。
「次は命をもらうよ、イリヤ。必ずな
次会った時も、甘っちょろく殺し合いを止めるって、精々生きて言えてると良いな」
次会った時も、甘っちょろく殺し合いを止めるって、精々生きて言えてると良いな」
そう言って、表情だけでも不敵に笑いながら、俺は跳んだ。
そのまま走刃脚から空気を放出し、浮遊する。
見下ろすイリヤの表情は、相変わらず精悍な物だった。
そのまま走刃脚から空気を放出し、浮遊する。
見下ろすイリヤの表情は、相変わらず精悍な物だった。
「死なないよ。
……諦めもしない、私は」
……諦めもしない、私は」
その言葉は、我儘を通そうとする時の子供の様に。
実に、力強い物だった。
俺が、当の昔に置いてきた物が込められていた。
その言葉を受けて、俺は走刃脚から空気を噴射しながら小さく、もう一度。
「頑張れよ」と、そう呟いた。
分かっている。俺はライラの為に生き残り、優勝を目指す。
決定事項に変わりはない。俺はその為なら、全てを賭けられる。だが。
イリヤのクソの様な子供の我儘に、その時だけはそう言葉を掛けてやっても良かった。
そんな気分だった。それだけの話だった。
実に、力強い物だった。
俺が、当の昔に置いてきた物が込められていた。
その言葉を受けて、俺は走刃脚から空気を噴射しながら小さく、もう一度。
「頑張れよ」と、そう呟いた。
分かっている。俺はライラの為に生き残り、優勝を目指す。
決定事項に変わりはない。俺はその為なら、全てを賭けられる。だが。
イリヤのクソの様な子供の我儘に、その時だけはそう言葉を掛けてやっても良かった。
そんな気分だった。それだけの話だった。
【リップ=トリスタン@アンデットアンラック】
[状態]:掌に切り傷、右頬へのダメージ(中)、
[装備]:走刃脚(ブレードランナー)
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:優勝し、ラトラの元へと帰る。
1:殺し合いに乗る。ただし、必要以上のリスクは犯さない。
2:願いを叶える、か…本当かねぇ。
3:もし本当に、イリヤがこの殺し合いを打破する手段を見つけたら…?
[備考]
※参戦時期は6巻、アンデッドアンラック戦終了後、秋(オータム)戦直前です。
※古代遺物(アーティファクト)『ライフ・イズ・ストレンジ』の効果により、子供の姿になっています。
[状態]:掌に切り傷、右頬へのダメージ(中)、
[装備]:走刃脚(ブレードランナー)
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:優勝し、ラトラの元へと帰る。
1:殺し合いに乗る。ただし、必要以上のリスクは犯さない。
2:願いを叶える、か…本当かねぇ。
3:もし本当に、イリヤがこの殺し合いを打破する手段を見つけたら…?
[備考]
※参戦時期は6巻、アンデッドアンラック戦終了後、秋(オータム)戦直前です。
※古代遺物(アーティファクト)『ライフ・イズ・ストレンジ』の効果により、子供の姿になっています。
───私は憎むわ、私を愛してくれなかった世界の全てを。
「………私はそう言ったんです。お姉さまに」
そう言って、私──イリヤスフィール・フォン・アインツベルンに語るのは。
私の腰ほどまでの大きさの綺麗な…本当に綺麗な、白薔薇のお人形さんだった。
彼女は雪華綺晶、と。私にそう名乗った。
私が雪華綺晶と出会ったのは、リップ君と出会う少し前のこと。
今、私の肩の隣でふよふよと浮いている愉快型魔術礼装──『マジカルサファイア』も。
リップ君に襲われた時に使った英霊の力が込められた『アサシン』のクラスカードも。
何方も私のランドセルに入っていた物じゃなくて。
支給された雪華綺晶ちゃんから、譲ってもらった物だった。
彼女がいなければ、私はリップ君の手によってとっくに脱落しているだろう。
私の腰ほどまでの大きさの綺麗な…本当に綺麗な、白薔薇のお人形さんだった。
彼女は雪華綺晶、と。私にそう名乗った。
私が雪華綺晶と出会ったのは、リップ君と出会う少し前のこと。
今、私の肩の隣でふよふよと浮いている愉快型魔術礼装──『マジカルサファイア』も。
リップ君に襲われた時に使った英霊の力が込められた『アサシン』のクラスカードも。
何方も私のランドセルに入っていた物じゃなくて。
支給された雪華綺晶ちゃんから、譲ってもらった物だった。
彼女がいなければ、私はリップ君の手によってとっくに脱落しているだろう。
「でも、お姉さまは私に言ってくれました。泣かないで、と」
「初めてお父様に逆らって、私に何もかもを下さるのだと」
「戦い、奪うのではなくて…誰も一人にしないこと。生み出すこと。愛すること」
「それが──真紅お姉さまの………アリスゲーム」
「初めてお父様に逆らって、私に何もかもを下さるのだと」
「戦い、奪うのではなくて…誰も一人にしないこと。生み出すこと。愛すること」
「それが──真紅お姉さまの………アリスゲーム」
そう言って、雪華綺晶ちゃんは私に指輪を差し出してくる。
月明かりに照らされる白い薔薇みたいなその姿は…ぞっとするくらい、綺麗だった。
月明かりに照らされる白い薔薇みたいなその姿は…ぞっとするくらい、綺麗だった。
『イリヤ様…』
傍らのサファイアが、私に少し心配そうな声を掛けてくる。
心配してくれているのだろう。私の一番の友達の、美遊の相棒だから。
少しだけ魔術の世界に片足を踏み込んだ私にも分かる。
これから行うのは『契約』だ。
凛さんと出会った時と同じ。なり行きで。お互いの事も良く知らなくて。
サファイアが心配するのも、無理はないと思う。
心配してくれているのだろう。私の一番の友達の、美遊の相棒だから。
少しだけ魔術の世界に片足を踏み込んだ私にも分かる。
これから行うのは『契約』だ。
凛さんと出会った時と同じ。なり行きで。お互いの事も良く知らなくて。
サファイアが心配するのも、無理はないと思う。
「私は……真紅お姉様の想いに応えたい」
「このアリスゲームととても良く似た戦いに、逆らいたい」
「でも、既に真紅お姉様の身体でエーテル化した私に、以前ほどの力はありません」
「だから、力を貸して欲しいのです」
「貴女の瞳は…真紅お姉様に似ているから……」
「このアリスゲームととても良く似た戦いに、逆らいたい」
「でも、既に真紅お姉様の身体でエーテル化した私に、以前ほどの力はありません」
「だから、力を貸して欲しいのです」
「貴女の瞳は…真紅お姉様に似ているから……」
そう言って雪華綺晶ちゃんは、白い茨に支えられた指輪を、私の前へと。
ハッキリ言って、ちょっと迷った。
何しろさっき殺し合いをしろって言われたばかりだし。もう襲われてもいたし。
何もかもがいきなりで。これから先どうしたらいいか、私にはさっぱりだった。
だから、直感に従おうと、そう結論を出して傍らのサファイアを見る。
ハッキリ言って、ちょっと迷った。
何しろさっき殺し合いをしろって言われたばかりだし。もう襲われてもいたし。
何もかもがいきなりで。これから先どうしたらいいか、私にはさっぱりだった。
だから、直感に従おうと、そう結論を出して傍らのサファイアを見る。
『…イリヤ様の、お心のままに。貴女を美遊様と姉さんの元へ帰すことが、私の役目ですから。』
私に、もう迷いは無かった。
もう二度も、雪華綺晶ちゃんには助けられている。
その恩を、少しだけでも返したかったし。何より。
雪華綺晶ちゃんのお姉さん…真紅さんの言葉は、不思議と胸に響いたから。
会ったことも無いのに、彼女のその言葉は、信じてもいいと思えるほどに。
だから、私はそっと差し出された指輪に口づけをして、そして雪華綺晶ちゃんに言った。
もう二度も、雪華綺晶ちゃんには助けられている。
その恩を、少しだけでも返したかったし。何より。
雪華綺晶ちゃんのお姉さん…真紅さんの言葉は、不思議と胸に響いたから。
会ったことも無いのに、彼女のその言葉は、信じてもいいと思えるほどに。
だから、私はそっと差し出された指輪に口づけをして、そして雪華綺晶ちゃんに言った。
全ての願いが叶うというのなら。
人の願いを、希望を託されるというのなら。
全ての人の幸せを願うべきだ。
少なくとも私はそう思ってる。そして、思ったままの事を私は伝えた。
そうして、僅かな沈黙の後に。
雪華綺晶ちゃんは私の言葉に優しく微笑みを浮かべて、私の手を取った。
もう、それ以上の言葉は必要が無かった。
人の願いを、希望を託されるというのなら。
全ての人の幸せを願うべきだ。
少なくとも私はそう思ってる。そして、思ったままの事を私は伝えた。
そうして、僅かな沈黙の後に。
雪華綺晶ちゃんは私の言葉に優しく微笑みを浮かべて、私の手を取った。
もう、それ以上の言葉は必要が無かった。
「私は、誇り高いローゼンメイデンの第七ドール、雪華綺晶。
そして……今は、幸せな…あなたのお人形。よろしくお願いします。マスター」
そして……今は、幸せな…あなたのお人形。よろしくお願いします。マスター」
【雪華綺晶@ローゼンメイデン】
[状態]:健康、イリヤと契約。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本方針:真紅お姉様の意志を継ぎ。殺し合いに反抗する。
1:殺し合いに反抗する。
2:イリヤを守る。
[備考]
※YJ版原作最終話にて、目覚める直前から参戦です。
※イリヤと媒介(ミーディアム)としての契約を交わしました。
※Nのフィールドへの立ち入りは制限されています。
※真紅のボディを使用しており、既にアストラル体でないため、原作よりもパワーダウンしています。
[状態]:健康、イリヤと契約。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本方針:真紅お姉様の意志を継ぎ。殺し合いに反抗する。
1:殺し合いに反抗する。
2:イリヤを守る。
[備考]
※YJ版原作最終話にて、目覚める直前から参戦です。
※イリヤと媒介(ミーディアム)としての契約を交わしました。
※Nのフィールドへの立ち入りは制限されています。
※真紅のボディを使用しており、既にアストラル体でないため、原作よりもパワーダウンしています。
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:健康、雪華綺晶と契約。
[装備]:カレイドステッキ・サファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3、クラスカード『アサシン』Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本方針:殺し合いから脱出して、美遊を助けに行く。
1:殺し合いを止める。
2:雪華綺晶ちゃんとサファイアを守る。
3:リップ君は止めたい。
[備考]
※ドライ!!!四巻以降から参戦です。
※雪華綺晶と媒介(ミーディアム)としての契約を交わしました。
※クラスカードは一度使用すると二時間使用不能となります。
[状態]:健康、雪華綺晶と契約。
[装備]:カレイドステッキ・サファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3、クラスカード『アサシン』Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本方針:殺し合いから脱出して、美遊を助けに行く。
1:殺し合いを止める。
2:雪華綺晶ちゃんとサファイアを守る。
3:リップ君は止めたい。
[備考]
※ドライ!!!四巻以降から参戦です。
※雪華綺晶と媒介(ミーディアム)としての契約を交わしました。
※クラスカードは一度使用すると二時間使用不能となります。
109:ドラコ・マルフォイと紅い狂犬 | 投下順に読む | 116:取り戻せマイドリーム |
時系列順に読む | ||
START | リップ=トリスタン | 003:俺が死ぬまで治らない |
START | 雪華綺晶 | 018:思い描くは、ひとつの未来 |
START | イリヤスフィール・フォン・アインツベルン |