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ここに神は見当たらない

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「全く、厄介なハンデだよ」

路地裏で壁に持たれかかったままシュライバーは呟く。
疲労という概念が、こうも厄介なものとは。
わざわざ、休息を取らねばならないほどの重さを覚える鉛のようなこの肉体が、本当に己の物かも疑わしい。
なるほど、乃亜の言う公平な殺し合いとやらも納得ものだ。

「フフフフ……とっても疲れているみたいだね君?」

わざわざ獲物が向こうからノコノコやってくる。
歳の割には長身で唇が青紫の少年だった。
そいつは口許を釣り上げ、ニタニタと笑っていた。

「やあ、歓迎するよ。
 僕から探す手間が省けた」

隻眼で少年を見つめシュライバーも腰を上げる。
やはり、疲労が邪魔して動きが阻害される。傍から見れば、消耗して弱っているようにも見えるのだろう。
少なくともこの少年はそう思い、そして絶好の機会だと考えている。

「じゃあね」

その考えは愚かだと断じるように、片手の拳銃だけで百近くの弾幕を張る。
疲弊しているといえど、この程度は造作もない。
少年は笑みを浮かべたまま、事態の急変化に付いてこれず全身に風穴を開けた。



────



藤木茂は勝ち誇った笑みを崩さないまま、ウォルフガング・シュライバーを眺めていた。
急に拳銃一個で、マシンガンみたいな連射をしてきたのは驚いて漏らしかけたが。
だが藤木は全身を銃弾で穿たれたというのに、血飛沫一つあげずに立ち続けていた。

「なんだ?」

シュライバーの隻眼が疑念の色を浮かべる。
銃弾は全て直撃した。
それに違いはない。だが、その全てが藤木の身体を突き抜けていったのだ。

「───僕は、神(ゴッド)・フジキングなんだ」

訝しげに見つめながら今度は両手の二丁の拳銃で射撃する。
先程の倍以上の弾幕を前に、やはり藤木は余裕のまま立ち尽くす。
銃弾は全て藤木に吸い寄せられ、そしてシュライバーの目に写る藤木はまるで幻のように銃弾はすり抜けていく。

「言った筈だよ。僕は神なり」

そう実体が存在していないのだ。
本来、人体を構成する物質ではなく、代わりに藤木の肉体を雷が構築していた。
いかにシュライバーであろうと、実体を持たない存在を殺す事は不可能。

「喰らえ! フジキサンダー!!」

藤木が顔の横で両手の手首を交差させ、ウルトラマンのスペシウム光線を模して雷の光線を放った。
当然ながら、シュライバーには当たらない。だが、当のシュライバーは怪訝そうに藤木を睨む。

「ふはははは!! 逃げ回るだけかい?」

無駄に構えを変えながら、雷撃を射出する藤木の姿は滑稽極まりない。
しかし、藤木の操る雷それ自体は馬鹿にしたものではなかった。
威力も速さも一級品、更に言えば自らを雷そのものへと変化させ、シュライバーの弾丸を透過させる芸当は創造にも匹敵する。

「驚いた。まるで、ヴァルキュリアだ」

シュライバーの知る中で、最も近いのは同じく黒円卓であったかつての第五位ベアトリス・キルヒアイゼン。
彼女の能力も雷に纏わるもの。
己を雷に変えるのも全てが合致している。

「君みたいな劣等には不釣り合いだよそれ」

藤木の頭上へと跳躍し銃弾を浴びせ続けるが、一向に藤木に着弾する様子は見られない。
あのベアトリスに比較して、まず藤木が優れているのは安定性だ。
絶え間なく弾丸を受け続けながら、藤木は常に全身を雷へと変化させ維持し続けている。
あのベアトリスですら、高い実力と精神力、そして弛まぬ鍛錬の末に優れた安定性を手にしたのだ。
それをただの卑怯なだけの子供が、何もせずほぼ同程度かそれ以上の雷の力を保持している。



「逃げ回るだけの卑怯者に、何を言われても僕には響かないね」

くつくつと笑いながら藤木は強く言い放つ。

数時間前、藤木は新たに手にした城ヶ崎姫子のランドセルから一つの支給品を取り出していた。
奇妙な形をした木の実。
甘いものが欲しくて口にしたが、死ぬほど不味かった。

(僕は守りには強かったけど、攻撃力がなかった。
 ……だけど、この力は全てを僕に与えてくれた)

しかし、その木の実に添付されていた説明書には悪魔の実と記されていた。
自然系(ロギア)と称される悪魔の実の中でも無敵と謳われる能力。
ゴロゴロの実。
そこには能力の詳細と、かつて神が口にしたという煽り文が記載されており。
藤木はそれを真に受けた。

「どうしたんだい。ぴょんぴょん走るだけで、君のチンケな攻撃なんて僕には何も効かないんだ」

物理攻撃を無効にする雷の身体。
正直、藤木も半信半疑でシュライバーの銃を向けられた瞬間には走馬灯を垣間見た。
けれども交戦が始まり数分、藤木は一切の怪我も負っていない。
この能力は本物だ。そして攻撃力も本物の雷そのものなのだ。
攻守ともに長けた無敵の存在となってしまった。

(ほ、本当に優勝しちゃうぞ僕……)

これなら、先ほどの中島という子供の姿をした化け物にも、悟空という少年にも負けはしない。
ドロテアやシカマルなんぞ、話にならない程の雑魚になってしまった。
あの眼帯の少年だって、もう自分の敵じゃない。

「この力に一番戸惑っているのは僕なんだよね」

藤木は強くなりすぎてしまっていた事実に震撼していた。
相手は速く、全く攻撃が当たらないが、絶対に自分が倒されることはない。
自分に対する攻撃はすべて無効化されているのだ。敗北も死もありえない。

「……その力は凄いよ。その力はね」

シュライバーは冷ややかに、藤木に宿る悪魔に対してのみ賞賛を送る。

「負け惜しみかい? いいよ。今の僕は寛大だから────」

藤木はこの時、危機感が完全に死んでいた。
気付くべきだったのだ。自分の発する雷を避けている相手は、雷速を見切ってそれを躱す速さで駆け回り、息一つ乱さない理外の存在であることを。

「────ぶげっ……!?」

左半身に猛烈な勢いで何かが衝突した。
鼓膜が轟音で打ち鳴らされ、藤木の視界が10回程回転する。
体の内部をシェイクされたような気持ち悪さと嘔吐感、これはドロテアに敗北した時と似ていた。

「ご、…げ、ぇ……!!?」

ぐしゃりと音を立てて地面を転がっていく。
悲鳴を上げようとし、嘔吐物が食道を駆け上がる。
吐瀉物を吐き散らしながら呻き声をあげ息を吐き出すばかりで吸うことが出来ず、酸素を求め脳が苦痛という信号を流す。

「試してみるものだね」

地べたで苦しみ藻掻く藤木を悠々とシュライバーは眺めていた。
その背後では、数階建てのビルのような巨体を誇る白骨の四足獣が佇んでいた。
眼帯に覆われたシュライバーの右目と呼応するように、骸骨の眼窩から血を垂れ流し長い白髪を靡かせる。

「別の強い力を当てれば、実体を捉えられるってことかな」

行ったのは至極簡単なこと。
シュライバーが従える白骨の獣に命じ、前足で藤木を薙ぎ払った。ただそれだけ。
ゴロゴロの能力で自らを雷に変換できるのなら、雷の速さで避ける事も叶った。
だが藤木は元より今の身体スペックを発揮する程の動体視力もなければ、避けるという発想すらなく無様に地べたを転がる羽目になる。

「ご、ほ、ォ…っ……ぼ、くは……ぁ……」

説明書にそう書いてあった。
乃亜が言っていたんだ。
神になれると。
それなのに……。

困惑と恐怖と混乱と怒りを交えながら藤木は苦しみのたうち回る。

とある新世界の海賊はこう言った。
自分を無敵と勘違いしてきた"自然系"の寿命は短い。

自然系は物理攻撃に対しては無敵の性能を誇るが、覇気と呼ばれる特異な力を纏わせることで流動する体の実体へダメージを通す事が可能となる。
それは別世界の異能力も同様であり、覇気ほどではないがエイヴィヒカイトのような異能力等も込められた力の量に比例し自然系に通用する。


「これ。ただの遊びなんだけどさ。まさか、こんなことで役立つなんて。分からないもんだね」

形成の使用は制限により封じられたが、活動と形成の中間は別だ。
この白骨の獣はただの可視可能なオーラだが、大隊長クラスならば、それを攻撃へと転じさせることができる。
もっともシュライバー本人が言うように、これはただの遊びに過ぎない。
シュライバー自身が殺しに行った方が遥かに強く、手早く終わるのだから。
だが藤木に宿った能力は活動位階以上だ。
格上のシュライバーであっても、活動位階で生成した魔弾程度では通用しない。
元々、愛用する拳銃も魔弾も聖遺物ではない。
しかも相手は同じ聖遺物の使徒とはいえ、ゴム弾と比喩されるほどの威力しか持ち得ない。
それ故に、シュライバー自身の連射能力で威力をカバーしている。
所詮、弾丸一つに込められた力は微小だ。その程度では、自然系にはただの物理攻撃にしかならない。
だが聖遺物を実体化させる手前の形態であれば、それが遊びであろうとそこに込められた魂の量も決して少なくない。
それは魂という燃料の塊ともいえる。自然系の能力者に共通する流動する体を捉えるに値する程に濃密な力の集合体だ。

「ふーん。
 やっぱり君はともかく、その能力だけは目を張るものがある」

藤木に通ったダメージはシュライバーのオーラの具現化で、戯れ程度に殴った箇所のみ。
そのまま地べたを転がり全身を打ち付けられようが、藤木には傷一つ付いていない。
雷の身体である為、物理的な干渉が無効化されたのだろう。
別の力で実体を捉えるという方法は有効打のようだが、決して悪魔の実の能力を無効化する訳ではない。あくまでダメージを通すだけに留まる。
磨き上げられた実力者であったのなら、流動する体の形を変形させ攻撃を回避することもあったのかもしれない。

「君、名前は?」

「……な、永沢…で、す…」

シュライバーは隻眼の眉を潜めて、ふっと苦笑する。
藤木は神と名乗った3分前からは考えられないほど、全身を震わせ歯をカチカチと揺らし音を立てる。
ただの一発、シュライバーからすれば赤子の手をひねるような遊びの攻撃で藤木の戦意は消し飛び、恐怖心が全身を支配する。
その中で辛うじてできる防御手段が別人の名を騙ること、ただそれだけだった。

「そうかい。じゃあ永沢」

藤木の態度から嘘を吐いているのは明白だった。
それ以前に自分から、フジキングと名乗ったのだ。永沢という名の横に、藤木というフジキングに似た響きの名があったのをシュライバーは記憶している。

「そんな怯えなくていいよ。僕は乃亜を殺してやろうと思っていてね。
 その為に、ここに居る皆には死んでもらおうと思ってるんだよ」

だが敢えて、嘘を追求しない。その理由など特になく、まるで藤木に関心などないから。

「君にはそれを手伝って欲しいんだ」

来た。
藤木はそう思った。
自分は強い。利用価値がある。たまたま、この白髪の少年が特別だっただけなんだ。
藤木はそう都合の良い妄想へ逃避していく。

「話は簡単だ。3回放送までに、10人殺してその生首を僕の前に揃える事。
 そうすれば、君は生かしておいてあげるよ」

藤木は絶句した。

「な、なま……」

指を三本立てて藤木の前でチラつかせる。
具帝的なリミットと殺害数を改めて提示された事で、藤木は改めて殺し合いの最前線に立たされているのだと理解させられる。

「首なんて、いらないんじゃ……」

殺すのはまだ良い。藤木は最初からそのつもりだ。
だが、首などいるか? あって何の役に立つというのか、藤木には皆目見当もつかない。
それに殺すだけなら銃を撃つか雷で感電死させるだけでいいが、首を落とすのはグロテスク過ぎて藤木には抵抗があった。

「分かんないかな」

藤木の背中に圧力が増す。
見れば、シュライバーの白骨の獣の前足が地べたに転がる藤木の背に乗せられていた。

「が、ぁ…かはっ……ぁ……や、め……」

ミシミシと背中から、軋んだ音が耳に伝わる。

「君が嘘を言って、僕を騙すかもしれないだろォ!!
 一々説明しなきゃ分かんないのかなぁ? 君は馬鹿か!!」

明かに人体が出していい音じゃない。
このままじゃ、踏みつぶされた虫けらのように藤木も無残な死体へと変わってしまう。

「わか…わかった……分かったからぁ!! やめてぇ……っ!!」

藤木に選択肢などあるはずもなく。
涙と鼻水を垂れ流しながら、悲鳴を上げて承諾した。

「じゃあ、精々頑張りなよ」

「ぐべっ」

犬がボールを転がすように藤木は蹴飛ばされていく。
更にそこへランドセルも一つ投げ付けられた。

「餞別だ。それもあげるよ」

数時間前にシュライバーが殺害した羽蛾のランドセルだった。
正確には、エリスがマルフォイから強奪したのを羽蛾が確保したものだが。
藤木は恐る恐る手を伸ばし、ランドセルを掴む。
そっとシュライバーを見上げる。
ニタニタと笑い藤木を見下ろしているが、何かするような素振りは見えなかった。
多分、何もされない。大丈夫だろうと自分を安心させて、掴んだランドセルを自分の元へ引き寄せる。

「そうそう、聞き忘れるところだった。
 君はルサルカ・シュヴェーゲリンという女の子を見なかったかい?
 見た目は、赤い髪の可愛らしい女の子さ。着替えてなきゃ、僕みたいな服を着てるかな。
 あとは……そうだねぇ。青いコートを着た髪を逆立てた男も探してるんだが……」

赤い髪の可愛らしい女の子?

藤木に記憶の中に一人思い当たる人物がいた。
ドロテアにのされた後、サトシと永沢達が合流する前にやってきた二人組の男女。
シュライバーの語る赤い髪の女の子の特徴に一致する、エリス・ボレアス・グレイラットと鬼舞辻無惨が擬態した俊國の姿を思い出す。
だが、エリスの正体は坊主頭の少年カツオだった。シュライバーの探し人じゃない。

(ルサルカ? あれ……)

いやエリスではなく、名前の方に聞き覚えはないか?

「───そ、そういえば俊國って子が」

あの時、藤木はグロッキーだった為に会話の内容を全て正確に把握はしていなかったが、俊國とモクバの会話の中で、ルサルカという名前を聞いた気がする。
そして先にその名を口にしたのは、あの俊國からだった。

「俊國? そんなの名簿にはなかったけど」
「ほ、本当なんですぅ! そう言ってましたぁ!!」
「君みたいに偽名でも使ってるのかな」
「ぼ…ぼく…ぼくはぁ、永沢ですぅ!!」

こんな場所でわざわざ名簿の開示も待たずに偽名を使うなど、余程の馬鹿か小心者か。
どちらでもいい話だが。

「なるほど、俊國…俊國ねぇ。
 ……アンナ、どうして僕以外の男と?
 どうして……僕ら、愛し合ってるんじゃないの?」

探す対象がまた増えた。
笑みから表情を変形させ、犬歯をむき出しにしシュライバーは叫ぶ。


「許さない……僕の君なんだ。僕の…僕のアンナなのにィ!!!」

愛し合う二人の間に邪魔者が入り込もうというのなら、それはもう轢殺するしかないじゃないか。

「俊國ィ、僕のアンナをよくもォ!! 
 あは、ははははははは……!
 アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ────!!!」

楽しみがまた増えた事を無邪気に喜ぶ。
今度は怒りの形相から一転して腹筋を縒り哄笑し、笑い声を木霊させた。

「……ん? 何してるんだい。早く行きなよ」

羽蛾のランドセルを握りながら、ガタガタと手を震わせ藤木はシュライバーをじっと見つめ続けている。

「あ……っ」

感情のジェットコースターのような、シュライバーの不安定さを見ながら藤木は恐怖に苛まれる。

「あの…あの……ほんとうに10人殺したら、僕は……」
「しつこいなぁ。生かしてあげるって、言ってるじゃないか」

けれども、この一言だけは必ず通さなばならないと決意し。

「じゃあ、あの……僕と、もう一人……」

永沢君(ともだち)も助けてくれますか。

藤木はこの殺し合いに来てから、一番の勇気を振り絞った。
こんな事を言うだけで、今までの人生を振り返り自分が死ぬのを覚悟してしまう程に。

「構わないよ。
 そうだ。その友達も入れて僕達で乃亜を殺しに行こうよ────」

シュライバーは天使のような笑みで快諾した。
片目を覆った眼帯を加味しても、人とは思えない程の美貌だ。
口調を聞かなければ美少女と勘違いしそうな。
だから、藤木は安心して背を向けて歩み出した。
これはこれから先起こる事は、自ら望んだことじゃない。仕方ない事だ。友達の為に自分は戦うんだと、そう言い訳を取り繕うように。
あの時振り絞った勇気は、その時だけは友の事を心の底から考えていたのに。
白騎士の表面上の美しさだけを見て、偽りの安堵を与えられ藤木の勇気は歪まされていく。

「ああ……生かしてあげるさ」

藤木を生かして放逐した理由は一つ。
シュライバーの知らない間に、0回放送後から1回放送まで16人も死んでいる。しかも、その内の誰一人としてシュライバーは殺せていない。
それはとても口惜しかった。
この殺し合いの勝者が、シュライバーであると確定されていたとしても、鏖殺を掲げながらそれだけの戦場を取りこぼすなど、英雄としてあるまじきことだ。
しかし腹正しいが、多くの獲物を見落としているのも事実。
だから、藤木には身を潜めた獲物を誘き出す餌になってもらう。
藤木本人は塵芥の屑以下の劣等中の劣等にすぎないが、あの身に宿した悪魔の力は別だ。隠れた敗北主義者共を、炙り出すには丁度いいだろう。
場を乱せば、そこが戦場となりシュライバーはその匂いを嗅ぎ付けやすくなる。その分、より多くの戦場を駆け抜けられる。
仮に藤木から事情を知った対主催が、逆にシュライバーを討ち取らんと挑みに来るのも面白い。

「君と君の友達は僕の中で永遠に生き続ければいい」

殺して魂を簒奪し、シュライバーの中に取り込む。
その中で永劫囚われる事をシュライバーは死んだとは認識していない。
だから、嘘など何も言っていない。
藤木が本当に10人殺そうが、殺せなかろうがどうでもいい。
次に再会すれば、それが3回放送前だろうが本当に10人殺せていようが構わずに殺す。
そして藤木は、シュライバーと共に歩み続ける。
いずれ黄金の齎す、この世の地獄で未来永劫死者と殺し合い続ける凄惨な有様。だがシュライバーは、黄金の祝福と信じて疑わない。





「───10人。や、やってやる…僕は……」



少なくとも10人殺せば生かして貰える。
あの軍服の少年はそう言っていた。それだけの強さを持っていた。
だから、だから……あの少年なら乃亜だって倒せるかもしれない。

────もし乃亜を倒す手段が見つかって可能性が高いなら、僕はそっちに乗っても良い。乃亜から願いを叶える方法を奪うのさ。

あの少年の力があれば、永沢とだって手を組めるかもしれない。
一緒に乃亜を倒して、そうすれば乃亜の持つ死者蘇生の力だって奪えるかもしれないし、永沢と一緒に城ヶ崎だって生き返って、いやこの殺し合いの犠牲者全員が生き返るかもしれない。
そうだ。だから、これは一時的なもので仕方い事で、皆の為なんだ。この島の全員を助けて、友達を守る為に自分は戦いに臨むのだから。





シュライバーの信ずる黄金の祝福、その真実など知る由もなく卑怯者は進む。





(梨沙ちゃん……僕が会った中であの娘が一番弱かったぞ────)




────だから、梨沙ちゃんとその友達から先ず狙おう。





【E-4/1日目/朝】


【藤木茂@ちびまる子ちゃん】
[状態]:手の甲からの軽い流血、ゴロゴロの実の能力者、シュライバーに対する恐怖(極大)
[装備]:ベレッタ81@現実(城ヶ崎の支給品)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1(羽蛾が所持していたマルフォイの支給品)
グロック17L@BLACK LAGOON(マルフォイに支給されたもの)、賢者の石@ハリーポッターシリーズ
[思考・状況]基本方針:殺し合いに乗る。
0:第三回放送までに10人殺し、その生首をシュライバーに持って行く。そうすれば僕と永沢君は助かるんだ。
1:次はもっとうまくやる
2:卑怯者だろうと何だろうと、どんな方法でも使う
3:先に、梨沙ちゃんとその友達を探して殺す。最優先でね。
4:僕は──神・フジキングなんだ。
※ゴロゴロの実を食べました。


【ウォルフガング・シュライバー@Dies Irae】
[状態]:疲労(大)ダメージ(中 魂を消費して回復中)、形成使用不可(日中まで)、創造使用不可(真夜中まで)、欲求不満(大)
[装備]:ルガーP08@Dies irae、モーゼルC96@Dies irae、修羅化身グランシャリオ@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本方針:皆殺し。
1:敵討ちをしたいのでルサルカ(アンナ)を殺す。
2:いずれ、悟飯と決着を着ける。その前に大勢を殺す。
3:ブラックを探し回る。途中で見付けた参加者も皆殺し。
4:僕からアンナを奪った俊國(無惨)も殺す。
5:3回放送までに10人殺し? 知らないよ。次、会ったら藤木は殺す。友達も殺す。
[備考]
※マリィルートで、ルサルカを殺害して以降からの参戦です。
※殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。
※形成は一度の使用で12時間使用不可、創造は24時間使用不可
※グランシャリオの鎧越しであれば、相手に触れられたとは認識しません。
※アニメ版で使用した骸骨も使えます。



【ゴロゴロの実@ONE PIECE】
城ヶ崎姫子に支給。

自然系の悪魔の実で、その中でも無敵と謳われる能力の一つ。
口にした者は雷を操り自らも雷になる能力を得る。
雷という性質上非常に強力かつ応用の幅が広い。
原作の能力者エネルは、見聞色の覇気を電波に乗せ一つの島一帯から住民の心を読んだり。
宇宙船を開発しその動力源として無尽蔵の電力を供給し、黄金を溶かしそれを武器に変えたり黄金内を雷に変えた自分を通電させて移動するなど、様々な使い方を披露する。
現状、藤木にはそんな使い方はできない。

そして、自然系に共通する特徴として、操れる自然の力へと変換した体は物理攻撃を受けない。
ゴロゴロの実の場合、この能力者を殴ったり刺したりした者は雷に触れたのと同義であり、ダメージを与えるどころか雷が逆流し感電してしまう。
しかしもう一つの共通点として、拳や剣などに武装色の覇気を纏う事で自然系の悪魔の実の能力者の実体を捉えダメージを通す事が可能となる。
あくまでダメージを通すだけであり、能力そのものを無効にするわけではない。
ただし、覇気以外でも気、魔力、霊圧、チャクラ等の別作品の異能力や特異なエネルギーでも自然系にダメージを与えられるものとする。

そしてもう一つ、ゴロゴロの実の致命的な弱点としてゴムには一切の電撃が効かない。
覇気や異能力が込められていなくとも、ゴムであれば実体を捉えダメージを通す事が可能である。



073:ボーダーライン 投下順に読む 075:緋色の研究
時系列順に読む
051:「藤木、友達を失くす」の巻 藤木茂 092:さすらいの卑怯者
072:死ヲ運ブ白キ風 ウォルフガング・シュライバー 086:救われぬ者に救いの手を

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