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友達

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 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、美遊・エーデルフェルトにとって大切な友達。
 イリヤがいたからこそ美遊は喜びを知った。
 そのイリヤがエリカの手で人形にされた。
 生気が消えた瞳は底なしの暗闇に等しい。
 もちろん、イリヤから美遊に語りかけることはなく、笑ってもくれない。
 美遊は泣いた。
 生きる死体となった彼女に絶望した矢先だ。この殺し合いに巻き込まれたのは。
 どんな願いも叶えてみせる。
 乃亜の言葉は、美遊にとってたった一つ残された希望だった。
 如何なる魔術か死者の蘇生すらも乃亜は成し遂げた。
 いとも簡単にエインズワースの牢獄から美遊を攫った。
 その奇跡があればイリヤを元に戻せる。
 彼の言葉に従って戦えばイリヤを助けられる。
 イリヤの味方になれるのはたった一人しかいないから。

「…………美遊さん」

 引き離された彼女だって手の中にいる。
 カレイドステッキ・マジカルルビー。
 イリヤに魔法少女の力を与えてくれた心優しいパートナーだ。
 もしも彼女に顔があれば憂いを帯びたことが窺えた。
 その星の輝きに翳りが見える。

「ごめんなさい、ルビー。でも……こうするしかないの」

 口から溢れる悲痛な声。
 ルビーには事情を説明した。
 美遊がエインズワースに囚われの身になってから、イリヤは人形にされてしまったことを。
 イリヤを助けるためルビーの力を借りたい。
 当然、ルビーからは止められた。
 こんなことはイリヤさんも望まない。
 あなたが罪を背負っても悲しむだけ。
 わかっている。
 ルビーは乗らないし、イリヤの心を傷付けるだけだってくらい。
 でも理屈じゃない。
 イリヤを助けられなかったら後悔する。
 イリヤには帰りを待っているみんながいるから。
 彼女の尊い笑顔を失うのは死以上に耐え難い。
 宝物を取り戻せるならいくらでも手を赤く染められる。
 イリヤのいない未来に何一つ未練はない。
 地獄の底に堕ちて、この身を煉獄で焼かれようとも構わない。
 イリヤの喪失に比べたらほんの些事に過ぎなかった。

「こんなわたしを軽蔑するなら、お別れをしても大丈夫だから……」

 心を鉄に変えて。
 体の芯から迫り上がる吐き気を必死に抑えながら。
 今までの全てを裏切り、曲げてでも守りたい友達がいるから。
 いざとなったら、たった一人になってでも戦う覚悟があった。
 ヤダ。
 ルビーやサファイアともっと一緒にいたい。
 こんな最悪のお別れなんかしたくない。
 馬鹿騒ぎをして、楽しく遊びたかった。
 でも、そこにイリヤがいないのはもっとイヤだ。
 矛盾した感情で頭が乱れ、美遊の体が震える。

「いいえ、美遊さんの力になりますとも」

 ぴたりと。
 美遊の手に触れるのは優しい翼。
 いつもと変わらない明るい声で、ルビーは寄り添ってくれた。


「イリヤさんの笑顔は世界一ですからね」
「ーーーーうん」

 その言葉にほんの少しだけ心が和らいだ。
 何があっても一人じゃないって言われてるようで。
 イリヤを助けてくれる人が、他にもいることがとても嬉しくて。
 張り詰めていた心がほぐれたように、瞳から涙が溢れ出た。

「もし、イリヤさんたちが何か言ってきたら……私も一緒に謝ります。サファイアちゃんにもきちんと説得しますから」

 いつものお調子者な姿は鳴りを潜めて。
 まさに心優しいお姉さんのようなルビー。
 ルビーは自分の無力さを嘆いていた。
 離れ離れとなった僅かな間に、イリヤが人形にされるなど夢にも思わなかった。
 ましてや、美遊の心に深い傷を負わされては、ルビーといえども憤慨する。
 イリヤと美遊に何一つ非はない。
 だが、そうやって割り切れるような心を美遊は持っていなかった。
 下手な正論はむしろ美遊の傷を抉る他ない。
 美遊の心を満たすのはイリヤの笑顔だけ。
 だからこそ美遊は乃亜の言葉に耳を傾け、藁にも縋るしかなくなった。
 きっと、最後の最後で裏切られる可能性に美遊だって気付いている。
 今の美遊を救えるのは誰か。言われるまでもなくイリヤ以外にいない。
 その彼女はここにおらず、遠い平行世界で人形にされたまま。
 仇敵エインズワースの手にかかっている危険すらある。
 一刻も早く殺し合いに優勝し、イリヤを助ける必要があった。

「ごめんね、こんな泣き虫で」
「大丈夫です。いくらでも泣きましょうーー私がそばにいますから」
「……ありがとう、ルビー……」

 美遊の背中を優しくさするルビー。
 ルビーが人間の肉体を持っていたら、微笑みながら美遊を抱きしめていた。
 彼女をひとりぼっちにしないため、彼女の大切な友達を助ける。
 その後、どんな無理難題が待ち構えていようとも、二人を元の日常に帰してあげればいい。
 イリヤだってそのガッツでワガママを押し通し続けてきた。
 パートナーたるルビーがへこたれてどうするのか。
 罪だって美遊だけに背負わせたりなどしない。
 片棒を担げばいいだけだ。
 美遊にとってイリヤが特別なように、ルビーにとってもイリヤは特別な存在だから。


【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:健康、深い悲しみ、覚悟。
[装備]:カレイドステッキ・ルビー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1、クラスカード(不明)Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本方針:イリヤを元に戻すため、殺し合いに優勝する。
1:ルビーと力を合わせて殺し合いに勝ち残る。
[備考]
※ドライ!!にて人形にされたイリヤを目撃した直後からの参戦です。
※カレイドステッキ・ルビーはイリヤが人形にされたことを知りません。


124:年齢詐欺 投下順に読む 133:子供隊長
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START 美遊・エーデルフェルト 001:壊れた幻想

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