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兄弟の絆

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「なんでだよ乃亜!? なんで、こんな殺し合いなんて開いちまったんだ!!」

ジャケットを着た長髪の少年が叫ぶ。
海馬モクバは、先ほどの惨劇を引き起こした乃亜に対し届かぬ声を上げていた。

「オレたち……色々あったけど、最後には……助けてくれたじゃないか、なのになんでなんだ乃亜……!」

バトルシップ準決勝の最中、突如海底要塞を率い、モクバ達を始めとする海馬や遊戯達を電脳世界に引きずり込み、現実世界への帰還を掛けた命掛けのデュエルを挑んできた黒幕。
確かに、最初は怒りもあった。だが、乃亜と接していく内に乃亜だって本当は根っこからの悪人ではなかったこと。
命を落とし、電脳世界に転生したが故の孤独から、狂気に染まってはいたが、海馬とモクバの兄弟愛や遊戯と仲間達の結束を間近に見てきたことで、乃亜は人の優しさと温かさを取り戻した筈だ。


―――僕は人の心を取り戻すことが出来た。キミのお陰だよ、モクバありがとう……。


「言ってたじゃないか、人の心を取り戻せたって……」


―――そうだねえ……せっかくだ。キミたちの兄弟愛に題名でも付けてあげようか。
   『無様な敗北者達』キミたちにぴったりの名前じゃないか! 無駄死にご苦労様、せいぜいあの世で海賊ごっこに励んでいてくれたまえ!
   アッハハハハハハハハハハハハハ!!!


「あれじゃ、まるで元の……お前の言ってたこと、嘘だったのかよ。
 オレは……乃亜が生きていてくれて、嬉しかったんだぜ? ……それなのに乃亜、どうしてなんだよ。
 兄様、オレ……どうしたら……」

瞳に涙を浮かべながら、モクバはランドセルを地面に叩きつけた。
乃亜には、結局何も届かなかった。乃亜は冷徹な心を持ったまま、何も変わることのない機械のままだった。

「え、ブルー、アイズ……?」

モクバが投げつけたランドセルが蓋を開け、中身を散乱させる。筆記用具、タブレット、食糧、飲料、そしてランダムの支給品が散らばっていく。
そのなかに、誇り高き兄が最も信頼を置く僕の姿を見付ける。

―――僕は人間だ。機械なんかじゃない。

そして、思い出す。もう一人の兄弟が残した最期の声を、言葉を、その想いを。

「……嘘なんかじゃ、ない」

その一枚のカードを拾い上げる。勝利を齎すと言われる白き龍のカード。

「ミサイルからオレ達を逃がしてくれた後、お前に何があったかなんて、オレには分からないけど……あの言葉は嘘なんかじゃなかったんだ」

そう、あの時に誓ったはずだ。
乃亜と別れ、決戦の地アルトカラズへと向かう空路のなかで、乃亜の分まで生きると。何時までも兄である海馬瀬人に頼りっきりにはならないと。

「そうだ、今度はオレの番だ。忘れたのは、オレじゃないか……すぐ兄様に頼ろうとして、乃亜の分まで一生懸命生きるって決めただろ……!
 だったら、こんなとこで諦めちゃ駄目なんだ! 兄様が、オレを助けようとしてくれた時、一度だって諦めたかよ!」

あの兄が自分と同じ立場なら、こんな場所で嘆いてばかりで諦める事などしたか? いや、そんな訳はない。きっと、最後の最後まで諦めるなんてしないはずだ。
海馬がモクバを救い出すため、乃亜とのデュエルで引き分けを捨て敗北を顧みず青眼の白龍を召喚し、最後の勝負を挑んだ時のように。
いつまでも、助けられるだけの立場じゃない。

「兄様……今だけは兄様のプライド……兄様の魂、オレに貸してほしいぜ……!
 乃亜、お前が人の心を忘れちまったんなら……またオレが、何度だって取り戻してやる! オレを助けてくれた兄様みたいに……!」

拳を強く握りしめ、モクバは決意する。
自分のもう一人の兄弟を、それが自分の意思で行っていることなら絶対に止める。もしも、誰かに強制された事なら絶対に助け出す。
その手に兄弟を結ぶ、絆の象徴のカードを握りながら。



【海馬モクバ@遊戯王デュエルモンスターズ】
[状態]:健康
[装備]:青眼の白龍@遊戯王デュエルモンスターズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2~0
[思考・状況]基本方針:乃亜を止める。人の心を取り戻させる。
1:殺し合いに乗ってない奴を探す。
[備考]
参戦時期はバトルシティ編終了以降です。


【青眼の白龍@遊戯王デュエルモンスターズ】
通常モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
高い攻撃力を誇る伝説のドラゴン。
どんな相手でも粉砕する、その破壊力は計り知れない。


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