大型のトラックがアクセル全開で激突した様な重低音は、秒の間を置かず響き続ける。
振われる突撃槍と岩塊が激突する度に、家一軒四散させられそうなエネルギーが生じ、突撃槍と岩塊を振るう二人の少女の肉体を伝って、二人の踏み締める地面を粉砕していく。
斬り結ぶ二人は一撃を交わすごとに足首まで地面に埋めながら、それでも尚一層激しく苛烈に得物を振るう。
顔に焦燥を浮かべ、全身に傷を負ったイリヤが、シャルディアの左腕を狙う軌跡で、剛速で岩塊を振り下ろす。
押し出される空気だけで、人が木端の様に舞い飛びそうな暴風を生みながら、破壊そのものと言うべき岩塊が左腕に迫るのを、シャルディアは冷静に見極めた。
イリヤの剣撃に応じたシャルディアは、突撃槍を横に振り払い岩塊を弾き飛ばすと、イリヤの心臓目掛けて突撃槍を突き込む。
これをイリヤは右手を横薙ぎに振るいながら左半身(ひだりはんみ)になる事で回避。左腕 一本で斧剣を操り、シャルディアの胴に叩き込む。
直撃すれば、否、直撃を避けたとしても当たって仕舞えば、シャルディアといえども胴が両断されるどころか、粉砕されて血霧と無数の肉片となるであろう一撃。右腕が無く、得物を握る左腕を攻撃に用いたばかりのシャルディアにとっては、防ぐ事は不可能。
舌打ちをしながらシャルディアは左に跳び、斧剣が自らの身体に到達する迄の時間を僅かに先へと延ばす。そうして作った時間を利用して、突撃槍を斧剣へと突き込む事で生じた反動を用い、イリヤから距離を取った。
振われる突撃槍と岩塊が激突する度に、家一軒四散させられそうなエネルギーが生じ、突撃槍と岩塊を振るう二人の少女の肉体を伝って、二人の踏み締める地面を粉砕していく。
斬り結ぶ二人は一撃を交わすごとに足首まで地面に埋めながら、それでも尚一層激しく苛烈に得物を振るう。
顔に焦燥を浮かべ、全身に傷を負ったイリヤが、シャルディアの左腕を狙う軌跡で、剛速で岩塊を振り下ろす。
押し出される空気だけで、人が木端の様に舞い飛びそうな暴風を生みながら、破壊そのものと言うべき岩塊が左腕に迫るのを、シャルディアは冷静に見極めた。
イリヤの剣撃に応じたシャルディアは、突撃槍を横に振り払い岩塊を弾き飛ばすと、イリヤの心臓目掛けて突撃槍を突き込む。
これをイリヤは右手を横薙ぎに振るいながら左半身(ひだりはんみ)になる事で回避。左腕 一本で斧剣を操り、シャルディアの胴に叩き込む。
直撃すれば、否、直撃を避けたとしても当たって仕舞えば、シャルディアといえども胴が両断されるどころか、粉砕されて血霧と無数の肉片となるであろう一撃。右腕が無く、得物を握る左腕を攻撃に用いたばかりのシャルディアにとっては、防ぐ事は不可能。
舌打ちをしながらシャルディアは左に跳び、斧剣が自らの身体に到達する迄の時間を僅かに先へと延ばす。そうして作った時間を利用して、突撃槍を斧剣へと突き込む事で生じた反動を用い、イリヤから距離を取った。
「チィッ…」
再度の舌打ち。先刻からイリヤの狙いは、スポイトランスを持つ左腕。乃亜に奪われ、そして取り戻した、至高の御方より賜った武具を持つ左腕は、シャルディアが最優先で護らなければならない部位だ。
狙われれば、当然対処しなければならない。左腕を破壊されてしまえば、シャルディアは当面の間スポイトランスを持つことが出来なくなる。
その間に、逃げた二人からシャルディアを引き離したいイリヤがスポイトランスを拾って逃走する事は、充分に考えられた。
そうなれば、シャルディアはイリヤを追跡しなければならなくなる。無力な獲物から引き離される事を理解していても、そうするしか無い。
だが、左腕にばかり気を取られていると、右腕が欠けた為に、防御が困難な右胴を狙ってくる。
狡い相手だった。主人であるアインズや、同輩であるデミウルゴスが知れば、シャルディアに参考にする様に言うかも知れない程度には。
狙われれば、当然対処しなければならない。左腕を破壊されてしまえば、シャルディアは当面の間スポイトランスを持つことが出来なくなる。
その間に、逃げた二人からシャルディアを引き離したいイリヤがスポイトランスを拾って逃走する事は、充分に考えられた。
そうなれば、シャルディアはイリヤを追跡しなければならなくなる。無力な獲物から引き離される事を理解していても、そうするしか無い。
だが、左腕にばかり気を取られていると、右腕が欠けた為に、防御が困難な右胴を狙ってくる。
狡い相手だった。主人であるアインズや、同輩であるデミウルゴスが知れば、シャルディアに参考にする様に言うかも知れない程度には。
「至高の御方の名を口にしたのは、失敗でありんした」
至高の御方より賜った武具を奪い返した高揚のままに、敵に情報を与えてしまった事は失策だった。スポイトランスが本来はシャルディアの武具であり、同時に弱みであると知られてしまったのだから。
この失策が無ければ、こうまで粘られる事は無かっただろう。
アルベドが知れば、さぞかし嫌味ったらしく詰ることだろう失敗だった。
だが、それを差し引いても、勝つのは己だとシャルディアは驕りでも慢心に依るものでも無く確信している。
この失策が無ければ、こうまで粘られる事は無かっただろう。
アルベドが知れば、さぞかし嫌味ったらしく詰ることだろう失敗だった。
だが、それを差し引いても、勝つのは己だとシャルディアは驕りでも慢心に依るものでも無く確信している。
(あの強化。完璧なる戦士(パーフェクトウォリアー)の同類ならば、魔力が常時減り続ける筈。しかもこの強化率、かなり強力なバフが掛かっている。消耗も大きい筈)
シャルディアが勝ちを確信したのは、単純にイリヤの異常なまでの強化による。
シャルディアに課せられた制限を考慮しても、イリヤの強化は凄まじいとしか言いようが無い。
軽く撫ぜるだけで、原型を留めぬ血肉の塊となる脆弱な人間が、己と真っ向から撃ち合う程にまで強化されたのだ。
何倍などという強化率では無い。別の存在になったとしか思えない化けっぷり。
そして、イリヤの魔法詠唱者(マジックキャスター)としてのレベルが、そう高く無いことも加味すれば、自身の力に依らない激烈な強化を用いた事は明らかだ。
それは、つまり、魔力か体力かあるい両方か、それとも身体そのものかに対する、イリヤの消耗が激しいであろう事を意味する。此処までの強化が何処にも負担とならない訳が無い。
地力で遥かに勝るシャルディアは、この時点で敗北する可能性は無いと言って良い。
『現状の』イリヤを打倒できずとも、そう時間を掛けることなく、イリヤは自滅するのだから。
更に言えば、今のイリヤは只々斧剣を振るうだけだ。戦い方こそ小賢しいが、最初に戦った二人の様な多彩さは無い。耳長の方が発揮した狡猾さも見せてはいない。
アインズ・ウール・ゴウンがシャルディアを降した時に使用した、多彩な攻め手や、膨大なPvPにより蓄積された戦術や経験は、イリヤは持ち合わせてはいないのだろう。
つまりは、正奇どちらにせよ、シャルディアが敗北する可能性は低い。
シャルディアに課せられた制限を考慮しても、イリヤの強化は凄まじいとしか言いようが無い。
軽く撫ぜるだけで、原型を留めぬ血肉の塊となる脆弱な人間が、己と真っ向から撃ち合う程にまで強化されたのだ。
何倍などという強化率では無い。別の存在になったとしか思えない化けっぷり。
そして、イリヤの魔法詠唱者(マジックキャスター)としてのレベルが、そう高く無いことも加味すれば、自身の力に依らない激烈な強化を用いた事は明らかだ。
それは、つまり、魔力か体力かあるい両方か、それとも身体そのものかに対する、イリヤの消耗が激しいであろう事を意味する。此処までの強化が何処にも負担とならない訳が無い。
地力で遥かに勝るシャルディアは、この時点で敗北する可能性は無いと言って良い。
『現状の』イリヤを打倒できずとも、そう時間を掛けることなく、イリヤは自滅するのだから。
更に言えば、今のイリヤは只々斧剣を振るうだけだ。戦い方こそ小賢しいが、最初に戦った二人の様な多彩さは無い。耳長の方が発揮した狡猾さも見せてはいない。
アインズ・ウール・ゴウンがシャルディアを降した時に使用した、多彩な攻め手や、膨大なPvPにより蓄積された戦術や経験は、イリヤは持ち合わせてはいないのだろう。
つまりは、正奇どちらにせよ、シャルディアが敗北する可能性は低い。
(腹が立つでありんす)
にも関わらず、シャルディアの面貌に浮かぶものは苛立ち。
シャルディアにしてみれば、最早イリヤは、相当くない未来に勝利が確定した相手でしか無い。にも関わらず苛立っているのは、イリヤの持つ斧剣にあった。
シャルディアにしてみれば、最早イリヤは、相当くない未来に勝利が確定した相手でしか無い。にも関わらず苛立っているのは、イリヤの持つ斧剣にあった。
(何であんな岩の塊ひとつ。この至高の御方より授かりし武具が砕けない!!!)
神宝(ゴッズ)級アイテムであるスポイトランスならば、たかが岩でできた斧剣など、容易くへし折り打ち砕く。
ましてや総合力でナザリック最強のシャルディアの身体能力で扱われるとなれば尚更だ。
その筈が、二百を超えてなお、斧剣は砕けるどころか折れもせず健在。
シャルディアにしてみっrば、イリヤよりも余程理解できぬ存在だった。
ましてや総合力でナザリック最強のシャルディアの身体能力で扱われるとなれば尚更だ。
その筈が、二百を超えてなお、斧剣は砕けるどころか折れもせず健在。
シャルディアにしてみっrば、イリヤよりも余程理解できぬ存在だった。
シャルディアが疑問に思い、苛立ちを覚えるのも無理はない。この斧剣は、異なる歴史に於いては、剣というカテゴリーに於ける最高位にある聖剣と真っ向から撃ち合って毀れる事すら無く。
人類の創り出した数多の財を蓄えた蔵。その中から至純の域にある武具を、雨霞の如く撃ち出す事により形成される弾幕。それを打ち払い、薙ぎ払っても、欠ける事すら無かった、理不尽とも言うべき頑強さを誇る岩塊である。
人外の膂力を以って振われるスポイトランスであっても、そうそう砕く事など出来はしない。
人類の創り出した数多の財を蓄えた蔵。その中から至純の域にある武具を、雨霞の如く撃ち出す事により形成される弾幕。それを打ち払い、薙ぎ払っても、欠ける事すら無かった、理不尽とも言うべき頑強さを誇る岩塊である。
人外の膂力を以って振われるスポイトランスであっても、そうそう砕く事など出来はしない。
(嗚呼、腹が立つでありんす)
◆
シャルディアが動きを止めて出来た時間を空費せず、イリヤは大きく息を吸い、吐き出す。
何度息が出来るかは判らないが、此処は回復に努めるべきだった。
理解(わか)っていたこよだが、シャルディアは強い。
白兵戦では三騎士に匹敵し、キャスタークラスを名乗れる魔術の業。然も持つ武器まで超一流。どこにも隙など有りはしない。
最初こそ不意をついてシャルディアを後退させたものの、仕切り直された後はイリヤの不利は揺るがない。
シャルディアが口を滑らせてくれたお陰で、スポイトランスを集中して狙い、シャルディアの行動を制限する作戦を取れたが、この僥倖が無ければ戦況は更にイリヤに不利となっただろう。
イリヤとしては、シャルディアを此処で打倒する必要は無い。シャルディアからのび太とニンフが安全な距離まで離れられればそれで良いのだ。単純に、時間を稼ぐだけでも、イリヤの目的は達成される。
只の時間稼ぎ────シャルディア・ブラッドフォールンという名の怪物が相手では、それすら叶いそうに無かったが。
シャルディアの実力抜きにしても、イリヤは継戦能力に難がある。イリヤか雪華綺晶のどちらかの持久力が尽きれば、そこで全ては終わるのだから。
つまりは、短期決戦。イリヤがこの局面を乗り切るにはそれしか無く。そしてその困難は計り知れなかった。
打開策を考えるイリヤを前に、シャルディアの唇が動き、詠唱を開始する。
誘いの手である。これまでに数度、シャルディアは魔法を行使しようとし、空へと飛行しようとした。
距離を取られての魔術の連打を受ければ、イリヤは為す術無く“詰み”に持っていかれる。
飛行されてしまえば、尚更だ。地上のイリヤを無視してシャルディアが二人を追うかも知れない。
その為、イリヤはシャルディアが詠唱を開始する度に、飛行しようとする素振りを見せる度に、無謀と承知で吶喊した。
そしてその度に、シャルディアから痛打を与えられてきた。
だが、それでも、乗るしか無い。
l
「はあああああああああっっ!!!」
何度息が出来るかは判らないが、此処は回復に努めるべきだった。
理解(わか)っていたこよだが、シャルディアは強い。
白兵戦では三騎士に匹敵し、キャスタークラスを名乗れる魔術の業。然も持つ武器まで超一流。どこにも隙など有りはしない。
最初こそ不意をついてシャルディアを後退させたものの、仕切り直された後はイリヤの不利は揺るがない。
シャルディアが口を滑らせてくれたお陰で、スポイトランスを集中して狙い、シャルディアの行動を制限する作戦を取れたが、この僥倖が無ければ戦況は更にイリヤに不利となっただろう。
イリヤとしては、シャルディアを此処で打倒する必要は無い。シャルディアからのび太とニンフが安全な距離まで離れられればそれで良いのだ。単純に、時間を稼ぐだけでも、イリヤの目的は達成される。
只の時間稼ぎ────シャルディア・ブラッドフォールンという名の怪物が相手では、それすら叶いそうに無かったが。
シャルディアの実力抜きにしても、イリヤは継戦能力に難がある。イリヤか雪華綺晶のどちらかの持久力が尽きれば、そこで全ては終わるのだから。
つまりは、短期決戦。イリヤがこの局面を乗り切るにはそれしか無く。そしてその困難は計り知れなかった。
打開策を考えるイリヤを前に、シャルディアの唇が動き、詠唱を開始する。
誘いの手である。これまでに数度、シャルディアは魔法を行使しようとし、空へと飛行しようとした。
距離を取られての魔術の連打を受ければ、イリヤは為す術無く“詰み”に持っていかれる。
飛行されてしまえば、尚更だ。地上のイリヤを無視してシャルディアが二人を追うかも知れない。
その為、イリヤはシャルディアが詠唱を開始する度に、飛行しようとする素振りを見せる度に、無謀と承知で吶喊した。
そしてその度に、シャルディアから痛打を与えられてきた。
だが、それでも、乗るしか無い。
l
「はあああああああああっっ!!!」
両手で斧剣を振り上げ、狙うはシャルディアの左腕────と見せかけて首。
不死殺しの爆発を起こす首輪もまた、シャルディアに取っては無視できぬものだ。
不死殺しの爆発を起こす首輪もまた、シャルディアに取っては無視できぬものだ。
「ハッ!」
絶死の一撃を振り下ろしてくるイリヤに嘲笑を浴びせ、横薙ぎに首を狙って迫る斧剣を、シャルディアは身を低くして回避。頭上を斧剣が通過すると同時に立ち上がるのと、イリヤの腹に右の爪先蹴りを入れる事を同時にやってのける。
「ゴハッ!」
イリヤの身体が『く』の字に曲がり、後方へとすっ飛んでいく。Cランク以下の攻撃を無効化するバーサーカーの宝具も、素の攻撃力も武具もAランクに到達しているシャルディアには意味を為さない。
再度紡がれる詠唱。陽動では無い本命の魔法行使。轟音と共に噴き上がる爆炎の中から、炎の赫糸を引きながらイリヤが飛び出す。
立て直す暇を与えず、シャルディアはイリヤへと侵攻し、スポイトランスを喉首目掛けて突き込む。イリヤが咄嗟に振るった斧剣と激突し、盛大な火花と共に、欠けた岩が飛び散り、不十分ば姿勢で受けたイリヤが、バランスを崩した所へ再度の蹴撃。再び腹を蹴り抜かれ、吐瀉物を吐き散らしながらイリヤの身体が地面と水平に飛んでいき、停めてあった車に激突。ただそれだけで原型を留めなくなった乗用車が、派手な音を立ててひっくり返り、それでも勢いは収まらず、イリヤをめり込ませたまま転がり、二回、上下が入れ替わって漸く底部を上に向けて止まった。ガソリンが漏れ、周囲に悪臭が立ち込める。
此処でシャルディアが魔法を行使して火球を放ったのは、結果を狙ってのでは無く、純粋にガソリンの臭いを嫌ってのことだった。
シャルディアの放った炎は当然の如くガソリンに引火。残骸となっていた車体が盛大に爆散し、アスファルトすら融かす高熱の炎が燃え盛り、周囲に黒煙が立ち込めた。
予想外の事態に、驚いたシャルディアは大きく後ろに飛び退る。その身体が宙に有る最中に、突如として黒煙を突き破り、シャルディアにイリヤが猛襲をかける!!
再度紡がれる詠唱。陽動では無い本命の魔法行使。轟音と共に噴き上がる爆炎の中から、炎の赫糸を引きながらイリヤが飛び出す。
立て直す暇を与えず、シャルディアはイリヤへと侵攻し、スポイトランスを喉首目掛けて突き込む。イリヤが咄嗟に振るった斧剣と激突し、盛大な火花と共に、欠けた岩が飛び散り、不十分ば姿勢で受けたイリヤが、バランスを崩した所へ再度の蹴撃。再び腹を蹴り抜かれ、吐瀉物を吐き散らしながらイリヤの身体が地面と水平に飛んでいき、停めてあった車に激突。ただそれだけで原型を留めなくなった乗用車が、派手な音を立ててひっくり返り、それでも勢いは収まらず、イリヤをめり込ませたまま転がり、二回、上下が入れ替わって漸く底部を上に向けて止まった。ガソリンが漏れ、周囲に悪臭が立ち込める。
此処でシャルディアが魔法を行使して火球を放ったのは、結果を狙ってのでは無く、純粋にガソリンの臭いを嫌ってのことだった。
シャルディアの放った炎は当然の如くガソリンに引火。残骸となっていた車体が盛大に爆散し、アスファルトすら融かす高熱の炎が燃え盛り、周囲に黒煙が立ち込めた。
予想外の事態に、驚いたシャルディアは大きく後ろに飛び退る。その身体が宙に有る最中に、突如として黒煙を突き破り、シャルディアにイリヤが猛襲をかける!!
「!!!?」
不意を打たれても、流石は総合力ナザリック最強は伊達ではない。
突撃槍を斧剣目掛けて突き入れる事で、イリヤの攻勢を止めるのと、反動により間合いを離す事を同時にやってのけ、両足が地面を踏みしめた瞬間に再度跳躍。
立て直して突貫してきたイリヤの上方を取ると、脳点目掛けて槍を繰り出す。
突撃槍を斧剣目掛けて突き入れる事で、イリヤの攻勢を止めるのと、反動により間合いを離す事を同時にやってのけ、両足が地面を踏みしめた瞬間に再度跳躍。
立て直して突貫してきたイリヤの上方を取ると、脳点目掛けて槍を繰り出す。
「!?」
響き渡る凄絶な音は、鋼と鋼が激突する轟だ。イリヤが咆哮と共に無理矢理身体の向きを変え、槍の切先を薙ぎ払ったのだ。
空中で身体を半回転させて背を晒したシャルディアに、イリヤが此処で渾身の力を振り絞っての一剣。
両者共に、相手を確殺し得る戦力を保有する強者。強き者同士の闘争に於いて、シャルディアの晒した隙はあまりにも致命的で────。
シャルディアの背中に叩き込まれた斧剣は、シャルディアの背骨を砕いて右肺を潰し、シャルディアの口から噴水の様に肉片混じりの鮮血を噴き出させたのみならず、シャルディアを虚空の彼方へと飛ばしてしまった。
空中で身体を半回転させて背を晒したシャルディアに、イリヤが此処で渾身の力を振り絞っての一剣。
両者共に、相手を確殺し得る戦力を保有する強者。強き者同士の闘争に於いて、シャルディアの晒した隙はあまりにも致命的で────。
シャルディアの背中に叩き込まれた斧剣は、シャルディアの背骨を砕いて右肺を潰し、シャルディアの口から噴水の様に肉片混じりの鮮血を噴き出させたのみならず、シャルディアを虚空の彼方へと飛ばしてしまった。
◆
荒い息を吐きながら、イリヤは地面にへたり込む。
ここでシャルディアを仕留める事が出来なかったのは痛いが、アレ程の強敵に襲われて誰も死なずに済んだのは快挙と誇って良いだろう、
だが────。シャルディアが何処へ飛んだのかが判然としないのは憂慮すべき事態だった。
二人が逃げた先に飛んで行ったら、かなりの深傷を負わせたとはいえ、のび太とニンフの手に負える相手では無い。
雪華綺晶と合流して、のび太と達の後を追うべきだろう。
イリヤは三度、深呼吸をすると、シャルディアの飛んでいった方向へと移動を開始した。
ここでシャルディアを仕留める事が出来なかったのは痛いが、アレ程の強敵に襲われて誰も死なずに済んだのは快挙と誇って良いだろう、
だが────。シャルディアが何処へ飛んだのかが判然としないのは憂慮すべき事態だった。
二人が逃げた先に飛んで行ったら、かなりの深傷を負わせたとはいえ、のび太とニンフの手に負える相手では無い。
雪華綺晶と合流して、のび太と達の後を追うべきだろう。
イリヤは三度、深呼吸をすると、シャルディアの飛んでいった方向へと移動を開始した。
【一日目/黎明/D-8 港内】
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:全身に火傷(治癒中)、夢幻召喚中、雪華綺晶と契約。 疲労(大)
[装備]:カレイドステッキ・サファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3、クラスカード『アサシン』Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『バーサーカー』Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本方針:殺し合いから脱出して、美遊を助けに行く。
1:殺し合いを止める。シャルティアからのび太さんたちを守る
2:雪華綺晶ちゃんとサファイアを守る。
3:リップ君は止めたい。
4:みんなと協力する
5:のび太たちの後を追う
[備考]
※ドライ!!!四巻以降から参戦です。
※雪華綺晶と媒介(ミーディアム)としての契約を交わしました。
※クラスカードは一度使用すると二時間使用不能となります。
のび太、ニンフ、雪華綺晶との情報交換で、【そらのおとしもの、Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ、ローゼンメイデン、ドラえもん】の世界観について大まかな情報を共有しました
※バーサーカーのクラスカードを夢幻召喚しています。雪華綺晶の能力で狂化の影響を抑え込んでいますが、それがどれほど保つかは後続の書き手にお任せします。
[状態]:全身に火傷(治癒中)、夢幻召喚中、雪華綺晶と契約。 疲労(大)
[装備]:カレイドステッキ・サファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3、クラスカード『アサシン』Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『バーサーカー』Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本方針:殺し合いから脱出して、美遊を助けに行く。
1:殺し合いを止める。シャルティアからのび太さんたちを守る
2:雪華綺晶ちゃんとサファイアを守る。
3:リップ君は止めたい。
4:みんなと協力する
5:のび太たちの後を追う
[備考]
※ドライ!!!四巻以降から参戦です。
※雪華綺晶と媒介(ミーディアム)としての契約を交わしました。
※クラスカードは一度使用すると二時間使用不能となります。
のび太、ニンフ、雪華綺晶との情報交換で、【そらのおとしもの、Fate/Kaleid liner プリズマ☆イリヤ、ローゼンメイデン、ドラえもん】の世界観について大まかな情報を共有しました
※バーサーカーのクラスカードを夢幻召喚しています。雪華綺晶の能力で狂化の影響を抑え込んでいますが、それがどれほど保つかは後続の書き手にお任せします。
◆
怒りの咆哮を上げながら、シャルディアは流星の如く空を飛ばされていた。
勝てた筈の戦いを落とした失態が、シャルディアの脳を激しく焼くが、現状では、エルフにもイリヤにも勝てはしない。
それどころか、イリヤが逃がぢた二人にも、不覚を取るかも知れなかった。
勝てた筈の戦いを落とした失態が、シャルディアの脳を激しく焼くが、現状では、エルフにもイリヤにも勝てはしない。
それどころか、イリヤが逃がぢた二人にも、不覚を取るかも知れなかった。
(気に入らない…が、これ以上の失態を重ねる事に比べれば)
渾身の力を込めて空中で静止したシャルディアが取り出したのは、小瓶に入った赤黒い粉末。
俗に言う乾燥血漿というものだ。
俗に言う乾燥血漿というものだ。
「……………」
一瞬。極大の怒りの籠った眼差しで瓶を見つめたシャルディアは、一気に瓶の中身を飲み干した。
「ああ…」
全身に力が満ち溢れ、損傷した肉体の回復速度が劇的に向上していくのを感じ、シャルディアは感極まった喘ぎを漏らす。
暫くすれば、行動に支障が無くなる程度には回復するだろう。
回復するまで、煩わされない場所を探して辺りを見渡したシャルディアは、見知らぬ二人と対峙する、逃げた二人を目撃し、唇の両端を釣り上げた。
暫くすれば、行動に支障が無くなる程度には回復するだろう。
回復するまで、煩わされない場所を探して辺りを見渡したシャルディアは、見知らぬ二人と対峙する、逃げた二人を目撃し、唇の両端を釣り上げた。
「あの銀髪の小娘の前に、奴らの首を並べてやるのも面白い」
身体が回復した後の行動を決めて、シャルディアは地へと降り立った。
【一日目/黎明/E-8】
【シャルティア・ブラッドフォールン@オーバーロード】
[状態]:怒り(大)、右腕欠損、背骨粉砕骨折(治療中)、右肺が潰れている(治療中)
[装備]:スポイトランス@オーバーロード 闇の賜物@Dies Irae
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:優勝する
1:真紅の全身鎧を見つけ出し奪還する。
2:汚い手で至高の御方から賜りし槍に触れた奴らを誅伐する。
3:自分以外の100レベルプレイヤーと100レベルNPCの存在を警戒する。
4:武装を取り戻し次第、エルフに借りを返す。
5:身体が動くようになったら、あの二人(ニンフとのび太)を殺す
[備考]
アインズ戦直後からの参戦です。
魔法の威力や効果等が制限により弱体化しています。
その他スキル等の制限に関しては後続の書き手様にお任せします。
[状態]:怒り(大)、右腕欠損、背骨粉砕骨折(治療中)、右肺が潰れている(治療中)
[装備]:スポイトランス@オーバーロード 闇の賜物@Dies Irae
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:優勝する
1:真紅の全身鎧を見つけ出し奪還する。
2:汚い手で至高の御方から賜りし槍に触れた奴らを誅伐する。
3:自分以外の100レベルプレイヤーと100レベルNPCの存在を警戒する。
4:武装を取り戻し次第、エルフに借りを返す。
5:身体が動くようになったら、あの二人(ニンフとのび太)を殺す
[備考]
アインズ戦直後からの参戦です。
魔法の威力や効果等が制限により弱体化しています。
その他スキル等の制限に関しては後続の書き手様にお任せします。
支給品解説
闇の賜物@Dies Irae
オスマン帝国の兵士達を生きたままに串刺し刑に処し、その大量の死体を荒野へ野晒しにしたことから『串刺公(カズィクル・ベイ)』の異名を持つワラキア領主、ヴラド三世の結晶化した血液が素体。
世界に数ある吸血鬼伝説のモデルとなった人物の血ということで、聖遺物としての特性も非常に吸血鬼然としたものとなっている。
世界に数ある吸血鬼伝説のモデルとなった人物の血ということで、聖遺物としての特性も非常に吸血鬼然としたものとなっている。
身体能力や、五感の向上は元より、吸血鬼である者が使用すると、吸血鬼としての能力が全般的に向上する。
040:不安の種 | 投下順に読む | 042:男の子ひとりも知りもしないのに |
時系列順に読む | ||
036:かけ違えた世界で | イリヤスフィール・フォン・アインツベルン | 056:BATTLE ROYALE 命尽き果てるまで戦い続ける者たち |
シャルティア・ブラッドフォールン |