藤木茂は調子に乗っていた。
おそらく彼の人生で最大級に調子に乗っていた。
殺し合う事を強要され、初戦で的場梨沙のヘイトスピーチの嵐に精神を切り苛まれた挙句、奈良シカマルの前に敢えなく敗走した過去を経て。
今現在、どうやっても勝ち目の存在しないドロテアと対峙しているにも関わらず、藤木茂は調子に乗っていた。
おそらく彼の人生で最大級に調子に乗っていた。
殺し合う事を強要され、初戦で的場梨沙のヘイトスピーチの嵐に精神を切り苛まれた挙句、奈良シカマルの前に敢えなく敗走した過去を経て。
今現在、どうやっても勝ち目の存在しないドロテアと対峙しているにも関わらず、藤木茂は調子に乗っていた。
「オラオラオラオラオラーーーー!!なのじゃーーー!!!」
どこか投げやりな掛け声を伴って、藤木茂の上半身にドロテアが無数の拳を撃ち込ま
むも、全武装錬金中最高の防御力を誇るシルバースキンに受け止められ、運動エネルギーすら受け止めるその装甲の前に何の効果も表せない。
ドロテアの拳を一つでも、藤木茂が生身で受ければ確実に即死する威力ではあるが、その悉くを防いで、藤木茂の身体に僅かな衝撃も伝えぬシルバースキンの防御力は、確かに驚異的と言えるものだった。
むも、全武装錬金中最高の防御力を誇るシルバースキンに受け止められ、運動エネルギーすら受け止めるその装甲の前に何の効果も表せない。
ドロテアの拳を一つでも、藤木茂が生身で受ければ確実に即死する威力ではあるが、その悉くを防いで、藤木茂の身体に僅かな衝撃も伝えぬシルバースキンの防御力は、確かに驚異的と言えるものだった。
「うおおお!!!!」
ドロテアに打たれ続けながら、咆哮や気勢というよりは、窮鼠の絶叫と言うべき声と共に、藤木茂は反撃の一打を放つも、あっさりとドロテアに躱されてしまう。
伸ばした右手首を掴まれて思い切り圧搾されるものの、シルバースキンがが弾けることで、ドロテアの拘束を振り解く。
伸ばした右手首を掴まれて思い切り圧搾されるものの、シルバースキンがが弾けることで、ドロテアの拘束を振り解く。
「!?」
こうなる事を読んでいたのか、手首の圧搾が消えると同時に、シルバースキンに覆われた 藤木の顔面が、ドロテアの手に鷲掴みにされ、そのまま藤木茂の身体は弧を描いて宙に舞い、背中から地面に落ちた。
飛距離にして10mを越え、高さに至っては最高で6mを越える高さへと、藤木茂の身体を飛ばした投擲。幾ら藤木が小学生であったとしても、人の身では到底為し得ぬ事だった。
通常ならばこれ程の高さから落ちれば良くて病院送り、悪ければ死ぬ。
然し、この落下に際してもシルバースキンは藤木を無傷で地面へと降ろした。
飛距離にして10mを越え、高さに至っては最高で6mを越える高さへと、藤木茂の身体を飛ばした投擲。幾ら藤木が小学生であったとしても、人の身では到底為し得ぬ事だった。
通常ならばこれ程の高さから落ちれば良くて病院送り、悪ければ死ぬ。
然し、この落下に際してもシルバースキンは藤木を無傷で地面へと降ろした。
(ふ…ふふふ……この女の子もシカマルと同じで普通じゃ無い。けれど、僕には傷一つつけられていない………僕は無敵なんだ。僕は、誰にも、負けないんだ!!)
明らかに人の域を超えた身体能力を持つドロテアの攻撃を受け続けて、全くの無傷であるという事実に、シカマルの時の様に、超能力でも使われない限り、自分は無敵なのだと確信する。
セト神の能力も何度か使用したが、本来ならば先程のディオよりも幼くなっている筈が、全く変わらない姿で藤木と対峙し続けている。
一方で、これまでにドロテアに対して何度か攻撃を加えているものの、最初に二発当たっただけで、それ以降は悉くを防がれ、躱されて、反撃を受けている。
明らかに、藤木茂の理解を超えた存在で有り、そんなものと戦い続けて未だ無傷という事実は、藤木茂を更に調子に乗らせていた。
高揚する意識のままに、シルバースキンに覆われた顔に醜悪な笑顔を浮かべた藤木に向けて、ドロテアは掬い上げた土塊を投擲。
ドロテアの埒外の握力で握り固められた土塊は、同じ大きさの石すら超える硬度を獲得、成人男性を片手で振り回す腕力で投げ放たれ、時速200kmを超える速度で藤木の胸に直撃するも、被弾箇所が瞬時に金属硬化、砕けた土塊と、六角形の銀片が宙を舞う。
よろめいた藤木にドロテアが一気に迫り、右のアッパーを放つ。これもまたシルバースキンに無効化されるも、ドロテアは構う事なく拳を突き上げ藤木を宙に浮かすと、腹に思い切り前蹴りを入れ、藤木を20m近く蹴り飛ばした。
派手に土煙を上げて藤木は倒れ込むが、何事もなかったかの様に立ち上がると、再びドロテアに向き直った。
凡そ誰の目から見ても一方的な戦闘であり、シルバースキンが無ければ、当に藤木茂は地に伏していたことだろう。
それでも藤木茂は己の勝利を疑わない。何故ならば、藤木茂には確たる勝算が有るからだ。
セト神の能力も何度か使用したが、本来ならば先程のディオよりも幼くなっている筈が、全く変わらない姿で藤木と対峙し続けている。
一方で、これまでにドロテアに対して何度か攻撃を加えているものの、最初に二発当たっただけで、それ以降は悉くを防がれ、躱されて、反撃を受けている。
明らかに、藤木茂の理解を超えた存在で有り、そんなものと戦い続けて未だ無傷という事実は、藤木茂を更に調子に乗らせていた。
高揚する意識のままに、シルバースキンに覆われた顔に醜悪な笑顔を浮かべた藤木に向けて、ドロテアは掬い上げた土塊を投擲。
ドロテアの埒外の握力で握り固められた土塊は、同じ大きさの石すら超える硬度を獲得、成人男性を片手で振り回す腕力で投げ放たれ、時速200kmを超える速度で藤木の胸に直撃するも、被弾箇所が瞬時に金属硬化、砕けた土塊と、六角形の銀片が宙を舞う。
よろめいた藤木にドロテアが一気に迫り、右のアッパーを放つ。これもまたシルバースキンに無効化されるも、ドロテアは構う事なく拳を突き上げ藤木を宙に浮かすと、腹に思い切り前蹴りを入れ、藤木を20m近く蹴り飛ばした。
派手に土煙を上げて藤木は倒れ込むが、何事もなかったかの様に立ち上がると、再びドロテアに向き直った。
凡そ誰の目から見ても一方的な戦闘であり、シルバースキンが無ければ、当に藤木茂は地に伏していたことだろう。
それでも藤木茂は己の勝利を疑わない。何故ならば、藤木茂には確たる勝算が有るからだ。
(確かに僕の攻撃は当たらないし、当たっても効かない。けれども、あの子の攻撃も僕には通じない。こにまま戦い続ければあの子は疲れて動けなくなる……その時まで頑張れば……!!)
藤木茂の勝算は、要はシルバースキンの防御性能にものを言わせての持久戦。互いに決定打どころか有効打すら持たない以上、激しく動き続ける方が消耗するのは道理で有る。
そうして動きが止まれば、ボウガンの矢で直接刺し殺すなり、首を絞めるなりして殺せば良い。
そうして動きが止まれば、ボウガンの矢で直接刺し殺すなり、首を絞めるなりして殺せば良い。
(このまま適当に攻撃して狙いがバレない様にするんだ。この子を疲れさすんだ……!)
◆
(あの防御をどうにかしないと)
モクバはかなりの余裕を持って、襲撃者とドロテアの戦闘を見守っていた。
襲撃者の防御力は脅威というより他にないが、ただそれだけでしか無い。凡そ攻撃面では見るべき点を持たない凡骨だ。あれではドロテアにロクなダメージも与えられまい。
ディオを小さくした能力も有るが、ドロテアの猛攻で使えないのか、はたまた使ったが効果が無かったのか。
前者で有るのならば、小さくする能力は射程が短いという事になる。
襲撃者とドロテアの攻防は、ドロテアにl投げ飛ばされるなり殴り飛ばされるなりして、襲撃者がドロテアから離れた事が何度か有ったが、その際に能力を発動してドロテアを無力化すれば良いのにそれをしていないのだから。
ディオをの時でも、態々ディオが近づいてから小さくしていた。人質にする為に計算の上で、近づいてくるのを待った…とは考えにくい。こちらから誰かが襲撃者へと近づくかどうか分からない上に、ディオが突っかかって行った時、襲撃者はハッキリと動揺していた。
つまりディオが近づいたのは襲撃者の計算外の出来事であり、ディオを、あの小さくする脳力を使って迎撃しなかったのは、動揺して使えなかったか、射程が短かったかのどちらかだ。
そしていまの戦いぶりを見ていれば、あの能力は射程が短く、近づかなければ何とかなると考えられる。
ドロテアもその辺は理解している筈だ。にも関わらず平然と近づくのは、何らかの理由で効果が無いのか、射程距離だけで無く、何か発動条件が有って、それを満たさない様にしているのか、モクバには分からない。
ただ分かるのは、あの防御さえなければ、ドロテアは当に襲撃者を下しているという事だけだった。
襲撃者の防御力は脅威というより他にないが、ただそれだけでしか無い。凡そ攻撃面では見るべき点を持たない凡骨だ。あれではドロテアにロクなダメージも与えられまい。
ディオを小さくした能力も有るが、ドロテアの猛攻で使えないのか、はたまた使ったが効果が無かったのか。
前者で有るのならば、小さくする能力は射程が短いという事になる。
襲撃者とドロテアの攻防は、ドロテアにl投げ飛ばされるなり殴り飛ばされるなりして、襲撃者がドロテアから離れた事が何度か有ったが、その際に能力を発動してドロテアを無力化すれば良いのにそれをしていないのだから。
ディオをの時でも、態々ディオが近づいてから小さくしていた。人質にする為に計算の上で、近づいてくるのを待った…とは考えにくい。こちらから誰かが襲撃者へと近づくかどうか分からない上に、ディオが突っかかって行った時、襲撃者はハッキリと動揺していた。
つまりディオが近づいたのは襲撃者の計算外の出来事であり、ディオを、あの小さくする脳力を使って迎撃しなかったのは、動揺して使えなかったか、射程が短かったかのどちらかだ。
そしていまの戦いぶりを見ていれば、あの能力は射程が短く、近づかなければ何とかなると考えられる。
ドロテアもその辺は理解している筈だ。にも関わらず平然と近づくのは、何らかの理由で効果が無いのか、射程距離だけで無く、何か発動条件が有って、それを満たさない様にしているのか、モクバには分からない。
ただ分かるのは、あの防御さえなければ、ドロテアは当に襲撃者を下しているという事だけだった。
(アイツ…明らかに弱過ぎる。防御力と特殊効果が強いけれど、青眼の様に敵を倒す攻撃力がない。乃亜がこの構成にした理由はなんなんだ……?)
◆
(煩わしい奴じゃのう)
一言で言えばドロテアはいまの状況に飽きていた。
襲撃者が此方を疲れさせようとしている事は気付いているが、そもそもが疲れて動きが鈍っても、モクバを抱えてこの場から離脱する事は充分に可能だ。襲撃者の走力は論外レベルである。気にする必要すらない。
襲撃者の戦闘能力は恐ろしく低い。にも関わらず四人相手に襲いかかって来たのは、ただの子供が高性能の支給品を与えられて舞い上がった為だろうが、それにしたってこの敵の素の力量は低過ぎる。
仮に、生身の肉体だけでディオと戦えば、一分も経たないうちにディオに生殺与奪の権を掌握される事だろう。ドロテアであれば二秒で終わる。
それがこうまで長引いているのは、単に襲撃者の纏う装甲だ。防御に全振りしている性能であり、同じく全身を鎧う帝具である、インクルシオやグランシャリオの様に、身体能力までを強化する機能は存在し無い。
その為に双方が決定打はおろか、有効打すら入れられていないのだ。この装甲の装着者が敵を打倒するのは、純粋な装着者自身の力量に依るものだ。
そして、襲撃者は弱い。試しに襲撃者の拳を二度受けてみたが、本当に只の子供のものでしかなかった。金属に覆われていたので多少は痛かったがそれだけだ。
この襲撃者の弱さは、ドロテアが戦闘を選択した理由の一つでも有る。
例えば、皇拳羅刹四鬼やシュラ辺りがこの装甲を纏って襲って来たら、若返る能力も無視して、ドロテアは恥も外聞も無く逃走か降伏を選ぶ。
元々が高い戦闘能力を持つ者が、こんな堅牢強固な装甲を纏った場合、撃破どころか抗戦すら難しいからだ。
しかし、この襲撃者の様な弱き者が装着しているのであれば、少なくともドロテアに危険は無い。適当に襲撃者をあしらいながら思考に耽る余裕を持てる程には。
襲撃者が此方を疲れさせようとしている事は気付いているが、そもそもが疲れて動きが鈍っても、モクバを抱えてこの場から離脱する事は充分に可能だ。襲撃者の走力は論外レベルである。気にする必要すらない。
襲撃者の戦闘能力は恐ろしく低い。にも関わらず四人相手に襲いかかって来たのは、ただの子供が高性能の支給品を与えられて舞い上がった為だろうが、それにしたってこの敵の素の力量は低過ぎる。
仮に、生身の肉体だけでディオと戦えば、一分も経たないうちにディオに生殺与奪の権を掌握される事だろう。ドロテアであれば二秒で終わる。
それがこうまで長引いているのは、単に襲撃者の纏う装甲だ。防御に全振りしている性能であり、同じく全身を鎧う帝具である、インクルシオやグランシャリオの様に、身体能力までを強化する機能は存在し無い。
その為に双方が決定打はおろか、有効打すら入れられていないのだ。この装甲の装着者が敵を打倒するのは、純粋な装着者自身の力量に依るものだ。
そして、襲撃者は弱い。試しに襲撃者の拳を二度受けてみたが、本当に只の子供のものでしかなかった。金属に覆われていたので多少は痛かったがそれだけだ。
この襲撃者の弱さは、ドロテアが戦闘を選択した理由の一つでも有る。
例えば、皇拳羅刹四鬼やシュラ辺りがこの装甲を纏って襲って来たら、若返る能力も無視して、ドロテアは恥も外聞も無く逃走か降伏を選ぶ。
元々が高い戦闘能力を持つ者が、こんな堅牢強固な装甲を纏った場合、撃破どころか抗戦すら難しいからだ。
しかし、この襲撃者の様な弱き者が装着しているのであれば、少なくともドロテアに危険は無い。適当に襲撃者をあしらいながら思考に耽る余裕を持てる程には。
(あの能力、やはり若返らせる能力であったわ。10歳以上は若返った気がするのじゃ)
つい先刻。ディオが襲撃者に襲いかかった時に、全く止めずに傍観に徹したのは、襲撃者の能力を知りたいという意図からだった。
だからこそ、ドロテアはディオが若返らされた時に、ディオではなく襲撃者の方を具に観察していたのだった。
そして今までの交戦で何度か若返らせる能力を受けてみて、襲撃者の影と自身の影が交差する事がこの能力の発動条件だと当たりをつけた。
だからこそ、ドロテアはディオが若返らされた時に、ディオではなく襲撃者の方を具に観察していたのだった。
そして今までの交戦で何度か若返らせる能力を受けてみて、襲撃者の影と自身の影が交差する事がこの能力の発動条件だと当たりをつけた。
(このまま更に若返りたいものじゃが、あまりやり過ぎて戦えなくなっては本末転倒…となれば)
奪ってから時間を掛けて調べるか…。とドロテアは心中に算段を始める。
襲撃者の戦力は明らかに歪だ。
破格の防御性能を持ちながら、敵を打倒するのは装着者自身によるという守備に特化した装甲。支給された者が余りにもお粗末で、これだけではただ殺され無いというだけになっている。
影が交差した相手を若返らせて無力化する能力。此方も強力ではあるが、ディオの拳があっさり届いた辺り、確実に使い慣れてはいない。この能力単体では、それなりに場慣れしたものと出逢えば、簡単に制圧されてしまうだろう。
破格の性能を持つ装備と能力に対して、慣熟どころか使えているとすら言い難い使用者。性能が破格故に一際目立つ粗。
装甲と能力と、個々ではこの襲撃者がマーダーとなる上で戦力足り得ない。だが、この二つが併されば、マーダーと成る事は出来る。
そして、矛である若返らせる能力と、盾である装甲。この二つのうちどちらかが欠けてもマーダー足り得ない。
これらが物語る事は、装備も能力も襲撃者が此処で与えられたものという事実。ならばドロテアが奪い取る事は可能。
装備の方は惜しいが、これは欲張っても仕方がない。寧ろ襲撃者の手元に残しておく事で、この弱き者の身の安全を確保させる事になる。矛を奪って盾のみを残せば、この弱き者を無力化した上で死なせない様に出来るのだ。
何なら、ドロテアのランドセルの中に入っていた剣をくれてやっても良い。モクバに咎められるだろうが、アレを扱うにはこの襲撃者は弱過ぎる。大き過ぎる上に重いのだ。
ドロテアにしても、不慣れな剣を使うのは気が乗らない、ましてや体に合わないサイズの剣となれば尚更だ。
襲撃者が扱えない武器を与えて、有用な能力を奪い取る。つまりは殺しを厭うモクバの機嫌を損ねずに済む。
襲撃者の戦力は明らかに歪だ。
破格の防御性能を持ちながら、敵を打倒するのは装着者自身によるという守備に特化した装甲。支給された者が余りにもお粗末で、これだけではただ殺され無いというだけになっている。
影が交差した相手を若返らせて無力化する能力。此方も強力ではあるが、ディオの拳があっさり届いた辺り、確実に使い慣れてはいない。この能力単体では、それなりに場慣れしたものと出逢えば、簡単に制圧されてしまうだろう。
破格の性能を持つ装備と能力に対して、慣熟どころか使えているとすら言い難い使用者。性能が破格故に一際目立つ粗。
装甲と能力と、個々ではこの襲撃者がマーダーとなる上で戦力足り得ない。だが、この二つが併されば、マーダーと成る事は出来る。
そして、矛である若返らせる能力と、盾である装甲。この二つのうちどちらかが欠けてもマーダー足り得ない。
これらが物語る事は、装備も能力も襲撃者が此処で与えられたものという事実。ならばドロテアが奪い取る事は可能。
装備の方は惜しいが、これは欲張っても仕方がない。寧ろ襲撃者の手元に残しておく事で、この弱き者の身の安全を確保させる事になる。矛を奪って盾のみを残せば、この弱き者を無力化した上で死なせない様に出来るのだ。
何なら、ドロテアのランドセルの中に入っていた剣をくれてやっても良い。モクバに咎められるだろうが、アレを扱うにはこの襲撃者は弱過ぎる。大き過ぎる上に重いのだ。
ドロテアにしても、不慣れな剣を使うのは気が乗らない、ましてや体に合わないサイズの剣となれば尚更だ。
襲撃者が扱えない武器を与えて、有用な能力を奪い取る。つまりは殺しを厭うモクバの機嫌を損ねずに済む。
(攻略法は二つあるが…死なせないとなると一つだけ)
今までに行った攻撃から、この装甲は瞬間的に金属硬化して攻撃を防ぎ、仮に砕けても即座に再生する事で続く攻撃を無効化するものだと理解している。
観察による理解から思いついた攻略法のうち、左右の拳を同じ箇所にタイミングをずらして撃ち込むとい方法は、死なせない様に加減が難しいので取り敢えずは却下。もう一つの手段で撃破出来なかった時の保険とする。
二つとも効かなかったら────その時はモクバを抱えて逃げるのも手だ。
観察による理解から思いついた攻略法のうち、左右の拳を同じ箇所にタイミングをずらして撃ち込むとい方法は、死なせない様に加減が難しいので取り敢えずは却下。もう一つの手段で撃破出来なかった時の保険とする。
二つとも効かなかったら────その時はモクバを抱えて逃げるのも手だ。
(何方にせよ。シュラや羅刹四鬼ならば、通じんじゃろうなぁ)
呑気とも取れる感想を抱きながら、ドロテアは二つ目の攻略法を実行に移す。
◆
振われる拳をしゃがみ込んで回避すると、両手を伸ばして襲撃者の両足首を掴んで独座に立ち上がると、仰向けにひっくり返った襲撃者の身体を腕力に任せて振り回した!!
「まるでヌンチャクだ!!!」
モクバの叫びがその有り様を雄弁に物語る。藤木茂はドロテアの手により、人型のヌンチャクと化していた。
「フハハハハ!!逃げようとしても無駄無駄無駄無駄ーーーー!!!なのじゃーーーーーーーー!!!!!」
振り上げる、振り下ろす、右に振るう、左へ薙ぐ、手元に勢いよく引っ張り込み、遠投するかの勢いで前方へと振り出す。
ありとあらゆる方向へと捉えた襲撃者の身体を振り回し、装甲内部の肉体に直接ダメージを及ぼしていく。
両足首を掴むドロテアの手から逃げようとする動きを見せれば、身体を空気に叩きつけるかの様により強く力を込めて振われ、ドロテアに攻撃を加えようとしても、攻撃が届かない様に振り回される。
シルバースキンの本来の使い手であるキャプテンブラボーや、ドロテアが思い浮かべたシュラや羅刹四鬼ならば、決して通じないし、ドロテアも使わない攻略法。
彼等相手では、掴みに行った所で撃ち倒され、掴めたとして外されるなりカウンターなりを受けるのは必至というこの手段を平然と持ちいるのは、単に襲撃者が弱き者だからだ。
休み無く振り回される事二分。襲撃者の反応が全くなくなったのを確認すると、ドロテアは襲撃者を放り出した。
ありとあらゆる方向へと捉えた襲撃者の身体を振り回し、装甲内部の肉体に直接ダメージを及ぼしていく。
両足首を掴むドロテアの手から逃げようとする動きを見せれば、身体を空気に叩きつけるかの様により強く力を込めて振われ、ドロテアに攻撃を加えようとしても、攻撃が届かない様に振り回される。
シルバースキンの本来の使い手であるキャプテンブラボーや、ドロテアが思い浮かべたシュラや羅刹四鬼ならば、決して通じないし、ドロテアも使わない攻略法。
彼等相手では、掴みに行った所で撃ち倒され、掴めたとして外されるなりカウンターなりを受けるのは必至というこの手段を平然と持ちいるのは、単に襲撃者が弱き者だからだ。
休み無く振り回される事二分。襲撃者の反応が全くなくなったのを確認すると、ドロテアは襲撃者を放り出した。
「ゴハッ!!!」
仰向けに地面に転がった襲撃者の呻き声。
漸く解放され、久し振りに地面に落ちた事で気が緩んだのだろうか、装甲が解除されて、襲撃者────藤木茂の素顔が晒された。
漸く解放され、久し振りに地面に落ちた事で気が緩んだのだろうか、装甲が解除されて、襲撃者────藤木茂の素顔が晒された。
「さて、と。妾に勝てぬ事は理解できたであろう────!!?」
タップリ振り回されて三半規管に多大なダメージを受けた藤木茂が、大きく痙攣すると口から勢いよく胃の内容物を吐き出していた。
『若返る能力を渡せばこの場は見逃してやる』そう言おうとしたドロテアは顔を顰めて言葉を飲み込むと、藤木がゲロで窒息しないように、爪先で藤木の身体を横に向けてやった。
「妾は優しいじゃろ」
「マッチポンプって言うんだぜ、そういうの」
何にせよ、藤木が回復するまでは暇になりそうだった。
藤木が死なないか気が気で無い様子で見守るモクバをよそに、ドロテアはいそいそと自身のランドセルを回収していた。
藤木が死なないか気が気で無い様子で見守るモクバをよそに、ドロテアはいそいそと自身のランドセルを回収していた。
【E-3 北西部/1日目/黎明】
【ドロテア@アカメが斬る!】
[状態]健康、高揚感、10歳程若返っている。
[装備]血液徴収アブゾディック、魂砕き(ソウルクラッシュ)@ロードス島伝説
[道具]基本支給品 ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本方針:手段を問わず生き残る。優勝か脱出かは問わない。
0:襲撃者(藤木)の回復待ち。若返らせる能力を自分に譲渡させる
1:とりあえず適当な人間を三人殺して首輪を得るが、モクバとの範疇を超えぬ程度にしておく。
2:妾の悪口を言っていたらあの二人(写影、桃華)は殺すが……少し悩ましいのう。ひっそり殺すか?
3:海馬モクバと協力。意外と強かな奴よ。利用価値は十分あるじゃろう。
4:海馬コーポレーションへと向かう。
5:...殺さない程度に血を吸うのはセーフじゃよな?
[備考]
※参戦時期は11巻。
※若返らせる能力(セト神)を、藤木茂の能力では無く、支給品によるものと推察しています。
※若返らせる能力(セト神)の大まかな性能を把握しました。
[状態]健康、高揚感、10歳程若返っている。
[装備]血液徴収アブゾディック、魂砕き(ソウルクラッシュ)@ロードス島伝説
[道具]基本支給品 ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本方針:手段を問わず生き残る。優勝か脱出かは問わない。
0:襲撃者(藤木)の回復待ち。若返らせる能力を自分に譲渡させる
1:とりあえず適当な人間を三人殺して首輪を得るが、モクバとの範疇を超えぬ程度にしておく。
2:妾の悪口を言っていたらあの二人(写影、桃華)は殺すが……少し悩ましいのう。ひっそり殺すか?
3:海馬モクバと協力。意外と強かな奴よ。利用価値は十分あるじゃろう。
4:海馬コーポレーションへと向かう。
5:...殺さない程度に血を吸うのはセーフじゃよな?
[備考]
※参戦時期は11巻。
※若返らせる能力(セト神)を、藤木茂の能力では無く、支給品によるものと推察しています。
※若返らせる能力(セト神)の大まかな性能を把握しました。
【海馬モクバ@遊戯王デュエルモンスターズ】
[状態]:健康
[装備]:青眼の白龍@遊戯王デュエルモンスターズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:乃亜を止める。人の心を取り戻させる。
0:襲撃者(藤木)の回復待ち。殺すのは止めたいが……。
1:G-2の港に向かい船に乗ってマップの端に向かう。
2:殺し合いに乗ってない奴を探すはずが、ちょっと最初からやばいのを仲間にしちまった気がする
3:ドロテアと協力。俺一人でどれだけ抑えられるか分からないが。
4:海馬コーポレーションへ向かう。
5::支給品に込められた乃亜の意図は何だ?
[備考]
※参戦時期は少なくともバトルシティ編終了以降です。
※ここを電脳空間を仮説としてますが確証はありません
[状態]:健康
[装備]:青眼の白龍@遊戯王デュエルモンスターズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:乃亜を止める。人の心を取り戻させる。
0:襲撃者(藤木)の回復待ち。殺すのは止めたいが……。
1:G-2の港に向かい船に乗ってマップの端に向かう。
2:殺し合いに乗ってない奴を探すはずが、ちょっと最初からやばいのを仲間にしちまった気がする
3:ドロテアと協力。俺一人でどれだけ抑えられるか分からないが。
4:海馬コーポレーションへ向かう。
5::支給品に込められた乃亜の意図は何だ?
[備考]
※参戦時期は少なくともバトルシティ編終了以降です。
※ここを電脳空間を仮説としてますが確証はありません
【藤木茂@ちびまる子ちゃん】
[状態]:酩酊(中)、手の甲からの軽い流血、シルバースキン解除。ゲロ吐いてる最中。
[装備]:シルバースキン@武装錬金、セト神のスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、小型ボウガン(装填済み) ボウガンの矢(即効性の痺れ薬が塗布)×10、ドロテアのランドセル(基本支給品、ランダム支給品×0~2)
[思考・状況]基本方針:殺し合いに乗る。
0:目の前の二人を……!
1:次はもっとうまくやる
2:卑怯者だろうと何だろうと、どんな方法でも使う
3:永沢君達もいるのかな…
4:僕は──フジキングなんだ
[状態]:酩酊(中)、手の甲からの軽い流血、シルバースキン解除。ゲロ吐いてる最中。
[装備]:シルバースキン@武装錬金、セト神のスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、小型ボウガン(装填済み) ボウガンの矢(即効性の痺れ薬が塗布)×10、ドロテアのランドセル(基本支給品、ランダム支給品×0~2)
[思考・状況]基本方針:殺し合いに乗る。
0:目の前の二人を……!
1:次はもっとうまくやる
2:卑怯者だろうと何だろうと、どんな方法でも使う
3:永沢君達もいるのかな…
4:僕は──フジキングなんだ
支給品紹介
魂砕き(ソウルクラッシュ)@ロードス島伝説
不滅の肉体を持つ魔神王を滅ぼす為に古代魔法王国(カストゥーリア)で鍛えられた剣。漆黒の剣身を持つグレートソード。鋼よりも硬い古竜(エンシェントドラゴン)の鱗を切り裂ける。
『物質的な肉体を持たない魔神王を滅ぼす為に』肉体だけで無く、精神を斬り裂く効果を持ち、掠っただけで破格の英雄が気力を失い戦闘不能になるが、この効果は制限により発揮されない。『なお魔神王に対する特攻効果はそのままである』
『斬った相手から精神力(DQやFFで言うMPに該当する)を奪う効果及び、所有者の肉体の老化速度を半減させる効果を持つ』
『』内の記述はテキストには載っていない為(要は失意の庭のものと同じ)
取説を読んだだけでは単に良く斬れるグレートソードでしかない。
魂砕き(ソウルクラッシュ)@ロードス島伝説
不滅の肉体を持つ魔神王を滅ぼす為に古代魔法王国(カストゥーリア)で鍛えられた剣。漆黒の剣身を持つグレートソード。鋼よりも硬い古竜(エンシェントドラゴン)の鱗を切り裂ける。
『物質的な肉体を持たない魔神王を滅ぼす為に』肉体だけで無く、精神を斬り裂く効果を持ち、掠っただけで破格の英雄が気力を失い戦闘不能になるが、この効果は制限により発揮されない。『なお魔神王に対する特攻効果はそのままである』
『斬った相手から精神力(DQやFFで言うMPに該当する)を奪う効果及び、所有者の肉体の老化速度を半減させる効果を持つ』
『』内の記述はテキストには載っていない為(要は失意の庭のものと同じ)
取説を読んだだけでは単に良く斬れるグレートソードでしかない。
047:懐かし面影 探してる | 投下順に読む | 049:星の降る夜に |
時系列順に読む | ||
043:ビギナーズラックの嚆矢 | 藤木茂 | 051:「藤木、友達を失くす」の巻 |
ドロテア | ||
海馬モクバ |