―――グレーテル(先客)と入れ違いだったらしいな。
「とんでもねえ、クソガキみたいだが」
つい数分前の光景を舌打ちしながら、リルトット・ランパードは思い起こしていた。
金色の闇。リルからすれば、ただの痴女ビッチのイカれレイパーの殺人鬼を退け、だが同行者の鈴原小恋が裸にひん剥かれた状況。流石に放置しておくわけにもいかず、たまたま近くにあった施設、海馬コーポレーションに衣類を求めて訪れた。
そこまでは良いのだが、海馬という人物の趣味かエイリアンみのある頭部をしたドラゴンの銅像達の間に、少年の生首が晒されていた。
小恋が悲鳴をあげそうになるのを手で口を抑え、目の付かない場所に追いやってから、首の処分を終えて、ようやく一息ついているのが今のリルであった。
この悪趣味なオブジェを置き去った馬鹿ガキは、一体何処のどいつなのか、考えるだけで面倒になってくる。
金色の闇。リルからすれば、ただの痴女ビッチのイカれレイパーの殺人鬼を退け、だが同行者の鈴原小恋が裸にひん剥かれた状況。流石に放置しておくわけにもいかず、たまたま近くにあった施設、海馬コーポレーションに衣類を求めて訪れた。
そこまでは良いのだが、海馬という人物の趣味かエイリアンみのある頭部をしたドラゴンの銅像達の間に、少年の生首が晒されていた。
小恋が悲鳴をあげそうになるのを手で口を抑え、目の付かない場所に追いやってから、首の処分を終えて、ようやく一息ついているのが今のリルであった。
この悪趣味なオブジェを置き去った馬鹿ガキは、一体何処のどいつなのか、考えるだけで面倒になってくる。
「お……おねぇちゃん…さっきの……?」
「忘れとけ。カボチャみてーなもんだ」
「忘れとけ。カボチャみてーなもんだ」
幼い小恋にとってはトラウマものの光景であった事は想像に難くない。
リルは面倒そうに、ぶっきらぼうに吐き捨てる。
戦いの経験など皆無な子供のメンタルケアなどガラでもないしする気もない。
多少はその気持ちを鑑みて、同情くらしはしてやるが。
リルは面倒そうに、ぶっきらぼうに吐き捨てる。
戦いの経験など皆無な子供のメンタルケアなどガラでもないしする気もない。
多少はその気持ちを鑑みて、同情くらしはしてやるが。
「……しかし、海馬って奴はどんだけ、このドラゴン好きなんだよ」
海馬コーポレーション社内を適当に散策して分かった事だが、このビルの主は至る所にこの青眼の白龍と呼ばれるドラゴンを模したインテリアを社内に設置していた。
この会社がほぼ実質運営しているカードゲームの看板キャラらしいが、どう考えても社長の私情が混じっているとしか思えない。
この会社がほぼ実質運営しているカードゲームの看板キャラらしいが、どう考えても社長の私情が混じっているとしか思えない。
(この会社の社長、よその会社のキャラを我が物顔で使ってんのか?)
よくよく見てみると、版権元にインダストリアル・イリュージョン社と書かれていた。
「あ、このひと…きれいだよ」
声にまだ覇気はないが、青眼以外にも貼られていたポスターに写ったブラック・マジシャン・ガールを見て、少しだけ小恋は元気を取り戻していた。
良くも悪くも子供で切り替えが早いのは、リルにとってもありがたいことではあった。
良くも悪くも子供で切り替えが早いのは、リルにとってもありがたいことではあった。
「クリクリー」
「すごーい…このくりぼーって、ほんものみたいだね」
他にも、この会社そのものが非常に子供向けの娯楽施設として優れているのも、小恋のトラウマを和らげている事の一因だろう。
目の前に浮かんでいる、毛むくじゃらの真ん丸な目をしたボールに手足をくっつけたような緩いモンスター。
これは、ソリッドビジョンとやらを用いたイメージの投影。言うならば、科学で作り出した幻覚だ。
だが、リルを以てしても思わず手を伸ばし、触れないことを確認しなければそれが幻だと認識できない程の真に迫った幻覚。
涅マユリや浦原喜助に匹敵しうる技術を、人の身で創り上げたとは。
しかもそれを、多種多様なモンスターが登場するカードゲームのイラストを顕現させる為だけに、注ぎ込んでいるのだ。子供からすれば、大はしゃぎしてもおかしくはない。
本音を言えば、リルもポーカーフェイスを崩さないまでも、少し楽しかった事は否定できない。
目の前に浮かんでいる、毛むくじゃらの真ん丸な目をしたボールに手足をくっつけたような緩いモンスター。
これは、ソリッドビジョンとやらを用いたイメージの投影。言うならば、科学で作り出した幻覚だ。
だが、リルを以てしても思わず手を伸ばし、触れないことを確認しなければそれが幻だと認識できない程の真に迫った幻覚。
涅マユリや浦原喜助に匹敵しうる技術を、人の身で創り上げたとは。
しかもそれを、多種多様なモンスターが登場するカードゲームのイラストを顕現させる為だけに、注ぎ込んでいるのだ。子供からすれば、大はしゃぎしてもおかしくはない。
本音を言えば、リルもポーカーフェイスを崩さないまでも、少し楽しかった事は否定できない。
「そんだけに分からねえな…本当にこのビルを作った奴と、乃亜に何か関係があるのか?」
ソリッドビジョン等の技術、悪用すればいくらでも使い道はある。現世での戦争にも大いに利用できるだろう。
だが実際にはアミューズメントとして、この会社は活用しているようだ。
リルの中での印象に基づいた考えだが、乃亜の意地の悪さとガキっぽさ、何よりあの幼稚な悪辣さでこれ程の娯楽施設を一から作り上げるとは考え辛い。
名前からして乃亜の会社かと考えていたが、むしろ別人の作った会社をそのままこの島に持って来たかのようだ。
だが実際にはアミューズメントとして、この会社は活用しているようだ。
リルの中での印象に基づいた考えだが、乃亜の意地の悪さとガキっぽさ、何よりあの幼稚な悪辣さでこれ程の娯楽施設を一から作り上げるとは考え辛い。
名前からして乃亜の会社かと考えていたが、むしろ別人の作った会社をそのままこの島に持って来たかのようだ。
「……で、お前なんだそりゃ」
「かわいいでしょ!」
「かわいいでしょ!」
ここに来た一番の目的は会社内を楽しむ事ではなく、小恋の服を探す事だったのだが。その目的は達することは出来ただろう。
「ぶらっくまじしゃんがーるのようふく!」
「他にマシな服ねぇのか、クソ」
何かのイベント用に保管されていたのか、ブラック・マジシャン・ガールを模したコスプレを小恋はチョイスしていた。
如何にも魔法使いな帽子。
豊満な乳房であれば、方から胸の上辺が露わになり、見せ付ける様に太腿を大胆に露出した衣装。
辛うじて、幼女向けアニメのヒロインの服と言い張れなくもないが、あまり一緒に連れて歩きたくはない。
如何にも魔法使いな帽子。
豊満な乳房であれば、方から胸の上辺が露わになり、見せ付ける様に太腿を大胆に露出した衣装。
辛うじて、幼女向けアニメのヒロインの服と言い張れなくもないが、あまり一緒に連れて歩きたくはない。
「もういっこあったから、おねえちゃんもきようよ!」
「嫌に決まってんだろ」
「そっか…じゃあこっちのかいばーまんの……」
「どっちもいらねえよ!」
「嫌に決まってんだろ」
「そっか…じゃあこっちのかいばーまんの……」
「どっちもいらねえよ!」
軽く小恋をあしらいながら、リルは考える。
場所の特定は出来ないが、そう遠くはない場所で誰かがやりあっているようだ。
霊圧の高さも判別がつかず、強さを測ることも叶わない。
場所の特定は出来ないが、そう遠くはない場所で誰かがやりあっているようだ。
霊圧の高さも判別がつかず、強さを測ることも叶わない。
さて、どうするか。
適当に辺りをうろついてみて、戦闘があれば介入してみるか? 対主催とやらに恩を売れるなら悪くない。
だが迂闊に首を突っ込んだ相手が、それこそ死神の隊長格、破面の十刃、リルと同じ滅却師の星十字騎士団のような強者であった場合、最悪死ぬことになる。
かといって、参加者との合流を拒んだままでは情報で後れを取る。今後優勝を目指すか脱出をするにしろ、それらを見極める情報は必須だ。
だが迂闊に首を突っ込んだ相手が、それこそ死神の隊長格、破面の十刃、リルと同じ滅却師の星十字騎士団のような強者であった場合、最悪死ぬことになる。
かといって、参加者との合流を拒んだままでは情報で後れを取る。今後優勝を目指すか脱出をするにしろ、それらを見極める情報は必須だ。
(ここで、少し張るか……)
ふと横を見れば小恋もうとうとと眠たそうにしていた。こんな時間だ、普通の子供なら寝ている頃合いだろう。
丁度いい。海馬の名を持つこのビルは、相応に参加者の目を引くはずだ。
人の往来は、別の施設よりは多くなることだろう。
ここで待ち伏せし、相手の力量と危険度を図りつつ接触するか避けるかを判断し、可能なら情報を引き出す。やばそうなら逃げる。
あと、ついでに小恋も少し寝かせてやればいい。
丁度いい。海馬の名を持つこのビルは、相応に参加者の目を引くはずだ。
人の往来は、別の施設よりは多くなることだろう。
ここで待ち伏せし、相手の力量と危険度を図りつつ接触するか避けるかを判断し、可能なら情報を引き出す。やばそうなら逃げる。
あと、ついでに小恋も少し寝かせてやればいい。
眠気に負けた小恋を背負いながら、リルはある部屋を開けた。
そこには辺り一面にモニターが広がり、会社内部のあらゆる場所の映像を映し出している。
(こんだけでかい会社だ。まあ、あるだろうとは思ったが)
監視カメラを利用すれば、侵入者をいち早く察知できるというわけだ。
これを利用しない手はない。
これを利用しない手はない。
「さて、鬼が来るか蛇が来るか」
小恋を椅子に寝かせた後、リルも適当な椅子に腰掛けドーナツを掴み上げ口に放り込む。
その視線はモニターの映像画面に注がれていた。
その視線はモニターの映像画面に注がれていた。
【E-7 海馬コーポレーション/1日目/黎明】
【リルトット・ランパード@BLEACH】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(小)、若干の敏感状態
[装備]:可楽の団扇@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品一式、トーナツの詰め合わせ@ONE PIECE、ランダム支給品×0~2
[思考・状況]
基本方針:脱出優先。殺し合いに乗るかは一旦保留。
0:海馬コーポレーションで待ち伏せし、参加者と接触を図る。
1:チビ(小恋)と行動。機を見て適当な参加者に押し付ける。
2:首輪を外せる奴を探す。
3:ジジ達は流石にいねぇだろ、多分。
4:あの痴女(ヤミ)には二度と会いたくない、どっかで勝手にくたばっとけ。
[備考]
※参戦時期はノベライズ版『Can't Fear Your Own World』終了後。
※静血装で首輪周辺の皮膚の防御力強化は不可能なようです。
[状態]:疲労(中)、ダメージ(小)、若干の敏感状態
[装備]:可楽の団扇@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品一式、トーナツの詰め合わせ@ONE PIECE、ランダム支給品×0~2
[思考・状況]
基本方針:脱出優先。殺し合いに乗るかは一旦保留。
0:海馬コーポレーションで待ち伏せし、参加者と接触を図る。
1:チビ(小恋)と行動。機を見て適当な参加者に押し付ける。
2:首輪を外せる奴を探す。
3:ジジ達は流石にいねぇだろ、多分。
4:あの痴女(ヤミ)には二度と会いたくない、どっかで勝手にくたばっとけ。
[備考]
※参戦時期はノベライズ版『Can't Fear Your Own World』終了後。
※静血装で首輪周辺の皮膚の防御力強化は不可能なようです。
※ジュエリー・ボニーに子供にされた海兵の頭は処分しました。
【鈴原小恋@お姉さんは女子小学生に興味があります。】
[状態]:精神的疲労(中)、敏感状態、就寝中
[装備]ブラック・マジシャン・ガールのコスプレ@現地調達
[道具]:なし
[思考・状況]
基本方針:みのりちゃんたちをさがす。
0:ZZZ……
1:おねえちゃん(リル)といっしょにいる。
[備考]
※参戦時期は原作6巻以降。
[状態]:精神的疲労(中)、敏感状態、就寝中
[装備]ブラック・マジシャン・ガールのコスプレ@現地調達
[道具]:なし
[思考・状況]
基本方針:みのりちゃんたちをさがす。
0:ZZZ……
1:おねえちゃん(リル)といっしょにいる。
[備考]
※参戦時期は原作6巻以降。
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鈴原小恋 |